説明

脂性皮膚を処理するために微生物の溶解物を用いる方法

【課題】脂性皮膚及び/又は脂性になる傾向にある皮膚を処理し及び/又は予防方法の提供。
【解決手段】Bifidobacterium species属の少なくとも1つの微生物の溶解物及び/又はその画分の有効量の、活性物質としての化粧的使用方法。Bifidobacterium longumの溶解物は、表皮の抗微生物的防御の種々のタンパク質、例えばリボヌクレアーゼ7(UnirefアクセスナンバーQ9H1E1)、ダームシジン(P81605)、プロラクチン−誘発性タンパク質(P12273)、プロテインS100A8及びA9(P05109及びP06702)、及びタンパク質ヒストン(Q5R2W0)など(これらは病原性微生物による過剰コロニー形成に対する表皮の防御を強化することができる)、の発現を刺激することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料製品及び/又は皮膚科学的製品の領域に関し、より特には脂性皮膚のケアについて意図されたそれらに関する。
【背景技術】
【0002】
特に、本発明は、特には皮脂の分泌物を減少することの効果により、脂性皮膚に関連する疾患を予防しおよび/又は処理するための新規な活性物質の使用方法を提案することを目的とする。
【0003】
皮脂は、通常は、表皮の水和剤を成す。
【0004】
それは、皮脂腺の自然の産物であり、これは毛嚢脂腺のユニットの付属物である。それは、本質的に、多かれ少なかれ脂質の複雑な混合物である。典型的には、皮脂腺は、スクアレン、トリグリセリド、脂肪族ワックス、コレステロールワックス、及びもしかすると遊離コレステロールを産生する(Stewart,M.E.,Semin Dermatol 11,100−105(1992))。バクテリアのリパーゼの作用は、形成されたさまざまな割合のトリグリセリドを遊離脂肪酸に転化する。
【0005】
脂腺細胞は、皮脂腺の機能性細胞を構成する。皮脂の産生は、この細胞の最終的な分化のプログラムに関連する。この分化の間、脂腺細胞の代謝的活動は本質的に、脂質の生合成(脂質生成)に向けられ、及びより正確には脂肪酸新生(neosynthesis)に向けられる。
【0006】
脂性の過度の脂漏性の皮膚は、皮脂の過剰な分泌及び排出により特徴付けられる。典型的には、前頭部について測定される200μg/cmより多い量の皮脂が、脂性皮膚の特徴とみなされる。そのような皮膚は、加えて、しばしば、落屑の欠損、ギラギラした顔色、厚い皮膚テクスチャー、皮膚の欠陥又は美的異常とみなされる症状と関連する。
【0007】
その見栄えの悪さの面から離れて、それは合併症が発症しうる領域である。それは、高密度の皮脂腺があるゾーンに影響し、そして、これらの特定の腺による皮脂分泌産生のアンドロゲン的過剰刺激から主に結果する。すなわち、過剰脂漏症は、尋常性ざ瘡の病変の出現にも関与しうる。
【0008】
尋常性ざ瘡は、高密度の皮脂腺を有する皮膚の領域(顔、肩の領域、腕及び間擦性の領域)を冒す多因子性の病気である。
【0009】
その最軽症型において、この皮膚病は、ほぼ全てのヒトを冒す。それは、思春期で最も一般的であるが、それは、最初に7歳〜9歳の年齢で始まり、そして、40歳超の年齢まで、現れうる。さらに、それは男性及び女性の両方を冒す。
【0010】
その最も一般的な型のうち、我々は、単一性ざ瘡(尋常性ざ瘡;acne vulgaris)、一般には尋常性ざ瘡(common acne)と呼ばれる、丘疹性ざ瘡(acne papulosa)及び/又は結節性ざ瘡(nodular acne)、集簇性ざ瘡(acne conglobata)、及び“外因性”ざ瘡、外部の炎症性因子に対する反応として現れる、を言及しうる。
【0011】
より正確には、ざ瘡は皮脂腺の毛包の病気である。以下の5つの病原的因子が、ざ瘡の構成において決定的な役割を果たす:
遺伝的素因、
皮脂の過剰産生(脂漏症)、
アンドロゲン的、
毛包角質化の疾患(面疱発生:comedogenesis)、及び
バクテリアのコロニー形成及び炎症性因子。
【0012】
実際に、毛の毛包の漏斗部の最も深い部分に、我々は、ケラチノサイトの普通より多い量の形成があることを発見する。これらの細胞は、毛包管の内腔を次第にふさぐ角細胞(horn cell)へと分化する。漏斗先端(acro-infundibulum)から表面への連続的落屑の生理学的プロセスは、該作られた角細胞の増加した付着により妨げられる。過角化の栓の形成(面疱を構成する、ざ瘡の最初の病変)がある。最終的に、3つの主な局部的なバクテリア、Staphylococcus epidermidis、Malassezia furfur及びPropionibacterium acnesが、皮脂腺の毛包中の理想的な栄養培地を発見する。環境の変化及び微生物叢の増殖のための条件の改善は、炎症促進性産物、例えばリパーゼ、プロテアーゼ及びインターロイキンなどにおける増加をもたらす。産生されたリパーゼはトリグリセリドの遊離脂肪酸への解離を引き起こし、これが、毛包上皮への刺激物として作用し、その結果過剰増殖を刺激すると考えられる。炎症プロセスの増強を促進することにより、顆粒球が引きつけられ、そして毛包の内腔へと移動し、そこでそれらは最終的に毛包の壁の酵素的破壊に寄与する。
【0013】
生じるいわゆる貯留(retention)の臨床的症状は、開いた又は閉じた面疱タイプ(小嚢胞、微小面疱、稗粒腫(whitehead))でありうる。貯留病変から結果する炎症性病変は、丘疹、膿疱、硬化した結節を伴う、膿瘍、瘻、瘢痕性状態でありうる。
【0014】
すなわち、ざ瘡を有する対象又はざ瘡ができやすい対象は、脂性皮膚、脂性の傾向がある皮膚、又は混じったものを非常にしばしば有する。彼らの皮膚は非常にしばしばギラギラしており、顔の欠陥を含む多くの欠陥(小嚢胞、微小面疱、稗粒腫、丘疹、膿疱、硬化した結節を伴う、膿瘍、瘻及び瘢痕性状態)を有する。該欠陥は、黄ばんだ皮膚、濁った顔色を伴う、色素異常症を伴う、赤み、及び、乾燥皮膚の斑を伴う荒れた皮膚も含みうる。皮膚の過角化があり、顔では毛穴が広げられ、そして皮膚はしばしば荒れ、厚い角質層が所々に乾燥皮膚の領域を示す(表皮萎縮及び穏やかな落屑)。
【0015】
従って、過剰脂漏症は明らかに、関連する皮膚疾患の発現を防ぐ為の有効な制御を必要とすると分かる生物学的現象である。
【0016】
過剰脂漏症と闘うために、種々の化合物がすでに提案されており、それは、皮膚上の局所的な施与により、脂腺細胞における脂質生成を減少することができ、そして従って皮脂の産生を限定することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
残念ながら、現在利用可能な処理は、完全には満足できるものではなく、特にはそれらがしばしば伴う副作用、例えばレチノイド及びベンゾイルパーオキシドなどのいくつかの局所的製品(topical product)による刺激など、に関して又は胃腸の副作用(経口的な抗生物質的治療)さえに関して、完全には満足できるものではない。
【0018】
それ故に、脂性皮膚又は脂性になる傾向のある皮膚に対して有益な化粧的又は治療的作用を発揮することができる新規活性物質についてのニーズがなおある。
【0019】
本発明において考えられる脂性皮膚は、ざ瘡のある(又はざ瘡的)脂性皮膚又はざ瘡のない(又は非ざ瘡的)脂性皮膚でありうる。
【0020】
また、本発明において考えられる脂性皮膚は、感染した皮膚を伴う又は伴わない脂性皮膚でありうる。
【0021】
また、脂性皮膚のエコフローラ(ecoflora)を再構築することを可能とする活性物質についてのニーズもなおある。
【0022】
また、脂性皮膚又は脂性になる傾向にある皮膚を予防し及び/又は処理する為の有効な新規組成物であって、使用において好ましく且つ快適であり、すなわち処置に従うことを促進する上記組成物についてのニーズもある。
【0023】
また、脂性皮膚の疾患、特には例えば脂漏性皮膚炎及び特にはざ瘡など、を予防し及び/又は処理することができる新規活性物質についてのニーズもある。
【0024】
本発明は、これらのニーズを満たすことの目的を有する。
【課題を解決するための手段】
【0025】
すなわち、第1の目的に従い、本発明は、脂性皮膚又は脂性になる傾向にある皮膚及び関連する疾患を処理し及び/又は予防する為に、Bifidobacterium species属の少なくとも1つの微生物の溶解物及び/又はその画分の有効量を、活性物質として化粧的に使用する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
好ましい実施態様に従い、本発明は、Bifidobacterium longum属の少なくとも1つの微生物の溶解物の使用方法に関する。
【0027】
他の実施態様に従い、本発明は、ざ瘡のある又はざ瘡のない脂性皮膚、及び好ましくはざ瘡のない脂性皮膚に関する。
【0028】
他の実施態様に従い、本発明は、ざ瘡のある又はざ瘡のない、感染していない脂性皮膚、及び好ましくはざ瘡のない、感染していない脂性皮膚に関する。
【0029】
特に、そのような皮膚は、黄ばんでおり又は濁った顔色を有し、及びもしかすると色素異常症、赤み、及び荒れた面、又は乾燥皮膚の斑を示す、皮膚を結果しうる欠陥により特徴付けられる。
【0030】
本発明者らは、実際に、該溶解物が、脂性皮膚及び/又は脂性になる傾向を有する皮膚と関連する疾患の予防及び/又は処理にとって有効であると分かることを発見した。
【0031】
本発明の意味において、「皮膚」は、顔又は体の皮膚を意味する。
【0032】
本発明の意味において、「ざ瘡のない」又は「非ざ瘡的」な脂性皮膚は、例えばホルモンの不均衡若しくは内分泌の不調、又は環境的な因子、例えば暑く且つ多湿の環境など、又は喫煙、ストレス、汚れ又は硬水に起因する、皮脂の過剰な分泌及び排出を示し、且つ、本明細書以下で定義されるざ瘡のいずれの兆候も欠いている皮膚を意味するために意図される。
【0033】
「有効量」は、本発明の意味において、期待される効果を得るために十分な量を意味する。
【0034】
本発明の意味において、語「予防する」は、問題の疾患の発現のリスクを減少することを意味する。
【0035】
本発明者らが知っている限りにおいて、Bifidobacterium species属の微生物の溶解物のこの有効性はこれまで記載されていない。
【0036】
確かに、微生物の溶解物、例えば溶解物Repair Complex CLRなど、の適用は、欧州特許出願公開第0 043 128号明細書から知られているが、皮膚細胞のDNAの修復の目的についてだけ知られている。
【0037】
しかしながら、以下の文献は、本質的に乾燥した及び/又は敏感な皮膚並びに関連する疾患の処理の目的の為であるが異なる形の溶解物による、微生物の適用を提案する。
【0038】
すなわち、文献国際公開第02/28402号パンフレットは、皮膚の過敏性の反応、例えば免疫学的プロセスから結果する炎症反応及びアレルギー反応など、の制御において、どのようにプロバイオティック微生物が有益な効果を有しうるかを記載する。乳幼児期の免疫機構、例えばアトピー性皮膚炎、に対するプロバイオティクスの効果に関する研究はまた、“Probiotics in the management of atopic eczema,Clinical and Experimental Allergy 2000”,第30巻、第1604〜1610頁においても報告されている。文献米国特許第5,756,088号明細書は、特にはポリ不飽和脂肪酸及び/又はビオチン、並びにBifidobacteriumを含み、動物の皮膚炎に対する予防的及び治療的効果を有する食事を記載する。文献欧州特許出願公開第1 609 463号明細書、欧州特許出願公開第1 642 570号明細書、欧州特許出願公開第1 731 137号明細書及び仏国特許出願公開第2 876 029号明細書は、敏感な皮膚の処理の為の、1以上のプロバイオティック微生物と無機カチオンとを一緒にした組成物を記載する。文献国際出願第PCT/FR2006/050768号に関して、それは、乾燥皮膚に関連する敏感な皮膚の処理の為の、プロバイオティック微生物とポリ不飽和脂肪酸及び/又はポリ不飽和脂肪酸のエステルとの組み合わせを提案する。
【0039】
従って、これらの文献のどれもが、脂性皮膚及び/又は脂性になる傾向を有する皮膚並びに関連する皮膚疾患の処理及び/又は予防の為に用いられうる活性物質としての、Bifidobacterium species属の微生物の適用を記載せず、そして本発明に従う溶解物の適用をなおさら記載しない。
【0040】
本発明は、Bifidobacterium species属の少なくとも1つの微生物の溶解物及び/又はその画分の有効量の、脂性皮膚又は脂性になる傾向のある皮膚に関連する脂漏性皮膚病を予防し及び/又は処理する為の活性物質としての、化粧的使用方法、好ましくは局所的経路による化粧的使用方法にも関する。
【0041】
特には、該皮膚病はざ瘡でありうる。
【0042】
他の実施態様に従い、本発明は、ざ瘡のない脂性皮膚又はざ瘡のない脂性になる傾向にある皮膚に関連する脂漏性皮膚病の予防及び/又は処置に関する。
【0043】
本発明は、上記言及された溶解物の、脂性皮膚又は脂性になる傾向のある皮膚の病変及び/又は欠陥、並びに特には開いた又は閉じた面疱タイプの貯留に起因する病変及び/又は欠陥(小嚢胞、微小面疱、稗粒腫)、例えば黄ばみ、ギラギラした皮膚又は濁った顔色、色素異常症、赤み、荒れた皮膚、乾燥皮膚の斑を伴うこれら、など、を予防し及び/又は処理する為の活性物質としての化粧的使用方法にも関する。
【0044】
特定の実施態様に従い、本発明は、脂性皮膚又は脂性になる傾向にある皮膚及び関連する疾患、例えば皮膚病、特には脂漏性タイプの皮膚病、特にはざ瘡など、を予防し及び/又は処理する為の組成物、特には皮膚科学的組成物、の調製の為の上記言及された溶解物の使用方法に関する。
【0045】
それは、特には、ざ瘡、及び特には尋常性ざ瘡、丘疹性ざ瘡及び/又は結節性ざ瘡、集簇性ざ瘡及び外因性ざ瘡の処理又は予防について意図された組成物、特には皮膚科学的組成物、の調製の為の該溶解物の使用方法に関する。
【0046】
そのような皮膚病は、菌類及び/又は酵母、及び特にはMalassezia属の酵母、の過剰増殖により引き起こされうる、良性のものであってよい。
【0047】
他の実施態様に従い、本発明は、ざ瘡のない脂性皮膚又はざ瘡のない脂性になる傾向にある皮膚、及び関連する疾患、例えばざ瘡と異なる皮膚病、特には脂漏性タイプの皮膚病、を予防し及び/又は処理する為の組成物、特には皮膚科学的組成物、の調製の為の上記言及された溶解物の使用方法に関する。
【0048】
今、実施例において提示されたデータからのとおり、本発明者らは、表皮の抗微生物的防御を促進し且つ強化することのできる驚くほど多数のタンパク質の合成を刺激するためのこれら微生物のいくつかの能力を顕著に特徴付けた。
【0049】
特に、本発明者らは、Bifidobacterium longumの溶解物が、表皮の抗微生物的防御の種々のタンパク質、例えばリボヌクレアーゼ7(Uniref アクセスナンバーQ9H1E1)、ダームシジン(P81605)、プロラクチン−誘発性タンパク質(P12273)、プロテイン S100 A8及びA9(P05109及びP06702)、及びタンパク質ヒストン(Q5R2W0)など(これらは病原性微生物による過剰コロニー形成に対する表皮の防御を強化することができる)、の発現を刺激することができることを示した。
【0050】
今、上記言及されたタンパク質のこの刺激は、脂性皮膚及び/又は脂性になる傾向を有する皮膚に関連する皮膚疾患に関与する微生物Malassezia furfur及びPropionibacterium acnesによる表皮のコロニー形成に有効に対抗することの利点を有する。それ故に、本発明に従う溶解物により得られるこの減少は、結果として生じる、皮膚の炎症状態の減少及び脂漏症の制御による、バランスの取れたエコフローラを再構築するのに役立つ。結果として、色素異常症又は乾燥の領域が無く、欠陥が減少され、顔色がより明るくなり且つより均一になる。
【0051】
本発明に従う処理は、もし該溶解物が、表皮防御の要素の刺激のその特性と、該溶解物により誘発されるコルネオデスモソームのタンパク質(DSG1(Q02413)、DSC1a(Q9HB01)、Cdsn(Q15517))の断片における増加により示されるような、落屑の現象に関与するプロテアーゼ(KLK7(P49862)、KLK5(Q9Y337)、カテプシンL2(O60911))の合成の刺激の特性とを組み合わせるならば、顔の皮膚のざ瘡及び欠陥に対してさらにより有効でありうる。面疱のケラチンの栓は次に、これらのタンパク質分解酵素の作用により速やかに除去されることができ、バクテリアの発達及び次の炎症に好ましい閉じた培地の形成を回避することができると思われる。
【0052】
本発明は、脂漏症を制御することを意図された組成物、特には皮膚科学的組成物、の調製の為に、本発明に従う溶解物を使用する方法にも関する。
【0053】
それはさらに、皮膚のホメオスタシスを維持し及び/又は回復することを意図された、Bifidobacterium species属の少なくとも1つの微生物の溶解物及び/又はその画分の有効量の、活性物質としての化粧的使用方法に関する。
【0054】
さらに、本発明に従う使用方法は、Bifidobacterium species属の少なくとも1つの微生物の溶解物の、該溶解物と異なる、少なくとも1つの追加の、特にはプロバイオティック微生物の有効量と一緒の施与を含みうる。
【0055】
本発明の意味において、表現「該溶解物と異なる」は、2つの異なる微生物又は同一の微生物の2つの異なる形のいずれかを、該組成物内において、区別することが可能であることを意味する。すなわち、該追加の微生物が、Bifidobacterium species属であり且つ本発明に従い要求される溶解物中に存在する種と同じ種である場合、該追加の微生物は、次に、溶解物以外の形、例えば生存形態、で存在する。
【0056】
さらに、本発明に従う使用方法は、特には以下で記載されるとおりの、皮脂の過剰分泌を減少し及び/又は修正するために意図された少なくとも1つの活性物質、例えば抗脂漏症活性物質、の有効量と一緒に、Bifidobacterium species属の少なくとも1つの微生物の溶解物の施与を含む。
【0057】
その局面の他に従い、本発明は、脂性皮膚又は脂性になる傾向のある皮膚及び関連する審美的疾患を予防し及び/又は処理する為に用いられうる化粧料組成物及び/又は皮膚科学的組成物であって、生理学的に許容できる媒体中に、Bifidobacterium species属の少なくとも1つの微生物の、有効量の少なくとも1つの溶解物を、特には以下で記載されるとおりの、少なくとも1つの抗脂漏症活性物質と一緒に含む上記組成物に関する。
【0058】
その局面の他に従い、本発明は、対象における脂性皮膚又は脂性になる傾向にある皮膚及び関連する、特には審美的な、皮膚疾患を予防し及び/又は処理する為の方法、特には化粧的方法、であって、該対象にBifidobacterium species属の少なくとも1つの微生物の溶解物又はその画分の有効量の投与の少なくとも1つの段階を含む上記方法に関する。
【0059】
本発明の変形の実施態様に従い、本発明に従う溶解物は、経口的な経路により施与されうる。
【0060】
本発明の他の変形の実施態様に従い、本発明に従う溶解物は、局所的な経路により施与されうる。
【0061】
以下に記載されるように、それを含む組成物は、採用される投与の方法に適合するように処方される。
【0062】
微生物の溶解物
【0063】
前に述べられたとおり、本発明に従う活性物質として用いられるBifidobacterium species属の微生物は、溶解物の形で用いられる。
【0064】
溶解物は一般に、細胞溶解と呼ばれる現象(すなわち問題の微生物の細胞中に天然に含まれる細胞内生物学的成分の放出を引き起こす)による生物学的細胞の破壊又は溶解の後に得られる物質を意味する。
【0065】
本発明の意味において、語「溶解物」は、区別無く、問題の微生物の溶解により得られる溶解物の全て又はその画分だけを意味するために用いられる。
【0066】
すなわち、本発明は、Bifidobacterium speciesの溶解物及び/又はその画分の施与に関する。
【0067】
それ故に、用いられる溶解物は、細胞内生物学的成分並びに細胞壁及び細胞膜の成分から全体的に又は部分的に形成される。
【0068】
より正確には、それは、乳酸デヒドロゲナーゼ、ホスファターゼ、ホスホケトラーゼ、トランスアルドラーゼなどの酵素及び代謝産物を含む細胞の細胞質画分を含む。説明の目的のために、細胞壁の成分は、特にはペプチドグリカン、ムレイン又はムコペプチド及びテイコ酸であり、そして、細胞壁の成分はグリセロリン脂質から構成される。
【0069】
この細胞溶解は種々の技術、例えば浸透圧のショック、熱的ショック、超音波による、又は遠心などの機械的ストレス下など、により実施されうる。
【0070】
好ましい実施態様に従い、該溶解物は、超音波による溶解により得られる。
【0071】
より特には、該溶解物は、米国特許第4,464,362号明細書において記載された技術に従い、及び特には以下のプロトコルに従い得られうる。
【0072】
考えられるBifidobacterium speciesタイプの微生物は、例えば文献米国特許第4,464,362号明細書及び欧州特許出願公開第0 043 128号明細書において記載された条件に従い、適当な培養培地中で嫌気的に培養される。発達の静止期が達せられたとき、該培養培地は、例えば60〜65℃の温度で30分間、滅菌により不活化されうる。該微生物は、次に、慣用の分離技術、例えば膜ろ過、遠心及び滅菌された生理的NaCl溶液中への再懸濁、により収集される。該溶解物は、その細胞質画分、細胞壁の断片及び代謝から結果する産物を放出する為に、該培地の超音波的崩壊により得られうる。次に、それらの自然の分布にある全ての成分が、弱酸性の水性溶液中に安定化される。
【0073】
このように、溶解物は一般に、その合計重量に対し0.1〜50重量%、特には1〜20重量%、特には約5重量%のオーダーの濃度の活性物質を有する。
【0074】
該溶解物は、種々の形で、溶液の形で又は粉状の形で用いられうる。
【0075】
Bifidobacterium species属に属する微生物は、より特には、種:Bifidobacterium longum、Bifidobacterium bifidum、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium animalis、Bifidobacterium lactis、Bifidobacterium infantis、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium pseudocatenulatum及びそれらの混合物から選ばれる。
【0076】
種Bifidobacterium longumは、本発明にとってきわめて特に適当である。
【0077】
それは有利に、INCI名:Bifidat ferment Lysate下で、EINECS名:Bifidobacterium longum下で、EINECS番号:No.306−168−4下で、及びCAS番号:No.96507−89−0下で登録された溶解物でありうる。
【0078】
会社K.RICHTER GmbHにより名称Repair Complex CLR(商標)下で市販され且つBifidobacterium longum種の不活化溶解物をなす製品は、本発明の範囲内に入る。
【0079】
溶解物を形成し且つBifidobacterium species属に属する活性物質は、それを含有するキャリアの合計重量又は組成物の合計重量に対し、活性物質の乾燥重量の少なくとも0.0001%(乾燥重量で表される)の割合で、特には0.001〜20%の割合で、より特には0.01〜2%の割合で組成物中に処方されうる。
【0080】
本発明に従う局所的経路の為の溶解物含有量は、それを含有する組成物の全重量に対し、0.0001〜30重量%、特には0.01〜15重量%、及び特には0.1〜10重量%でありうる。
【0081】
該溶解物が経口投与のために意図される特定の場合、溶解物の濃度は、5.10〜1013CFU/d及び特には10〜1011CFU/dの用量(微生物の当量で表される)に相当するように調節されうる。
【0082】
本発明の変形に従い、本発明に適する溶解物は、少なくとも1つの他の微生物と一緒に用いられる。
【0083】
すなわち、本発明は、Bifidobacterium species属の微生物に加えて、該溶解物と異なる、少なくとも有効量の少なくとも1つの追加の微生物、特にはプロバイオティックタイプの微生物、及び/又はその画分の使用方法に関する。
【0084】
本発明の意味において、「プロバイオティック微生物」は、それが適切な量で消費されたときに、その宿主の健康に対してプラスの効果を有し"Joint FAO/WHO Expert Consultation on Evaluation of Health and Nutritional Properties of Probiotic in Food Including Powder Milk with Live Lactic Acid Bacteria,6 October 2001"、且つ腸の微生物のバランスを特に改善することができる生きている微生物を意味する。
【0085】
本発明にとって適当なこれら微生物は、子嚢菌類、例えばSaccharomyces、Yarrowia、Kluyveromyces、Torulaspora、Schizosaccharomyces pombe、Debaryomyces、Candida、Pichia、Aspergillus及びPenicilliumなど、Bacteroides、Fusobacterium、Melissococcus、Propionibacterium、Enterococcus、Lactococcus、Staphylococcus、Peptostreptococcus、Bacillus、Pediococcus、Micrococcus、Leuconostoc、Weissella、Aerococcus、Oenococcus、Lactobacillusの属のバクテリア、及びそれらの混合物から特に選ばれうる。
【0086】
本発明にとってきわめて特に適当な子嚢菌類として、我々は、特にYarrowia lipolytica及びKluyveromyces lactis、並びにSaccharomyces cerevisiae、Torulaspora、Schizosaccharomyces pombe、Candida及びPichiaを言及しうる。
【0087】
追加のプロバイオティック微生物の特定の例は、Lactobaciilus acidophilus、Lactobacillus alimentarius、Lactobacillus curvatus、Lactobacillus delbrueckii subsp. Lactis、Lactobacillus gasseri、Lactobacillus johnsonii、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus rhamnosus(Lactobacillus GG)、Lactobacillus sake、Lactococcus lactis、Streptococcus thermophilus、Staphylococcus carnosus、及びStaphylococcus xylosus、及びそれらの混合物である。
【0088】
より特には、それらは、乳酸バクテリア、例えば特にはLactobacillusなど、の群からのプロバイオティック微生物である。
【0089】
これらの乳酸バクテリアの例として、我々は、より特には、Lactobacillus johnsonii、Lactobacillus paracasei、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus rhamnosus、及びそれらの混合物を言及しうる。
【0090】
きわめて特に適当である種は、Lactobacillus johnsoniiであり、特には、以下の番号CNCMI−1225下で、Institute Pasteur(28 rue du Docteur Roux,F−75024 Paris cedex 15)によるブタペスト条約に従い寄託された株である。
【0091】
一般に、本発明に従う局所的適用のための組成物は、一般的に、0.0001〜30%、特には0.001〜15%、より特には0.1〜10%の1以上の追加の微生物、特にはプロバイオティック微生物、を含む。
【0092】
これ又はこれらの微生物は、本発明に従う組成物中において、生きている形で、半活動的な形で、又は、不活化され、死んだ形で、含まれうる。
【0093】
該微生物が、組成物中に生きている形で処方される場合、生きている微生物の量は、組成物のグラム当たり10〜1015CFU/g、特には10〜1015CFU/g、より特には10〜1012CFU/gの微生物でありうる。
【0094】
該微生物が、経口経路による投与のための組成物中に処方される特定の場合、微生物、特にはプロバイオティック微生物、の濃度は、5・10〜1013CFU/d及び特には10〜1011CFU/dの用量(微生物の当量で表される)に相当するように調節されうる。
【0095】
それ(それら)は、細胞成分の画分の形でも含まれうる。微生物又は画分は、希釈された若しくは希釈されていない、又は濃厚にされた若しくは濃厚にされていない、それらの粉、液体、培養上清、又は画分の形でも導入されうる。
【0096】
1の変形に従い、該組成物は、二価無機カチオンも含みうる。
【0097】
活性物質
【0098】
考えられる投与方法がどのようなものであれ、本発明の溶解物は有利に、少なくとも1つの他の活性物質と一緒にされうる。
【0099】
すなわち、本発明に従う局所的又は経口的な組成物は少なくとも1つの抗脂漏症活性物質をさらに含みうる。
【0100】
そのような処方物は有利に、本発明の溶解物の有益な効果を増幅することを可能にする。
【0101】
「抗脂漏症活性物質」は、皮脂腺の活動を制御することができる化合物を意味する。
【0102】
本発明にとって適当な抗脂漏症活症物質は特には、レチノイン酸、ベンゾイルパーオキシド、硫黄、ビタミンB6(又はピリドキシン)、塩化セレン、サムファイア;シナモンの抽出物、茶の抽出物、及びオクタノイルグリシンの混合物、例えばSeppicからのSepicontrol A5 TEA(商標)など;特には商品名称Sepicontrol A5(商標)下で会社SEPPICにより市販される、シナモンの、サルコシンの、及びオクタノイルグリシンの混合物;亜鉛塩、例えばグルコン酸亜鉛、亜鉛ピロリドンカルボキシレート(又は亜鉛ピドレート(zinc pidolate))、乳酸亜鉛、アスパラギン酸亜鉛、カルボン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、システイン酸亜鉛など;銅の誘導体及び特には銅ピドレート、例えばSolabiaからのCuivridone(商標)など;種Arnica montana、Cinchona succirubra、Eugenia caryophyllata、Humulus lupulus、Hypericum perforatum、Mentha piperita、Rosmarinus officinalis、Salvia officinalis及びThymus vulgarisの植物の抽出物、全て例えば会社MARUZENにより市販されている;シモツケソウ(Spiraea ulamaria)の抽出物、例えば会社Silabにより名称Sebonormine(商標)下で販売されるものなど;藻類Laminaria saccharinaの抽出物、例えば会社Biotechmarineにより名称Phlorogine(商標)下で販売されるものなど;ワレモコウ(Sanguisorba officinalis/Poterium officinale)の根(burnet roots)の抽出物の、ショウガ根茎(Zingiber officinalis)の、及び桂皮(Cinnamomum cassia)の混合物、例えば会社Solabiaにより名称Sebustop(商標)下で販売されるものなど;会社Lucas Meyerにより名称Linumine(商標)下で販売されるような亜麻仁抽出物;Phellodendronの抽出物、例えば会社Maruzenにより名称Phellodendron抽出物BG下で又は会社Ichimaru Pharcosにより名称Oubaku liquid B下で販売されるものなど;アルガンオイル、Serenoa serrulata(ソー・パルメット)の抽出物、及びゴマ種子抽出物の混合物、例えば、会社Pentapharmにより名称Regu SEB(商標)下で販売されるものなど;エピローブ(epilobe)の抽出物、Terminalia chebulaの、ナスターチウムの、及び生物学的に利用可能な亜鉛(微細藻類)の混合物、例えば会社Green Techにより名称Seborilys(商標)下で販売されるものなど;Pygeum afrianumの抽出物、例えば会社Euromedにより名称Pygeum afrianum sterolic lipid extract下で販売されるものなど;Serenoa serrulataの抽出物、例えば会社Actives Internationalにより名称Viapure Sabal下で販売されるそれら又は会社Eruromedにより販売されるそれらなど;プランテイン(plantain)の抽出物、Berberis aquifoliumの及びサリチル酸ナトリウムの混合物、例えば会社Rahnにより名称Seboclear(商標)下で販売されるものなど;クローブ抽出物、例えば例えば会社Maruzenにより名称Clove extract Powder下で販売されるものなど;アルガンオイル、例えばLaboratoires Serobiologiquesにより名称Lipofructyl(商標)下で販売されるものなど;乳のタンパク質のろ過物、例えば会社Sedermaにより名称Normaseb(商標)下で販売されるものなど;藻類Laminariaの抽出物、例えば会社Biotechmarineにより名称Laminarghane(商標)下で販売されるものなど;藻類Laminaria digitataのオリゴ糖、例えば会社Codifにより名称Phycosaccharide AC下で販売されるものなど;甘蔗糖の抽出物、例えば会社Sabinsaにより名称Policosanol(商標)下で市販されるものなど;スルホン化シェール油、例えば会社Ichthyolにより名称Ichtyol Pale(商標)下で販売されるものなど;シモツケソウ(Spiraea ulmaria)の抽出物、例えば会社Libiolにより名称Cytobiol(商標) Ulmaire下で販売されるものなど;セバシン酸、特には会社Sedermaにより名称Sebosoft(商標)下でポリアクリル酸ナトリウムのゲルの形で販売されるセバシン酸;コンニャク塊茎から抽出され且つアルキルスルホネート鎖により修飾されたグルコマンナン、例えば会社Arch Chemicalにより名称Biopol Beta下で販売されるものなど;Sophora angustifoliaの抽出物、例えば会社Biolandにより名称Sophora powder又はSophora extract下で販売されるそれらなど;Cinchona succirubra皮の抽出物、例えば会社Alban Mullerにより名称Red bark HS下で販売されるものなど;Quillaja saponariaの抽出物、例えば会社Alban Mullerにより名称Panama wood HS下で販売されるものなど;ウンデシレン鎖にグラフト化されたグリシン、例えば会社Seppicにより名称Lipacide UG OR下で販売されるものなど;オレアノール酸及びノルジヒドログアイヤレチック酸の混合物、例えば会社Sedermaにより名称AC.Net下でゲルの形で販売されるものなど;フタルイミドパーオキシヘキサン酸;会社Sasolにより名称COSMACOL(商標)ECI下で販売されるクエン酸トリアルキル(C1213);会社Sasolにより名称COSMACOL(商標)ECL下で販売されるクエン酸トリアルキル(C1415);10−ヒドロキシデカン酸、及び特には10−ヒドロキシデカン酸、セバシン酸及び1,10−デカンジオールの混合物、例えば会社Vincienceにより名称Acnacidol(商標)BG下で販売されるものなど;並びにそれらの混合物から選ばれうる。
【0103】
抗脂漏症活性物質は例えば、該組成物の全重量に対し、0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.5〜3重量%の含有量で存在する。
【0104】
この抗脂漏症活性物質に加えて、本発明に従う組成物は、一般的に用いられ且つ/又は容認されるいくつかの他の活性物質も含みうる。
【0105】
慣用的に用いられる活性物質として、我々は、植物由来のビタミンB3、B5、B6、B8、C、D、E又はPP、ナイアシン、カロテノイド、ポリフェノール、ミネラル、及び微量元素、フィトエストロゲン、タンパク質及びアミノ酸、モノサッカライド及びポリサッカライド、アミノ糖、フィトステロール及びトリテルペンアルコールを言及しうる。
【0106】
特に採用されるミネラル及び微量元素は、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、銅、鉄、ヨウ素、マンガン、セレニウム、クロム(III)である。
【0107】
ポリフェノールのうち、グレープ、茶、オリーブ、ココア、コーヒー、リンゴ、ビルベリー、ニワトコ、ストロベリー、クランベリー、及びタマネギからのポリフェノールもまた、特に用いられる。好ましくは、フィトエストロゲンのうち、遊離の形にある又はグリコシル化されたイソフラボン、例えばゲニステイン、ダイゼイン、グリシテイン又はリグナンなど、特には亜麻から又はschizandra chinensisからのそれらなど、が用いられる。
【0108】
アミノ酸又はそれらを含むペプチド及びタンパク質、例えばタウリン、スレオニン、システイン、トリプトファン、メチオニンなど。脂質は、好ましくはモノ不飽和及びポリ不飽和脂肪酸を含む油、例えばオレイン酸、リノール酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、ステアリドン酸、長鎖オメガ−3魚脂肪酸、例えばEPA及びDHAなど、植物又は動物から得られる複合化脂肪酸、例えばCLA(複合化リノール酸)など、の群に属する。
【0109】
特に、ビタミンC及びEと、少なくとも1つのカロテノイド、特にはβ−カロテン、リコペン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン及びルテインから選ばれるカロテノイド、フラボノイド、例えばカテキン、ヘスペリジン、プロアントシアニジン及びアントシアニンなど、リポ酸及びコエンザイムQ10とを含む抗酸化剤複合物を用いることもできる。
【0110】
追加の活性物質は、少なくとも1つのプレバイオティック又はプレバイオティックの混合物でもありうる。より特には、これらのプレバイオティックは、オリゴ糖、例えば、グルコース、ガラクトース、キシロース、マルトース、スクロース、ラクトース、デンプン、キシラン、ヘミセルロース、イヌリン、アカシアタイプのゴム、又はそれらの混合物から出発して作られるオリゴ糖、から選ばれうる。
【0111】
より特には、該オリゴ糖は、少なくとも1つのフルクトオリゴ糖を含む。より特には、該プレバイオティックは、フルクトオリゴ糖及びイヌリンの混合物を含みうる。
【0112】
局所的な製剤形態(galenical form)において、より特には、親水的な活性物質として、タンパク質又はタンパク質加水分解物、アミノ酸、ポリオール、特にはC〜C10のポリオール、例えばグリセロール、ソルビトール、ブチレングリコール及びポリエチレングリコールなど、尿素、アラントイン、糖及び糖誘導体、水溶性ビタミン、デンプン、バクテリア抽出物又は植物抽出物、例えばアロエベラからのそれらなど、を用いることが可能である。
【0113】
親油性活性物質に関して、レチノール(ビタミンA)及びその誘導体、トコフェロール(ビタミンE)及びその誘導体、セラミド、精油及び非けん化性油(トコトリエノール、セサミン、γオリザノール、フィトステロール、スクアレン、ワックス、テルペン)を使用することが可能である。
【0114】
製品は、
落屑に対して直接に作用し、剥離を促進することができる活性物質、例えばβ−ヒドロキシ酸、特にはサリチル酸及びその誘導体(n−オクタノイル−5−サリチル酸);α−ヒドロキシ酸、例えばグリコール酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸又はマンデル酸など;尿素及びその誘導体のいくつか;ゲンチシン酸;オリゴフコース;桂皮酸;ニ酸;Saphora japonicaの抽出物;レスベラトロール;界面活性剤及びジャスモン酸のいくつかの誘導体;など、
及び/又はコルネオデスモソームの分解に関与する酵素の活性に対し作用することができる活性物質、例えば角質層キモトリプシン的酵素(SCCE)又は他のプロテアーゼ(トリプシン様、キモトリプシン様、カテプシンD)さえ並びに他のカテゴリーのヒドロラーゼ(例えばグリコシダーゼ、セラミダーゼ)など、
と、有利に一緒にされることもできる。我々は、無機塩のキレート剤:EDTA;N−アシル−N,N',N'−エチレンジアミントリ酢酸;アミノスルホン化合物及び特には(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N−2−エタン)スルホン酸(HEPES);2−オキソチアゾリジン−4−カルボン酸の誘導体(プロシステイン);グリシンタイプのαアミノ酸の誘導体(例えば欧州特許出願公開第0 852 949号明細書において記載されるもの、並びに商品名TRILON M下でBASFにより市販されるメチルグリシンニ酢酸ナトリウムなど);ハチミツ;糖誘導体、例えばO−オクタノイル−6−D−マルトース及びN−アセチルグルコサミンなど;尿素又はその誘導体のいくつか、例えばHydrovance;C−グリコシドの誘導体、を言及しうる。
【0115】
製剤形態(galenical form)
【0116】
本発明に従う組成物は、採用される投与方法にとって普通に利用可能な全ての製剤形態でありうる。
【0117】
キャリアは、考えられる組成物のタイプに依存した種々の性質のものでありうる。局所的投与について意図される組成物は、水性溶液、水性−アルコール性溶液又は油性溶液、溶液タイプの分散物又はローションタイプ若しくはセラムタイプの分散物、乳液タイプの液体又は半液体の粘稠性のエマルジョン、水性相中の油相(O/W)又は反対(W/O)の分散物により得られる、又は、柔らかい、半固体又は固体の粘稠性の懸濁物又はエマルジョン、クリームタイプの懸濁物又はエマルジョン、水性ゲル又は無水ゲル、又は、イオン性タイプ又は非イオン性タイプのミクロエマルジョン、ミクロカプセル、ミクロパーティクル、又は小胞分散物でありうる。
【0118】
これらの組成物は、通常の方法に従い調製される。
【0119】
これらの組成物は特には、顔のため、手のため、足のため、大きな解剖学的しわのため又は体のための洗浄、ピーリング、処理又はケアのためのクリーム(例えばデイクリーム(day cream)、ナイトクリーム、メイクアップ除去クリーム、ファンデーションクリーム、サンクリーム(sun cream))、メイクアップ製品、例えばリキッドファンデーション、メイクアップ除去ミルク、プロテクション又はケアのためのボディミルク、日焼け後ミルクなど;皮膚のケアのためのローション、ジェル又はムース、例えば洗浄のため若しくは殺菌のためのローション、サンローション(sun lotion)、人工タンニングローション、入浴の為の組成物、殺バクテリア剤を含むデオドラント組成物、アフターシェーブジェル若しくはローション、脱毛クリーム、又は虫刺されに対する組成物を構成しうる。
【0120】
本発明に従う組成物は、せっけん又はクリーニングバー(cleaning bar)の構成成分としての固体調製物からも構成されうる。
【0121】
本発明の組成物がエマルジョンである場合、脂肪相の割合は、該組成物の全重量に対し、5〜80重量%、好ましくは5〜50重量%でありうる。エマルジョンの形の該組成物において用いられる油、乳化剤及び共乳化剤(co-emulsifier)は、化粧品及び/又は皮膚科学の領域において典型的に用いられるそれらから選択される。該乳化剤及び共乳化剤は、該組成物中に、該組成物の全重量に対し0.3〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%の割合で含まれうる。
【0122】
本発明の組成物が溶液又は油状のゲルである場合、油相は、該組成物の全重量の90%超を表しうる。
【0123】
知られているとおり、局所的投与について意図される製剤形態は、化粧品分野、医薬分野及び/又は皮膚科学分野において通常である添加物、例えば親水性若しくは親油性ゲル化剤、親水性若しくは親油性活性物質、保存料、抗酸化剤、溶剤、香料、フィラー、フィルター、殺バクテリア剤、匂い吸収剤及び着色材など、も含みうる。これらの種々の添加物の量は、問題の分野において典型的に用いられる量、例えば該組成物の全重量の0.01〜20%、である。それらの性質に依存して、これらの添加物は、脂肪相中に及び/又は水性相中に導入されうる。
【0124】
本発明における使用のための脂肪にとして、我々は、ミネラルオイル、例えば水素化ポリイソブテン及びワセリン油、植物油、例えばシアバターの液体画分、ヒマワリ油及びアプリコット アーモンド油、動物油、例えばパーヒドロスクアレン、合成油、特にはpurcelline油、イソプロピルミリステート及びエチルヘキシルパルミテート、不飽和脂肪酸及びフッ化油、例えばパーフルオロポリエーテル、を言及しうる。脂肪アルコール、脂肪酸、例えばステアリン酸及び例えばワックス、特にはパラフィンワックス、カルナウバワックス及びビーズワックス、を使用することも可能である。シリコーン化合物、例えばシリコーン油及び例えばシクロメチコン及びジメチコンなど、ワックス、樹脂及びシリコーンゴムを用いることも可能である。
【0125】
本発明において用いられうる乳化剤として、我々は例えば、グリセロールステアレート、ポリソルベート60、会社HENKELにより名称Sinnowax AO(商標)下で販売される、セチルステアリルアルコール/33モルのエチレンオキシドによりエトキシル化されたセチルステアリルアルコール混合物、会社GATTEFOSSEにより名称Tefose(商標)63下で販売されるPEG−6/PEG−32/Glycol Stearateの混合物、PPG−3ミリスチルエーテル、シリコーン乳化剤、例えばセチルジメチコンコポリオール及びソルビタンモノ−又はトリステアレート、PEG−40のステアレート、エトキシル化ソルビタンモノステアレート(20 OE)を言及しうる。
【0126】
本発明における使用のための溶剤として、我々は、低級アルコール、特にはエタノール及びイソプロパノール、プロピレングリコールを言及しうる。
【0127】
本発明に従う組成物は、有利に、温泉水及び/又はミネラルウォーター、特にはVittel水、Vichy盆地の水及びRoche Posayからの水から選択される温泉水及び/又はミネラルウォーター、も含みうる。
【0128】
親水性ゲル化剤として、我々は、カルボン酸ポリマー、例えばカルボマーなど、アクリルコポリマー、例えばアクリレート/アルキルアクリレートコポリマーなど、ポリアクリルアミドおよび特には会社SEPPICにより名称Sepigel 305(商標)下で販売される、ポリアクリルアミド、C13−14−Isoparaffin及びLaureth−7の混合物、多糖類、例えばセルロース誘導体など、例えばヒドロキシアルキルセルロース及び特にはヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシエチルセルロースなど、天然ゴム、例えばグアーガム、キャロブガム及びキサンタンガムなど、並びに粘土を言及しうる。
【0129】
親油性ゲル化剤として、我々は、改質された粘土、例えばbentoneなど、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸アルミニウム及び疎水性シリカなど、またはエチルセルロース及びポリエチレンを言及しうる。
【0130】
経口経路による使用のために、キャリアは摂取可能である。
【0131】
該摂取可能なキャリアは、考えられる組成物のタイプに依存して種々の種類でありうる。
【0132】
特に、以下が、食品キャリア又は医薬キャリアとして適当である:乳、ヨーグルト、チーズ、発酵された乳、乳に基づく発酵製品、アイス、発酵された穀物に基づく製品、乳に基づく粉、子供及び赤ちゃんのための処方物(フォーミュラ)、菓子類タイプの食品製品、チョコレート、シリアル、動物、特には家畜、のための飼料、タブレット、カプセル又は錠剤、乾燥形態の経口サプリメント及び液体形態の経口サプリメント。
【0133】
さらに、本発明の微生物の溶解物は、そのような経口組成物又は食品サプリメントのための通常の賦形剤及び成分、すなわちとくには、食品製品の領域において通常である脂肪及び/又は水性成分、湿潤剤、増粘剤、保存料、テクスチャー剤、香味剤及び/又は着衣剤(enrobing agent)、抗酸化剤、保存料及び着色料、と一緒に処方されうる。
【0134】
経口組成物のための、特には食品サプリメントのための処方する剤及び賦形剤は、この分野において知られており、そして本明細書において詳細に記載されないであろう。摂取のために、経口組成物の及び特には食品サプリメントの多数の実施態様が可能である。それらは、通常の方法により処方されて、被覆されたピル、カプセル、ゲル、徐放性ハイドロゲル、エマルジョン、タブレット、カプセルを生成する。
【0135】
特に、本発明に従う微生物の溶解物は、圧縮された又は圧縮されていない、任意の他の形の食品サプリメント又は強化食品、例えばフードバー(food bar)、又はパウダー、の中に組み込まれうる。該パウダーは、水により、ソーダ中に、乳製品中に、又は大豆誘導物中に希釈されてよく、又はフードバー中に組み込まれうる。
【0136】
特定の実施態様に従い、本発明に従い考えられる該追加の微生物は、それらの生存時間を有意に改善するためのカプセル化形態で、組成物内に処方されうる。そのような場合、カプセルの存在は、特に、胃腸管内における微生物の分解を減速し又は防ぐことができる。
【0137】
本発明の化粧的処理の方法は、特には、上記で定義されたとおりの溶解物又は化粧料組成物及び/又は皮膚科学的組成物をこれらの組成物の使用についての通常の技術に従い与えることにより、施与されうる。説明のとおり、皮膚上のクリーム、ゲル、セラム、ローション、メイクアップ除去ミルク又は日焼け後組成物の施与を用いることも可能であり、これは局所的施与を代表する。
【0138】
すなわち、本発明に従う化粧料組成物は、本発明に従う溶解物の、例えば毎日の、局所的施与により採用されうる。
【0139】
本発明に従う方法は、1回の施与を含みうる。他の実施態様に従い、該施与は、例えば1日以上の間、より一般的には少なくとも4、又は1〜15週さえの延長された期間の間、毎日2〜3回、繰り返される。
【0140】
該説明において及び以下で与えられる実施例において、他に述べられない限り、百分率は、重量による百分率であり、そして、「・・・〜・・・」の形で述べられる値の範囲は、述べられた下限及び上限を含む。成分は、形成される前に、当技術分野の当業者により容易に決定される順序及び条件において、混合される。
【0141】
さらに、本発明により定義された溶解物の作用を補い又は強化するための、任意的に経口的又は局所的形態との組み合わせ処理が、意図されうる。
【0142】
すなわち、我々は、死んでいる、生きている又は半活性な形にある他のプロバイオティック微生物又は他のプロバイオティックスを任意的に含む、経口的又は局所的施与のための組成物と一緒にされた、Bifidobacteriumの溶解物を含有する組成物による、局所的経路による処理を意図しうる。
【0143】
以下で与えられる実施例は、説明の目的のためであり、本発明の範囲を限定しない。
実施例
【実施例1】
【0144】
実施例1:顔のためのローション
【0145】

*それは、INCI名Bifidat ferment Lysate下で登録された溶解物であり、5重量%の活性物質による処方として用いられる。
**全製品に基づく量
【実施例2】
【0146】
実施例2:顔のケアの為のゲル
【0147】

*それは、INCI名Bifidat ferment Lysate下で登録された溶解物であり、5重量%の活性物質による処方として用いられる。
**全製品に基づく量
【実施例3】
【0148】
実施例3:顔のケアの為のミルク
【0149】

*それは、INCI名Bifidat ferment Lysate下で登録された溶解物であり、5重量%の活性物質による処方として用いられる。
**全製品に基づく量
【実施例4】
【0150】
実施例4:顔のケアの為のクリーム
【0151】

*それは、INCI名Bifidat ferment Lysate下で登録された溶解物であり、5重量%の活性物質による処方として用いられる。
**全製品に基づく量
【実施例5】
【0152】
実施例5:顔のケアの為のゲル
【0153】

*それは、INCI名Bifidat ferment Lysate下で登録された溶解物であり、5重量%の活性物質による処方として用いられる。
**全製品に基づく量
【実施例6】
【0154】
実施例6:プロテオミクスの結果
【0155】
試験された製品は、名称Repair Complex CLR(商標)下で市販される、弱酸性の水性媒体中で(超音波により)分解された、懸濁物のBifidobacterium longum の溶解物である。
【0156】
該活性物質は、それ自身について、無作為化された二重盲検試験において試験された。
【0157】
乾燥肌を有する66人の女性が、2つの集団に分けられた、プラセボ(n=33 集団A)、Repair Complex CLR(商標)(n=33 集団B)。処理は、58日間、局所的に施与され、該活性物質は該試験処方物の10%で処方された。該キャリア処方物は、5%のParleam、15%のシクロペンタシロキサン、3%のグリセロール及び2%のワセリンを含む油/脱塩水エマルジョンArlacel/myrj(商標)である。
【0158】
プラセボ処方物において、溶解物の不在が、水により補われる。
【0159】
対象は、1日目、29日目、43日目及び57日目について評価された。
【0160】
種々の皮膚マーカーの変動が、分離された角質層(stratum corneum)の試料についてのディファレンシャルプロテオミクス(differential proteomics)により調査された。
【0161】
試料は、1日目、29日目、43日目及び57日目のときで、足の外側表面から、ワニス剥離により、角質層の部分だけ、すなわち角質層の多くとも4〜5層、を除去するようにとられる。
【0162】
ナイロンフィルター41μmタイプNY41 Milliporeの布が、左足の前もって定められた領域に施与される。次に、ニトロセルロース6.86g;イソプロパノール2.94g;低刺激性アルキル樹脂7.35g;クエン酸アセチルトリブチル7.7g;酢酸エチル75.15gを含む、参照番号614254/T.D.を有する透明なワニスが、ブラシ(15mm)によりひろげられ、そして次に、15分間乾燥するために置かれる。該ナイロン布は次に、バネ鉗子(spring forceps)を用いて、該ワニス剥離物をすばやくはがすことにより、回収される。
【0163】
該ワニス剥離物は、−20℃で、プラスチックバッグ中で平らに、貯蔵される。
【0164】
これらの皮膚試料(角質層のワニス剥離物)は次に、種々のタンパク質の発現を評価するために、"アイソバリックマーキング(isobaric marking)"と呼ばれる技術を用いたプロテオミクスにより分析された。
【0165】
この "アイソバリックマーキング"技術又はiTRAQは、一連の試薬によるトリプシンペプチドのマーキングに基づき(これは、それら全てが145Daの分子量を有するので、アイソバリックと呼ばれる)且つアミノ末端の1級アミン又はリジン残基の側鎖の1級アミンとの共有結合を形成する。
【0166】
マークされたペプチドは、ペプチド+145Da(試薬から)の固有の質量により、マススペクトロメトリーによって検出される。ペプチドの断片化の段階で、夫々の試薬の寄与は、種々の特定の質量を有するイオン(断片)の放出から評価される。
【0167】
そのような方法は、Zieske(J.Exp.Bot.,2006,57:1501)又はWieseら(Proteomics,2007,7:340)により、より詳細に記載されている。
【0168】
プロテオミクスによる分析の結果は、Bifidobacterium longumの溶解物が、表皮の抗微生物的防御タンパク質のいくつか(RNase7、ダームシジン、プロラクチン誘発性タンパク質、ヒストンの断片など)の発現及び落屑の現象に関与するいくつかのプロテアーゼ(KLK−7、KLK−5、カテプシンL2、コルネオデスモソームのタンパク質の断片)の発現を刺激することを示した。
【0169】
上記言及されたタンパク質の刺激の検出は、脂性皮膚及び/又は脂性になる傾向を有する皮膚に関連する皮膚疾患に関与する微生物Malassezia furfur及びPropionibacterium acnesによるコロニー形成の減少の指標である。
【0170】
すなわち、この減少は、バランスのとれたエコフローラの再構築を助け、皮膚の炎症状態の減少及び脂漏症の制御をもたらす。結果として、色素異常症又は乾燥の領域のなく、欠陥が減少され、顔色がより明るく且つより均一になる。
【0171】
さらに、プロテアーゼの存在(落屑の減少の特色)は、脂性領域に関連する疾患を示す領域を、これらの領域における過度の乾燥を引き起こすことなく処理することを可能とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂性皮膚又は脂性になる傾向にある皮膚及び関連する皮膚疾患を処理し及び/又は予防するために、Bifidobacterium species属の少なくとも1つの微生物の溶解物及び/又はその画分の有効量を活性物質として化粧的に使用する方法。
【請求項2】
該皮膚疾患が、脂性皮膚又は脂性になる傾向にある皮膚の病変及び/又は欠陥、開いた又は閉じた面疱タイプ(小嚢胞、微小面疱、稗粒腫)の貯留病変及び/又は皮膚欠陥、例えば黄ばんだ皮膚、ギラギラした又は濁った皮膚、色素異常症、赤み、荒れた皮膚、及び、乾燥皮膚の斑を伴うこれら、でありうる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該疾患が、脂漏性皮膚病である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
脂漏症を制御するための組成物の調製のための活性物質として、Bificobacterium species属の少なくとも1つの微生物の溶解物及び/又はそれらの画分の有効量を使用する方法。
【請求項5】
脂性皮膚又は脂性になる傾向にある皮膚及び関連する皮膚疾患を予防し及び/又は処理するための組成物の調製の為に、Bifidobacterium species属の少なくとも1つの微生物の溶解物及び/又はそれらの画分の有効量を使用する方法。
【請求項6】
該Bifidobacterium species属の微生物がBifidobacterium longumである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
該溶解物が、0.1〜50重量%の活性物質を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
該溶解物が、追加の微生物、プロバイオティック及び/又は該溶解物と異なるそれらの画分と一緒に用いられる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
該溶解物が、局所的経路により施与される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
脂性皮膚又は脂性になる傾向にある皮膚を予防し及び/又は処理するために用いられうる化粧料組成物及び/又は皮膚科学的組成物であって、生理学的に許容できる媒体中に、Bifidobacterium species属の少なくとも1つの微生物の溶解物及び/又はその画分の少なくとも有効量を、少なくとも1つの抗脂漏症活性物質と一緒に含む上記組成物。
【請求項11】
対象における脂性皮膚又は脂性になる傾向にある皮膚及び関連する皮膚疾患を予防し及び/又は処理するための化粧的方法であって、該対象に、Bifidobacterium species属の少なくとも1つの微生物の溶解物及び/又はその画分の有効量を与えることを少なくとも含む上記方法。

【公開番号】特開2010−111671(P2010−111671A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−246912(P2009−246912)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(595100370)ロレアル (108)
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
【Fターム(参考)】