説明

脂肪の血管画分を増やすための方法および装置

血管に富んだ画分が血管に乏しい画分から分離されるように、哺乳類の脂肪組織を処理するための方法および装置。細分割された外科生検材料、および/または脂肪吸引による吸引脂肪組織の形の哺乳類の脂肪組織が、色、光飽和、赤外光、ヘム、鉄または酸素飽和度を測定する検出装置に取り付けられた新規なシリンジの中に入れられる。この工程は、ラベルが不要であり、最小限の操作および組織の処理を伴う。この工程および装置は手術中、無菌状態の下で、脂肪吸引または手術を受ける同じ個体の中で直ちに使用するように用いることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳類の脂肪から豊富な血管の脂肪組織を分離する方法および装置に関する。本願の一例において、組織は脂肪吸引された脂肪組織から得ることができる。
【背景技術】
【0002】
脂肪細胞は、エネルギーを脂肪として蓄えることに特殊化した、主に脂肪組織を構成する細胞である。白色脂肪組織(WAT)および褐色脂肪組織(BAT)という2つのタイプの脂肪組織が存在し、それらはそれぞれ、白色脂肪および褐色脂肪としても知られ、2つのタイプの脂肪細胞を含む。
【0003】
組織学では、脂肪組織または体脂肪、あるいは脂肪は、脂肪細胞からなる疎性結合組織である。脂肪組織は、脂肪芽細胞に由来する。その主な役割は、エネルギーを脂肪の形で蓄えることであるが、脂肪組織はさらに身体の衝撃を和らげ、身体を隔離する。ヒトおよびほとんどの動物における肥満、すなわち過体重であることは体重によって決まるのではなく、体脂肪の量によって決まる。脂肪組織は、レプチン、レジスチンなどのホルモン、およびサイトカインTNFαを産生することによって、重要な内分泌器官としても働く。脂肪組織の形成は、脂肪遺伝子によって制御されると思われる。脂肪組織は、1551年にスイスの博物学者コンラート・ゲスナーによって初めて確認された。
【0004】
リポプラスティ(「脂肪モデリング」)、リポスカルプチャ式の吸引脂肪組織切除(liposculpture suction lipectomy)、または単にリポ(「吸引援用式の脂肪除去」)としても知られる脂肪吸引は、ヒトの身体の多くの様々な部位から脂肪を除去する美容外科手術である。用いられる範囲は、腹部、大腿、臀部から首、腕の裏側およびその他の場所にまで及ぶことができる。
【0005】
自家脂肪移植は、主に審美的および美容的な向上、または皮膚/組織/創傷/瘢痕の欠陥の修正もしくは再生のために、脂肪を脂肪吸引によって取り出し、脂肪を処理し、脂肪を再び元のホストに移すことである。
【0006】
自家幹細胞移植は、幹細胞が取り出され、かつ/または処理され、かつ/または保管され、後で同じ人に戻される処置である。
【0007】
増殖培地または培地は、微生物もしくは細胞、またはコケ(ヒメツリガネゴケ)のような小植物の成長を維持するように設計された液体またはゲルである。様々なタイプの細胞を成長させるための、様々なタイプの培地が存在する。
【0008】
2つの主要なタイプの増殖培地、すなわち、植物または動物に由来する特定の細胞のタイプを用いる細胞培養に使用されるもの、および細菌または酵母菌などの微生物を成長させるために使用される微生物学的な培地が存在する。微生物用の最も一般的な増殖培地は、栄養ブイヨンおよび寒天板であるが、微生物および細胞の培養成長のために、特殊化された培地が必要とされることもある。選好性生物と呼ばれる一部の生物は、複雑な栄養要求のために特殊化された環境を必要とする。例えばウイルスは偏性細胞内寄生体であり、生きた細胞からなる増殖培地を必要とする。
【0009】
脂肪由来幹細胞(ADSC)は、多潜能力および修復能力を示し、多くの治療可能性の見込みを有することが見出されている。しかしながら、最近の研究は、その天然基質との接触から外された細胞が、新生物の挙動または異常な分化を示す恐れがあることを示唆している。さらに、動物モデルにおいて単離されたADSCは、ADSCが本来の注入部位から移動しないように多くの異なる基質を使用するにもかかわらず、明らかに細胞接着の喪失および高い転移能力を示す。したがって、ADSCの直接的な取出しおよび単離に代わる安全な代替手段が必要であり、かつ重要である。
【0010】
ADSCの解剖学上の位置は、脂肪の血管周囲空間の中である。したがって、脂肪の微小血管系に富んだ画分は、より高い濃度のADSCを有する。直接的な酵素分解または機械的な分離によってADSCを単離する工程が、他の人々によって提唱されており、労力を要するADSCの調達方法が提示されている。ADSCを吸引脂肪組織の脂肪から単離する一例が、米国特許第6,777,231号に示されている。しかしながら、ADSCを天然基質および組織から分離するこの方法は、不便で時間を要し、かつ費用がかかるだけではなく、分離中に激しく操作されると物理的に脱離した細胞が腫瘍のような特性を示す恐れがあるため、潜在的に危険でもある。さらに、特許第6,777,231号に詳述される方法に利用される設備は、購入し維持するには極めて高価である。このため、厳しい化学的もしくは酵素的な処置、または潜在的に危険な細胞のラベリングなしに、吸引脂肪組織から脂肪組織の脂肪に富んだ画分を分離するための代替方法が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第6,777,231号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
厳しい化学的もしくは酵素的な処置、または潜在的に危険な細胞のラベリングなしに、吸引脂肪組織から脂肪組織の脂肪に富んだ画分を分離することができる代替方法の開発は、脂肪吸引の分野における大きな改善であり、医療従事者の長年の要求を満たすものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、脂肪組織の血管画分を増やす方法であり、当該方法は、
脂肪組織を小さい断片に細分化するステップと、
断片を洗浄して、血液、腫張流体および脱離したADSCを除去するステップと、
洗浄された断片を容器に入れるステップと、
油相、血管に富んだ脂肪相、血管に乏しい脂肪相および水相が各層に分離するように容器を処理するステップであって、血管に乏しい脂肪が純粋な黄色を有し、血管に富んだ脂肪が橙色を有するステップと、
管内の材料(すなわち、前述の層すべて)が順序正しく管から押し出されるように、容器を検出装置内の検出チャンバに取り付けるステップと、
容器に圧力を加えるステップと、
水相を除去し、廃棄するステップと、
血管に富んだ脂肪を集めるステップと、
検出装置を用いて、血管に乏しい脂肪の層が検出チャンバにいつ到達するかを検出するステップと、
容器に圧力を加えるのを中止するステップと
を含む。
【0014】
断片は、脂肪吸引カニューレを通過するのに十分なだけ小さいことが好ましい。容器はシリンジであることが好ましい。あるいは容器は、その下端にテーパ付きの取付け部品を備えた管である。テーパ付きの取付け部品は、Luer−Lok(登録商標)であることが好ましい。
【0015】
処理は、遠心力を加えることによって実施されることが好ましい。圧力は、機械的な手段によって、または加圧されたガスによって加えることができる。
【0016】
最後に、集められた血管に富んだ脂肪は、任意の哺乳類のホストに移すことができる。
【0017】
脂肪は、レーザ、音波および高周波の波長を含めた、任意の適切な形のエネルギーを用いて細分化することができる。より具体的には、脂肪は、砕石術、ハイフレケーション(hyfrecation)、水晶体超音波吸引、音波処理、回転ブレード、連続濾過および強制的なスクリーン濾過を含めた、任意の適切な方法を用いて細分化することができる。あるいは脂肪は、コラゲナーゼおよび高浸透圧性の媒体を含めた、任意の適切な化学的手段を用いて細分化することができる。
【0018】
洗浄は、生理食塩水、組織培地およびリン酸緩衝溶液を含む材料を用いて実施することができる。適切な組織培地は、GMEM、RPMI、Eagle培地、Fischer培地、DMEM、Iscove培地、McCoy培地、L−15、DME−F1およびHamのF12、または等価物を含む。洗浄ステップはさらに、ADSCの単独の細胞を通過させることができる孔径のフィルタの使用を含むことができる。
【0019】
層の分離を改善するために、容器に非毒性のグラジエントを加えることができる。非毒性のグラジエントは、(前述の)組織培地、Histopaque 1077、ワックス、ワセリン、PercollおよびCsCl、または等価物とすることができる。
【0020】
検出装置は、分光光度計、比色計または酸素濃度計とすることができる。したがって検出装置は、血管に乏しい脂肪の層が検出チャンバにいつ到達するかを、色または選択された波長の電磁放射線によって検出することができる。
【0021】
本発明はまた、血管に富んだ脂肪の層が、血管に富んだ脂肪の層および血管に乏しい脂肪の層を含む材料を収容する容器をいつ通過したかを検出するための装置であり、当該装置は、
容器内の材料に圧力を加えるための手段と、
容器から押し出された材料を収容するための検出チャンバと、
検出チャンバの一方の側に位置決めされ、選択された波長の光を出力する光源であって、検出チャンバが、選択された波長に対して半透明または透明である光源と、
検出チャンバの反対側に位置決めされ、光を検出する光検出器と、
光検出器に接続された制御電子部品と、
電子部品に接続された指示器と
を備える。
【0022】
指示器は、レバー、音による警報器、サーボ機構(サーボ機構は、容器内の材料があらかじめ選択された波長の光を吸収したことを検知すると、容器内の材料の進行を停止させる)、または照明とすることができる。
【0023】
選択される波長は、血管に乏しい脂肪の純粋な黄色(約570nm)、またはヘモグロビン中の鉄の吸収波長、または血管に富んだ脂肪の純粋な橙色(約590nm)、または酸素化ヘモグロビンの吸収波長(600〜750nm)、または脱酸素化ヘモグロビンの吸収波長(850〜1000nm)に対応することができる。光源および光検出器は、収集管と同じ側(反射分光法)、または収集管の反対側(透過分光法)に位置決めすることができる。
【0024】
装置は、使い捨てまたは滅菌性とすることができる。容器は、シリンジまたはテーパ付きの取付け部品(Luer−Lok(登録商標))を備えた容器とすることができる。
【0025】
圧力を加えるための手段はピストンとすることが可能であり、その場合、本発明はさらに、
制御電子部品に接続されたモータと、
モータによって作動され、ピストンを押し進めるように位置決めされた、圧力を加えるための第2の手段と
を備えることができ、制御電子部品はさらに、検出チャンバ内の材料が選択された波長で吸収すると、モータをオフにするようにプログラムされる。
【0026】
圧力を加えるための手段は、加圧されたガスとすることが可能であり、その場合、本発明はさらに、
制御電子部品および圧力を加えるための手段に接続された電磁弁
を備えることができ、制御電子部品はさらに、管内の材料が選択された波長で吸収すると、電磁弁を作動させるようにプログラムされる。
【0027】
添付図面および好ましい実施形態の説明を参照することによって、本発明の他の目標および目的の正しい認識、ならびにそれについての理解を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】洗浄された脂肪組織がシリンジ内に移され、油、脂肪、血管に富んだ脂肪および水相を分離するように遠心力を作用させた後の本発明の好ましい実施形態を示す図である。シリンジの基部に、純粋な黄色の脂肪と血管に富んだ黄色の脂肪を区別することが可能な色検出装置が接続されている。指示器がPUSH位置にあることに留意されたい。
【図2】血管に富んだ脂肪の層が上部のシリンジから下方へ、新しい治療用のシリンジの中に移された後の本発明の好ましい実施形態を示す図である。ここでは、指示器が、血管に乏しい画分を検出しており、STOP位置に切り換えられていることに留意されたい。血管に乏しい画分および油相が、元の上部のシリンジの中に残されている。
【図3】検出器の動き、および好ましい実施形態を自動化する方法をさらに詳しく示す概略図である。
【図4】本発明の代替実施形態、およびこの実施形態を自動化する方法を示す概略図である。
【図5】反射分光光度法を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書において、本発明は、特定の用途に対する例示的な実施形態を参照して説明されるが、本発明はそれらに限定されないことを理解すべきである。当業者および本明細書に示される教示を利用する者は、その範囲内、および本発明がかなり有用なものとなる他の分野におけるさらなる変更形態、用途および実施形態を認識するであろう。
【0030】
本文書を読むときには、以下の用語解説を使用すべきである。
【0031】
自家移植片−それが取り出された個体の身体の新しい場所に移植される組織または器官。
【0032】
自家脂肪移植:脂肪移植を参照のこと。脂肪移植と同様のものであるが、より具体的には脂肪が同じ人に由来することを示し、したがって自己由来、または略記の目的で「自家(auto)」である。この名称は、美容外科および再建外科の分野で一般的に使用されており、上記のように定義されている。
【0033】
無血管性−血管に関連付けられない、または血管によって供給を受けないこと。
【0034】
カニューレ−流体を取り出すため、または薬剤を導入するために身体に挿入する金属管。
【0035】
ヘム−ヘモグロビンから得られる、深い赤色の鉄を含有する血液色素(C34H32N4O4Fe)。
【0036】
ハイフレケーション−組織にエネルギーを送達することによる切除または焼灼の方法。
【0037】
下澄み−通常は脂肪および油を含む、より浮揚性があり密度が低い上澄み(上側の相)とは対照的な、脂肪吸引容器内の脂肪吸引流体の底部の液相。
【0038】
吸引脂肪組織−脂肪吸引を実施する工程で吸い出される脂肪、腫張流体、血液および漿液の組合せ。
【0039】
脂肪吸引−小さい切開および真空吸引によって、皮膚の下の局所領域から過剰な脂肪を外科的に取り出すこと。
【0040】
脂肪移植 美容外科、再生外科または再建外科の目的で、身体のある領域から脂肪を集め、他の領域に移植する工程。
【0041】
砕石術−砕石器による腎結石または胆石の粉砕。
【0042】
砕石器−超音波を用いて腎結石をばらばらにするために用いられる装置。
【0043】
微小移植片 高性能倍率、もしくは生化学的分析、もしくは細胞数測定の下でのみ見ることができる、またしばしば見える小さい移植片。
【0044】
細分割される(morselated)−さらに小さい断片に切断されること。
【0045】
小片化された(morsellized)−さらに小さい断片に切断されていること。
【0046】
新生物−動物および植物における組織の異常な生長物。新生物は良性であることも悪性であることもある。腫瘍とも呼ばれる。
【0047】
新生物の−新生物の特性に関すること、または新生物の特性に関連していること、または新生物の特性を有すること。
【0048】
血管周囲の−血管を囲む組織に関すること、血管を囲む組織に関連していること、血管を囲む組織に生じること、または血管を囲む組織であること。
【0049】
水晶体超音波吸引−まず超音波振動を用いて罹患した水晶体を液化し、次いでそれを吸引によって抜き取ることにより、白内障を除くこと。
【0050】
多潜能力の−多能性である可能性を有すること。
【0051】
多能性の−発生の可能性について固定されていないこと、発生の柔軟性を有すること。
【0052】
音波処理−音波エネルギーを用いることによって、ウイルスなどの生物学的な材料を分散、粉砕または不活性化する工程。
【0053】
分光光度的な−分光光度計もしくは分光写真器に関すること、または分光光度計もしくは分光写真器に付随すること。
【0054】
分光光度計−スペクトルの各部分の間で光度測定の比較を行うための計器。
【0055】
組織培地−細胞が乾燥または溶解するのを防止する平衡塩類溶液。細胞の生存能力を長期間保証するために、追加の栄養分を含むこともある。
【0056】
異種移植片−ある種のメンバーから得られ、他の種のメンバーに移植される移植片。
【0057】
美容整形外科の分野に精通した者には、脂肪組織は一般に脂肪吸引によって得ることができ、また(腫張流体を伴う)湿った状態または(腫張を伴わない)乾いた状態で実施され得ることが認識される。脂肪組織はまた、鋭い外科的な切開によって切除することもできる。
【0058】
本発明では、次いで、得られた脂肪組織が機械的または化学的に粉砕され、組織は小さい断片に、好ましくは脂肪吸引カニューレを簡単に通過するのに十分なだけ小さく細分化される。粉砕は、それだけに限らないが、レーザ、砕石術、ハイフレケーション、水晶体超音波吸引、音波処理、高周波波長、回転ブレード、連続濾過および強制的なスクリーン濾過など、任意の適切な形のエネルギーまたは機器を用いて行うことができる。
【0059】
外科処置の間、小片化された脂肪組織が、使用される場合には腫張流体と共に脂肪吸引キャニスタの中に集められる。次いで脂肪組織は、血液および腫張流体を除去するために、生理食塩水、またはIscove培地、Eagle培地、GMEM、RPMI、Fischer培地、DMEM、McCoy培地、L−15、DME−F1またはHamのF12などのいくつかの組織培地で洗浄される。洗浄ステップは、天然基質および脂肪組織からはっきりと隔離された、脱離したADSCも洗い落とす。
【0060】
さらに小片化された脂肪組織を洗浄および精製することを可能にするために、ADSCの単独の細胞の大きさを通過させることができる任意の適切な孔径のフィルタを用いることもできる。清浄化された脂肪はそれ以上、酵素による分解、化学的分解または機械的分解に曝されることはない。
【0061】
次いで、脂肪は容器の中に入れられ、油、脂肪および水相の分離を可能にするように処理される。容器はシリンジであることが好ましいが、Luer−Lok(登録商標)を備えた試験管など、底部のコネクタを備えた任意の容器も機能する。処理は遠心分離機内であることが好ましいが、様々な成分が重力によって各層に沈殿するように、脂肪を沈殿させることが別法である。任意の数の工業生産された遠心分離機を使用することができる。満足が得られたものは、HettichのモデルEBA20 タイプ2002−01である。
【0062】
脂肪相を(水相に近い底部に向かう)血管に富んだものと(油画分に近い頂部に向かう)血管に乏しいものにさらに分離することを可能にするために、様々な非毒性のグラジエントを加えることもできる。次いで、容器は静かに持ち上げられて遠心分離機から出され、比色的または分光光度的な読取り装置を通過する管系に取り付けられる。容器に圧力が加えられ、水相が除去および廃棄され、続いて、血管に富んだ相が移動して別の収集用のシリンジまたは容器に入る。純粋な黄色の(血管に乏しい)脂肪の層が検出されると、検出器は停止を指示し、それ以上シリンジに圧力が加えられなくなる。血管に富んだ画分で満たされた新しいシリンジは、任意の哺乳類のホストに直ちに脂肪移植を行う用意が整っている。この血管に富んだ画分は、移植、増強、細胞分化、創傷治癒、美容術および美的外観を改善する目的で、注入前に追加の薬剤または化学療法剤で処理することができる。
【0063】
図1は、理想的な構成の本発明の概念図であり、洗浄された脂肪組織がシリンジ1の中に移され、油3、脂肪4、血管に富んだ脂肪5および水相6を分離するために、脂肪組織に遠心力を作用させる。水相6は、哺乳類の組織が水を含むために生じるものであり、また脂肪吸引処置および洗浄のステップの間に水を加えられることもある。シリンジの基部には、純粋な黄色の脂肪4と血管に富んだ脂肪5を区別することが可能な分光光度計7が接続される。多くの適切な分光光度計を入手することができる。多くの分光光度計が、Hach of Loveland、CO.によって製造されている。1つの適切な計器はHachのDR2700であるが、図3に示される管11に適応させるには、それを変更する必要がある場合がある。指示器8は、シリンジ1のプランジャ2を押すことができることを示している。
【0064】
図2は、血管に富んだ脂肪の層5が上部のシリンジ1から下方へ、新しい治療用のシリンジ12の中に移される、最終ステップにおける本発明の概念図である。ここでは、分光光度計7が血管に乏しい画分4を検出し、指示器8が使用者に対して、上側のシリンジのピストン2をそれ以上押さないように指示していることに留意されたい。血管に乏しい脂肪4および油相3は、元の上部のシリンジ1の中に残されており、廃棄することができる。
【0065】
図3は、分光光度計7の動きをさらに詳しく示す概略図である。検出器7は光源9および光検出器10を含み、光検出器10は適当な制御電子部品を含み、指示器8に接続される。光源9は、1つまたは複数の選択された波長の光14を放出し、光14は、シリンジ1から押し出される材料の一部を含む管11を通過する。波長は、プリズムまたは回折格子を用いて調節することができる。あるいは、特定の波長を放出するLEDを用いることも可能である。もちろん管は、選択された波長に対して透明または少なくとも半透明である。
【0066】
図4は、本発明の代替実施形態の概略図を示す。この実施形態は、Luer−Lok(登録商標)の取付け部品30をその底部に有する、試験管または遠心分離管28を含む。画分3、4、5および6を容器28を通して移動させる圧力は、管24を通して容器28の頂部に供給される圧縮ガス26によって与えられる。管24は、シール20によって容器28の頂部に封じ込められる。圧縮ガス26の供給のオンおよびオフを変えるために、供給ライン24には弁22が含まれる。
【0067】
血管に富んだ脂肪5は約590nm(可視範囲内)で吸収し、血管に乏しい脂肪4は約570nm(やはり可視範囲内)で吸収するため、選択される波長はこれらのいずれかにすることができる。
【0068】
血管に乏しい脂肪4に対応する選択された波長(570nm)が用いられる場合、材料が選択された波長で光14を吸収しないと、光14が光検出器10に到達し、光検出器10に関連付けられた電子制御機構が、指示器をPUSH位置にする。材料が選択された波長で吸収すると、光14が光検出器10に到達しなくなり、光検出器に関連付けられた電子制御機構が、指示器をSTOP位置にする。
【0069】
一方、血管に富んだ脂肪5に対応する選択された波長(590nm)が用いられる場合、材料が、選択された波長で光14を吸収し、光14は光検出器10に到達せず、光検出器10に関連付けられた電子制御機構が、指示器をPUSH位置にする。材料が選択された波長での吸収を開始すると、光14が光検出器10に到達するようになり、光検出器に関連付けられた電子制御機構が、指示器をSTOP位置にする。
【0070】
実際には、血管に乏しい脂肪4と血管に富んだ脂肪5を区別するために、500〜700nmの範囲内の任意の波長を用いることが可能である。
【0071】
したがって、指示器8のPUSH位置およびSTOP位置は、オペレータに対する、シリンジ1のピストン2を押し進めるか、または押し進めないかの指示である。こうしたシリンジ1の操作は、光検出器10の電子部品を、ピストン2を押し進めることが可能なピストン18に接続されたモータ16に接続することによって自動化することが可能である。その場合、電子部品は、管11の中の材料が、選択された波長で吸収する、または吸収を終えると、モータ16をオフにするようにプログラムされる。すなわち、波長が約590nmから約570nmに、あるいはその逆に変化する。分光光度法の分野に精通した者には、他の変更および拡張が明らかになるであろう。
【0072】
同様の形で、電磁弁22を用い、光検出器10をこの弁22に接続することによって、図4の代替実施形態を自動化することが可能である。
【0073】
好ましい検出方法は透過である。透過による方法では、光源9および光検出器10は、管11の反対側にある。反射による方法では、光源9および光検出器10は、管の同じ側にある。光14は、管11およびその中の材料への短い進路を通り、光源から光検出器に反射する。これが図5に示されている。図3および4に示される透過による方法は、使用される最も一般的なタイプである。
【0074】
明らかに、指示器8の適所に、指示器の照明を用いることが可能である。さらに、血管に乏しい画分4および血管に富んだ画分5における他の成分の有無を検出するために、他の周波数を選択することができる。簡単に検出できる成分の1つは、ヘモグロビン(酸素化、脱酸素化または両方)である。ヘモグロビンを検出する技術は、酸素測定法と呼ばれる。他の検出に適した成分は鉄である。さらに、管11は光源9と検出器10の間でシリンジ1内の材料を移動させるための好ましい装置であるが、別法として、材料の通過を可能にする任意の検出チャンバを使用することができる。管系11のみが使用される場合、「検出チャンバ」は、管11の光14が通過する部分である。
【0075】
酸素測定法の原理は、酸素化ヘモグロビンはより多くの赤外光を吸収し、より多くの赤色光を通過させるが、脱酸素化ヘモグロビンはより多くの赤色光を吸収し、より多くの赤外光を通過させることに基づいている。赤色光は、600〜750nmの波長の光帯域である。赤外光は、850〜1000nmの波長の光帯域である。
【0076】
パルス酸素測定法は、十分な血流を有する適度に半透明な部位を通して照らす、赤色および赤外のLEDを備えた発光体を使用する。典型的な部位は、手の指、足の指、耳介(頂部)または耳たぶである。発光体の反対側には、測定部位を通過する光を受け入れる光検出器が存在する。
【0077】
透過および反射という、測定部位を通る光を送る2つの方法がある。透過による方法では、発光体と光検出器は、測定部位を間にして互いに反対側にある。その場合、光はその部位を通過することができる。反射による方法では、発光体と光検出器は互いに隣り合い、測定部位の上部にある。光はその部位を横断し、発光体から検出器へ反射する。透過による方法は、使用される最も一般的なタイプであり、この議論では透過による方法が含まれる。
【0078】
送られた赤色(R)および赤外(IR)の信号が測定部位を通過し、光検出器で受け取られた後、R/IRの比が計算される。R/IRは、その比を酸素飽和度(SpO2)の値に変換する(実験式で構成される)「ルックアップ」テーブルと比べられる。ほとんどの製造業者は、健康な被験者から様々なSpO2レベルで得られた較正曲線に基づく、その独自のルックアップテーブルを所有している。一般的には、R/IRの比0.5は約100%のSpO2に、比1.0は約82%のSpO2に相当し、比2.0は0%のSpO2に相当する。
【0079】
測定部位には、一定の光吸収体が存在する。それらは、皮膚、組織、静脈血および動脈血である。しかしながら、心拍のたびに心臓が収縮して動脈血が急増し、それによって、測定部位を横断する動脈血の体積が一時的に増加する。このため、急増中にはより多くの光の吸収が生じる。光検出器で受け取られる光信号が「波形」とみなされる場合、心拍のたびにピークが、心拍の間にトラフが存在するはずである。(一定の吸収体すべてを含むはずである)トラフでの光吸収をピークでの光吸収から引けば、結果は、加えられた血液の体積のみによる吸収特性になり、それは動脈性である。ピークが心拍、すなわちパルスのたびに生じるため、「パルス酸素測定法」という用語が作られた。
【0080】
本発明の概念の証拠は、油、脂肪および血管に富んだ脂肪を分離して分離フラスコに入れ、倍率4倍で各画分の写真を撮ることによって得られた。写真は、説明可能な差異を確認できるかどうかを判断するために、色、色調および彩度について分析された。各相の間には、色、色調および彩度に明らかな差異が存在した。
【0081】
各画分におけるヘモグロビンを測定するために、Datascopeのパルス酸素濃度計(モデル:Accustat、部品番号0998−00−0057−01)が変更され、使用された。内部のトグルスイッチのゲインは、1/4の捩りから最大まで変化させた。1/2ccごとにO2の断続的な泡を残すことによってコンピュータを「だまし」、O2の飽和度を読み取り、脈動する動作を模擬した。この方法では、より適切な光学的接続を形成するために、プラスチックのハウジングから取り外したLEDに直接押し付けられたIVラインに沿って行き来するように、試料を吸引することができる。油は最大0を示し、普通の脂肪は最大0を示し、血管に富んだ脂肪は最大2〜4を示した。これが、脂肪の3つの異なる試料を用いた4回の別個の実験として繰り返された。
【0082】
臨床装置の使用に関する実施例:
220ポンドの白人女性が、審美的な理由で腹部の脂肪吸引を受けた。合計300ccの吸引脂肪組織が得られた。吸引キャニスタから合計50ccの脂肪が取り出され、残留する血液および下澄みを除去するために、50ccのリン酸緩衝溶液(PBS)で3回洗浄された。次いで、無菌の外科用はさみを用いて、50ccの脂肪がさらに小さい微小移植片に細分割された。単独の細胞を除去するために、脂肪が1mmの孔径を有する金属の濾過器を用いて濾過された。次いで、それを5つの10ccのシリンジに入れ、15分間、300gの遠心力を作用させた。次いで、油、脂肪、血管に富んだ脂肪、および水の3つの相が認められた。水相は、シリンジに圧力を加えることによって簡単に除去され、水−血管に富んだ脂肪の境界面に達したときに圧力を停止させた。次いでシリンジは、比色計を通過する管を通して第2のシリンジに接続された。計量器がオンにされ、やはり第1のシリンジのピストンを押し進めることによって、血管に富んだ脂肪の画分が第2のシリンジに移された。検出器が純粋な黄色の血管に乏しい脂肪しか検出できなくなるまで、ピストンが進められた。第2のシリンジ内の血管に富んだ脂肪が、脂肪移植療法に用いられた。
【0083】
本発明は、医学療法のために哺乳類の脂肪組織の血管に富んだ画分を単離する方法である。血管画分は、自家脂肪移植による哺乳類の皮膚の軟組織の増強に、あるいは創傷の中、下および/または周りに注入して創傷の治癒を加速することによる創傷治癒に用いることができる。それはまた、損傷を受けた組織の中、下および/または周りに注入して再生を加速することによる組織再生に用いることもできる。脂肪組織に追加の特別な組織培地および/またはグラジエントを加え、血管に富んだ画分と血管に乏しい画分をさらにうまく分離できるようにすることが可能である。幹細胞由来の脂肪の外胚葉および/または中胚葉および/または内胚葉タイプの組織への分化を誘発するために、脂肪組織に追加の特別な組織培地を加えることができる。処理された組織は、同種移植片、自家移植片または異種移植片として用いることができる。
【0084】
本発明はまた、約570nmの波長の色を有する黄色の無血管性の脂肪画分と、約590nmの波長の色を有する、橙色を帯びた酸素およびヘムが豊富な血管性の脂肪画分を区別することができるように、シリンジ、ならびに色、光飽和、赤外線、ヘム、酸素および鉄の任意のものを単独でまたは組合せとして区別することが可能な光検出器からなる装置である。検出器は、使い捨て、または滅菌性かつ再利用可能とすることができる。
【0085】
このように本明細書では、本発明を特定の用途に対する特定の実施形態を参照して記述してきた。当業者および本発明の教示を利用する者は、その範囲内においてさらなる変更形態、用途および実施形態を認識するであろう。
【0086】
したがって、添付の特許請求の範囲によって、本発明の範囲内のそうした用途、変更形態および実施形態の任意のもの、およびすべてを包含することが意図される。
【符号の説明】
【0087】
1 シリンジ
2 プランジャ、ピストン
3 油、油相
4 脂肪、純粋な黄色の脂肪、血管に乏しい脂肪、血管に乏しい画分
5 血管に富んだ脂肪、血管に富んだ画分
6 水相
7 分光光度計
8 指示器
9 光源
10 光検出器
11 管
12 シリンジ
14 光
16 モータ
18 ピストン
20 シール
22 弁、電磁弁
24 管、供給ライン
26 圧縮ガス
28 試験管または遠心分離管、容器
30 取付け部品


【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪組織の血管画分を増やす方法であって、
a)脂肪組織を小さい断片に細分化するステップと、
b)前記断片を洗浄して、血液、腫張流体および脱離したADSCを除去するステップと、
c)前記洗浄された断片を容器に入れるステップと、
d)油相、血管に富んだ脂肪相、血管に乏しい脂肪相および水相が各層に分離するように前記容器を処理するステップであって、前記血管に乏しい脂肪が純粋な黄色を有し、前記血管に富んだ脂肪が橙色を有するステップと、
e)前記容器を検出装置内の検出チャンバに取り付けるステップと、
f)前記容器内の前記層に圧力を加えるステップと、
g)前記水相を除去し、廃棄するステップと、
h)前記血管に富んだ脂肪を集めるステップと、
i)前記検出装置を用いて、前記血管に乏しい脂肪の層が前記検出チャンバにいつ到達するかを検出するステップと、
j)前記容器に圧力を加えるのを中止するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記断片が、脂肪吸引カニューレを通過するのに十分なだけ小さい請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記容器がシリンジである請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記容器が、その下端にテーパ付きの取付け部品を備えた管である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
処理が、遠心力を加えることによって実施される請求項1に記載の方法。
【請求項6】
圧力が機械的手段によって加えられる請求項1に記載の方法。
【請求項7】
圧力が、加圧されたガスによって加えられる請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記集められた血管に富んだ脂肪を、任意の哺乳類のホストに移すステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記脂肪が、任意の適切な形のエネルギーを用いて細分化され得る請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記エネルギーが、レーザ、音波および高周波の波長を含む群から選択される請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記脂肪が、砕石術、ハイフレケーション、水晶体超音波吸引、音波処理、回転ブレード、連続濾過および強制的なスクリーン濾過を含む群から選択される方法を用いて細分化され得る請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記脂肪が、任意の適切な化学的手段を用いて細分化され得る請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記化学物質が、コラゲナーゼおよび高浸透圧性の媒体からなる群から選択される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
洗浄が、生理食塩水、組織培地およびリン酸緩衝溶液を含む群から選択される材料を用いて実施される請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記組織培地が、GMEM、RPMI、Eagle培地、Fischer培地、DMEM、Iscove培地、McCoy培地、L−15、DME−F1、およびHamのF12を含む群から選択される請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記洗浄ステップが、ADSCの単独の細胞を通過させることができる孔径のフィルタの使用をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記層の分離を改善するために、前記容器に非毒性のグラジエントを加えることをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記非毒性のグラジエントが、組織培地、Histopaque 1077、ワックス、ワセリン、PercollおよびCsClを含む群から選択される請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記組織培地が、GMEM、RPMI、Eagle培地、Fischer培地、DMEM、Iscove培地、McCoy培地、L−15、DME−F1およびHamのF12を含む群から選択される請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記検出装置が分光光度計である請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記検出装置が比色計である請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記検出装置が酸素濃度計である請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記検出装置が、前記血管に乏しい脂肪の層が前記検出装置にいつ到達するかを色によって検出する請求項1に記載の方法。
【請求項24】
血管に富んだ脂肪の層が、前記血管に富んだ脂肪の層および血管に乏しい脂肪の層を含む材料を収容する容器をいつ通過したかを検出するための装置であって、
a)前記容器内の前記材料に圧力を加えるための手段と、
b)前記容器から押し出された材料を収容するための検出チャンバと、
c)前記検出チャンバの一方の側に位置決めされ、選択された波長の光を出力する光源であって、前記検出チャンバが、前記選択された波長に対して半透明または透明である光源と、
d)前記検出チャンバの反対側に位置決めされ、前記光を検出する光検出器と、
e)前記光検出器に接続された制御電子部品と、
f)前記電子部品に接続された指示器と
を備える装置。
【請求項25】
前記指示器がレバーである請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記指示器が照明である請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記選択された波長が、前記血管に乏しい脂肪の純粋な黄色に対応する請求項24に記載の装置。
【請求項28】
前記選択された波長が、ヘモグロビン中の鉄の吸収波長に対応する請求項24に記載の装置。
【請求項29】
前記選択された波長が、前記血管に富んだ脂肪の純粋な橙色に対応する請求項24に記載の装置。
【請求項30】
前記選択された波長が、500〜700nmの範囲内である請求項24に記載の装置。
【請求項31】
前記選択された波長が、酸素化ヘモグロビンの吸収波長に対応する請求項24に記載の装置。
【請求項32】
前記選択された波長が、600〜750nmの範囲内である請求項24に記載の装置。
【請求項33】
前記選択された波長が、脱酸素化ヘモグロビンの吸収波長に対応する請求項24に記載の装置。
【請求項34】
前記選択された波長が、850〜1000nmの範囲内である請求項24に記載の装置。
【請求項35】
前記光源および前記光検出器が、前記検出チャンバの同じ側に位置決めされる請求項24に記載の装置。
【請求項36】
前記光源および前記光検出器が、前記検出チャンバの反対側に位置決めされる請求項24に記載の装置。
【請求項37】
前記装置が滅菌性である請求項24に記載の装置。
【請求項38】
前記容器がシリンジである請求項24に記載の装置。
【請求項39】
前記圧力を加えるための手段がピストンである請求項24に記載の装置。
【請求項40】
a)前記制御電子部品に接続されたモータと、
b)前記モータによって作動され、前記ピストンを押し進めるように位置決めされた、圧力を加えるための第2の手段と
を備え、
c)前記制御電子部品がさらに、前記管内の前記材料が前記選択された波長で吸収すると、前記モータをオフにするようにプログラムされる請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記圧力を加えるための手段が、加圧されたガスである請求項24に記載の装置。
【請求項42】
a)前記制御電子部品および前記圧力を加えるための手段に接続された電磁弁
をさらに備え、
b)前記制御電子部品がさらに、前記管内の前記材料が前記選択された波長で吸収すると、前記電磁弁を作動させるようにプログラムされる請求項41に記載の装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−505658(P2012−505658A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532224(P2011−532224)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/060717
【国際公開番号】WO2010/045389
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(511186723)コスジェニックス,エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】CosGenix,LLC
【住所又は居所原語表記】69−780 Stellar Drive,Rancho Mirage,CA 92270 USA
【Fターム(参考)】