説明

脂肪族化合物の分離精製方法

【課題】蒸留や既存の膜分離方法でも精度高く分離できない、沸点や分子量が近似する物質の混合物について、RO膜を利用して分岐構造を持つアルコール、エーテル、ケトン等の脂肪族化合物を選択的に分離する分離精製方法を提案する
【解決手段】本発明の脂肪族化合物の分離精製方法は、酸素を含む脂肪族化合物を含有する液体混合物を逆浸透膜に接触させ、特定の分岐構造を有する前記脂肪族化合物と、該分岐構造を有しない前記脂肪族化合物とを分離する工程を有することよりなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はRO膜を用いた脂肪族化合物の分離精製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルコールは化学工業用の溶剤や合成原料に用いられる他、自動車や発電用エネルギー源としても利用されている。化学工業的な用途においては、極めて高純度のものが求められることもある。例えば、イソブテン製造にあっては、その製造過程中でtert−ブタノール/水混合物から2−ブタノールを取り除くことが必要とされる。また、自動車エンジン等の燃料とする場合には、含水量を少なくすることが望まれる。
アルコールを始めとする液体混合物の分離方法としては蒸留が一般的である。蒸留は沸点の異なる物質を分離濃縮する方法であるため、分子量が近似する物質であっても沸点の違いにより高い精度で分離できる。しかし、混合されている物質同士の沸点差が小さい場合や、共沸混合物の場合には精度の高い分離を行うことができない。共沸混合物の問題に対しては、予め水濃度を調製し、tert−ブタノール/水混合物から2−ブタノールを蒸留により分離する方法が報告されている(例えば特許文献1)。加えて、蒸留を行うには多大な設備費とエネルギーが必要である。
一方、蒸留によっては除去できない不純物を取り除く場合に、蒸留の前段階でモレキュラーシーブ法等により不純物の除去を行うことが知られているが、除去に長時間を要する、あるいはモレキュラーシーブの活性化に手間がかかる等の課題がある。
また、液体中の不純物質を除去する方法として、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過(以下、NFという)膜等による精製方法が知られている。しかし、限外ろ過膜やNF膜であっても、小さい分子量サイズで、かつ分子量が近似した物質同士の混合物を精度高く分離することは困難である。
また、近年、バイオエタノールとガソリンを混合した「バイオガソリン」の利用が提唱されており、両者を直接混合させる方式ではなく、バイオエタノールから合成したエチルターシャブチルエーテル(以下、ETBEと表す)をガソリンに添加する方式も提唱されている。ETBEはエタノールとイソブテンから合成した後、二段蒸留や抽出蒸留を行うことで製造されており(例えば、特許文献2)、その精製に多量のエネルギーが必要となっている。
【特許文献1】特開2004−285064号公報
【特許文献2】特開平07−149681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明では、蒸留や既存の膜分離方法でも精度高く分離できない、沸点や分子量が近似する物質の混合物について、逆浸透膜(以下、RO膜と表す。)を利用して分岐構造を持つアルコール、エーテル、ケトン等の脂肪族化合物を選択的に分離する分離精製方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の脂肪族化合物の分離精製方法は、酸素を含む脂肪族化合物を含有する液体混合物を逆浸透膜に接触させ、下記式(1)〜(5)のいずれかで表される分岐構造を有する前記脂肪族化合物と、該分岐構造を有しない前記脂肪族化合物とを分離する工程を有する脂肪族化合物の分離精製方法。
【化1】

(式中、R1は水酸基または水酸基を有するアルキル基、R2は水酸基または水酸基を有しても良いアルキル基、R3は水素または水酸基を含んでも良いアルキル基、R4は水素または水酸基あるいは水酸基を有しても良いアルキル基あるいは酸素を介して結合したアルキル基、をそれぞれ表す。)
前記脂肪族化合物が、アルコールとエーテルとケトンからなる群に属する化合物であることが好ましく、アルコールとエーテルからなる群に属する化合物であることがより好ましい。また、アルコール、エーテル、ケトンのいずれか1に属する化合物であっても良い。
前記脂肪族化合物は、分子量200未満の前記分岐構造を有する脂肪族化合物と、分子量200未満の前記分岐構造を有しない脂肪族化合物であることが好ましい。前記液体混合物には、前記分岐構造を有する脂肪族化合物と、前記分岐構造を有しない脂肪族化合物として、同一炭素数である酸素を含む脂肪族化合物が含まれることが好ましい。前記液体混合物には酸素を含む脂肪族化合物として、炭素数が3〜4のアルコール、炭素数が5〜6のエーテルが含まれることが好ましい。
本発明の分離精製方法に使用される逆浸透膜は、ポリアミド系複合膜であることが好ましい。
【発明の効果】
【0005】
本発明の分離精製方法によれば、蒸留のような多大な設備とエネルギーを必要とせず、また、分子量、沸点が近似する物質の混合物や、共沸する物質の混合物であっても、分岐構造を持つ異性体を分離して、目的の脂肪族化合物を分離精製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、脂肪族化合物のRO膜における透過率が、分岐構造の有無により大きく異なることを見い出してなされたものである。該透過率は同じ分子量であっても、前記分岐構造の有無によって明確に異なるものであった。そこで、液体混合液中の脂肪族化合物をRO膜によって分離して高純度の目的物を得る脂肪族化合物の分離精製方法を発明するに至った。
本発明の分離精製方法は、液体混合物をRO膜に接触させ、分岐構造を有する脂肪族化合物と該分岐構造を有しない脂肪族化合物とを分離する工程を有するものである。
以下、本発明の実施形態の一例を、図1に示す模式図を用いて説明する。
処理対象となる液体混合物12を、RO膜を備えるRO膜ユニット10内に送液する。前記式(1)〜(5)で表される分岐構造を有する脂肪族化合物や、分子量の大きい物質はRO膜の透過率が低い、あるいは透過できないために濃縮液14として分離される。一方、前記分岐構造を有さない脂肪族化合物や低分子量物質、水はRO膜の透過率が高いために透過液16として得られる。
【0007】
前記の製造工程にあって、目的とする濃縮液14あるいは透過液16に希望する純度に応じて、濃縮液14あるいは透過液16をRO膜ユニット10に繰り返し送液することで、得られる目的物の純度を調整することができる。あるいは、複数個のRO膜ユニット10を直列的に配置し濃縮液14あるいは透過液16をRO膜ユニット10に連続して送液することでRO膜に複数回接触させて、純度を調整することもできる。具体的には、例えば1−ブタノールとtert−ブタノールの混合物から、分岐構造を有しない1−ブタノールの高濃度物を得るには、透過液16を、再度、液体混合物12としてRO膜ユニット10へ送液し、再度得られた透過液16をさらにRO膜ユニット10へ送液する。この作業を繰り返し行うことで、分岐構造を有しRO膜を透過しにくいtert-ブタノールは濃縮液14として分離され、希望する純度の1−ブタノールを透過液16として精製することができる。
【0008】
RO膜の材質は特に規定されるものではなく、処理対象である液体混合物の性状に合わせて選択することができ、ポリアミド、アセチルセルロース、アクリロニトリル等を挙げることができる。本発明の実施にはポリアミドを用いることが好ましい。
また、平均NaCl除去率は90%未満であると分離効果が不充分となる。このため、RO膜の平均NaCl排除率は90%以上が好ましく、99%以上がより好ましい。
なお、本発明においては、NaCl除去率90%未満のものをNF膜として扱い、RO膜とは区別する。
【0009】
RO膜ユニット10内の圧力は特に規定されるものではなく、RO膜の性状と目的物の純度に応じて設定する。一般的には、RO膜ユニットの使用圧力範囲の観点から、0.2〜5MPaであることが好ましい。一方、透過流束は0.2m/m/d未満であると経済的に適当であるといえず、2.0m/m/dを超えると、RO膜が閉塞する可能性が高くなる。このことから透過流束は0.2〜2.0m/m/dであることが好ましい。
【0010】
対象となる液体混合物は、前記式(1)〜(5)で表される分岐構造を有する酸素を含む脂肪族化合物と、該分岐構造を有しない酸素を含む脂肪族化合物とを含有するものであれば特に限定されるものではない。前記脂肪族化合物としては、アルコール、エーテル、ケトン、アルデヒド、脂肪族カルボン酸、エステル等が挙げられる。本発明においては、前記液体混合物にはアルコール、エーテル、ケトンからなる群に属する脂肪族化合物が含有されていることが好ましく、アルコールとエーテルからなる群に属する脂肪族化合物が含有されていることが特に好ましく、アルコール、エーテル、ケトンのいずれか1に属する脂肪族化合物であっても良い。また、前記液体混合物中には脂肪族化合物以外の溶媒・溶質として、水や炭化水素が含まれていても良い。
【0011】
前記脂肪族化合物の分子量は、60未満であると構造の違いによるRO膜の透過率の差異が小さくなり、分子量200以上の物質にあってはRO膜を透過しにくいため透過率の差が小さい。したがって、分離精製対象の脂肪族化合物の分子量は200未満であることが好ましく、60以上、200未満が特に好ましい。
また、本発明は前記分岐構造の有無により分離精製を行うという特徴を有することから、前記分岐構造を有する脂肪族化合物と、前記分岐構造を有しない脂肪族化合物が同一炭素数であることが望ましい。例えば、脂肪族化合物が1−プロパノールと2−プロパノールを溶質とする水溶液を液体混合物として挙げることができる。
【0012】
本発明における分岐構造を有するアルコールとして、例えば2−プロパノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、2−ペンタノール、イソアミルアルコール等が挙げられる。
前記分岐構造を有しないアルコールとして、例えばメタノール、エタノール、1,2−エタンジオール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール等が挙げられる。
アルコールを本発明の分離精製の対象とする場合、炭素数が2以下であると前記分岐構造の有無に係らずRO膜を透過しやすいために透過率の差異が小さく、炭素数が5以上であると前記分岐構造の有無に係らずRO膜を透過しにくいために透過率の差異が小さい。したがって、分離精度の面からは、炭素数が3〜4のアルコールであることが特に好ましい。
【0013】
本発明における分岐構造を有するエーテルとして、例えばメチルターシャリーブチルエーテル(MTBE)、ETBE、ビス(2−ヒドロキシプロピル)エーテル等が挙げられる。前記分岐構造を有しないエーテルとして、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
また、エーテルを本発明の分離精製の対象とする場合、炭素数が4以下であると前記分岐構造の有無に係らずRO膜を透過しやすいために透過率の差異が小さく、炭素数が8以上となると前記分岐構造の有無に係らずRO膜の透過しにくくなるため透過率の差異が小さくなる。しがって、分離精度の面からは炭素数5〜7のエーテルであることが好ましく、炭素数が5〜6であることが特に好ましい。
【0014】
本発明における分岐構造を有するケトンとして、例えばメチルイソブチルケトン、エチルイソブチルケトン等が挙げられる。前記分岐構造を有しないケトンとして、例えばブチルメチルケトン、ブチルエチルケトン等が挙げられる。
また、ケトンを本発明の分離精製の対象とする場合、炭素数が4以下であると前記分岐構造の有無に係らずRO膜を透過しやすいために透過率の差異が小さく、炭素数が8以上となると前記分岐構造の有無に係らずRO膜の透過しにくくなるため透過率の差異が小さくなる。しがって、分離精度の面からは炭素数5〜7のケトンであることが好ましく、炭素数5〜6であることが特に好ましい。
本発明における分岐構造を有するエステルとしては、例えば酢酸イソプロピル、ギ酸イソブチル等が挙げられ、前記分岐構造を有しないエステルとしては、例えば酢酸プロピル、ギ酸ブチル等が挙げられる。
また、前記分岐構造を有するアルデヒドとしては、例えばイソブチルアルデヒドが挙げられ、前記分岐構造を有しないアルデヒドとしては、例えばブチルアルデヒド等が挙げられる。
【0015】
本発明では、酸素を有する脂肪族化合物を含む液体混合物をRO膜に接触させることで、前記式(1)〜(5)の分岐構造を有する脂肪族化合物は、RO膜への透過率の低さにより濃縮液14として分離される。したがって、分子量あるいは沸点が近似し、蒸留や分子篩のみでは分離できなかった液体混合物の分離精製が可能である。
また、液体混合物中のアルコールやエーテルを異性化し、RO膜により対象物を濃縮液14として分離した後、パーベーパレーションや蒸留により目的物を高純度に精製することもできる。例えば、エタノールからの合成あるいは発酵によって得られた1−ブタノールを、tert−ブタノール等に異性化してRO膜でエタノール等の不純物質と分離した後、パーベーパレーションにより水と分離する精製方法にも利用できる。
【実施例】
【0016】
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
1−ブタノール(1級、関東化学株式会社製)1質量部、tert−ブタノール(特級、関東化学株式会社)1質量部を水998質量部と混合し、混合水溶液を調製した。混合水溶液は25℃とした。ポリアミドのRO膜(ES−10、日東電工株式会社製)を装着し、RO膜ユニットとした。得られた混合水溶液をポンプ(バレルドモーターポンプ AAF型、株式会社荏原製作所製)を用い、800l/hでRO膜ユニットへ送液した。なお、実験は回収率が25%となるように調整して行った。このときのRO膜ユニット内の圧力は、送液された混合水溶液がRO膜へ接触する供給部で0.75MPa(ゲージ圧、以下同じ。)であった。RO膜の透過液中の1−ブタノール、tert−ブタノールの濃度を、ガスクロマトグラフ(5890II,HP社製)により測定(カラム:SUPELCOWAX−10、SUPELCO社製,キャリアガス:He、N)した。測定結果を表1に示す。
【0017】
(実施例2)
1−ブタノール、tert−ブタノールを1−プロパノール(1級、関東化学株式会社製)、2−プロパノール(特級、関東化学株式会社製)とした以外は実施例1と同様に行った。測定結果を表1に示す。このときのRO膜ユニット内の圧力は、供給部で0.75MPaであった。
【0018】
(実施例3)
RO膜を酢酸セルロース膜(HA5330、東洋紡株式会社製)とした以外は、実施例2と同様に行い、透過液中の1−プロパノール、2−プロパノールの濃度を測定した。測定結果を表1に示す。このときのRO膜ユニット内の圧力は、供給部で2.90MPaであった。
【0019】
(実施例4)
1−ブタノール、tert−ブタノールをトリプロピレングリコールモノメチルエーテル(試薬、東京化成工業株式会社製)、ポリエチレングリコール200(試薬、関東化学株式会社製)とした以外は実施例1と同様に行った。測定結果を表1に示す。このときのRO膜ユニット内の圧力は、供給部で0.75MPaであった。
【0020】
(実施例5)
ビス(2−ヒドロキシプロピル)エーテル(鹿1級、関東化学株式会社製)1質量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(特級、関東化学株式会社製)1質量部、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(特級、関東化学株式会社製)1質量部を水997質量部と混合して混合水溶液とした以外は実施例1と同様に行った。測定結果を表1に示す。このときのRO膜ユニット内の圧力は、供給部で0.75MPaであった。
【0021】
(実施例6)
1−ブタノール、tert−ブタノールをETBE(97%品、across organics社製)、エタノール(試薬一級、純正化学株式会社製)とした以外は、実施例1と同様に行った。測定結果を表1に示す。このときのRO膜ユニット内の圧力は、供給部で0.75MPaであった。
【0022】
(比較例1)
1−ブタノール、tert−ブタノールをジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルとした以外は実施例1と同様に行った。測定結果を表1に示す。このときのRO膜ユニット内の圧力は、供給部で0.75MPaであった。
【0023】
(比較例2)
RO膜をポリビニルアルコールのNF膜1(NTR−7250、日東電工株式会社製)とした以外は、実施例1と同様に行い、透過液中の1−ブタノールとtert−ブタノールの濃度を測定した。測定結果を表1に示す。このときのRO膜ユニット内の圧力は、供給部で2.00MPaであった。
【0024】
(比較例3)
RO膜をポリビニルアルコールのNF膜1とした以外は、実施例2と同様に行い、透過液中の1−プロパノールと2−プロパノールの濃度を測定した。測定結果を表1に示す。このときのRO膜ユニット内の圧力は、供給部で2.00MPaであった。
【0025】
(比較例4)
RO膜をポリビニルアルコールのNF膜2(NTR−725HF、日東電工株式会社製)とした以外は、実施例2と同様に行い、透過液中の1−プロパノールと2−プロパノールの濃度を測定した。測定結果を表1に示す。このときのRO膜ユニット内の圧力は、供給部で1.00MPaであった。
【0026】
(比較例5)
RO膜をポリアミドのNF膜3(SU−220S、東レ株式会社製)とした以外は、実施例2と同様に行い、透過液中の1−プロパノールと2−プロパノールの濃度を測定した。測定結果を表1に示す。このときのRO膜ユニット内の圧力は、供給部で0.75MPaであった。
【0027】
【表1】

【0028】
比較例2〜5の結果から、NF膜の透過液において、分岐構造を有する溶質が、分岐構造を有しない溶質の60%以上となっており、良好な分離状態ではなかった。これに対し、実施例1〜3では、透過液における分岐構造を有する溶質が、分岐構造を有しない溶質の60%未満であった。特に、ポリアミドRO膜を用いた実施例1、2においては12%未満であり、同分子量であっても分岐構造の有無により透過率に大きな差異が生じていた。実施例4の結果から、分子量200以上の溶質についても分離可能であった。実施例5の結果から、3種のエーテルを溶質とする水溶液においても、前記分岐構造を有するエーテルを特異的に除去しうることがわかった。また、実施例6では、アルコールとエーテルを溶質とする水溶液についても、前記分岐構造の有無により分離可能であることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の製造工程を示す模式図である。
【符号の説明】
【0030】
10 RO膜ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素を含む脂肪族化合物を含有する液体混合物を逆浸透膜に接触させて行う脂肪族化合物の分離精製方法であって、前記脂肪族化合物には下記式(1)〜(5)のいずれかで表わされる分岐構造を有する脂肪族化合物と、該分岐構造を有しない脂肪族化合物とが含まれることを特徴とする、脂肪族化合物の分離精製方法。
【化1】

(式中、R1は水酸基または水酸基を有するアルキル基、R2は水酸基または水酸基を有しても良いアルキル基、R3は水素または水酸基を含んでも良いアルキル基、R4は水素または水酸基あるいは水酸基を有しても良いアルキル基あるいは酸素を介して結合したアルキル基、をそれぞれ表す。)
【請求項2】
前記の酸素を含む脂肪族化合物が、アルコールとエーテルとケトンとからなる群に属する化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の分離精製方法。
【請求項3】
前記の酸素を含む脂肪族化合物が、アルコールとエーテルとからなる群に属する化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の分離精製方法。
【請求項4】
前記の酸素を含む脂肪族化合物が、アルコール、エーテル、ケトンのいずれか1に属する化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の分離精製方法。
【請求項5】
前記の酸素を含む脂肪族化合物は、分子量200未満の前記分岐構造を有する脂肪族化合物と、分子量200未満の前記分岐構造を有しない脂肪族化合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の分離精製方法。
【請求項6】
前記液体混合物には、前記分岐構造を有する脂肪族化合物と、前記分岐構造を有しない脂肪族化合物として、同一炭素数である前記の酸素を含む脂肪族化合物が含まれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の分離精製方法。
【請求項7】
前記液体混合物には、酸素を含む脂肪族化合物として、炭素数が3〜4のアルコールが含まれる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の分離精製方法。
【請求項8】
前記液体混合物には、酸素を含む脂肪族化合物として、炭素数が5〜6のエーテルが含まれる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の分離精製方法。
【請求項9】
前記逆浸透膜がポリアミド系複合膜である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の分離精製方法。

【図1】
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【公開番号】特開2009−23960(P2009−23960A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−189518(P2007−189518)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【出願人】(000004400)オルガノ株式会社 (606)
【Fターム(参考)】