説明

耐退色性の蛍光性再帰反射物

耐退色性の蛍光性着色剤組成物は、蛍光性着色剤がペリレンイミド誘導体でないと規定される、ポリマー、退色しやすい蛍光性着色剤および、分子量が約1,200AMUよりも大きいヒンダードアミン系光安定剤を含む。該ヒンダードアミン系光安定剤は、少なくとも1つの第二級または第三級のヒンダードアミンを含む。耐退色性の再帰反射性物品は、着色剤組成物、および透明な光学エレメントのアレイを含む再帰反射構造体を含む。該組成物および物品を形成するための方法もまた含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は米国特許出願第10/754,897号(2004年1月9日出願)の継続出願であり、その教示の全体が参照により本明細書中に援用される。
【0002】
(発明の背景)
視認性が高い着色された材料の様々な利点が、単独であっても、また、再帰反射材との組合せであっても、広く知られている。かかる材料は、例えば、交通信号、作業区域表示、車輌反射器、個人用の反射性安全器具などにおいて広く用いられている。
【0003】
柔軟な巻き上げ可能な物品(article)は、着色された再帰反射性の裏張り(sheeting)用途のために好都合であり、これにより、改善された衝撃安全性、貯蔵の容易さ、および可搬性を提供している。しかしながら、着色剤(すなわち、色素または顔料)は、着色剤が柔軟なポリマーに組み込まれる場合には特に、日光にさらされた後では、急速に退色し得る。特に、再帰反射構造体との組合せで柔軟なポリマーに担持された蛍光性着色剤は、再帰反射構造体が機能し続けることがあるが、急速に退色し得る。
【0004】
いくつかの実例では、蛍光性着色剤と、ポリマー、および低分子量のヒンダード(hindered)アミン系光安定剤(HALS)の化合物との組合せが教示される。これらの低分子量(すなわち、1,000原子質量ユニット(AMU)未満)の化合物はある程度の耐退色性を提供し得る一方で、そのような化合物はまた、ポリマーがポリ塩化ビニル(PVC)を含む場合には表面の曇りの形成を生じさせる。この現象は高温加工(例えば、カレンダー処理など)の後では特に明らかになり得る。理論により拘束されることは望まないが、様々な酸が、加工時に、または、残存する乳化剤との反応の最中に原料のホモポリマー樹脂から遊離し得ることが考えられており、これらの酸が、アミン機能性部位と反応して、曇りとして現れ得る不活性な不溶性粒子を生じさせていると考えられる。このような曇らせる曇りが入射光および反射光を散乱および阻止する可能性があり、これにより物品の視認性を低下させる。さらに、表面の異物として、そのような曇りは、インク、塗料、および、接着剤付きの標識、文字またはロゴの、ポリマーの表面における接着不良をもたらす。この問題を除くために、被覆をPVC表面に施さなければならない。このことはコストの増大およびさらなる製造プロセス工程をもたらす。
【0005】
別の実例では、分子量が1,500AMUを超えるHALS化合物の使用が教示される。しかしながら、この実例では、特定の種類のペリレンイミド色素の使用が要求され、かつ、他の色素(例えば、チオキサンテン色素)では作用が不良であることが教示される。この一種類だけのペリレン色素は高価であり、すべての用途のためには適していない。さらに、この実例ではまた、同様に高価であり、かつ、すべての用途のためには適していない特定の種類のポリマーおよび可塑剤が要求され得る。
【0006】
従って、様々なポリマー材料における様々な着色剤のために曇りのない耐退色性を提供することがこの分野では求められている。特に、再帰反射構造体と組み合わせられたポリ塩化ビニル物品における蛍光性着色剤のための改善された、曇りのない耐退色性が求められている。
【0007】
(発明の概要)
今回、実施例1および実施例2において明らかにされるように、高分子量のヒンダードアミン系光安定剤が、曇りのない耐退色性を柔軟なポリマー(例えば、ポリ塩化ビニルなど)との組合せで着色剤(特に、蛍光性着色剤、例えば、チオキサンテン系およびピラゾロン系など)に提供することが見出された。
【0008】
耐退色性の蛍光性着色剤組成物は、ポリマー、退色しやすい蛍光性着色剤(蛍光性着色剤がペリレンイミド誘導体でない場合)、および、分子量が約1,200AMUよりも大きいヒンダードアミン系光安定剤を含む。そのようなヒンダードアミン系光安定剤には、少なくとも1つの第二級または第三級のヒンダードアミンが含まれる。
【0009】
耐退色性の再帰反射性物品は、着色剤組成物と、透明な光学素子のアレイ(array)を含む再帰反射構造体とを含む。
【0010】
別の耐退色性の再帰反射性物品は、ポリマーを含む着色剤組成物;退色しやすい蛍光性着色剤;および分子量が約1,200AMUよりも大きいヒンダードアミン系光安定剤とを含む。これにはまた、透明なキューブコーナープリズムのアレイを含む再帰反射構造体が含まれる。隣接するプリズムは、プリズム対の頂点の先端が互いに傾斜しているプリズム対を形成する。場合により、反射性被覆をプリズムの各切子面に設置することができる。
【0011】
そのような組成物および物品を形成するための方法もまた含まれる。
【0012】
本明細書中に開示される態様の利点は有意である。耐退色性を提供することによって、光にさらされた着色物(特に、柔軟な蛍光性の再帰反射性物品)の寿命を、従来の配合物と比較して、2倍以上増大させることができる。高分子量のヒンダードアミン系光安定剤を組み込むことによって、望ましくない表面曇りの形成が低下する。その結果は、交通信号、作業区域表示、車輌反射器、個人用の反射性安全器具などのための再帰反射性物品についての安全性および性能における著しい改善である。また、再帰反射性物品の審美的外観も維持される。
【0013】
本発明の前記の目的、特徴および利点、ならびに他の目的、特徴および利点が、同じ参照符号により、異なる図面を通して同じ部分が示される付随する図面に例示されるような本発明の好ましい態様の下記のより具体的な記述から明らかになる。図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、むしろ、本発明の原理を例示することに強調が置かれている。すべての百分率および部は、別途示されない限り、重量比である。
【0014】
(発明の詳細な説明)
本発明の前記の目的、特徴および利点、ならびに他の目的、特徴および利点が本発明の好ましい態様の下記のより具体的な記述から明らかになる。すべての百分率および部は、別途示されない限り、重量比である。
【0015】
蛍光性着色剤は、蛍光性の有機分子を含有する色素または顔料である。蛍光性着色剤の詳細な記述が、Zollinger, H.、“Color Chemistry: Synthesis, Properties, and Applications of Organic Dyes and Pigments”(第2版、VCH、New York、1991)(その教示の全体が参考として本明細書中に援用される)に見出され得る。本明細書中で使用されるように、蛍光性着色剤は、例えば、キサンテン、チオキサンテン、フルオレン誘導体(例えば、フルオレセイン類、ローダミン類、エオシン類、フロキシン類、ウラニン類、スクシネイン類、サッカレイン類(sacchareins)、ロサミン類(rosamies)およびロードール類)、ナフチルアミン、ナフチルイミド、ナフトラクタム、アザラクトン、メチン、オキサジン、チアジン、ベンゾピラン、クマリン、アミノケトン、アントラキノン、イソビオラントロン、アントラピリドン、ピラニン、ピラゾロン、ベンゾチアゼン、ペリレンおよびチオインジゴイドから選択される化合物またはその誘導体であり得る。より好ましくは、蛍光性着色剤は、キサンテン、チオキサンテン、ベンゾピラン、クマリン、アミノケトン、アントラキノン、イソビオラントロン、アントラピリドン、ピラニン、ピラゾロン、ベンゾチアゼン、チオインジゴイドおよびフルオレンから選択される化合物またはその誘導体である。最も好ましくは、蛍光性着色剤はチオキサンテンまたはチオキサンテン誘導体である。
【0016】
本明細書中で使用される用語「誘導体」は、指定されたコア構造の化学的に置換された変化体が意図されることを意味する。例えば、チオキサンテン誘導体は、チオキサンテン、または1つ以上の官能基(例えば、ハロゲン(例えば、-F、-Cl、-Brおよび-I)、-OH、-NO2、-CN、任意に置換されたアルキル、アミノ、アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル非芳香族複素環など)により置換されたチオキサンテンであり得る。他の置換基は、縮合環が可能であり得、例えば、2つの環原子をコアの蛍光性着色剤構造と共通で共有する、場合により置換されたアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは非芳香族複素環であり得る。
【0017】
用語「アリール」基は炭素環の芳香族基を示し、例えば、フェニル、ナフチルおよびアントラシルなどを示す。用語「ヘテロアリール」基は複素芳香族基を示し、例えば、イミダゾリル、イソイミダゾリル、チエニル、フラニル、ピリジル、ピリミジル、ピラニル、ピラゾリル、ピロリル、ピラジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリルおよびテトラゾリルなどを示す。本明細書中で使用される場合、「ヘテロアリール」基は、少なくとも1つのN原子、S原子またはO原子および2つの二重結合とを含有する5員の炭素環状環であるか、あるいは、少なくとも1つのN原子、S原子またはO原子と、3つの二重結合とを含有する6員の炭素環状環である。
【0018】
用語「非芳香族複素環」は、4個〜8個の環原子(好ましくは、5個〜6個の環原子)を典型的に有する非芳香族の環系で、1つまたは複数の環炭素(好ましくは、1個〜4個の環炭素)がそれぞれヘテロ原子(例えば、N、OまたはSなど)によって置換される非芳香族の環系をいう。非芳香族複素環状環の例には、3-テトラヒドロフラニル、2-テトラヒドロピラニル、3-テトラヒドロピラニル、4-テトラヒドロピラニル、[1,3]-ジオキサラニル、[1,3]-ジチオラニル、[1,3]-ジオキサニル、2-テトラヒドロチオフェニル、3-テトラヒドロチオフェニル、2-モルホリニル、3-モルホリニル、4-モルホリニル、2-チオモルホリニル、3-チオモルホリニル、4-チオモルホリニル、1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、3-ピロロリジニル、1-ピペラジニル、2-ピペラジニル、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニル、4-チアゾリジニル、ジアゾロニル、N-置換ジアゾロニル、および1-フタルイミジニルが含まれる。
【0019】
用語「アルキル」は、単独で使用されるか、または、より大きな成分(例えば、アラルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、ハロアルキル)の一部として使用されるが、完全に飽和している直鎖または分枝状の非芳香族炭化水素である。典型的には、直鎖または分枝状のアルキル基は、別途指定されないならば、1個〜約10個の炭素原子を有し、好ましくは、1個〜約5個の炭素原子を有する。好適な直鎖アルキル基または分枝状アルキル基の例には、メチル、エチル、n-プロピル、2-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチルが含まれる。C1〜C10の直鎖アルキル基もしくは分枝状アルキル基またはC3〜C8の環状アルキル基はまた「低級アルキル」基としても示され得る。「アルコキシ」基は、介在する酸素原子を介して結合するアルキル基を示す(例えば、メトキシ、エトキシ、2-プロピルオキシ、tert-ブトキシ、2-ブチルオキシ、3-ペンチルオキシなど)。
【0020】
用語「シクロアルキル」は、3個〜約10個の炭素原子(好ましくは、3個〜約7個の炭素原子)を有する環状アルキル基である。好適なシクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが含まれる。「シクロアルコキシ」基は、介在する酸素原子を介して結合するシクロアルキル基を示す(例えば、シクロペンチルオキシおよびシクロヘキシルオキシなど)。
【0021】
当業者は、多くの市販の着色剤について、あるクラスに含まれる個々の誘導体(例えば、チオキサンテン誘導体)の具体的な化学構造が公開されていない場合があることを知っている。従って、具体的な蛍光性着色剤は、典型的には、色指数(C.I.)名によって示され、これは、“Colour Index International”(第4版、American Association of Textile Chemists and Colorists、Research Triangle Park、NC、2002)において定義される通りである。色指数はまた、http://www.colour-index.org/においてオンラインで入手可能である。色指数の教示の全体が参考として本明細書中に組み込まれる。
【0022】
好ましい蛍光性着色剤の例には、C.I. Solvent Orange 63(Hostasol Red GG、Hoechst AG、Frankfurt、ドイツ)、C.I. Solvent Yellow 98(Hostasol Yellow 3G、Hoechst AG、Frankfurt、ドイツ)、および、C.I. Solvent Orange 118(FL Orange SFR、Keystone Aniline Corporation、Chicago、Illinois)が含まれる。
【0023】
用いられ得る着色剤の量は、意図された使用の詳細、着色剤の特性、および、組成物におけるそれ以外の成分などに依存する。当業者は、着色剤の量を特定の使用について決定するためにこれらの詳細をどのように判断するかを理解している。典型的には、着色剤の量は、着色剤組成物全体の重量割合が約0.01%〜約2%の間であり、より好ましくは約0.05%〜約0.5%の間であり、最も好ましくは約0.2%である。
【0024】
紫外線吸収剤は、約425ナノメートルよりも短い波長、または、より好ましくは、約400ナノメートルよりも短い波長を有する入射光の一部を吸収する化合物である。好適な紫外線吸収剤には、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、トリアジン、それらの誘導体などが含まれる。当業者は、好適であり得る多くの他の市販の紫外線吸収剤のことを理解している。
【0025】
用いられ得る紫外線吸収剤の量は、意図された使用の詳細、着色剤組成物の厚さ、および、組成物におけるそれ以外の成分などに依存する。当業者は、紫外線吸収剤の量を特定の使用について決定するためにこれらの詳細をどのように判断するかを理解している。典型的には、紫外線吸収剤の量は、着色剤組成物全体の重量割合が約0.01%〜約3%の間であり、より好ましくは約0.05%〜約1%の間であり、最も好ましくは約0.5%である。
【0026】
HALSは、立体的に妨害する、1つまたは好適には少なくとも2つの第二級アミンまたは第三級アミンを含有する化合物(典型的には、オリゴマーまたはポリマー)である。典型的には、HALSは約8個〜約14個のヒンダードアミン基を含有し得る。「立体的に妨害する」は、アミンに隣接する基または結合する基が立体的に大きいことを意味する(例えば、分枝状アルキル基(例えば、第三級ブチル基など)または環(例えば、フェニル、シクロペンチルおよびシクロへキシルなど))。第三級のヒンダードアミン基の例には、例えば、ジフェニルアミノ、ジ-tert-ブチルアミノ、2,2',6,6'-テトラメチル-N-メチルピペリジル、および2,2',5,5'-テトラメチル-N-メチルピロリジルなどが含まれる。ヒンダード第二級アミン基の例には、2,2',6,6'-テトラメチルピペリジルおよび2,2',5,5'-テトラメチルピロリジルなどが含まれる。例えば、2つの好適なHALSが下記の構造式Iおよび構造式IIによって表される:
【0027】
【化1】

【0028】
前記構造式において、nは1〜約10(より典型的には2〜約8、好ましくは約3〜約6)であり得る;mは約4〜約18(より典型的には約6〜約16、好ましくは約8〜約14)であり得る。
【0029】
ヒンダードアミン機能性にはまた、N-アルコキシのヒンダードアミン誘導体が含まれ得る。N-アルコキシのヒンダードアミン誘導体は、他のヒンダードアミンよりも塩基性が小さい可能性があり、例えば、ポリ塩化ビニルフィルムのカレンダー処理において存続すると考えられるように、酸性の環境により耐えると考えられる。このような、N-アルコキシのヒンダードアミン誘導体はポリマー状または高分子量のモノマー状であり得る。N-アルコキシのヒンダードアミン製造物のいくつかが市販されている。例えば、1つの市販されているN-アルコキシのヒンダードアミン組成物は、下記の化合物IIIを主成分として、かつ、下記の化合物IVを副成分として含有すると考えられる特許された混合物である:
【0030】
【化2】

【0031】
別の市販されているN-アルコキシのヒンダードアミン組成物は、分子量が約2,800AMU〜約4,000AMUの間である、ヒンダードN-アルコキシのヒンダードアミン誘導体として記載される。別の一例が、N,N'-エタン-1,2-ジイルビス(1,3-プロパンジアミン)、シクロヘキサン、過酸化4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンおよび2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンの反応生成物であると考えられる特許された製造物である。
【0032】
HALSの分子量は約1,200AMUを超える。好ましくは、HALSの分子量は約1,500AMU〜10,000AMUの間(より好ましくは、約2,000AMU〜約7,500AMUの間、または、さらに一層好ましくは、約2,500AMU〜約5,000AMUの間)であり得る。
【0033】
HALSは、好ましくは、ポリマーに可溶性である。「可溶性」は、HALSがポリマーに組み込まれる場合、HALSが、実質的には、ポリマー全体に分散された個々のHALS分子の形態にあることを意味する。
【0034】
用いられ得るHALSの量は、意図された使用の詳細、組成物における着色剤の量、および、組成物におけるそれ以外の成分などに依存する。当業者は、HALSの量を特定の使用について決定するためにこれらの詳細をどのように判断するかを理解している。典型的には、HALSの量は、組成物全体の重量割合が約0.01%〜約5%の間であり、より好ましくは約0.1%〜約2%の間であり、最も好ましくは約0.5%〜1%である。
【0035】
ポリマーには、例えば、任意に置換されたポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリジン(vinylidine)、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリウレタンアクリレート、ポリシロキサン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびポリアクリレートが含まれる。好ましくは、ポリマーには、ポリ塩化ビニルが含まれる。
【0036】
用いられ得るポリマーの量は、意図された使用の詳細、物品の厚さ、および、組成物におけるそれ以外の成分などに依存する。当業者は、ポリマーの量を特定の使用について決定するためにこれらの詳細をどのように判断するかを理解している。典型的には、ポリマーの量は、組成物全体の重量割合が約50%〜約98%の間である。
【0037】
ポリマーは可塑剤を含み得る(例えば、任意に置換されたフタル酸エステル、アジピン酸エステルおよびセバシン酸エステル)。好適な可塑剤には、例えば、モノマー状の可塑剤、例えば、フタル酸ジ-iso-ノニル、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ-iso-デシル、フタル酸ジ-n-オクチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジ(プロピルヘプチル)、フタル酸ジウンデシル、フタル酸ジノニル、フタル酸ジヘプチル、アジピン酸ジ(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジ(2-エチルヘキシル)など、ならびに、アジピン酸および多価アルコールに由来するポリマー状の可塑剤が含まれ得る。好ましくは、可塑剤には、炭素が7個〜12個の直鎖アルコールまたはその混合物のモノマー状フタル酸エステル(例えば、フタル酸ジ-n-ヘプチル、フタル酸ジ-n-オクチル、フタル酸ジ-n-ノニル、フタル酸ジ-n-デシル、フタル酸ジ-n-ウンデシルおよびフタル酸ジ-n-ドデシル)が含まれる。
【0038】
用いられ得る可塑剤の量は、意図された使用の詳細、物品の厚さ、および、組成物におけるそれ以外の成分などに依存する。当業者は、可塑剤の量を特定の使用について決定するためにこれらの詳細をどのように判断するかを理解している。典型的には、可塑剤の量は、組成物全体の重量割合が約5%〜約65%の間であり、より好ましくは約15%〜約40%の間であり、最も好ましくは約25%である。
【0039】
着色剤組成物の成分は、加熱された機械的なミキサーまたはミルにおける加工によってポリマーに組み込むことができる。得られる混合物を、着色剤組成物の層または他の物品を形成するために注入または押し出しすることができる。任意に、ポリマーは、配合プロセス中に重合するモノマーまたは任意に硬化した成分を含み得る。
【0040】
好ましい耐退色性の蛍光性着色剤組成物は、ポリ塩化ビニル;フタル酸エステル可塑剤;紫外線吸収剤;ベンゾピラン、クマリン、キサンテン、チオキサンテンまたはチオインジゴイド(thioindigiod)誘導体である退色しやすい蛍光性着色剤;および、分子量が約2,500AMUを超えるヒンダードアミン系光安定剤を含み、この場合、ヒンダードアミン系光安定剤は少なくとも2つのヒンダード第二級アミンまたは第三級アミンを含む。好ましくは、蛍光性着色剤はチオキサンテン化合物であり、最も好ましくは、C.I. Solvent Orange 63、C.I. Solvent Yellow 98、または、C.I. Solvent Orange 118である。
【0041】
図1は再帰反射性物品10を示す。再帰反射構造体10は、キューブコーナー素子12のアレイおよびランド層(land layer)14を含む。光は窓表面16を通って再帰反射構造体10に進入することができる。光は、矢印20によって示されるように、ランド層14を通り抜け、キューブコーナー素子12の切子面18にあたり、光が来た方向に戻ることができる。再帰反射構造体10は、柔軟なポリマーマトリックスと、退色しやすい蛍光性着色剤と、ヒンダードアミン系光安定剤とを含む耐退色性の蛍光性着色剤組成物を含み得る。
【0042】
図2は、背後に空気を有する(air-backed)製造物を形成するために支持層22を有する、図1に示されるような再帰反射構造体10を示す。支持層22は、柔軟なポリマーマトリックスと、退色しやすい蛍光性着色剤およびヒンダードアミン系光安定剤とを含む耐退色性の蛍光性着色剤組成物を含むことができる。耐退色性の蛍光性着色剤組成物を、支持層に、または、ランド層14に、または、キューブコーナー素子12のアレイに、または、その組合せで存在させることができる。
【0043】
図3は、キューブコーナー素子32のアレイおよび窓側36およびプリズム側38を有する本体層34とを含む別の再帰反射構造体30を示す。キューブコーナー素子32が本体層34の上に形成され、本体層のプリズム側38から突き出る。耐退色性の蛍光性着色剤組成物を、本体層34に、または、キューブコーナー素子32のアレイに、または、その組合せで含ませることができる。
【0044】
好ましい耐退色性の再帰反射性物品は、着色剤組成物、透明な光学素子のアレイを含む再帰反射構造体を含む。着色剤組成物は、ポリマー(これはポリ塩化ビニルおよび可塑剤を含む);ベンゾピラン、クマリン、チオキサンテンまたはチオインジゴイド(indigiod)誘導体を含む退色しやすい蛍光性着色剤;紫外線吸収剤;および、分子量が約2,500AMUを超えるヒンダードアミン系光安定剤を含み、この場合、ヒンダードアミン系光安定剤は少なくとも2つの第二級アミンまたは第三級アミンを含む。好ましくは、蛍光性着色剤は、C.I. Solvent Orange 63、C.I. Solvent Yellow 98、または、C.I. Solvent Orange 118である。
【0045】
別の好ましい耐退色性の再帰反射性物品は着色剤組成物および再帰反射構造体を含む。着色剤組成物は、ポリマー;退色しやすい蛍光性着色剤;および、分子量が約1,200AMUを超えるヒンダードアミン系光安定剤を含む。再帰反射構造体は透明なキューブコーナープリズムのアレイを含み(ここで、隣接するプリズムは、プリズム対の頂点の先端が互いに傾斜している(斜めに切られている)プリズム対を形成する)、また、場合により、反射性被覆がプリズムの切子面に施される。
【0046】
別の態様において、着色剤組成物は、再帰反射構造体の窓表面に取り付けられる薄い層であり得る。
【0047】
再帰反射体のアレイは、この分野で知られている任意の透明な光学素子(例えば、キューブコーナープリズム、四面プリズム、フレネルレンズおよび円形レンズなど)を含み得る。1つの態様において、再帰反射体のアレイは、窓側と、切子面側とを有する。再帰反射体のアレイは透明なポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル)から形成され得る。好ましくは、ポリマーは、モノマーまたはオリゴマーを用いて鋳型に鋳造され、重合が紫外線によって開始される。好ましくは、再帰反射体のアレイは、それぞれのキューブ側辺に沿った長さが約0.076mm〜0.51mm(0.003インチ〜0.02インチ)の範囲にあるキューブコーナープリズム素子から形成される。好ましい態様において、プリズム素子は、それぞれのキューブ側辺に沿った長さが0.124mm〜0.51mm(0.0049インチ〜0.02インチ)の範囲にある。特に好ましい態様において、それぞれのキューブ側辺は約0.124mm(0.0049インチ)の長さを有する。
【0048】
再帰反射構造体は数多くの方法によって形成され得る。再帰反射構造体を形成するためのそのような方法のいくつかが、米国特許第3,684,348号(これはRowlandに対して1972年8月15日に発行された)、米国特許第3,689,346号(これはRowlandに対して1972年9月5日に発行された)、米国特許第3,811,983号(これはRowlandに対して1974年5月21日に発行された)、米国特許第3,830,682号(これはRowlandに対して1974年8月20日に発行された)、米国特許第3,975,083号(これはRowlandに対して1976年8月17日に発行された)、米国特許第4,332,847号(これはRowlandに対して1982年6月1日に発行された)、米国特許第4,801,193号(これはMartinに対して1989年1月31日に発行された)、米国特許第5,229,882号(これはRowlandに対して1993年7月20日に発行された)、米国特許第5,236,751号(これはMartin他に対して1993年8月17日に発行された)、米国特許第5,264,063号(これはMartinに対して1992年11月23日に発行された)、米国特許第5,376,431号(これはRowlandに対して1994年12月27日に発行された)、米国特許第5,491,586号(これはPhillipsに対して1996年2月13日に発行された)、米国特許第5,512,219号(これはRowlandに対して1996年4月30日に発行された)、米国特許第5,558,740号(これはBernard他に対して1996年9月24日に発行された)、米国特許第5,592,330号(これはBernard他に対して1997年1月7日に発行された)、米国特許第5,637,173号(これはMartin他に対して1997年6月10日に発行された)、米国特許第3,712,706号(これはStammに対して1973年1月23日に発行された)、米国特許第3,684,348号(これはRowlandに対して1972年8月15日に発行された)、米国特許第5,786,066号(これはRowlandに対して1998年7月28日に発行された)、米国特許第6,143,224号(これはBernard他に対して2000年11月7日に発行された)、および米国特許第5,565,151号(これはNilsenに対して1996年10月15日に発行された)に開示される。前記特許のそれぞれの教示の全体が参照として本明細書中で援用される。
【0049】
再帰反射構造体の効率は、再帰反射軸から散開する円錐の内部に戻る入射光の量の尺度として記述することができる。プリズム構造のゆがみは効率に悪影響を及ぼし得る。さらに、キューブコーナーの再帰反射素子はいくつかの配向角において低い角度形成を有することができる。例えば、素子は、典型的には、ほぼその光軸を中心とする狭い角度範囲内においてそれに当たる光を明るく反射するだけである。低い角度形成が、3つの相互に直交する側面を有する三面体構造であるこれらの素子の固有の性質から生じる。これらの素子は、再帰反射する光が、その面により規定される内部空間の中に入るように配置することができ、従って、突き当たる光の再帰反射が、素子の面から面への光の内部再帰反射によって生じる。素子の光軸(これは、素子の面により規定される内部空間を三等分する1つである)から実質的に外れて傾く突き当たる光が、その臨界角より小さい角度で面に当たり、それにより、反射されるのではなく、むしろ、その面を通過する。
【0050】
キューブコーナー再帰反射体またはプリズム状再帰反射体がStammの米国特許第3,712,706号およびRowlandの米国特許第3,684,348号に記載される。そのようなプリズムは、典型的には、マスター鋳型(master die)を金属プレートまたは他の好適な材料の平坦な面に形成することによって作製することができる。キューブコーナーを形成するために、60度間隔の3系列の平行する等距離の交差するV字形状の溝をプレートに刻むことができる。その後、鋳型を用いて、所望するキューブコーナーアレイを平坦なプラスチック表面に加工することができる。溝の角度が70度31分43.6秒であるとき、2つのキューブ面の交差により形成される角度(二面角)は90度であり、入射光は光源に再帰反射して戻ることができる。得られる構造において、隣接するプリズムは、プリズム対の頂点の先端が互いに傾斜しているプリズム対を形成することができる。プリズムは、その上に当てられる裏張り材(sheeting)に接合されて、再帰反射構造体10でのように、キューブコーナーの微小プリズムが裏張り材の1つの表面から突き出る複合構造をもたらす。
【0051】
接着剤を、支持層を再帰反射構造体に取り付けるためにプリズムの切子面に塗ることができる。接着剤がプリズムの切子面に用いられるならば、接着剤はプリズムの表面を湿らせることができ、それにより、空気との境界を減少させ、再帰反射するプリズムの能力に影響を及ぼす。結果として、場合により使用される反射性被覆が、好ましくは、2つ面からなる切子面の表面に設置される。典型的には、反射性被覆は、金属(例えば、アルミニウム、銀、金など)のスパッタリングまたは真空金属化によって形成される。あるいは、当業者に知られている金属ラッカー、誘電性被覆および他の鏡面反射被覆材料を用いることができる。
【0052】
プリズム層はまた、蛍光性の着色層に対して直接的に圧縮成形または鋳造することができ、あるいは、タイコート(tiecoat)によって付けることができる。プリズム層は、ポリ塩化ビニル、アクリレートまたは他の好適なポリマーから形成され得る。
【0053】
このようなプリズムの裏張り形態はまた、高周波溶接法、熱的溶接法または超音波溶接法によって数多くの支持材に対して封じることができる。透明な蛍光性材料の日中の色飽和度(彩度)特性が、白色層により裏打ちされるならば、増大する。プリズムの背後の表面に白色の色である支持材を有することは望ましい。あるいは、プリズム材を審美的に引きつけるパターンで金属化し、かつ、白色の感圧性基質接着材に積層することができる。同様に、日中の彩度を高めるために白色インクを使用して、パターンを鋳造前にフィルムに印刷することができ、または、鋳造後にプリズムの裏側に印刷することができる。しかしながら、これらの方法では、その切子面が接着剤により覆われている非金属化プリズムは、内部反射が生じるために十分に大きい屈折率の差形成を維持しないので、日中の蛍光色が、再帰反射領域の一部を犠牲にして高められている。
【0054】
後者の構築代替法はともに、構築の際に空気のすき間をプリズム層の背後に有しないという利点を有する。空気のすき間を除くことは、製造物の各層はその表面の約100%がその隣接層に接合しているので、裏張り材の物理的耐久性を強化することを助けることができる。
【0055】
再帰反射性物品は、Minnesota Department of Transportation(ミネソタ州運輸局)(St. Paul、Minnesota)から入手可能な“Specification 1710 for Fluorescent Orange Retroreflective Sheeting for Use on Work Zone Traffic Control Devices(作業区域交通規制デバイスにおいて使用される蛍光性オレンジ色の再帰反射性裏張り材についての仕様1710)”に合致し得る(その教示の全体が参考として本明細書中に組み込まれる)。仕様1710は、色ボックス(color box)(Product Testing Requirements and Specification section(製品試験要件および仕様の節を参照のこと)、反射率範囲(新品については少なくとも30、風雨暴露については少なくとも20〜最大で45(耐候性試験機で500時間))、および、キセノンランプにより加速された耐候性試験装置での1,300時間の色保持を近似する(approximate)最小再帰反射係数の表(B)を規定する。
【実施例】
【0056】
下記の実施例は、本発明を例示するために示され、いかなる点でも限定されるものではない。
【0057】
基材のポリ塩化ビニルプラスチゾルを、63部の可塑剤混合物を100部の乾燥ホモポリマー(ポリ塩化ビニル)樹脂に加えることによって作製した。可塑剤混合物は、得られる比重が約0.971であり、粘性率が20℃で約50mPa・s(ミリパスカル・秒)であるような、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジノニルおよびフタル酸ジウンデシルの混合物であった。
【0058】
これに2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノンをUV吸収剤として総式量の0.6%で加えた。その後、このプラスチゾルを、ホモポリマー(ポリ塩化ビニル)樹脂の総重量に対してそれぞれが0.165重量%の負荷でC.I. Solvent Orange 63およびC.I. Solvent Orange 118により着色した。この混合物(これは基材樹脂Aと称される)を実施例において用いた。例えば、目的とする特定のヒンダードアミンを下記のように基材樹脂Aに加えた。
【0059】
実施例1および実施例2は本発明を明らかにし、一方、実施例3は「先行技術」(すなわち、分子量が1,000未満であるHALSを用いる)を表す。
【0060】
【表1】

【0061】
上記実施例において、U5050HはUvinul 5050Hであり、BASF(Mount Olive、NJ;Chicago、IL)から得た。BLS-1944をMayzo(Norcorss、GA)から得た。T765はTinuvin 765であり、Ciba(Tarrytown、NY)から得た。
【0062】
これらの製剤は、195℃に5分間さらすことによって研磨表面において透明なフィルム(公称300μm(マイクロメートル)の厚さ)に後で硬化させられたプラスチゾルであった。その後、これらのフィルムを、Rowlandの米国特許第5,786,066号に記載される方法と同様に、紫外線硬化性ウレタンアクリレートオリゴマーをキューブコーナー用具上で鋳造することによって微小プリズムの再帰反射性裏張り材に作製した。
【0063】
その後、この材料を、Bernard他の米国特許第6,143,224号に記載される(to described)方法により不透明な白色のポリ塩化ビニル支持材に高周波封止することによってテープ状にした。
【0064】
その後、テープを、0.5mm(ミリメートル)厚の75mm×150mmのアルミニウムパネルに載せることによって耐候性試験機サンプルに調製した。
【0065】
その後、サンプルを、HunterLab LabScan II分光光度計で2°の観測角でD65光源のもとでの色について、また、Labsphere BFC-450 Bispectral蛍光色彩計で蛍光について読み取った。サンプルを、the American Society for Testing and Materials(West Conshohocken、PA)から入手可能な“ASTM G26加速耐候性試験方法”を使用してAtlas C35iキセノン耐候性試験機で試験した(その教示の全体が参考として本明細書中に組み込まれる)。サンプルを125時間の暴露時間毎の後で色および蛍光について再び読み取った。
【0066】
実施例3では、HALSのほんの0.5重量%の負荷が、再帰反射がそれにより不明瞭になる好ましくない量の表面ブルーム/曇りを生じさせることなく可能であった。
【0067】
図4は、高分子量のHALSを使用して達成することができる寿命における実質的な改善を示す。蛍光性オレンジ色の再帰反射性のプリズム状ポリ塩化ビニルフィルムのキセノン耐候性試験機での経時変化比較のためのCIE1931色立体(color space)が示される。四辺図は、FHWA蛍光性オレンジ色についての色ボックスである。実施例1(三角形の記号)および実施例2(菱形の記号)はともにそれらのオレンジ色を約1,125時間にわたって維持した。比較において、実施例3(丸の記号)はそのオレンジ色をほんの約625時間しか維持しなかった。これはかなり低下した時間の量であった。
【0068】
均等物
本発明は、その好適な態様を参照して具体的に示され、かつ記載されているが、形式および細部における様々な変化が、添付された特許請求の範囲によって包含される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明において行われ得ることが当業者によって理解される。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、耐退色性の蛍光性組成物を有する第1の再帰反射性物品の断面図を示す。
【図2】図2は、耐退色性の蛍光性組成物を有する第2の再帰反射性物品の断面図を示す。
【図3】図3は、耐退色性の蛍光性組成物を有する第3の再帰反射性物品の断面図を示す。
【図4】図4は、高分子量のHALSを使用して達成し得る寿命における実質的な改善を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマー;
蛍光性着色剤がペリレンイミド誘導体ではないと規定される、退色しやすい蛍光性着色剤;および
分子量が約1,200AMUよりも大きいヒンダードアミン系光安定剤であり、ここで、ヒンダードアミン系光安定剤は、少なくとも1つの第二級または第三級のヒンダードアミンを含む、
を含有する、耐退色性の蛍光性着色剤組成物。
【請求項2】
蛍光性着色剤が、キサンテン、チオキサンテン、フルオレン、ナフチルアミン、ナフチルイミド、ナフトラクタム、アザラクトン、メチン、オキサジン、チアジン、ベンゾピラン、クマリン、アミノケトン、アントラキノン、イソビオラントロン、アントラピリドン、ピラニン、ピラゾロン、ベンゾチアゼン、またはチオインジゴイド誘導体である、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
紫外線吸収剤を更に含む、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
ヒンダードアミン系光安定剤が、少なくとも2つの第二級または第三級のヒンダードアミンを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
ヒンダードアミン系光安定剤がポリマーに可溶性である、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
ポリマーが、任意に置換されたポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリジン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリウレタンアクリレート、ポリシロキサン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびポリアクリレートからなる群より選択されるポリマーを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
ポリマーが、任意に置換されたフタル酸エステル、アジピン酸エステルおよびセバシン酸エステルからなる群より選択される可塑剤を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項8】
蛍光性着色剤が、ベンゾピラン、クマリン、キサンテン、チオキサンテンまたはチオインジゴイド(thioindigiod)誘導体を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
ヒンダードアミン系光安定剤が、約2,500AMUを超える分子量を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
ポリマーがポリ塩化ビニルを含む、請求項9記載の組成物。
【請求項11】
ヒンダードアミン系光安定剤が、
構造式I;
【化1】


で表わされる化合物、
構造式II:
【化2】


で表わされる化合物;
構造式IIIおよびIV:
【化3】


で表わされる化合物を含む混合物;ならびに
N,N'-エタン-1,2-ジイルビス(1,3-プロパンジアミン)、シクロヘキサン、過酸化4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンおよび2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンの反応生成物;(式中、nは3〜6、およびmは8〜14である)
からなる群より選択される少なくとも1つの成員を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
蛍光性着色剤が、Solvent Orange 63、Solvent Yellow 98、およびSolvent Orange 118からなる群より選択される、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
ポリマー;
蛍光性着色剤がペリレンイミド誘導体でないと規定される、退色しやすい蛍光性着色剤;
分子量が約1,200AMUよりも大きいヒンダードアミン系光安定剤であり、ここで、ヒンダードアミン系光安定剤には、少なくとも1つの第二級または第三級のヒンダードアミンが含まれる
を含む着色剤組成物、および
透明な光学素子のアレイを含む再帰反射構造体
を含む、耐退色性の再帰反射性物品。
【請求項14】
蛍光性着色剤が、キサンテン、チオキサンテン、フルオレン、ナフチルアミン、ナフチルイミド、ナフトラクタム、アザラクトン、メチン、オキサジン、チアジン、ベンゾピラン、クマリン、アミノケトン、アントラキノン、イソビオラントロン、アントラピリドン、ピラニン、ピラゾロン、ベンゾチアゼン、またはチオインジゴイド誘導体である、請求項13記載の物品。
【請求項15】
素子がキューブコーナープリズムを含む、請求項14記載の物品。
【請求項16】
隣接するプリズムが、プリズム対の頂点の先端が互いに傾斜しているプリズム対を形成する、請求項15記載の物品。
【請求項17】
ヒンダードアミン系光安定剤が、少なくとも2つの第二級または第三級のヒンダードアミンを含む、請求項13記載の物品。
【請求項18】
ポリマーが、ポリ塩化ビニルおよび可塑剤を含む、請求項13記載の物品。
【請求項19】
ヒンダードアミン系光安定剤が、約2,500AMUを超える分子量を有する、請求項13記載の物品。
【請求項20】
蛍光性着色剤が、キサンテン、チオキサンテン、またはフルオレン誘導体を含む、請求項13記載の物品。
【請求項21】
蛍光性着色剤が、Solvent Orange 63、Solvent Yellow 98、およびSolvent Orange 118からなる群より選択される、請求項13記載の物品。
【請求項22】
蛍光性着色剤がペリレンイミド誘導体でないと規定される、退色しやすい蛍光性着色剤;および
分子量が約1,200AMUよりも大きいヒンダードアミン系光安定剤であり、ここで、ヒンダードアミン系光安定剤には、少なくとも1つの第二級または第三級のヒンダードアミンが含まれる、
をポリマー中へ取り込むことを含む、耐退色性の着色剤組成物を形成する方法。
【請求項23】
蛍光性着色剤が、キサンテン、チオキサンテン、フルオレン、ナフチルアミン、ナフチルイミド、ナフトラクタム、アザラクトン、メチン、オキサジン、チアジン、ベンゾピラン、クマリン、アミノケトン、アントラキノン、イソビオラントロン、アントラピリドン、ピラニン、ピラゾロン、ベンゾチアゼン、またはチオインジゴイド誘導体である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
ヒンダードアミン系光安定剤が、少なくとも2つの第二級または第三級のヒンダードアミンを含む、請求項22記載の方法。
【請求項25】
ポリマー中のヒンダードアミン系光安定剤を溶解することを更に含む、請求項24記載の方法。
【請求項26】
ヒンダードアミン系光安定剤が、約2,500AMUを超える分子量を有する、請求項25記載の方法。
【請求項27】
ポリマーが、任意に置換されたフタル酸エステル、アジピン酸エステルおよびセバシン酸エステルからなる群より選択される可塑剤を含む、請求項22記載の方法。
【請求項28】
ヒンダードアミン系光安定剤が、
構造式I;
【化4】


で表わされる化合物、
構造式II:
【化5】


で表わされる化合物;
構造式IIIおよびIV:
【化6】


で表わされる化合物を含む混合物;ならびに
N,N'-エタン-1,2-ジイルビス(1,3-プロパンジアミン)、シクロヘキサン、過酸化4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンおよび2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンの反応生成物;(式中、nは3〜6、およびmは8〜14である)
からなる群より選択される少なくとも1つの成員を含む、請求項22記載の方法。
【請求項29】
ポリマーがポリ塩化ビニルを含む、請求項22記載の方法。
【請求項30】
蛍光性着色剤が、Solvent Orange 63、Solvent Yellow 98、およびSolvent Orange 118からなる群より選択される、請求項22記載の方法。
【請求項31】
退色しやすい蛍光性着色剤;
分子量が約1,200AMUよりも大きいヒンダードアミン系光安定剤であり、ここで、ヒンダードアミン系光安定剤には、少なくとも1つの第二級または第三級のヒンダードアミンが含まれる、
をポリマー中へ取り込むことによって耐退色性の着色剤組成物を形成すること、ならびに
再帰反射素子のアレイと耐退色性の着色剤組成物を結合することによって耐退色性の再帰反射性物品を形成すること
を含む、耐退色性の再帰反射性物品を形成する方法。
【請求項32】
退色しやすい蛍光性着色剤が、キサンテン、チオキサンテン、フルオレン、ナフチルアミン、ナフチルイミド、ナフトラクタム、アザラクトン、メチン、オキサジン、チアジン、ベンゾピラン、クマリン、アミノケトン、アントラキノン、イソビオラントロン、アントラピリドン、ピラニン、ピラゾロン、ベンゾチアゼン、またはチオインジゴイド誘導体である、請求項31記載の方法。
【請求項33】
素子がキューブコーナープリズムを含む、請求項31記載の方法。
【請求項34】
隣接するプリズムが、プリズム対の頂点の先端が互いに傾斜しているプリズム対を形成する、請求項33記載の方法。
【請求項35】
ヒンダードアミン系光安定剤が、少なくとも2つの第二級または第三級のヒンダードアミンを含む、請求項31記載の方法。
【請求項36】
ポリマーが、ポリ塩化ビニルおよび可塑剤を含む、請求項31記載の方法。
【請求項37】
ヒンダードアミン系光安定剤が、
構造式I;
【化7】


で表わされる化合物;
構造式II:
【化8】


で表わされる化合物;
構造式IIIおよびIV:
【化9】


で表わされる化合物を含む混合物;ならびに
N,N'-エタン-1,2-ジイルビス(1,3-プロパンジアミン)、シクロヘキサン、過酸化4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンおよび2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンの反応生成物;(式中、nは3〜6、およびmは8〜14である)
からなる群より選択される少なくとも1つの成員を含む、請求項31記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−534790(P2007−534790A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549332(P2006−549332)
【出願日】平成17年1月3日(2005.1.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/000032
【国際公開番号】WO2005/071010
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(504272121)リフレキサイト コーポレイション (7)
【Fターム(参考)】