説明

脱イオン化のための装置及びシステム

本明細書において、複数の膜を含む膜パッケージが提供され、前記膜パッケージは、プロセスのストリームの流れを有する供給のストリームの流れを容易にするのに適し、前記供給のストリームの流れの前記流体力学的な抵抗は、前記プロセスのストリームの流れの前記流体力学的な抵抗と実質的に同一である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、水の脱塩に使用される液体脱イオン化のためのデバイス、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気透析(ED)は、逆浸透(RO)の前に発明された比較的円熟した脱塩技術である。RO及びナノろ過(NF)などの圧力駆動システムにおいて、給水が浸透圧を越えるように加圧され、水が半透膜を通過する一方で、溶解した固体が拒絶され、給水側に残り、最終的に、塩水溶液に濃縮する。電位によって駆動されるシステム(ED)は、電圧を、膜パッケージの対向する末端である、1つの正極及び1つの負極に印加する。それゆえに、圧力で駆動されるシステムは、選択的に水を通過させ、溶解した塩を保持する一方で、電気的に駆動されるシステムは、溶解した塩を抽出し、水を保持する。どちらの方法も、水及び塩を分離し、塩分が低い水を生じる。ROに対するEDの利点は、高い圧力をプロセスのために必要としないことから、非常に高い塩濃度に加えて、汽水に適用可能であることであり、一時、日本における食卓塩が、長年、EDによって海水から製造されていた。このようにして、EDは、汽水の脱塩における塩水処理の重大な、現在高価である、未解決の問題を解決できるものである。EDは、逆浸透と異なって、給水から塩を除去し、溶質から水を除去しないので、比較的少ない量の塩を含有する汽水の処理に特に好都合でもある。
【0003】
EDは、スタックを介して流れる2つの別個のストリームの組成がプロセスの性質に依存する異なる用途に使用される。例えば、供給のストリームが、EDによって除去される有益な生産物及び塩を含有する混合溶液であってもよく、本明細書において概してプロセスのストリームと称される第2のストリームは、除去された塩の溶液である。別の事例において、逆電気透析(RED)は、海水などの濃縮した供給溶液から、EDスタック中の表面の水又はいずれの薄い水の供給源へ塩が浸透することによって、濃度の差異からエネルギーを抽出する。本事例において、供給のストリームは、例えば、海水であり、プロセスのストリームは、例えば、川の水である。
【0004】
1つの種類のイオン交換膜を備えるスタックを、電流によって駆動されるイオン交換に用いてもよく、例えば、酸性化のためのすべてのカチオン交換スタックがある。本事例において、供給は酸性化すべき溶液であり、プロセスのストリームは酸性溶液である。
【0005】
膜を介したイオン交換のためのプロセス、いわゆるドナン透析または拡散透析を、カチオン交換膜のみ又はアニオン交換膜のみ備えるスタックにおいて実施できる。
【0006】
体抵抗により、まして、強い濃度分極により電気抵抗がひどく高くなることから、通常、EDを、非常に薄い溶液で実施できない。このことは、希釈物(diluate)コンパートメントをイオン交換樹脂、通常、混合したベッドで満たすことによって解決できる。このプロセスは、超純水の調製に用いられ、電気透析、いわゆる電気脱イオン化(EDI)又は連続電気脱イオン化(CEDI)の種類のものである。いくつかの脱イオン化スタックのために、カチオン交換膜及びアニオン交換膜をスペーサにシールし、得られた希釈物セルをイオン交換樹脂で満たす。脱イオン化のためのより多くのほぼそのようなスタックを、Giuffrida et al.のElectro−deionization apparatus and method、米国特許第4,925,541号明細書(特許文献1),1990;Liang et al.のModules for Electro−deionization apparatus、米国特許第5,292,422号明細書(特許文献2)にて見出すことが可能であり、これらの文献の全体の内容を参照により本明細書に組み込む。
【0007】
現在利用可能な市販のED機器では、膜パッケージのコストが、総初期投資の大きな部分である。フィルタプレスのコンセプト、高価な膜及びガスケットが、すべて、スタックの高いコストの一因となる。あまり高価ではないスタックがプロセスをより魅力的なものとする。
【0008】
構成要素の互いへの接着剤での接着又はシールによって、EDスタック中の別個のアイテムの数を減少させることが既に試みられている。例えば、カチオン交換及びアニオン交換膜が共にシールされて、1つの出口を有するバッグが形成されているシールしたセルのEDスタックを作製することが報告されている。各膜が、別個のフレームに接着剤で接着されている別のスタックが報告されている。これらのどれも、実質的なスタックの簡素化又はより良好な操作をもたらすものではない。そのようなスタックについて、
−Kedem,O.,Cohen,J.,Warshawsky,A.and Kahana,N. EDS−Sealed cell electrodialysis. Desalination 46,291−299(1983)(非特許文献1);
−Kedem,O.,Bar−On,Z.and Warshawsky,A. Electroosmotic pumping in a sealed cell ED stack. AICHE Symp.Series 248,vol.82:19(1986)(非特許文献2);
−Schmoldt et al.,Electrodialysis cel assembly,米国特許第4,350,581号明細書(特許文献3);
−Messalem R.,Kedem O.and Kedem A. Module for an Electrodialysis stack,イスラエル国特許第120635号明細書(特許文献4);及び
−Kedem O.and Kedem A. Modular Electrodialysis device,米国特許第4,569,747号明細書(特許文献5);
にて見出すことができ、すべてのこれらの文献の全体の内容を参照により本明細書に組み込む。
【0009】
ED及びドナン透析のためのイオン交換膜の調製手順は、上述した参考文献及び技術文献に広く記載されている。例えば、非特許文献3のChapter 3及び該文献中の参考文献を参照されたい。その全体の内容を参照により本明細書に組み込む。
【0010】
幅広く適用されている、アイオノマーをベースとした化学的に安定なカチオン交換膜は、スルホン酸基を持つ全フッ素化モノマーから調製される(Yeager,1982)。芳香族ポリマーの誘導体化によって得られたアイオノマーをベースとした、又はアイオノマー及び荷電していない芳香族ポリマーの混合物をベースとした膜が、例えば、Zschocke ら、Balzerら及びEyalらによって記述されている。より詳細には、そのような膜について、非特許文献4〜7にて見出すことができ、これらすべての文献の内容全体を、参照により本明細書に組み込むものとする。
【0011】
市販のイオン交換膜を、湿潤状態でスタックに導入し、その後、湿潤を維持する必要がある。イオン交換膜の膨潤におけるデータは、上述した非特許文献3のp.119に集められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第4,925,541号明細書
【特許文献2】米国特許第5,292,422号明細書
【特許文献3】米国特許第4,350,581号明細書
【特許文献4】イスラエル国特許第120635号明細書
【特許文献5】米国特許第4,569,747号明細書
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Kedem,O.,Cohen, J.,Warshawsky,A. and Kahana,N. EDS − Sealed cell electrodialysis. Desalination 46,291−299(1983)
【非特許文献2】Kedem, O., Bar−On, Z. and Warshawsky, A. Electroosmotic pumping in a sealed cell ED stack. AICHE Symp.Series 248,vol.82:19(1986)
【非特許文献3】H. Strathmann “Ion Exchange Membrane Separation Processes” Membrane Science and Technology Series 9,Elsevier 2004
【非特許文献4】Yeager,ASC Symposium Series 180,American Chemical Society,Washington D.C.
【非特許文献5】Zschocke and Quellmalz,J. of Memb. Sci.22(1985),p.325
【非特許文献6】P.Wilhelm J.Balster et al. J.Phys.Chem., 2007
【非特許文献7】A. Eyal et al., J. Memb. Sci.,38(1988) p.101
【発明の概要】
【0014】
本発明のいくつかの実施態様に従って、複数のセルの対、例えば,10−100セルの対を備える膜パッケージが提供される。膜パッケージは、限定されないが、脱塩プロセスにおける希釈物及び濃縮溶液、中和化プロセスにおける酸及び塩基溶液、エネルギー変換のためのEDにおける濃縮した供給のストリーム及びより薄い水の供給源、又は所望のプロセスに必要であるストリームのいずれの他の組み合わせなどの供給及びプロセスの両方のストリームの基本的に自由な流れを可能にするのに適する。膜パッケージは、供給及びプロセスの両方のコンパートメントを介した基本的に自由な流れを可能にするのに適し、2つの溶液(供給及びプロセスのストリーム)の間の漏れによる混合がない。
【0015】
いくつかの実施態様に従って、例えばポッティング(potting)手法によって、第1のスペーサによって定められる距離で、2つの平行なエッジに沿って互いに結合した複数のスリーブを備える膜パッケージが更に提供され、各スリーブが、第2のスペーサによって互いと分離された2つの膜を備え、2つの膜が、2つの平行なエッジに沿って、結合したスリーブの2つのエッジと垂直にシールされている。膜パッケージは、更に、ポットされた(potted)本体を適切に開くことによって、液体がスリーブに入れるようにし、このようにして、互いと垂直な2つの流路を得てもよい。
【0016】
いくつかの実施態様に従って、第1の膜を、2つの平行なエッジに沿って、接続要素、例えば、適した材料の固体のストリップを用いて、第1のスペーサに連結してもよい。第2の膜を、同じエッジに沿って、同じ手段又は任意選択的には異なる接続要素によって、第1のスペーサに連結してもよい。第2のスペーサを、2つの平行なエッジに沿って、第1のスペーサと第1の及び第2の膜との間のシールと垂直に、第2の膜に連結してもよい。第3の膜を、第2の膜にシールされているエッジに沿って、第2のスペーサに連結してもよい。膜パッケージを、このような方法によって構築し、スペーサは、交互の垂直な方向で、2つのエッジに沿ってシールされており、このようにして、2つのストリームのための垂直な流路が生じる。
【0017】
いくつかの実施態様に従って、膜パッケージは、硬質フレームを更に含むモジュール(膜モジュール)に含まれてもよい。膜パッケージを所定の領域、例えば隅にてフレームに挿入でき、連結できるように、フレームを成型してもよい。別個の開口スペースを、供給及びプロセスのストリームの流入及び流出のために作製し、これらのストリームが、垂直な方向で、ストリームの間で混合又は漏れがなく、膜パッケージを通して流れるようにする。
【0018】
いくつかの実施態様に従って、モジュールの間にガスケットを有する2つの又は3つ以上のモジュールを備えるEDスタックが提供される。モジュール・スタックは、両末端上に、端板としても機能することが可能である電極セルを更に備える。
【0019】
いくつかの実施態様において、適したガスケット材料は、硬質フレームの1つの面上に接着剤で接着していてもよい。
【0020】
いくつかの他の実施態様において、フレームに入ったセルは、モジュールの1つの面上に接着剤で接着していてもよく、該モジュールは、薄いフレーム上に接着剤で接着したアニオン交換膜及びカチオン交換膜のセルを備える。
【0021】
1又は複数のモジュールを、互いと平行して設置し、端板としても機能する従来の電極セルによって、該電極セルの間の適した機械的連結で、共に保持することによって、EDスタックを形成することができる。
【0022】
本発明のいくつかの実施態様に従って、供給及びプロセスのストリームは、電極板のポートを介して流入してもよいし、流出してもよい。組み立てられたスタックにおいて、2つのストリームは、全体的に互いと分離しており、それらの役割を、EDRシステムにおいて、定期的に交換できる。
【0023】
電気脱イオン化(EDI)のためのシールしたスタックを、本発明の実施態様に従って、構築してもよく、膜の間の距離は、イオン交換樹脂で満たすことを可能にするのに適する。スリーブを、例えば、膜パッケージのエッジに付着している適したネットによって、所定の位置に保持されているイオン交換樹脂で満たしてもよい。スリーブを、樹脂のための余地を残すスペーサなしで調製してもよい。また、スペーサを含有するスリーブを調製し、スリーブの間のスペースをイオン交換樹脂で満たし、イオン交換樹脂を適したネット、又は同類のものでを維持することも可能である。
【0024】
本発明のいくつかの実施態様に従って、形状安定なカチオン交換及びアニオン交換膜をスリーブの調製のために提供してもよい。使用する形状安定な膜は、乾燥及び湿潤条件の両方において、10%内に、好ましくは5%、最も好ましいのは2%内又はそれ未満に、その寸法を維持する。荷電していない1つ又は複数のポリマーで架橋する及び/又該ポリマーと混合することによって、ポリマー材料の膨潤を制限することによって、寸法の変化を最小限にする。
【0025】
EDIのためのいくつかのシステムに使用される異種の膜を、湿潤状態でシールしてもよい。
【0026】
本発明のいくつかの実施態様の態様は、脱塩プロセスにおいて溶液を希釈するか、かつ/又は濃縮するための、中和化プロセスにおいて酸及び/又は塩基の溶液を形成するための、エネルギー変換プロセスにおいて濃縮した溶液及びより薄い水の供給源を拡散させるための、溶液中のイオンを選択的に移動させるための、又は任意選択的には所望のプロセスによって必要とされる場合に、溶液を脱イオン化するための、及び/又はそれらのいずれの組み合わせのためのデバイス及び装置を提供することに関する。装置は、ED、逆ED(EDR)、ドナン透析、電気脱イオン化(EDI)、連続電気脱イオン化(CEDI)、及び同類のものを含むプロセスを使用するのに適してもよい。装置、装置を備えるシステム、及び装置の使用を含む方法が、本明細書に開示される。
【0027】
本発明の実施態様を、好都合なことに、EDIに適用してもよい。大きなユニットを構築でき、容易にイオン交換樹脂で満たすことができる。例えば、すべての(又は一部の)コンパートメントを、少なくとも部分的に樹脂で満たしてもよい。
【0028】
膜を、ストリップ(例えば、2−4mmの厚さの)によって、膜パッケージ中で互いへシールし、ストリップは垂直に交互にある。非常に開いたスペーサを挿入してもよい。スペーサを、加圧された溶液での樹脂の導入を可能にするが、樹脂ベッドを依然として安定化させるように選択してもよい。代わりとして、スペーサがない膜パッケージを構築してもよい。
【0029】
いくつかの実施態様において、適したネットを、膜パッケージの1つの面に固定し、混合した樹脂の測定した量を、溶液で、パッケージの他の面に注ぎ、ネットで第2のエッジを閉じてもよい。次に、パッケージを90°回転させてもよく、手法を繰り返してもよい。
【0030】
本発明のいくつかの実施態様の態様に従って、装置は、モジュールを介した供給のストリーム及びプロセスのストリームの実質的に自由な流れを可能にするのに適したモジュール(デバイス)を備え、該モジュールは、2つのストリームの流れに対する比較的低い流体力学的な抵抗を有する。本発明のいくつかの実施態様において、モジュールの流体力学的な抵抗を、基本的に、スペーサの流体力学的な抵抗(モジュールに含まれる入口/出口のポートの流体力学的な抵抗ではない)によって決定する。モジュールは、複数のセルの対、例えば1〜10のセルの対、10〜20のセルの対、20〜40のセルの対、40〜80のセルの対、80〜160セルの対、160〜320のセルの対、及び任意選択的には320を越えるセルの対を備える。各セルの対は、スペーサの第1の面上の2つの対向する平行なエッジに沿って、第1のスペーサに1つの面上で付着した(例えば、熱シーリング、接着剤での接着、及び/又はスペーサ及び膜に含まれる架橋ポリマーによって)第1のイオン交換膜と、スペーサの第2の面上の対向する、平行なエッジに沿って、第1のスペーサに1つの面上で付着した第2のイオン交換膜と、第1のスペーサにおけるシールしたエッジと垂直な2つの対向する、平行なエッジに沿って、第2の膜の第2の面に第1の面上で付着した第2のスペーサとを備えてもよい。第2のセルの対と結合した第3のイオン交換膜は、スペーサの第2の面上の対向する平行なエッジに反って第2のスペーサに付着していてもよい。膜パッケージをこのようにして構築してもよく、スペーサは、イオン交換膜のものと交互の垂直な方向で、2つのエッジに沿って付着しており、2つのストリームのための垂直な流路を生じさせる。例えば、供給のストリームは、シールされていないエッジの全長に沿って第1のスペーサに流入してもよく、基本的に、スペーサの全体の断面を横切って流れ、反対側のシールされていないエッジの全長に沿って流出してもよい。プロセスのストリームは、シールされていないエッジの全長に沿って、第2のスペーサに流入してもよく、基本的に、スペーサの全体の断面を横切って流れ、反対側のシールされていないエッジの全長に沿って、基本的に、供給ストリームの流れに垂直に流出してもよい。
【0031】
本発明のいくつかの実施態様において、セルの対を、スリーブを形成する、対向する、平行なエッジに沿って、第1の膜及び第2の膜を付着させることによって形成してもよく、スペーサはスリーブの内側に挿入され、膜に付着している。第2のスペーサは、スリーブの付着させたエッジと垂直な2つの対向する、平行なエッジに沿って、第2の膜の第2の面に第1の面上で付着している。膜パッケージを、スペーサの第2の面上の2つの対向する、平行なエッジに沿って、第2のスペーサに、第2のセルの対と結合した第2のスリーブを付着させることによって、構築してもよく、2つのストリームのための垂直な流路を生じさせる。
【0032】
先行技術において、溶液中のイオンを選択的に移動させるのに、又は任意選択的には溶液を脱イオン化するのに適した装置は、多くの場合、供給のストリーム及びプロセスのストリームのための狭い入口及び出口ポートを有するスペーサを備える。狭いポートの使用によって、多くの場合、スペーサにおける漏れの蓋然性を減少させるが、問題が、多くの場合、ポートとして生じ、その狭いサイズのために、目詰まりに影響されやすい。さらに、狭いサイズのポートは、比較的大きな流体力学的な抵抗の一因となり、高い抵抗は、多くの場合、ストリームにおける比較的高い流速を維持するためのポンピングエネルギーの増加を必要とする。言い換えると、このことは、概して、比較的高いエネルギー消費を有する装置をもたらす。
【0033】
本発明のいくつかの実施態様の態様に従って、装置は、2つの電極の間に位置するモジュールを備える。任意選択的に、モジュールを、1つのモジュールを別のモジュールの上に設置することによって、モジュールの垂直なスタックに構成してもよい。任意選択的に、モジュールを、1つのモジュールを別のモジュールの次に設置することによって、モジュールの水平なスタックに構成してもよい。さらに、又は代わりとして、ガスケットを、スタック内の各モジュールの間に設置してもよい。任意選択的に、スタックを2つの電極の間に位置付けてもよい。任意選択的に、電極は、端板に含まれてもよい。アノード(正に荷電した端子)及びカソード(負に荷電した端子)を備えてもよい電極は、供給のストリーム及びプロセスのストリームが1つ又は複数のモジュールを介して流れる際に、1つ又は複数のモジュールを介した直流フローを生じるのに適する(電極がDC電圧供給源に接続されている)。任意選択的に、電極は、電圧供給源における極性の反転に反応する極性、電極の極性に従う1つ又は複数のモジュールにおける直流フローの方向を変化させるのに適する。
【0034】
本発明の実施態様において、モジュールは、膜パッケージを支持するのに適したフレームを備えてもよい。フレームは、流れが互いと混合するのを実質的に防ぐ一方で、モジュールの内側の供給の流れ及びプロセスのストリームの自由な流れを可能にするのに更に適していてもよい。例えば、フレームを、膜パッケージをフレーム内の所定の領域にて挿入でき、かつ接続できるように成型し、モジュール内の供給及びプロセスのストリームの流入及び流出を可能にするのに適し、かつ流れの間での混合又は漏れなしで膜パッケージを介した2つのストリームの流れを更に可能にするのに適したコンパートメントを形成する。フレームは、モジュールが積み重ねられている場合に、ストリームが混合することなく、1つのモジュールから別のものへの供給のストリーム及びプロセスのストリームの流れを可能にするのに更に適していてもよい。フレームは、プラスチック材料、複合材料及び/又は供給のストリーム及びプロセスのストリームとの接触に実質的に抵抗するのに適したいずれの他の材料もしくは材料の組み合わせのものであってもよい。任意選択的に、ガスケット材料をフレームに取り付けてもよい。
【0035】
本明細書に記載したガスケットの代わりとなるものとして、多数のモジュールのスタック内の各モジュールの1つの面を形成してもよく、このようにして、モジュールの間のガスケットの代わりとなるものとして機能してもよいセルの対を含有する板が提供される。各膜パッケージの両末端は、スペーサで終了し、同じ方向に向けられたストリップを膜なしで接続する。任意選択的に、1つの末端で接続するストリップは、他の末端でのものとは異なる方向に、例えば、互いと垂直に向けられている。パッケージをフレームに挿入する場合、両方のストリップはフレームの表面と同じ高さである。EDスタックが1つのモジュールのみを備える場合、フレーム及びストリップが、薄い弾性層で被覆されている電極のコンパートメントに押し付けられるであろう。
【0036】
多数のモジュールのスタックについて、薄い板が各モジュールの1つの面上に追加される。この板は、フレームに一致し、供給及びプロセスの両方のストリームための開口を有する。板は、板における長方形の開口のエッジにそれらの間のスペーサと共にシールされた2つの膜から成るセルを含む。接続するストリップの方向と垂直な開口のエッジに沿った入口/出口のポートによって、セルを介して流れることができるようになる。セルの板の幅の厚さ並びに入口/出口のポートのサイズ及び数を、セルの流体力学的な抵抗が、膜パッケージ内のセルのものに等しいか、又はそれよりわずかに大きいように調整する。板を、概してスペーサ上のストリップに付着させることによって、膜パッケージの1つの面上のフレームに付着させる。薄い板の残りの表面は、比較的薄い弾性層で覆われている。
【0037】
本発明のいくつかの実施態様において、モジュールは、セルの対を備えてもよく、例えばEDのための装置と共に使用するために、各セルの対内のイオン交換膜が、カチオン交換膜及びアニオン交換膜を備える。任意選択的に、各セルの対に含まれるイオン交換膜は、例えば、酸性化処理又はドナン透析のための装置と共に使用するために、カチオン交換膜のみ備える。任意選択的に、各セルの対に含まれるイオン交換膜は、例えば、ドナン透析のための装置と共に使用するために、アニオン交換膜のみ含む。イオン交換膜は、形状安定なカチオン交換及び/又はアニオン交換膜を備えてもよく、膜は、乾燥及び湿潤の両方の条件において、その線状の寸法を10%又はそれ未満内に維持するのに適している。任意選択的に、寸法を、乾燥及び湿潤両方の条件において5%〜10%の範囲内に維持する。任意選択的に、寸法を、乾燥及び湿潤両方の条件において、2%〜5%の範囲内に維持する。任意選択的に、寸法を、乾燥及び湿潤両方の条件において、2%又はそれ未満に維持する。荷電していない1つ又は複数のポリマーによる架橋及び/又は荷電していない1つ又は複数のポリマーとの混合によってポリマー材料の膨潤を制限することによって、寸法の変化を最小限にしてもよい。
【0038】
本発明のいくつかの実施態様において、モジュールを、EDI及び/又はCEDIのための装置と共に使用するのに適応させてもよい。イオン交換樹脂を、スペーサの代わりに、イオン交換膜の間に用いてもよい。イオン交換樹脂を、例えば、膜パッケージのエッジに付着している適したネットによって、所定の位置に保持してもよい。任意選択的に、イオン交換樹脂を、スペーサとイオン交換膜との間の空間を埋めるのに用い、イオン交換樹脂は、適したネット又は同類のもので保持されている。
【0039】
本発明のいくつかの態様に従って、EDシステムを提供してもよい。EDシステムは、ED装置と、前処理システムと、制御システムと、任意の清浄システムとを備えてもよい。前処理システムは、供給ストリームを予め調整するのに適してもよく、大きな固体のろ過、抗菌処理、防汚処理、及び/又はスケーリングを防ぐ(anti−scaling)処理を含んでもよい。清浄システムは、スタック、電極、及びED装置の他の構成部品を清浄するのに適してもよい。任意選択的に、清浄システムは、前処理システムを清浄するのに適してもよい。制御システムは、前処理システム及び/又はEDR装置の動作を制御するのに適してもよい。
【0040】
本発明のいくつかの実施態様において、システムは、EDR装置をを備えてもよい。任意選択的に、システムは、酸性化装置又は中和化装置を備えてもよい。任意選択的に、システムは、ドナン透析装置を備えてもよい。任意選択的に、システムは、EDI又はCEDI装置を備えてもよい。任意選択的に、システムは、溶液中のイオンを選択的に移動させるのに、又は任意選択的には溶液を脱イオン化するのに適したいずれの装置も備えてもよい。任意選択的に、システムは、上述した装置のいずれの1つ又はいずれの組み合わせも備えてもよい。任意選択的に、システムは、複数の上述した装置を備えてもよく、装置は、共に直列に接続されていてもよい。任意選択的に、複数の装置を、平行な構成で接続してもよい。任意選択的に、複数の装置を、平行で直列な構成のいずれの組み合わせで接続してもよい。
【0041】
本発明のいくつかの実施態様において、本明細書に記載したEDシステム及び装置を、本明細書に示されるいずれの用途に用いてもよい。また、本明細書に記載したEDシステム及び装置を、生物学的に処理した都市のゴミの脱塩にも用いてよい。
【0042】
都市の廃水を限外ろ過(UF)によって処理するために、制限されない潅漑に適した生物処理の後、塩の含量が、特定の閾値を越えてはならない。また、このことは、UFを含めた膜のバイオリアクターを、浸して、又はサイドアームとして使用する際にも適用される。塩を、電流の逆転を有するED(EDR)によって除去できる。いくつかの実施態様に従って本明細書において開示されているスタックは、低い流体力学的な抵抗、及び電流の逆転を可能にするその対称構造により、エネルギーを節約すること可能である。スタックに利用可能な密なイオン交換膜を用いることで、生じた塩水のみが有機の含量が最小である濃縮した塩溶液であり、カリウムなどの有益な構成成分の抽出を促進する。
【0043】
廃水の脱塩及びいくつかの工業的な用途のためには、有機アニオンへの低い透過性に加えて、スケールを形成するリン酸塩及び硫酸塩への低い透過性が必要である。同時に、濃度の分極が最小限である必要がある。塩水処理のためには、濃縮した塩溶液における高い選択透過性が必須であり、低い水透過性は、高い濃度の要因を可能にするものである。濃度分極と関連した問題は、基本的に存在しない。
【0044】
本発明のいくつかの実施態様に従って、1又は複数の下記の3つのタイプのユニットを有してもよいシステムが提供される:
1.適切に接続された膜及びスペーサを含む膜パッケージ。スペーサのエッジに沿って基本的に配置された接続するストリップなどの接続要素は、スペーサ又は別個のアイテムの一部であってもよい。
2.膜パッケージ、膜パッケージがフレームに付着している(例えば、接着剤で接着している)フレームを含むモジュール(膜モジュール)。パッケージは、2つの別個のスペース、2つのストリームのための入口及び出口のスペースを含む。モジュールの1つの面に、弾性ガスケット又はフレームに入ったセルを追加してもよい。
3.1又は複数のモジュールと、電流の通路のための電極と、溶液の流れのための入口及び出口のポートと、構成要素を共に保持するための接続する手段とを含む電気透析(ED)スタック。EDスタックを、電流が、高い濃度から低い濃度への塩の拡散によって、EDスタックにおいて生じる逆電気透析(RED)、又は電気透析逆転(EDR)に用いてもよい。
【0045】
本発明の実施態様に従って、第1の膜と、第2の膜と、第1の膜と第2の膜との間の第1のスペーサと、第2の膜に近接した第2のスペーサとを備えるセルの対が提供され、第1の膜は、第1のスペーサの2つの平行なエッジに沿って、第1のスペーサに接続されており、第2の膜は、第1のスペーサの2つの平行なエッジに沿って、第1のスペーサに接続されており、第2のスペーサは、第2のスペーサの2つの平行なエッジに沿って、第2の膜に接続されており、第2のスペーサの平行なエッジは、第1のスペーサの2つの平行なエッジと垂直である。任意選択的に、セルの対は、第2の膜の1つの面上で供給のストリームが流れるようにし、かつ第2の膜の第2の面上でプロセスのストリームが流れるようにするのに適し、供給のストリームの流れはプロセスのストリームの流れと基本的に垂直である。任意選択的に、セルの対は、第1のスペーサを介して供給のストリームの流れるようにし、かつ第2のスペーサを介してプロセスのストリームが流れるようにするのに適し、供給のストリームの流れは、プロセスのストリームの流れと基本的に垂直である。
【0046】
本発明の実施態様に従って、複数のセルの対を備える膜パッケージ提供され、セルの対の少なくとも一部が、それぞれ、第1の膜と、第2の膜と、第1の膜と第2の膜との間の第1のスペーサと、第2の膜に近接した第2のスペーサとを備え、第1の膜が、第1のスペーサの2つの平行なエッジに沿って、第1のスペーサに接続されており、第2の膜が、第1のスペーサの2つの平行なエッジに沿って、第1のスペーサに接続されており、第2のスペーサが、第2のスペーサの2つの平行なエッジに沿って、第2の膜に接続されており、第2のスペーサの平行なエッジが第1のスペーサの2つの平行なエッジと垂直である。任意選択的に、膜パッケージは、第2の膜の1つの面上で供給のストリームが流れるようにし、かつ第2の膜の第2の面上でプロセスのストリームが流れるようにするのに適し、供給のストリームの流れは、プロセスのストリームの流れと基本的に垂直である。任意選択的に、膜パッケージは、第1のスペーサを介して供給のストリームが流れるようにし、かつ第2のスペーサを介してプロセスのストリームが流れるようにするのに適し、供給のストリームの流れは、プロセスのストリームの流れと基本的に垂直である。任意選択的に、供給のストリームの流れ及びプロセスのストリームの流れの流体力学的な抵抗を、基本的に、スペーサの流体力学的な抵抗によって決定する。
【0047】
本発明のいくつかの実施態様において、第1の膜、第2の膜、又はその両方が、イオン交換膜である。任意選択的に、第1の膜が、アニオン交換膜である。任意選択的に、第2の膜がカチオン交換膜である。さらに、又は代わりとして、第1の膜及び第2の膜が、カチオン交換膜である。
【0048】
本発明のいくつかの実施態様において、第2のスペーサが第2の膜と第3の膜との間に配置されるように、第2のスペーサが、第2のスペーサの2つの平行なエッジに沿って、第3の膜に接続するのに適する。
【0049】
本発明のいくつかの実施態様において、セルの対が、電気透析ED、電気透析逆転(EDR)、ドナン透析、電気脱イオン化(EDI)、連続電気脱イオン化(CEDI)及び逆電気透析(RED)に使用されるのに適する。
【0050】
本発明の実施態様に従って、複数の膜を備える膜パッケージが提供され、膜パッケージが、供給のストリームの自由な流れ及びプロセスのストリームの自由な流れを容易にするのに適する。任意選択的に、供給のストリームの流れ及びプロセスのストリームの流れの流体力学的な抵抗を、基本的に、スペーサの流体力学的な抵抗によって決定する。
【0051】
本発明の実施態様に従って、複数の膜を含む膜パッケージを備える膜モジュールが提供され、膜パッケージが、供給のストリームの自由な流れ及びプロセスのストリームの自由な流れを容易にするのに適し、フレームが膜パッケージを支持するのに適する。任意選択的に、膜パッケージが、複数のセルの対を備え、セルの対の少なくとも一部が、それぞれ、第1の膜と、第2の膜と、第1の膜と第2の膜との間の第1のスペーサと、第2の膜に近接した第2のスペーサとを備え、第1の膜が、第1のスペーサの2つの平行なエッジに沿って、第1のスペーサに接続されており、第2の膜が、第1のスペーサの2つの平行なエッジに沿って、第1のスペーサに接続されており、第2のスペーサが、第2のスペーサの2つの平行なエッジに沿って、第2の膜に接続されており、第2のスペーサの平行なエッジが、第1のスペーサの2つの平行なエッジと垂直である。さらに、又は代わりとして、フレームが、モジュールの内側の供給のストリーム及びプロセスのストリームの自由な流れを可能にする一方で、ストリームが互いと混合するのを実質的に防ぐのに更に適する。任意選択的に、供給のストリームの流れ及びプロセスのストリームの流れの流体力学的な抵抗を、基本的に、スペーサの流体力学的な抵抗によって決定する。
【0052】
本発明の実施態様を例示する例を、添付の図面を参照して以下に記載する。図中、2以上の図において見られる同一の構造、要素又は部品には、概して、それらが見られるすべての図面において同じ数字を付す。図面に示される構成部品及び特徴の寸法を、概して、提示の便宜及び明確さのために選択し、必ずしも目盛りで示される必要はない。図面を以下にリストアップする。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1A】図1Aは、本技術分野において既知の例示のEDデバイスを概略的に示す図である。
【図1B】図1Bは、図1Aに示す、本技術分野において既知の膜パッケージに含まれるEDデバイス及びセルの対の一部の組立分解等角図を概略的に示す。
【図2】図2は、本発明の実施態様に従う、装置に含まれる膜パッケージに含まれる複数のセルの対の組立分解等角図を概略的に示す。
【図3】図3は、本発明の実施態様に従う、脱塩プロセスにおいて溶液を希釈し、かつ/又は濃縮するのに適した装置に含まれる膜パッケージに含まれる複数の例示のセルの対の組立分解等角図を概略的に示す。
【図4A】図4Aは、本発明の実施態様に従う、図2の装置に含まれる例示のモジュールの等角図を概略的に示す。
【図4B】図4Bは、図4Aに示すモジュールの動作の例示の形式のフローチャートを概略的に示す。
【図4C】図4Cは、別の本発明の実施態様に従う、図3の装置に含まれる、例示のモジュールの等角図を概略的に示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施態様に従う、図4Aに示す複数のモジュールを備えるモジュール・スタックで構成された装置の一部の組立分解等角図を概略的に示す。図5A及び5Bは、本発明の実施態様に従う、多数のモジュールのスタックにおいて使用するための例示の板及び弾性層を概略的に示す。
【図6】図6は、本発明の実施態様に従う、EDを行うのに適した装置を備えるシステムを概略的に示す図である。。
【発明を実施するための形態】
【0054】
(用語解説)
特に断りのない限り、又は使用の前後関係から明らかなように、本明細書において使用されるいずれの用語、略語、頭文字又は科学的記号及び表記は、開示がほぼ属する技術的な専門分野における通常の意味を有する。下記の用語、略語及び頭文字を、本明細書に示される記載を通して用いてもよく、矛盾しないか、又本明細書に示される他の記載によって詳しく述べられていない限り、概して、下記の意味を有するものとするべきである。以下に記載する用語のいくつかは、登録商標である。
【0055】
用語解説の用語(略語など)を説明に使用する場合、大文字の(capital,uppercase)及び小文字の(lowercase)文字の使用の間に違いがあるべきではない。例えば、「ABC」、「abc」及び「Abc」、又はこれらの3文字を同じ順序で有する大文字と小文字のいずれの他の組み合わせも、別段に指示又は明示していない限り、互いに同じ意味を有するとみなすべきである。同様の共通している事項が、概して、「Xyz」及び「Xyz」などの、下付きがあるか、またはないように見える下付きを含む用語解説の用語(略語など)に適用される。さらに、用語解説用語の複数形(plulal)は、例えば、ABCs又はABC’sのように、最後の「s」の前にアポストロフィーを含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0056】
セルの対は、いくつかの実施態様に従って、2つの近接したイオン交換膜、2つの膜の間のスペーサ及び1つの膜に近接したスペーサ、及びスペーサ接続要素を指してもよい。例えば、適した材料の固体のストリップなどのスペーサ接続要素は、膜をスペーサに接続するのに用いられ、スペーサの一部又は別個の構成部品であってもよい。プロセスの性能の特徴付けのために、セルの対という用語は、さらに、膜及びスペーサに加えて(又は代わりに)、1つの供給コンパートメント及び1つのプロセス・コンパートメント内の溶液と称してもよい。
【0057】
電荷密度は、いくつかの実施態様に従って、膜における容積当たりの固定された電荷の量と称することが可能であり、容積は、ポリマー及び水を含む。
【0058】
コンパートメントは、いくつかの実施態様に従って、2つの膜の間のスペーサによって定められる容積を指してもよい。
【0059】
濃縮とは、いくつかの実施態様に従って、脱塩におけるプロセスのストリーム、又は溶質を濃縮する他のEDプロセスを指してもよい。
【0060】
架橋する又は架橋は、いくつかの実施態様に従って、1つのポリマー及び/又はオリゴマー鎖を別のものに連結させる共有結合の形成を指してもよい。また、架橋を、静電又は疎水性相互作用などの共有結合以外の相互作用によってもたらしてもよい。特に明記しない限り、架橋は、共有結合を指す。
【0061】
希釈物は、いくつかの実施態様に従って、ED脱塩における供給のストリームのための代わりの用語である。
【0062】
電極セルは、いくつかの実施態様に従って、膜パッケージ及び溶液を通る電流を供給する電極を含有する、膜によってシールされたハウジング(例えばプラスチック)を指してもよい。電極セルは、EDスタック内の端板としても機能することが可能である。
【0063】
電気脱イオン化(EDI)は、いくつかの実施態様に従って、供給(希釈物)コンパートメント、又は供給及びプロセスの両方のコンパートメントが少なくとも部分的にイオン交換樹脂で満たされている膜パッケージを用いる薄い塩類溶液の脱塩のためのプロセスを指してもよい。
【0064】
電気透析は、いくつかの実施態様に従って、半透膜を介してイオンを移動させることを含むプロセスを指してもよい。
【0065】
電気透析逆転(EDR)は、いくつかの実施態様に従って、電流の方向が所定の間隔で逆転している電気透析プロセスを指してもよい。
【0066】
電気透析(ED)スタックは、いくつかの実施態様に従って、膜と、少なくとも2つの溶液が流れるのを可能にするスペーサ及びガスケット(通常接続されている)と、膜及び溶液を介した電気の流れを可能にし、端板としても機能する電極と、これらを共に維持する手段とを含有するスタックを指してもよい。端板は、溶液の入口及び出口のポートを持っていてもよい。
【0067】
端板は、いくつかの実施態様に従って、共に保持され(例えば、機械的に)、このようにして、1又は複数の膜パッケージ及び/又はモジュールを共に保持する、EDスタックの1つの又は両末端における板(例えば、平らな板)を指してもよい。
【0068】
供給のストリームは、いくつかの実施態様に従って、供給コンパートメントと称される少なくとも1つおきのコンパートメントを通って流れる、電気透析によって処理される溶液を指してもよい。
【0069】
フレームに入ったセルは、いくつかの実施態様に従って、セルにシールされているアニオン交換の及びカチオン交換の膜から成るセルを有する、供給及びプロセスのストリームのための1つ又は複数の開口を有するモジュールの1つの末端における板を指してもよい。
【0070】
自由な流れは、いくつかの実施態様に従って、基本的にスペーサの全断面を介しての、スリーブ内のスペーサによって定められるコンパートメントへの及び/又は交換膜の間のスペーサによって定められるコンパートメントへの液体ストリームの流入及び流出を指してもよい。
【0071】
ガスケットは、いくつかの実施態様に従って、概して、膜の間にシールをもたらす弾性材料で作製され、供給及びプロセスのストリームの流入及び流出のためのポートを持つフレームを指してもよい。スペーサ及びガスケットを、1つのピースで形成してもよく、多くの場合、ガスケットは、スペーサのエッジ上に成型されている。
【0072】
流体力学的な抵抗は、いくつかの実施態様に従って、印加した圧力と、流量、例えば、スタックを通過する溶液の線速度によって表される流量との間の比を指してもよい。
【0073】
イオン交換容量は、いくつかの実施態様に従って、ポリマー又は膜の単位乾燥重量当たりの固定された電荷の量を指してもよい。
【0074】
イオン交換膜は、いくつかの実施態様に従って、イオンの移動のために設計された膜を指してもよい。該イオン交換膜は、固定された電荷を持ち、例えば、該イオン交換膜は、イオン性基を持つポリマーを含有してもよい。電気中性を、ポリマーのものと反対の意味を表す符号の移動可能な対イオン、カチオン交換膜中のカチオン及びアニオン交換膜中のアニオンによって維持する。共イオン(co−ion)は、ポリマーと同じ符号のイオンである。
【0075】
アイオノマーは、いくつかの実施態様に従って、親水性の荷電基及び疎水性の荷電基の両方を含有するポリマーを指してもよい。アイオノマーは、概して、有機溶媒に可溶であり、かつ水に可溶である。
【0076】
膜パッケージは、いくつかの実施態様に従って、すべての構成要素が適切に共に接続されている複数のセルの対を指してもよい。
【0077】
モジュール(膜モジュール)は、概して、いくつかの実施態様に従って、膜などの構成要素の接続されている群を指してもよい。モジュールは、フレームに固定された膜パッケージを含んでもよく、いくつかの実施態様において、1つの末端上に、フレームに入ったセルを更に含んでもよい。フレームに入ったセルを持たない複数のモジュールを、ガスケットで分離してもよい。
【0078】
膜の選択透過性は、いくつかの実施態様に従って、カチオンとアニオンとの間の区別を指してもよい。高い選択透過性を有する膜において、電流は、主に1つの符号のイオンによって、少量の反対の符号のイオンのみによって運ばれる。
【0079】
ポッティングは、いくつかの実施態様に従って、毛管の内部又は膜の間のいくつかの所定のスペースが、接触可能のままであり、かつ他のものが塞がれるように、平らなシート又は毛管などの膜の構成要素を、1つの本体に、接着剤を置くことによって結合することを含む手法を指してもよい。
【0080】
プロセスのストリームは、いくつかの実施態様に従って、供給ストリームと替わる、コンパートメントを通って流れる溶液を指してもよく、該コンパートメントは、プロセス・コンパートメントと称される。
【0081】
逆電気透析(RED)は、いくつかの実施態様に従って、電気透析スタックを介して、溶液の高い濃度から低い濃度へ塩を拡散させることによって、濃度勾配の自由エネルギーを電気エネルギーに変換するプロセスを指してもよい。
【0082】
シール(シールをする)は、いくつかの実施態様に従って、2つの膜又はスペーサの限られた領域と1つの又は2つの膜との間の堅い(概して)永久的な付着を指してもよく、プロセスはこのような付着を生じるものである。シールを、接着剤又は熱シーリング又はいずれの他の適した方法によって達成してもよい。
【0083】
シールをする又は接着剤での接着は、例えば、膜もしくはスペーサ、又はガスケット及びフレームなどの構成要素の間の永久的な結合のいずれの形態と称してもよい。
【0084】
形状安定な膜は、いくつかの実施態様に従って、乾燥及び湿潤状態での基本的に等しい長さの寸法を有する膜を指してもよい。
【0085】
スリーブは、いくつかの実施態様に従って、少なくとも2つの平行なエッジに沿ってシールされた、あるいは、それらの間でスペーサを用いてシールされた2つの膜を指してもよい。膜を、エッジに沿って、ストリップによって共にシールしてもよい。任意選択的に、膜は、2つの近接したスリーブの一部であってもよい。
【0086】
図1Aを参照すると、図1Aは、本技術分野において既知の例示のEDデバイス10を概略的に示す。EDデバイス10は、典型的には、EDスタック11と、EDスタックの反対側で電極に接続されている直流(DC)電圧供給源14と、カソード(負に荷電した端子)12と、アノード(正に荷電した端子)13とを含む電極とを備える。EDスタック11は、概して、交互に配置した1又は複数のカチオン交換膜17と、1又は複数のアニオン交換膜16とを備え、EDスタックは、例えば、塩含有液体(汽水)などの液体15が、膜の表面と平行な方向で、膜の間を流れることができるようにするのに適する。カチオン交換膜17は、液体15中の例えばナトリウム(Na+)などの陽イオン18が、カソード12の方向に、膜の第1の面から膜の反対側の第2の面へ移動できるようにする一方で、液中の例えば、クロライド(Cl−)19などの陰イオン19の通過を妨害するのに適する。アニオン交換膜16は、アノード13の方向に、液体15中の陰イオン19が、膜の第1の面から膜の反対側の第2の面へ移動できるようにする、一方で、陽イオン18の通過を妨害するのに適する。
【0087】
図1Bを参照すると、図1Bは、本技術分野において既知である、図1Aに示す、EDデバイス10の一部及びEDスタック11に含まれるセルの対の組立分解等角図を概略的に示す。EDデバイス10は、例えば、2〜300セルの対、時としてそれを超える数の範囲内であってもよい複数のセルの対を備えてもよい。セルの対は、カチオン交換膜17、アニオン交換膜16、2つのイオン交換膜の間の供給スペーサ20、及びアニオン交換膜に近接して位置するプロセスのスペーサ20’の平行な配置を有する。供給スペーサ20及びプロセスのスペーサ20’は、カチオン交換膜17及びアニオン交換膜16と平行な方向に、及びそれらの間に、液の流れを導くのに適する。供給スペーサ20及びプロセスのスペーサ20’は、液の流れにおいて乱流をもたらす一方で圧力低下を最小限にするのに適する複数の妨害構成要素27を備える。任意選択的に、供給スペーサ20は、プロセスのスペーサであってもよく、プロセスのスペーサ20’は、供給スペーサであってもよい。EDスタックの1つの末端において図に示されるように、EDスタック11の各末端に、電極、例えばカソード12が位置し、2つの電極は、イオン分離を駆動するのに必要とされる電位を印加するのに適する。各電極は、EDスタックのための端板としても機能する電極セルに組み込まれており、例えば、カソード12は、端板(電極セル)22に組み込まれている。電極セル、例えば電極セル22は、電極の清浄を含めた電極におけるプロセス条件を制御するのに典型的には必要とされる溶液及び/又は化学物質を追加し、かつ除去するための入口ポート24及び出口ポート24’をそれぞれ備える。例えば、塩酸を、カソード12に追加して、電極上又は電極のコンパートメント内でのスケーリングを防いでもよい。
【0088】
EDによる例示の脱塩プロセスにおいて、供給のストリーム26及びプロセスのストリーム26’は、導管28を介して、膜の間16及び17に形成されたコンパートメントに流れてもよい。供給のストリーム26は、供給スペーサ20に、プロセスのストリーム26’は、プロセスのスペーサ20’に、各スペーサに含まれる入口ポート30及び30’を介してそれぞれ入る。電極への電位の印加によって、直流が、EDスタック11を介して、1つの電極から別の電極へ流れ、供給のストリーム26及びプロセスのストリーム26’においてイオンを分離し、交互のコンパートメントにおいて供給のストリーム25及びプロセスのストリーム25’を生じる。例えば、供給のストリーム25は、供給スペーサ20を備える供給コンパートメントにおいて生じてもよく、一方で、プロセスのストリーム25’は、プロセスのスペーサ20’を備えるプロセス・コンパートメントにおいて生じてもよい。プロセスのストリーム25’は、プロセスのスペーサ20’の外へ、出口ポート31’を介して流れ、導管29’を介して、プロセスのコンパートメントの外へ、EDスタック11の外へ流れる。供給のストリーム25は、供給スペーサ20の外へ、出口ポート31を介して流れ、導管29を介して、供給コンパートメントの外へ、EDスタック11の外へ流れる。
【0089】
コンパートメントは、概して、EDスタック11における総電気抵抗を比較的低く維持するように、比較的薄く、通常0.5〜1.0mmの範囲に維持される。高い電気抵抗は、イオン分離に必要とされる、必要な直流を得るために、電力をより必要とすることを意味する。
【0090】
EDデバイス10は、電気透析逆転(EDR)プロセスに用いるのに適してもよい。EDR構成において、電極12及び13の極性を、例えば、1時間当たり3、4回逆にする。電極12及び13の極性の反転によって、プロセスを供給に、及び供給をプロセスに交替させることによって、イオン交換膜16及び17におけるスケーリングおよび汚れを減少させる。
【0091】
例えば、供給のストリームは、海水であってもよく、プロセスのストリームは、川の水であってもよい。
【0092】
EDデバイス10を、EDスタック11を介して流れる2つの別個のストリームの組成がプロセスの性質に依存する異なる用途に使用してもよい。例えば、供給のストリーム26及びプロセスのストリーム26’は、アミノ酸又は種々の医薬品などの比較的価値のある製品及び除去される塩を含む混合した液体であってもよい。供給のストリーム25は、比較的有益な製品を有する液体を含んでもよい。また、EDデバイス10は、液の酸性化に用いるのに適する。例えば、すべてのアニオン交換膜16を、カチオン交換膜17によって、EDスタック11におけるすべてのイオン交換膜がカチオン交換膜17であるように、置き換えてもよい。本事例において、供給のストリーム26及びプロセスのストリーム26’は酸性化すべき液体であり、供給のストリーム25は酸液である。EDデバイス10は、更に、ドナン透析、又は拡散透析として知られるプロセスを行うのに適していてもよく、該プロセスを、カチオン交換膜17のみ、又は任意選択的にはアニオン交換膜16のみを備えるEDスタック11において実施し、電流の通過なしでのイオン交換を可能にしてもよい。
【0093】
概して、示した構成のEDデバイス10は、体抵抗及び強い濃度分極により電気抵抗が実質的に高い非常に薄い溶液と共に使用できない可能性がある。これは、イオン交換樹脂、通常、混合したベッドで供給コンパートメントを満たすことによって克服できる可能性がある。実質的に純水を調製するのに用いられるこのプロセスは、概して、電気脱イオン化(EDI)又は連続電気脱イオン化(CEDI)と称される電気透析のバージョンである。いくつかの脱イオン化スタックについて、カチオン交換膜及びアニオン交換膜を、スペーサにシールし、得られた供給セルを、イオン交換樹脂で満たす。脱イオン化のためのそのようなスタックについて、Giuffrida et al.,Electro−deionization Apparatus and Method, 米国特許第4,925,541号明細書,1990;Liang et al.,Modules for Electro−deionization Apparatus,米国特許第5,292,422号明細書で見ることができ、これら両方の文献の全体の内容を参照により本明細書に組み込む。
【0094】
図2を参照すると、図2は、装置100に含まれる膜パッケージ103に含まれる複数のセルの対101の組立分解等角図を概略的に示し、装置は、本発明の実施態様に従って、脱塩プロセスにおいて、溶液を希釈し、かつ/又は濃縮するために使用するのに適する。任意選択的に、装置100は、ED、EDR、ドナン透析、EDI、CEDI及び同類のものなどのプロセスにおける使用に適してもよい。装置100は、中和化プロセスにおいて酸及び/又は塩基溶液を形成し、エネルギー変換プロセスにおいて、濃縮した溶液及びより薄い水の供給源を拡散させ、溶液中のイオンを選択的に移動させるか、又は所望のプロセスによって必要とされる場合に、任意選択的に溶液を脱イオン化してもよく、かつ/又はそれらのいずれの組み合わせであってもよい。本発明のいくつかの実施態様において、装置100を、濃縮物から希釈物への塩の通過によって、拡散電位のために電流が生じる逆電気透析(RED)(一方で、通常のEDにおいて、薄い溶液から濃縮した溶液へ塩を駆動するのに充分に高い電位を印加する)に用いてもよい。
【0095】
セルの対101は、カチオン交換膜102及びアニオン交換膜106などの2つのイオン交換膜と、第1のスペーサ104と、スペーサ104と同一又は実質的に同様の第2のスペーサ108とを備えてもよい。任意選択的に、セルの対101は、例えば、装置100の酸性化プロセス及び/又はドナン透析への使用のために、アニオン交換膜106の代わりに、第2のカチオン交換膜102を備えてもよい。任意選択的に、セルの対101は、装置100のドナン透析への使用のために、カチオン交換膜102の代わりに、第2のアニオン交換膜106を備えてもよい。
【0096】
本発明の実施態様に従って、イオン−交換膜を、膜パッケージ103において、ストリップが垂直に交互にあるストリップ115をつなげることによって、互いへシールする。セルの対101を、カチオン交換膜102の第1の面102’’を、第1のスペーサ104の第1の面104’に、上のエッジ及び反対側の下のエッジなどの2つの対向する平行なエッジに沿って付着させ、アニオン交換膜106の第1の面106’を、第1のスペーサ104の第2の面104’’に付着させ(スペーサ104が膜102に付着しているのと同様のエッジに沿って)、第2のスペーサ108上の第1の面108’をアニオン膜106上の第2の面106’’に、第1のスペーサ104のシールしたエッジと垂直な2つの対向する平行なエッジに沿って付着させることによって形成してもよい。スペーサ104,スペーサ108,カチオン交換膜102,及びアニオン交換膜106を付着させるのに用いられる方法は、接続要素115の使用を含んでもよい。接続要素115などの接続要素は、例えば、いずれの適した材料の固体ストリップなどのストリップを含んでもよい。接続要素115などの接続要素は、膜(カチオン交換膜102及び/又はアニオン交換膜106など)とスペーサ(スペーサ104及び/又はスペーサ108など)に、スペーサを変形させることなく、接続するのに適してもよい。接続要素は、溶液抵抗性であってもよい。接続要素は、例えば、0.5〜10mmの範囲(2〜4mmなどの)の厚さの接着ストリップを含んでもよい。接続要素は、スペーサの一部(スペーサの不可欠な部分又はスペーサに組み立てられる部分などの)又はスペーサと分離した要素であってもよい。接続要素は、例えば、熱シーラー、接着剤、エポキシ、及び同類のもの並びに/又はシール溶液及びイオン交換膜に含まれるポリマーの架橋を含んでもよい。エッジのシーリングは、スペーサ104及び108を膜102及び106に付着させるのに用いられる同様の方法の使用を含んでもよく、接続要素は、任意選択的には、スペーサ及び膜の隅を含むように広がる。任意選択的に、溶液抵抗性ポッティング、例えば、ケイ素ポッティング、樹脂ポッティング、接着ポッティング、及び同類のものを含めた本技術分野において既知の他の方法を用いてもよい。
【0097】
本発明の実施態様に従って、第2のセルの対101と結合した第2のカチオン交換膜102は、第2のスペーサ108の第2の面108’’に付着していてもよい(スペーサ108が膜106に付着しているのと同様のエッジに沿って)。膜パッケージ103を、このようにして、所定の厚さに構築してもよく、スペーサ104及び108を、2つの反対のエッジに沿って、互いと交互の垂直な方向でシールし、矢印126及び126’によって示される、供給のストリーム及びプロセスのストリームのための垂直な流路をそれぞれ生じさせる。任意選択的に、矢印126及び矢印126’は、プロセスのストリーム及び供給ストリームのための流路をそれぞれ表してもよい。さらに、供給のストリームは、複数の矢印によって示されるように、スペーサ104に、シールしていないエッジ104Eの全体の長さに沿って流入してもよく、反対側のシールされていないエッジの全体の長さに沿って流出してもよい。プロセスのストリームは、複数の矢印によって示されるように、スペーサ108に、シールしていないエッジ108Eの全体の長さに沿って流入してもよく、反対側のシールされていないエッジの全長に沿って、基本的に供給ストリームの流れと垂直に流出してもよい。
【0098】
カチオン交換膜102及び/又はアニオン交換膜106は、形状安定なイオン交換膜を備えてもよく、該膜は、乾燥及び湿潤の両方の条件において、その線状の寸法を、10%又はそれ未満内に維持するのに適している。任意選択的に、寸法を、乾燥及び湿潤の両方の条件において、5%〜10%の範囲内に維持する。任意選択的に、寸法を、乾燥及び湿潤の両方の条件において、2%〜5%の範囲内に維持する。任意選択的に、寸法を、乾燥及び湿潤の両方の条件において、2%又はそれ未満に維持する。寸法の変化を、架橋及び/又は寸法安定性膜支持体によってポリマー材料の膨潤を制限することによって最小限にしてもよい。カチオン交換膜102及び/又はアニオン交換膜106は、25μ〜1mmの範囲の厚さを有してもよい。
【0099】
本発明のいくつかの実施態様において、形状安定な膜を、構成単位の小さいが重要である部分が、イオン化可能な又はイオン性の基、陰性又は陽性又はその両方を有する高分子、アイオノマーとして知られているイオン交換材料を、荷電していない疎水性ポリマーと結合させることによって達成してもよい。このような結合によって、実質的に減少した膨潤及び比較的良好な伝導性を示す膜がもたらされる。膨潤を、不活性なポリマー部分を結合において増加させることによって減少させてもよい。任意選択的に、膨潤を、荷電していない1つ又は複数のポリマーで架橋するか、又は該1つ又は複数のポリマーと混合することによって更に抑制してもよい。さらに、これらのポリマーの機械的性質ために、膜抵抗を、膜の厚さを減少させることによって(膜の厚さが、例えば、20マイクロメーター〜1mm,30〜50マイクロメーターなどであってもよい)、充分に低く維持してもよい。
【0100】
荷電していないポリマーを、以下に記載するような、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリエーテルエーテルケトンなどのプラスチックを設計する芳香族から選択してもよい。アイオノマーを、これらのポリマーの修飾によって製造してもよい。荷電していないポリマーを、以下に記載するような、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリエーテルエーテルケトンなどのプラスチックを設計する芳香族から選択してもよい。アイオノマーを、これらのポリマーの修飾によって、又は、例えば、McGrath et alによる米国特許出願第20060036064号で見られるような、それらのモノマー単位からの合成によって製造してもよく、該文献の全体の内容を参照により本明細書に組み込む。
【0101】
本発明のいくつかの実施態様において、アイオノマー及び荷電していないポリマーの結合を、ポリマーの支持体への比較的良好な付着がある織物又は他の補強構造上で支持してもよい。任意選択的に、ポリマーの埋め込まれた支持体への付着性を、アイオノマー及び/又は荷電していない疎水性ポリマーのいずれかと適合する、ポリマー、プラスチック、無機繊維、及び同類のものから作製されたネットワークを選択することによって増大させてもよい。
【0102】
本発明のいくつかの実施態様において、形状安定な膜を、本技術分野において既知の方法を用いて、イオン交換高分子電解質(構成単位の実質的な部分がイオン化可能な又はイオン性基、又はその両方を有する高分子)を単独で、又は任意選択的には不活性なマトリックス内に架橋することによって形成してもよい。例えば、スチレンなどのビニル芳香族ポリマー(重合後にスルホン化)又はスチレンスルホン酸のジビニルベンゼンとの共重合によって、架橋したカチオンイオン交換膜を得てもよく、又はハロゲン化(例えばクロロ又はブロモなどの)−メチル化スチレンのジビニルベンゼンの同様の重合及びその後の第3級アミン及びブロモメチル基との四級化反応によって、アニオン交換膜を得てもよい。これは、最終のポリマーフィルムに埋め込まれたネット又は多孔性支持体の存在と組み合わせて行ってもよい。任意選択的に、処方は、市販の膜における、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン−スチレン−ブタジエンゴム及び他のものなどの誘導体化していない疎水性ポリマーを含んでもよい。このような不活性なポリマー及びモノマーの混合物を、織物支持体上に被覆してもよく、次に、重合を実施する。支持体及び疎水性ポリマーの両方の事例において、材料を、良好な機械的強度及び比較的大きな孔もしくはピンホールの最小化のために、架橋したイオン交換ポリマーとの少なくともいくらかの界面的適合性を有するように選択する。これらのアプローチ及び安定な膜の他の形態は、H. Strathmann, “Ion Exchange Membrane Separation Processes”, Membrane Science and Technology Series, 9, Elsevie 2004に記載されており,該文献の全体の内容を参照により本明細書に組み込む。
【0103】
本発明のいくつかの実施態様において、下記のポリマーを、疎水性ポリマーマトリックスとして、及び/又はイオン性基を導入することによってアイオノマーを形成するように誘導体化する開始ポリマーとして用いて、形状安定な膜を形成し、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリ−エーテル−ケトン、ポリエーテル−エーテル−ケトン、ポリエーテルケトン−エーテル−ケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン並びに同様のポリマースルフィド及びスルホンのバリエーション並びにポリエーテルケトン及びポリ−スルホンの他のバリエーションなどの縮合重合により作製されるものがある。任意選択的に、いくつかのカテゴリーのイオン性ポリマーを、ポリスルホン(PSU)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンスルホキシド(PPSO)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンスルフィドスルホン(PPS/SO.sub.2)、ポリ−パラ−フェニレン(PPP)、ポリ−フェニル−キノキサリン(PPQ)、ポリ−アリール−ケトン(PK)及びポリエーテル−ケトン(PEK)ポリマー、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテル−エーテル−スルホン(PEES)、ポリアリールエーテルスルホン(PAS)、ポリフェニルスルホン(PPSU)及びポリ−フェニレン−スルホン(PPSO.sub.2)ポリマーから得てもよく、ポリイミド(PI)ポリマーは、ポリエーテルイミド(PEI)ポリマーを含んでもよく、ポリエーテル−ケトン(PEK)ポリマーは、ポリエーテル−ケトン(PEK)、ポリエーテル−エーテル−ケトン(PEEK)、ポリエーテル−ケトン−ケトン(PEKK)、ポリエーテル−エーテル−ケトン−ケトン(PEEKK)及びポリエーテル−ケトン−エーテル−ケトン−ケトン(PEKEKK)ポリマーの少なくとも1つを含んでもよく、ポリフェニレンオキシド(PPO)ポリマーは、2,6−ジフェニルPPO又は2,6−ジメチルPPOポリマーを含んでもよい。ポリエーテル−ケトンポリマーは、ポリエーテル−ケトン(PEK)、ポリエーテル−エーテル−ケトン(PEEK)、ポリエーテル−ケトン−ケトン(PEKK)、ポリエーテル−エーテル−ケトン−ケトン(PEEKK)及びポリエーテル−ケトン−エーテル−ケトン−ケトン(PEKEKK)ポリマーを含んでもよい。
【0104】
本発明のいくつかの実施態様において、ホモポリマー及び/又はコポリマー、例えば、RTM, Victrex 720 P 及びRTM.Astrelなどのランダムコポリマーを使用してもよい。任意選択的に、使用するポリマーとしては、ポリアリールエーテル、ポリアリールチオエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアゾール、フェニレン、ポリフェニレン−ビニレン、ポリアズレン、ポリカルバゾール、ポリピレン、ポリ−インドフェニン及びポリアリールエーテルを挙げることができる。ホモポリマー及び/又はコポリマーの市販の供給元の例としては、Solvay社,ICI社,及びBASF社を挙げることができる。市販のホモポリマー及び/又はコポリマーのいくつかの例としては、Solvay社によって製造されている、UDEL(商標)ポリスルホン、RADEL(商標)Aポリエーテルスルホン、RADEL(商標)Rポリフェニルスルホン、及びSOLEF(商標)フルオロ−ポリマーが挙げられる。
【0105】
カチオン交換アイオノマー上のアニオン性基としては、スルホン基、カルボキシル基、及びホスホン基を挙げることができる。任意選択的に、スルホン化、カルボキシル化又はホスホン化は、ポリフェニルスルホン、ポリエーテル-ケトン、ポリエーテルエーテルケトンポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリ(ビスベンゾキサゾール−1,4−フェニレン)、ポリ(ビスベンゾ(ビス−チアゾール)−1,4−フェニレン)、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラフェニレンから得てもよい。任意選択的に、ポリトリフルオロスチレンスルホン酸、ポリビニルホスホン酸、及びポリスチレンスルホン酸を使用してもよい。スルホン化アイオノマー及び置換の程度のいくつかの既知の限られた例は、スルホン化ポリフェニルスルホンの0.8〜2.5meq/gr.、スルホン化ポリスルホンの0.8〜1.8、スルホン化ポリエーテルスルホンの0.6〜1.4、スルホン化ポリエーテルエーテルケトンの1.0〜3.0,スルホン化ポリエーテルケトンの0.8〜2.5、スルホン化PVDF及びスルホン化PVDFコポリマーの1.0〜2.5meq/grである。任意選択的に、アイオノマー又は高分子電解質イオン性基の対イオンを、膜の製作中に又はその使用中に選択してもよい。例としては、H+、Li+、K+、Na+、及びNH+、並びに例えば、Ca、Mg、及びZnイオンを含めた多価イオンを挙げることができる.
【0106】
任意選択的に、カチオン性交換基を有するアイオノマーを、第4級アンモニウム、ホスホニウム及びスルホニウムから選択してもよい。これらを、例えば(限定されない)、第4級アンモニウム、ホスホニウム及びスルホニウム誘導体に変換可能なハロメチル化ポリマーを形成するようなポリスルホンなどの芳香族縮合ポリマーの誘導などの本技術分野において既知の方法によって作製してもよい。任意選択的に、ヨウ化メチルによる残存するピリジンの四級化を有するジブロモ又はクロロアルカンで架橋したポリ−4−ビニルピリジンを使用してもよい。
【0107】
本発明のいくつかの実施態様において、膜を、補強材料又は基材上にポリマーをキャスティングすることによって形成してもよい。かかる基材を、ポリプロピレン布、ポリアクリロニトリル布、ポリアクリロニトリル−コ−塩化ビニル布、ポリ塩化ビニル布、ポリエステル布、及び同類のものなどの織られた合成の織物から選択してもよい。任意選択的に、他の基材としては、ガラスフィルタ布、ポリ塩化ビニリデン・スクリーン、ガラス・ペーパー、処理したセルロース・バッテリー・ペーパー、ポリスチレンで被覆したガラス繊維マット、ポリ塩化ビニル・バッテリー・ペーパー、及び同類のものを挙げることができる。
【0108】
本発明のいくつかの実施態様において、セルの対101及び膜パッケージ103は、EDI及び/又はCEDIに適してもよい。カチオン交換膜102及びアニオン交換膜106は、例えば,2〜4mmの範囲内の厚さの接着ストリップを備えてもよい接続要素115によって互いに付着している。幅広いスペーサ104及び108を、カチオン交換膜102とアニオン交換膜106との間に挿入してもよく、スペーサの幅を、加圧した溶液へのイオン交換樹脂の導入を可能にする(樹脂ベッドの安定性を妨害することなく)ように選択する。任意選択的に、スペーサ104及び108を使用しない。任意選択的に、不活性なマトリックスに埋め込まれたイオン交換樹脂を含む異種の膜を使用してもよい。例えばポリエチレンを含有するマトリックスのシールのための「エンゲージ(Engage)」ポリマーなどのマトリックスポリマーと適合するより低いガラス温度、Tgのポリマーをシールするために使用する乾燥又は湿潤状態で、膜をシールしてもよい。ストリップは、膜と適合するポリマーを備える。膜パッケージを、上記の方法によって調製してもよく、ネットを、パッケージの1つのエッジに接着剤で接着してもよい。反対側のエッジを介して、スリーブを、スリーブが樹脂で満たされるまで、パッケージを介して樹脂の懸濁液を注ぐことによって、イオン交換樹脂で満たす。次に、膜パッケージを、ネットでをシールする。
【0109】
図3を参照すると、図3は、装置200に含まれる膜パッケージ203に含まれる複数の例示のセルの対201の組立分解等角図を概略的に示し、装置は、本発明の実施態様に従って、脱塩プロセスにおいて溶液を希釈し、かつ/又は濃縮するのに適する。任意選択的に、装置200は、中和化プロセスにおいて酸及び/又は塩基溶液を形成し、エネルギー変換プロセスにおいて濃縮した溶液及びより薄い水供給源を拡散させ、所望のプロセスによって必要とされる場合に、溶液中のイオンを選択的に移動させるか、又は任意選択的には溶液を脱イオン化してもよいか、かつ/又はそれらのいずれの組み合わせであってもよい。装置200は、ED、EDR、ドナン透析、EDI、CEDI、及び同類のものなどのプロセスにおける使用に適してもよい。
【0110】
セルの対201は、カチオン交換膜202及びアニオン交換膜206などの2つのイオン交換膜と、第1のスペーサ204と、スペーサ204と同一又は実質的に同様であってもよい第2のスペーサ208とを備えてもよい。任意選択的に、例えば、装置200を酸性化プロセス及び/又はドナン透析に使用するために、セルの対201は、アニオン交換膜206の代わりに第2のカチオン交換膜202を備えてもよい。任意選択的に、装置200をドナン透析に使用するために、セルの対201は、カチオン交換膜202の代わりに第2のアニオン交換膜206を備えてもよい。カチオン交換膜202,アニオン交換膜206,第1のスペーサ204,及び第2のスペーサ208は、それぞれ、102、106、104及び108で図2に示すものとと同一又は実質的に同様であってもよい。
【0111】
本発明の実施態様に従って、セルの対201を、カチオン交換膜202の第1の面202’’を、アニオン交換膜206の第1の面206’に、例えば、面のエッジ及び反対側の面のエッジなどの2つの対向する、平行なエッジに沿って付着させ、スリーブ201A、及びスリーブの内側に設けられる第1のスペーサ204を形成し、第2のスペーサ208上の第1の面208’を、アニオン膜206上の第2の面206’’に、スリーブ201Aの付着させたエッジと垂直な2つの対向する平行なエッジに沿って、付着させることによって形成してもよい。
【0112】
本発明の実施態様に従って、第2のセルの対201と結合した第2のスリーブ201Aは、第2のスペーサ208の第2の面208’’に、第1の面208’をスリーブ201Aに付着させる同じエッジに沿って、付着していてもよい。膜パッケージ203を、このようにして所定の厚さに構築してもよく、スペーサ204及び208は、互いとの交互の垂直な方向で2つの反対側のエッジに沿ってシールされ、それぞれ、矢印226及び226’で示される、供給のストリーム及びプロセスのストリームのための垂直な流路を生じる。任意選択的に、矢印226及び矢印226’は、それぞれ、プロセスのストリーム及び供給ストリームのための流路を表してもよい。さらに、供給のストリームは、複数の矢印によって示されるように、シールしていないエッジ204Eの全体の長さに沿って、スペーサ204に流入してもよく、反対側のシールされていないエッジの全体の長さに沿って流出してもよい。プロセスのストリームは、複数の矢印によって示されるように、シールしていないエッジ208Eの全体の長さに沿って、スペーサ208に流入してもよく、反対側のシールされていないエッジの全長に沿って、基本的に供給ストリームの流れと垂直に流出してもよい。
【0113】
スペーサ204、スペーサ208、カチオン交換膜202及びアニオン交換膜206を付着させるのに用いられる方法は、例えば、熱シーリング、接着剤、エポキシ、及び同類のものによる接着、シーリング溶液及びイオン交換膜に含まれるポリマーの架橋を含んでもよい。エッジのシーリングは、スペーサ204及び208を膜202及び206に付着させるのに用いられるのと同様の方法を使用することを含んでもよく、シーリングを、任意選択的には、スペーサ及び膜の隅を含むように広げてもよい。任意選択的に、ポッティング、例えば、ケイ素ポッティング、樹脂ポッティング、接着ポッティング、及び同類のものを含めた本技術分野において既知の他の方法を用いてもよい。例えば、複数のセルの対を、共に押し付けて、膜パッケージ203を形成してもよい。スペーサ208のエッジを覆うように、スリーブ201の開口を備える膜パッケージ203の2つの面を、スリーブの開口についても、部分的に、ポッティング材料中にディップしてもよい。次に、ポッティング材料を、カチオン交換膜202及びアニオン交換膜206の一画を切断する一方で、スペーサ208のエッジを覆われたままにすることによって、スリーブ201の開口から除去してもよい。
【0114】
図4Aを参照すると、図4Aは、本発明の実施態様に従う装置100に含まれる例示のモジュール130の等角図を概略的に示す。モジュール130は、図2に示す膜パッケージ103とフレーム131とを備える。
【0115】
本発明の実施態様に従って、モジュール130は、モジュールを介した、供給のストリーム126及びプロセスのストリーム126’の実質的に自由な流れを可能にするのに適し、モジュールは、2つのストリームの流れに対する比較的低い流体力学的な抵抗を有する。モジュール130は、供給のストリーム126及びプロセスのストリーム126’を受け取り、ストリームが、基本的に互いと垂直に、膜パッケージ103を介して流れることが可能なように、それらの流れを導き、所定のプロセス(例えば、ED、又は任意選択的にはEDR、ドナン透析、酸性化、中和化、EDI、CEDI、及び同類のもの)に従って、供給のストリーム125及びプロセスのストリーム125’を生じさせるのに更に適する。モジュール130は、供給のストリーム126,プロセスのストリーム126’、供給のストリーム125,及びプロセスのストリーム125’のいずれか1つ又はいずれの組み合わせの間のいずれの混合も実質的に防ぐのに更に適する。
【0116】
本発明の実施態様に従って、膜パッケージ103は、複数のセルの対101,例えば1〜10セルの対、10〜20セルの対、20〜40セルの対、40〜80セルの対、80〜160セルの対、160〜320セルの対、及び任意選択的には320以上のセルの対を備えてもよい。膜パッケージ103は、偶数のイオン交換膜を備えてもよく、各末端に、カチオン交換膜102,アニオン交換膜106,又はそれらのいずれの組み合わせを備えてもよい。任意選択的に、膜パッケージ103は、パッケージの1つの末端に、又は任意選択的には両末端に、スペーサ108を備えてもよい。任意選択的に、膜パッケージ103は、奇数のイオン交換膜を備えてもよく、パッケージのいずれかの末端に、又は任意選択的にはパッケージの両末端にスペーサ108を備えてもよい。膜(カチオン交換膜102及びアニオン交換膜106など)は、接続要素115によって、スペーサ108に付着している。
【0117】
フレーム131は、膜パッケージ103を支持するのに適し、モジュール130の内側で、供給のストリーム126及びプロセスのストリーム126’、並びに供給のストリーム125及びプロセスのストリーム125’の自由な流れを可能にする一方で、ストリームが互いと混合するのを実質的に防ぐのに更に適する。膜パッケージ103における隅132を、フレーム内の所定の領域に取り付け、例えば、コンパートメント141、141’、142及び142’(コンパートメント142’は、本図に示されていない。図6を参照)などの4つのコンパートメントを形成することが可能なように、フレーム131を成型してもよい。任意選択的に、4より多いコンパートメントを形成してもよい。コンパートメント141’及び142’は、プロセスのストリーム126’及び供給のストリーム126のモジュール、並びにコンパートメント141及び142への流入を可能にするのに適し、プロセスのストリーム125’及び供給のストリーム125のモジュールからの流出を可能にするのに適する。任意選択的に、膜パッケージ103を介して、モジュール内のいずれのコンパートメントからモジュールの反対側のコンパートメントへ流れることが可能であることから、モジュール130におけるストリームの流れの他の組み合わせが可能であり、例えば、供給のストリーム126は、コンパートメント141’を介して、プロセスのストリームは、コンパートメント142’を介して流入してもよく、供給のストリームは、コンパートメント141介して流出してもよく、プロセスのストリームは、コンパートメント142を介して流出してもよい。任意選択的に、例示のための追加の例として、他の組み合わせが可能であることから、供給のストリーム126は、コンパートメント142を介して、プロセスのストリームは、コンパートメント141’を介して流入してもよく、供給のストリームは、コンパートメント142’を介して流出してもよく、プロセスのストリームは、コンパートメント141を介して流出してもよい。任意選択的に、モジュールを、更に記載する積み重ねられている構成で配置した場合に、ストリームが混合することなく、1つのモジュール130から別のモジュール130へ、供給のストリーム126,プロセスのストリーム126’、供給のストリーム125,及びプロセスのストリーム125’が流れるのを可能にするのにフレーム131は更に適する。フレーム131は、プラスチック材料、複合材料、及び/又は供給のストリーム126,プロセスのストリーム126’、供給のストリーム125,及びプロセスのストリーム125’との接触に実質的に抵抗するのに適したいずれの他の材料又は材料の組み合わせを含んでもよい。
【0118】
図4Bを参照すると、図4Bは、本発明の実施態様に従うモジュール130の動作の例示の形式のフローチャートを概略的に示す。本明細書に記載されている動作の形式の原理は、装置100に同様に適用可能であってもよい。例示のために、動作の例示の形式は、EDの水の脱塩プロセスに基づく。
【0119】
[ステップ401] 供給のストリーム126は、コンパートメント142に流れ込み、プロセスのストリーム126’は、コンパートメント141’に流れ込み、両方のストリーム塩水を含む。
【0120】
[ステップ402] 供給のストリーム126は、コンパートメント142から膜パッケージ103へ、スペーサ104の開いたエッジの全体の長さを実質的に介して流れる。コンパートメント142からスペーサ108への供給のストリーム126の流れは、コンパートメントに入るスペーサのエッジが、接続要素115でシールされていることから、実質的に妨げられる。プロセスのストリーム126’は、コンパートメント141’から膜パッケージ103へ、スペーサ108の開いたエッジの全体の長さを実質的に介して流れる。コンパートメント141’からスペーサ104へのプロセスのストリーム126’の流れは、コンパートメントに入るスペーサのエッジが、接続要素115でシールされていることから、実質的に妨げられる。膜パッケージ103への供給のストリーム126の流れ及びプロセスのストリーム126’の流れは、基本的に互いと垂直である。
【0121】
[ステップ403] 供給のストリーム126からのイオンは、カチオン交換膜102及びアニオン交換膜106を介して、プロセスのストリーム126’へ、それぞれ、スペーサ104及び108を介したストリームの流れとして移動する一方で、直流が、膜パッケージ103を介して流れる(DC電圧供給源が膜パッケージ103を越えて接続されている)。
【0122】
[ステップ404] 供給のストリーム126は、組成が膜を介したイオンの移動によって変化している供給のストリーム125の形態で、供給のストリームが流入した開いたエッジの反対側のスペーサ104の開いたエッジの全体の長さを実質的に介して、膜パッケージ103を出る。プロセスのストリーム126’は、組成が膜を介したイオンの移動によって変化しているプロセスのストリーム125’の形態で、供給のストリームが流入した開いたエッジの反対側のスペーサ108の開いたエッジの全体の長さを実質的に介して、膜パッケージ103を出る。供給のストリーム125及びプロセスのストリーム125’の流れは、膜パッケージ103を出る際に、基本的に1つの別のものと垂直である。
【0123】
[ステップ405] 供給のストリーム126は、コンパートメント142に流れ、モジュール130の外へ導かれる。プロセスのストリーム126’は、コンパートメント141に流れ、供給のストリーム126と混合することなく、モジュール130の外へ導かれる。
【0124】
記載した動作の例示の形式は、いずれの形態又は様式に制限することを意図したものではない。動作の他の形式が可能であり、動作が行われる順序を含む行われるステップにおける変化を含んでもよいことは当業者に明らかである。
【0125】
図4Cを参照すると、図4Cは、別の本発明の実施態様に従う、装置200に含まれる例示のモジュール220の等角図を概略的に示す。モジュール220は、図3に示す膜パッケージ203とフレーム221とを備える。
【0126】
本発明の実施態様に従って、モジュール220は、供給のストリーム226及びプロセスのストリーム226’のモジュールを介した実質的に自由な流れを可能にするのに適し、モジュールは、2つのストリームの流れに対する比較的低い流体力学的な抵抗を備える。モジュール220は、供給のストリーム226及びプロセスのストリーム226’を受け取り、ストリームが基本的に互いと垂直に膜パッケージ203を介して流れるように、それらストリームの流れを導き、所定のプロセス(例えば、ED、又は任意選択的にはEDR、ドナン透析、酸性化、中和化、EDI、CEDI、及び同類のもの)に従う、供給のストリーム225及びプロセスのストリーム225’をそれぞれ生じさせるのに更に適する。モジュール220は、供給のストリーム226,プロセスのストリーム226’、供給のストリーム225,及びプロセスのストリーム225’のいずれの1つ、又はいずれの組み合わせの間のいずれの混合を実質的に防ぐのに更に適する。モジュール220は、かみ合い、形状、及び機能において、モジュール130と同一又は実質的に同様であり、任意選択的には、装置100におけるモジュール130と置き換え可能であってもよい。供給のストリーム226,プロセスのストリーム226’、供給のストリーム225,及びプロセスのストリーム225’は、126、126’、125及び125’で図4Aに示すものと同一又は実質的に同様であってもよい。
【0127】
本発明の実施態様に従って、膜パッケージ203を、例えば、既に記載したプロセスなどのポッティングプロセスによって形成し、ポッティング材料222は、構造的硬直性を膜パッケージに与え、スペーサ204及び208への開口をシールする。膜パッケージ203は、ポッティング材料222によって1つの別のものに付着している複数のセルの対201,例えば1〜10のセルの対、10〜20のセルの対、20〜40のセルの対、40〜80のセルの対、80〜160のセルの対、160〜320のセルの対、及び任意選択的には320以上のセルの対を備えてもよい。膜パッケージ203は、偶数のスリーブ201A、又は任意選択的には奇数のスリーブを備えてもよく、各末端において、カチオン交換膜202,アニオン交換膜206,又はそれらのいずれの組み合わせを備えてもよい。任意選択的に、膜パッケージ203は、膜パッケージの1つの末端に、又は任意選択的には両末端にスペーサ208を備えてもよい。
【0128】
フレーム221は、膜パッケージ203を支持するのに適し、モジュール220の内側で、供給のストリーム226及びプロセスのストリーム226’、並びに供給のストリーム225及びプロセスのストリーム225’の自由な流れを更に可能にする一方で、ストリームが互いと混合するのを実質的に防ぐのに適する。膜パッケージ203におけるポットされた隅222を、フレーム内の所定の領域に取り付け、例えば、コンパートメント241、241’、242及び242’(コンパートメント241’及び242’は本図に示されておらず、それぞれ、モジュール220内のコンパートメント241及び242の反対側にあり、基本的に、コンパートメント241及び242の鏡像である)などの4つのコンパートメントを形成するようにフレーム221を成型してもよい。任意選択的に、4つより多いコンパートメントを形成してもよい。コンパートメント241’及び242は、供給のストリーム226及びプロセスのストリーム226’のモジュールへの流入を可能にするのに適し、コンパートメント241及び242’は、供給のストリーム225及びプロセスのストリーム225’のモジュールからの流出を可能にするのに適する。任意選択的に、モジュール130内のストリームの流れと同様に、膜パッケージ203を介して、モジュール内のいずれのコンパートメントから、膜パッケージの反対側のコンパートメントへ流れるような、モジュール220内のストリームの流れの他の組み合わせが可能である。任意選択的に、モジュール130と同様に、モジュールが、積み重ねられた構成で配置される場合に、フレーム131は、供給のストリーム226,プロセスのストリーム226’、供給のストリーム225,及びプロセスのストリーム225’が、1つのモジュール220から別のモジュール220へ、ストリームが混合することなく流れるのを可能にするのに更に適する。フレーム231は、プラスチック材料、複合材料、及び/又は供給のストリーム226,プロセスのストリーム226’、供給のストリーム225,及びプロセスのストリーム225’との接触に実質的に抵抗するのに適したいずれの他の材料又は材料のいずれの組み合わせを含んでもよい。
【0129】
図5を参照すると、図5は、本発明の実施態様に従う、図4Aに示す複数のモジュール130を備えるEDスタック135で構成された装置100の一部の組立分解等角図を概略的に示す。任意選択的に、EDスタック135は、図4Cに示す複数のモジュール220を備えてもよい。任意選択的に、EDスタック135は、1つのモジュール130又は1つのモジュール220を備えてもよい。任意選択的に、EDスタック135は、1又は複数のモジュール130及び1又は複数のモジュール220を備えてもよい。EDスタック135を、1つのモジュールを別のモジュール上に設置することによって、モジュール130の垂直なスタックに構成してもよい。任意選択的に、モジュール・スタック135を、1つのモジュールを別のモジュールの次に設置することによって、モジュール130の水平なスタックに構成してもよい。
【0130】
装置100は、2つの電極(図示せず)、カソード及びアノードを更に備え、各電極は、EDスタック135の各末端にて端板122に組み込まれている。例えば、示した端板122は、カソードを備えてもよい。電極は、DC電圧供給源(図示せず)に接続され、供給のストリーム126及びプロセスのストリーム126’が、膜パッケージ103を介してを含めモジュール130を介して流れる際に、1つの電極から他のものへ、EDスタック135を介して流れる直流を生じさせるのに適する。任意選択的に、電極は、DC電圧供給源における極性の反転、電極の極性に従うEDスタック135における直流の流れの方向に反応する極性を変化させる(カソードがアノードになり、アノードが、カソードになる)のに適する。本発明の実施態様に従って、端板122は、供給のストリーム126及びプロセスのストリーム126’が、それぞれEDスタック135に入って、モジュール130へモジュール内のコンパートメント141’及び142を介して流れるのを可能にするのに適した、第1の開口(図示せず)及び第2の開口126A’(第1の開口と直角に実質的に位置する)を備える。端板123は、両方の組成がモジュール130の内側のイオンの移動によって変化する供給のストリーム125及びプロセスのストリーム125’が、それぞれ、モジュール内のコンパートメント141及び142’を介して端板122に戻り、その後直ちに、EDスタック135から出るのを可能にするのに適した、第3の開口(図示せず、第1の開口の反対側に実質的に位置する)及び第4の開口(図示せず、第2の開口の反対側に実質的に位置する)を更に備える。ガスケット165を、端板122をモジュール130と接続するところに設置してもよく、該ガスケット165は、供給及びプロセスのストリームが、端板122の中へ及び外へ、ストリームが共に漏れたり、混合したりすることなく流れるのを可能にするのに適した、第1の開口166,第2の開口166’、第3の開口(図示せず、第1の開口166の反対側に実質的に位置する)及び第4の開口(図示せず、第2の開口166’の反対側に実質的に位置する)を備える。端板122は、電極の清浄を含むプロセス条件を電極において制御するのに典型的には必要である溶液及び/又は化学物質を添加し、除去するための入口ポート124及び出口ポート124’を更に備える。例えば、塩酸を、電極セル122に追加して、電極におけるスケーリングを防いでもよい。
【0131】
供給のストリーム126、プロセスのストリーム126’、供給のストリーム125及び/又はプロセスのストリーム125’の漏れ及び混合を実質的に防ぐ一方で、各コンパートメントを介して1つのモジュール130から別のモジュール130へ流れるようにするために、ガスケット160を、モジュールの間に設置してもよい。ガスケット160は、同じモジュール内又は近接したモジュール内の他のコンパートメントに含まれるストリームの間で漏れたり、混合したりすることなく、ストリームが、モジュール130内の1つのコンパートメントから近接したモジュール130内の同じコンパートメントへ通過できるようにするのに適する。例えば、ガスケット160は、供給のストリーム126が、モジュール130内のコンパートメント141’から近接したモジュール内の同じコンパートメント141’へ通過できるようにする一方で、プロセスのストリーム126’が、モジュール130内のコンパートメント142から近接したモジュール内のコンパートメント142へ、それらの間で漏れたり、混合したりすることなく通過できるようにしてもよい。任意選択的に、ガスケット160を、モジュール130に、例えば、ガスケットをフレーム131の1つの面に付着させることによって(ガスケットはモジュール130の両末端上に必要ではない)取り付けてもよい。任意選択的に、ガスケット160を、フレームに組み込んでもよく、フレームはモジュール130の間に設置するのに適する。
【0132】
図5A及び5Bを参照すると、図5A及び5Bは、本発明の実施態様に従う、多数のモジュールのスタックにおいて使用するための例示の板123及び弾性層170を概略的に示す。上記のガスケット160及び/又は165の代わりとなるものとして、板123は、多数のモジュールのスタック内の各モジュールの1つの面を形成することが可能なセルの対(図示せず)を備えてもよい。膜パッケージの各末端(図示せず)は、スペーサと接続するストリップを膜なしで備えてもよい。両末端における接続するストリップは、同じ方向に向けられていてもよい。任意選択的に、1つの末端における接続するストリップは、他の末端のものとは異なる方向に、例えば、互いと垂直に向けられていてもよい。膜パッケージをフレームに挿入する場合、両方のストリップは、フレームの表面と同じ高さである。EDスタックが1つのモジュールのみを備える場合、フレーム及びストリップが、薄い弾性層170で被覆した端板に押し付けられる。
【0133】
多数のモジュールのスタックについて、薄い板123を、各モジュールの1つの面上に追加する。板は、供給及びプロセスの両方のストリームのための、開口123、123’、124及び124’を有するフレームに一致する。板123は、板内の長方形の開口120’のエッジにシールした2つの膜から成るセル(図示せず)を、膜の間のスペーサと共に有する。セルを介した流れは、流入/流出のポート127及び127’によって、接続するストリップの方向と垂直な開口120’のエッジに沿って可能となる。板123,セルの幅、並びに流入/流出のポート127及び127’のサイズ及び数を、セルの流体力学的な抵抗が膜パッケージ内のセルのものと等しいか、又はそれよりもわずかに大きいように調整する。板123は、膜パッケージの1つの面上のフレームに、概して、スペーサ上のストリップに付着させることによって付着している。薄い板123の第2の面は、薄い弾性層170で覆われている。
【0134】
図6を参照すると、図6は、本発明の実施態様に従う、EDを行うのに適した装置300を備えるシステム1000を概略的に示す。装置300は、図5に示す装置100と同一又は実質的に同様であってもよい。任意選択的に、装置300は、EDRを行うのに適してもよい。任意選択的に、装置300は、酸性化及び/又は中和化を行うのに適してもよい。任意選択的に、装置300は、ドナン装置を実施するのに適してもよい。任意選択的に、装置300は、EDI又はCEDIを行うのに適してもよい。任意選択的に、装置300は、溶液中のイオンを選択的に移動させるか、又は任意選択的には溶液を脱イオン化するのに適してもよい。任意選択的に、システム1000は、上述した装置300のいずれの1つの又はいずれの組み合わせを備えてもよい。任意選択的に、システム1000は、複数の上述した装置300を備えてもよく、装置を、共に直列に接続してもよい。任意選択的に、複数の装置300を平行な構成で接続してもよい。任意選択的に、複数の装置300を平行で直列な構成のいずれの組み合わせで接続してもよい。
【0135】
システム1000は、さらに、前処理システム301と、制御システム302と、任意の清浄システム303とを備える。前処理システム301は、供給のストリーム326(プロセスのストリームも含んでもよい)を予め調整するのに適してもよく、大きな固体のろ過、抗菌処理、防汚処理、及び/又はスケーリングを防ぐ処理を含んでもよい。清浄システム303は、モジュールのスタック、電極、及び装置300に含まれる他の構成部品を清浄するのに適してもよい。任意選択的に、清浄システム303は、前処理システム301を清浄するのに適してもよい。制御システム302は、プロセスのモニタリングを含んでもよい装置300の動作を制御するのに適し、前処理システム302を制御するのに更に適する。任意選択的に、制御システム302は、清浄システム303を制御するのに適してもよい。
【0136】
本発明の実施態様の説明及び特許請求の範囲において、「備える(comprise)」、「含む(include)」及び「有する(have)」の各語,及びその形態は、語が関連している挙げられている構成するものに必ずしも限定されるものではない。
【0137】
本発明を、例によってもたらされたその様々な実施態様を詳細に説明することによって、説明したが、これらの実施態様及び例は本発明の範囲を制限することを意図したものではない。記載した実施態様は、異なる特徴を含んでもよく、そのすべてが、すべての本発明の実施態様に必要とは限らない。本発明のいくつかの実施態様は、特徴又は特徴の可能な組み合わせのいくつかを利用するものである。記載されている本発明の実施態様及び記載した実施態様で述べた特徴の異なる組み合わせを含む本発明の実施態様の改変を、当業者であれば成すことができる。
【符号の説明】
【0138】
10 既知のEDデバイス
11 EDスタック
12 カソード
13 アノード
14 直流電圧供給源
15 液体
16 アニオン交換膜
17 カチオン交換膜
18 陽イオン
19 陰イオン
20 供給スペーサ
20’ プロセスのスペーサ
22 端板(電極セル)
24、30、30’ 入口ポート
24’、31、31’ 出口ポート
25、26 供給のストリーム
25’、26’ プロセスのストリーム
27 妨害構成要素
28、29 導管
100、200、300 装置
101、201 セルの対
102、202 カチオン交換膜
102’’ カチオン交換膜の第1の面
103、203 膜パッケージ
104、204 第1のスペーサ
104’ 第1のスペーサの第1の面
104’’ 第1のスペーサの第2の面
104E、108E、204E、208E シールしていないエッジ
106、206 アニオン交換膜
106’、206’ アニオン交換膜の第1の面
106’’、206’’ アニオン交換膜の第2の面
108、208 第2のスペーサ
108’、208’ 第2のスペーサ上の第1の面
108’’、208’’ 第2のスペーサ上の第2の面
115 ストリップ
120’ 開口
122 端板
123 板
124、127 入口ポート
124’、127’ 出口ポート
125、126、225、226 供給のストリーム
125’、126’、225’、226’ プロセスのストリーム
126A’ 第2の開口
130、220 モジュール
131、221 フレーム
132 隅
135 EDスタック
141、141’、142、142’、241、241’、242、242’ コンパートメント
160、165 ガスケット
166 第1の開口
166’ 第2の開口
170 弾性層
201A スリーブ
222 ポッティング材料
201A スリーブ
301 前処理システム
302 制御システム
303 正常システム
1000 システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の膜と、
第2の膜と、
前記第1の膜と前記第2の膜との間の第1のスペーサと、
前記第2の膜に近接した第2のスペーサとを備え、
前記第1の膜は、前記第1のスペーサに、前記第1のスペーサの2つの平行なエッジに沿って接続されており、
前記第2の膜は、前記第1のスペーサに、前記第1のスペーサの前記2つの平行なエッジに沿って接続されており、
前記第2のスペーサは、前記第2の膜に、前記第2のスペーサの2つの平行なエッジに沿って接続されており、第2のスペーサの前記平行なエッジが、前記第1のスペーサの前記2つの平行なエッジと垂直である、
セルの対。
【請求項2】
前記第2の膜の1つの面上での供給のストリームの流れ及び前記第2の膜の第2の面上でのプロセスのストリームの流れを可能にするのに適し、前記供給のストリームの流れが、前記プロセスのストリームの流れと基本的に垂直である請求項1記載のセルの対。
【請求項3】
前記第1のスペーサを介しての供給のストリームの流れ及び前記第2のスペーサを介してのプロセスのストリームの流れを可能にするのに適し、前記供給のストリームの流れが、前記プロセスのストリームの流れと基本的に垂直である請求項1記載のセルの対。
【請求項4】
前記第1の膜、前記第2の膜又はその両方がイオン交換膜である請求項1記載のセルの対。
【請求項5】
前記第1の膜がアニオン交換膜である請求項4記載のセルの対。
【請求項6】
前記第2の膜がカチオン交換膜である請求項4記載のセルの対。
【請求項7】
前記第1の膜及び前記第2の膜がカチオン交換膜である請求項4記載のセルの対。
【請求項8】
前記第2のスペーサが、前記第2のスペーサの前記2つの平行なエッジに沿って、第3の膜に、前記第2の膜と前記第3の膜との間に第2のスペーサが配置されるように接続されるのに適する請求項1記載のセルの対。
【請求項9】
電気透析ED、電気透析逆ED(EDR)、ドナン透析、電気脱イオン化(EDI)、連続電気脱イオン化(CEDI)、及び/又は逆電気透析(RED)、或いはそれらのいずれの組み合わせに使用するのに適する請求項1記載のセルの対。
【請求項10】
複数のセルの対を備える膜パッケージであって、
前記セルの対の少なくとも一部が、
第1の膜と、
第2の膜と、
前記第1の膜と前記第2の膜との間の第1のスペーサと、
前記第2の膜に近接した第2のスペーサとを備え、
前記第1の膜が、前記第1のスペーサに、前記第1のスペーサの2つの平行なエッジに沿って接続されており、
前記第2の膜が、前記第1のスペーサに、前記第1のスペーサの前記2つの平行なエッジに沿って接続されており、
前記第2のスペーサが、前記第2の膜に、前記第2のスペーサの2つの平行なエッジに沿って接続されており、第2のスペーサの前記平行なエッジが、前記第1のスペーサの前記2つの平行なエッジと垂直である、
前記膜パッケージ。
【請求項11】
前記第2の膜の1つの面上での供給のストリームの流れ及び前記第2の膜の第2の面上でのプロセスのストリームの流れを可能にするのに適し、前記供給のストリームの流れが、前記プロセスのストリームの流れと基本的に垂直である請求項10記載の膜パッケージ。
【請求項12】
前記第1のスペーサを介しての供給のストリームの流れ及び前記第2のスペーサを介してのプロセスのストリームの流れを可能にするのに適し、前記供給のストリームの流れが、前記プロセスのストリームの流れと基本的に垂直である請求項10記載の膜パッケージ。
【請求項13】
前記第1の膜、前記第2の膜又はその両方がイオン交換膜である請求項10記載の膜パッケージ。
【請求項14】
前記第1の膜がアニオン交換膜である請求項13記載の膜パッケージ。
【請求項15】
前記第2の膜がカチオン交換膜である請求項13記載の膜パッケージ。
【請求項16】
前記第1の膜及び前記第2の膜がカチオン交換膜である請求項10記載の膜パッケージ。
【請求項17】
前記第2のスペーサが、前記第2のスペーサの前記2つの平行なエッジに沿って、第3の膜に、前記第2の膜と前記第3の膜との間に第2のスペーサが配置されるように接続されるのに適する請求項10記載の膜パッケージ。
【請求項18】
電気透析ED、電気透析逆ED(EDR)、ドナン透析、電気脱イオン化(EDI)、連続電気脱イオン化(CEDI、)及び/又は逆電気透析(RED)、或いはそれらのいずれの組み合わせに使用するのに適する請求項10記載の膜パッケージ。
【請求項19】
複数の膜を備える膜パッケージであって、前記膜パッケージが、供給のストリームの流れ及びプロセスのストリームの流れを容易にするのに適し、両方の流れの流体力学的な抵抗を、スペーサの流体力学的な抵抗によって基本的に決定する前記膜パッケージ。
【請求項20】
複数の膜を備える膜パッケージであって、前記膜パッケージが、供給のストリームの自由な流れ及びプロセスのストリームの自由な流れを容易にするのに適する前記膜パッケージ。
【請求項21】
複数の膜を備え、供給のストリームの自由な流れ及びプロセスのストリームの自由な流れを容易にするのに適する膜パッケージと、
前記膜パッケージを支持するのに適するフレーム
とを備える膜モジュール。
【請求項22】
前記膜パッケージが複数のセルの対を備え、前記セルの対の少なくとも一部が、
それぞれ、第1の膜と、第2の膜と、前記第1の膜と前記第2の膜との間の第1のスペーサと、前記第2の膜に近接した第2のスペーサとを備え、前記第1の膜が、前記第1のスペーサに、前記第1のスペーサの2つの平行なエッジに沿って接続されており、前記第2の膜が、前記第1のスペーサに、前記第1のスペーサの前記2つの平行なエッジに沿って接続されており、前記第2のスペーサが、前記第2の膜に、前記第2のスペーサの2つの平行なエッジに沿って接続されており、第2のスペーサの前記平行なエッジが、前記第1のスペーサの前記2つの平行なエッジと垂直である請求項21記載の膜モジュール。
【請求項23】
前記フレームが、前記モジュールの内側の前記供給のストリーム及び前記プロセスのストリームの自由な流れを可能にする一方で、前記ストリームが互いと混合するのを実質的に防ぐことを可能にするのに更に適する請求項21記載の膜モジュール。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−519306(P2011−519306A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539017(P2010−539017)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【国際出願番号】PCT/IB2008/055380
【国際公開番号】WO2009/077992
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(503254308)ベン グリオン ユニバーシティ オブ ザ ネジェブ リサーチ アンド ディベラップメント オーソリティ (1)
【Fターム(参考)】