説明

肝臓疾患を予防及び処置するための組合せ薬草の抽出物を含む組成物

本発明は、肝臓疾患の予防及び処置のための必要により、カワラタケ(Coriolus versicolor)、キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)の薬草を含み、さらに、チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)及びカワラヨモギ(Artemisia capillaris)からなる群から選択された少なくとも1つの薬草を含んでなる組合せ薬草に関し、また、上記未精製の薬物組成物(crude drug composition)を用いる方法及び肝保護的な薬剤としての医薬組成物(pharmaceutical composition)に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肝臓疾患の予防及び処置のための必要により、カワラタケ(Coriolus versicolor)、キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)、チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)及びカワラヨモギ(Artemisia capillaris)の薬草抽出物を含む組成物、並びに、肝保護的な薬剤(hepato-protective agent)としての上記未精製の薬物組成物(crude drug composition)及び医薬組成物(pharmaceutical composition)を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
肝臓疾病は、例えば、心理的なストレスと同様に、汚染物質、毒物(飲みすぎ、喫煙等)の様々な好ましくない環境に曝される現代人において最も頻発する疾病の一つであり、休息による回復があり得るが、免疫系の疾病など他の疾病を引き起こし重篤になり得る。細胞膜の損傷により、四塩化炭素、D−ガラクトサム(D-galactosamne)などの毒物が肝臓及び腎臓に毒性となることが報告されている(非特許文献1参照)。
【0003】
フリーラジカル再生(free radical reproduction)の抑制で作用する天然産物資源(natural product resource)から派生する幾つかの薬物が今日まで報告されてきており、例えば、キク科に属するマリアアザミ(Silybum marianum)(Carduus marianus)の果実から抽出されるシリマリン(SLM)、BDD(ビフェニルジメチルジカルボン酸)、チョウセンゴミシから抽出されるシザンドリンの合成アナログなどがある(非特許文献2及び3参照)。
【0004】
しかしながら、今日まで、肝臓疾患を処置及び予防するため、又は肝機能を改善するための効果的で安全な薬剤の開発の必要性がある。
【0005】
世界中に分布している平はら茸目(Aphyllophorales)に属するキノコ、カワラタケが、エルゴステロール、β‐シトステロール、コリオラン(coriolan)、クレスチン‐D‐グルカン及びテルフォリックアシッド(thelphoric acid)を含み、抗菌作用、抗炎症作用、免疫増強作用、コレステロール値を低める作用等を示すことが報告されている。(非特許文献4参照)
【0006】
マメ科に属するキバナオウギは、フォルムオノネチン(formononetin)、イソリクイリチゲニン(isoliquiritigenin)、グルクロン酸、コリン、ベタイン、葉酸、2´,4´−ジヒドロキシ‐5,6−ジメトキシ‐イソフラボン、クマタケニン等を含み、強心作用(cardiac action)、血圧低下活性(blood pressure lowering activity)、利尿活性(diuretic activity)、ホルモン様活性(hormonal like activity)などを示すことが報告されている(非特許文献5及び6参照)。
【0007】
モクレン科(Magnoliaceae)に属するチョウセンゴミシは、シザンドリン、ゴミシンA−Q(gomisin A-Q)、シトラル、α‐イランゲン、クエン酸、リンゴ酸、β‐チャミグレン(chamigrene)、油脂、デオキシシザンドリンなどを含み、血管を拡張する活性(vasodilating activity)、血圧低下活性、去痰活性などを示すことが報告されている(非特許文献6及び7参照)。
【0008】
キク科に属するカワラヨモギは、スパコロン(scoparone)、クロロゲン酸、コーヒー酸、ピネン、カピピリン(capipillin)、カピレン(capillene)、カピラリン(capillarin)、ステアリン酸、パルミチン酸などを含み、血圧低下活性、利尿活性、利胆活性などを示すことが報告されている(非特許文献6及び8参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Brucker, J. V., Fund. Appl. Toxicology, 6, pp16-34, 1986
【非特許文献2】Caragy A. B., Food Technology, 46, pp65-68, 1992
【非特許文献3】Liang jun, Y., et al., Biochem. And Biophy. Res. Comm., 212 , pp360-366, 1995
【非特許文献4】Park Wan-Hee and Lee Ho-Deuk, Illustrated Book of Korean Medicinal Mushrooms, Kyo-Hak Publishing Co., Ltd, p472, 1st Ed. 1999
【非特許文献5】Chung, B. S., et al., Illustrated Crude Drug Encyclopedia, Youngrim Publishing Co. Ltd., 2nd Ed., p662-664, 1998
【非特許文献6】http://www.tradimed.com
【非特許文献7】Chung, B. S., et al., Illustrated Crude Drug Encyclopedia, Youngrim Publishing Co. Ltd., 2nd Ed., p471-473, 1998
【非特許文献8】Chung, B. S., et al., Illustrated Crude Drug Encyclopedia, Youngrim Publishing Co. Ltd., 2nd Ed., p1016-1018, 1998
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、本明細書に参照として組み込まれている、前記の何れかの文献の肝臓疾患に関して記載された組合せ薬草の抽出物の治療効果については、何ら報告も開示もされていない。
【0011】
したがって、本発明者らは、肝保護的な有効性を増強するための効果的な薬草製剤(herbal formulation)を発見するため、及び上述した組合せ薬草の薬理学的な効果を研究するために、鋭意検討した結果、ついに、本発明者らは、上述の組合せの未精製の薬剤(combined crude drug)が、肝保護的薬剤として、肝臓疾患の予防及び処置に効果的であることを見出した。
【0012】
一視点によれば、本発明は、肝臓疾患を予防及び処置するための、カワラタケ(Coriolus versicolor)、キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)、チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)及びカワラヨモギ(Artemisia capillaris)による組合せ薬草(combined herbs)の抽出物を含む医薬組成物を提供する。
【0013】
また本発明は、薬学的に許容可能なキャリアを伴って、肝臓疾患を予防及び処置する有効量の活性成分として、上述の抽出物を含む医薬組成物を提供する。
【0014】
本発明はまた、哺乳類に上述の抽出物及びそれの薬学的に許容可能なキャリアを伴う有効量を投与することによって、該哺乳類の肝細胞を保護することで、肝臓疾患を処置するための方法を提供する。
【0015】
本発明はさらに、ヒト又は哺乳類で肝臓疾患を処置又は予防するために採用される薬剤(medicament)の製造のための上述の抽出物の使用を提供する。
【0016】
本発明はまた、肝臓疾患を予防及び改善する有効量の活性成分として、肝細胞を保護することによって、肝臓疾患の予防又は改善のための上述の抽出物を含む機能性健康食品を提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】
【0018】
したがって、本発明(の目的)は、薬学的に許容可能なキャリアを伴い、肝臓疾患を予防及び処置する有効量の活性成分として、カワラタケ(Coriolus versicolor)及びキバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)から構成される組合せ薬草の抽出物を含む医薬組成物を提供する(ことである)。
【0019】
本発明はまた、肝臓疾患を予防及び処置するための上述の組合せ薬草の他に、チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)及びカワラヨモギ(Artemisia capillaris)から構成される群から選択される、少なくとも一つの薬草を追加的に含む、組合せ薬草の抽出物を含む医薬組成物を提供する。
【0020】
本発明の別(の目的)は、ヒト又は哺乳類で肝臓疾患を処置又は予防するために採用される薬剤の製造のための上述の抽出物の使用を提供する(ことである)。
【0021】
本発明のまた別(の目的)は、哺乳類に上述の抽出物及びそれの薬学的に許容可能なキャリアを伴った有効量を投与することによって、該哺乳類の肝細胞を保護することで、肝臓疾患を処置するための方法を提供する(ことである)。
【0022】
本発明の好ましい実施態様において、本明細書に記載の抽出物は、組合せ薬草、すなわち、カワラタケ(Coriolus versicolor)及びキバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)の抽出物を、各薬草の乾燥重量に基づいた混合比(w/w%)が0.1〜10:1、好ましくは0.5〜5:1、より好ましくは1〜2:1、さらにより好ましくは本発明で肝臓疾患を予防又は処置する範囲で含む。
【0023】
本発明の好ましい別の実施態様において、本明細書に記載の抽出物は、組合せ薬草、すなわち、カワラタケ(Coriolus versicolor)、キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)及びチョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)の抽出物を、各薬草の乾燥重量に基づいた混合比(w/w%)が0.1〜10:0.1〜10:1、好ましくは0.5〜5:0.5〜5:1、より好ましくは1〜2:1〜2:1、さらにより好ましくは本発明で肝臓疾患を予防又は処置する範囲で含む。
【0024】
本発明の好ましい別の実施態様において、本明細書に記載の抽出物は、組合せ薬草、すなわち、カワラタケ(Coriolus versicolor)、キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)及びカワラヨモギ(Artemisia capillaris)の抽出物を、各薬草の乾燥重量に基づいた混合比(w/w%)が0.1〜10:0.1〜10:1、好ましくは0.5〜5:0.5〜5:1、より好ましくは1〜2:1〜2:1、さらにより好ましくは本発明で肝臓疾患を予防又は処置する範囲で含む。
【0025】
本発明の好ましい別の実施態様において、本明細書に記載の抽出物は、組合せ薬草、すなわち、カワラタケ(Coriolus versicolor)、キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)、チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)及びカワラヨモギ(Artemisia capillaris)の抽出物を、各薬草の乾燥重量に基づいた混合比(w/w%)が0.1〜10:0.1〜10:0.1〜10:1、好ましくは0.5〜5:0.5〜5:0.5〜5:1、より好ましくは1〜2:1〜2:1〜2:1、さらにより好ましくは本発明で肝臓疾患を予防又は処置する範囲で含む。
【0026】
本発明の一視点に対応して、肝臓疾患を予防及び改善する有効量の有効成分として、肝細胞を保護することにより肝臓疾患の予防又は改善のための上述の抽出物を含む機能性健康食品が提供される。
【0027】
本明細書に記載の“肝臓疾患”は、脂肪肝、急性若しくは慢性肝炎、肝腫大、へパトフィマ(hepatophyma)、肝硬変及び肝臓癌、好ましくは、脂肪肝、肝硬変及び肝炎、より好ましくは、アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪肝、糖尿病性脂肪肝及び肝炎を含む。
【0028】
本発明で使用できる薬草は、当業者にとって明らかであり、同一又は同様の目的のために使用されて、肝臓疾患の予防及び処置のために代用(置換)できる同属植物を含む。
【0029】
本発明に係る本発明の組成物(inventive composition)は、その微粉砕された形態、そこから抽出された形態、又は、その乾燥した抽出物の形態で使用される。
【0030】
未精製の薬物組成物の上述の抽出形態は、蒸留水、メタノール、エタノール等の低級アルコール又はそれらの混合物、好ましくは水で抽出することによって得られる。
【0031】
本明細書に記載の用語“抽出物”(extract)は、未精製の抽出物、低級アルコールの不溶性分画抽出物及び非極性溶媒の可溶性抽出物を含む。
【0032】
本明細書に記載の用語“未精製の抽出物”は、蒸留水、メタノール、エタノール等のC−C低級アルコール、又はそれらの混合液、好ましくはエタノールと水の混合溶液、より好ましくは50〜90%のエタノール水溶液に可溶性の抽出物を含む。
【0033】
本明細書に記載の用語“低級アルコールの不溶性分画抽出物”は、下記ステップ:エタノール及び水の混合溶液等、より好ましくは50〜90%のエタノール水溶液の低級アルコール溶液で未精製の抽出物を抽出し、低級アルコール可溶性分画と低級アルコール不溶性分画とに分画するステップ;並びに本発明の低級アルコールの不溶性分画抽出物を収集するステップによって調製される抽出物を含む。
【0034】
本明細書に記載の用語“非極性溶媒の可溶性抽出物”は、下記ステップ:ヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン又は酢酸エチル等、好ましくはヘキサンの非極性溶媒で未精製の抽出物を分画するステップ;及び本発明の非極性溶媒の可溶性抽出物を収集するステップによって調製される抽出物を含む。
【0035】
本発明の最良の実施態様において、組合せ薬草の“抽出物”は、本発明の組成物(inventive composition)で、カワラタケ(Coriolus versicolor)の未精製の抽出物、キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)及びカワラヨモギ(Artemisia capillaris)の低級アルコールの不溶性分画抽出物、並びにチョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)の非極性溶媒の可溶性抽出物から構成されるが、これらに制限されない。
【0036】
肝臓疾患を処置するための医薬組成物は、組成物の総重量に対して本発明の上記薬草組成物を約0.01乃至95w/w%、好ましくは0.5乃至80w/w%を含み得る。
【0037】
本発明の薬草の組成物(inventive herb composition)は、下記の好ましい実施態様に従って調製されてよい。
【0038】
本発明においては、上記未精製の薬剤組成物は、下記の手順;薬草、すなわち、カワラタケ(Coriolus versicolor)、キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)、チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)及びカワラヨモギ(Artemisia capillaris)が洗浄、スライス化、乾燥、及び適切な比率(w/w)で混合されることによって調製できる。その上記混合物は微粉砕されて、未精製の薬剤組成物の微粉砕体を得る。
【0039】
上記微粉砕された未精製の薬剤組成物を5〜20倍量、好ましくは10〜15倍量の蒸留水、メタノール、エタノール等のアルコール、若しくはそれらの混合液、好ましくは蒸留水又はエタノールと水の混合液で混合し;また、12時間〜48時間、好ましくは20〜24時間にわたって0℃〜室温、好ましくは4〜6℃の範囲の温度でアンフルラージュないし冷浸(enfleuraged)するか、又は、1〜24時間、好ましくは2〜5時間にわたって80〜120℃の温度、好ましくは100℃より高い温度で2〜5回還流抽出(reflux extraction)で加熱させるか、又は、超音波処理、還流若しくは従来の抽出(法)によって抽出されて未精製の薬物組成物の水性の抽出物の形態を得る。
【0040】
加えて、薬草抽出物は減圧下の80〜90℃で濾過して濃縮される。抽出物は、10〜60倍量の水で共沸蒸留による濃縮を1〜5回施し、次いで、凍結乾燥若しくは真空乾燥によって乾燥させて未精製の薬物組成物の乾燥した未精製の抽出物の形態を得る。
【0041】
それぞれの薬草の本発明の“低級アルコールの不溶性分画抽出物”(inventive “lower alcohol insoluble fraction extract”)は、下記ステップ:エタノールと水の混合溶液等、より好ましくは、50〜90%のエタノール水溶液の低級アルコール溶液で、12時間〜48時間、好ましくは18〜24時間にわたって、未精製の抽出物の質量の1〜8倍量において、室温に単独で放置して、低級アルコール可溶性分画と低級アルコール不溶性分画とに分画するステップで調製された未精製の抽出物を抽出するステップ、及び本発明の低級アルコールの不溶性分画抽出物を収集するステップによって調製できる。
【0042】
それぞれの薬草の本発明の“非極性溶媒の可溶性抽出物”(inventive “non-polar solvent soluble extract”)は、下記ステップ:ヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン又は酢酸エチル等、好ましくはヘキサンの非極性溶媒(未精製の抽出物の容量の1〜8倍容量、好ましくは2〜5倍容量で)により上述のステップで調製された未精製の抽出物を分画するステップ;及び本発明の非極性溶媒の可溶性抽出物を収集するステップによって調製できる。
【0043】
本発明の別の目的は、肝臓疾患を予防又は処理する効果的な組成物の調製のために上述したような本発明の抽出物を調製するための方法を提供することである。
【0044】
本発明のまた別の目的は、肝臓疾患を予防又は処理するための有効成分として上述の方法によって得られる上述の未精製の薬物抽出物の微粉砕された形態、抽出された形態、又は乾燥した抽出形態を含む医薬組成物を提供することである。
【0045】
上述の方法によって調製された本発明に係る本発明の組成物は、血中HDL−コレステロールのレベルを増加させるのと同様に、ラットによる実験モデルにおける、GOT、GPT、LDL−コレステロールのレベル、肝組織のHMG−CoA還元酵素の遺伝子発現、肝線維症を著しく抑制する。抽出物の経口急性毒性(oral acute toxicity)が試験されたとき、抽出物は死亡率、臨床的な徴候、体重変化及び剖検での肉眼的所見に明白な影響を及ぼさなかった。
【0046】
肝臓疾患を処置するための医薬組成物は、組成物の総重量に対して、本発明の上記未精製の薬物組成物を約0.01〜95w/w%、好ましくは0.5〜80w/w%を含み得る。
【0047】
本発明の別(の目的)は、肝臓疾患を予防及び処置する有効量の活性成分として、上述の抽出物を含む肝保護的な薬剤を提供することである。
【0048】
本発明の別(の目的)は、上述した本発明の抽出物(inventive extract)及びそれの薬学的に許容可能なキャリア(carrier)の有効量を哺乳類へ投与することによって、当該哺乳類で肝臓疾患を処置する方法を提供することである。
【0049】
本発明の組成物(inventive composition)は、使用する方法に従って、追加的に、従来のキャリア、アジュバント(adjuvants)、希釈剤を含んでよい。かかるキャリアが用途及び応用方法に従い適切な物質として使用されることが好ましいが、これに限定されない。適切な希釈剤は、レミントンのファーマシューティカル サイエンス(Pharmaceutical Science)(Mack Publishing co, Easton PA)の書面テキストに挙げられている。
【0050】
以下、下記の製剤方法(formulation methods)と賦形剤(excipients)は、単なる典型例であり、本発明を決して制限するものではない。
【0051】
本発明による未精製の薬物組成物は、薬学的に許容可能なキャリア、アジュバント又は希釈剤:例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリトリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルギン酸塩、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾアート、プロピルヒドロキシベンゾアート、タルク、ステアリン酸マグネシウム及びミネラルオイルを含有する医薬組成物として提供できる。製剤(formulation)は、追加的に、フィラー、反凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤、防腐剤等を含有してよい。本発明の組成物は、周知技術の何れかの手法を使用することによって患者へそれらの組成物を投与した後、活性成分の迅速な放出、継続的な放出、又は遅延的の放出を提供するように処方されてよい。
【0052】
例えば、本発明の組成物は、オイル、プロピレングリコール又は他の溶媒で溶解することができ、注射剤(injection)を製造するために一般に用いられる。キャリアの適切な例は、生理的食塩水、ポリエチレングリコール、エタノール、植物油、イソプロピルミリスチン酸塩、その他を含むが、それらに限られない。局所投与のため、本発明の化合物(組成物)は、軟膏及びクリームの形態で処方(調剤)できる。
【0053】
未精製の薬物組成物を含有する医薬製剤(pharmaceutical formulation)は、経口剤の形態(oral dosage form)(散剤、錠剤、カプセル剤、柔カプセル剤、水性薬剤、シロップ、エリキシルピル(elixirs pill)、散剤、サッシェ(1回量包装)(sachet)、顆粒剤)、又は、局所製剤(topical preparation)(クリーム、軟膏、ローション、ジェル、香油、パッチ、ペースト、スプレー溶液、エアゾールなど)、坐薬、あるいは無菌の注射可能な製剤(sterile injectable preparation)(溶液、懸濁液、エマルジョン)等の任意の形態で調製されてよい。
【0054】
医薬剤形(Pharmaceutical dosage form)での本発明の未精製の薬物組成物は、それらの薬学的に許容可能な塩の形態で使用されてよく、また、他の薬学的に活性な化合物との組合せ(使用)と同様に、単独若しくは適切な関連性(appropriate association)をもって使用されてもよい。
【0055】
本発明の組成物の所望の投与量は、患者の症状及び体重、重症度、薬剤の形態、投与経路及び投与期間に依存して変更し、当業者によって選択されてよい。しかしながら、所望の効果を得るためには、一般的に、本発明に係る本発明の組成物は、一日当り、(患者の)体重に対して、0.01〜10g/kg、好ましくは、1〜5g/kgの範囲で投与することが推奨される。投与量は、一日につき、単一又は複数回の用量で投与してよい。組成物の観点からすれば、未精製の薬物組成物は、組成物の総質量に対して、0.01〜80質量%、好ましくは0.5〜50質量%の範囲で存在すべきである。
【0056】
本発明の医薬組成物は、様々な経路により、哺乳類(ラット、マウス、家畜又はヒト)などの対象の動物に投与できる。投与のすべての形態が考えられ、例えば、投与は、経口、直腸内、又は、静脈内、筋肉内、皮下、皮内、髄腔内、硬膜外、若しくは脳室内注射によって成し得る。
【0057】
本発明の一視点と一致して、肝臓疾患を予防及び改善する有効量の有効成分として、肝細胞を保護することにより肝臓疾患の予防又は改善のための上述した抽出物を含む機能性健康食品が提供される。
【0058】
本発明の機能性健康食品(inventive health functional food)の未精製の薬物組成物は、その微粉砕された形態、そこから抽出された形態、又は、その乾燥した抽出物の形態で使用される。
【0059】
肝臓疾患を予防及び改善するための機能性健康食品組成物は、組成物の総重量に対して本発明の上記未精製の薬物組成物を約0.01乃至95w/w%、好ましくは0.5乃至80w/w%を含み得る。
【0060】
そのなかの上記未精製の薬物組成物は、肝臓疾患を予防及び改善するための食品、添加物又は飲料に添加できる。肝臓疾患を予防及び改善する目的において、食品又は飲料中の上記未精製の薬物組成物の量は、一般的に、健康食品組成物のための食品の総重量(質量)の約0.1〜15w/w%、好ましくは1〜10w/w%の範囲であり、健康飲料組成物の100mlに対して1〜30gの比率、好ましくは3〜10gの比率であってよい。
【0061】
本発明の健康飲料組成物が示された比率の必須成分として上記の未精製の薬物組成物を含むならば、他の液体成分に対する特定の制限はなく、他の(液体)成分は従来の飲料などの様々なデオドラント(deodorant)又は天然の炭水化物等であり得る。前述の天然の炭水化物の例は、グルコース、フルクトース等の単糖類;マルトース、スクロース等の二糖類;デキストリン、シクロデクストリンなどの従来の砂糖;及びキシリトールとエリトリトール等の糖アルコールである。前述以外の別のデオドラントとして、タウマチン(taumatin)のような天然デオドラント、レバウジオサイドA(levaudioside A)のようなステビアエキス、グリチルリジン他、及び、サッカリン、アスパルテーム(aspartam)他のような合成デオドラントが好ましく用いられてよい。上述の天然の炭水化物の量は、一般的に、本発明の飲料組成物の100mlに対して約1〜20g、好ましくは、5〜12gの比率の範囲である。
【0062】
前述の組成物以外の他の成分は、様々な栄養分、ビタミン、ミネラル又は電解質、チーズやチョコレート他などの場合の合成香料、着色剤及び改善剤(improving agent)、ペクチン酸とその塩、アルギン酸とその塩、有機酸、保護コロイド状粘着剤、pH調整剤、安定剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料他で使用されるカーボナイジング剤(carbonizing agent)である。前述以外の他の成分は、天然の果実ジュース、果実ジュース飲料及び野菜飲料を調製するための果実ジュースであってよく、その成分は単独でも組合せても使用できる。成分の比率はそれほど重要ではないが、一般的に、本発明の組成物100w/w%に対して約0〜20w/w%の範囲である。
【0063】
そのなかに前述した未精製の薬物組成物を含む添加可能な食品(addable food)の例は、様々な食物、飲料、ガム、ビタミン複合体、健康を改善する食物などである。
【0064】
本発明の趣旨及び範囲を逸脱せずに、本発明の組成物、使用及び製剤において様々な修正及び変形が可能であることが当業者にとって明白であろう。
【0065】
【発明の効果】
【0066】
本発明による組合せ薬草(combined herbs)の組成物は、肝硬変及び脂肪肝の予防及び処置と共に、減少したHDLコレステロールのレベルに対する増加効果を示すだけでなく、増加したGOT、GPT、コレステロール、トリグリセリド、LDLコレステロールのレベルに対して強力な抑制効果を示す。
【0067】
本発明に係る本発明の組成物は、肝臓疾患の予防及び処置において有用であり、安全で効果的な肝保護的な薬剤として使用できる。
【0068】
【図面の簡単な説明】
【0069】
本発明の上記及び他の目的、特徴並びに他の利点は、添付の図面と共に下記の詳細な記載からより明確に理解される。
【0070】
【0071】
【図1】図1は四塩化炭素誘発ラットにおいて比較例1で調製した、それぞれの抽出物で処置した群におけるGOTレベルの変化を示す;
【0072】
【図2】図2は四塩化炭素誘発ラットにおいて比較例1で調製した、それぞれの抽出物で処置した群におけるGPTレベルの変化を示す;
【0073】
【図3】図3は四塩化炭素誘発の肝障害の本発明モデルにおいて実施例1で調製した、組合せ抽出物のGOTレベルの変化における効果を示す;
【0074】
【図4】図4は四塩化炭素誘発の肝障害の本発明モデルにおいて実施例1で調製した、組合せ抽出物のGPTレベルの変化における効果を示す;
【0075】
【図5】図5は四塩化炭素誘発の肝障害処置モデルにおいて実施例1で調製した、組合せ抽出物のGOTレベルの変化における効果を示す;
【0076】
【図6】図6は四塩化炭素誘発の肝障害処置モデルにおいて実施1で調製した、組合せ抽出物のGPTレベルの変化における効果を示す;
【0077】
【図7】図7はDMN誘発肝硬変モデルにおいてGOT及びGPTレベルの変化を表す;
【0078】
【図8】図8はDMN誘発肝硬変モデルにおいてコラーゲン分布に対する効果を表す;
【0079】
【図9】図9はアルコール誘導脂肪肝のラットにおいて比較例2及び実施例2で調製された、それぞれの抽出物で処置した群のGOT及びGPTレベルの変化を示す;
【0080】
【図10】図10はアルコール誘導脂肪肝のラットにおいて比較例2及び実施例2で調製された、それぞれの抽出物で処置した群の血中コレステロールレベルの変化を示す;
【0081】
【図11】図11はアルコール誘導脂肪肝のラットにおいて比較例2及び実施例2で調製された抽出物の血中トリグリセリドレベルの変化に対する効果を示す;
【0082】
【図12】図12はアルコール誘導脂肪肝のラットにおいて比較例2及び実施例2で調製された抽出物の血中HDLコレステロールレベルの変化に対する効果を示す;
【0083】
【図13】図13はアルコール誘導脂肪肝のラットにおいて比較例2及び実施例2で調製された抽出物の血中LDLコレステロールレベルの変化に対する効果を示す;
【0084】
【図14】図14はアルコール誘導脂肪肝のラットにおいて比較例2及び実施例2で調製された抽出物の肝コレステロールレベルの変化に対する効果を示す;
【0085】
【図15】図15はアルコール誘導脂肪肝のラットにおいて比較例2及び実施例2で調製された抽出物の肝トリグリセリドレベルの変化に対する効果を示す;
【0086】
【図16】図16はアルコール誘導脂肪肝のラットにおいて実施例2で調製された組合せ抽出物の肝臓組織の形態的な変化に対する対する効果を示す;
【0087】
【図17】図17はアルコール誘導脂肪肝のラットにおいて実施例2で調製された組合せ抽出物のHMG−CoA還元酵素の遺伝子発現の変化に対する効果を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0088】
下記の実施例及び実験例は、本発明の範囲を制限することなく、本発明をさらに例示することを意図する。
【0089】
【発明を実施するための形態】
【0090】
比較例1.それぞれの薬草抽出物の調製(1)
【0091】
1−1.カワラタケ(Coriolus versicolor)の未精製の抽出物(CV30E)
【0092】
(大韓民国)ソウル市のキュンドンマーケット(Kyung-dong market)から購入したカワラタケ(Coriolus versicolor)500gを洗浄し、それに蒸留水10Lを添加した。溶液は、第一ステップで、100℃の蒸留水で2回の還流抽出(reflux extraction)を施された。第一ステップで得られた抽出物は濾過されて、800mlの濃縮物を調製するために105℃で濃縮された。カワラタケ(Coriolus versicolor)の乾燥した未精製の抽出物62gを得るために、濃縮物は60℃で乾燥された。(収率:12.4%)
【0093】
【0094】
1−2.キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)の未精製の抽出物(AM80M)
【0095】
(大韓民国)ソウル市のキュンドンマーケットから購入したキバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)800gを洗浄し、それに70%エタノール10Lを添加した。溶液は、第一ステップで、100℃にて2回の還流抽出を施された。第一ステップで得られた抽出物は濾過されて、750mlの濃縮物を調製するために105℃で濃縮された。キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)の乾燥した未精製の抽出物153.6gを得るために、濃縮物は60℃で乾燥された。(収率:19.2%)
【0096】
【0097】
1−3.チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)の未精製の抽出物(SC80M)
【0098】
(大韓民国)ソウル市のキュンドンマーケットから購入したチョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)500gを洗浄し、それに70%エタノール10Lを添加した。溶液は、第一ステップで、100℃にて2回の還流抽出を施された。第一ステップで得られた抽出物は濾過されて、900mlの濃縮物を調製するために105℃で濃縮された。チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)の乾燥した未精製の抽出物183.0gを得るために、濃縮物は60℃で乾燥された。(収率:36.6%)
【0099】
【0100】
1−4.カワラヨモギ(Artemisia capillaris)の未精製の抽出物(ACDW)
【0101】
(大韓民国)ソウル市のキュンドンマーケットから購入したカワラヨモギ(Artemisia capillaris)500gを洗浄し、それに蒸留水10Lを添加した。溶液は、第一ステップで、100℃にて2回の還流抽出を施された。第一ステップで得られた抽出物は濾過されて、650mlの濃縮物を調製するために105℃で濃縮された。カワラヨモギ(Artemisia capillaris)の乾燥した未精製の抽出物91.5gを得るために、濃縮物は60℃で乾燥された。(収率:18.3%)
【0102】
【0103】
比較例2.それぞれの薬草抽出物の調製(2)
【0104】
2−1.カワラタケ(Coriolus versicolor)の低級アルコールの不溶性抽出物(CO)
【0105】
(大韓民国)ソウル市のキュンドンマーケットから購入したカワラタケ(Coriolus versicolor)1000gを洗浄し、それに蒸留水10Lを添加した。溶液は、第一ステップで、100℃の蒸留水で2時間の還流抽出を2回施された。第一ステップで得られた抽出物は濾過されて、1000mlの濃縮物を調製するために105℃で濃縮された。濃縮物に95%エタノールを添加することによって調製された70%エタノール溶液は、上澄層と沈殿層を分離するために12時間室温に放置され、カワラタケ(Coriolus versicolor)の乾燥した低級アルコールの不溶性抽出物31.5gを得るために、沈殿物は60℃で乾燥された。(収率:3.15%、以下「CO」と示す)
【0106】
【0107】
2−2.キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)の低級アルコールの未精製の抽出物(AS)
【0108】
(大韓民国)ソウル市のキュンドンマーケットから購入したキバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)1000gを洗浄し、それに95%エタノール溶液10Lを添加した。溶液は、第一ステップで、95℃にて2回の還流抽出を施された。第一ステップで得られた抽出物は濾過されて、1000mlの濃縮物を調製するために105℃で3時間に亘って濃縮された。キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)の乾燥した未精製の抽出物80.3gを得るために、濃縮物は60℃で乾燥された。(収率:8.03%、以下「AS」と示す)
【0109】
【0110】
2−3.チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)の非極性溶媒の可溶性抽出物(AR)
【0111】
(大韓民国)ソウル市のキュンドンマーケットから購入したチョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)1000gを洗浄し、それに95%エタノール10Lを添加した。溶液は、第一ステップで、95℃にて2時間の還流抽出を2回施された。第一ステップで得られた抽出物は濾過されて、1000mlの濃縮物を調製するために105℃で濃縮された。水層とヘキサンの可溶層とを分画するために等量のヘキサンがそこに添加され、ヘキサン層が収集されてチョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)のヘキサンの可溶性抽出物を得た。(収率:1.21%、以下「AR」と示す)
【0112】
【0113】
2−4.カワラヨモギ(Artemisia capillaris)の低級アルコールの不溶性抽出物(SC)
【0114】
(大韓民国)ソウル市のキュンドンマーケットから購入したカワラヨモギ(Artemisia capillaris)1000gを洗浄し、それに蒸留水10Lを添加した。溶液は、第一ステップで、100℃の蒸留水で2時間の還流抽出を2回施された。第一ステップで得られた抽出物は濾過されて、1000mlの濃縮物を調製するために105℃で濃縮された。濃縮物に95%エタノールを添加することによって調製された70%エタノール溶液は、上澄層と沈殿層を分離するために12時間室温に放置され、カワラヨモギ(Artemisia capillaris)の乾燥した低級アルコールの不溶性抽出物119.7gを得るために、沈殿物は60℃で乾燥された。(収率:11.97%、以下「SC」と示す)
【0115】
【0116】
実施例1 本発明の組合せ製剤の調製(1)
【0117】
1‐1. 本発明のH1の調製
【0118】
本発明の組合せ製剤(以下「H1」と称する)を調製するため、比較例1において調製したカワラタケ(Coriolus versicolor)、及びキバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)の各抽出物を1:1の重量比で混合した。
【0119】
【0120】
1‐2. 本発明のH2の調製
【0121】
本発明の組合せ製剤(以下「H2」と称する)を調製するため、比較例1において調製したカワラタケ、キバナオウギ、及びチョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)の各抽出物を1:1:1の重量比で混合した。
【0122】
【0123】
1‐3. 本発明のH3の調製
【0124】
本発明の組合せ製剤(以下「H3」と称する)を調製するため、比較例1において調製したカワラタケ、キバナオウギ、及びカワラヨモギ(Artemisia capillaris)の各抽出物を1:1:1の重量比で混合した。
【0125】
【0126】
1‐4. 本発明のH4の調製
【0127】
本発明の組合せ製剤(以下「H4」と称する)を調製するため、比較例1において調製したカワラタケ、キバナオウギ、チョウセンゴミシ、及びカワラヨモギの各抽出物を1:1:1:1の重量比で混合した。
【0128】
【0129】
実施例2 本発明の組合せ製剤の調製(2)
【0130】
2‐1. 本発明のHF1の調製
【0131】
本発明の組合せ製剤(以下「HF1」と称する)を調製するため、比較例2において調製したカワラタケ、及びキバナオウギの各抽出物を1:1の重量比で混合した。
【0132】
【0133】
2‐2. 本発明のHF2の調製
【0134】
本発明の組合せ製剤(以下「HF2」と称する)を調製するため、比較例2において調製したカワラタケ、キバナオウギ、及びチョウセンゴミシの各抽出物を1:1:1の重量比で混合した。
【0135】
【0136】
2‐3. 本発明のHF3の調製
【0137】
本発明の組合せ製剤(以下「HF3」と称する)を調製するため、比較例2において調製したカワラタケ、キバナオウギ、及びカワラヨモギの各抽出物を1:1:1の重量比で混合した。
【0138】
【0139】
2‐4. 本発明のHF4の調製
【0140】
本発明の組合せ製剤(以下「HF4」と称する)を調製するため、比較例2において調製したカワラタケ、キバナオウギ、チョウセンゴミシ、及びカワラヨモギの各抽出物を1:1:1:1の重量比で混合した。
【0141】
【0142】
実験例1 ラットモデルにおける四塩化炭素誘発慢性肝障害(CCl4-induced chronic liver injury)に対する効果
【0143】
比較例1と比較して、実施例1で得られた本発明の組合せ抽出物の肝障害に対する抑制効果を調査するために、以下の実験を(以下の)手順で行った。
【0144】
【0145】
1‐1. 試薬と実験動物
【0146】
実験に使用するため、四塩化炭素(Sigma Co.)、オリーブ油(Sigma Co.)アラニンアミノ基転移酵素(ALT, GPT, Stanbio Co.)、及びアスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST, GOT, Stanbio Co.)を、商業会社から購入した。
【0147】
重さがおよそ200gのオスのスプラーグドーリーラット(Sprague-Dawley rats, Daehan Biolink Co. Ltd., Korea)を実験に使用し、ラットには、飼料(Harlan, teklan, USA)、及び飲料水を自由に入手できるようにした。全ての動物を、使用前の少なくとも1週間、21℃〜24℃の温度、及び60%〜80%の湿度で、12時間の明暗サイクルの管理環境で維持した。各群のラットの平均体重を、各群に応じて最適化し、各群における10匹のラットを使用した。
【0148】
【0149】
1‐2. 四塩化炭素誘発慢性肝障害に対する各薬草の効果
【0150】
肝障害に対する効果の評価のために、正常群を生理食塩水のみで処置した。急性の肝毒性を誘導し、コントロール群として使用するため、腹腔内に、オリーブ油と、四塩化炭素との混合溶液(1:3)を、1.0ml/kgの投与量で3日間、各実験ラットに投与した。誘導の1時間後、生理食塩水で懸濁された比較例1に記載の抽出物のいろいろな濃度のもの(concentrations)を、1.0ml/kgの投与量で3日間経口的にテスト群としてのラットに投与し、また、同量の生理食塩水のみをネガティブコントロールとしてのラットに処置した。誘導の18時間後、眼窩下静脈(suborbital vena)からの血液サンプルを貯蔵し、20分間3000rpmで遠心分離した。各サンプルの各GOT、及びGPTレベルをBT2000+装置(BT2000+ apparatus, SEAC Co.)を使用して測定した。
【0151】
図1及び2に示すように、生理食塩水のみで処置した正常群は、約200U/IのGOTレベル、及び74U/IのGPTレベルを示し、それに対し、オリーブオイル、及び四塩化炭素の混合溶液(1:1)で処置したコントロール群は、約461U/IのGOTレベル、及び168U/IのGPTレベルを示した。しかしながら、各薬草抽出物で処置したテスト群は、カワラタケ、チョウセンゴミシ、キバナオウギ、そして、カワラヨモギの順で肝保護的な活性(hepato-protective activity)を示した(図1、及び図2参照)。
【0152】
したがって、本発明に係る本発明の抽出物は、肝機能の緩和(alleviating)に有効であることが確認された。
【0153】
【0154】
1‐3. 四塩化炭素誘発慢性肝障害に対する組合せ製剤の効果
【0155】
肝障害に対する効果の評価のために、正常群を生理食塩水のみで処置した。急性の肝毒性を誘導し、コントロール群として使用するため、腹腔内に、オリーブ油と、四塩化炭素との混合溶液(1:1)を、1.0ml/kgの投与量で3日間、各実験ラットに投与した。誘導の1時間後、生理食塩水で懸濁された実施例1に記載の本発明の組合せ抽出物のいろいろな濃度のもの(すなわち、H1、H2、H3及びH4)を、1g/60kgの投与量で3日間経口的にテスト群としてのラットに投与し、また、同量の生理食塩水のみ、ネガティブコントロールとしてのラットに処置した。誘導の18時間後、眼窩下静脈(suborbital vena)からの血液サンプルを貯蔵し、20分間3000rpmで遠心分離した。各サンプルの各GOT、及びGPTレベルをBT2000+装置(BT2000+ apparatus, SEAC Co.)を使用して測定した。
【0156】
図3及び4に示すように、オリーブ油、及び四塩化炭素の混合溶液(1:1)で誘導し、その後、生理食塩水のみで処置したコントロール群は、約462U/IのGOTレベル、及び186U/IのGPTレベルを示し、それに対し、H1で処置したテスト群は、約355U/IのGOTレベル、及び142.1U/IのGPTレベルを示した。H2で処置したテスト群のGOT、及びGPTのレベルは、H3で処置したテスト群のGOT、及びGPTのレベルと同様であり、H1で処置した群よりもさらに強力な肝保護的な活性を示した。しかしながら、H4で処置したテスト群は、その中で最も強力な肝保護的な活性を示した(図3及び図4参照)。
【0157】
したがって、本発明に係る本発明の組合せ抽出物は、肝臓疾患の処置、及び予防に有効であることが確認された。
【0158】
【0159】
1‐4. 四塩化炭素誘発慢性肝障害に対する組合せ製剤の効果
【0160】
肝障害に対する緩和効果の評価のために、正常群を生理食塩水のみで4日間処置した。急性の肝毒性を誘導し、コントロール群として使用するため、腹腔内に、オリーブ油と、四塩化炭素との混合溶液(1:1)を、1.0ml/kgの投与量で3日間、各実験ラットに投与した。誘導の1時間後、生理食塩水で懸濁された比較例1に記載の本発明の組合せ抽出物のいろいろな濃度のもの、(すなわち、H1、H2、H3及びH4)を、1g/60kgの投与量で4日間経口的にテスト群としてのラットに投与し、また、同量の生理食塩水のみを、ネガティブコントロールとしてのラットに投与した。最後のテスト日に、麻酔下の実験動物からの1.5mlの血液を貯蔵し、灌流固定を行った。血液サンプルを、20分間3000rpmで遠心分離し、各サンプルの各GOT、及びGPTレベルをCH100+装置(CH100+ apparatus, SEAC Co.)を使用して測定した。
【0161】
図5及び図6に示すように、オリーブ油、及び四塩化炭素の混合溶液(1:1)で誘導し、その後、生理食塩水のみで処置したコントロール群は、約488U/IのGOTレベル、及び201.4U/IのGPTレベルを示し、それに対し、H1、H2、及びH3で処置した群は、約347.6、304.1、そして、107.9U/IのGOTレベル、また、136.4、99.2、そして、97.3U/IのGPTレベルをそれぞれ示した。H4で処置したテスト群のGOT、及びGPTのレベルは、H2、及びH3で処置したテスト群のGOT、及びGPTのレベルと同様ないし、やや強力な処置活性を示した(図5、及び図6参照)。
【0162】
【0163】
実験例2 モデルラットにおけるコラーゲン分布(Collagen distribution)、及びGOTとGPTレベルの抑制に対する効果
【0164】
実施例1で得られた本発明の組合せ抽出物の肝硬変に対する改善効果(improving effect)を調査するために、以下の実験を(以下の)手順で行った。
【0165】
【0166】
2‐1. 試薬と実験動物
【0167】
実験に使用するために、DMN(Dimethylnitrosoamine, Sigma Co.)、アラニンアミノ基転移酵素(Alanine Amino Transferase: ALT, GPT, Stanbio Co.)、アスパラギン酸アミノ基転移酵素(aspartate amino transferase: AST, GOT, Stanbio Co.)を、商業会社から購入した。
【0168】
重さがおよそ270gのウィスターラットを実験に使用し、ラットには、飼料(Harlan, teklan, USA)、及び飲料水を自由に入手できるようにした。全ての動物を、使用前の少なくとも1週間、21℃〜24℃の温度、及び60%〜80%の湿度で、12時間の明暗サイクルの管理環境で維持した。
【0169】
【0170】
2‐2. コラーゲン分布に対する効果と、GOT、及びGPTに対する抑制効果
【0171】
肝硬変に対する効果の評価のために、肝硬変を誘導するため、1%DMN(Dimethylnitrosoamine)を、腹腔内に、40mg/kg/日の投与量で3日間、各実験ラットに投与した。実施例1において調製し、生理食塩水に懸濁した本発明の組合せ抽出物を、体重の1g/60kgの量で2週間経口的にテスト群としてのラットに投与し、同量の生理食塩水のみ、ネガティブコントロールとしてのラットに投与した。最後のテスト日に、麻酔下の実験動物からの1.5mlの血液を貯蔵し、灌流固定を行った。血液サンプルを、20分間3000rpmで遠心分離し、各サンプルの各GOT、及びGPTレベルをCH100+装置(CH100+ apparatus, SEAC Co.)を使用して測定した。
【0172】
肝臓組織におけるコラーゲン分布を調査するため、マッソントリクローム染色法(Masson trichrome staining method)でコラーゲン部分のみを染色し、単離した肝臓組織を自動組織分析機(Citadel 2000, Shandon Co.)で包埋し、ティッシュミクロトーム(LEICA RM2145)を使用して4マイクロメータ幅の切片にスライスした。各組織ごとに5病変部位(lesion)を選択し、その部位の繊維率を画像解析システムで測定した。繊維率の平均値を計算し、コラーゲン量に変換した。
【0173】
図7に示すように、実施例1で得られた本発明の抽出物で処置した群は、著しく肝障害モデルラットのGOT、及びGPTレベルを抑制した。H2、及びH3で処置した群は、H1で処置した群よりも、より強力な抑制活性を示し、H4で処置した群は、テスト群の中で、最も強力な活性を示した(有意性:p<0.0001,図7参照)。
【0174】
さらに、実施例1において得られた本発明の抽出物H1、H2、H3及びH4で処置した群のコラーゲン量は、それぞれ1.83、1.5、1.33、そして、1.66を示し、それに対し、コントロール群、および正常群のコラーゲン量は、それぞれ2.44、及び1.33を示した(図8参照)。
【0175】
したがって、本発明に係る本発明の組合せ抽出物は、肝繊維症の進行の抑制に有意(顕著)に(significantly)有効であることが確認された。
【0176】
【0177】
実験例3 モデルラットにおけるアルコール誘導脂肪肝(alcohol-induced fatty liver)に対する効果
【0178】
比較例2と比較して、実施例2で得られた本発明の組合せ抽出物の脂肪肝に対する抑制効果を調査するために、以下の実験を(以下の)手順で行った。
【0179】
【0180】
3‐1. 実験動物と前処置
【0181】
重さがおよそ200gのオスのスプラーグドーリーラット(Sprague-Dawley rats, Samtaco Co. Ltd., Korea)を実験に使用し、ラットには、飼料、及び飲料水を自由に入手できるようにした。全ての動物を、使用前の少なくとも1週間、22±2℃の温度、及び60±5%の湿度で、12時間の明暗サイクルの管理環境で維持した。各群のラットの平均体重を、各群に応じて最適化し、各群の10匹のラットを使用した。
【0182】
【0183】
3‐2. 前処置
【0184】
脂肪肝を誘導するために、動物飼料(1%コレステロールを含むAIN76,Feedlab Co. Ltd.)を21日間経口的に実験ラットに投与した。飼料投与に加えて、飼料投与の開始日から8日目以降に、10mg/kgの量で経口的に35%エタノールをコントロール群として使用する実験ラットに投与し、そして、飼料投与及びエタノールの投与に加えて、飼料投与の開始日から10日目以降に、比較例2、及び、実施例2で調製した抽出物を、50mg/kgの投与量で経口的に、処置群として使用する実験ラットに投与した。21日間の経口投与後に、実験動物をエーテルで麻酔し、以下の実験に使用した。
【0185】
【0186】
3‐3. 脂肪肝におけるGOT、及びGPTレベルに対する効果
【0187】
実施例2において得られた発明の組合せ抽出物による、脂肪肝における血液GOT、及びGPT濃度の変化に対する効果の測定のために、文献(Bergmeyer HU, Scheibe P,
Wahlefeld AW : optimization of methods for asparate aminotransferase and alanine aminotransferase. Clin Chem 24:58,1978)に記載の手法で以下のテストを行った。
【0188】
3‐2に記載の方法と同様の方法を行った後、麻酔下の実験動物からの血液を貯蔵した。血液サンプルを20分間4,555xgで遠心分離し、血清中の各GOT、及びGPTレベルをBT2000+装置(BT2000+ apparatus, SEAC Co.)を使用して測定した。
【0189】
図9に示すように、比較例2において調製した各薬草で処置したテスト群は、1%コレステロール、及び35%アルコールによって誘導された、増加したGOT、及びGPTレベルを有意に減少できなかったが、それに対し、実施例2において調製した組合せ薬草で処置したテスト群は、GOT、及びGPTのレベルを有意に減少し、とりわけ、HF4で処置した群(GOT:131.2mg/dl,GPT:89.6mg/dl)は、その中で、アルコール誘導脂肪肝モデルにおけるGOT、及びGPTの増加したレベルに対して、最も強力な減少効果を示した(図9参照)。
【0190】
【0191】
3‐4. 脂肪肝の血中脂肪濃度に対する効果
【0192】
脂肪肝における血中脂肪濃度の変化に対する効果の評価のために、文献(Trinder, P. Determination of glucose in blood using glucose oxidase with an alternative oxygen acceptor. Ann Clin Bio Chem. 6; 24-27, 1969.)に記載の手法で以下のテストを行った。
【0193】
3−2に記載の方法と同様の方法を行った後、麻酔下の実験動物からの血液を貯蔵した。血液サンプルを、20分間4,555xgで遠心分離し、血清中のコレステロール、トリグリセリド、HDL、及びLDLレベルをそれぞれBT2000+装置(BT2000+ apparatus, SEAC Co.)を使用して測定した。
【0194】
【0195】
コレステロールレベルの結果
【0196】
図10に示すように、1%コレステロールと35%アルコールで処置したコントロール群(158.1mg/dl)は、何も処置しない正常群(65.6mg/dl)に比べて、2倍に増加した血中コレステロールレベルを示し、それに対し、比較例2、及び実施例2において調製した抽出物で処置したテスト群は、増加したコレステロールに対して有意な減少効果を示し、とりわけ、HF3(91.5mg/dl)及び、HF4(88.2mg/dl)で処置した群は、その中で、アルコール誘導脂肪肝モデルにおける血中コレステロールの増加したレベルに対して、最も強力な減少効果を示した(図10参照)。
【0197】
【0198】
トリグリセリドレベルの結果
【0199】
図11に示すように、1%コレステロールと35%アルコールで処置したコントロール群(173.2mg/dl)は、何も処置しない正常群(63.6mg/dl)に比べて、3倍に増加した血中トリグリセリドレベルを示し、それに対し、比較例2、及び実施例2において調製した抽出物で処置した群は、増加したトリグリセリドに対して有意な減少効果を示し、とりわけ、HF1(120.2mg/dl)で処置した群は、その中で、アルコール誘導脂肪肝モデルにおける血中トリグリセリドの増加したレベルに対して、最も強力な減少効果を示した(図11参照)。
【0200】
【0201】
HDL‐コレステロール、及びLDL‐コレステロールレベルの結果
【0202】
図12に示すように、1%コレステロールと35%アルコールで処置したコントロール群(53.8mg/dl)は、何も処置しない正常群(55.4mg/dl)に比べて、減少した血中HDL‐コレステロールレベルを示し、それに対し、比較例2、及び実施例2において調製した抽出物で処置した群は、減少したHDLに対して有意な増加効果を示した(図12参照)。
【0203】
図13に示すように、1%コレステロールと35%アルコールで処置したコントロール群(168.7mg/dl)は、何も処置しない正常群(53.2mg/dl)に比べて、3倍以上に増加した血中LDL‐コレステロールレベルを示し、それに対し、比較例2、及び実施例2で調製した抽出物で処置した群は、図10の結果と同様に、増加したLDLに対して有意な減少効果を示し、とりわけ、HF4で処置した群(114.8mg/dl)は、その中で、アルコール誘導脂肪肝モデルにおける血中LDLの増加したレベルに対して、最も強力な減少効果を示した(図13参照)。
【0204】
上述の結果を通じて、比較例2、及び実施例2において調製した抽出物は、血清中の脂肪の蓄積を抑制する結果となる増加したコレステロール、トリグリセリド、LDL‐コレステロールのレベルに対する強力な減少効果、及び減少したHDL‐コレステロールのレベルに対する増加効果を示すことが確認された。
【0205】
【0206】
実験例4 肝臓における脂肪の含有量の変化の測定
【0207】
比較例2と比較して、脂肪肝における脂肪の含有量に対する実施例2において得られた本発明の組合せ抽出物の抑制効果を調査するために、文献(Zlatkis, A and Zak, B. Study of a new cholesterol reagent. Anal, biochem, 29, 143-148, 1969)に記載の手法で以下の実験を行った。
【0208】
3‐2に記載の方法と同様の方法を行った後、実験ラットから肝臓を取り出し、1gの肝臓切片に2mlの生理食塩水を加えた。組織をホモジェナイザーで粉砕し、3mlのCM混合溶媒(クロロホルム:メタノール=2:1)をそこに加えた。上述のステップを3回繰り返し、懸濁液を10分間3000rpmのスピードで遠心分離した。クロロホルム層を回収し、窒素ガスで溶媒を取り除いた。脂肪の酸敗を防ぐために、クロロホルムを含むトライトンX‐100をそこに加え、残りのクロロホルムを再び窒素ガスで取り除いた。全コレステロール及び、トリグリセリドのレベルをBT2000+装置(BT2000+ apparatus, SEAC Co.)を使用して測定した。
【0209】
全コレステロールレベルの結果
【0210】
図14に示すように、1%コレステロールと35%アルコールで処置したコントロール群(308.43mg/dl)は、何も処置しない正常群(139.75mg/dl)に比べて、2倍以上に増加した血中全コレステロールレベルを示し、それに対し、比較例2、及び実施例2において調製した抽出物で処置した群は、増加した全コレステロールに対して有意な減少効果を示し、とりわけ、HF2、HF3、及びHF4で処置した群(HF2:189.87mg/dl, HF3:185.54mg/dl, HF4:169.85mg/dl)は、その中で、血中全コレステロールの増加したレベルに対して、強力な減少効果を示した(図14参照)。
【0211】
全トリグリセリドレベルの結果
【0212】
図15に示すように、1%コレステロールと35%アルコールで処置したコントロール群(173.2mg/dl)は、何も処置しない正常群(63.6mg/dl)に比べて、2倍以上に増加した血中全トリグリセリドレベルを示し、それに対し、比較例2、及び実施例2において調製した抽出物で処置した群は、図14の結果と同様に、増加した全コレステロールに対して有意な減少効果を示し、とりわけ、HF2、HF3、及びHF4で処置した群(HF2:165.5mg/dl, HF3:158.1mg/dl, HF4:143.0mg/dl)は、その中で、血中トリグリセリドの増加したレベルに対して、強力な減少効果を示した(図15参照)。
【0213】
【0214】
したがって、比較例2、及び実施例2において調製した抽出物で処置した群は、その中で、肝臓における血中コレステロール、及びトリグリセリドの増加したレベルに対して強力な減少効果を示すことが確認された。
【0215】
【0216】
実験例5 肝臓組織の変化の測定
【0217】
比較例と比較して、肝臓組織の形態的変化に対する実施例2において得られた本発明の組合せ抽出物(H2、H3、及びH4)の効果を調査するために、文献(Hematoxylin and Eosin (H&E) staining, http://www.protocol-online.org)に記載の手法で以下の実験を行った。
【0218】
3‐2に記載の方法と同様の方法を行った後、肝臓を取り出し、H&E染色法(Hematoxylin and Eosin (H&E) staining, http://www.protocol-online.org)で染色を行うために、肝臓組織を10%ホルマリンで固定した。
【0219】
【0220】
肝臓の形態の変化の結果
【0221】
図16に示すように、1%コレステロールと35%アルコールで処置したコントロール群は、何も処置しない正常群に比べて、血管の周りの脂肪滴の数の増加、及び肝臓細胞の形に異常な形態を示し、それに対し、HF4で処置した群は、脂肪滴の数、及び、肝臓組織の普通の配列という点では、通常群と同様の形態を示した(図16参照)。
【0222】
したがってHF2、HF3及びHF4、とりわけHF4で処置した群は、その中で、アルコール性脂肪肝による肝臓組織の形態的な変化に対して、強力な抑制効果を示すことが確認された。
【0223】
【0224】
実験例6 HMG‐CoAの遺伝子発現の変化
【0225】
HMG‐CoA(3-ヒドロキシ3-メチルグルタリル-コエンザイムA:3-hydroxy-3-methylglutaryl-coenzyme A)還元酵素は、コレステロールの合成、及び解離(dissociation)経路の制御において重要な役割をすることが報告されており、酵素の数は、コレステロール合成を増加する結果となるアルコールの取り込みによって増加する。したがって、実施例2で得られた本発明の組合せ抽出物(HF2、HF3及びHF4)の、HMG‐CoA還元酵素の遺伝子発現の変化に対する効果を調査するために、文献(Gene C. N, Reed C. H. Selective compensatory induction of hepatic HMG-CoA reductase in response to inhibition of cholesterol absorption. Exp. Biol. Mes. 231:559-569, 2006)に記載の手法で以下の実験を行った。
【0226】
3‐2に記載の方法と同様の方法を行った後、肝臓を取り出し、肝臓組織におけるRNAを、トリゾール試薬(Gibco,BRL,USA)を使って単離した。抽出したRNA及びM−MLV逆転写酵素(Gibco,BRL,USA)を使用してcDNAを合成し、HMG‐CoA還元酵素の遺伝子に対するプライマー(Seq.#l(F): TGA GGG AAC CCT GAC ACT TA, Seq.#2(R): CTT CAA ATT TTG GGC ACT CA)を使用してRT−PCRを行った。
【0227】
【0228】
HMG‐CoAの遺伝子発現の結果
【0229】
図17に示すように、1%コレステロールと35%アルコールで処置したコントロール群(1.852)は、何も処置しない正常群(0.805)に比べて、HMG‐CoAの遺伝子発現量の増加を示し、それに対し、HF2、HF3及びHF4で処置した群(HF2:1.633, HF3:1.290, HF4:1.224)は、コントロール群に比べて、1.5倍に低下した遺伝子発現レベルを示した。
【0230】
したがって、HF2、HF3及びHF4、とりわけHF4を処置した群は、その中で、コレステロールの生産を減少する結果となる、アルコール性脂肪肝に起因する肝臓組織の遺伝子発現に対する強力な阻害効果を示すことが確認された(図17参照)。
【0231】
【0232】
実験例7 急性毒性の評価
【0233】
本発明の抽出物の毒性を調べるために、急性毒性テストをラットに行った。
【0234】
オス、メス15匹のSDラットを3の群に分け、本発明の抽出物の3つの投与量、すなわち、1g/kg、2g/kg及び5g/kgを各5匹のラットに14日間投与し、コントロール群に水を処置した。体重の変化、血液学的な解析、及び組織学的なテストのような毒性の症状を4週間観察した。
【0235】
実験の結果、本発明の抽出物を投与したラットの死亡例は無く、また、体重増加や組織学的なテストなどに有意な異常は無かった。上述の結果によれば、本発明の抽出物は、安全であることが確認された。
【0236】
【0237】
以下に製剤方法、及び賦形剤の種類を記載するが、本発明は、それに限定されるものではない。代表的な調製例を以下に記載した。
【0238】
【0239】
注射液の調製
【0240】
HF4 100mg
【0241】
メタ二亜硫酸ナトリウム(Sodium metabisulfite) 3.0mg
【0242】
メチルパラベン 0.8mg
【0243】
プロピルパラベン 0.1mg
【0244】
適量の注射用蒸留水
【0245】
注射製剤(Injection preparation)は、有効成分を溶解し、pHを約7.5に調整し、そして次に、全ての構成成分を2mlアンプルに充填し、通常の注射製剤調製方法で滅菌することにより、調製された。
【0246】
【0247】
散剤の調製
【0248】
HF3 500mg
【0249】
コーンスターチ 100mg
【0250】
ラクトース 100mg
【0251】
タルク 10mg
【0252】
散剤製剤(Powder preparation)は、上述の構成成分を混合し、密閉のパッケージに充填することにより、調製された。
【0253】
【0254】
錠剤の調製
【0255】
HF2 200mg
【0256】
コーンスターチ 100mg
【0257】
ラクトース 100mg
【0258】
適量のステアリン酸マグネシウム
【0259】
錠剤製剤(Tablet preparation)は、上述の構成成分を混合し、錠剤化することにより、調製された。
【0260】
【0261】
カプセル剤の調製
【0262】
HF1 100mg
【0263】
ラクトース 50mg
【0264】
コーンスターチ 50mg
【0265】
タルク 2mg
【0266】
適量のステアリン酸マグネシウム
【0267】
カプセル剤は、上述の構成成分を混合し、通常のゼラチン調剤法でゼラチンカプセルに充填することにより、調製された。
【0268】
【0269】
液剤の調製
【0270】
HF2 1000mg
【0271】
砂糖 20g
【0272】
多糖類 20g
【0273】
レモンフレーバー(Lemon flavor) 20g
【0274】
液体製剤(Liquid preparation)は、有効成分を溶解し、そして次に、全成分を1000mlアンプルに充填し、通常の液剤調製法で滅菌することにより、調製された。
【0275】
【0276】
健康食品の調製
【0277】
HF3 1000mg
【0278】
適量の混合ビタミン
【0279】
ビタミンAアセテート 70mg
【0280】
ビタミンE 1.0mg
【0281】
ビタミンB1 0.13mg
【0282】
ビタミンB2 0.15mg
【0283】
ビタミンB6 0.5mg
【0284】
ビタミンB12 0.2mg
【0285】
ビタミンC 10mg
【0286】
ビオチン 10mg
【0287】
ニコチン酸アミド 1.7mg
【0288】
葉酸 50mg
【0289】
カルシウムパントテン酸 0.5mg
【0290】
適量の混合ミネラル
【0291】
硫酸鉄 1.75mg
【0292】
酸化亜鉛 0.82mg
【0293】
炭酸マグネシウム 25.3mg
【0294】
リン酸一カリウム 15mg
【0295】
リン酸二カルシウム 55mg
【0296】
クエン酸カリウム 90mg
【0297】
炭酸カルシウム 100mg
【0298】
塩化マグネシウム 24.8mg
【0299】
上述の混合ビタミン、及び混合ミネラルは、多様に変化させることができる。この種の変化は本発明の精神、及び範囲からの逸脱と見なされるべきではない。
【0300】
【0301】
健康飲料の調製
【0302】
HF4 1000mg
【0303】
クエン酸 1000mg
【0304】
オリゴ糖 100g
【0305】
濃縮アンズ 2g
【0306】
タウリン 1g
【0307】
蒸留水 900ml
【0308】
健康飲料製剤(Health beverage preparation)は、有効成分を溶解し、混合し、85℃で1時間かき混ぜられ、濾過され、そして次に、全内容物を1000mlアンプルに充填し、通常の健康飲料調製法で滅菌することにより、調製された。
【0309】
上述の本発明を多様に変化させることができることは自明であろう。この種の変化は本発明の精神、及び範囲からの逸脱と見なされるべきではなく、当業者には自明な通り、これらの全ての修正は特許請求の範囲の中に含まれるべきものである。
【産業上の利用可能性】
【0310】
【0311】
本発明に係る組合せ薬草の組成物は、肝硬変、及び脂肪肝を予防、及び処置すると共に、増加したGOT、GPT、コレステロール、トリグリセリド、LDL‐コレステロールに対する強力な抑制効果、減少したHDL‐コレステロールレベルに対する増加効果も示した。
【0312】
本発明によれば、発明の組成物は、肝臓疾患の予防、及び処置に有用であり、安全で効率的な肝臓保護試薬として利用することができる。
【0313】
塩基配列表
【0314】
SEQ ID NO.1: TGA GGG AAC CCT GAC ACT TA
【0315】
SEQ ID NO.2: CTT CAA ATT TTG GGC ACT CA

【特許請求の範囲】
【請求項1】
肝臓疾患を予防及び処置する有効量の有効成分として、カワラタケ(Coriolus versicolor)とキバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)から構成される組合せ薬草(combined herbs)の抽出物を含む医薬組成物。
【請求項2】
前記医薬組成物は、カワラタケ(Coriolus versicolor)とキバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)を、各薬草の乾燥重量に基づいた混合比(w/w%)が0.1〜10:1の範囲で含む請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記薬草はさらに、肝臓疾病を予防及び処置するための請求項1に規定された組合せ薬草の他に、チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)及びカワラヨモギ(Artemisia capillaris)からなる群から選択される少なくとも一つの薬草を含む請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記医薬組成物は、カワラタケ(Coriolus versicolor)、キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)及びチョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)を、各薬草の乾燥重量に基づいた混合比(w/w%)が0.1〜10:0.1〜10:1の範囲で含む請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記医薬組成物は、カワラタケ(Coriolus versicolor)、キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)及びカワラヨモギ(Artemisia capillaris)を、各薬草の乾燥重量に基づいた混合比(w/w%)が0.1〜10:0.1〜10:1の範囲で含む請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記医薬組成物は、カワラタケ(Coriolus versicolor)、キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)、チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)及びカワラヨモギ(Artemisia capillaris)を、各薬草の乾燥重量に基づいた混合比(w/w%)が0.1〜10:0.1〜10:0.1〜10:1の範囲で含む請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記抽出物は、未精製の抽出物、低級アルコールの不溶性分画抽出物、又は非極性溶媒の可溶性抽出物から選択される請求項1又は3に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記未精製の抽出物は、蒸留水、メタノール、エタノール等のC−C低級アルコール、又はそれらの混合液に可溶性の抽出物である請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記低級アルコールの不溶性分画抽出物は、下記ステップ:
エタノール及び水の混合溶液等の低級アルコール溶液で前記未精製の抽出物を抽出し、低級アルコール可溶性分画と低級アルコール不溶性分画とに分画するステップ;及び
該低級アルコールの不溶性分画抽出物を収集するステップ、
によって調製される前記抽出物を含む請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記非極性溶媒の可溶性抽出物は、下記ステップ:
ヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン又は酢酸エチル等の非極性溶媒で前記未精製の抽出物を分画するステップ;及び
前記非極性溶媒の可溶性抽出物を収集するステップ、
によって調製される抽出物を含む請求項7に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記肝臓疾患は、脂肪肝、急性若しくは慢性肝炎、肝腫大、へパトフィマ(hepatophyma)、肝硬変、又は肝臓癌から選択される請求項1又は3に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記肝臓疾患は、脂肪肝、肝硬変、又は肝炎から選択される請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
請求項1又は3の医薬組成物を調製するための方法であって、該方法は、
適切な比率(w/w)で薬草を洗浄、乾燥及び混合し、あるいは、未精製の薬物組成物を成す段階で追加の薬草を加混合(commixing)するステップ;
該薬草を微粉砕するステップ;
該微粉砕した組成物を5〜20倍量の蒸留水、メタノール、エタノール等のアルコール、若しくはそれらの混合液で混合し、12時間〜48時間にわたって0〜室温の範囲の温度でアンフルラージュないし冷浸(enfleuraging)するか、又は、1〜24時間にわたって80〜120℃の温度で2〜5回加熱させるステップ;
減圧下に80〜120℃で前記抽出物を濾過かつ濃縮するステップ;
10〜60倍量の水で共沸蒸留による濃縮を1〜5回施し、次いで、凍結乾燥若しくは真空乾燥によって乾燥させて未精製の薬物組成物の乾燥した抽出物の形態を得るステップ、
のステップを含む。
【請求項14】
肝臓疾患を予防及び改善する有効量の有効成分として、肝細胞を保護することにより肝臓疾患の予防又は改善のためのカワラタケ(Coriolus versicolor)とキバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)から構成される組合せ薬草の抽出物を含む機能性健康食品。
【請求項15】
前記食品はカワラタケ(Coriolus versicolor)とキバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)を、各薬草の乾燥重量に基づいた混合比(w/w%)が0.1〜10:1の範囲で含む請求項14に記載の機能性健康食品。
【請求項16】
前記食品はさらに、肝臓疾病を予防及び処置するための請求項1に規定された組合せ薬草の他に、チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)及びカワラヨモギ(Artemisia capillaris)からなる群から選択される少なくとも一つの薬草を含む請求項14に記載の機能性健康食品。
【請求項17】
前記食品はカワラタケ(Coriolus versicolor)、キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)及びチョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)を、各薬草の乾燥重量に基づいた混合比(w/w%)が0.1〜10:0.1〜10:1の範囲で含む請求項16に記載の機能性健康食品。
【請求項18】
前記食品はカワラタケ(Coriolus versicolor)、キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)及びカワラヨモギ(Artemisia capillaris)を、各薬草の乾燥重量に基づいた混合比(w/w%)が0.1〜10:0.1〜10:1の範囲で含む請求項16に記載の機能性健康食品。
【請求項19】
前記食品はカワラタケ(Coriolus versicolor)、キバナオウギ(Astragalus membranaceus Bunge)、チョウセンゴミシ(Schisandra chinensis)及びカワラヨモギ(Artemisia capillaris)を、各薬草の乾燥重量に基づいた混合比(w/w%)が0.1〜10:0.1〜10:0.1〜10:1の範囲で含む請求項16に記載の機能性健康食品。
【請求項20】
前記抽出物は、未精製の抽出物、低級アルコールの不溶性分画抽出物、又は非極性溶媒の可溶性抽出物から選択される請求項14又は16に記載の機能性健康食品。
【請求項21】
前記未精製の抽出物は、蒸留水、メタノール、エタノール等のC−C低級アルコール、又はそれらの混合液に可溶性の抽出物である請求項20に記載の機能性健康食品。
【請求項22】
前記低級アルコールの不溶性分画抽出物は、下記ステップ:
エタノール及び水の混合溶液等の低級アルコール溶液で前記未精製の抽出物を抽出し、低級アルコール可溶性分画と低級アルコール不溶性分画とに分画するステップ;及び
該低級アルコール不溶性分画抽出物を収集するステップ、
によって調製される抽出物を含む請求項20に記載の機能性健康食品。
【請求項23】
前記非極性溶媒の可溶性抽出物は、下記ステップ:
ヘキサン、クロロホルム、ジクロロメタン又は酢酸エチル等の非極性溶媒で前記未精製の抽出物を分画するステップ;及び
前記非極性溶媒の可溶性抽出物を収集するステップ、
によって調製される抽出物を含む請求項20に記載の機能性健康食品。
【請求項24】
前記肝臓疾患は、脂肪肝、急性若しくは慢性肝炎、肝腫大、へパトフィマ(hepatophyma)、肝硬変、又は肝臓癌から選択される請求項14又は16に記載の機能性健康食品。
【請求項25】
前記肝臓疾患は、脂肪肝、肝硬変、又は肝炎から選択される請求項24に記載の機能性健康食品。
【請求項26】
肝臓疾患を予防及び処置するための肝保護的な薬剤としての医薬品(medicament)の調製のための請求項1又は3に規定の抽出物の使用。
【請求項27】
請求項1又は3に規定の抽出物及びそれの薬学的に許容可能なキャリア(carrier)の有効量の哺乳類への投与を含む哺乳類における肝臓疾患を処置する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2010−513473(P2010−513473A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542644(P2009−542644)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【国際出願番号】PCT/KR2007/006648
【国際公開番号】WO2008/075888
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(509173007)
【Fターム(参考)】