説明

耳式体温計及びこれの制御方法

【課題】 プローブカバーがプローブに装着された状態あるいはプローブカバーがプローブに装着されていない状態を検知し、当該検知に基づき補正を施すことで体温測定結果に誤差が生じない耳式体温計及びこれの制御方法の提供。
【解決手段】 環境温度を検出する温度検出素子21と、耳腔内の温度測定部位から放射される赤外線を検出する赤外線検出素子22とをプローブ3に内蔵し体温を測定する耳式体温計であって、プローブに対して着脱自在に設けられるプローブカバー10と、プローブカバーがプローブに対して脱離又は装着されたことを検知する検知スイッチ60と、2つの検出素子の検出結果に基づく体温を補正するための温度換算係数52a、52bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耳式体温計及びこれの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環境温度を検出する温度検出素子であるサーミスタと、耳腔内の温度測定部位から放射される赤外線を検出する赤外線検出素子である冷接点と温接点とからなるサーモパイルをプローブに内蔵しておき、各検出素子の検出結果に基づいて体温を測定するように構成された耳式体温計が実用化されている。
【0003】
本願出願人は、温度検出素子であるサーミスタと、冷接点と温接点とからなるサーモパイルとをプローブの開口から離間した位置に夫々設けておき、プローブの開口から導入される赤外線をサーモパイルまで導光管を用いて案内するように構成された耳式体温計を実用化している。
【0004】
このように構成することで、プローブの先端に開口を有するように形成された端面部の外径寸法を小さくできるので耳腔内に挿入できるようになる。また、耳腔内にプローブを挿入するとプローブに対して体温が熱伝導するので正確な体温測定ができなくなるが、上記のようにプローブの開口から導入される赤外線をサーモパイルまで案内する導光管をプローブ中に離間した状態で内蔵することで、たとえプローブに対して体温が熱伝導した場合であっても正確な体温測定ができるようになる。
【0005】
また、上記の耳式体温計によれば、プローブ開口部およびプローブ全体を覆うように構成されたプローブカバーが別途準備されている。このプローブカバーにはフランジ部が一体形成されており、プローブに対して装着されるプローブカバー装着具を用いてプローブカバーを着脱自在に設けるように構成されている。このようにすることで、耳垢などでプローブカバーが汚れた場合、または診療所などで不特定多数のものが使用する場合に定期的にプローブカバーを水洗できるようにして衛生的に使用するようにしている。(特許文献1)以上のようにプローブ開口部およびプローブ全体を覆うように構成されたプローブカバーをプローブカバー装着具を用いて着脱自在に設けることにより、定期的にプローブカバーを水洗できることから衛生面では望ましい。
【0006】
一方、従来の耳式体温計によればプローブカバーがプローブに装着された状態または装着されていない状態にかかわらず、サーモパイルによる体温測定を行っている。
【0007】
このため、プローブカバーがプローブに装着された状態では、少なからず赤外線がプローブカバーにより遮断される結果、プローブカバーがプローブに装着されていない状態との比較において、若干の体温測定誤差が生じることがあった。
【特許文献1】特開平11−123179号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は上述したような事情に鑑みてなされたものであり、プローブカバーがプローブに装着された状態あるいはプローブカバーがプローブに装着されていない状態如何に拘わらず体温測定結果に誤差が生じない耳式体温計及びこれの制御方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明の耳式体温計によれば、環境温度を検出する温度検出素子と、中耳内の温度測定部位から放射される赤外線を検出する赤外線検出素子とをその先端にプローブ開口部を形成したプローブに内蔵し、前記2つの検出素子の検出結果に基づいて体温を測定する耳式体温計であって、前記プローブ開口部を覆うように前記プローブに対して着脱自在に設けられるプローブカバーと、前記プローブカバーが前記プローブに対して脱離又は装着されたことを検知する検知手段と、前記検知手段による検知結果に基づいて、前記2つの検出素子の検出結果に基づく体温を補正する補正手段とを備えることを特徴としている。
【0010】
また、前記プローブカバーを前記プローブに対する装着状態で固定するプローブカバー装着具を備え、前記プローブは、前記プローブ開口部を有するように形成された端面部と、中空筒状体の内側面部と、前記内側面部から内方に突出する係合部とを有し、前記2つの検出素子を固定する取付け基部材と、前記開口側に前記赤外線検出素子と対向する孔を有するとともに前記取付け基部材に固定されて前記2つの検出素子を囲い込む筒状の容器部材と、前記孔の上に取り付けられて前記孔を塞ぐととともに赤外線を透過させる窓部材と、を含む検出素子収納体を備え、前記検出素子収納体の前記窓部材が、前記プローブ開口部を塞ぐように前記端面部の前記検出素子側の面に当接され、かつ前記取付け基部材が前記係合部により固定され、前記検知手段は、前記内側面部に配置されるとともに前記プローブカバーの内周面に対して当接され動作する機械接点式スイッチ、前記内側面部に配置されるとともに前記プローブカバーの内周面に敷設される導電層に対して当接され動作する電気接点式スイッチまたは前記内側面部に配置されるとともに前記プローブカバーの内周面に敷設される反射層を光の反射で検知する光学式スイッチを含むことを特徴としている。
【0011】
また、前記プローブカバーのフランジ部を係止して前記プローブに対して装着状態で固定するプローブカバー装着具を備え、前記2つの検出素子を固定する取付け基部材と、前記赤外線検出素子と対向する孔部を有するとともに前記取付け基部材に固定されて前記2つの検出素子を囲い込む筒状の容器部材とを備え、実装基板上に実装される検出素子収納体と、前記プローブ開口部と前記孔部との間に配置される導光管と、を備え、前記検知手段は、前記実装基板上に配置されるとともに、前記フランジ部に敷設された反射層を光の反射で検出する光学式スイッチを含むことを特徴としている。
【0012】
また、体温の測定結果の表示を行う液晶表示装置を覆うための本体カバーをさらに備え、前記プローブを前記液晶表示装置の表示面と同じ側となるように前記本体カバーと一体成形したことを特徴としている。
【0013】
また、前記補正手段は、前記2つの検出素子の検出結果に基づく検出体温信号と、実体温に基づく実体温信号との間の相関係数を求める温度校正を行うとともに、前記プローブカバー無し状態で前記温度校正して求めた第1温度換算係数と、前記プローブカバー有り状態で前記温度校正して求めた第2温度換算係数と、により温度換算を行うことで前記補正をすることを特徴としている。
【0014】
また、環境温度を検出する温度検出素子と、中耳内の温度測定部位から放射される赤外線を検出する赤外線検出素子とをその先端にプローブ開口部を形成したプローブに内蔵し、前記2つの検出素子の検出結果に基づいて体温を測定する耳式体温計の制御方法であって、前記プローブ開口部を覆うように前記プローブに対して着脱自在に設けられるプローブカバーが、前記プローブに対して脱離又は装着されたことを検知手段により検知する工程と、前記検知手段による検知結果に基づいて、前記2つの検出素子の検出結果に基づく体温を補正手段により補正する工程とを備えることを特徴としている。
【0015】
そして、環境温度を検出する温度検出素子と、中耳内の温度測定部位から放射される赤外線を検出する赤外線検出素子とをその先端にプローブ開口部を形成したプローブに内蔵し、前記2つの検出素子の検出結果に基づいて体温を測定するために、前記プローブ開口部を覆うように前記プローブに対して着脱自在に設けられるプローブカバーが、前記プローブに対して脱離又は装着されたことを検知手段により検知する工程のプログラムと、前記検知手段による検知結果に基づいて、前記2つの検出素子の検出結果に基づく体温を補正手段により補正する工程のプログラムとからなるプログラムが記憶されたことを特徴としている。
【0016】
ここで、さらなる本発明の特徴は、以下本発明を実施するための最良の形態および添付図面によって明らかになるものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、プローブカバーがプローブに装着された状態あるいはプローブカバーがプローブに装着されていない状態を検知し、当該検知に基づき補正を施すことで体温測定結果に誤差が生じない耳式体温計及びこれの制御方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態について添付の図面を参照して説明する。
【0019】
図1(a)は本発明の一実施形態の耳式体温計1をプローブ側から見た外観斜視図、(b)は耳式体温計1を操作スイッチ5側から見た外観斜視図である。
【0020】
本図において、耳式体温計1は、片手で把持して操作容易となるデザイン形状と重量を備えている。このため、耳式体温計1は所定樹脂材料から射出成形される本体ベース2と、本体カバー4とがニ分割されるとともに、内部に後述する実装基板を固定できるように構成されている。また、本体ベース2と、本体カバー4とは異なる色に着色された樹脂材料から成形されており、特に本体カバー4は半透明樹脂製であり、内部に設けられた2個の発光LED素子13の点滅状態を外部から見ることができるように構成されている。ちなみに使用可能な樹脂材料はポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル重合体などのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル等を含む所謂エンジニアリングプラスチックが挙げられる。
【0021】
耳腔内の温度測定部位(特に、好ましくは鼓膜及び/又はその周辺)から放射される赤外線を検出するために耳腔内(外耳道)に挿入されるプローブ3は、先端の外径寸法が約7mmの円錐筒状に形成されており、上記の本体ベース2と一体成形される。ここで、このプローブ3は、本体ベース2と別部品として準備することもでき、この場合に後述する組み付け工程がより簡略化されることになる。
【0022】
図1(a)を参照するとこのプローブ3には、一点鎖線で図示したプローブ3の一部と同じ形状を有したプローブカバー10が装着可能に設けられている。このプローブカバー10は、耳垢や異物などがプローブ3の開口内に入ることを防止するとともに、取り外し後に定期的に水洗することで衛生状態を維持できるようにするために設けられている。このプローブカバー10は通常は透明ビニル材料を真空成形して肉厚が所定厚さである例えば約0.1から0.005mmとなるように準備されるが、これ以外の樹脂材料を用いても成形することもできる。
【0023】
プローブカバー10には図示のようにフランジ部10fが一体成形されており、このフランジ部を後述するようにプローブカバー装着具11の操作によって挟持することで、プローブカバー10をプローブ3から着脱自在にしている。また、プローブカバー装着具11は図示のようにプローブ3の基部よりも大径のテーパ形状であるのでプローブ3が過剰に耳腔内に挿入される前にプローブカバー装着具11によって挿入防止を図ることができるように配慮されている。
【0024】
引き続き、図1(a)において、プローブ3の下方には押圧操作される電源スイッチ5のボタンが設けられている。また、この電源スイッチ5の下方には測定された体温を7セグメントで表示するとともに、測定開始状態であることを絵文字等のキャラクタで表示する液晶表示装置7が設けられている。この液晶表示装置7の下方には、破線図示のボタン電池8を交換するときに本体ベース2から着脱されるボタン電池カバー9が設けられている。
【0025】
一方、図1(b)において本体カバー4には測定スイッチ6がプローブ3の略裏面側となる位置に設けられている。また、破線図示の圧電スピーカ12が本体カバー4の裏面側に固定されている。
【0026】
次に、図2は、図1の耳式体温計1の立体分解図である。本図において、既に説明済みの構成または部品については図1と同様の符号を附して説明を割愛すると、本体カバー4には測定スイッチ6を固定するための孔部4aを形成した凹部が形成されており、測定スイッチ6に形成された1対の爪部6aを孔部4aに挿入することで爪部6aが孔部4aの裏面縁部に夫々係止することで抜け止めされて固定される。この固定後に、この測定スイッチ6は本体カバー4に対して前後方向に移動できるので、実装基板15の主実装面15a上に実装されているタクトスイッチを含む機械接点式スイッチ6aを押圧して操作できることとなる。また、本体カバー4の裏面には破線図示の圧電式のスピーカ12が上記のように予め固定されており、このスピーカ12への配線30が実装基板15の主実装面15aから設けられている。
【0027】
本体カバー4の内周面の縁部近くには図中で破線で図示した4個の凸部4fが対称位置に夫々形成されている。また、上方には被係止部4kが形成されている。一方、本体ベース2はこの本体カバー4の縁部と同形状の縁部が形成されており、本体ベース2の縁部からは上記の4個の凸部4fに対応した位置において、各凸部4fに嵌る溝部を夫々形成した4個の凹部2fが夫々一体形成されている。また、本体ベース2の上部には上記の被係止部4kに係止する係止部2kが一体形成されている。
【0028】
以上の構成により、図示のように本体カバー4の被係止部4kを最初に係止部2kに係止して位置決め後に、各凸部4fを凹部4fに対して嵌合することでネジ類または接着剤類を一切使用せずに合体して組み立てることができることとなる。
【0029】
実装基板15は、本体ベース2の縁部で取り囲まれる内部に予め固定されるので、図示のように本体ベース2の縁部壁部に略沿う相似形状の形状部15fを有している。この実装基板15の主実装面15aには、上記のLED素子13と、CPU素子、各種電子部品が実装されている。また、実装基板15の裏面側となる副実装面15b上には破線図示の機械式スイッチ5aと、上記の液晶表示装置7とボタン電池8をセットする電池ボックスが実装されている。また、後述する検出素子収納体20から接続された配線30もこの副実装面15b上に接続される。
【0030】
この実装基板15を本体ベース2に固定するためにネジ孔部15cと固定孔部15hとが図示の位置に夫々穿設されている。一方、本体ベース2にはネジ孔部15cと固定孔部15hに合致した位置において取付けスタッド部2b、2hが一体成形されており、実装基板15のネジ孔部15cと固定孔部15hとを本体ベース2の取付けスタッド部2b、2hに合致させてセットした後に、ネジ39をスタッド部2bに螺合して固定できるように構成されている。本体ベース2と上記のプローブ3とを一体成形するためにプローブ3の内周面に連通する開口部2aが形成される。
【0031】
本体カバー2には電源スイッチ5を固定するための孔部2cを形成した凹部が形成されており、電源スイッチ5に形成された1対の爪部5aを孔部2cに挿入することで爪部5aが孔部2cの裏面縁部に夫々係止することで抜け止めされて固定される。この固定後に、この電源スイッチ5は本体ベース2に対して前後方向に移動できるので、実装基板15の副実装面15b上に実装されているタクトスイッチである機械式スイッチ5aを押圧して操作できることとなる。
【0032】
また、本体カバー2には上記の液晶表示装置7の表示面に合致した位置に開口を形成するための開口部2dが形成されている。さらに、上記のボタン電池8を交換可能にするためにボタン電池8の外形寸法より大きな開口部2gが形成されており、この開口部2gを覆うためのボタン電池カバー9がスライド自在に組み付けられる。
【0033】
以上のように各部品を実装した後の実装基板15を本体カバー2に固定した後に本体カバー4を嵌合することで完成できる。
【0034】
一方、上記のプローブカバー10は矢印方向にプローブ3に対して移動されてプローブ3を覆うようにセットされる。このセット後にプローブ装着具11を矢印方向に回転することで抜け止めされる。
【0035】
図3は、プローブカバー10を着脱可能に装着するためのプローブカバー装着具11と本体ベース2に一体成形されるプローブ3との関係を図示した動作説明図である。本図において、プローブカバー装着具11はプローブカバー10(図中、一点鎖線図示)のフランジ部10fに対して当接することで抜け止めを行う段差部11bを形成した開口孔部を形成した筒状部材として上記の本体ベース2とは異なる色の樹脂材料から射出成形されることで準備される。このプローブ装着具11の外周面には対称位置に指先で把持される把持部11c、11cが形成されており、図中の矢印方向に回転できるようにしている。
【0036】
また、これらの把持部11c、11cから角度90度の位置には、係止突起部11d、11d(一方は、破線図示)が外方に向けて突出形成されている。さらに、各係止突起部11dの中央には係止溝部11kが形成されている。
【0037】
一方、本体ベース2にはプローブ3の付け根部分に該当する位置においてプローブカバー10(図中、一点鎖線図示)のフランジ部10fの下面に対して当接する同心円状の段差部2xが一体成形されている。さらに、この段差部2xを取り囲むようにして空間部2wを介して内側鍔部2y、2yがプローブ3と同心円状一体成形されている。これらの内側鍔部2y、2yの中心には上記の係止突起部11dの中央の係止溝部11kに対して係合される破線図示の突起2t、2tが形成されている。
【0038】
以上の構成において、プローブカバー10をプローブ3に被せた後に、プローブ装着具11の把持部11c、11cを把持して下方に移動し、係止突起部11d、11d(一方は、破線図示)を内側鍔部2y、2yの間の大径空間部2wkに潜入させた後に、反時計方向に回動することにより各係止突起部11dの中央の夫々の係止溝部11kを夫々の突起2tに対して係止することでプローブ3の抜け止めが図られることになる。
【0039】
以上の操作によって図4のプローブカバー10を装着した後の図1におけるX-X線矢視断面図に示す状態になる。すなわち、図4に図示したようにプローブカバー10(図中、一点鎖線図示)のフランジ部10fの下面が段差部2xに当接し、フランジ部10fの上面がプローブカバー装着具11の段差部11bに対して当接することで、上下から挟持できる状態となる。また、例えば水洗のためにプローブカバー10を取り外すときには、上記と逆の操作を行えば良いことになる。
【0040】
図4の断面図に図示したように、プローブ3は、その先端に開口31を有するように形成された端面部と、中空筒状体の内側面部とを形成するとともに本体ベース2の開口部2aに連通するように形成されている。このように形成されたプローブ3の先端には図示のように検出素子収納体20が固定されており、この検出素子収納体20は配線30を介して実装基板15に接続されている。または、図示しないコネクタを介して接続されており後述の体温測定を行うようにしている。
【0041】
ここで、プローブ3の先端部は外耳内に挿入される関係上からその外径寸法は約7mmである。このため図示の位置に検出素子収納体20を固定するためにはこの収納体20の外径寸法は例えば直径5mmに設定される一方で、その高さ寸法は約4mm前後に設定されることになる。
【0042】
図5は、この検出素子収納体20の一部を破断して示した外観斜視図である。本図において検出素子収納体20は、環境温度を検出する温度検出素子であるサーミスタ21と、耳腔内の温度測定部位から放射される赤外線を検出する赤外線検出素子22とをその取付け基部材23上に固定している。このように固定されるサーミスタ21は、使用環境温度である絶対温度を計測できるように製造段階で調整されている。このため取付け基部材23はアルミ材等の良熱伝導体製であって、外気温度が伝達可能となるようにするとともに、サーミスタ21の取付け面の表面積が大きくなるように固定している。この固定後に取付け基部材23に対して絶縁状態で固定された電極リード28に対してサーミスタ21のリード線が接続されている。
【0043】
一方、赤外線IRを検出する赤外線検出素子22は、絶対温度は検出できず相対温度変化のみが検出可能である。このため、体温は温度検出素子による検出温度に赤外線検出素子による検出温度を加えることで検出される。この検出動作の詳細については、例えば特開平11−123179号公報に詳しく記載されているのでここでは省略する。
【0044】
図5において、この赤外線検出素子22は、好ましくは熱電対型(サーモパイル型)であるため、取付け基部材23の台座23b上に固定されるウエハ担体22c上において花弁状に形成された温接点22aと、冷接点22bとから構成されている。各温接点と冷接点とは異種金属から形成されるとともに直列に接続されており、図示のように取付け基部材23に対して絶縁状態で固定された電極リード29に対してリード線が接続されている。また、温接点22aで囲まれる範囲Hは黒色塗装されており赤外線を吸収し易くすることで、各接点間で起電力を発生できるようにして相対温度変化分の検出を行うように構成されている。
【0045】
側壁に外周面25aを有し、天井面に孔24を有するとともに、2つの検出素子を囲い込むように形成された筒状の容器部材25が半断面図で図示されている。この容器部材25も取付け基部材23と同様にアルミ材、ステンレス材等の良熱伝導体の金属製であって、外気温度がサーミスタ21に伝達可能となるようにしている。また、孔24には赤外線を透過させるセラミック素材からなる窓部材26が図示のように固定されており、図示のような検出素子収納体20を構成している。
【0046】
ここで、図示の検出素子収納体20によれば、取付け基部材23はその縁部から半径方向に延設される外側鍔部23aを形成しており、この裏面を固定部としているが、この外側鍔部23aはなくとも良く容器部材25の外周面25aと同じ直径の取付け基部材23として検出素子収納体20を構成しても良い。
【0047】
図6は、以上のように構成される耳式体温計1を測定部位である耳腔Y内に挿入する様子を示した断面図である。本図において、既に説明済みの構成または部品については同様の符号を附して説明を割愛すると、電源スイッチ5がオンされるとサーミスタ21によって環境温度の検出が行われるまで待機する。この測定の待機時間は液晶表示装置7の絵文字が完成するまでの時間としている。待機時間が経過するとプローブ3を耳腔Y内に図示のように挿入することになるが、このときプローブカバー装填具11とプローブ先端との間の距離Dによって過剰に挿入されることが防止される。
【0048】
この挿入後に、測定スイッチ6をオンするとLED素子13が順次点灯し、さらにスピーカ12でピー音を発生して測定が終了したことを知らせる。その後、液晶表示装置7に体温表示がされるので、これを見て体温を知ることで終了する。特に、測定スイッチ6はプローブ3の反対側に設けられるので自分自身で測定する場合には、プローブ3の挿入位置の把握が容易となるように配慮されている。また、電源スイッチ5をオンした後に放置した場合には自動的にオフ状態にされて電池消耗を防止している。
【0049】
次に、図7はプローブカバー10の有無を検知する検知手段であるプローブカバー検知スイッチ60の各構成例を図示した断面図であり、図7(a)はプローブカバー10の内周面10kに対して当接され動作する機械接点式スイッチがプローブカバー検知スイッチ60として配置されている様子を図示している。図7(b)はプローブ3の内側面部34に配置されるとともにプローブカバーの内周面10kに敷設される導電層66に対して当接され動作する電気接点式スイッチがプローブカバー検知スイッチ60として配置されている様子を図示している。そして、図7(c)はプローブの開口部31と孔部との間に配置される導光管99を備え、プローブカバー10のフランジ部10fに敷設された反射層67を光の反射で検出する光学式スイッチをプローブカバー検知スイッチ60として配置されている様子を図示している。
【0050】
先ず、図7(a)において、検出素子収納体20がプローブ3の開口部31を塞ぐように圧入されることで、検出素子収納体20の窓部材26が図中の上方に位置し、上記の取付け基部材23の裏面が係合部33と係合して固定されることになる。プローブ3の開口部31はプローブ3の端面部32の面取り部32cの頂点部位に図示のように形成されており、その直径寸法が約3から4mmの円形形状となるように一体成形されている。
【0051】
この端面部32はプローブ3の内側面部34の部位から内方に突出するインナーフランジ部として形成されており、平らな環状内壁部を形成している。この内壁部上に内側面部34の内径寸法より小さい外直径寸法を有する不図示の溝部を形成し、この溝部中にシール部材である不図示のオーリングを収容するようにしても良い。
【0052】
一方、図5を参照して述べた検出素子収納体20の容器部材25の外周面25aの高さ分に窓部材26の高さ分を加えた高さ位置となるように、内壁部から離間された位置において高さ1〜2mm前後の係合部33が内側に向けて120度の等間隔で3箇所一体成形されている。尚、この係合部33は全周に亙り連続形成しても良く、設置個数は2ヶ所、4箇所以上でも良い。
【0053】
以上の構成において、電極リード28、29に対して配線30を接続した状態にした検出素子収納体20を予め準備しておき、不図示の冶具を用いて取付け基部材23の裏面を上方に移動することで、容器部材25の角部が係合部33の傾斜面に当接する。さらに上方に移動すると、容器部材25の外周面25aが係合部33の先端で案内される状態となり、取付け基部材23の鍔部23a(図5を参照)が傾斜面に当接する。この状態からさらに上方に圧入するように移動すると鍔部23aの縁部が係合部の傾斜面に乗り上げる結果、プローブ3を半径方向に拡張するように弾性変形させる。これに引き続き、上方に移動すると図7(a)に図示のようにプローブ3の開口部31を塞ぐように検出素子収納体20の窓部材26の表面が当接し、またオーリング(ガスケット)を設ける場合には溝部から突出した部分が弾性変形されることで液密状態を維持することが可能となる。
【0054】
プローブ3の内側面部34には孔部34xが穿設されており、この孔部34xから半径方向に突出するアクチエータ部材61が設けられている。このアクチエータ部材61は機械接点式スイッチであるタクトスイッチのプローブカバー検知スイッチ60との間に設けられた圧縮コイルバネ62の作用により常時外側に突出するように設けられている。一方、上記のプローブカバー装着具11にはプローブカバー10が装着されずアクチエータ部材61が突出位置に位置するときに、アクチエータ部材61の先端部を収容する凹部11wが形成されている。以上の構成において、プローブカバー装着具11を上記のようにセットしプローブカバー10のフランジ部10fを挟持するとアクチエータ部材61がプローブカバー10の内周面10kに対して当接して図示のようにプローブカバー検知スイッチ60を押圧する状態となる。また、プローブカバー10がセットされないと、圧縮コイルバネ62の作用でアクチエータ部材61が突出位置に移動されてプローブカバー検知スイッチ60の押圧状態が解除されることになる。
【0055】
以上のように、検出素子収納体20をプローブ3の先端に配置することで、余った空間を有効利用することでプローブカバー10の有無検出を確実に行うことができる。
【0056】
次に、図7(b)において、既に説明済みの構成または部品については同様の符号を附して説明を割愛すると、プローブ3の内側面部34には一対の電気接点がプローブカバー検知スイッチ60として配置されている。一方、プローブカバー10の内周面10kには導電層66が環状に敷設されており、図示のようにプローブカバー10がセットされると一対の電気接点が導通状態となることでプローブカバー有りの検知が可能となる。プローブカバー10無しでは電気接点が導通状態とならず、プローブカバー無しの検知が可能となる。
【0057】
そして、図7(c)において、プローブ3の開口部31と検出素子収納体20の孔部24との間には金メッキ反射面70を備えた導光管99が配置されている。また、プローブカバー10のフランジ部10fに敷設された反射層67を光の反射で検出する光学式スイッチをプローブカバー検知スイッチ60として実装基板15上に配置している。
【0058】
以上の構成において、図示のようにプローブカバー10がセットされると発光素子からの光が反射層67上で反射され、受光素子による検知を行うことでプローブカバー有りの検知が可能となる。プローブカバー10無しでは反射が起こらず、プローブカバー無しの検知が可能となる。
【0059】
図8は、耳式体温計1のブロック図である。本図において、既に説明済みの構成または部品については同様の符号を附して説明を割愛すると、図中の破線で図示した検出素子収納体20に内蔵されたサーミスタ21は配線30を介して実装基板15上の増幅部53に接続されている。また、赤外線IRを検出する赤外線検出素子22は配線30を介して実装基板15上の増幅部54に接続されている。
【0060】
また、プローブカバー検知スイッチ60は実装基板15上の制御部50のポートに接続されている。この実装基板15上の制御部50は、CPU素子と記憶素子のRAM(ランダムアクセスメモリ)51とROM(リードオンリーメモリ)からなる記憶部52とを備えている。この記憶部52にはプローブカバー無しの第2温度換算係数の記憶部52aと、プローブカバー有りの第1温度換算係数の記憶部52aの記憶を行う記憶部52を備えている。ここで、第1温度換算係数と第2温度換算係数とは、プローブカバー有り状態と無し状態で温度校正して求めたものであって、上記の2つの検出素子の検出結果に基づく検出体温信号と、実体温に基づく実体温信号との間の相関係数を求める温度校正を行うとともに、このようにして求めた温度校正により温度換算を行うことで補正をすることで正しい体温計測をするためのものである。
【0061】
また、制御部50には、さらにLED素子13と、待機と温度表示部を有する液晶表示装置7と警告手段であるスピーカ12と、電源スイッチ5と測定スイッチ6とに接続されている。また、ボタン電池である電源部8からの電力供給を受けて動作するように構成されている。さらに、液晶表示装置7は測定待機/温度表示部7aとプローブカバー使用回数表示部7bとが設けられている。
【0062】
次に、上記構成になる耳式体温計において、プローブカバーがプローブに装着された状態あるいはプローブカバーがプローブに装着されていない状態を検知し、この検知に基づき補正を施すことで体温測定結果に誤差が生じないようにする制御例を添付の各動作説明フローチャートを参照して述べる。
【0063】
図9はメインルーチンプログラムの動作説明フローチャートである。本図において、ステップS1において電源スイッチ5がオンされることを待機している。電源スイッチ5がオンされるとステップS2に進みメインルーチンが起動されて、最初に記憶部からカバー使用回数を読み込むなどの初期化処理を実行し使用回数を表示部7bに表示する。次に、ステップS3に進み測定待機状態であることを示すために、例えば絵文字またはキャラクタの一部を表示し絵文字の全体が完成するまでの時間を待つようにして液晶装置の表示部7aにおいて表示を行う。この間に、サーミスタ21による環境温度測定を行う。
【0064】
次に、ステップS4において測定スイッチ6がオンされるのを待つ。このステップS42で測定スイッチ6が押されたことが判定されると、ステップS5に進みサーモパイルである各検出素子22からの温度電気信号を検出する。次に、ステップS6では上記のプローブカバー検知スイッチ60がオンであるか否かを確認し、このステップS6でプローブカバー検知スイッチ60がオン状態であると判断されると、プローブカバー10が正しく装着されているものと判断して、ステップS7に進み記憶部52bから第1温度換算係数を読み込む。次に、ステップS9に進み、読み込まれた第1温度換算係数に基づき温度換算を行い体温を得る。次に、ステップS10において表示部7aに体温表示を行う。そして、ステップS11では検温終了の報知を行い、処理を終了する。
【0065】
一方、ステップS6においてプローブカバー検知スイッチ60がオフ状態であると判断されると、プローブカバー10が装着されていないものと判断して、ステップS8に進み記憶部52aから第2温度換算係数を読み込む。次に、ステップS9に進み、読み込まれた第2温度換算係数に基づき温度換算を行い体温を得る。次に、ステップS10において表示部7aに体温表示を行う。そして、ステップS11では検温終了の報知を行い、処理を終了する。ここで、プローブカバーの使用限界回数は例えば50回程度であることから、この使用限界回数を超えたと判断されると表示部7bに、交換を指示する旨の表示を行うようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】(a)は本発明の一実施形態の耳式体温計1をプローブ側から見た外観斜視図、(b)は耳式体温計1を操作スイッチ側から見た外観斜視図である。
【図2】図1の耳式体温計1の立体分解図である。
【図3】プローブカバー10を装着するプローブカバー装着具11の動作説明図である。
【図4】プローブカバー10を装着した後の図1におけるX-X線矢視断面図である。
【図5】検出素子収納体20の一部を破断して示した外観斜視図である。
【図6】耳式体温計1を測定部位に挿入する様子を示した断面図である。
【図7】(a)はプローブカバー10の内周面10kに対して当接され動作する機械接点式スイッチがプローブカバー検知スイッチ60として配置されている様子を図示した断面図、(b)はプローブ3の内側面部34に配置されるとともにプローブカバーの内周面10kに敷設される導電層66に対して当接され動作する電気接点式スイッチがプローブカバー検知スイッチ60として配置されている様子を図示した断面図、そして(c)はプローブの開口部31と孔部との間に配置される導光管99を備え、プローブカバー10のフランジ部10fに敷設された反射層67を光の反射で検出する光学式スイッチをプローブカバー検知スイッチ60として配置されている様子を図示した断面図である。
【図8】耳式体温計1のブロック図である。
【図9】メインルーチンプログラムの動作説明フローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
1 耳式体温計
2 本体ベース
3 プローブ
4 本体カバー
5 電源スイッチ
6 測定スイッチ
7 液晶表示装置
8 ボタン電池
9 ボタン電池カバー
10 プローブカバー
11 プローブカバー装着具
12 スピーカ
13 LED素子
15 実装基板
20 検出素子収納体
21 温度検出素子
22 赤外線検出素子
23 取付け基部材
24 孔部
25 容器部材
26 窓部材
28 リード端子
30 配線
31 開口部
32 端面部
33 係合部
34 内側面部
60 プローブカバー検知スイッチ(検知手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境温度を検出する温度検出素子と、中耳内の温度測定部位から放射される赤外線を検出する赤外線検出素子とをその先端にプローブ開口部を形成したプローブに内蔵し、前記2つの検出素子の検出結果に基づいて体温を測定する耳式体温計であって、
前記プローブ開口部を覆うように前記プローブに対して着脱自在に設けられるプローブカバーと、
前記プローブカバーが前記プローブに対して脱離又は装着されたことを検知する検知手段と、
前記検知手段による検知結果に基づいて、前記2つの検出素子の検出結果に基づく体温を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする耳式体温計。
【請求項2】
前記プローブカバーを前記プローブに対する装着状態で固定するプローブカバー装着具を備え、
前記プローブは、前記プローブ開口部を有するように形成された端面部と、中空筒状体の内側面部と、前記内側面部から内方に突出する係合部と、を有し、
前記2つの検出素子を固定する取付け基部材と、前記開口側に前記赤外線検出素子と対向する孔を有するとともに前記取付け基部材に固定されて前記2つの検出素子を囲い込む筒状の容器部材と、前記孔の上に取り付けられて前記孔を塞ぐととともに赤外線を透過させる窓部材と、を含む検出素子収納体を備え、
前記検出素子収納体の前記窓部材が、前記プローブ開口部を塞ぐように前記端面部の前記検出素子側の面に当接され、かつ前記取付け基部材が前記係合部により固定され、
前記検知手段は、前記内側面部に配置されるとともに前記プローブカバーの内周面に対して当接され動作する機械接点式スイッチ、前記内側面部に配置されるとともに前記プローブカバーの内周面に敷設される導電層に対して当接され動作する電気接点式スイッチまたは前記内側面部に配置されるとともに前記プローブカバーの内周面に敷設される反射層を光の反射で検知する光学式スイッチを含むことを特徴とする請求項1に記載の耳式体温計。
【請求項3】
前記プローブカバーのフランジ部を係止して前記プローブに対して装着状態で固定するプローブカバー装着具を備え、
前記2つの検出素子を固定する取付け基部材と、前記赤外線検出素子と対向する孔部を有するとともに前記取付け基部材に固定されて前記2つの検出素子を囲い込む筒状の容器部材とを備え、実装基板上に実装される検出素子収納体と、
前記プローブ開口部と前記孔部との間に配置される導光管と、を備え、
前記検知手段は、前記実装基板上に配置されるとともに、前記フランジ部に敷設された反射層を光の反射で検出する光学式スイッチを含むことを特徴とする請求項1に記載の耳式体温計。
【請求項4】
体温の測定結果の表示を行う液晶表示装置を覆うための本体カバーをさらに備え、前記プローブを前記液晶表示装置の表示面と同じ側となるように前記本体カバーと一体成形したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の耳式体温計。
【請求項5】
前記補正手段は、前記2つの検出素子の検出結果に基づく検出体温信号と、実体温に基づく実体温信号との間の相関係数を求める温度校正を行うとともに、
前記プローブカバー無し状態で前記温度校正して求めた第1温度換算係数と、前記プローブカバー有り状態で前記温度校正して求めた第2温度換算係数と、により温度換算を行うことで前記補正をすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の耳式体温計。
【請求項6】
環境温度を検出する温度検出素子と、中耳内の温度測定部位から放射される赤外線を検出する赤外線検出素子とをその先端にプローブ開口部を形成したプローブに内蔵し、前記2つの検出素子の検出結果に基づいて体温を測定する耳式体温計の制御方法であって、
前記プローブ開口部を覆うように前記プローブに対して着脱自在に設けられるプローブカバーが、前記プローブに対して脱離又は装着されたことを検知手段により検知する工程と、
前記検知手段による検知結果に基づいて、前記2つの検出素子の検出結果に基づく体温を補正手段により補正する工程と、
を備えることを特徴とする耳式体温計の制御方法。
【請求項7】
環境温度を検出する温度検出素子と、中耳内の温度測定部位から放射される赤外線を検出する赤外線検出素子とをその先端にプローブ開口部を形成したプローブに内蔵し、前記2つの検出素子の検出結果に基づいて体温を測定するために、
前記プローブ開口部を覆うように前記プローブに対して着脱自在に設けられるプローブカバーが、前記プローブに対して脱離又は装着されたことを検知手段により検知する工程のプログラムと、
前記検知手段による検知結果に基づいて、前記2つの検出素子の検出結果に基づく体温を補正手段により補正する工程のプログラムと、
からなるプログラムが記憶されたことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−237396(P2008−237396A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−80124(P2007−80124)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】