説明

脂肪組織から内皮細胞を抽出する方法

脂肪組織は、組織工学に適した内皮細胞または血管内皮細胞の、大量で、入手しやすく、豊富な供給源としての機能を果たすことが明らかになってきている。本発明者らは、精製された酵素および抗体に基づく選択を用いて内皮細胞を単離および精製するための詳細な方法を記載する。細胞は脂肪吸引処置により得られ、血管移植片において利用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、細胞の培養および精製の分野に関連する。特に、内皮細胞の培養および精製に関連する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
細胞療法および組織工学における多くの適用において、同じ患者に再移植するために、患者組織から内皮細胞を入手することが必要である。製造原価を最小にするためにも、培養中に内皮細胞に生じるいかなる能力変化をも最小化するためにも、多量の内皮細胞を迅速に数時間以内に単離することは有利である。このような内皮細胞を実際に有用にするためには、多くの場合、多量の細胞(例えば100万個より多く)を入手すること、および単離された細胞がかなりの高純度(例えば90%より高い内皮同一性)を有することが必要である。加えて、細胞の生存率を改善し使用時の利便性を向上させるように、単離の時間を最短にすることが望ましい。
【0003】
バイパス手術は、米国およびヨーロッパのいずれにおいても死亡の最大原因である冠状動脈および末梢の血管障害に対する、一般的な処置である(1、2)。2004年には、427,000件の冠状動脈バイパス手術が実施された。バイパス手術において、自己静脈移植片の開存性は人工血管移植片の場合よりも優れているが、しかしながら、最大30%の患者がバイパス手術に適当な静脈を有していない。これらの患者においては、結果的に比較的高い失敗率をもたらす、小口径の人工移植片が用いられる。人工血管移植片と自己静脈移植片との間における開存性の大きな相違は、部分的には、人工血管移植片の管腔側表面上における、血栓形成を妨ぐ内皮細胞(EC)の欠如を原因としている(3、4)。そのため、人工血管移植片上に成功裡にECを播種する方策を開発することが、これらの移植片に見られる開存性を改善する可能性が高いであろう。
【0004】
ECの播種は、一段階または二段階いずれかの処置で実施される(5)。二段階播種は、4〜5週間を費やす可能性のある、限られたECのインビトロにおける増殖を含み(6)、そのため、緊急の患者への対応には適していない。加えて、インビトロでのECの増殖には、コストの高いGLP施設が必要である。一段階播種は、多数のECを単離し、速やかに人工移植片に播種することである。何人かの研究者が一段階播種処置の開発を試みている(5)。脂肪組織は、容易に入手でき大量の毛細血管内皮細胞(MVEC)を含むことが報告されている(7、8)。動物モデルにおいては、脂肪由来ECを血管移植片に播種することにより開存性が増進する(9〜11)、しかしながら、ヒトでの臨床試験の結果は期待に沿うものではない(12、13)。理由は、イヌとは違って、ヒトには自己内皮化能が欠如しているからであろう。加えて、脂肪細胞から単離された内皮以外の細胞の混入が内膜過形成に寄与する(14〜17)。そのため、高純度で多量のECを単離する、迅速で一貫性のある方法を見出すことが、小口径の人工移植片の移植の成功に極めて重要である。
【0005】
一般的に、異なる組織からECを精製するために二種類の方法が用いられている。正の選択は、EC特異的な抗体、または、血小板内皮細胞接着分子(PCAM/CD31)、CD34、ve-カドヘリン(CD144)、もしくはハリエニシダアグルチニン(Ulex europaeus agglutinin)-1(UEA-1)(18〜20)のような分子を結合した磁気ビーズの適用を含み;負の除去は、線維芽細胞または単核球のような細胞を除外するために非内皮細胞に対して特異的な抗体を用いる。CD34 Dynabeadsを用いて正の選択を受け、または抗線維芽細胞および単核球抗体を用いて負の選択を受けた細胞は、それぞれ約87%および71%のCD31陽性であった。しかしながら、CD34ビーズを用いたECの回収率は、約24%にすぎない(19)。加えて、通常ECは未精製のコラゲナーゼを用いて単離され、それは実質的なロット変動を示し、ロット変更の度に毎回確認を必要とする(22)。
【0006】
当技術分野においては、例えばインビボでの使用のために、より速く、より成功裡な内皮細胞の回収および播種に対して、継続的な必要性が存在する。
【発明の開示】
【0007】
発明の概要
本発明の第一の態様は、脂肪組織から内皮細胞を調製する方法を提供する。脂肪吸引処置から得られた脂肪組織は、洗浄され、組織から細胞が回収される。細胞は、精製されたコラゲナーゼの調製物で酵素的に処理される。調製物は、ペプシン、トリプシン、およびサーモリシンを欠失している。1つの態様において、調製物は精製されたディスパーゼを含む。処理された細胞は、CD31、CD34、CD144、およびCD146からなる第一の群より選択される抗原、またはCD14、CD45、およびF19からなる第二の群より選択された抗原に特異的な第一の抗体を含む磁気ビーズと接触させることにより分取される。もし抗体が第一の群の抗原に特異的であれば、該磁気ビーズに結合している細胞が回収され、もし抗体が第二の群の抗原に特異的であれば、該磁気ビーズに結合していない細胞が回収される。
【0008】
本発明の第二の態様は、血管移植片における播種に対する適合性について内皮細胞調製物をアッセイする方法である。内皮細胞調製物は、内皮細胞に適した培養培地中に3日以内の間、播種される。その培養培地は、細胞外基質タンパク質で被覆された表面を有する血管内に存在する。表面に付着した調製物中の細胞の量が測定される。
【0009】
本発明のもう一つの態様は、脂肪組織から単離された内皮細胞の集団である。その集団は以下の性質を有する:
集団中の80%より多くの細胞が生存可能である
集団中の80%より多くの細胞が内皮細胞である
集団中の50%より多くの細胞が、基材上に播種して24時間以内に基材に付着する
【0010】
本発明のさらにもう一つの態様は、管腔上に播種された内皮細胞を含む人工血管移植片である。内皮細胞は、50,000細胞/cm2より高い密度で管腔に付着する。
【0011】
これらおよび他の本発明の態様は、詳細な記載を読むことにより当業者にとって明白となるであろう。
【0012】
発明の詳細な説明
本発明者らは、酵素の変動および単離中の細胞障害を最小化するため、精製したI型およびII型コラゲナーゼを精製したディスパーゼと組み合わせて使用する、細胞の単離方法を記載する。この精製された酵素製剤は、この方法で単離された細胞の高い生存率および高い定着効率に寄与する。脂肪由来のEC細胞を濃縮するために、本発明者らはCD31マイクロビーズを使用する。ECは84%のCD144陽性まで到達する。本発明者らは、CD31選択後のEC純度が、選択前のECのパーセンテージと関連することを見出した。精製したECは、CD31、CD34、CD144およびCD146のようなEC特異的マーカーを発現し、かつCD105、CD133、CD117およびCD141の発現は陰性であるか、もしくは弱い発現である。脂肪から得られたECの精製された集団は、非常に高い生存率および迅速な付着速度を示す。報告されている、低い純度または低い生存/定着効率のいずれかをもたらす他の方法とは対照的に、生存率と定着率という2種の特性は、高い純度と相まって、本単離方法を真に臨床適用可能なものとする。脂肪から単離されたECは、血管系から単離されたECと全く同じ特性を有しているわけではない可能性がある。
【0013】
内皮細胞は身体の全ての組織内に、微小血管および大血管内皮という形態で存在する。種々の組織から細胞を単離するため、典型的には組織を脱凝集させ、その後同様に組織内に存在する細胞の残りから内皮細胞を選択する。本発明は、脱凝集の段階および内皮細胞を選択する段階を含む、組織から内皮細胞を得る方法に関連する。本発明のいくつかの態様において、内皮細胞の取得を促進するため、脱凝集の前後に遠心分離もしくは他の分離段階が利用されてもよい。
【0014】
組織の脱凝集のため、いくつかの手法が用いられる。一つの態様において、組織構造を破壊するために、機械的な撹拌および/または物理的な細断が用いられてもよい。組織を濾過し、または篩を通すことで組織塊を脱凝集してもよい。激しい撹拌が用いられてもよい。あるいは(または加えて)、組織細胞を含む細胞外基質を破壊するため、細菌性のコラゲナーゼ、エラスターゼ、またはディスパーゼが用いられてもよい。特に、ペプシン、トリプシン、および/またはサーモリシンを欠失した精製コラゲナーゼが用いられ得る。基質への細胞接着に介在する二価カチオンに結合するEDTAのようなイオンキレート剤が用いられ、これにより細胞を周囲のタンパク質から遊離させてもよい。これらの手法の全ては、室温で、または種々のプロテアーゼの活性を最大にする37℃のような室温よりも高い温度において実施されてもよい。インキュベーション溶液のpHは、組織の脱凝集を増加させるため変動してもよく、典型的なpHの値は4.0〜10.0の範囲である。これらの処置の適用時間は、組織の密度および細胞外基質の強さによって1分〜24時間まで変更できる。
【0015】
いくつかの態様において、細胞を回収する手段として、脱凝集の段階の後に遠心分離の段階が利用され得る。遠心分離は任意の種類の標準的な緩衝液中、またはフィコール勾配のような特殊な遠心分離勾配溶液中で行ってよい。周囲の組織が内皮細胞と異なる物理的密度を有する組織については、遠心分離の段階は特に有効であり得る。例えば、どちらも高い密度の脂肪細胞を含む、脂肪組織または骨髄からの内皮単離は、遠心分離により改善され得る。遠心分離は、より高い密度の内皮細胞から低密度の脂肪細胞を分離することができる。しかしながら、一般に遠心分離のみでは、組織からの選択的な内皮単離には十分ではない。これは、線維芽細胞および周皮細胞のような他の細胞種が、内皮細胞と類似の密度を有し得るためである。そのため、遠心分離を実施しても、例えば80、85、90、または95%超のような高い内皮純度を達成するためには、それに続く精製の段階が一般的には必要である。組織および細胞は、例えばリン酸緩衝生理食塩水を含む、任意の細胞に適した緩衝液中で洗浄され得る。細胞培養培地も同様に用いられてもよい。洗浄された組織および/または細胞は、細胞種および異なる層に移動する細胞片を分離するため、沈降および遠心分離を行った後にデカンテーションされ得る。
【0016】
内皮細胞の単離での追加の段階として、細胞選択を行う。選択は、細胞を選択するため、内皮細胞の特徴またはマーカーが用いられることにおいては、「正の」選択であり得、または、内皮細胞から他の細胞種を排除または除去するため、組織または遠心分離したペレットにおける他の種類の細胞の特徴が用いられ得ることにおいて、「負の」選択であり得る。本発明に適合する分取処置の種類は、磁気ビーズ単離(MACS)、蛍光励起細胞分取(FACS)、および水簸を含む。選択に用いられる内皮特異的なマーカーの例としては、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体、血管内皮カドヘリン(VE-カドヘリン)、血小板内皮接着因子(PECAM、またはCD-31)、CD34(CD62(L-セレクチン)のリガンド)、表面レクチン(UEA-1により結合)、フォンウィルブランド因子、P-セレクチン、E-セレクチン、血管内皮細胞接着因子(VCAM-1)、CD144(カドヘリン-5、VE-カドヘリン)、CD146(MCAM、MUC18、S-endo)、および細胞間接着因子(ICAM-1)を含む。その内で、本発明において最も効果的なものは、活性化されていない内皮細胞表面に発現されているものを含み、CD-31、VE-カドヘリン、VEGF受容体、およびレクチンを含む。これらの列挙は典型的な例に過ぎず、これらに限定されるものではない。
【0017】
負の選択用のマーカーの例は、組織における他の細胞種の表面マーカーであり、そのためにいくらか組織特異的である。多くのCDマーカーが本発明に適合し、特に組織に混在する例えば線維芽細胞のような細胞種を認識するものが適合する。特定の例としては、線維芽細胞、周皮細胞および平滑筋細胞は、血小板由来増殖因子の表面受容体(PDGF受容体)を発現しており、このマーカーは、内皮細胞集団からの排除または除去という細胞の選択に使用可能である。負の選択用マーカーとして標的とされる特定の抗原としては、CD14、CD45、およびF19を含む。
【0018】
もし、FACSまたは磁気ビーズのいずれかでの細胞分取が細胞の選択として用いられる場合、上述の正または負の選択用マーカーの一種類またはいくつかの組み合わせのいずれかが、選択を達成するために用いられる。一般に、細胞特異的マーカーに対する特異的抗体または他の結合分子は、FACSを可能とするためフルオロフォアに結合されるか、またはMACSでの細胞分離を可能とするため磁気ビーズに結合されるかのいずれかである。正のもしくは負の選択のいずれかを用いてもよく、または、ある態様において、正のおよび負の選択の両者の組み合わせが用いられてもよい。あるいは、正のおよび/または負のいくつかのマーカーを用いた選択が用いられてもよい。あるいは、水簸を選択方法として用いることができ、この方法は、内皮細胞と組織内の他の細胞の特異的な大きさおよび密度の特性に依存する。内皮の大きさおよび密度の特異的な範囲は、組織内の他の細胞種の大きさおよび密度とごくわずかに異なる可能性があり、内皮細胞を組織内の残りの細胞種から選択するために利用できる。
【0019】
加えて、ある特定の選択の方法は、追加の方法の使用を除外しないと想定される。言い換えれば、本発明の範囲において、内皮細胞選択のいくつかの方法は同時もしくは順に用いられる。ある段階は、より良好な精製度または収率を達成するために、繰り返され得る。
【0020】
著しいことに、本発明の内皮細胞調製物は、高効率および迅速に適切な基材に付着する。このように、本発明者らは、基材への付着は高い比率および密度で、ならびに短時間のうちに起こることを観察した。付着は、例えば播種の12時間後、18時間後、24時間後、36時間後、48時間後、および/または72時間後に評価される。本発明者らは、これらと同等に短い時間での特筆すべき接着速度を観察している。接着は、スライドもしくは培養血管のような血管表面、または移植血管で評価される。基材への迅速な付着(粘着性)ならびに、高い生存性および内皮の精製度は、本発明における集団の代表的な特性である。一般的に、適切な基材は細胞外基質タンパク質により被覆されている。これらは、コラーゲン、フィブロネクチン、およびゼラチンを含んでもよい。本発明の集団は、播種の12時間後、18時間後、24時間後、36時間後、48時間後、および/または72時間後に、少なくとも50%の付着を達成する
【0021】
本発明による内皮細胞の集団は、高度に生存可能である。いかなる理論または機構にもとらわれないが、先行技術の脱凝集方法は非常に厳しいので生存率および付着率に悪影響を与えたと考えられている。本集団は、少なくとも50、60、70、80、または90%さえ生存可能である。
【0022】
本発明による内皮細胞の集団は、精製度が高い。内皮細胞の同一性を評価する最新の基準を使用する、すなわち上述の適切な抗原マーカーを使用すると、本集団は、少なくとも約50、60、70、80、または90%さえ内皮細胞である。そのような内皮細胞のマーカーは、CD31陽性、CD34陽性、CD144陽性、CD146陽性、CD133陰性、CD45陰性、CD117陰性、および/またはCD141陰性である。さらに内皮細胞は、培養におけるtPAおよびプロスタサイクリン分泌能によって特徴付けられる。これらのマーカーの全てが、内皮細胞調製物で同等によく発現してはいなくてもよい。さらに、いかなる理論にもとらわれる意図はないが、先行技術の集団は低い真の内皮細胞比率および/または低い生存率により、意図された目的には成功しなかった、と仮定される。
【0023】
高い内皮細胞の精製度、高い生存率、および高い付着性の組み合わせの結果、脂肪吸引サンプルを、血管移植を受ける患者から採取し、得られた細胞が血管移植片の管腔への定着に使用され得るようにサンプルを迅速に処理し、同日または2もしくは3日以内に同じ患者に血管移植片を移植することが可能となる。さらに、これらの特性により、50,000細胞/cm2より多く、75,000細胞/cm2より多く、85,000細胞/cm2より多く、95,000細胞/cm2より多く、105,000細胞/cm2より多く、または110,000細胞/cm2より多くの密度での、管腔の内皮細胞によるコロニー形成が可能となった。このような高い細胞密度は、開存性を向上させ、血管移植の失敗を減少させる。
【0024】
実施例1
皮下の脂肪組織は、脂肪吸引またはその他の外科的手技によって採取された。脂肪組織は細断された後、脱凝集を行うために細菌由来のコラゲナーゼにより処理された。脱凝集した組織は、その後、遠心分離後のペレットに存在する他の細胞種(内皮細胞を含む)から脂肪細胞を分離するために、遠心分離された。遠心分離後のペレットを再懸濁後、続いて、内皮特異的なマーカーの抗体に基づいた選択が行われた。内皮表面分子であるVE-カドヘリンに関して、蛍光活性化細胞分取が利用された。これらの条件において、各1グラムの脂肪組織は、脱凝集後に遠心分離した後のペレット中に、100〜120万個の細胞を生成した。VE-カドヘリンに関しての細胞分取の結果、内皮細胞の選択がなされた。本発明者らは、遠心分離後の細胞ペレットにおける内皮細胞の含量は、およそ15〜20%であることを見出した。このことを言い換えると、脂肪1グラム当りおよそ20万個の内皮細胞となる。7-ADD染色により評価した内皮細胞の細胞生存率は、典型的には85〜90%である。従って、もし特定の患者から10グラム(小さじ2杯に相当する)の皮下脂肪が採取された場合、およそ200万個の生きた内皮細胞が得られ、それはバイパス手術に使用されるような移植血管の内側を裏打ちするのに十分な数である。単離された内皮細胞の純度は、蛍光活性化細胞分取を繰り返すことにより評価され、およそ90%であった。
【0025】
実施例2
本発明者らは、脂肪吸引組織の消化および内皮細胞(EC)の遊離に関して、Liberase Blendzyme(Roche Diagnostics、インディアナポリス、インディアナ州)の試験を行った。Liberase Blendzymeは、精製されたコラゲナーゼと他のプロテアーゼとからなり、異なる製造バッチにおいても、同等の酵素活性を有する。そのため、酵素のロットに起因する変動が回避され得る。細胞収率(細胞数/グラム脂肪)および細胞生存率(7-ADDを用いたFACSでの測定)は図1および図2に示されている。同じインキュベーション時間(30分)では、LB1とLB3との間で平均の細胞収率は同様であり、脂肪1グラム当り約5×105個である。LB3を用いて長時間(40分)インキュベーションした場合、同程度の細胞生存率で、細胞収率はほぼ2倍(1×106)となる。
【0026】
例示(図3)のように、脂肪組織から遊離される非脂肪細胞全体の一分画としてのECのパーセンテージは、異なるLiberase Blendzyme酵素および消化時間を用いても同様である。これらの細胞は、酵素消化後にいかなる精製もなされておらず、単に内皮特異的なマーカーに関するFACS分取で特徴付けがなされただけである。これらのデータから、酵素消化の後の非脂肪細胞の集団は、他の細胞種と混合した内皮細胞の分画と混合されていることが示される。内膜過形成および移植不全に寄与し得る線維芽細胞および他の細胞種の混入のため、酵素消化によりもたらされるこの混合した細胞集団の精製を行わなければ、この混合した細胞集団は移植血管への播種に用いるのには最適ではない。
【0027】
酵素消化後に生成された混合した細胞集団は、CD31マイクロビーズによる正の選択を用いて精製される。精製されたECは、CD31、CD34、CD144およびCD146を発現しており、CD105およびCD141は陰性である(図4)。内皮において非常に特異的なマーカーであるCD144(VE-カドヘリン)の発現による評価によると、この集団における内皮の精製度は80%超である。
【0028】
精製されたECは培養において増殖し、典型的なECの敷石状形態を示し(図5)、
免疫細胞生物化学的には、フォンウィルブランド因子(von Willebrand factor)で染色される(図6)。フォンウィルブランド因子(vWF)は、高度に分化した内皮のマーカーであり、本手技で単離されたECの高い機能性を示す。
【0029】
精製したEC細胞は、フィブロネクチンでコーティングし人工処理された移植血管に、約10時間以内に付着する。移植片は、組織工学的に処理された動脈の脱細胞化により作製される。脱細胞化された移植片の管腔側表面は、内皮は存在せず、滑らかでタンパク質性である。精製されたEC細胞は、フィブロネクチンでコートされ人工処理された移植血管に、極めて迅速に付着する。表面積の約50%が、約16時間以内に、精製されたECで覆われた。本実施例において、およその細胞密度は110,000細胞/cm2である(図7B)。
【0030】
ECの濃縮のため、抗CD31マイクロビーズを用いた正の選択が試験された。EC特異的なマーカーであるCD144を発現する細胞のパーセンテージを、ECの純度測定に使用した。CD31濃縮後のECの純度は、濃縮前のECのパーセンテージと直接関連している(表1)。本方法において観察された最も高いECの純度は約87%である。これは、精製前のECのパーセンテージに関する個体間の著しい変動を反映している。
【0031】
(表1)濃縮前のEC比率(%)に依存する濃縮後のECの純度

【0032】
LG1消化により遊離した細胞が、10時間のEBM-A培地中での培養後、最も高い細胞定着効率(plating efficiency)を有していた(表2、図9A〜9D)。LB1消化では、細胞定着効率は少なくとも58%である。これは、LB2またはLB3で観察されるよりも著しく高い。重要なことに、他所で使用されている未精製のコラゲナーゼを使用した場合と比べ、細胞定着効率は非常に高い。本発明の重要な側面の一つは、脂肪組織由来の、高度に分別精製されたECの迅速な細胞定着(この場合では、10時間以内またはそれ以下)である。LB1を使用して遊離させた後に精製した細胞が、このような高い細胞定着効率を有する根本的な理由は、ディスパーゼ(LB1中)はサーモリシン(LB3中)よりも穏和な酵素であり、LB1で消化された細胞は、結果的に細胞接着に必要なレセプター類を保持する可能性がある。さらに、非精製コラゲナーゼもまた細胞に損傷を与え、高度に精製された形態の酵素と比較して低い細胞定着効率をもたらす可能性がある。
【0033】
(表2)EBM-Aにおける培養10時間後の細胞定着効率

【0034】
(表3)CD31マイクロビーズ精製後のEC回収率

1EC回収率(%)=(開始時細胞数×精製前のEC比率(%))/(CD31+回収×精製後のEC比率(%))×100
【0035】
実施例3:材料と方法
1. 材料
1.1. 組織
脂肪吸引物または解剖した皮下脂肪組織から入手した脂肪組織サンプル
【0036】
1.2. 試薬
1.2.1. カルシウムおよびマグネシウム非含有リン酸緩衝生理食塩水(PBS(1×))またはカルシウムおよびマグネシウム非含有ハンクス平衝塩緩衝液(HBSS(1×))(Gibco)
1.2.2. M119培地(Gibco)
1.2.3. EBM-2培地 (Clonetics)
1.2.4. RPMI(Gibco)
1.2.5. ウシ血清アルブミン(BSA)(Miltenyi Biotech)
1.2.6. Liberase Blendzyme 1およびLiberase Blendzyme 3(Roche)
1.2.7. I型コラゲナーゼ(Sigma)
1.2.8. L-グルタミン(Invitrogen)
1.2.9. ヒドロコルチゾン(Sigma)
1.2.10. ジブチリル環状AMP(Sigma)
1.2.11. ペニシリン-ストレプトマイシン溶液(100× Sigma)
1.2.13. トリプシン-EDTA(0.25mg/ml)(Invitrogen)
1.2.14. エチレンジアミン四酢酸ジナトリウム塩(EDTA)(Sigma)
1.2.15. ウシ胎児血清(FBS)確認、加熱非動化済み(米国)(Gibco)
1.2.16. CD31マイクロビーズ(Miltenyi Biotech)
1.2.17. FcRブロッキング試薬(Miltenyi Biotech)
1.2.18. CD31-FITC(BD)
1.2.19. CD45-APC(BD)
1.2.20. CD105 FITC(Chemicon)
1.2.21. CD117-APC(BD)
1.2.22. CD133-PE(BD)
1.2.23. トロンボモジュリン(CD141-PE、BD)
1.2.24. VE-カドヘリン-PE(CD144-PE、eBiosciences)
1.2.25. CD146-PE(BD)
1.2.26. Uea-1-FITC(Biometa)
1.2.27. 7-ADD(BD)
1.2.28. vWF(フォンウィルブランド因子)抗体(Dako)
1.2.29. 4% パラホルムアルデヒド(USB)
1.2.30. Triton X-100(Sigma)
1.2.31. Tween-20(Sigma)
1.2.32. 4’,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール、ジヒドロクロリド(DAPI)(Molecular Probes)
【0037】
1.3. 消耗品
1.3.1. 500ml プラスチック遠心分離ボトル(Corning)
1.3.2. 0.2mm 濾過ユニット(Nalgene)
1.3.3. 50ml コニカルチューブ(Corning)
1.3.4. 15 コニカルチューブ(Corning)
1.3.5. 5mlポリスチレンチューブ(BD)
【0038】
1.4 機器
1.4.1. autoMACSセパレーターは、卓上型自動磁気細胞選別機である(Miltenyi Biotech)
1.4.2. BD FACSCalibur システム(BD)
1.4.3. タイタープレート振盪機(Lab-Line Instruments)
1.4.3. 遠心分離機(Beckman)
1.4.4. バイオセーフティーフード
1.4.5. CO2インキュベーター(NUAIR)
1.4.6. 倒立顕微鏡‐落射蛍光装置(水銀ランプイルミネーターモデル名:C-SHG)(Nikon Instruments Incorporation、メルビル、ニューヨーク)および測定カメラ クールスナップ(Nikon)付の、Nikon Eclipse TS100
【0039】
1.5. 培地ストック溶液
全ての培地溶液は、0.2μmの濾過ユニットで濾過され、50mlチューブ中-20℃で凍結保存される。
1.5.1. EBM-A培地
EBM-2基礎培地(CLOTECH)
20% FBS
L-グルタミン(0.292mg/ml)
ヒドロコルチゾン(1μg/ml)
Di cAMP(0.25mg/ml)
1%ペニシリン‐ストレプトマイシン抗生物質溶液
1.5.2. DMEMベース培地
DMEM(Invitrogen)
10% FBS
1×MVGS(Cascade Biologics)
ペニシリン‐ストレプトマイシン
【0040】
2. 方法
脂肪吸引サンプルは、実験室への輸送後、速やかに単離されたMVECへと処理される。もしもサンプルが速やかに処理されない場合、サンプルを室温で保存し、24時間以内に処理する。実験の実施前に、ウォーターバスを37℃まで温める。
【0041】
以下の手順は全て、バイオセーフティーフードの中で実施された。
【0042】
2.1. 単離
2.1.1. 500以上の、0.1%グルコース含有PBSまたはHBSSを温める。バイオセーフティーフードの表面を、使い捨ての実験台保護材で内張りする。
2.1.2. 消化用溶液(0.75u/mlのLiberase Blendzyme 1 (LB1)もしくは Liberase Blendzyme 3(LB3)、または、4mg/ml BSAおよび0.1%グルコースを含むPBSまたは HBSS中の4mg/ml I型コラゲナーゼ)を調製し、37℃のウォーターバス内で温める。
2.1.3. M199培地およびEC培地を37℃のウォーターバス内で温める。
2.1.4. RPMI/1% FBS/2mM EDTAを調製し、4℃で保管する。
2.1.5. 適切な無菌状態を保持するため、脂肪吸引処置で使用した手術用容器はバイオセーフティーフード下で開封する。200mlの脂肪組織を、500mlの遠心分離ボトル(Corning)に分注する。同体積の温めたPBSもしくはHBSSを加える。組織を洗浄するために撹拌し、その後3〜5分間相分離させる。浮遊物下の溶液(下の液相)を吸引する。透明な浮遊物下の溶液が得られるまで、洗浄は数回繰り返される(通常3〜4回)。
2.1.6. 最後の洗浄の後、1500〜2000rpmで5〜15分間、細胞を遠心分離する。浮遊物下の溶液を吸引する。脂肪組織を秤量し、脂肪1グラム当り約1mlの温めたLB1もしくはLB3、またはI型コラゲナーゼ溶液を加える。蓋を密封し、37℃のインキュベーター内の振盪機に設置して、30〜40分間緩やかに振盪する。10分ごとに組織を手動で混合する。
2.1.7. 150mlの温めたM199培地を加え、細胞を1200rpmで5分間、遠心分離する。
2.1.8. 遠心分離後、ECおよび他の細胞は容器またはチューブの底でペレットを形成する(これは通常暗赤色の細胞の層を含む)。油と脂肪の上端層、初代の脂肪細胞(浮遊細胞の黄色の層)および消化用溶液の下の層を慎重に除去する。細胞が乱されないように、少量のコラゲナーゼ溶液をペレットの上に残す。
2.1.9. 細胞を10mlの温めたM199培地に懸濁し、70μmの細胞濾過器で濾過する。細胞を、室温において適切な遠心分離機で5分間、1200rpmで遠心分離する。
2.1.10. 残存する培地を吸引する。吸引する際、油が可能な限り完全に除去されるように、上端からピペットの先端で吸引しなければならない。細胞のペレットはチューブの底に存在しなければならない。
2.1.11. 個々のチューブ内で、細胞を10mlの冷却したRPMI/1% FBS/2mM EDTA培地に再懸濁する。細胞は1本のコニカルチューブに貯える。細胞は70μmの濾過器を通して濾過する。
2.1.12. 150μlの細胞懸濁液を除き、Sysmexを用いて細胞数を計測する。
【0043】
2.2. CD31マイクロビーズによるECの濃縮
2.2.1. 25×106〜50×106個の細胞を15 mlのコニカルチューブに移し、室温において1200rpmで5分間遠心分離する。
2.2.2. 上清を吸引除去し、細胞を60μ1のRPMI/1% FBS/2mM EDTA培地当り10×106細胞の最高濃度に懸濁する。細胞10×106個当り、20μlのFcRブロッキング試薬を添加する。手早く混合し、それから細胞10×106個当り、20μlのCD31マイクロビーズを添加する。細胞を4℃で15分間インキュベートする。
2.2.3. インキュベートの後、細胞をRPMI/1% FBS/2mM EDTA培地で洗浄し、300×gで10分間遠心分離する。
2.2.4. 細胞ペレットを、2mlのRPMI/1% FBS/2mM EDTA培地に懸濁する。
2.2.5. 細胞をautoMACSに負荷し、プログラムはPOSSELDを用いて分離した。
2.2.6. CD31陽性および陰性の細胞を回収する。
2.2.7. CD31陽性または陰性いずれかの細胞150μlを微量遠心チューブに移し、Sysmexを用いて細胞数を計測する。
2.2.8. CD31分離の前後において、蛍光活性化細胞分取(Fluorescence Activated Cell Sorting)(FACS)を用いて細胞の特徴付けを行う。生存率は、7-AADでの細胞染色によりをFACS用いて測定される。
【0044】
2.3 細胞定着効率
2.3.1. CD31で精製したECを2〜5×105/cm2の密度で、フィブロネクチン、ゼラチン、I型コラーゲンなどでコートしたECMにおいて、EBM-AまたはMEM/10%FBS/MVGSのようなEC培地と共に播種し、二酸化炭素5%、37℃のインキュベーター内で培養した。
2.3.2. 翌日、プレートを緩やかに振盪し、生着しなかった細胞を含む培地をチューブ内に回収する。PBSで細胞を洗浄し、同じチューブ内に細胞を回収する。プレートに新鮮な培地を加え、インキュベーターに戻す。
2.3.3. 回収した培地を、1500rpmで5分間遠心分離する。
2.3.4. 培地を吸引し、細胞を200から500μlのPBSに懸濁する。細胞を激しくピペッティングし、Sysmexを用いて細胞数を計数する。
2.3.5. 細胞定着効率=(播種した全細胞数−浮遊していた細胞数)/(播種した全細胞数)
【0045】
2.4. 細胞の特徴付け
細胞は、CD31マイクロビーズ分離の前後、および培養48時間後に回収され、CD31、CD34、CD45、CD141およびCD144、CD146の発現に関するFACS解析により特徴付けられる。96穴プレート由来のいくつかの細胞は、4%パラホルムアルデヒドで固定され、vWF、eNOSまたはCD31で染色された。
【0046】
2.5. 人工移植片へのECの播種
0.5×0.5cmのHumacyte(商標)の人工処理された移植片は、6穴プレート内において37℃で1〜8時間、ヒトフィブロネクチン(100μg/ml)によりコーティングされた。それから、CD31マイクロビーズで選択されたEC(1×106〜5×106)がウェルに加えられ、インキュベーター内で10〜16時間インキュベートされた。移植片はホルマリン中で固定され、走査型電子顕微鏡(SEM)での検討が行われた。
【0047】
参照文献


【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】異なる酵素で異なる時間インキュベートした場合の細胞収率。
【図2】異なる酵素で異なる時間インキュベートした場合の細胞生存率。
【図3】消化後のECのパーセンテージ。
【図4】CD31で精製したECはFACS解析により特徴付けされた。
【図5】精製したECは培養において敷石状形態を示す。
【図6】図6A、精製したECは培養においてvWF陽性に染色される。図6Bは細胞の核染色を示す。
【図7】(図7A)未処理の人工血管移植片の表面。平滑なコラーゲン性の表面であり、内皮細胞は存在しない。(図7B)CD31マイクロビーズで精製したECを、フィブロネクチンで被覆された人工血管移植片に16時間付着させた。移植片は、組織工学的に処理された動脈の脱細胞化により作製される。これらの精製されたEC細胞は、フィブロネクチンで被覆された人工血管移植片に非常に迅速に付着する。表面積の約50%が、約16時間以内に精製したECで覆われる。この例において、およその細胞密度は110,000細胞/cm2である。
【図8】脂肪由来の内皮細胞を人工血管移植片上に16時間播種した。高密度の細胞播種が明らかである。さらに、強固な接着を示す、移植片表面上に伸展した細胞を矢印で記す。
【図9】CD31陽性細胞は、DMEM/10% FBS/MVGSにおいて4日間培養された。これらの細胞は、図9A:LB1、図9B:未精製I型コラゲナーゼ、図9C:LB2、図9D:LB3による、A:LB1、B:LB2、C:LB3、D:未精製I型コラゲナーゼ消化物から単離された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪組織から内皮細胞を調製する方法であって、以下の工程を含む方法:
脂肪吸引処置患者から得られた脂肪組織を洗浄する工程;
洗浄された脂肪組織から細胞を回収する工程;
精製されたコラゲナーゼ調製物で細胞を酵素的に処理する工程であって、該調製物はペプシン、トリプシン、およびサーモリシンを欠失している、工程;
CD31、CD34、CD144、およびCD146からなる第一の群より選択される抗原、またはCD14、CD45、およびF19からなる第二の群より選択される抗原に特異的な第一の抗体を含む磁気ビーズと接触させることにより、処理された細胞を選別する工程;
もし抗体が第一の群の抗原に特異的であれば、該磁気ビーズに結合している細胞を回収し、もし抗体が第二の群に特異的であれば、該磁気ビーズに結合していない細胞を回収する工程。
【請求項2】
回収された細胞が脂肪吸引処置後3日以内に血管移植片上に播種される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
回収された細胞が脂肪吸引処置後2日以内に血管移植片上に播種される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
回収された細胞が脂肪吸引処置後1日以内に血管移植片上に播種される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
血管移植片が脂肪吸引処置患者に移植される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
1種より多くの抗体を含む磁気ビーズを、処理された細胞と接触させる、請求項1記載の方法。
【請求項7】
精製されたコラゲナーゼ調製物がディスパーゼを含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
コラゲナーゼがクロストリジウム・ヒストリチクム(Clostridium histolyticum)由来である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
ディスパーゼがバチルス・ポリミキサ(Bacillus polymixa)由来である、請求項7記載の方法。
【請求項10】
血管移植片における播種に対する適合性について内皮細胞調製物をアッセイする方法であって、以下の工程を含む方法:
内皮細胞調製物を、内皮細胞に適した培養培地中で3日以内の間培養する工程であって、培養培地が細胞外基質タンパク質で被覆された表面を有する血管内に存在する、工程;
表面に付着した調製物中の細胞の量を測定する工程。
【請求項11】
内皮細胞調製物が2日以内の間培養される、請求項10記載の方法。
【請求項12】
内皮細胞調製物が1日以内の間培養される、請求項10記載の方法。
【請求項13】
以下の性質を有する、脂肪組織から単離された内皮細胞の集団:
集団中の80%より多くの細胞が生存可能である;
集団中の80%より多くの細胞が内皮細胞である;
集団中の50%より多くの細胞が、基材上に播種して24時間以内に基材に付着する。
【請求項14】
集団中の50%より多くの細胞が、基材上に播種して12時間以内に基材に付着する、請求項13記載の集団。
【請求項15】
内皮細胞がCD31陽性である、請求項13記載の集団。
【請求項16】
内皮細胞がCD31陽性、CD34陽性、CD144陽性、CD146陽性、CD133陰性、CD117陰性、およびCD141陰性である、請求項13記載の集団。
【請求項17】
内皮細胞が脂肪吸引サンプルから得られる、請求項13記載の集団。
【請求項18】
内皮細胞が培養においてtPAおよびプロスタサイクリンを分泌する、請求項13記載の集団。
【請求項19】
管腔上に播種された内皮細胞を含む人工血管移植片であって、内皮細胞が50,000細胞/cm2より高い密度で管腔に付着する、人工血管移植片。
【請求項20】
細胞が75,000細胞/cm2より高い密度で付着する、請求項19記載の移植片。
【請求項21】
細胞が85,000細胞/cm2より高い密度で付着する、請求項19記載の移植片。
【請求項22】
細胞が95,000細胞/cm2より高い密度で付着する、請求項19記載の移植片。
【請求項23】
細胞が105,000細胞/cm2より高い密度で付着する、請求項19記載の移植片。
【請求項24】
細胞が110,000細胞/cm2より高い密度で付着する、請求項19記載の移植片。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2009−528841(P2009−528841A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558357(P2008−558357)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/005706
【国際公開番号】WO2007/103379
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(508269101)
【Fターム(参考)】