説明

耐香料容器用蓋材

【課題】本発明は、香料成分を含む入浴剤などの耐香料容器用蓋材において、該蓋材のシーラント層が脆化せず、開封時のデラミネーションや、開封強度低下、および容器本体に糸状に一部残る外観不良の発生がない耐香料容器用蓋材を提供することを目的とする。
【解決手段】フランジ部(3)を有し、少なくとも、単層または多層フィルムからなる基材層(1)と、該基材層(1)内面にアイオノマーからなるシール層(2)を設けた積層体からなる容器本体(B)の開口部を覆い、該フランジ部(3)に密封シールされる耐香料容器用蓋材(A)であって、前記蓋材(A)は、少なくとも、単層または多層フィルムからなる基材層(10)とイージーピール性を有するシーラント層(20)との積層体からなり、前記シーラント層(20)にポリエチレン樹脂(PE)が使用されていることを特徴とする耐香料容器用蓋材である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香料成分が多い入浴剤などの耐香料容器用蓋材に関するものであり、さらに詳しくは、リネモン、メントールなどの香料成分が多く含まれる入浴剤などの耐香料容器用蓋材において、該蓋材に用いられる複合材料の接着層やシーラント層が脆化せず、開封時に該蓋材がデラミネーションを起こすことや、シーラント層の脆化による開封強度の低下、およびシーラント層が容器本体に糸状に一部残るなどの外観不良の発生などがない耐香料容器用蓋材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、入浴剤などに含まれる、リネモン、メントールなどの香料成分は揮発性に富むため、その香気が飛ばないように耐香料容器には、高いバリア性が求められ、用いられる材料も複合材料でないとその要求項目を解決できないが、複合材料の場合、香料成分がその複合材料を構成している、接着層やシーラント層に吸着し、その材料を脆化させてしまうという問題があった。
【0003】
そのため、密封性、且つ剥離開封性を要する当該耐香料容器に関しては、開封時に蓋材がデラミネーションを起こすことや、シーラント層の脆化による開封強度の低下、および剥離開封時にシーラント層が容器本体に糸状に一部残るなどの外観不良などが生じてしまうという問題がある。
【0004】
具体的には、例えば、図2に示すように、入浴剤向けの耐香料容器は、容器本体(B)が、基材層(1)と該基材層(1)内面にアイオノマーからなるシール層(2)を設けた積層体で形成され、蓋材(A)が、基材層(10)とイージーピール性を有するシーラント層(20)との層構成からなる積層体で構成され、前記シーラント層(20)にポリマーアロイ(2種以上の異なる特性をもつ高分子鎖が、一つの材料中に共存しているポリマー系の総称)タイプのイージーピール材を使用している。該ポリマーアロイタイプのイージーピール材は、高分子内に海島構造を形成させ、高分子の凝集力を下げることで、フランジ部(3)にイージーピール材が薄く残る正常な凝集破壊型の剥離部(4)を発現する。そのために、高分子フィルムとしては、脆く裂け易い面も伺える。
【0005】
しかしながら、入浴剤のような揮発性香料成分が多い内容物を前述のような容器に長期保存すると、香料成分がシーラント層(20)に吸着し、該シーラント層(20)の脆化が生じてしまう。特に、ポリマーアロイタイプのイージーピール材に関しては、元来凝集破壊がし易い材料設計のため、香料成分の吸着により、さらに凝集力が低下し、開封強度が劣化したり、設計とは異なる部位での凝集破壊をし、ひどいものでは、図3に示すように、剥離部(4)が二重蓋状になってしまう。
【0006】
また、イージーピール材として、ポリマーアロイタイプの他に粘着成分を添加したイージーピール材も存在するが、粘着成分は低分子量成分のものが多く、香料成分を詰めて保存すると、低分子量成分がべたつく現象が生じてしまう。
【0007】
そこで、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)のエチレン含有量を制御した多層EVOHを用いる、層間剥離タイプのイージーピール材の提案(例えば、特許文献1参照。)がある。
【0008】
以下に先行技術文献を示す。
【特許文献1】特開平11−5277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、このような層間剥離タイプは、イージーピール材に傷を設けたり、リングシールなどで意図的に目的の層間でエッジ切れを起こさせるような工夫が必要であり、材料加工上手間が掛かる。また、そのような工夫を行なわないと、上手く綺麗に層間で剥離できないこともあり、糸引きなどの剥離外観不良に繋がるなど問題が多く不完全で実用的でない。
【0010】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、リネモン、メントールなどの香料成分が多く含まれる入浴剤などの耐香料容器用蓋材において、該蓋材に用いられる複合材料の接着層やシーラント層が脆化せず、開封時に該蓋材がデラミネーションを起こすことや、シーラント層の脆化による開封強度の低下、およびシーラント層が容器本体に糸状に一部残るなどの外観不良の発生などがない耐香料容器用蓋材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、フランジ部(3)を有し、少なくとも、単層または多層フィルムからなる基材層(1)と、該基材層(1)内面にアイオノマーからなるシール層(2)を設けた積層体からなる容器本体(B)の開口部を覆い、該フランジ部(3)に密封シールされる耐香料容器用蓋材(A)であって、前記蓋材(A)は、少なくとも、単層または多層フィルムからなる基材層(10)とイージーピール性を有するシーラント層(20)との積層体からなり、前記シーラント層(20)にポリエチレン樹脂(PE)が使用されていることを特徴とする耐香料容器用蓋材である。
【0012】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の耐香料容器用蓋材において、前記ポリエチレン樹脂(PE)が密度0.910以上の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)であることを特徴とする耐香料容器用蓋材である。
【0013】
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の耐香料容器用蓋材において、前記基材層(1、10)がバリアフィルムであることを特徴とする耐香料容器用蓋材である。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る耐香料容器用蓋材は、フランジ部を有し、少なくとも、単層または多層フィルムからなる基材層と、該基材層内面にアイオノマーからなるシール層を設けた積層体からなる容器本体の開口部を覆い、該フランジ部に密封シールされる耐香料容器用蓋材であって、前記蓋材は、少なくとも、単層または多層フィルムからなる基材層とイージーピール性を有するシーラント層との積層体からなり、前記シーラント層に密度0.910以上の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)を使用することにより、リネモン、メントールなどの香料成分が該蓋材に用いられる複合材料の接着層やシーラント層を脆化せず、開封時に該蓋材がデラミネーションを起こすことや、シーラント層の脆化による開封強度の低下、およびシーラント層が容器本体に糸状に一部残るなどの外観不良の発生などが起こらない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の形態を図1に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明に係る耐香料容器用蓋材と容器本体とをシールした状態から開封する際、剥離部(4)の状態を説明する1実施例の部分側断面図である。
【0017】
本発明に係る耐香料容器用蓋材(A)は、図1に示すように、フランジ部(3)を有し、少なくとも、単層または多層フィルムからなる基材層(1)と、該基材層(1)内面にアイオノマーからなるシール層(2)を設けた積層体からなる容器本体(B)の開口部を覆い、該フランジ部(3)に密封シールされる耐香料容器用蓋材(A)であって、前記蓋材(A)は、少なくとも、単層または多層フィルムからなる基材層(10)とイージーピール性を有するシーラント層(20)との積層体から構成される。
【0018】
耐香料容器用蓋材(A)は、容器本体(B)を完全に密封シールするヒートシール性と、また逆に開封時には、容易に開封できるイージーピール性が求められる。
【0019】
先ず、容器本体(B)を完全に密封シールするヒートシール技法には、種々の方法があるが、熱板シール(バーシール)法が最も一般的な方法である。バーシールを行なう場合のシール条件としては、温度、時間、圧力の三つの条件が基本的なものである。バーシール法によって、ヒートシールを行なう場合、ヒートシール材(シーラント)に応じたヒートシール条件が選ばれるが、シーラントのヒートシール適性は次のような特性によって評価されている。
【0020】
先ず、シール開始温度であるが、このシール開始温度は、ヒートシールが可能な最低温度であるが、シーラントが単層フィルムの場合、シーラントの軟化点や融点と直接関係している。多層フィルムの場合は、シール開始温度は、シーラントの融点だけでなく他の層の熱伝導性にも関係する。シール開始温度は、基準のシール時間と圧力によりシール温度を増加させていき、シールが可能となる温度を見出すことによって決められる。このようにして決定されたシール開始温度は、包装機の条件設定に利用される。
【0021】
次に、シール温度範囲とシール時間範囲であるが、シール温度範囲は、一定のシール時間と圧力でヒートシールが可能な温度範囲である。シール開始温度が下限で、上限はシール部や材料の品質が低下せずに満足なシールが可能な最高温度である。シール温度範囲の上限はシーラントの融点に関係している。シール時間範囲は、一定のシール温度と圧力でヒートシール可能な時間の範囲で、シール温度が低い方が広くなる。シール時間の上限は、シーラントの分子配向とも関係している。シール時間の上限を決める因子としてシーラントの熱安定性がある。すなわち、シール温度と熱分解温度が接近しているポリマーなどのフィルムのヒートシールは困難である。
【0022】
次に、ホットタック性であるが、ホットタック性は熱間シール性とも呼ばれ、ヒートシールバーを取り除いた直後のシール部の剥離に対する抵抗力を表す特性である。ホットタック性がないとシール部が抜けることになり、完全な均一シールができない原因になる。
【0023】
以上のような、シール開始温度、シール温度範囲、ホットタック性、あるいはシール強度などのシーラントのヒートシール特性の支配因子には、融点(非晶性ポリマーの場合、ガラス転移点)、熱安定性(耐熱収縮性、耐熱分解性)、熱流動性(溶融粘度、溶解粘度の温度依存性)、結晶化速度などがある。
【0024】
前記ポリマーの融点は、ポリマーの一次構造により決まり、ポリエチレン樹脂(PE)の分子鎖のC−C結合は、溶解状態では自由回転が非常に容易になるためにヒートシール性は良好である。耐熱収縮性や耐熱分解性などの熱安定性は、ヒートシール範囲を広くするのに重要な因子である。
【0025】
ヒートシールは、熱によりポリマーが軟化し、流動性が増大した状態で圧着され、ポリマー分子が互いに相手の領域に拡散し、融着することにより行なわれるから、ポリマーの流動性がヒートシールに与える影響は大きい。溶融ポリマーの流動性は、ポリマーの分子量と結晶化度に関係している。同種のポリマーの場合、分子量が増加すると、すなわちメルトインデックス(MI)の低いポリマーを使用すると、シール温度を高くする必要があるのは、シールに適当な溶融粘度になる温度が分子量とともに高くなるからである。また、結晶化度の高いポリマーは、融点付近で急激に軟化するため、ヒートシールに適した流動性の得られる温度範囲が狭い。
【0026】
その他にヒートシール性に影響する因子としては、シール材に含まれる各種の添加剤がある。ポリマーの酸化防止剤、フィルムの滑り性や帯電性を改良するために添加される滑剤や帯電防止剤などはヒートシール性に悪影響を与える。これらの添加剤は、種類によりシール性に及ぼす影響の程度が異なるので、シール材に添加する場合には適切なものを選定する必要がある。また、ラミネート適性や印刷性を向上させるために行なわれるコロナ放電処理もヒートシール性に悪影響を及ぼすので、コロナ処理面がヒートシール面とならないように注意する必要がある。
【0027】
ところで、ポリオレフィンのヒートシール特性は一般的に優れているため、シーラントとして多用されている。本発明の耐香料容器用蓋材(A)においては、容器本体(B)の内面のシール層(2)には、アイオノマーが使用されているので、該アイオノマーとのイージーピール性を考慮すると該蓋材(A)のシーラント層(20)にポリエチレン樹脂(PE)を使用することが好ましい。
【0028】
前記ポリエチレン樹脂(PE)は、石油を蒸留して得たエチレンガスを重合して製造されるが、製造法によって性状の異なるポリエチレン(PE)樹脂が得られる。低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)などがあり、いずれもシーラントとして使用されている。
【0029】
ポリエチレン(PE)樹脂の密度(g/cm3)によって分類すると、一般的に、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)が0.910〜0.929、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)が0.930〜0.941、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)が0.942〜0.965、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)が0.918〜0.940である。
【0030】
製造法によって分類すると、高圧法と中・低圧法に分類される。高圧法は、1000気圧以上の高圧下で、通常はラジカル重合法を用い低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)を製造する。一方、中・低圧法は数十気圧以下の中低圧下で、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)を製造する。さらに、イオン重合法で直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)を製造する。
【0031】
これら各種のポリエチレン(PE)樹脂の特性を支配する因子としては、分子量(MI)、密度(結晶化度)、分子量分布、分子構造などがある。分子構造、すなわち分岐の数と構造の差異は各種の物性に影響を与える。
【0032】
前記低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)は、主鎖のところどころに分岐ができ、そのために分子の規則的な配列が妨げられて、結晶化度(ポリエチレン樹脂は通常結晶性の部分と非結晶性の部分とからできており、結晶性の部分の占める度合い)が小さく(60%程度)なるので、柔軟性があり、ヒートシール適性は良いが、香料成分などの吸着度合が大きい。
【0033】
次に、該低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)に比較して、分岐数の少ない結晶化度が高い中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)は、香料成分などの吸着度合が小さくなるが、シーラント層(20)に必要なヒートシール適性が悪くなってくる。
【0034】
次に、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)は、直鎖状で分岐が少なく、短鎖であるために結晶化度がかなり大きく(90%程度)なるので、香料成分の吸着度合は非常に小さくなるが、ヒートシール適性が非常に悪くなる。
【0035】
次に、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)は、α−オレフィンとの共重合でつくられるが、このα−オレフィンに起因する長さと数を制御された分岐が存在し、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)と高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)との中間的な構造をもつが、共重合成分の種類によって分岐の大きさが異なるため、密度と分岐数との関係は単純ではないが、分子量分布が狭く、低密度成分も少ないために、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)に比べて、香料成分からの影響を受けづらく、ヒートシール強度、ホットタック性などに優れている。
【0036】
このようにシーラント層(20)に比較的、密度が大きなポリエチレン樹脂(PE)を使用することにより、リネモン、メントールなどの香料成分が、該蓋材(A)に用いられる複合材料の接着層やシーラント層を脆化せず、開封時に蓋材がデラミネーションを起こすことや、シーラント層の脆化による開封強度の低下、およびシーラント層が容器に糸状に一部残るなどの外観不良の発生などがなくなるが、ヒートシール性を考慮すると、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)を使用することが好ましい。
【0037】
特に、メタロセン触媒を用いて重合した、密度が0.910以上のメタロセン系の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)がより好ましい。該直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)は、低分子量物の少ないポリマーであり、密度が低く、ヒートシール開始温度の低い特徴がある。
【0038】
ところで、前記アイオノマーは、エチレンとメタクリル酸との共重合体を、金属イオン(ナトリウム、亜鉛など)で部分的に架橋した熱可塑性樹脂である。該アイオノマーは、加熱すると分子間のイオン架橋力が緩み流動しやすくなるため加工性に優れ、またイオン架橋構造により、各種ヒートシール性、深絞り性、強靭性、耐油性、耐ピンホール性、透明性などに優れる特徴を有している。
【0039】
特に、該アイオノマーの最大の特徴は、ヒートシール性が良いことである。すなわち、最高シール強度、低温シール性、熱間シール性、夾雑物シール性、適性シール温度幅などを評価した場合、どの項目についても高い評価が得られる。中でも熱間シール性(ホットタック性)が良く、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)に比べ融点が約20℃低く、且つイオン架橋構造のため200℃以下での溶融粘度が高いので、広い温度範囲で極めて良好なホットタック性を示す。
【0040】
また、該アイオノマーは、該低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)に比較して、5倍以上のホットタック強度をもつため、シール直後に剥離力のかかる自動充填包装に適しているといえる。
【0041】
本発明の耐香料容器用蓋材(A)のシーラント層(20)には、シール性とイージーピール性の相反する性能が求められる。該蓋材(A)の開封を容易にするため、種々の易開封性ヒートシール技法を適用することができるが、最も実用的なものは、ピーラブル剥離性のシーラントをもつ蓋材を使用する技法である。ピーラブル蓋材は、開封時の剥離機構
から、1)容器本体−蓋材の界面剥離タイプ、2)蓋材の基材−シーラントの層間剥離タイプ、3)蓋材のシーラントの凝集破壊タイプの3種類に分類できる。
【0042】
本発明の耐香料容器用蓋材(A)のシーラント層(20)には、従来のようにポリマーアロイなどの技術を応用したイージーピール材を用いておらず、前述したように、容器本体(B)の内面のシール層(2)には、アイオノマーを使用し、該蓋材(A)のシーラント層(20)には、ポリエチレン樹脂(PE)を使用して、図1に示すように、アイオノマーとポリエチレン樹脂(PE)との剥離部(4)は界面剥離によるイージーピール性を利用しているため、リネモン、メントールなどの香料成分が該蓋材(A)に用いられる複合材料の接着層やシーラント層(20)を脆化せず、開封時に該蓋材(A)がデラミネーションを起こすことや、シーラント層(20)の脆化による開封強度の低下、およびシーラント層(20)が容器本体(B)に糸状に一部残るなどの外観不良の発生などが起こらず、また単純な技術であり、加工などの幅も広がる。
【0043】
次に、前述したポリエチレン樹脂(PE)やアイオノマーは、酸素、炭酸ガス、水蒸気、フレーバーなどの気体を透過し易いので、リネモン、メントールなどの香料成分が多く含まれる入浴剤などの耐香料容器用蓋材(A)や容器本体(B)においては、有効成分が外部に揮散することがないように単層または多層フィルムからなる基材層(1、10)には、バリアフィルムを使用することが好ましい。
【0044】
前記バリアフィルムとしては、バリア樹脂フィルム、蒸着フィルム、金属箔の三つに大別される。バリア樹脂フィルムとしては、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルム、セロハン、ナイロン、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)フィルム、各種基材フィルムにPVDCをコーティングしたKコートフィルム(KOP、KPET、KNyなど)などがある。また、蒸着フィルムとしては、各種基材フィルムにアルミニウムを真空蒸着したアルミ蒸着フィルムや酸化珪素、酸化アルミニウムなどの無機酸化物を真空蒸着したセラミック蒸着フィルムなどがある。さらに金属箔としては、アルミニウム箔を使用し、各種基材フィルムと積層したアルミニウム箔積層フィルムなどがある。
【0045】
前記ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルム、セロハン、ナイロンは、乾燥状態においては酸素透過度が小さいが吸湿するにしたがい透過度が増大する欠点がある。また、ポリ塩化ビニリデンフィルムは、焼却時に有害なダイオキシンを発生することから環境問題の一つとして取り上げられ、代替することが望まれている。
【0046】
また、前記アルミニウム蒸着フィルムやアルミニウム箔積層フィルムの場合は、防湿性、酸素ガスバリア性、水蒸気バリア性、保香性、遮光性などに優れているものの、近年、使用後の廃棄処分において焼却処理を行うと、そのアルミニウムが残査として残ってしまう問題や、焼却炉を傷めてしまう恐れがあるなど、いわゆる廃棄処分にともなう問題があるので、物性的にアルミニウム箔に次ぐ、酸化珪素、酸化アルミニウムなどの無機酸化物を真空蒸着したセラミック蒸着フィルムを用いることが多くなっている。
【0047】
前記各種基材フィルムは、特に制約はされないが、加工適性などを考慮して、単体フィルム及び各種の積層フィルムを使用することができる。
【0048】
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)などのポリオレフィン、ナイロン−6、ナイロン−66などのポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポ
リイミド(PI)などの無延伸あるいは延伸フィルムである。
【0049】
通常、これらのものを、フィルム状に加工して使用し、特に、強度、コストなどの面から、二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を使用することが好ましい。
【0050】
次に、該無機酸化物の蒸着層としては、基本的には金属の酸化物を使用することが可能であり、例えばアルミニウム、珪素、マグネシウム、カルシウム、カリウム、スズ、ナトリウム、ホウ素、チタン、鉛、ジルコニウム、イットリウムなどの酸化物またはそれらの混合物が挙げられる。
【0051】
一般的には、透明性、物性面、生産性などから、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムを使用することが好ましい。
【0052】
このような該無機酸化物の蒸着層を形成する方法は、真空蒸着法、スパッタリング法などを使用することができるが、生産性、生産コスト面などを考慮すると、真空蒸着法が好ましい。
【0053】
前記真空蒸着法は、被蒸着体の形態から、大別して3つの方式があり、1)バッチ方式:成形品の蒸着方式、2)巻き取り式半連続方式:ロール状フィルム(ウェブ)が対象で真空系の中で巻き出し・蒸着・巻き取り後、大気系に再度戻し、蒸着製品を取り出す方式、3)巻き取り式完全連続方式:ロール状フィルム(ウェブ)が対象でアンワインダー(巻き出し装置)とリワインダー(巻き取り装置)を大気系に配置し、蒸着ドラムや蒸発源を真空系に配置してロール状フィルム(ウェブ)に蒸発物質を蒸着する方式であって、一般的にair−to−air方式と呼ばれる完全連続方式で生産性が高い特徴がある方式である。
【0054】
ロール状フィルム(ウェブ)に蒸発物質を蒸着する場合は、特に巻き取り式半連続方式が普及しており、その巻き取り式真空蒸着装置の構成要素と作業工程の概略、更に真空蒸着装置の内部構造について記述する。
【0055】
先ず、構成要素は、ロール状フィルム(ウェブ)、蒸発源、蒸発物質、蒸着ドラム、真空系統、アンワインダー(巻き出し装置)、リワインダー(巻き取り装置)、ガイドロール等である。
【0056】
次に作業工程の概略について記述すると、先ず前準備として真空蒸着装置の扉を開け、ロール状フィルム(ウェブ)をアンワインダー(巻き出し装置)にセットし、アンワインダーと蒸着ドラム間に配置されているガイドロールを介して、前記ロール状フィルム(ウェブ)を蒸着ドラムまで走行させ、更にリワインダー(巻き取り装置)との間に配置されているガイドロールを介して、リワインダー(巻き取り装置)に巻き取り、前記ロール状フィルム(ウェブ)への蒸発物質の蒸着準備が終了する。
【0057】
次に、真空蒸着装置の扉を閉じて、真空ポンプにより、真空蒸着装置内の真空吸引定圧室と隔壁により分割された真空蒸着室を所定の真空環境にして、アンワインダー(巻き出し装置)から前記ロール状フィルム(ウェブ)を繰り出し、ガイドロールを介して走行させた前記ロール状フィルム(ウェブ)に、蒸着ドラムの下部に配置されている蒸発源から蒸発物質を加熱蒸発させて前記ロール状フィルム(ウェブ)に蒸着させる。
【0058】
前記蒸着ドラムは冷却されているので前記ロール状フィルム(ウェブ)に蒸発物質を再結晶化させて固着させ、更にリワインダー側のガイドロールを介して蒸着された前記ロー
ル状フィルム(ウェブ)はリワインダーに巻き取られる。
【0059】
真空蒸着装置の内部構造は、真空吸引定圧室と真空蒸着室に隔壁で分割されており、真空吸引定圧室はアンワインダー、ガイドロール、張力制御装置、速度制御装置、位置制御装置、蒸着ドラムの一部、リワインダー等が配置されている。
【0060】
真空蒸着室は蒸着ドラムの一部と蒸発源とその加熱装置等が配置されており、真空蒸着装置本体の周辺に付属して配置されている真空ポンプにより、真空吸引定圧室は真空度が1×100MPa程度、隔壁を介して設けた真空蒸着室は1×10-2MPa(SI単位)程度にセットされる。
【0061】
2つに室が隔壁で分割されているので、真空吸引定圧室で前記ロール状フィルム(ウェブ)から発生したガスなどの不純物(ダスト)は、真空蒸着室での蒸着時に悪い影響を与えることは少ない。
【0062】
また、逆に真空蒸着室に配置されている蒸発源からの放射熱は、真空吸引定圧室への影響は少ないので前記ロール状フィルム(ウェブ)への熱の影響は少ない。
【0063】
真空蒸着法も、加熱方法により、1)間接抵抗法、2)直接抵抗加熱法(ワイヤフィード法)、3)高周波誘導加熱法、4)電子ビーム法(Electoron Beam、略してEB法)の4つの方法があるが、蒸発物質が酸化珪素や酸化アルミニウム等の絶縁性金属酸化物を使用する場合は、エネルギー変換効率の良い電子ビーム法が最適である。
【0064】
巻き取り式電子ビーム真空蒸着法は、酸化珪素や酸化アルミニウム等の蒸発物質に直接、電子ビームを照射し、該蒸発物質表面上をスキャンすることで、該蒸発物質表面を加熱する方法で、電子ビームがあたった部分でエネルギーを変換し、該蒸発物質を蒸発させる方法である。
【0065】
該蒸着層の厚みは、蒸着フィルムの最終用途によって、適宜選択されるが、5〜400nmの範囲内であることが好ましい。
【0066】
該蒸着層の膜厚が5nm未満では均一な膜が設けられないので、十分な酸素ガスバリア性、水蒸気バリア性、保香性などが得られず、膜厚が400nmを越えると、柔軟性がなくなり、折り曲げ、引張りなどの外的要因により、蒸着膜に亀裂や剥離が発生しやすくなるので好ましくない。
【0067】
次に、通常、単層または多層フィルムからなるバリアフィルム上に印刷インキによる文字・絵柄を設ける。単層のバリアフィルムの場合は、該バリアフィルムの表面か、或いは該バリアフィルムの裏面のどちらの面でも印刷可能であるが、一般的には、インキの耐摩擦性、耐候性などを考慮して裏面に印刷インキを設けることが好ましい。また、多層フィルムのバリアフィルムの場合も、最外層フィルムの裏面に設けるのが一般的である。
【0068】
前記印刷インキとしては、インキに色彩を与える顔料や染料などからなる色材と該色材を微細な粒子に分散・保持しつつ、被印刷体に固着させる樹脂と該樹脂を安定して溶解し、該顔料や染料などの分散性、インキの流動性を保持し、かつ印刷の版からインキの適正量を転移できる溶剤とから構成されるビヒクル、更に色材の分散性、発色性向上や沈殿防止、流動性の改良を目的に界面活性剤などからなる助剤から形成されているが、特に色材は、耐候性の良い顔料が好ましい。
【0069】
該印刷インキを設ける印刷方式は、例えば、グラビア印刷方式、シルクスクリーン印刷
方式、フレキソ印刷方式など公知の印刷方式を使用できるが、鉄製の円筒(シリンダー)表面上に銅メッキを施して下地を形成し、該銅メッキ面上に剥離層を設け、更に銅メッキをして、その表面を鏡面状に研磨した銅面に彫刻方式や腐食方式により、凹部(セル)を作成し、該セル内の印刷インキを転移させ、調子物でもカラフルに印刷ができ、且つ訴求効果も高いグラビア印刷方式が好ましい。
【0070】
次に、図1に示すように、単層または多層フィルムからなるバリアフィルムの基材層(10)とイージーピール性を有するシーラント層(20)とをラミネーションする方法とそのラミネーションに用いる接着剤、特にドライラミネーション用接着剤について以下に詳細に説明する。
【0071】
先ず、ラミネーションの方法は、例えばドライラミネーション方法、ノンソルベントドライラミネーション方法、ホットメルトラミネーション方法、エクストルージョンラミネーション方法などの公知の方法を使用することができる。
【0072】
前記ドライラミネーション方法は、フィルム上に接着剤を塗布するコーティング部、乾燥装置、ニップローラー部の3つのセクションと、巻き出し、巻き取り、及びテンションコントロールシステムから構成されている。
【0073】
該コーティング部は、一般的にグラビアロールコーティング方式、又はリバースロールコーティング方式を採用している。
【0074】
前記ドライラミネーション用接着剤は、溶剤型接着剤、或いは無溶剤型接着剤が使用されるが、無溶剤型接着剤を使用する場合は、乾燥装置は不要であり、ノンソルベントドライラミネーション方法と呼んでいる。
【0075】
前記ホットメルトラミネーション方法は、加熱溶融したエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などのホットメルト接着剤をフィルム上に塗工し、直ちに、他のフィルムをラミネートする方法である。
【0076】
前記エクストルージョンラミネーション方法は、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を加熱し、シリンダーと呼ばれる筒の中で溶解し、スクリューで圧力をかけて押し出し、該シリンダーの先端部にあるTダイスと呼ばれる細いスリットからカーテン状に溶解した該熱可塑性樹脂が押し出されフィルム状となってラミネーションされる方法である。
【0077】
以上のように、基材層(10)とシーラント層(20)とをラミネーションする方法は、ドライラミネーション方法、ノンソルベントドライラミネーション方法、ホットメルトラミネーション方法、エクストルージョンラミネーション方法を利用したサンドイッチラミネーション方法などが使用できるが、接着性、生産性、コスト面などを考慮するとドライラミネーション方法が好ましい。
【0078】
次に、ドライラミネーション方法に使用する接着剤としては、ポリウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリアクリル系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他などのラミネーション用接着剤を使用することができる。
【0079】
以上のように、本発明に係る耐香料容器用蓋材(A)は、フランジ部(3)を有し、少なくとも、単層または多層フィルムからなる基材層(1)と、該基材層(1)内面にアイオノマーからなるシール層(2)を設けた積層体からなる容器本体(B)の開口部を覆い、該フランジ部(3)に密封シールされる耐香料容器用蓋材(A)であって、前記蓋材(
A)は、少なくとも、単層または多層フィルムからなる基材層(10)とイージーピール性を有するシーラント層(20)との積層体からなり、前記シーラント層(20)に密度0.910以上の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)を使用することにより、リネモン、メントールなどの香料成分が該蓋材に用いられる複合材料の接着層やシーラント層を脆化せず、開封時に該蓋材がデラミネーションを起こすことや、シーラント層の脆化による開封強度の低下、およびシーラント層が容器本体に糸状に一部残るなどの外観不良の発生などが起こらない蓋材である。
【実施例】
【0080】
以下に、本発明の耐香料容器用蓋材(A)について、具体的に実施例を挙げて、さらに詳しく説明するが、これらに限定されるものではなくもっと広範囲に適用されるものである。
【0081】
<実施例1>
先ず、耐香料容器用蓋材(A)としては、基材層(10)には、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)フィルム/ポリウレタン系接着剤/厚さ15μmのアルミニウム(Al)箔/ポリウレタン系接着剤/厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)フィルムの多層構成からなるバリアフィルムをドライラミネーション法で作製したものを使用した。次に、シーラント層(20)には、厚さ40μmの密度0.917の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)を使用し、前記基材層(10)と、ポリウレタン系接着剤を用いてドライラミネーション法により、ラミネーションして、耐香料容器用蓋材(A)を得た。
【0082】
次に、容器本体(B)想定構成材料としては、基材層(1)には、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)フィルム/ポリウレタン系接着剤/厚さ15μmのアルミニウム(Al)箔/ポリウレタン系接着剤/厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)フィルムの多層構成からなるバリアフィルムをドライラミネーション法で作製したものを使用した。次に、該基材層(1)の内面のシール層(2)には、厚さ40μmの亜鉛(Zn)系アイオノマーを使用し、前記基材層(1)と、ポリウレタン系接着剤を用いてドライラミネーション法により、ラミネーションして、容器本体(B)想定構成材料を得た。
【0083】
次に、前記蓋材(A)と容器本体(B)想定構成材料とをヒートシールし、10cm×10cmのパウチを作成し、入浴剤を10g充填して、40℃×2週間後のヒートシール強度を測定した。測定結果は表1に示す通りである。尚、シール強度測定方法は、剥離速度300mm/min、剥離角度90℃である。
【0084】
以下に、本発明の比較例について説明する。
【0085】
<比較例1>
実施例1において、蓋材(A)のシーラント層(20)として、厚さ40μmのポリマーアロイのイージーピール材を使用した以外は、実施例1と同様にして蓋材(A)を作製し、ヒートシール強度を測定した。測定結果は表1に示す通りである。
【0086】
<比較例2>
実施例1において、蓋材(A)のシーラント層(20)として、厚さ40μmの密度0.904の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)を使用した以外は、実施例1と同様にして蓋材(A)を作製し、ヒートシール強度を測定した。測定結果は表1に示す通りである。
【0087】
【表1】

表1は、本発明に係る耐香料容器用蓋材(A)の実施例1と比較例1〜2のヒートシール強度(初期、1ヶ月後)の測定値と評価結果を示した表である。
【0088】
<比較結果>
表1に示すように、本発明品の実施例1は、比較例1〜2と対比して、初期、及び1ヶ月後共にヒートシール強度は、明らかに高く、また剥離痕跡部はきれいであった。比較例1は、香料成分により、経時変化でシーラントが脆化し、ヒートシール強度が劣化した。また、剥離痕跡部にイージーピール材が残り、外観も汚かった。比較例2は、シーラントが脆化し、ヒートシール強度が劣化するとともに、シーラント面がべたつき始めた。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明に係る耐香料容器用蓋材と容器本体とをシールした状態から開封する際、剥離部の状態を説明する1実施例の部分側断面図である。
【図2】従来の耐香料容器用蓋材と容器本体とをシールした状態から開封する際、剥離部の状態を説明する1実施例の部分側断面図である。
【図3】従来の耐香料容器用蓋材と容器本体とをシールした状態から開封する際、剥離部の状態を説明するその他の実施例の部分側断面図である。
【符号の説明】
【0090】
A・・・耐香料容器用蓋材
B・・・容器本体
10・・・基材層
20・・・シーラント層
1・・・基材層
2・・・シール層
3・・・フランジ部
4・・・剥離部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジ部を有し、少なくとも、単層または多層フィルムからなる基材層と、該基材層内面にアイオノマーからなるシール層を設けた積層体からなる容器本体の開口部を覆い、該フランジ部に密封シールされる耐香料容器用蓋材であって、前記蓋材は、少なくとも、単層または多層フィルムからなる基材層とイージーピール性を有するシーラント層との積層体からなり、前記シーラント層にポリエチレン樹脂(PE)が使用されていることを特徴とする耐香料容器用蓋材。
【請求項2】
前記ポリエチレン樹脂(PE)が密度0.910以上の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)であることを特徴とする請求項1記載の耐香料容器用蓋材。
【請求項3】
前記基材層がバリアフィルムであることを特徴とする請求項1又は2記載の耐香料容器用蓋材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−315688(P2006−315688A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−136979(P2005−136979)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】