説明

肝臓の保護に用いるベニクスノキタケのシクロヘキサ−2−エノン化合物

【課題】 肝臓の保護に用いるベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を提供する。
【解決手段】主にベニクスノキタケの抽出物中より分離する4-ハイドロキシ-2,3-ジメトキシ-6-メチル-5(3,7,11-トリメチル-ドデカ-2,6,10-トリエニル)-2-シクロヘキサ-2-エノン (4-hydroxy-2,3-dimethoxy-6-methy-5(3,7,11-trimethyl-dodeca-2,6,10-trienyl)-cyclohex-2-enone)で、肝臓組織の保護に有効である。本発明のベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物は化学性肝臓損傷が引き起こす肝臓組織傷害及び繊維化の程度を緩和/減少させ、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びアスパラテートアミノトランスフェラーゼ(AST)の濃度を低下させ、肝臓中のグルタチオンペルオキシダーゼ(GSHPx)及びカタラーゼ(CAT)の含量を増加させ、フリーラジカルの肝臓に対する損傷を低下させ、こうして肝臓組織の抗酸化能力を向上させ、肝臓保護の機能と効果を達成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一種の肝臓の保護に用いる化合物に関する。特に一種のベニクスノキタケ(Antrodia camphorata)抽出物中より分離純化し、しかも肝臓の保護に用いることができ、肝臓の損傷及び繊維化の程度を緩和/減少させることができるシクロヘキサ-2-エノン化合物に係る。
【背景技術】
【0002】
肝臓は、人体最大かつ最も複雑な機能を持つ重要な代謝器官であり、また炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ホルモン、胆汁等物質の代謝においても重要な作用を具え、さらに分泌、排泄、生体内変化等の機能をも有する。肝臓はまた身体組織にとっては重要なバリア器官でもあり、その解毒機能は重要な保護作用である。よって肝機能が損傷を受けると代謝障害を引き起こし、他臓器の機能にも影響を及ぼし、生命に危険が及ぶことさえある。
台湾では肝臓疾病の罹患率が非常に高く、台湾行政院衛生署の統計データによれば、慢性肝炎及び肝硬変は十大死因の第六位に位置し、しかも年間の死亡者数は三千人以上に達する。しかもこの数値は上昇を続けているため、肝臓の保護に有効で、肝臓関連疾病の予防或いは治療に応用可能な物質の研究開発は急務の課題である。
【0003】
ベニクスノキタケ(Antrodia camphorata) は台湾では牛樟芝、樟芝、牛樟こ、紅樟芝などと呼称され、ヒダナシタケ目(Aphyllophorales)、多孔菌科(Polyporaceae)の多年生菌類で、台湾固有の真菌である。ベニクスノキタケは台湾の保護樹木である牛樟樹(Cinnamoum kanehirai Hay)の中空の腐敗心材内壁にのみ生長する。牛樟樹は台湾でも極めて希少な保護樹であり、不法伐採の問題もあるため、牛樟樹中に寄生する野生ベニクスノキタケはさらに希少である。しかもその子実体の生長は非常に緩慢で、生長期は六月から十月の間に限られるため、非常に高価である。
ベニクスノキタケの子実体は多年生、無柄で、木栓質(スベリン)から木質を呈し、強烈な樟樹香気を備える。その形態は変化に富み、板状、鐘状、馬蹄形、塔状など様々である。初期は扁平型で鮮紅色を呈し、後にその周辺が放射状に巻き上がり、四週へと拡大し生長する。色も淡褐色或いは淡黄褐色へと変化し、多くの細孔を備える。それはベニクスノキタケの薬用価値が最も豊富な部位である。
台湾の民間療法ではベニクスノキタケは解毒、下痢の症状軽減、消炎、肝臓関連疾病治療、抗癌薬として用いられる。ベニクスノキタケは一般の生薬とされるキノコ類同様に、多くの複雑な成分を含む。既に知られている生理活性成分中には、トリテルペノイド(triterpenoids)、多糖体(polysaccharides,β-グリコーゲンなど)、アデノシン(adenosine)、ビタミン(ビタミンB、ナイアシンなど)、タンパク質(免疫グロブリンを含む)、スーパーオキサイドディスムターゼ(superoxide dismutase, SOD)、微量元素(カルシウム、燐、ゲルマニウムなど)、核酸、ステロール類、及び血圧安定物質(antodia acidなど)などがある。これら生理活性成分は抗腫瘍、免疫能力強化、抗過敏、抗ウィルス、抗高血圧、血糖値低下、コレステロール低下などの多種の機能と効果を備えると考えられている。
【0004】
ベニクスノキタケの多種の成分の内、トリテルペノイドに対する研究が最も多い。トリテルペノイドは三十個の炭元素が六角形或いは五角形に結合した天然化合物の総称である。ベニクスノキタケが具える苦味は、主にトリテルペノイドが成分である。
1995年、Cherng氏などはベニクスノキタケ子実体の抽出物中に三種の新しいエルゴスタン(ergostane)を骨格とするトリテルペノイド:antcin A、antcin Bとantcin C(Cherng, I. H., and Chiang, H. C. 1995. Three new triterpenoids from Antrodia cinnamomea. J. Nat. Prod. 58:365-371)が含まれることを発見した。Chen氏などはエタノールによりベニクスノキタケ子実体を抽出後、zhankuic acid A、zhankuic acid B 及びzhankuic acid Cなど三種のトリテルペノイドを発見した(Chen, C. H., and Yang, S. W. 1995. New steroid acids from Antrodia cinnamomea, −a fungus parasitic on Cinnamomum micranthum. J. Nat. Prod. 58:1655-1661)。
この他、Chiang氏などは1995年、子実体抽出物中より別の三種のセスキテルペンラクトン(sesquiterpene lactone)と二種のビスフェノール類派生物である新しいトリテルペノイドを発見した。これがすなわち、antrocin, 4,7-ジメトキシ-5-メチル-1,3-ベンゾジオキソール(4,7-dimethoxy-5-methy-1,3- benzodioxole)と2,2',5,5'-テラメトキシ-3,4,3',4'-ビ-メチルレネジオキシ-6,6'-ジメチルビフィニール(2,2',5,5'-teramethoxy-3,4,3',4'-bi- methylenedioxy-6,6'- dimethylbiphenyl)(Chiang, H. C., Wu, D. P., Cherng, I. W., and Ueng, C. H. 1995. A sesquiterpene lactone, phenyl and biphenyl compounds from Antrodia cinnamomea. Phytochemistry. 39:613-616)である。
1996年になって、Cherng氏などは同様の分析方法により再度四種の新しいトリテルペノイド:antcin E、antcin F、methyl antcinate G、methyl antcinate H(Cherng, I. H., Wu, D. P., and Chiang, H. C. 1996. Triteroenoids from Antrodia cinnamomea. Phytochemistry. 41:263-267)を発見した。
またYang氏などは二種のエルゴスタンを骨格とする新化合物zhankuic acid D、zhankuic acid Eと三種のラノスタン(lanostane)を骨格とする新化合物:15α-アセチル-デハイドロサルファレニック酸(15α-acetyl-dehydrosulphurenic acid)、デハイドロエブリコイック酸(dehydroeburicoic acid)とデハイドラサルファレニック酸(dehydrasulphurenic acid)(Yang, S. W., Shen, Y. C., and Chen, C. H. 1996. Steroids and triterpenoids of Antrodia cinnamomea−a fungus parasitic on Cinnamomum micranthum. Phytochemistry. 41:1389-1392)を発見した。
【非特許文献1】Cherng, I. H., and Chiang, H. C. 1995. Three new triterpenoids from Antrodia cinnamomea. J. Nat. Prod. 58:365-371
【非特許文献2】Chen, C. H., and Yang, S. W. 1995. New steroid acids from Antrodia cinnamomea, −a fungus parasitic on Cinnamomum micranthum. J. Nat. Prod. 58:1655-1661
【非特許文献3】Chiang, H. C., Wu, D. P., Cherng, I. W., and Ueng, C. H. 1995. A sesquiterpene lactone, phenyl and biphenyl compounds from Antrodia cinnamomea. Phytochemistry. 39:613-616
【非特許文献4】Cherng, I. H., Wu, D. P., and Chiang, H. C. 1996. Triteroenoids from Antrodia cinnamomea. Phytochemistry. 41:263-267
【非特許文献5】Yang, S. W., Shen, Y. C., and Chen, C. H. 1996. Steroids and triterpenoids of Antrodia cinnamomea−a fungus parasitic on Cinnamomum micranthum. Phytochemistry. 41:1389-1392
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在では様々な実験により、ベニクスノキタケ抽出物が前記効果を備えることが知られており、しかもそれが含む成分も続々と分析されている。しかしベニクスノキタケ抽出物中のどの種の有効成分がベニクスノキタケの肝臓保護機能と効果を促進することができるかについては、さらに進んだ実験、研究により明らかにされることが待たれている。よってもしベニクスノキタケ抽出物中に含まれる肝臓保護に真に有効な成分を探し出すことができれば、ベニクスノキタケ肝臓保護関連メカニズムの研究において有利であり、ベニクスノキタケの肝臓関連疾病の治療と予防への応用にとって非常に大きな益となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は下記の肝臓の保護に用いるベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を提供する。
ベニクスノキタケ抽出物のどの成分が肝臓保護の効果を具えるかを明確にするため、本発明はベニクスノキタケ抽出物中から以下の構造式(1)を備える化合物を分離純化する。
(1)

内、Xは酸素(O)或いはイオウ(S)で、Yは酸素(O)或いはイオウ(S)で、R1は水素(H)、メチル(CH3)或いは(CH2)m-CH3で、R2は水素、メチル或いは(CH2)m-CH3で、R3は水素、メチル或いは(CH2)m-CH3で、m=1〜12、n=1〜12である。
(1)構造式の化合物中において、以下に示す式(2)の化合物が最適である。
(2)

式(2)の化合物の化学名は4-ハイドロキシ-2,3-ジメトキシ-6-メチル-5(3,7,11-トリメチル-ドデカ-2,6,10-トリエニル)-2-シクロヘキサ-2-エノン (4-hydroxy-2,3-dimethoxy-6-methy-5(3,7,11-trimethyl-dodeca-2,6,10-trienyl)-cyclohex-2-enone)で、分子式はC24H38O4で、外観は淡黄色粉末状で、分子量は390である。
本発明中式(1)、式(2)のシクロヘキサ-2-エノン化合物はベニクスノキタケ水抽出物或いは有機溶剤抽出物より分離純化し、有機溶剤はアルコール類(メタノール、エタノール或いはプロパノール等)、エステル類(アセチジン等)、アルケン類(ヘキサン等)或いはハロセン(クロロメタン、エチルクロライド等)を含むが、これらに限定しない。内、アルコール類が最適で、エタノールがより最適である。
本発明は前記式(1)、式(2)のシクロヘキサ-2-エノン化合物を肝臓保護及び肝臓損傷の予防と緩和/減少に応用する。四塩化炭素によりラットの肝臓損傷を誘発後、ベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を与えたところ、ラット肝臓組織の損傷及び繊維化程度の緩和/減少に効果があり、ラット血漿中のアラニンアミノトランスフェラーゼ(alanine aminotransferase, ALT)及びアスパラテートアミノトランスフェラーゼ(aspartate aminotransferase, AST)の濃度を低下させ、肝臓保護の機能と効果が達成された。
さらに、ベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物は肝臓中のグルタチオンペルオキシダーゼ(GSHPx)及びカタラーゼ(CAT)の濃度含量を増加させ、フリーラジカルの肝臓細胞に対する損傷及びそれが受ける酸化圧力を低下させることができ、肝臓組織の抗酸化能力を向上させることができる。また、本発明は式(1)或いは/及び式(2)の化合物を肝臓損傷を治療する医薬組成物の成分中に利用し、ヒトなど哺乳動物の肝臓損傷が引き起こす症状を改善することができる。
前記医薬組成物は有効剤量の式(1)或いは/及び式(2)の化合物を含む他に、薬学上受け入れ可能なキャリアを含むことができる。キャリアは賦形剤(水など)、充填剤(蔗糖或いはでんぷん)、接着剤(セルロース派生物など)、希釈剤、崩解剤、吸收促進剤或いは甘味剤であるが、これに限定するものではない。本発明医薬組成物は一般公知の薬学の調整方法により製造することができ、式(1)或いは/及び式(2)の有効成分剤量と一種以上のキャリアを相互に混合し、必要な剤型を調整する。この剤型は錠剤、粉剤、粒剤、カプセル剤或いはその他液体製剤であるが、これに限定するものではない。
【発明の効果】
【0007】
上記のように、本発明はベニクスノキタケの抽出物中より分離する4-ハイドロキシ-2,3-ジメトキシ-6-メチル-5(3,7,11-トリメチル-ドデカ-2,6,10-トリエニル)-2-シクロヘキサ-2-エノン (4-hydroxy-2,3-dimethoxy-6-methy-5(3,7,11-trimethyl-dodeca-2,6,10-trienyl)-cyclohex-2-enone)で、肝臓組織の保護に有効である。本発明のベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物は化学性肝臓損傷が引き起こす肝臓組織傷害及び繊維化の程度を緩和/減少させ、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びアスパラテートアミノトランスフェラーゼ(AST)の濃度を低下させ、肝臓中のグルタチオンペルオキシダーゼ(GSHPx)及びカタラーゼ(CAT)の含量を増加させ、フリーラジカルの肝臓に対する損傷を低下させ、こうして肝臓組織の抗酸化能力を向上させ、肝臓保護の機能と効果を達成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施方式について、以下に図を用い詳細に説明する。以下に記載する実施例は本発明を詳細に説明するために用いるもので、本発明の範囲を限定するものではない。該項技術に習熟した技術者であれば、本発明の精神と範囲を離脱しない範囲内で、変更や潤色を加えることができるため、本発明の保護範囲は特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
先ず、ベニクスノキタケ(Antrodia camphorata)菌糸体、子実体或いは二者の混合物を取り、公知の抽出方式を利用し、水或いは有機溶剤により抽出し、ベニクスノキタケ水抽出物或いは有機溶剤抽出物を取得する。内、有機溶剤はアルコール類(メタノール、エタノール或いはプロパノール等)、エステル類(アセチジン等)、アルケン類(ヘキサン等)或いはハロセン(クロロメタン、エチルクロライド等)を含むが、これらに限定しない。内、アルコール類が最適で、エタノールがより最適である。
【0009】
抽出後のベニクスノキタケ水抽出物或いは有機溶剤抽出物は、さらに高速液体クロマトグラフィー(High performance liquid chromatography、HPLC)により分離純化し、各一分液(fraction)に対して肝臓保護機能に関連する生物化学テストを行う。
最後に、肝臓保護効果を備える分液に対して成分分析を行い、さらに肝臓保護機能と効果を生じる成分の肝臓損傷の緩和/減少に対する影響に対して関連する生物化学テストを行う。
こうして最終的に、本発明中の式(1)/式(2)の化合物は肝臓損傷を緩和/減少させ、こうして肝臓保護の機能と効果を具えることが発見された。
【0010】
本発明の説明の便のために、以下に式(2)の4-ハイドロキシ-2,3-ジメトキシ-6-メチル-5(3,7,11-トリメチル-ドデカ-2,6,10-トリエニル)-2-シクロヘキサ-2-エノン化合物について説明を行う。
この他、4-ハイドロキシ-2,3-ジメトキシ-6-メチル-5(3,7,11-トリメチル-ドデカ-2,6,10-トリエニル)-2-シクロヘキサ-2-エノン化合物が具える肝臓保護効果を証明するため、本発明中では化学物質である四塩化炭素(CCl4)によりラットに慢性肝損傷を誘発させ、異なる剤量のベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を投与し、その肝損傷程度、肝臓繊維化程度、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)とアスパラテートアミノトランスフェラーゼ(AST)濃度、及びグルタチオン(glutathione,GSH)、グルタチオンペルオキシダーゼ(glutathione peroxidase,GSHPx)、カタラーゼ (catalase, CAT)、スーパーオキシドジスムターゼ(superoxide dismutase,SOD)肝臓抗酸化酵素等肝臓損傷指標を計測し、ベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物の肝臓保護能力を測定する。
該各肝臓組織観察結果及び生物化学テスト数値により、4-ハイドロキシ-2,3-ジメトキシ-6-メチル-5(3,7,11-トリメチル-ドデカ-2,6,10-トリエニル)-2-シクロヘキサ-2-エノン化合物が化学性肝損傷が引き起こす肝臓組織傷害及び繊維化を緩和/減少させる機能と効果が証明され、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)とアスパラテートアミノトランスフェラーゼ(AST)等肝機能炎症損壊指標の血中濃度を低下させることができ、同時に肝臓中のグルタチオンペルオキシダーゼ(GSHPx)及びカタラーゼ(CAT)の含量を増加させることができ、これによりフリーラジカルが肝細胞に対して起こす損傷及びそれが受ける酸化圧力を低下させ、肝臓組織の抗酸化能力を向上させ、肝臓保護の目的を達成することが明らかになった。
前記実施方式について以下に説明する。
【0011】
実施例1:
4-ハイドロキシ-2,3-ジメトキシ-6-メチル-5(3,7,11-トリメチル-ドデカ-2,6,10-トリエニル)-2-シクロヘキサ-2-エノンの分離
100グラム前後のベニクスノキタケ菌糸体、子実体或いは二者の混合物を、フラスコ中に入れ、適当な割合の水とアルコール類(70%以上のアルコール類水溶液)を加え、20〜25℃で少なくとも1時間以上撹拌抽出し、この後、濾紙及び0.45μmフィルターにより濾過し抽出液を集める。
前記收集したベニクスノキタケ抽出液を、高速液体クロマトグラフィー (High Performance Liquid chromatography)を利用し、RP18のコラム(column)により分析を行い、メタノール(A)及び0.1%〜0.5%の酢酸水溶液(B)をモバイルフェーズ(mobile phase)とし(その溶液比率は:0〜10分間、B比率は95% 〜20%;10〜20分間、B比率は20%〜10%;20〜35分間、B比率は10%〜10%; 35〜40分間、B比率は10%〜95%)、毎分1 mlの速度で溶出し、同時に紫外線-可視光線全波長探知器により分析する。
25分間から30分間の溶出液收集濃縮により、淡黄色粉末状の固体産物を得ることができる。これが4-ハイドロキシ-2,3-ジメトキシ-6-メチル-5(3,7,11-トリメチル-ドデカ-2,6,10-トリエニル)-2-シクロヘキサ-2-エノンである。分析により、その分子式はC24H38O4で、分子量は390、熔點(m.p.)は48℃〜52℃であることが分かる。核磁気共鳴(NMR)分析値は以下に示す。1H-NMR(CDCl3)δ(ppm):1.51、1.67、1.71、1.75、1.94、2.03、2.07、2.22、2.25、3.68、4.05、5.07と5.14。13C-NMR(CDCl3)δ(ppm):12.31、16.1、16.12、17.67、25.67、26.44、26.74、27.00、39.71、39.81、4.027、43.34、59.22、60.59、120.97、123.84、124.30、131.32、135.35、135.92、138.05、160.45と197.12。
【0012】
実施例2:
ベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物の肝臓保護テスト
肝臓疾病を引き起こす主因にはウィルス性、アルコール性、化学性の三大類があるが、マウスの病理切片中と人体で一致する病理現象は化学性肝損傷である。よって本評価方法は化学性肝損傷に対して肝臓保護機能の評価を行う。
四塩化炭素(CCl4)がラットの慢性肝損傷を誘導する実験方式により、肝損傷生物化学数値と肝臓組織切片を計測し、ベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物の処理がラットの慢性肝損傷に対する影響を検討する。うち、四塩化炭素の毒性は肝細胞を壊死させ、さらに肝臓繊維化(fibrosis)を引き起こす。これを継続し投与すれば不可逆の肝硬変(cirrhosis)の発生を招く。
その肝損傷を誘導する原理は以下の通りである。すなわち、四塩化炭素は肝微粒酵素活化を受け、トリクロロメチルラジカル(trichloromethyl radical, CCl3・)を生成し、さらにタンパク質と結合することで、タンパク質の合成が阻害される。並びに、脂質分解代謝の失調を起こし、肝細胞内トリグリセライド(triglyceride)蓄積を引き起こす。また、トリクロロメチルラジカルが形成する過酸化物は、脂質の過酸化を起こし、肝細胞膜を損傷させ、肝中酵素滲出及び細胞病変から壊死を引き起こす。よって、四塩化炭素の肝損傷方式はヒトの肝硬変疾病を模擬することができるため、肝繊維化等肝臓疾病を治療する薬物或いは食物成分の治療効果評価に応用することができる。
そのテストのステップを以下に詳述する。
【0013】
(1) 四塩化炭素が肝損傷を誘発する動物方式の確立
実験動物は五週齢のラット(Sprague-Dawley,SD)で、楽斯科生物科技股ふん有限公司から購入し、購入後は該各ラットを動物飼育室に入れ2週間観察し、体重が近似した(約220g〜270g)の健康な成体を選び試験を行う。実験前にラットを六組に分け、1組は12匹とし、毎日体重を量り記録し、実験における投薬剤量の依拠とする。表一に示す分組実験を行うため、制御組、負対照組、正対照組及びそれぞれ300mg/kg、1000mg/kg、3000mg/kgを与える三組の実験組に分ける。
内、シリマリン(silymarin)は肝臓部位の炎症反応を緩和し、肝臓の損傷程度を低下させ、毒性物質の毒性を中和し或いは毒性物質と肝臓の結合位置を争うことで、肝臓の毒性物質吸收分量を減少させ、シリマリンが備える抗酸化機能と効果は肝臓を保護し細胞のフリーラジカルによる破壊を回避することができる。シリマリンは大量の動物実験といくらかの臨床試験を含む多くの様々な肝臓損傷研究において、非常に良好な肝臓保護機能を備えることが示されている。よって、近代医学においては肝臓疾病の治療薬物として公認されており、しかも肝損傷の動物実験方式においては正対照組として使用される薬物である。
【表1】

表1中のA組は制御組で、とうもろこし油(Sigma chemical co.より購入)により胃管注入を行う。B〜F組は、とうもろこし油により配合調整する20%(v/v)の四塩化炭素(日本島九薬品より購入)を各ラットにその体積重当たり2ml/kgを胃管注入により与える。しかも毎週2日(水曜日と木曜日の午後)、連続8週間胃管注入を行う。C組は生理食塩水により配合調整する200mg/kg剤量のシリマリンを胃管注入する。D〜F組は、実施例一で製造し、生理食塩水により調整する300mg/kg、1000mg/kg、3000mg/kg濃度剤量のベニクスノキタケ4-ハイドロキシ-2,3-ジメトキシ-6-メチル-5(3,7,11-トリメチル-ドデカ-2,6,10-トリエニル)-2-シクロヘキサ-2-エノン化合物をそれぞれ胃管注入する。C〜F組の胃管注入量は各ラット体積重当たり10ml/kgの上記物質で、しかも毎週5日(午前)、連続8週間胃管注入を行う。実験期間に計測されたラット体重及びラット摂取状況の結果は図1と図2に示す。
【0014】
図1は、制御組及び20%(v/v)の四塩化炭素を経口摂取し、さらにシリマリン或いはベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を与えた対照組と実験組の八週間の実験期間におけるラットの体重変化である。図1より当初は各組間に体重の顕著な差異はないが、20%(v/v)の四塩化炭素の経口摂取処理一週後、四塩化炭素処理を行っていない制御組に対して、対照組と実験組のラット体重はすべて低下の傾向を示したことが分かる。しかも第八週時には、シリマリン或いはベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を与えていない負対照組の最終体重は366.9gで、制御組の最終体重448.7gより顕著に低い。これは四塩化炭素の処理はラット体内の病変を引き起こし、ラットの体重を低下させたことを示している。
この他、シリマリンを経口摂取する正対照組が示す最終体重は375.8gで、体重減少は負対照組に比べ少ない。これはラット体重が四塩化炭素の影響を受け低下しても、シリマリンの作用により、ラット体重は急速に低下していないことを示している。
異なる濃度剤量のベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を投与した実験組は、投与剤量がそれぞれ300 mg/kg、1,000 mg/kg、3,000 mg/kgである時、ラット体重はそれぞれ386.6g、365.1g、355.0gで、これは濃度が300 mg/kgのベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物は四塩化炭素が引き起こす体重低下の状況を効果的に緩和可能であることを示している。
図2は八週間の実験期間における制御組、及び20%(v/v)の四塩化炭素を経口摂取し、さらにシリマリン或いはベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を与えた対照組、実験組ラットの摂取飼料量への影響を示す。図2より処理後第1-5週時の各組ラットの飼料消耗は上昇を示すが、5週間後には、各組の飼料消耗量は減少を始め、下降の傾向が現れることが分かる。これは四塩化炭素によりラットの肝臓損傷が誘発され、実験動物の摂取量に影響を及ぼしていることを示す。
【0015】
(2) 四塩化炭素の肝臓、腎臓、脾臓重量への影響
ラットは八週間終了時に解剖し肝臓、腎臓、脾臓を取り出し計量する。さらに計量された肝臓、腎臓、脾臓重量数値を上記で得られた該各臓器のラット総体重と比較し、該各臓器がラット総体重に占める割合(%)を算出し、四塩化炭素処理及びベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物摂取の肝臓、腎臓、脾臓重量への影響を観察する。
各試験組データは平均値及び標準差値(mean±SD)により表示する。単因子変異数方法分析(One-way analysis of variance, ANOVA)により、変異数分析結果から顕著な差異があると認められた場合には、さらにLSD法を利用し多重比較、或いは独立 t 検定(Student t-test)統計プログラムにより、ベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物の実験組と制御組、正対照組及び負対照組間の差異を比較する。p<0.05であれば顕著な差異を備え、その結果は表二に示す。
【表2】

【0016】
表二から、四塩化炭素処理を経て、シリマリン或いはベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を与えない負対照組の肝臓、腎臓、脾臓重量と総体重のパーセンテージ(%)は、顕著に(p<0.05)制御組より高いことが分かる。これは四塩化炭素が肝臓、腎臓、脾臓の病変を既に引き起こし、該各臓器の重量を上昇させていることを示している。シリマリンを経口摂取する正対照組が示す肝臓、腎臓、脾臓重量は、四塩化炭素の影響により制御組より高いが、シリマリンそのものの肝臓保護作用により、増加した該各臓器重量は負対照組で計測された重量より低い。
この他、制御組と比較し、異なる濃度剤量のベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を投与した実験組が示す肝臓、腎臓、脾臓の重量パーセンテージ(%)はすべて増加の傾向が見られるが、該各臓器の重量は負対照組で計測された重量より低い。この結果はベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物をラットに投与することにより、四塩化炭素が引き起こす肝臓、腎臓及び脾臓の傷害を減少させることができ、該各ラット臓器の重量の持続的な上昇を抑えることができることを示している。
【0017】
(3) 肝臓組織の病理観察
ラットの肝臓を取り出した時、先ずは肉眼で肝臓表面の病理変化を観察し、次に肝臓組織をスライスする。肝臓は解剖学的見地から五個の肝小葉を平均し半分の肝組織に切り、後に抗酸化酵素の活性計測に用いるため、-80℃の冷凍庫で冷凍する。残りの肝組織は10%の中性ホルマリン溶液内に入れ一週間固定し、修繕及びパラフィン包埋後、2 μm厚の組織切片とする。さらにそれぞれヘマトキシリン-エオジン染色法(Hematoxyline-eosin satin, H&E)により脂肪堆積、炎症、細胞壊死と繊維化の情形を観察し、及びコラーゲン繊維の特殊染色(Masson’s trichromc, MT)により、網状繊維及びコラーゲン繊維を染色し、肝臓繊維化の程度を評価するため、一般の光学顕微鏡(Opticphot-2, Nikon, Tokyo,Japan)下で上記病理染色後の肝損傷の各種組織病理変化を観察する。
慢性肝損傷の評価はJonker等が発表した文献(Jonker , A. M., Dijkhuis, F. W., Boes, A., Hardonk, M. J. and Grond J. 1992. Immunohistochemical study of extracellular matrix in acute galactosamine hepatitis in rats. Hepatology. 15(3):423-31.)中に記載の方法により行い、肝細胞炎症の程度、空泡化変性、肝細胞壊死及び胆管増殖等を半定量分析する。評価点数は0〜4等級で、内等級0は病変がない(-, none)、等級1は軽微(+, slight)、等級2は軽度(++, mild)、等級3は中等程度(+++, moderate)、等級4は顕著(++++, remarkable)であることを示す。
肝繊維化の半定量分析については、Gabriele(Gabriele, B. 1997. Silymarin retards collagen accumulation in early and advanced biliary fibrosis secondary to complete bile duct obliteration in rats. Hepatology 26: 643-649.)及びWang(Wang, G. S., Eriksson, L. C., Xia, L., Olsson, J. and Stal, P. 1999. Dietary iron overload inhibits carbon tetrachloride-induced promotion in chemical hepatocarcinogenesis: effects on cell proliferation, apoptosis, and antioxidation. J. Hepatol. 30(4):689-98.)等が発表した方法により行い、肝繊維化区分は以下の0〜4等級とする。等級0は肝繊維化現象が一切ない正常(normal)な肝組織、等級1はコラーゲンの増殖があるが、中隔(中間静脈或いは門脈区において放射状繊維増殖がある)を形成していない、等級2は中間静脈と門脈区の二者間において不完全な中隔(この中隔は相互に交差していない)を形成している、等級3は完全な中隔を形成しており中間で相互に交差し、肝臓は実質的に多くの結節に分割されているが、この中隔はまだ非常に薄い、等級4は完全な中隔を形成し、しかも中隔は厚くなり、すなわち完全な肝硬変であることを示す。その結果は図3〜5及び表三に示す。
【0018】
図3は制御組及び四塩化炭素により肝損傷を誘発し、並びにシリマリン或いはベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を与えた対照組と実験組ラットの肝臓表面病理変化の観察結果である。
図から以下のことが分かる。すなわち、制御組の肝臓表面平滑は完全で(図3A参照)、四塩化炭素処理を経た負対照組が呈する肝臓は色が黄色くなり、表面はラフで、触感は硬くなり、しかもでこぼこで、腫れの状況が見られる(図3B参照)。四塩化炭素処理を経て、シリマリンを投与した正対照組及び四塩化炭素処理を経て、異なる濃度剤量のベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を投与した実験組の肝臓表面は、四塩化炭素の影響で腫れ及び表面病変現象は見られる(図3C〜3F参照)が、程度はすべて負対照組より軽微である。内、3000 mg/kg剤量のベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を投与した実験組の肝臓表面の腫れ及び病変状況が最も軽微である(図3F参照)。この結果はベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物は四塩化炭素が引き起こす肝臓表面損傷病変症状の改善に有効であることを示している。
【表3】

【0019】
次に図4と表三を合わせて参照されたい。
図4は四塩化炭素によりラットの肝臓損傷誘発後、その肝臓組織損傷程度の病理変化切片結果である。図4より、四塩化炭素処理を経た後、肝臓細胞の組織切片には腫れが現れ、しかも肝細胞の旺盛な有糸分裂を引き起こし、Kuffer’s細胞数量も増加し(図4Aと図4B参照)、しかもひどいものは空泡化変性が出現していることが分かる。繊維化した肝臓は多くの結節状に分かれ、肝硬変を形成する(図4C参照)。
同時にJonker等が発表した慢性肝損傷評価方式に基づけば、四塩化炭素処理を経た負対照組が呈する慢性肝損傷は最も明確で、主に3中等度(+++)と4顕著(++++)等級に分布しており、病理積分は3.2に達する。
負対照組に比較し、四塩化炭素処理を経て、シリマリンを投与した正対照組の慢性肝損傷程度はより軽微で、主に3中等度(+++)等級に分布し、病理積分は2.8である。
四塩化炭素処理を経て、異なる濃度剤量のベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を投与した実験組は、すべて慢性肝損傷の程度が改善されている。内、ベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物剤量が300 mg/kg、1000 mg/kgの組の効果が最も顕著で、主に1軽微(+)等級と2軽度(++)等級に分布している。負対照組に比較し、その病理積分はそれぞれ1.8と2.0にまで低下している。
【0020】
続いて図5と表三を合わせて参照されたい。
図5は四塩化炭素によりラットの肝臓損傷誘発後、その肝臓組織繊維化程度の病理変化切片結果である。図5から、正常肝組織には一切の繊維化現象がないことが分かる(図5A参照)。この時の肝臓はGabrieleとWang等が発表した繊維化程度中の等級0に属する。
四塩化炭素処理を経た後、肝組織には様々な程度の繊維化病変が出現する。内、コラーゲンが増殖するが、中隔を形成していない時の肝臓(図5B参照)は繊維化程度中の等級1に属する。中間静脈と門脈区二者間に不完全な中隔を形成する時の肝臓(図5C参照)は繊維化程度中の等級2に属する。完全な中隔が既に形成され、しかも中間が相互に交差し、肝臓は実質的に多くの結節に分割されているが、この中隔はまだ非常に薄い時の肝臓(図5D参照)は繊維化程度中の等級3に属する。一旦形成する中隔が厚くなると肝硬変となり(図5E参照)、この時の肝臓は繊維化程度中の等級4に属する。
しかもコラーゲン繊維特殊染色(Masson’s trichromc, MT)の結果から観察される肝臓組織のコラーゲンは緑色を呈し、肝臓が既に繊維化の病変状況を示すことを表す(図5F参照)。各対照組と実験組の組織切片を前記各組織病変程度に応じて観察評価後、肝臓繊維化程度は四塩化炭素処理を経た負対照組で最も明確で、主に等級3と等級4に分布しており、病理積分は3.2に達することが分かった。負対照組に比較し、四塩化炭素処理を経て、シリマリンを投与した正対照組の肝繊維化程度はより軽微で、病理積分は2.8である。四塩化炭素処理を経て、異なる濃度剤量のベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を投与した実験組は、すべて肝繊維化程度が低下し、内、剤量300 mg/kgのベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を投与した組の効果が最も顕著で、主に等級1から等級2に分布し、負対照組に比較し、その病理積分は1.8まで低下している。
上記各結果から、四塩化炭素によりラットの肝臓損傷を誘発しても、ベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を投与すると、肝臓損傷と肝臓繊維化の程度を効果的に低下させることができ、しかも各濃度剤量のベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物の肝組織保護の効果はみなシリマリンを投与した正対照組より優れていることが分かる。内、投与剤量が300 mg/kgのベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物の機能と効果が最良である。
【0021】
(4) 肝機能指標生物化学数値テスト
アラニンアミノトランスフェラーゼ(alanine aminotransferase, ALT)及びアスパラテートアミノトランスフェラーゼ(aspartate aminotransferase, AST)は肝臓、心臓及び筋肉等人体内各種臓器細胞内の重要な酵素で、体内の重要なアミノ酸の合成に関わっている。正常な状況下では、該各酵素は血清内において安定的な低量を維持する。内、アラニンアミノトランスフェラーゼの正常値は約40 U/L以下で、アスパラテートアミノトランスフェラーゼの正常値は約50 U/L以下である。
上記臓器の細胞が炎症を起こすと、細胞透過性が変化し、或いは細胞そのものが破壊されるため、細胞中のアラニンアミノトランスフェラーゼとアスパラテートアミノトランスフェラーゼは放出され、血清中の該各酵素の濃度は増加する。よって、アラニンアミノトランスフェラーゼとアスパラテートアミノトランスフェラーゼの活性と肝臓炎症状況と肝細胞損壊状況には関連があり、肝臓疾病を評価する指標の一つとすることができる。
【0022】
ラットの第八週終了時にすべて処理し、その腹部大動脈(abdominal aorta)から採血し肝臓の生物化学機能を計測する。5mlの血液を血球血清分離管中に入れ、775 xgで15分間遠心処理を行い、0.5mlの血清を取り血清生物化学測定器(Express plus automatic clinical chemistry analyzer, Chiron diagnostics corporation, OH, USA)により、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT;Bayer diagnostics, Cat No. E36941)、アスパラテートアミノトランスフェラーゼ(AST;Bayer diagnostics, Cat No. E37041)等の肝臓酵素活性を計測し、及びコレステロール(cholesterol;Bayer diagnostics, Cat No. E33940)の商品化試薬を利用し、該各肝損傷血清生物化学値を測定する。
各試験組データは平均値及び標準差値(mean±SD)により表示し、単因子変異数方法分析(One-way analysis of variance, ANOVA)により、変異数分析結果に顕著な差異がある時には、さらにLSD法を利用し多重比較を行い、或いは独立t検定(Student t-test)統計プログラムにより、ベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物の実験組と制御組、正対照組及び負対照組間の差異を比較する。p<0.05であれば顕著な差異を備え、その結果は表四に示す。
【表4】

【0023】
表四中から観察されるように、四塩化炭素処理を経た負対照組のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラテートアミノトランスフェラーゼ(AST)とコレステロールの数値はみな制御組より高い。これは肝臓が四塩化炭素により損傷を受け、血漿中の肝損傷酵素活性を上昇させ、しかもコレステロール含量も微増していることを示す。
制御組に比較し、四塩化炭素処理を経て、シリマリンを投与した正対照組のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラテートアミノトランスフェラーゼ(AST)とコレステロールの数値は高いが、すべて負対照組より低い。この結果はシリマリンが四塩化炭素が引き起こす肝細胞損傷程度を低下させる効果を備えることを示す。
四塩化炭素処理を経て、異なる濃度剤量のベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を投与した実験組のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラテートアミノトランスフェラーゼ(AST)とコレステロールの数値は制御組より高いが、すべて顕著に(p <0.05)負対照組より低い。内、投与剤量が1000 mg/kgのベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物の組は負対照組に比較し、その数値は最も明確に低下している(それぞれはALT:181.7±78.4 U/L及びAST:283.2±144.2 U/L)。これから、ラットに投与する各剤量濃度(300 mg/kg、1000 mg/kg、3000 mg/kg)のベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物は、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラテートアミノトランスフェラーゼ(AST)等肝酵素の放出作用を効果的に減少可能であることが分かる。
【0024】
(5) 肝臓抗酸化酵素分析
抗酸化酵素システムはグルタチオン(glutathione,GSH)、グルタチオンペルオキシダーゼ(glutathione peroxidase,GSHPx)、カタラーゼ (catalase, CAT)、スーパーオキシドジスムターゼ(superoxide dismutase,SOD)等により構成し、この抗酸化システムを通して、生物体内で厳密な防衛線を構築する。これにより体内でフリーラジカルが増加しても、器官組織の細胞が酸化され傷害を受けることを防止し、その酸化圧力(oxidative stress)を低下させることができる。本試験は四塩化炭素がラットの肝臓損傷を誘発し、ベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を投与後の肝臓中の抗酸化酵素含量を計測し、ベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物の肝臓抗酸化能力に対する影響を評価する。
【0025】
前記で-80 ℃の冷凍庫中に保存した肝臓を取り出し、それを0.16 mg/mlのヘパリン(heparin)を含むPBS緩衝液(phosphate buffered saline solution, pH 7.4)中に浸し、赤血球を除去し、均質機により組織を砕く。次に、各1gの組織に10mlの緩衝液(50 mM phosphate, pH 6〜7,1mM EDTAを含む)を加え、均質機(Brinkmann Polytron homogenizer, setting 5, PT 10 probe)により1分間砕いた後、4°Cで10,000 ×gにより15分間遠心処理を行い、上澄み液を取り出す。さらにBCA protein assay kit(Pierce,IL,USA)によりMAX ELISA Reader(Quant, Bio-Tek Instrument, Vermont,USA)において550 nmでその吸光値を測定し、タンパク質含量(mg/ml)を測定する。続いて、商品化セット(Cayman Chemical, Company, MI.USA)により肝臓均質液中抗酸化酵素を計測する。すなわち、グルタチオン(Glutathione Assay Kit, Cat No.703002)、グルタチオンペルオキシダーゼ(Glutathione Peroxidase Assay Kit, Cat No.703102)、カタラーゼ(Catalase Assay Kit, Cat No.707002)及びスーパーオキシドジスムターゼ(Superoxide Dismutase Assay Kit, Cat No.706002)の含量を、それぞれ波長405 nm、340 nm、540 nm及び450 nmでELISA Readerにより測定する。
この他、各商業セットを利用し該各酵素を計測する時、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)以外の他の酵素はすべてタンパク質除去ステップが必要である。計測を待つサンプル中にサンプル体積と相当量の10%(w/v)メタフォスフォリック酸(Metaphosphoric acid, MPA)を加え、振動させ均一に揺すり、室温で5分間放置後、2,000 xgで2分間)の遠心処理を行い、上澄み液を取り出し、該酵素濃度を計測する。
また、各試験組データは平均値及び標準差値(mean±SD)により表示し、単因子変異数方法分析(One-way analysis of variance, ANOVA)により、変異数分析結果に顕著な差異がある時、さらにLSD法を利用し多重比較を行い、或いは独立 t 検定(Student t-test)統計プログラムにより、ベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物の実験組と制御組、正対照組及び負対照組間の差異を比較する。p<0.05であれば顕著な差異を備え、その結果は表五に示す。
【表5】

【0026】
表五から観察されるように、四塩化炭素処理を経た負対照組で計測された各肝臓抗酸化酵素濃度と制御組を比較すると、顕著な差異はない。また四塩化炭素処理を経て、シリマリンを投与した正対照組の抗酸化酵素濃度と制御組及び負対照組を比較しても顕著な差異はない。制御組、負対照組及び正対照組に比較し、投与剤量が300 mg/kgのベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物の実験組が示すスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)酵素濃度は顕著に(p<0.05)その他組より低く、投与剤量が1000 mg/kg、3000 mg/kgの実験組中のグルタチオンペルオキシダーゼ(GSHPx)及びカタラーゼ(CAT)の含量はその他組よりやや高い。内、グルタチオンペルオキシダーゼ(GSHPx)とカタラーゼ(CAT)は過酸化水素(H2O2)を細胞に対して毒性を備えない水に分解し、過酸化物の組織に対する損傷を減少させる。よって該各結果から分かるように、ベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物は、肝臓中のグルタチオンペルオキシダーゼ(GSHPx)及びカタラーゼ(CAT)の濃度含量を増加させることで、フリーラジカルが肝細胞に対して起こす損傷及びそれが受ける酸化圧力を低下させ、肝臓組織の抗酸化能力を向上させることができる。
【0027】
上記のように、本発明がベニクスノキタケから分離する4-ハイドロキシ-2,3-ジメトキシ-6-メチル-5(3,7,11-トリメチル-ドデカ-2,6,10-トリエニル)-2-シクロヘキサ-2-エノン化合物は化学性肝損傷が引き起こす肝臓組織傷害及び肝臓繊維化程度の緩和/減少に有効で、血液中のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)とアスパラテートアミノトランスフェラーゼ(AST)等肝機能炎症損壊指標の濃度を低下させることができる。同時に、肝臓中のグルタチオンペルオキシダーゼ(GSHPx)及びカタラーゼ(CAT)の含量を増加させることで、フリーラジカルが肝細胞に対して起こす損傷及びそれが受ける酸化圧力を低下させ、肝臓組織の抗酸化能力を高め、こうしてヒト等哺乳動物の肝臓が受ける損傷の程度を緩和/減少させ、肝臓保護の目的を達成することができる。
また、ベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物は天然抽出の物質であるため、それを肝臓損傷の治療或いは肝臓保護に応用する時には、服用者の不適応或いは毒性を引き起こし、合併症等の副作用を生じる恐れはなく、しかもそれは抗過酸化水素(H2O2)等フリーラジカルの機能と効果をも備える。よって、保健食品、飲食品等に製造することができ、その機能と効果により肝臓損傷を予防し、健康の増進に役立てることができる。
【0028】
さらに、ベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を医薬組成物に調整し、化学物質が引き起こす肝臓損傷を緩和/減少させることができる。内、該医薬組成物は有効剤量のベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を含む他、薬学上受け入れ可能ななキャリアを含む。キャリアは賦形剤(水など)、充填剤(蔗糖或いはでんぷん)、接着剤(セルロース派生物など)、希釈剤、崩解剤、吸收促進剤或いは甘味剤であるが、これに限定するものではない。
本発明医薬組成物は一般公知の薬学の調整方法により製造することができ、有効成分剤量のベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物と一種以上のキャリアを相互に混合し、必要な剤型を調整する。この剤型は錠剤、粉剤、粒剤、カプセル剤或いはその他液体製剤であるが、これに限定するものではない。こうしてヒト等哺乳動物の肝臓損傷を予防及び治療し、肝臓保護の目的を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明実施例において四塩化炭素が肝損傷を誘発時に、ベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物のラット体重に対する影響結果を示す。図中*は制御組、△は負対照組(20%四塩化炭素)、□は正対照組(20%四塩化炭素+シリマリン)、■は四塩化炭素処理を経て、300mg/kgのベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を投与する実験組、▲は四塩化炭素処理を経て、1000mg/kgのベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を投与する実験組、●は四塩化炭素処理を経て、3000mg/kgのベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を投与する実験組である。
【図2】本発明実施例において四塩化炭素が肝損傷を誘発時に、ベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物のラット摂食量に対する影響の結果を示す。図中*は制御組、△は負対照組(20%四塩化炭素)、□は正対照組(20%四塩化炭素+シリマリン)、■は四塩化炭素処理を経て、300mg/kgのベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を投与する実験組、▲は四塩化炭素処理を経て、1000mg/kgのベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を投与する実験組、●は四塩化炭素処理を経て、3000mg/kgのベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を投与する実験組である。
【図3】本発明実施例において四塩化炭素によりラットの肝臓損傷を誘発し、ベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を投与後、肉眼で観察したラット肝臓表面病理変化の結果である。図(A)は制御組(とうもろこし油だけを与える)、図(B)は負対照組(20%四塩化炭素を与える)、図(C)は正対照組(20%四塩化炭素及び200 mg/kgシリマリンを与える)、図(D)は低剤量のベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物実験組(20%四塩化炭素及び300 mg/kgのベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を与える)、図(E)は中剤量のベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物実験組(20%四塩化炭素及び1000 mg/kgのベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を与える)、図(F)は高剤量のベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物実験組(20%四塩化炭素及び3000 mg/kgベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物を与える)である。
【図4】本発明実施例においてラットに四塩化炭素により肝臓損傷を誘発し、その肝臓組織損傷程度の病理変化結果を示す。図(A)と図(B)はヘマトキシリン-エオジン染色法(H&E stain)により染色後、腫れた肝細胞及び肝細胞再生時の旺盛な有糸分裂の観察結果で(拡大倍率は200xと400x)、図(C)はコラーゲン繊維特殊染色法(MT stain)により染色後、肝組織に出現した空泡化変性で、しかも肝繊維化肝臓は実質的に多くの結節状に分割されており、肝硬変を起こしている観察結果(拡大倍率は100x)である。
【図5】本発明実施例においてラットに四塩化炭素により肝損傷を誘発する前後の、コラーゲン繊維特殊染色法(MT stain)により染色し、観察した肝臓組織繊維化の病理変化結果を示す。図(A)は正常肝組織、図(B)は四塩化炭素処理後、肝組織に様々な程度の繊維化病変が出現し、しかもコラーゲンが増殖しており、図(C)は四塩化炭素処理後、肝臓の中間静脈と門脈区二者間に不完全な中隔を形成しており、図(D)は四塩化炭素処理後、肝組織は完全な中隔を形成し、しかも中間は相互に交差し、肝臓は実質的に多くの結節に分割されているが、この中隔はまだ非常に薄く、図(E)は四塩化炭素処理後、肝組織の中隔は厚くなり、肝硬変を形成しており、図(F)は四塩化炭素処理後、肝臓は繊維化し、コラーゲンは緑色を呈する。図5A〜Eの拡大倍率は40xで、図5Fの拡大倍率は100xである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主に肝臓の保護に用いるベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物は以下の構造式を含み、

内、Xは酸素(O)或いはイオウ(S)で、Yは酸素(O)或いはイオウ(S)で、R1は水素(H)、メチル(CH3)或いは(CH2)m-CH3で、R2は水素、メチル或いは(CH2)m-CH3で、R3は水素、メチル或いは(CH2)m-CH3で、m=1〜12で、n=1〜12であることを特徴とする肝臓の保護に用いるベニクスノキタケ。
【請求項2】
前記化合物はベニクスノキタケの有機溶剤抽出物中から分離製造することを特徴とする請求項1記載の肝臓の保護に用いるベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物。
【請求項3】
前記有機溶剤はエステル類、アルコール類、アルケン類或いはハロセンにより組成するグループから選択することを特徴とする請求項2記載の肝臓の保護に用いるベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物。
【請求項4】
前記アルコール類はエタノールであることを特徴とする請求項3記載の肝臓の保護に用いるベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物。
【請求項5】
前記化合物はベニクスノキタケの水抽出物中より分離製造することを特徴とする請求項1記載の肝臓の保護に用いるベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物。
【請求項6】
前記化合物は4-ハイドロキシ-2,3-ジメトキシ-6-メチル-5(3,7,11-トリメチル-ドデカ-2,6,10-トリエニル)-2-シクロヘキサ-2-エノン (4-hydroxy-2,3-dimethoxy-6-methy-5(3,7,11-trimethyl-dodeca-2,6,10-trienyl)-cyclohex-2-enone)であることを特徴とする請求項1記載の肝臓の保護に用いるベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物。
【請求項7】
前記化合物は哺乳動物肝臓の損傷及び繊維化程度を予防並びに緩和/減少可能であることを特徴とする請求項1或いは6記載の肝臓の保護に用いるベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物。
【請求項8】
前記化合物の使用濃度は300mg/kg〜3000mg/kgであることを特徴とする請求項7記載の肝臓の保護に用いるベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物。
【請求項9】
前記哺乳動物はヒトであることを特徴とする請求項7記載の肝臓の保護に用いるベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物。
【請求項10】
前記肝臓損傷は化学性物質によることを特徴とする請求項7記載の肝臓の保護に用いるベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物。
【請求項11】
前記化学性物質は四塩化炭素(CCl4)であることを特徴とする請求項10記載の肝臓の保護に用いるベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物。
【請求項12】
前記化合物はアラニンアミノトランスフェラーゼ(alanine aminotransferase, ALT)及びアスパラテートアミノトランスフェラーゼ(aspartate aminotransferase, AST)の濃度上昇を抑制することにより肝臓を保護することを特徴とする請求項7記載の肝臓の保護に用いるベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物。
【請求項13】
前記化合物は肝臓中のグルタチオンペルオキシダーゼ(glutathione peroxidase, GSHPx)及びカタラーゼ(catalase, CAT)の含量を増加させることにより、フリーラジカルが肝臓に対して引き起こす損傷を緩和/減少させることを特徴とする請求項7記載の肝臓の保護に用いるベニクスノキタケのシクロヘキサ-2-エノン化合物。
【請求項14】
主に肝臓の保護に用いる医薬組成物で、少なくとも有効剤量の請求項1記載の化合物及び医学上受けいれ可能なキャリアを含むことを特徴とする肝臓の保護に用いる医薬組成物。
【請求項15】
主に肝臓の保護に用いる医薬組成物で、少なくとも有効剤量の請求項6記載の化合物及び医学上受けいれ可能なキャリアを含むことを特徴とする肝臓の保護に用いる医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−308479(P2008−308479A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240271(P2007−240271)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(505364913)國鼎生物科技股▲ふん▼有限公司 (10)
【Fターム(参考)】