能動フィルタ装置及び電力変換装置
【課題】安価で且つ小型化を図る能動フィルタ装置及び電力変換装置。
【解決手段】3つの電源線1a〜1cの内の1つの電源線1bを接地相とする三相交流電源1と交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷5に供給し且つ筐体3aに接地端子を有する電力変換装置3との間に設けられ、電源線1a〜1cに流れるコモンモード電流によるノイズを低減する能動フィルタ装置であり、電源線と検出線10aとが挿通され、検出線によりコモンモード電流を1/N(N>1)の検出比で検出し、コモンモード電流検出信号を出力する電流検出手段10と、コモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅して、第1のコンデンサC1を介して接地相の電源線と接地との間に流す増幅手段11と、第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスを有し、増幅手段と略同電位の端子から、接地相の電源線又は接地に電流を流す第2のコンデンサC2とを有する。
【解決手段】3つの電源線1a〜1cの内の1つの電源線1bを接地相とする三相交流電源1と交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷5に供給し且つ筐体3aに接地端子を有する電力変換装置3との間に設けられ、電源線1a〜1cに流れるコモンモード電流によるノイズを低減する能動フィルタ装置であり、電源線と検出線10aとが挿通され、検出線によりコモンモード電流を1/N(N>1)の検出比で検出し、コモンモード電流検出信号を出力する電流検出手段10と、コモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅して、第1のコンデンサC1を介して接地相の電源線と接地との間に流す増幅手段11と、第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスを有し、増幅手段と略同電位の端子から、接地相の電源線又は接地に電流を流す第2のコンデンサC2とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換機器に設けるフィルタ装置に関し、特に、スイッチングに起因するコモンモード電流及びEMIノイズが交流系統に流れ出る量を低減するための能動フィルタ装置及び能動フィルタ装置を入力側に設けた電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力用半導体素子の特性向上に伴い、スイッチング周波数の高周波化を実現できるようになってきた。無停電電源装置や通信用電源装置に代表される電力変換装置は、高速応答や低騒音への要求、フィルタの小型化要求などからPWM制御を用いた高周波スイッチング方式が広く用いられる。
【0003】
スイッチング周波数の高周波化が進むに連れて、直流リンク部やケーブルを介して、大地に流れる高周波漏れ電流が大きくなってきている。この高周波漏れ電流は、交流系統に流れ込みノイズとなって、交流系統に接続された他の装置に対して悪影響を与え社会的な問題となってきている。例えば、無停電電源装置において特に直流側に大容量の蓄電池をフローティングで接続する場合、長くなった直流ケーブルから大きな高周波漏れ電流が流れる傾向にあり、この高周波漏れ電流が交流系統に流れ込む。
【0004】
交流系統に流出する高周波漏れ電流を低減する方法として、例えば、特許文献1に記載された能動フィルタ装置が知られている。図12は特許文献1の図17に示す従来のノイズ低減装置及び電力変換装置の構成図である。この電力変換装置は、ノイズフィルタ部51、整流平滑回路部52、電力変換回路部53、漏れ電流検出器54、増幅回路55とを備える。
【0005】
ノイズフィルタ部51は、電力変換回路部53のスイッチング素子で発生するスイッチングノイズが交流電源56側に流出するのを低減する。整流平滑回路部52は、4つのダイオードD61〜D64からなるブリッジ整流回路と、コンデンサC64とからなる。電力変換回路部53は、インバータ又はスイッチングレギュレータ等を備え、直流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換し、モータ等の負荷R60に供給する。漏れ電流検出器54は、主電源線と検出線をトロイダルコアに貫通させた零相変流器によって構成され、主電源線に流れる漏れ電流を電流の差として検出する。増幅回路55は、漏れ電流検出器54が検出した電流の差を増幅する。
【0006】
このような構成によれば、モータ等の負荷R60は、対地間容量を有し、負荷R60から漏れた漏れ電流は、負荷R60の対地間容量を介して接地ラインへと流れる。この漏れ電流は、交流電源56、ノイズフィルタ部51、漏れ電流検出器54、電力変換回路部53を経て負荷R60に戻る。
【0007】
漏れ電流検出器54は、漏れ電流(以下、コモンモード電流と称する。)を主電源線に流れる電流の差として検出し、増幅回路55は、電流の差を増幅し、コモンモード電流を相殺するための補償電流を、低周波分離コンデンサC65を介して接地ラインに供給する。
【0008】
しかし、図12に示す電力変換装置では、補償電流に対して、検出される漏れ電流が小さいため、主電源線に流れる電流の差を高い増幅率で増幅しなければならない。負荷R60の対地間容量が大きければ大きい程、コンデンサC65を介して接地ラインに流れるコモンモード電流は大きくなる。
【0009】
しかし、図12に示すフィードバック方式では、増幅回路55の増幅率を大きくすると、位相補償を正確に行わなければ、発振し易くなり、回路の動作が不安定になるという課題を有していた。
【0010】
そこで、この課題を解決したものとして、図13に示すものがある。図13は特許文献1の図1に示す従来のノイズ低減装置及び電力変換装置の他の一例の構成図である。この電力変換装置は、ノイズフィルタ部101、整流平滑回路部102、電力変換回路部103、ノイズ低減回路部104を備える。
【0011】
ノイズ低減回路部104は、零相変流器121、増幅回路122、定電圧回路123を備える。零相変流器121は、コアに巻回された主電源線と検出線の巻数比を1:1に設定し、コモンモード電流を検出比1で検出する。検出電流は零相変流器121の検出線に誘起され、増幅回路122は、検出された電流を増幅率1で増幅する。ノイズ低減回路部104は、この電流を補償電流として、コモンモード電流を相殺するためにコモンモード電流とは逆向きに、コンデンサC6を介して接地ラインに供給する。
【0012】
即ち、コモンモード電流を増幅率が1で検出し、コモンモード電流を増幅率が1で交流系統105に戻すことで、交流系統105に流出するコモンモード電流を低減できる。また、増幅回路122の増幅率が1であるので、発振等は発生しなくなる。さらに、このフィードフォワード方式では、増幅回路122を小型化できる。
【特許文献1】特開2003−174777号公報(図1、図17)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、零相変流器121(電流トランス)の検出線に対して、主電源線と同じ高周波電流を流すためには、検出線のインピーダンスを主電源線程度まで下げる必要がある。このため、電流トランスが大きくなる。
【0014】
本発明は、発生するノイズを低減し、安価で且つ小型化を図ることができる能動フィルタ装置及び電力変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、3つの電源線の内の1つの電源線を接地相とする三相交流電源と前記三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給し且つ筐体に接地端子を有する電力変換装置との間に設けられ、前記電源線に流れるコモンモード電流によるノイズを低減する能動フィルタ装置であって、前記電源線と検出線とが挿通され、前記検出線により前記コモンモード電流を1/N(N>1)の検出比で検出し、コモンモード電流検出信号を出力する電流検出手段と、前記コモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅して、第1のコンデンサを介して前記接地相の電源線と接地との間に流す増幅手段と、前記第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスを有し、前記増幅手段と略同電位の端子から、前記接地相の電源線又は接地に電流を流す第2のコンデンサとを有することを特徴とする。
【0016】
請求項2の発明は、3つの電源線の内の1つの電源線を接地相とする三相交流電源と前記三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給し且つ筐体に接地端子を有する電力変換装置との間に設けられ、前記電源線に流れるコモンモード電流によるノイズを低減する能動フィルタ装置であって、前記電源線と検出線とが挿通され、前記検出線により前記コモンモード電流を1/N(N>1)の検出比で検出し、コモンモード電流検出信号を出力する電流検出手段と、前記コモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅して、第1のコンデンサを介して前記接地相の電源線と接地との間に流す第1の増幅手段と、前記第1の増幅手段の出力と同電位を出力する第2の増幅手段と、前記第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスを有し、前記第2の増幅手段の出力から、前記接地相の電源線又は接地に電流を流す第2のコンデンサとを有することを特徴とする。
【0017】
請求項3の発明は、3つの電源線の内の1つの電源線を接地相とする三相交流電源と前記三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給し且つ筐体に接地端子を有する電力変換装置との間に設けられ、前記電源線に流れるコモンモード電流によるノイズを低減する能動フィルタ装置であって、前記電源線と検出線とが挿通され、前記検出線により前記コモンモード電流を1/N(N>1)の検出比で検出し、コモンモード電流検出信号を出力する電流検出手段と、前記電流検出手段よりも前記三相交流電源側で交流電源電圧を入力し、整流平滑して所定の直流電圧を出力する直流電源と、前記直流電源から供給される直流電圧に基づき、前記コモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅して、第1のコンデンサを介して前記接地線の電源線と接地との間に流す増幅手段と、前記第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスを有し、前記増幅手段と略同電位の端子から、前記接地相の電源線又は接地に電流を流す第2のコンデンサとを有することを特徴とする。
【0018】
請求項4の発明は、3つの電源線の内の1つの電源線を接地相とする三相交流電源と前記三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給し且つ筐体に接地端子を有する電力変換装置との間に設けられ、前記電源線に流れるコモンモード電流によるノイズを低減する能動フィルタ装置であって、前記電源線と検出線とが挿通され、前記検出線により前記コモンモード電流を1/N(N>1)の検出比で検出し、コモンモード電流検出信号を出力する電流検出手段と、前記電流検出手段よりも前記三相交流電源側で交流電源電圧を入力し、整流平滑して所定の直流電圧を出力する直流電源と、前記直流電源から供給される直流電圧に基づき、前記コモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅して、第1のコンデンサを介して前記接地線の電源線と接地との間に流す第1の増幅手段と、前記第1の増幅手段の出力と同電位を出力する第2の増幅手段と、前記第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスを有し、前記第2の増幅手段の出力から、前記接地相の電源線又は接地に電流を流す第2のコンデンサとを有することを特徴とする。
【0019】
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4記載の能動フィルタ装置において、前記直流電源の負極又は正極が前記接地相の電源線に接続されることを特徴とする。
【0020】
請求項6の発明は、三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給する電力変換装置において、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の能動フィルタ装置を入力側に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、電流検出手段がコモンモード電流を1/Nの検出比で検出し、増幅手段は、検出されたコモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅し、第1のコンデンサを介して接地相の電源線と接地との間に流し、第2のコンデンサは、第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスにより、コモンモード電流検出信号の(N−1)/Nの電流を接地相又は接地の電源線に流す。即ち、接地相の電源線又は接地には、コモンモード電流と同一値の電流が流れるので、交流系統に流出するコモンモード電流を低減できる。このため、発生するノイズを低減し、安価で且つ小型化を図ることができる。
【0022】
また、検出線に主電源線よりも細い(インピーダンスの大きい)電線を採用した場合においても、検出線に発生する電圧効果の影響を受けにくくなり、電流検出手段を小さくすることができる。また、増幅手段の入力インピーダンスも高くできるため、増幅手段も小型になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の能動フィルタ装置及び電力変換装置の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は実施例1の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。図1において、三相交流電源1と、電力変換装置3と、負荷5と、三相交流電源1及び電力変換装置3間に設けられた能動フィルタ装置7が備えられている。
【0025】
三相交流電源1には、R相用の電源線1aとS相用の電源線1bとT相用の電源線1cとが接続され、S相用の電源線1bは接地相の電源線であり、接地されている。電力変換装置3の筐体(フレーム)3aは、接地端子Eに接続されて接地されている。電力変換装置3と筐体3aとの間には、いたるところに対地間容量を有するが、これ等をまとめて、電力変換装置3のコンデンサC0の負極と接地端子Eとの間の対地間容量4で示すことにする。
【0026】
R相用,S相用,T相用電源線1a〜1cは、能動フィルタ装置7の端子R1,S1,T1のそれぞれに接続されている。能動フィルタ装置7は、電流トランス10(電流検出手段)と、NPNからなるトランジスタ11aとPNPからなるトランジスタ11bからなる増幅器11(増幅手段)と、低周波分離コンデンサC1(第1のコンデンサ)と、低周波分離コンデンサC2(第2のコンデンサ)と、直流電源Vcとを有している。なお、トランジスタ11a,11bの増幅率は、後述する検出線の巻数に対しても十分に大きいものと仮定する。トランジスタ11a,11bの増幅率が小さく、無視できない場合には、後述の図5の方式を用いる。
【0027】
電流トランス10は、トロイダルコアに主電源線であるR相用,S相用,T相用電源線1a〜1cがそれぞれ1T(ターン)巻回される(貫通される)とともに、検出線10aが例えば10T巻回されている。
【0028】
トランジスタ11aのコレクタは、直流電源Vcの正極に接続され、トランジスタ11aのベースは、トランジスタ11bのベースと検出線10aの一端と低周波分離コンデンサC1の一端に接続され、低周波分離コンデンサC1の他端は、接地相である電源線1bに接続されている。
【0029】
トランジスタ11aのエミッタは、トランジスタ11bのエミッタと検出線10aの他端と低周波分離コンデンサC2の一端に接続され、低周波分離コンデンサC2の他端は、接地相である電源線1bに接続されている。トランジスタ11bのコレクタは、直流電源Vcの負極と接地端子Eに接続されている。
【0030】
低周波分離コンデンサC2は、低周波分離コンデンサC1のアドミタンスの9倍のアドミタンスを有する。即ち、低周波分離コンデンサC2は、低周波分離コンデンサC1の容量の9倍の容量値を持つ。
【0031】
また、電流トランス10を挿通した電源線1a,1b,1cには、それぞれ対応してチョークコイルL1,L2,L3が直列に接続されている。電力変換装置3は、チョークコイルL1,L2,L3と、6個のダイオードD1〜D6と、6個のIGBTからなるスイッチング素子Q1〜Q6と、コンデンサC0とを有する。スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との直列回路の両端と、スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4との直列回路の両端と、スイッチング素子Q5とスイッチング素子Q6との直列回路の両端とは、コンデンサC0の両端及び負荷5の両端に接続されている。
【0032】
スイッチング素子Q1〜Q6のコレクタ−エミッタ間には、それぞれ対応してダイオードD1〜D6が接続されている。ダイオードD1とダイオードD2との接続点にはチョークコイルL1が接続され、ダイオードD3とダイオードD4との接続点にはチョークコイルL2が接続され、ダイオードD5とダイオードD6との接続点にはチョークコイルL3が接続されている。スイッチング素子Q1〜Q6の各々のゲート端子は、図示しない制御回路に接続され、この制御回路によりスイッチング素子Q1〜Q6のオン/オフが制御され、電力変換装置3は、三相交流電源1から供給された交流電力を所定の直流電力に変換して負荷5に供給するコンバータ(交流直流変換装置)として動作する。
【0033】
なお、電力変換装置としては、三相交流電源1から供給された交流電力を所定の交流電力に変換して負荷5に供給するインバータを用いても良い。
【0034】
図2は実施例1の能動フィルタ装置の等価回路を示す図である。図3は図13に示す従来の能動フィルタ装置の等価回路を示す図である。
【0035】
次に、図1乃至図3を参照しながら従来の能動フィルタ装置と実施例1の能動フィルタ装置との動作を比較して説明する。
【0036】
まず、図3に示す従来の構成では、1Tの電源線1a〜1cにコモンモード電流i0が流れると、1Tの検出線には、コモンモード電流i0と同一の電流i0´が流れる。アンプ部Vにより、電流i0´に等しい電流i1がコンデンサC6を介して接地線に流れる。しかし、検出線からアンプ部Vのインピーダンスを低くするのが難しいため、電流トランスが大きくなるという問題があった。
【0037】
次に、実施例1の構成では、電流トランス10において、1Tの電源線1a〜1cにコモンモード電流i0が流れると、10Tの検出線10aには、コモンモード電流の10分の1の電流i1=i0/10が流れる。
【0038】
増幅器11は、低周波分離コンデンサC1に流す電流i1を電流i0/10に等しくように電圧を制御するアンプ部V1と、アンプ部V1の電圧と同一電圧を有し、低周波分離コンデンサC1の9倍の容量を持つ低周波分離コンデンサC2に電流i2=9i1=9i0/10を流すためのアンプ部V2とを有することと等価である。
【0039】
即ち、アンプ部V1は、検出線10aで検出したコモンモード電流の10分の1の電流i0/10を増幅度1で増幅して、低周波分離コンデンサC1を介して接地相の電源線1bに流す。また、アンプ部V2は、低周波分離コンデンサC1に流れる電流i1=i0/10の9倍の電流i2=9i1=9i0/10を周波分離コンデンサC2を介して接地相の電源線1bに電流を流す。
【0040】
従って、接地相の電源線1bには、コモンモード電流i0と同一値の電流i0が流れるので、交流系統に流出するコモンモード電流を低減できる。このため、発生するノイズを低減し、安価で且つ小型化を図ることができる。
【0041】
また、検出線10aに流れる電流が小さいので、電源線1a〜1cよりも細い検出線10aを用いることができる。また、検出線10aに流れる電流が小さいため、検出線10aでの電圧降下が小さく、電流トランス10と増幅器11との物理的距離を大きくすることができる。
【0042】
また、検出線10aの巻数を増やすことで、検出線10aの出力信号レベルが大きくなるため、コモンモード電流の検出のS/N比を改善することができる。さらに、電流トランス10のコアも小さくできる。
【0043】
なお、実施例1では、電流トランス10の電源線1a〜1cと検出線10aとの巻数比を1:10としたが、これに限定されることなく、巻数比は、1:N(N>1)でも良い。
【0044】
また、コモンモード電流を低減できるので、負荷5に対して歪みの少ない電力を供給できる。
【0045】
(変形例)
図4は実施例1の変形例1の能動フィルタ装置の構成図である。図4に示す実施例1の変形例1は、図1に示す実施例1に対して、以下の点が異なる。
【0046】
直流電源Vcの負極とトランジスタ11bのコレクタとは、接地相の電源線1bに接続されている。低周波分離コンデンサC1の一端は、トランジスタ11aのベースとトランジスタ11bのベースとの接続点及び検出線20aの一端に接続され、低周波分離コンデンサC1の他端は、接地されている。低周波分離コンデンサC2の一端は、トランジスタ11aのエミッタとトランジスタ11bのエミッタとの接続点及び検出線20aの他端に接続され、低周波分離コンデンサC2の他端は、接地されている。図4では、電流トランスを20、検出線を20aとしている。図4の検出線20aは、図1の検出線10aの巻回方向と逆である。
【0047】
このように変形例1の構成によれば、実施例1の動作と同様に動作し、同様な効果が得られる。
【0048】
図5は実施例1の変形例2の能動フィルタ装置の構成図である。図5に示す変形例2は、図4に示す変形例1に対して、増幅器11(第1の増幅手段)と並列に接続された増幅器12(第2の増幅手段)を追加したことを特徴とする。
【0049】
増幅器12は、トランジスタ12aとトランジスタ12bとからなる。トランジスタ12aのベースとトランジスタ12bのベースとの接続点は、トランジスタ11aのエミッタとトランジスタ11bのエミッタとの接続点及び検出線20aの他端に接続されている。トランジスタ12aのエミッタとトランジスタ12bのエミッタとの接続点には低周波分離コンデンサC2の一端が接続され、低周波分離コンデンサC2の他端は、接地されている。
【0050】
トランジスタ11aのコレクタとトランジスタ12aのコレクタとは、直流電源Vcの正極に接続されている。トランジスタ11bのコレクタとトランジスタ12bのコレクタとは、直流電源Vcの負極及び接地相の電源線1bに接続されている。
【0051】
このような変形例2によれば、増幅器11,12を設けたので、変形例1よりも、1段目のトランジスタ11a,11bに流れる電流を少なくすることができる。このため、増幅器11,12の検出感度を向上することができる。
【0052】
また、図1に示す実施例1、図4に示す変形例1では、トランジスタ11a,11bのベースに、エミッタ電流の1/hfe倍の電流が流れるため、この電流が誤差になるおそれがあった。なお、hfeは、トランジスタ11a,11b,12a,12bの増幅率である。
【0053】
図5に示す変形例2では、1段目の増幅器11のベースに流れる電流が小さく、殆ど無視できる値になるため、誤差が発生しにくい。
【0054】
なお、図5に示す実施例1の変形例2は以下のように変更しても良い。即ち、図1に示す実施例1と同じように、低周波分離コンデンサC1,C2のそれぞれの他端を接地相の電源線1bに接続し、トランジスタ11b,12bのそれぞれのコレクタを接地しても良い。電流トランスは10、検出線は10aである。
【0055】
図6は実施例1の変形例3の能動フィルタ装置の構成図である。変形例3の能動フィルタ装置は、図1に示す実施例1の能動フィルタ装置に対して、抵抗13A,13Bと、コンデンサC3,C4とを有するバイアス回路を追加したもので、このバイアス回路は、トランジスタ11a,11bのベース−エミッタ間電圧降下分を補正する。
【0056】
抵抗13Aは、トランジスタ11aのコレクタとベースとの間に接続されている。コンデンサC3は、トランジスタ11aのベースと、検出線10aの一端及びコンデンサC1の一端との間に接続されている。抵抗13Bは、トランジスタ11bのコレクタとベースとの間に接続されている。コンデンサC4は、トランジスタ11bのベースと、検出線10aの一端及びコンデンサC1の一端との間に接続されている。
【0057】
一般的なトランジスタでは、ベース−エミッタ間にあるPN接合の障壁電圧により、ベース−エミッタ間に約1Vの電圧が印加されないと、ベース電流が流れない。
【0058】
変形例3の能動フィルタ装置によれば、トランジスタ11a,11bのベース−エミッタ間電圧降下分を補正するバイアス回路を設けたので、コンデンサの両端電圧効果を利用してベース電位をバイアスすることで不感帯をなくし、直線性に優れた増幅器が実現できる。
【実施例2】
【0059】
図7は実施例2の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。図7の検出線20aは、図1の検出線10aの巻回方向と逆である。実施例2の能動フィルタ装置7aは、電流トランス20よりも三相交流電源1側で交流電源電圧を入力し、整流平滑して所定の直流電圧を出力する直流電源(増幅器11の動作電源)としてのダイオードD7及びコンデンサC5とを設け、この直流電源の直流電圧を増幅器11に供給したものである。ダイオードD7のアノードは、R相用の電源線1aに接続され、ダイオードD7のカソードは、トランジスタ11aのコレクタとコンデンサC5の一端に接続されている。コンデンサC5の他端は、接地相の電源線1bとトランジスタ11bのコレクタに接続されている。
【0060】
また、コンデンサC1の一端は、トランジスタ11a,11bのベースに接続され、コンデンサC1の他端は、接地されている。コンデンサC2の一端は、トランジスタ11a,11bエミッタに接続され、コンデンサC2の他端は、接地されている。
【0061】
このように構成された実施例2の能動フィルタ装置によれば、ダイオードD7及びコンデンサC5とにより、R相用の電源線1aと接地相の電源線1bとの間の交流電圧の正電圧を半波整流し平滑して所定の直流電圧を増幅器11に出力して、増幅器11を動作させる。
【0062】
また、コモンモード電流i0に対して、増幅器11は、電流トランス20により1/10の検出比で検出されたコモンモード電流i0/10を増幅度1で増幅して、コンデンサC1を介して接地相の電源線1bと接地との間に流す。また、増幅器11は、コンデンサC2(=9C1)を介して電流9i0/10を接地相の電源線1bと接地との間に流す。
【0063】
従って、接地相の電源相1bには、コモンモード電流と同一値の電流が流れるので、交流系統に流出するコモンモード電流を低減できる。このため、実施例1の効果と同様な効果が得られる。また、三相交流電源1の交流電圧を用いて増幅器11を動作させる直流電源を生成できる利点がある。
【0064】
なお、図7に示す実施例2は以下のように変更しても良い。即ち、図1に示す実施例1と同じように、低周波分離コンデンサC1,C2のそれぞれの他端を接地相の電源線1bに接続し、トランジスタ11bのコレクタを接地しても良い。電流トランスは10、検出線は10aである。
【0065】
(変形例)
図8は実施例2の変形例1の能動フィルタ装置の構成図である。図8に示す実施例2の変形例1は、図7に示す実施例2に対して、さらに、図5に示す増幅器12を設けたことを特徴とする。増幅器11と増幅器12との並列接続関係及び低周波分離コンデンサC2の接地は、図5に示す実施例1の変形例2のそれらと同じである。
【0066】
このように構成された実施例2の変形例1の能動フィルタ装置によれば、実施例2の効果と実施例1の変形例2の効果が得られる。
【0067】
なお、図8に示す実施例2の変形例1は以下のように変更しても良い。即ち、図1に示す実施例1と同じように、低周波分離コンデンサC1,C2のそれぞれの他端を接地相の電源線1bに接続し、トランジスタ11b,12bのそれぞれコレクタを接地しても良い。電流トランスは10、検出線は10aである。
【実施例3】
【0068】
図9は実施例3の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。図9の検出線20aは、図1の検出線10aの巻回方向と逆である。実施例3の能動フィルタ装置7bは、図7に示す実施例2の能動フィルタ装置に対して、ダイオードD7のカソードをR相用の電源線1aに接続し、ダイオードD7のアノードをコンデンサC5の他端(負極)とトランジスタ11bのコレクタに接続し、コンデンサC5の一端(正極)を接地相の電源線1bとトランジスタ11aのコレクタに接続したものである。
【0069】
このような構成によれば、ダイオードD7及びコンデンサC5とにより、R相用の電源線1aと接地相の電源線1bとの間の交流電圧の負電圧を半波整流し平滑して所定の直流電圧を増幅器11に出力して、増幅器11を動作させる。実施例3のその他の動作は、実施例2の動作と同じであり、実施例2の効果と同様な効果が得られる。
【実施例4】
【0070】
図10は実施例4の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。図10の検出線20aは、図1の検出線10aの巻回方向と逆である。実施例4の能動フィルタ装置7cは、三相交流電源1の交流電圧の正の1/2電圧を半波整流し平滑して得られた直流電圧を増幅器11に供給したものである。
【0071】
図10において、R相用の電源線1aと接地相の電源線1bとの間には、ダイオードD7とコンデンサC6とダイオードD8とコンデンサC5との直列回路が接続されている。ダイオードD7のカソードとコンデンサC6との接続点にはトランジスタQ7のエミッタが接続され、トランジスタQ7のコレクタはトランジスタ11aのコレクタに接続されている。トランジスタQ7のベースは抵抗13Cを介してダイオードD7のアノードに接続されている。
【0072】
コンデンサC6とダイオードD8のアノードとの接続点にはダイオードD9のカソードが接続され、ダイオードD9のアノードは接地相の電源線1bとトランジスタ11bのコレクタに接続されている。ダイオードD8のカソードとコンデンサC5との接続点はトランジスタ11aのコレクタに接続されている。
【0073】
このような構成によれば、交流電圧が印加された後、正の電圧の時にはD7→C6→D8→C5の経路で電流が流れ、コンデンサC5、C6が充電される。交流電源電圧が正のピークから減少し始めると、
交流電源電圧<(C5の両端電圧+C6の両端電圧)
となり、ダイオードD7は逆バイアスされトランジスタQ7がオンとなる。この場合、C6→Q7→C5→D9の電流経路が形成される。コンデンサC5の両端電圧には交流電源電圧の正のピーク値の約1/2電圧が常時充電される。コンデンサC5の両端電圧を増幅器11の直流電源として利用できる。
【実施例5】
【0074】
図11は実施例5の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。図11の検出線20aは、図1の検出線10aの巻回方向と逆である。実施例5の能動フィルタ装置7dは、三相交流電源1の交流電圧を倍電圧整流平滑して得られた直流電圧を増幅器11に供給したものである。
【0075】
図11において、トランジスタ11aのコレクタとトランジスタ11bのコレクタとの間には、コンデンサC5とコンデンサC6との直列回路が接続されるとともに、ダイオードD7とダイオードD8との直列回路が接続されている。ダイオードD7とダイオードD8との接続点は、R相用の電源線1aに接続され、コンデンサC5とコンデンサC6との接続点は、接地相の電源線1bに接続されている。
【0076】
このような構成によれば、R相用の電源線1aの交流電圧が正電圧の場合には、電源線1aからダイオードD7、コンデンサC5を介して接地相の電源線1bに電流が流れて、コンデンサC5の両端には正の交流電圧を整流平滑した直流電圧が発生する。また、R相用の電源線1aの交流電圧が負電圧の場合には、接地相の電源線1bからコンデンサC6、ダイオードD8を介して電源線1aに電流が流れて、コンデンサC6の両端には正の交流電圧を整流平滑した直流電圧が発生する。
【0077】
このため、トランジスタ11aのコレクタとトランジスタ11bのコレクタとの間には、倍電圧整流された電圧が発生する。即ち、R相用の電源線1aと接地相の電源線1bとの間の交流電圧を倍電圧整流平滑して、接地相を固定電位とする直流電圧を生成して増幅器11に供給することができる。
【0078】
なお、本発明は実施例1乃至実施例5の能動フィルタ装置に限定されるものではない。実施例1乃至実施例5の能動フィルタ装置では、トランジスタ11a,11bのベースと接地相の電源線1bの間にコンデンサC1を接続し、トランジスタ11a,11bのエミッタと接地相の電源線1bの間にコンデンサC2(=9C1)を接続したが、例えば、トランジスタ11a,11bのベースと接地相の電源線1bの間にコンデンサC1と抵抗Ra(アドミタンスが1/R)との直列回路を接続し、トランジスタ11a,11bのエミッタと接地相の電源線1bの間にコンデンサC2(=9C1)と抵抗Rb(アドミタンスが9/R)を接続しても良い。
【0079】
また、負の1/2電圧半波整流や、1/3電圧半波整流などにより得られた直流電圧を増幅器11の電源としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、無停電電源装置や通信用電源装置に代表される電力変換装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】実施例1の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。
【図2】実施例1の能動フィルタ装置の等価回路を示す図である。
【図3】図13に示す従来の能動フィルタ装置の等価回路を示す図である。
【図4】実施例1の変形例1の能動フィルタ装置の構成図である。
【図5】実施例1の変形例2の能動フィルタ装置の構成図である。
【図6】実施例1の変形例3の能動フィルタ装置の構成図である。
【図7】実施例2の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。
【図8】実施例2の変形例1の能動フィルタ装置の構成図である。
【図9】実施例3の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。
【図10】実施例4の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。
【図11】実施例5の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。
【図12】従来のノイズ低減装置及び電力変換装置の構成図である。
【図13】従来のノイズ低減装置及び電力変換装置の他の一例の構成図である。
【符号の説明】
【0082】
1 三相交流電源
1a R相用電源線
1b S相用電源線
1c T相用電源線
3 電力変換装置
4 対地間容量
5 負荷
7,7a〜7d,7−1,7−2,7a−1 能動フィルタ装置
10,20 電流トランス
10a,20a 検出線
11a,11b,12a,12b トランジスタ
13A,13B,13C 抵抗
C1,C2 低周波分離コンデンサ
C0,C3,C4,C5,C6 コンデンサ
Q1〜Q6 スイッチング素子
Q7 トランジスタ
D1〜D9 ダイオード
L1〜L3 チョークコイル
Vc 直流電源
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換機器に設けるフィルタ装置に関し、特に、スイッチングに起因するコモンモード電流及びEMIノイズが交流系統に流れ出る量を低減するための能動フィルタ装置及び能動フィルタ装置を入力側に設けた電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力用半導体素子の特性向上に伴い、スイッチング周波数の高周波化を実現できるようになってきた。無停電電源装置や通信用電源装置に代表される電力変換装置は、高速応答や低騒音への要求、フィルタの小型化要求などからPWM制御を用いた高周波スイッチング方式が広く用いられる。
【0003】
スイッチング周波数の高周波化が進むに連れて、直流リンク部やケーブルを介して、大地に流れる高周波漏れ電流が大きくなってきている。この高周波漏れ電流は、交流系統に流れ込みノイズとなって、交流系統に接続された他の装置に対して悪影響を与え社会的な問題となってきている。例えば、無停電電源装置において特に直流側に大容量の蓄電池をフローティングで接続する場合、長くなった直流ケーブルから大きな高周波漏れ電流が流れる傾向にあり、この高周波漏れ電流が交流系統に流れ込む。
【0004】
交流系統に流出する高周波漏れ電流を低減する方法として、例えば、特許文献1に記載された能動フィルタ装置が知られている。図12は特許文献1の図17に示す従来のノイズ低減装置及び電力変換装置の構成図である。この電力変換装置は、ノイズフィルタ部51、整流平滑回路部52、電力変換回路部53、漏れ電流検出器54、増幅回路55とを備える。
【0005】
ノイズフィルタ部51は、電力変換回路部53のスイッチング素子で発生するスイッチングノイズが交流電源56側に流出するのを低減する。整流平滑回路部52は、4つのダイオードD61〜D64からなるブリッジ整流回路と、コンデンサC64とからなる。電力変換回路部53は、インバータ又はスイッチングレギュレータ等を備え、直流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換し、モータ等の負荷R60に供給する。漏れ電流検出器54は、主電源線と検出線をトロイダルコアに貫通させた零相変流器によって構成され、主電源線に流れる漏れ電流を電流の差として検出する。増幅回路55は、漏れ電流検出器54が検出した電流の差を増幅する。
【0006】
このような構成によれば、モータ等の負荷R60は、対地間容量を有し、負荷R60から漏れた漏れ電流は、負荷R60の対地間容量を介して接地ラインへと流れる。この漏れ電流は、交流電源56、ノイズフィルタ部51、漏れ電流検出器54、電力変換回路部53を経て負荷R60に戻る。
【0007】
漏れ電流検出器54は、漏れ電流(以下、コモンモード電流と称する。)を主電源線に流れる電流の差として検出し、増幅回路55は、電流の差を増幅し、コモンモード電流を相殺するための補償電流を、低周波分離コンデンサC65を介して接地ラインに供給する。
【0008】
しかし、図12に示す電力変換装置では、補償電流に対して、検出される漏れ電流が小さいため、主電源線に流れる電流の差を高い増幅率で増幅しなければならない。負荷R60の対地間容量が大きければ大きい程、コンデンサC65を介して接地ラインに流れるコモンモード電流は大きくなる。
【0009】
しかし、図12に示すフィードバック方式では、増幅回路55の増幅率を大きくすると、位相補償を正確に行わなければ、発振し易くなり、回路の動作が不安定になるという課題を有していた。
【0010】
そこで、この課題を解決したものとして、図13に示すものがある。図13は特許文献1の図1に示す従来のノイズ低減装置及び電力変換装置の他の一例の構成図である。この電力変換装置は、ノイズフィルタ部101、整流平滑回路部102、電力変換回路部103、ノイズ低減回路部104を備える。
【0011】
ノイズ低減回路部104は、零相変流器121、増幅回路122、定電圧回路123を備える。零相変流器121は、コアに巻回された主電源線と検出線の巻数比を1:1に設定し、コモンモード電流を検出比1で検出する。検出電流は零相変流器121の検出線に誘起され、増幅回路122は、検出された電流を増幅率1で増幅する。ノイズ低減回路部104は、この電流を補償電流として、コモンモード電流を相殺するためにコモンモード電流とは逆向きに、コンデンサC6を介して接地ラインに供給する。
【0012】
即ち、コモンモード電流を増幅率が1で検出し、コモンモード電流を増幅率が1で交流系統105に戻すことで、交流系統105に流出するコモンモード電流を低減できる。また、増幅回路122の増幅率が1であるので、発振等は発生しなくなる。さらに、このフィードフォワード方式では、増幅回路122を小型化できる。
【特許文献1】特開2003−174777号公報(図1、図17)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、零相変流器121(電流トランス)の検出線に対して、主電源線と同じ高周波電流を流すためには、検出線のインピーダンスを主電源線程度まで下げる必要がある。このため、電流トランスが大きくなる。
【0014】
本発明は、発生するノイズを低減し、安価で且つ小型化を図ることができる能動フィルタ装置及び電力変換装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、3つの電源線の内の1つの電源線を接地相とする三相交流電源と前記三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給し且つ筐体に接地端子を有する電力変換装置との間に設けられ、前記電源線に流れるコモンモード電流によるノイズを低減する能動フィルタ装置であって、前記電源線と検出線とが挿通され、前記検出線により前記コモンモード電流を1/N(N>1)の検出比で検出し、コモンモード電流検出信号を出力する電流検出手段と、前記コモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅して、第1のコンデンサを介して前記接地相の電源線と接地との間に流す増幅手段と、前記第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスを有し、前記増幅手段と略同電位の端子から、前記接地相の電源線又は接地に電流を流す第2のコンデンサとを有することを特徴とする。
【0016】
請求項2の発明は、3つの電源線の内の1つの電源線を接地相とする三相交流電源と前記三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給し且つ筐体に接地端子を有する電力変換装置との間に設けられ、前記電源線に流れるコモンモード電流によるノイズを低減する能動フィルタ装置であって、前記電源線と検出線とが挿通され、前記検出線により前記コモンモード電流を1/N(N>1)の検出比で検出し、コモンモード電流検出信号を出力する電流検出手段と、前記コモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅して、第1のコンデンサを介して前記接地相の電源線と接地との間に流す第1の増幅手段と、前記第1の増幅手段の出力と同電位を出力する第2の増幅手段と、前記第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスを有し、前記第2の増幅手段の出力から、前記接地相の電源線又は接地に電流を流す第2のコンデンサとを有することを特徴とする。
【0017】
請求項3の発明は、3つの電源線の内の1つの電源線を接地相とする三相交流電源と前記三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給し且つ筐体に接地端子を有する電力変換装置との間に設けられ、前記電源線に流れるコモンモード電流によるノイズを低減する能動フィルタ装置であって、前記電源線と検出線とが挿通され、前記検出線により前記コモンモード電流を1/N(N>1)の検出比で検出し、コモンモード電流検出信号を出力する電流検出手段と、前記電流検出手段よりも前記三相交流電源側で交流電源電圧を入力し、整流平滑して所定の直流電圧を出力する直流電源と、前記直流電源から供給される直流電圧に基づき、前記コモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅して、第1のコンデンサを介して前記接地線の電源線と接地との間に流す増幅手段と、前記第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスを有し、前記増幅手段と略同電位の端子から、前記接地相の電源線又は接地に電流を流す第2のコンデンサとを有することを特徴とする。
【0018】
請求項4の発明は、3つの電源線の内の1つの電源線を接地相とする三相交流電源と前記三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給し且つ筐体に接地端子を有する電力変換装置との間に設けられ、前記電源線に流れるコモンモード電流によるノイズを低減する能動フィルタ装置であって、前記電源線と検出線とが挿通され、前記検出線により前記コモンモード電流を1/N(N>1)の検出比で検出し、コモンモード電流検出信号を出力する電流検出手段と、前記電流検出手段よりも前記三相交流電源側で交流電源電圧を入力し、整流平滑して所定の直流電圧を出力する直流電源と、前記直流電源から供給される直流電圧に基づき、前記コモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅して、第1のコンデンサを介して前記接地線の電源線と接地との間に流す第1の増幅手段と、前記第1の増幅手段の出力と同電位を出力する第2の増幅手段と、前記第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスを有し、前記第2の増幅手段の出力から、前記接地相の電源線又は接地に電流を流す第2のコンデンサとを有することを特徴とする。
【0019】
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4記載の能動フィルタ装置において、前記直流電源の負極又は正極が前記接地相の電源線に接続されることを特徴とする。
【0020】
請求項6の発明は、三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給する電力変換装置において、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の能動フィルタ装置を入力側に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、電流検出手段がコモンモード電流を1/Nの検出比で検出し、増幅手段は、検出されたコモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅し、第1のコンデンサを介して接地相の電源線と接地との間に流し、第2のコンデンサは、第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスにより、コモンモード電流検出信号の(N−1)/Nの電流を接地相又は接地の電源線に流す。即ち、接地相の電源線又は接地には、コモンモード電流と同一値の電流が流れるので、交流系統に流出するコモンモード電流を低減できる。このため、発生するノイズを低減し、安価で且つ小型化を図ることができる。
【0022】
また、検出線に主電源線よりも細い(インピーダンスの大きい)電線を採用した場合においても、検出線に発生する電圧効果の影響を受けにくくなり、電流検出手段を小さくすることができる。また、増幅手段の入力インピーダンスも高くできるため、増幅手段も小型になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の能動フィルタ装置及び電力変換装置の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0024】
図1は実施例1の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。図1において、三相交流電源1と、電力変換装置3と、負荷5と、三相交流電源1及び電力変換装置3間に設けられた能動フィルタ装置7が備えられている。
【0025】
三相交流電源1には、R相用の電源線1aとS相用の電源線1bとT相用の電源線1cとが接続され、S相用の電源線1bは接地相の電源線であり、接地されている。電力変換装置3の筐体(フレーム)3aは、接地端子Eに接続されて接地されている。電力変換装置3と筐体3aとの間には、いたるところに対地間容量を有するが、これ等をまとめて、電力変換装置3のコンデンサC0の負極と接地端子Eとの間の対地間容量4で示すことにする。
【0026】
R相用,S相用,T相用電源線1a〜1cは、能動フィルタ装置7の端子R1,S1,T1のそれぞれに接続されている。能動フィルタ装置7は、電流トランス10(電流検出手段)と、NPNからなるトランジスタ11aとPNPからなるトランジスタ11bからなる増幅器11(増幅手段)と、低周波分離コンデンサC1(第1のコンデンサ)と、低周波分離コンデンサC2(第2のコンデンサ)と、直流電源Vcとを有している。なお、トランジスタ11a,11bの増幅率は、後述する検出線の巻数に対しても十分に大きいものと仮定する。トランジスタ11a,11bの増幅率が小さく、無視できない場合には、後述の図5の方式を用いる。
【0027】
電流トランス10は、トロイダルコアに主電源線であるR相用,S相用,T相用電源線1a〜1cがそれぞれ1T(ターン)巻回される(貫通される)とともに、検出線10aが例えば10T巻回されている。
【0028】
トランジスタ11aのコレクタは、直流電源Vcの正極に接続され、トランジスタ11aのベースは、トランジスタ11bのベースと検出線10aの一端と低周波分離コンデンサC1の一端に接続され、低周波分離コンデンサC1の他端は、接地相である電源線1bに接続されている。
【0029】
トランジスタ11aのエミッタは、トランジスタ11bのエミッタと検出線10aの他端と低周波分離コンデンサC2の一端に接続され、低周波分離コンデンサC2の他端は、接地相である電源線1bに接続されている。トランジスタ11bのコレクタは、直流電源Vcの負極と接地端子Eに接続されている。
【0030】
低周波分離コンデンサC2は、低周波分離コンデンサC1のアドミタンスの9倍のアドミタンスを有する。即ち、低周波分離コンデンサC2は、低周波分離コンデンサC1の容量の9倍の容量値を持つ。
【0031】
また、電流トランス10を挿通した電源線1a,1b,1cには、それぞれ対応してチョークコイルL1,L2,L3が直列に接続されている。電力変換装置3は、チョークコイルL1,L2,L3と、6個のダイオードD1〜D6と、6個のIGBTからなるスイッチング素子Q1〜Q6と、コンデンサC0とを有する。スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との直列回路の両端と、スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4との直列回路の両端と、スイッチング素子Q5とスイッチング素子Q6との直列回路の両端とは、コンデンサC0の両端及び負荷5の両端に接続されている。
【0032】
スイッチング素子Q1〜Q6のコレクタ−エミッタ間には、それぞれ対応してダイオードD1〜D6が接続されている。ダイオードD1とダイオードD2との接続点にはチョークコイルL1が接続され、ダイオードD3とダイオードD4との接続点にはチョークコイルL2が接続され、ダイオードD5とダイオードD6との接続点にはチョークコイルL3が接続されている。スイッチング素子Q1〜Q6の各々のゲート端子は、図示しない制御回路に接続され、この制御回路によりスイッチング素子Q1〜Q6のオン/オフが制御され、電力変換装置3は、三相交流電源1から供給された交流電力を所定の直流電力に変換して負荷5に供給するコンバータ(交流直流変換装置)として動作する。
【0033】
なお、電力変換装置としては、三相交流電源1から供給された交流電力を所定の交流電力に変換して負荷5に供給するインバータを用いても良い。
【0034】
図2は実施例1の能動フィルタ装置の等価回路を示す図である。図3は図13に示す従来の能動フィルタ装置の等価回路を示す図である。
【0035】
次に、図1乃至図3を参照しながら従来の能動フィルタ装置と実施例1の能動フィルタ装置との動作を比較して説明する。
【0036】
まず、図3に示す従来の構成では、1Tの電源線1a〜1cにコモンモード電流i0が流れると、1Tの検出線には、コモンモード電流i0と同一の電流i0´が流れる。アンプ部Vにより、電流i0´に等しい電流i1がコンデンサC6を介して接地線に流れる。しかし、検出線からアンプ部Vのインピーダンスを低くするのが難しいため、電流トランスが大きくなるという問題があった。
【0037】
次に、実施例1の構成では、電流トランス10において、1Tの電源線1a〜1cにコモンモード電流i0が流れると、10Tの検出線10aには、コモンモード電流の10分の1の電流i1=i0/10が流れる。
【0038】
増幅器11は、低周波分離コンデンサC1に流す電流i1を電流i0/10に等しくように電圧を制御するアンプ部V1と、アンプ部V1の電圧と同一電圧を有し、低周波分離コンデンサC1の9倍の容量を持つ低周波分離コンデンサC2に電流i2=9i1=9i0/10を流すためのアンプ部V2とを有することと等価である。
【0039】
即ち、アンプ部V1は、検出線10aで検出したコモンモード電流の10分の1の電流i0/10を増幅度1で増幅して、低周波分離コンデンサC1を介して接地相の電源線1bに流す。また、アンプ部V2は、低周波分離コンデンサC1に流れる電流i1=i0/10の9倍の電流i2=9i1=9i0/10を周波分離コンデンサC2を介して接地相の電源線1bに電流を流す。
【0040】
従って、接地相の電源線1bには、コモンモード電流i0と同一値の電流i0が流れるので、交流系統に流出するコモンモード電流を低減できる。このため、発生するノイズを低減し、安価で且つ小型化を図ることができる。
【0041】
また、検出線10aに流れる電流が小さいので、電源線1a〜1cよりも細い検出線10aを用いることができる。また、検出線10aに流れる電流が小さいため、検出線10aでの電圧降下が小さく、電流トランス10と増幅器11との物理的距離を大きくすることができる。
【0042】
また、検出線10aの巻数を増やすことで、検出線10aの出力信号レベルが大きくなるため、コモンモード電流の検出のS/N比を改善することができる。さらに、電流トランス10のコアも小さくできる。
【0043】
なお、実施例1では、電流トランス10の電源線1a〜1cと検出線10aとの巻数比を1:10としたが、これに限定されることなく、巻数比は、1:N(N>1)でも良い。
【0044】
また、コモンモード電流を低減できるので、負荷5に対して歪みの少ない電力を供給できる。
【0045】
(変形例)
図4は実施例1の変形例1の能動フィルタ装置の構成図である。図4に示す実施例1の変形例1は、図1に示す実施例1に対して、以下の点が異なる。
【0046】
直流電源Vcの負極とトランジスタ11bのコレクタとは、接地相の電源線1bに接続されている。低周波分離コンデンサC1の一端は、トランジスタ11aのベースとトランジスタ11bのベースとの接続点及び検出線20aの一端に接続され、低周波分離コンデンサC1の他端は、接地されている。低周波分離コンデンサC2の一端は、トランジスタ11aのエミッタとトランジスタ11bのエミッタとの接続点及び検出線20aの他端に接続され、低周波分離コンデンサC2の他端は、接地されている。図4では、電流トランスを20、検出線を20aとしている。図4の検出線20aは、図1の検出線10aの巻回方向と逆である。
【0047】
このように変形例1の構成によれば、実施例1の動作と同様に動作し、同様な効果が得られる。
【0048】
図5は実施例1の変形例2の能動フィルタ装置の構成図である。図5に示す変形例2は、図4に示す変形例1に対して、増幅器11(第1の増幅手段)と並列に接続された増幅器12(第2の増幅手段)を追加したことを特徴とする。
【0049】
増幅器12は、トランジスタ12aとトランジスタ12bとからなる。トランジスタ12aのベースとトランジスタ12bのベースとの接続点は、トランジスタ11aのエミッタとトランジスタ11bのエミッタとの接続点及び検出線20aの他端に接続されている。トランジスタ12aのエミッタとトランジスタ12bのエミッタとの接続点には低周波分離コンデンサC2の一端が接続され、低周波分離コンデンサC2の他端は、接地されている。
【0050】
トランジスタ11aのコレクタとトランジスタ12aのコレクタとは、直流電源Vcの正極に接続されている。トランジスタ11bのコレクタとトランジスタ12bのコレクタとは、直流電源Vcの負極及び接地相の電源線1bに接続されている。
【0051】
このような変形例2によれば、増幅器11,12を設けたので、変形例1よりも、1段目のトランジスタ11a,11bに流れる電流を少なくすることができる。このため、増幅器11,12の検出感度を向上することができる。
【0052】
また、図1に示す実施例1、図4に示す変形例1では、トランジスタ11a,11bのベースに、エミッタ電流の1/hfe倍の電流が流れるため、この電流が誤差になるおそれがあった。なお、hfeは、トランジスタ11a,11b,12a,12bの増幅率である。
【0053】
図5に示す変形例2では、1段目の増幅器11のベースに流れる電流が小さく、殆ど無視できる値になるため、誤差が発生しにくい。
【0054】
なお、図5に示す実施例1の変形例2は以下のように変更しても良い。即ち、図1に示す実施例1と同じように、低周波分離コンデンサC1,C2のそれぞれの他端を接地相の電源線1bに接続し、トランジスタ11b,12bのそれぞれのコレクタを接地しても良い。電流トランスは10、検出線は10aである。
【0055】
図6は実施例1の変形例3の能動フィルタ装置の構成図である。変形例3の能動フィルタ装置は、図1に示す実施例1の能動フィルタ装置に対して、抵抗13A,13Bと、コンデンサC3,C4とを有するバイアス回路を追加したもので、このバイアス回路は、トランジスタ11a,11bのベース−エミッタ間電圧降下分を補正する。
【0056】
抵抗13Aは、トランジスタ11aのコレクタとベースとの間に接続されている。コンデンサC3は、トランジスタ11aのベースと、検出線10aの一端及びコンデンサC1の一端との間に接続されている。抵抗13Bは、トランジスタ11bのコレクタとベースとの間に接続されている。コンデンサC4は、トランジスタ11bのベースと、検出線10aの一端及びコンデンサC1の一端との間に接続されている。
【0057】
一般的なトランジスタでは、ベース−エミッタ間にあるPN接合の障壁電圧により、ベース−エミッタ間に約1Vの電圧が印加されないと、ベース電流が流れない。
【0058】
変形例3の能動フィルタ装置によれば、トランジスタ11a,11bのベース−エミッタ間電圧降下分を補正するバイアス回路を設けたので、コンデンサの両端電圧効果を利用してベース電位をバイアスすることで不感帯をなくし、直線性に優れた増幅器が実現できる。
【実施例2】
【0059】
図7は実施例2の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。図7の検出線20aは、図1の検出線10aの巻回方向と逆である。実施例2の能動フィルタ装置7aは、電流トランス20よりも三相交流電源1側で交流電源電圧を入力し、整流平滑して所定の直流電圧を出力する直流電源(増幅器11の動作電源)としてのダイオードD7及びコンデンサC5とを設け、この直流電源の直流電圧を増幅器11に供給したものである。ダイオードD7のアノードは、R相用の電源線1aに接続され、ダイオードD7のカソードは、トランジスタ11aのコレクタとコンデンサC5の一端に接続されている。コンデンサC5の他端は、接地相の電源線1bとトランジスタ11bのコレクタに接続されている。
【0060】
また、コンデンサC1の一端は、トランジスタ11a,11bのベースに接続され、コンデンサC1の他端は、接地されている。コンデンサC2の一端は、トランジスタ11a,11bエミッタに接続され、コンデンサC2の他端は、接地されている。
【0061】
このように構成された実施例2の能動フィルタ装置によれば、ダイオードD7及びコンデンサC5とにより、R相用の電源線1aと接地相の電源線1bとの間の交流電圧の正電圧を半波整流し平滑して所定の直流電圧を増幅器11に出力して、増幅器11を動作させる。
【0062】
また、コモンモード電流i0に対して、増幅器11は、電流トランス20により1/10の検出比で検出されたコモンモード電流i0/10を増幅度1で増幅して、コンデンサC1を介して接地相の電源線1bと接地との間に流す。また、増幅器11は、コンデンサC2(=9C1)を介して電流9i0/10を接地相の電源線1bと接地との間に流す。
【0063】
従って、接地相の電源相1bには、コモンモード電流と同一値の電流が流れるので、交流系統に流出するコモンモード電流を低減できる。このため、実施例1の効果と同様な効果が得られる。また、三相交流電源1の交流電圧を用いて増幅器11を動作させる直流電源を生成できる利点がある。
【0064】
なお、図7に示す実施例2は以下のように変更しても良い。即ち、図1に示す実施例1と同じように、低周波分離コンデンサC1,C2のそれぞれの他端を接地相の電源線1bに接続し、トランジスタ11bのコレクタを接地しても良い。電流トランスは10、検出線は10aである。
【0065】
(変形例)
図8は実施例2の変形例1の能動フィルタ装置の構成図である。図8に示す実施例2の変形例1は、図7に示す実施例2に対して、さらに、図5に示す増幅器12を設けたことを特徴とする。増幅器11と増幅器12との並列接続関係及び低周波分離コンデンサC2の接地は、図5に示す実施例1の変形例2のそれらと同じである。
【0066】
このように構成された実施例2の変形例1の能動フィルタ装置によれば、実施例2の効果と実施例1の変形例2の効果が得られる。
【0067】
なお、図8に示す実施例2の変形例1は以下のように変更しても良い。即ち、図1に示す実施例1と同じように、低周波分離コンデンサC1,C2のそれぞれの他端を接地相の電源線1bに接続し、トランジスタ11b,12bのそれぞれコレクタを接地しても良い。電流トランスは10、検出線は10aである。
【実施例3】
【0068】
図9は実施例3の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。図9の検出線20aは、図1の検出線10aの巻回方向と逆である。実施例3の能動フィルタ装置7bは、図7に示す実施例2の能動フィルタ装置に対して、ダイオードD7のカソードをR相用の電源線1aに接続し、ダイオードD7のアノードをコンデンサC5の他端(負極)とトランジスタ11bのコレクタに接続し、コンデンサC5の一端(正極)を接地相の電源線1bとトランジスタ11aのコレクタに接続したものである。
【0069】
このような構成によれば、ダイオードD7及びコンデンサC5とにより、R相用の電源線1aと接地相の電源線1bとの間の交流電圧の負電圧を半波整流し平滑して所定の直流電圧を増幅器11に出力して、増幅器11を動作させる。実施例3のその他の動作は、実施例2の動作と同じであり、実施例2の効果と同様な効果が得られる。
【実施例4】
【0070】
図10は実施例4の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。図10の検出線20aは、図1の検出線10aの巻回方向と逆である。実施例4の能動フィルタ装置7cは、三相交流電源1の交流電圧の正の1/2電圧を半波整流し平滑して得られた直流電圧を増幅器11に供給したものである。
【0071】
図10において、R相用の電源線1aと接地相の電源線1bとの間には、ダイオードD7とコンデンサC6とダイオードD8とコンデンサC5との直列回路が接続されている。ダイオードD7のカソードとコンデンサC6との接続点にはトランジスタQ7のエミッタが接続され、トランジスタQ7のコレクタはトランジスタ11aのコレクタに接続されている。トランジスタQ7のベースは抵抗13Cを介してダイオードD7のアノードに接続されている。
【0072】
コンデンサC6とダイオードD8のアノードとの接続点にはダイオードD9のカソードが接続され、ダイオードD9のアノードは接地相の電源線1bとトランジスタ11bのコレクタに接続されている。ダイオードD8のカソードとコンデンサC5との接続点はトランジスタ11aのコレクタに接続されている。
【0073】
このような構成によれば、交流電圧が印加された後、正の電圧の時にはD7→C6→D8→C5の経路で電流が流れ、コンデンサC5、C6が充電される。交流電源電圧が正のピークから減少し始めると、
交流電源電圧<(C5の両端電圧+C6の両端電圧)
となり、ダイオードD7は逆バイアスされトランジスタQ7がオンとなる。この場合、C6→Q7→C5→D9の電流経路が形成される。コンデンサC5の両端電圧には交流電源電圧の正のピーク値の約1/2電圧が常時充電される。コンデンサC5の両端電圧を増幅器11の直流電源として利用できる。
【実施例5】
【0074】
図11は実施例5の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。図11の検出線20aは、図1の検出線10aの巻回方向と逆である。実施例5の能動フィルタ装置7dは、三相交流電源1の交流電圧を倍電圧整流平滑して得られた直流電圧を増幅器11に供給したものである。
【0075】
図11において、トランジスタ11aのコレクタとトランジスタ11bのコレクタとの間には、コンデンサC5とコンデンサC6との直列回路が接続されるとともに、ダイオードD7とダイオードD8との直列回路が接続されている。ダイオードD7とダイオードD8との接続点は、R相用の電源線1aに接続され、コンデンサC5とコンデンサC6との接続点は、接地相の電源線1bに接続されている。
【0076】
このような構成によれば、R相用の電源線1aの交流電圧が正電圧の場合には、電源線1aからダイオードD7、コンデンサC5を介して接地相の電源線1bに電流が流れて、コンデンサC5の両端には正の交流電圧を整流平滑した直流電圧が発生する。また、R相用の電源線1aの交流電圧が負電圧の場合には、接地相の電源線1bからコンデンサC6、ダイオードD8を介して電源線1aに電流が流れて、コンデンサC6の両端には正の交流電圧を整流平滑した直流電圧が発生する。
【0077】
このため、トランジスタ11aのコレクタとトランジスタ11bのコレクタとの間には、倍電圧整流された電圧が発生する。即ち、R相用の電源線1aと接地相の電源線1bとの間の交流電圧を倍電圧整流平滑して、接地相を固定電位とする直流電圧を生成して増幅器11に供給することができる。
【0078】
なお、本発明は実施例1乃至実施例5の能動フィルタ装置に限定されるものではない。実施例1乃至実施例5の能動フィルタ装置では、トランジスタ11a,11bのベースと接地相の電源線1bの間にコンデンサC1を接続し、トランジスタ11a,11bのエミッタと接地相の電源線1bの間にコンデンサC2(=9C1)を接続したが、例えば、トランジスタ11a,11bのベースと接地相の電源線1bの間にコンデンサC1と抵抗Ra(アドミタンスが1/R)との直列回路を接続し、トランジスタ11a,11bのエミッタと接地相の電源線1bの間にコンデンサC2(=9C1)と抵抗Rb(アドミタンスが9/R)を接続しても良い。
【0079】
また、負の1/2電圧半波整流や、1/3電圧半波整流などにより得られた直流電圧を増幅器11の電源としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、無停電電源装置や通信用電源装置に代表される電力変換装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】実施例1の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。
【図2】実施例1の能動フィルタ装置の等価回路を示す図である。
【図3】図13に示す従来の能動フィルタ装置の等価回路を示す図である。
【図4】実施例1の変形例1の能動フィルタ装置の構成図である。
【図5】実施例1の変形例2の能動フィルタ装置の構成図である。
【図6】実施例1の変形例3の能動フィルタ装置の構成図である。
【図7】実施例2の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。
【図8】実施例2の変形例1の能動フィルタ装置の構成図である。
【図9】実施例3の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。
【図10】実施例4の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。
【図11】実施例5の能動フィルタ装置及び電力変換装置の構成図である。
【図12】従来のノイズ低減装置及び電力変換装置の構成図である。
【図13】従来のノイズ低減装置及び電力変換装置の他の一例の構成図である。
【符号の説明】
【0082】
1 三相交流電源
1a R相用電源線
1b S相用電源線
1c T相用電源線
3 電力変換装置
4 対地間容量
5 負荷
7,7a〜7d,7−1,7−2,7a−1 能動フィルタ装置
10,20 電流トランス
10a,20a 検出線
11a,11b,12a,12b トランジスタ
13A,13B,13C 抵抗
C1,C2 低周波分離コンデンサ
C0,C3,C4,C5,C6 コンデンサ
Q1〜Q6 スイッチング素子
Q7 トランジスタ
D1〜D9 ダイオード
L1〜L3 チョークコイル
Vc 直流電源
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3つの電源線の内の1つの電源線を接地相とする三相交流電源と前記三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給し且つ筐体に接地端子を有する電力変換装置との間に設けられ、前記電源線に流れるコモンモード電流によるノイズを低減する能動フィルタ装置であって、
前記電源線と検出線とが挿通され、前記検出線により前記コモンモード電流を1/N(N>1)の検出比で検出し、コモンモード電流検出信号を出力する電流検出手段と、
前記コモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅して、第1のコンデンサを介して前記接地相の電源線と接地との間に流す増幅手段と、
前記第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスを有し、前記増幅手段と略同電位の端子から、前記接地相の電源線又は接地に電流を流す第2のコンデンサと、
を有することを特徴とする能動フィルタ装置。
【請求項2】
3つの電源線の内の1つの電源線を接地相とする三相交流電源と前記三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給し且つ筐体に接地端子を有する電力変換装置との間に設けられ、前記電源線に流れるコモンモード電流によるノイズを低減する能動フィルタ装置であって、
前記電源線と検出線とが挿通され、前記検出線により前記コモンモード電流を1/N(N>1)の検出比で検出し、コモンモード電流検出信号を出力する電流検出手段と、
前記コモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅して、第1のコンデンサを介して前記接地相の電源線と接地との間に流す第1の増幅手段と、
前記第1の増幅手段の出力と同電位を出力する第2の増幅手段と、
前記第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスを有し、前記第2の増幅手段の出力から、前記接地相の電源線又は接地に電流を流す第2のコンデンサと、
を有することを特徴とする能動フィルタ装置。
【請求項3】
3つの電源線の内の1つの電源線を接地相とする三相交流電源と前記三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給し且つ筐体に接地端子を有する電力変換装置との間に設けられ、前記電源線に流れるコモンモード電流によるノイズを低減する能動フィルタ装置であって、
前記電源線と検出線とが挿通され、前記検出線により前記コモンモード電流を1/N(N>1)の検出比で検出し、コモンモード電流検出信号を出力する電流検出手段と、
前記電流検出手段よりも前記三相交流電源側で交流電源電圧を入力し、整流平滑して所定の直流電圧を出力する直流電源と、
前記直流電源から供給される直流電圧に基づき、前記コモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅して、第1のコンデンサを介して前記接地線の電源線と接地との間に流す増幅手段と、
前記第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスを有し、前記増幅手段と略同電位の端子から、前記接地相の電源線又は接地に電流を流す第2のコンデンサと、
を有することを特徴とする能動フィルタ装置。
【請求項4】
3つの電源線の内の1つの電源線を接地相とする三相交流電源と前記三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給し且つ筐体に接地端子を有する電力変換装置との間に設けられ、前記電源線に流れるコモンモード電流によるノイズを低減する能動フィルタ装置であって、
前記電源線と検出線とが挿通され、前記検出線により前記コモンモード電流を1/N(N>1)の検出比で検出し、コモンモード電流検出信号を出力する電流検出手段と、
前記電流検出手段よりも前記三相交流電源側で交流電源電圧を入力し、整流平滑して所定の直流電圧を出力する直流電源と、
前記直流電源から供給される直流電圧に基づき、前記コモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅して、第1のコンデンサを介して前記接地線の電源線と接地との間に流す第1の増幅手段と、
前記第1の増幅手段の出力と同電位を出力する第2の増幅手段と、
前記第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスを有し、前記第2の増幅手段の出力から、前記接地相の電源線又は接地に電流を流す第2のコンデンサと、
を有することを特徴とする能動フィルタ装置。
【請求項5】
前記直流電源の負極又は正極が前記接地相の電源線に接続されることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の能動フィルタ装置。
【請求項6】
三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給する電力変換装置において、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の能動フィルタ装置を入力側に設けたことを特徴とする電力変換装置。
【請求項1】
3つの電源線の内の1つの電源線を接地相とする三相交流電源と前記三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給し且つ筐体に接地端子を有する電力変換装置との間に設けられ、前記電源線に流れるコモンモード電流によるノイズを低減する能動フィルタ装置であって、
前記電源線と検出線とが挿通され、前記検出線により前記コモンモード電流を1/N(N>1)の検出比で検出し、コモンモード電流検出信号を出力する電流検出手段と、
前記コモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅して、第1のコンデンサを介して前記接地相の電源線と接地との間に流す増幅手段と、
前記第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスを有し、前記増幅手段と略同電位の端子から、前記接地相の電源線又は接地に電流を流す第2のコンデンサと、
を有することを特徴とする能動フィルタ装置。
【請求項2】
3つの電源線の内の1つの電源線を接地相とする三相交流電源と前記三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給し且つ筐体に接地端子を有する電力変換装置との間に設けられ、前記電源線に流れるコモンモード電流によるノイズを低減する能動フィルタ装置であって、
前記電源線と検出線とが挿通され、前記検出線により前記コモンモード電流を1/N(N>1)の検出比で検出し、コモンモード電流検出信号を出力する電流検出手段と、
前記コモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅して、第1のコンデンサを介して前記接地相の電源線と接地との間に流す第1の増幅手段と、
前記第1の増幅手段の出力と同電位を出力する第2の増幅手段と、
前記第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスを有し、前記第2の増幅手段の出力から、前記接地相の電源線又は接地に電流を流す第2のコンデンサと、
を有することを特徴とする能動フィルタ装置。
【請求項3】
3つの電源線の内の1つの電源線を接地相とする三相交流電源と前記三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給し且つ筐体に接地端子を有する電力変換装置との間に設けられ、前記電源線に流れるコモンモード電流によるノイズを低減する能動フィルタ装置であって、
前記電源線と検出線とが挿通され、前記検出線により前記コモンモード電流を1/N(N>1)の検出比で検出し、コモンモード電流検出信号を出力する電流検出手段と、
前記電流検出手段よりも前記三相交流電源側で交流電源電圧を入力し、整流平滑して所定の直流電圧を出力する直流電源と、
前記直流電源から供給される直流電圧に基づき、前記コモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅して、第1のコンデンサを介して前記接地線の電源線と接地との間に流す増幅手段と、
前記第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスを有し、前記増幅手段と略同電位の端子から、前記接地相の電源線又は接地に電流を流す第2のコンデンサと、
を有することを特徴とする能動フィルタ装置。
【請求項4】
3つの電源線の内の1つの電源線を接地相とする三相交流電源と前記三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給し且つ筐体に接地端子を有する電力変換装置との間に設けられ、前記電源線に流れるコモンモード電流によるノイズを低減する能動フィルタ装置であって、
前記電源線と検出線とが挿通され、前記検出線により前記コモンモード電流を1/N(N>1)の検出比で検出し、コモンモード電流検出信号を出力する電流検出手段と、
前記電流検出手段よりも前記三相交流電源側で交流電源電圧を入力し、整流平滑して所定の直流電圧を出力する直流電源と、
前記直流電源から供給される直流電圧に基づき、前記コモンモード電流検出信号を増幅度1で増幅して、第1のコンデンサを介して前記接地線の電源線と接地との間に流す第1の増幅手段と、
前記第1の増幅手段の出力と同電位を出力する第2の増幅手段と、
前記第1のコンデンサの(N−1)倍のアドミタンスを有し、前記第2の増幅手段の出力から、前記接地相の電源線又は接地に電流を流す第2のコンデンサと、
を有することを特徴とする能動フィルタ装置。
【請求項5】
前記直流電源の負極又は正極が前記接地相の電源線に接続されることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の能動フィルタ装置。
【請求項6】
三相交流電源から供給された交流電力を所定の交流電力又は直流電力に変換して負荷に供給する電力変換装置において、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の能動フィルタ装置を入力側に設けたことを特徴とする電力変換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図5】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−312429(P2008−312429A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−310408(P2007−310408)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000106276)サンケン電気株式会社 (982)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000106276)サンケン電気株式会社 (982)
【Fターム(参考)】
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