説明

腫瘍治療用の医薬品としてのフレデリカマイシン−誘導体

【課題】腫瘍治療用の医薬品としての提供。
【解決手段】一般式(Ia)に示される新規のフレデリカマイシン−誘導体、又はその塩を含有する医薬品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のフレデリカマイシン−誘導体、前記の誘導体又はその塩を含有する医薬品、及び疾患、特に腫瘍疾患の治療のための前記のフレデリカマイシン−誘導体の使用に関する。
【0002】
フレデリカマイシンは1981年にストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)から単離され、抗腫瘍活性を示す。
【0003】
フレデリカマイシン及びいくつかのフレデリカマイシン−誘導体は公知である。
【0004】
Heterocycles 37 (1994) 1893-1912、J. Am. Chem. Soc. 116 (1994) 9921-9926、 J. Am. Chem. Soc. 116 (1994) 11275-11286、J. Am. Chem. Soc. 117 (1995) 11839-11849及びJ. Am. Chem. Soc. 123 (2001)には、フレデリカマイシンAの多様な、エナンチオ選択性の完全合成が記載されている。
【0005】
米国特許第4673768号明細書には、フレデリカマイシンAのアルカリ金属塩が記載されている。米国特許第4584377号明細書には、フレデリカマイシン−誘導体、特にE及びF環がアシル化された誘導体が記載されている。米国特許第5,166,208号明細書にも同様にフレデリカマイシン−誘導体が記載されており、特にF環にチオ置換基又はアミノ置換基を有する誘導体が記載されている。この誘導体は半合成又は完全合成により製造される。
【発明の概要】
【0006】
意外にも、特にE環、F環又はE及びF環が誘導化されているフレデリカマイシン−誘導体が有力な医薬品であることが見出された。更に、特にこの誘導体の水溶性を高める基を、E環、F環又はE環とF環の両方に導入する半合成法も見出された。更に、先行技術から公知の誘導化する方法は、本発明による誘導体に付加的に実施することができる。更に、別の手段により見出されたフレデリカマイシン−誘導体は、シクロデキストリン中の包接化合物を製造することにより水溶性にすることができた。
【0007】
本発明は、次の一般式Ia又はIb:
【化1】

【化2】

【0008】
[式中、それぞれ、
R1は、H、C〜C−アルキル、シクロアルキル、C〜C−アルキル−シクロアルキルを表し、
R2は、C〜C14−アルキル、C〜C14−アルケニル、C〜C−アルキル−アリール、ヘテロアリール、C〜C−アルキル−ヘテロアリール、シクロアルキル、C〜C−アルキル−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C〜C−アルキル−ヘテロシクロアルキル、C2m+o−p(式中、m=1〜6、o=1に対して、p=1〜2m+o;m=2〜6に対して、o=−1、p=1〜2m+o;m=4〜6に対して、o=−2、p=1〜2m+o;Yは相互に無関係に、ハロゲン、OH、OR21、NH、NHR21、NR21R22、SH、SR21のグループから選択される)、CHNHCOR21、CHNHCSR21、CHS(O)nR21(n=0、1、2)、CHSCOR21、CHOSO−R21、CHO、CH=NOH、CH(OH)R21、−CH=NOR21、−CH=NOCOR21、−CH=NOCHCONR21R22、−CH=NOCH(CH)CONR21R22、−CH=NOC(CHCONR21R22、−CH=N−NHCO−R23、−CH=N−NHCO−CHNHCOR21、−CH=N−O−CHNHCOR21、−CH=N−NHCS−R23、−CH=CR24R25(シス又はトランス)、COOH、COOR21、CONR21R22、−CH=NR21、−CH=N−NR21R22、
【化3】

【0009】
(式中、X’は、NR215、O、S及びR211、R212、R213、R214、R215は、相互に無関係に、H又はC〜C−アルキル)、−CH=N−NHSO−アリール、−CH=N−NHSO−ヘテロアリールを表し、
R21、R22は相互に無関係に、C〜C14−アルキル、C〜C14−アルカノイル、C〜C−アルキルヒドロキシ、C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルアミノ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルアミノ−ジ−C〜C−アルキル、シクロアルキル、C〜C−アルキル−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C〜C−アルキル−ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールオイル、C〜C−アルキル−アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールオイル、C〜C−アルキル−ヘテロアリール、シクロアルカノイル、C〜C−アルカノイル−シクロアルキル、ヘテロシクロアルカノイル、C〜C−アルカノイル−ヘテロシクロアルキル、C〜C−アルカノイル−アリール、C〜C−アルカノイル−ヘテロアリール、単糖基及び二糖基(これらは1つのC原子介して結合し、糖中に1つのOH基を有し、その際、この糖は、相互に無関係に、グルクロン酸及びその全ての光学C原子での立体異性体、アルドペントース、アルドヘキソース(これらのデオキシ化合物を含める)(例えば、グルコース、デオキシグルコース、リボース、デオキシリボース)のグループから選択される)を表し、
R23は、R21とは無関係に、R21と同じもの、又はCHピリジニウム−塩、CHトリ−C〜C−アルキルアンモニウム−塩を表し、
R24は、R21とは無関係に、R21と同じもの、又はH、CN、COCH、COOH、COOR21、CONR21R22、NH、NHCOR21を表し、
R25は、R21とは無関係に、R21と同じもの、又はH、CN、COCH、COOH、COOR21、CONR21R22、NH、NHCOR21を表し、
R24、R25は一緒になって、C〜C−シクロアルキルを表し、
R3は、H、F、Cl、Br、I、OH、R31、NO、NH、NHR31、NR31R32、NHCHO、NHCOR31、NHCOCF、CH3−mHal(式中、Hal=Cl、F、特にF、及びm=1、2、3)、OCOR31を表し、
R31、R32は相互に無関係に、C〜C−アルキルを表し、
R5、R6は、相互に無関係に、H、C〜C14−アルキル、C〜C14−アルケニル、アリール、C〜C−アルキル−アリール、ヘテロアリール、C〜C−アルキル−ヘテロアリール、シクロアルキル、C〜C−アルキル−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C〜C−アルキル−ヘテロシクロアルキル、C2m+o−p(m=1〜6、o=1に対して、p=1〜2m+o;m=2〜6に対して、o=−1、p=1〜2m+o;m=4〜6に対して、o=−2、p=1〜2m+o;Yは、相互に無関係に、ハロゲン、OH、OR21、NH、NHR21、NR21R22、SH、SR21のグループらか選択され)、又はR5及びR6はX−C−C−Xと一緒になって5、6又は7員環を形成し、
R4、R7、R8は、相互に無関係に、H、C〜C−アルキル、CO−R41を表し、
R41は、R21とは無関係に、R21と同じものを表し、
X1は、O、S、NH、N−C〜C−アルキル、N−シクロアルキルを表し、
X2は、O、S、NH、N−C〜C−アルキル、N−シクロアルキルを表し、
Y1は、O、N−R9を表し、その際、R9は、R5とは無関係に、R5と同じ意味を表すことができ、
Y2は、O、N−R10を表し、その際、R10は、R5とは無関係に、R5と同じ意味を表すことができ、
かつ、Y1又はY2がN−R9又はN−R10である場合に、X2−R6はHであることができ、
Y3は、O、S、NHを表す]の新規のフレデリカマイシン−誘導体、その立体異性体、互変異性体及びその生理学的に許容性の塩又は包接化合物に関する。
【0010】
次の式IIa又はIIb
【化4】

【化5】

【0011】
[式中、R1−R41、X1、X2、Y1及びY2の意味は前記したものと同様である]の化合物、その互変異性体及びその生理学的に許容性の塩又は包接化合物が有利である。
【0012】
本発明は、さらに、基Rは前記の意味を表し、かつR2は、R2がCH=CH−CH=CH−CHである化合物と比較して、全ての他の基が維持されている場合に、水溶性を少なくとも2倍、有利に少なくとも5倍、さらに有利に少なくとも10倍、特に有利に少なくとも50倍、殊に100倍、又はさらに500倍にする、式Ia、Ib、IIa又はIIbの化合物に関する。水溶性の向上は、例えば増加した水素架橋結合を形成することができる及び/又は極性である及び/又はイオン性である基を導入することにより達成される。基準となる中間体は、R2においてアルデヒド官能基を有する化合物である。アルデヒド及び少なくともR1またはR3がHではない前記のアルデヒドから誘導される化合物の場合に、R4〜R8はH又はアルキルであるのが有利である。
【0013】
R2において有利な基は、ヘテロアリール、シクロアルキル、C〜C−アルキル−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C〜C−アルキル−ヘテロシクロアルキル、C2m+o−p(式中、m=1〜6、o=1に対して、p=1〜2m+o;m=2〜6に対して、o=−1、p=1〜2m+o;m=4〜6に対して、o=−2、p=1〜2m+o);Yは相互に無関係に、ハロゲン、OH、OR21、NH、NHR21、NR21R22、SH、SR21のグループから選択される)、CHNHCOR21、CHNHCSR21、CHS(O)R21(n=0、1、2)、CHSCOR21、CHOSO−R21、CH(OH)R21、−CH=NOCOR21、−CH=NOCHCONR21R22、−CH=NOCH(CH)CONR21R22、−CH=NOC(CHCONR21R22、−CH=N−NHCO−R23、−CH=N−NHCO−CHNHCOR21、−CH=N−O−CHNHCOR21、−CH=N−NHCS−R23、−CH=CR24R25(シス又はトランス)、CONR21R22、−CH=NR21、−CH=N−NR21R22、
【化6】

【0014】
(式中、X’は、NR215、O、S及びR211、R212、R213、R214、R215は、相互に無関係に、H又はC〜C−アルキル)、−CH=N−NHSO−アリール、−CH=N−NHSO−ヘテロアリールである。
【0015】
さらに、基Rが有利に相互に無関係に1つ又は複数の次のものを表す、上記のような化合物、その立体異性体、互変異性体及びその生理学的に許容性の塩又は包接化合物が有利である:
R1は、H、C〜C−アルキル、シクロアルキル、特にHを表し、
R2は、C〜C−アルキル、C〜C−アルキル−アリール、C〜C−アルケニル、ヘテロアリール、C〜C−アルキル−ヘテロアリール、CHF、CF、ポリオール側鎖、特にCHOH−CHOH−CHOH−CHOH−CH、CHOH−CHOH−CH=CH−CH、CH=CH−CHOH−CHOH−CH、CHY(Y=F、Cl、Br、I)、CHNH、CHNR21R22、CHNHCOR23、CHNHCSR23、CHSH、CHS(O)nR21(その際、n=0、1、2)、CHSCOR21、特にCHOH、CHOR21、CHOSO−R21、特にCHO、CH(OR21)、CH(SR21)、CN、CH=NOH、CH=NOR21、CH=NOCOR21、CH=N−NHCO−R23、CH=CR24,R25(トランス又はシス)、特にCOOH(特にこれらの生理学的に許容性の塩)、COOR21、CONR21R22、−CH=NR21、−CH=N−NR21R22、
【化7】

【0016】
(式中、X’=NR215、O、S及びR211、R212、R213、R214、R215、相互に無関係にH又はC〜C−アルキル)、−CH=N−NHSO−アリール、−CH=N−NHSO−ヘテロアリール、CH=N−NHCO−R23を表し、
R21、R22は相互に無関係に、C〜C−アルキル、シクロアルキル、アリール、C〜C−アルキル−アリール、ヘテロアリール、C〜C−アルキル−ヘテロアリールを表し、
R23は、R21とは無関係に、R21と同じもの、又はCHピリジニウム−塩、CH2トリ−C〜C−アルキルアンモニウム−塩を表し、
R24は、R21とは無関係に、R21と同じもの、又はH、CN、COCH、COOH、COOR21、CONR21R22、NH、NHCOR21を表し、
R25は、R21とは無関係に、R21と同じもの、又はH、CN、COCH、COOH、COOR21、CONR21R22、NH、NHCOR21を表し、
R24、R25は一緒になって、C〜C−シクロアルキルを表し、
R3は、F、Cl、Br、I、NO、NH、NHCOR31を表し、
R31は相互に無関係に、C〜C−アルキルを表し、
R5、R6は、H、相互に無関係に、C〜C14−アルキル、C〜C14−アルケニル、アリール、C〜C−アルキル−アリール、ヘテロアリール、C〜C−アルキル−ヘテロアリール、シクロアルキル、C〜C−アルキル−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C〜C−アルキル−ヘテロシクロアルキル、C2m+o−p(m=1〜6、o=1に対して、p=1〜2m+o;m=2〜6に対して、o=−1、p=1〜2m+o;m=4〜6に対して、o=−2、p=1〜2m+o;Yは、相互に無関係に、ハロゲン、OH、OR21、NH、NHR21、NR21R22、SH、SR21のグループらか選択され)、又はR5及びR6はX−C−C−Xと一緒になって5、6又は7員環を形成し、
R4、R7、R8は、相互に無関係に、H、C〜C−アルキル、CO−R41を表し、
R41は、R21とは無関係に、R21と同じものを表し、
Y3は、O、S、有利にOを表す。
【0017】
実施例の化合物及び実施例の化合物の多様な置換基の組み合わせを有する化合物からなるグループから選択される化合物、その立体異性体、互変異性体及びこれらの生理学的に許容性の塩又は包接化合物が特に有利である。
【0018】
さらに、担持剤及び助剤の他に式I又はIIの上記の化合物を含有する医薬品が有利である。
【0019】
腫瘍治療に対する他の作用物質と組み合わせた上記の医薬品も有利である。
【0020】
この本発明による化合物は、腫瘍を治療するための、特にトポイソメラーゼI及び/又はIIの阻害により治療することができる腫瘍を治療するための医薬品の製造のために使用される。本発明による物質を用いて治療することができる腫瘍は、例えば白血病、肺ガン、メラノーマ、前立腺ガン及び結腸ガンである。
【0021】
さらに、本発明による化合物は、神経皮膚炎、寄生虫疾患の治療及び免疫抑制のための医薬品の製造のために使用される。
【0022】
本願明細書及び特許請求の範囲において、個々の置換基に対して次の定義が通用する:
それ自体についての又は他の置換基の一部としての「アルキル」の用語は、それぞれ記載された長さの線状鎖又は分枝鎖のアルキル鎖−基を表し、かつ場合によりCH−基はカルボニル官能基により置き換えられていてもよい。従って、C〜C−アルキルは、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−プロピル、1−ブチル、2−ブチルを表し、C〜C−アルキルは、例えばC〜C−アルキル、ペンチル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、4−メチル−1−ペンチル又は3,3−ジメチル−ブチルを表す。
【0023】
それ自体又は他の置換基の一部としての「C〜C−アルキルヒドロキシ」の用語は、それぞれ記載された長さの線状鎖又は分枝鎖のアルキル鎖−基を表し、この基は飽和又は不飽和であることができかつOH−基を有する、例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピルである。
【0024】
それ自体又は他の置換基の一部としての「アルケニル」の用語は、それぞれ記載された長さの、1つ又は複数のC=C−二重結合を有する線状鎖又は分枝鎖のアルキル鎖−基を表し、その際に複数の二重結合は有利に共役されている。従って、C〜C−アルケニルは、例えばエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、2,4−ブタジエニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、1,3−ペンタジエニル、2,4−ペンタジエニル、1,4−ペンタジエニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、1,3−ヘキセジエニル、4−メチル−1−ペンテニル又は3,3−ジメチルブテニルを表す。
【0025】
「ハロゲン」の用語は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を表し、有利に臭素及び塩素を表す。
【0026】
「NR21R22」の用語は、ジアルキルアミノ基をも表し、その際、この両方のアルキル基はNと一緒になって5員環又は6員環を形成することもできる。
【0027】
R5及びR6がX−C−C−Xと一緒になって5、6又は7員環を形成する場合に、R5及びR6は一緒になって、有利にCH、CH−CH、CH=CH、CH−CH−CH、CH=CH−CH又はCH−CH=CHである。
【0028】
それ自体又は他の置換基の一部としての「シクロアルキル」の用語は、3〜8個のC原子を有する飽和の環式炭化水素、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘプチル又はシクロオクチルを表す。
【0029】
それ自体又は他の置換基の一部としての「ヘテロシクロアルキル」の用語は、2つまでのCH−基が酸素原子、硫黄原子又は窒素原子により置き換えられていてもよく、かつ他の1つのCH−基が1つのカルボニル官能基と置き換えられていてもよいシクロアルキル基を表し、例えばピロリジン、ピペリジン、モルホリン又は次の置換基を表す:
【化8】

【0030】
Y=CH、S、O、NH、NC〜C−アルキル
それ自体又は他の置換基の一部としての「アリール」の用語は、3個までの環を有し、その際少なくとも1つの環系が芳香族でありかつ3個までの置換基、有利に1個までの置換基を有する芳香族環系を表し、その際、前記の置換基は、相互に無関係に、C〜C−アルキル、OH、NO、CN、CF、OR11、SH、SR11、C〜C−アルキルヒドロキシ、C〜C−アルキル−OR11、COOH、COOR11、NH、NHR11、NR11R12、ハロゲンを有することができ、その際、基R11及びR12は、相互に無関係に、C〜C10−アルキル、シクロアルキル、C〜C−アルキル−シクロアルキルを表すことができる。
【0031】
有利なアリールは、フェニル、1−ナフチル及び2−ナフチルの他に次のものである:
【化9】

【0032】
それ自体又は他の置換基の一部としての「ヘテロアリール」の用語は、3個までの環を有し、かつ3個までの同じ又は異なるヘテロ原子N、S、Oを有し、その際少なくとも1つの環系が芳香族でありかつ3個までの置換基、有利に1個までの置換基を有する芳香族環系を表し、その際、前記の置換基は、相互に無関係に、C〜C−アルキル、OH、NO、CN、CF、OR11、SH、SR11、C〜C−アルキルヒドロキシ、C〜C−アルキル−OR11、COOH、COOR11、NH、NHR11、NR11R12、ハロゲンを有することができ、その際、基R11は、相互に無関係に、前記の意味を表すことができる。
【0033】
有利なヘテロアリールは次のものである:
【化10】

【0034】
「環系」の用語は、一般に3、4、5、6、7、8、9又は10員の環を表す。5又は6員環が有利である。更に、1つ又は2つの縮合環を有する環系が有利である。
【0035】
式Iの化合物は、それ自体又はこの化合物が酸性又は塩基性の基を有する場合に、生理学的に許容性の塩基又は酸との塩の形で存在することができる。このような酸の例は次のものである:塩酸、クエン酸、トリフルオロ酢酸、酒石酸、乳酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、ギ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、ヒドロキシコハク酸、硫酸、グルタル酸、アスパラギン酸、ピルビン酸、安息香酸、グルクロン酸、シュウ酸、アスコルビン酸及びアセチルグリシン。塩基の例は、アルカリ金属イオン、有利にNa、K、アルカリ土類金属イオン、Ca、Mg、アンモニウムイオンである。
【0036】
本発明による化合物は、通常では経口で投与することができる。この投与は、静脈内、筋肉内、蒸気又は噴霧を用いて鼻−咽頭腔を介して行うこともできる。
【0037】
この投与量は、患者の年齢、状態及び体重並びに投与形態に依存する。一般に、一日の作用物質投与量は経口投与の場合に一人あたり約0.1μg/kg〜1g/kgである。この投与量は、一日に2回〜4回の一回量で又は徐放性の形状として1回で投与することができる。
【0038】
この新規の化合物は、慣用の薬理投与形態で、例えば錠剤、フィルム錠剤、カプセル剤、粉剤、粒剤、糖衣錠剤、溶液又はスプレーとして、固体又は液体で適用することができる。これらは通常の方法で製造される。この作用物質は、この場合に常用の薬理助剤、例えば錠剤結合剤、充填剤、保存剤、錠剤崩壊剤、流動調節剤、可塑剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、溶剤、遅延剤、酸化防止剤及び/又は噴射剤と一緒に投与することができる(H. Sucker et al.著、Pharmazeutische Technologie, Thieme-Verlag, Stuttgart, 1978参照)。このように得られた投与形態は作用物質を通常では0.1〜99質量%の量で含有する。
【0039】
実験の部
フレデリカマイシンAは、公知の方法による発酵法又は全合成法により得ることができる。式Ib及びIIbの還元された形は、穏和な還元剤により式Ia及びIIaの相応する化合物から製造することができる。
【0040】
物質の製造
水溶性フレデリカマイシン誘導体の合成のために、フレデリカマイシン(1)は、まず最初に酸化オスミウム(IV)を用いて、そのジエン側鎖がヒドロキシル化される。(反応式1参照)。
【0041】
反応式1
【化11】

【0042】
a) OsO、N−メチルモルホリン−N−オキシド、CHCl、CHOH、H
フレデリカマイシン−テトロール(2)は、高い可溶性及び/又は作用プロフィールを有する他のフレデリカマイシン誘導体の合成のための重要な中間体として用いられる。メタ過ヨウ素酸ナトリウムもしくは担体に結合した過ヨウ素酸塩を用いたヨウ素酸塩分解により、テトラオール側鎖は、極めて高い収率でフレデリカマイシンアルデヒド(4)に分解される(反応式2参照)。
【0043】
反応式2
【化12】

【0044】
a) NaIO−HO−DMF又は担体に結合したIO−HO−DMF
フレデリカマイシン−アルデヒド(3)はアシルヒドラゾン、ヒドロキシルアミン及びO−アルキルヒドロキシルアミンと反応させ、相応するヒドラゾン(反応式3参照)、もしくはオキシム及びオキシムエーテル(反応式4参照)にされる。この反応は、室温で溶剤、例えばDMF又はピリジン中で実施することができ、数分〜数時間後に完了することができる。
【0045】
反応式3
【化13】

【0046】
反応式4
【化14】

【0047】
ハロゲン置換されたフレデリカマイシン誘導体 R=I、Br、Cl、F
フレデリカマイシン(1)はハロゲン化剤、例えばN−ブロモスクシンイミド(NBS)及びN−ヨードスクシンイミド(NIS)と良好な収率で反応され、置換された5−ブロモ−フレデリカマイシン誘導体(4)及び5−ヨード−フレデリカマイシン誘導体(5)にすることができる(反応式5)。
【0048】
相当するフッ素化合物も同様に得ることができる。
【0049】
反応式5
【化15】

【0050】
Hal:Br(4),I(5)
a) N−ブロモスクシンイミド、DMF、0℃
b) N−ヨードスクシンイミド、DMF、0℃
【化16】

【化17】

【化18】

【0051】
ここに挙げたフレデリカマイシン誘導体を、次いで相応するS又はN求核試薬との反応により特許請求の範囲に記載された化合物に変換することができる、反応式6参照。
【0052】
反応式6
【化19】

【0053】
Y1及び/又はY2の置換基はN−R5と同じく相応する第1級アミンHN−R5を介して得られる。
【0054】
合成例:
【化20】

【0055】
表1
【表1】

【0056】
チオ類似体のフレデリカマイシン誘導体の製造
フレデリカマイシン又はその誘導体をLawesson試薬又はP10でピリジン中でチオ化することにより、このチオピリドン類似の誘導体が得られる(反応式7参照、ここではフレデリカマイシンAに関して示されている)。
【0057】
反応式7
【化21】

【0058】
生物学的活性は、次の12種のガン−セルラインで行った:
LCL(H460/肺ガン)、MACL(MCF7、乳ガン)、LXFL(529L、肺ガン)、LXFA(629L、肺ガン)、MEXF(462NL、メラノーマ)、MEXF(514L、メラノーマ)、MAXF(401NL、乳ガン)、RXF(944L、腎臓ガン)、RXF(486L、腎臓ガン)、UXF(1138L、子宮ガン)、PRXF(PC3M、前立腺ガン)、PRXF(22RV1)。
【0059】
効果(IC70)を全てのセルラインに関して5つの試験濃度でμg/mlで測定した。
【0060】
表7
【表2】

【0061】
実施例/試薬
アドリアマイシン
シスプラチン
フレデリカマイシン
実施例
【実施例1】
【0062】
(8S)−4’,9,9’−トリヒドロキシ−6’−メトキシ−7−エチルチオアセト−3−[(1E,3E)−ペンタ−1,3−ジエニル]−6,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[g]イソキノリン−8,2’−シクロペンタ[b]ナフタレン]−1,1’,3’,5’,8’(2H)−ペントン
フレデリカマイシン10mg(18.6μmol)をアルゴン下でDMF1ml中に溶かし、引き続き室温でメルカプト酢酸エチルエステル2.5μl(22.3μmol)を添加した。24時間後にHPLC(RP18、アセトニトリル/水)により均一な新規の生成物が形成された。この反応混合物を高真空中で濃縮乾固させた。
【0063】
赤色結晶ペースト、収量:12mg(98%)。M/e=558.9(M+H)、λmax=510nm。
【実施例2】
【0064】
(8S)−4’,9,9’−トリヒドロキシ−6’−ヒドロキシ−7(2−ジエチルアミノエチルメルカプト)−3−[(1E,3E)−ペンタ−1,3−ジエニル]−6,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[g]イソキノリン−8,2’−シクロペンタ[b]ナフタレン]−1,1’,-3’,5’,8’(2H)−ペントン
フレデリカマイシン10mg(18.6μmol)をアルゴン下でDMF1ml中に溶かし、引き続き室温で2−ジエチルアミノエタンチオール・HCl 3.8mg(22.3μmol)を添加した。23時間後にさらに2−ジエチルアミノエタンチオール・HCl 3.17mgを添加した。全部で45時間の反応時間の後に、この反応混合物を高真空中で濃縮乾固させ、残留物を、分取HPLC(RP18、アセトニトリル−水)を用いてクロマトグラフィーで処理した。
【0065】
赤色結晶ペースト、収量:4mg(33%)。M/e=657.5(M+H)、λmax=486nm。
【実施例3】
【0066】
(8S)−4’,9,9’−トリヒドロキシ−6’−メトキシ−7(2−ヒドロキシエチルメルカプト)−3−[(1E,3E)−ペンタ−1,3−ジエニル]−6,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[g]イソキノリン−8,2’−シクロペンタ[b]ナフタレン]−1,1’,-3’,5’,8’(2H)−ペントン
フレデリカマイシン10mg(18.6μmol)をアルゴン下でDMF1ml中に溶かし、引き続き室温でメルカプトエタノール1.6μl(22.3μmol)を添加した。20時間後にHPLC(RP18、アセトニトリル/水)により均一な新規の生成物が形成された。この反応混合物を高真空中で濃縮乾固させた。
【0067】
赤色結晶ペースト、収量:11mg(99%)。M/e=617.4(M+H)、λmax=486nm。
【実施例4】
【0068】
(8S)−4’,9,9’−トリヒドロキシ−6’−メトキシ−7−(2−ジエチルアミノエチルメルカプト)−3−[(1E,3E)−ペンタ−1,3−ジエニル]−6,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[g]イソキノリン−8,2’−シクロペンタ[b]ナフタレン]−1,1’,-3’,5’,8’(2H)−ペントン
フレデリカマイシン10mg(18.6μmol)をアルゴン下でDMF1ml中に溶かし、引き続き室温で2−ジエチルアミノエタンチオール・HCl3.8mg(22.3μmol)を添加した。6時間後にさらに2−ジエチルアミノエタンチオール・HCl 1.9mgを添加した。23時間後にさらにジエチルアミノエタンチオール・HCl 1.9mgを添加した。全部で30時間の反応時間の後に、この反応混合物を高真空中で濃縮乾燥させ、残留物を、分取HPLC(RP18、アセトニトリル−水)を用いてクロマトグラフィーで処理した。
【0069】
赤色結晶ペースト、収量:10mg(80%)。M/e=671.4(M+H)、λmax=486nm。
【実施例5】
【0070】
(8S)−4’,9,9’−トリヒドロキシ−6’−メトキシ−7−(ベンジルメルカプト)−3−[(1E,3E)−ペンタ−1,3−ジエニル]−6,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[g]イソキノリン−8,2’−シクロペンタ[b]ナフタレン]−1,1’,3’,5’,8’(2H)−ペントン
5−クロロフレデリカマイシン5.0mg(8.71μmol)をアルゴン下でDMF1ml中に溶かし、引き続き室温でベンジルメルカプタン1.23μl(10.45μmol)を添加した。4時間後にこの反応混合物を高真空中で濃縮乾固させた。
【0071】
赤色結晶ペースト、収量:6mg(99%)。M/e=695.9(M+H)、λmax=504nm。
【実施例6】
【0072】
(8S)−4’,9,9’−トリヒドロキシ−6’−メトキシ−7−ヒドロキシ−3−[(1E,3E)−ペンタ−1,3−ジエニル]−6,7−ジヒドロスピロ[シクロペンタ[g]イソキノリン−8,2’−シクロペンタ[b]ナフタレン]−1,1’,3’,5’,8’(2H)−ペントン
フレデリカマイシン10mg(18.6μmol)をアルゴン下でDMF1ml中に溶かし、引き続き室温で2−アミノエタノンチオール・HCl 2.5mg(22.3μmol)を添加した。26時間後にさらに2−アミノエタンチオール・HCl 2.1mg及び若干のトリフルオロ酢酸を添加した。全部で72時間後に、高真空中で濃縮乾固させ、残留物を、分取HPLC(RP18、アセトニトリル−水)を用いてクロマトグラフィーで処理した。
【0073】
赤色結晶ペースト、収量:9mg(87%)。M/e=554.5(M−H)、λmax=372nm。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Ia又はIb:
【化1】

【化2】

[式中、それぞれ、
R1は、H、C〜C−アルキル、シクロアルキル、C〜C−アルキル−シクロアルキルを表し、
R2は、C〜C14−アルキル、C〜C14−アルケニル、C〜C−アルキル−アリール、ヘテロアリール、C〜C−アルキル−ヘテロアリール、シクロアルキル、C〜C−アルキル−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C〜C−アルキル−ヘテロシクロアルキル、C2m+o−p(式中、m=1〜6、o=1に対して、p=1〜2m+o;m=2〜6に対して、o=−1、p=1〜2m+o;m=4〜6に対して、o=−2、p=1〜2m+o;Yは相互に無関係に、ハロゲン、OH、OR21、NH、NHR21、NR21R22、SH、SR21のグループから選択される)、CHNHCOR21、CHNHCSR21、CHS(O)nR21(n=0、1、2)、CHSCOR21、CHOSO−R21、CHO、CH=NOH、CH(OH)R21、−CH=NOR21、−CH=NOCOR21、−CH=NOCHCONR21R22、−CH=NOCH(CH)CONR21R22、−CH=NOC(CHCONR21R22、−CH=N−NHCO−R23、−CH=N−NHCO−CHNHCOR21、−CH=N−O−CHNHCOR21、−CH=N−NHCS−R23、−CH=CR24R25(シス又はトランス)、COOH、COOR21、CONR21R22、−CH=NR21、−CH=N−NR21R22、
【化3】

(式中、X’=NR215、O、S及びR211、R212、R213、R214、R215は、相互に無関係に、H又はC〜C−アルキル)、−CH=N−NHSO−アリール、−CH=N−NHSO−ヘテロアリールを表し、
R21、R22は、相互に無関係に、C〜C14−アルキル、C〜C14−アルカノイル、C〜C−アルキルヒドロキシ、C〜C−アルキルアミノ、C〜C−アルキルアミノ−C〜C−アルキル、C〜C−アルキルアミノ−ジ−C〜C−アルキル、シクロアルキル、C〜C−アルキル−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C〜C−アルキル−ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールオイル、C〜C−アルキル−アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリールオイル、C〜C−アルキル−ヘテロアリール、シクロアルカノイル、C〜C−アルカノイル−シクロアルキル、ヘテロシクロアルカノイル、C〜C−アルカノイル−ヘテロシクロアルキル、C〜C−アルカノイル−アリール、C〜C−アルカノイル−ヘテロアリール、単糖基及び二糖基(これらは1つのC原子を介して結合し、糖中に1つのOH基を有し、その際、この糖は、相互に無関係に、グルクロン酸及びその全ての光学C原子での立体異性体、アルドペントース、アルドヘキソース(これらのデオキシ化合物を含める)(例えば、グルコース、デオキシグルコース、リボース、デオキシリボース)のグループから選択される)を表し、
R23は、R21とは無関係に、R21と同じもの、又はCHピリジニウム−塩、CH2トリ−C〜C−アルキルアンモニウム−塩を表し、
R24は、R21とは無関係に、R21と同じもの、又はH、CN、COCH、COOH、COOR21、CONR21R22、NH、NHCOR21を表し、
R25は、R21とは無関係に、R21と同じもの、又はH、CN、COCH、COOH、COOR21、CONR21R22、NH、NHCOR21を表し、
R24、R25は一緒になって、C〜C−シクロアルキルを表し、
R3は、H、F、Cl、Br、I、OH、OR31、NO、NH、NHR31、NR31R32、NHCHO、NHCOR31、NHCOCF、CH3−mHal(式中、Hal=Cl、F、特にF、及びm=1、2、3)、OCOR31を表し、
R31、R32は相互に無関係に、C〜C−アルキルを表し、
R5、R6は、相互に無関係に、H、C〜C14−アルキル、C〜C14−アルケニル、アリール、C〜C−アルキル−アリール、ヘテロアリール、C〜C−アルキル−ヘテロアリール、シクロアルキル、C〜C−アルキル−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C〜C−アルキル−ヘテロシクロアルキル、C2m+o−p(m=1〜6、o=1に対して、p=1〜2m+o;m=2〜6に対して、o=−1、p=1〜2m+o;m=4〜6に対して、o=−2、p=1〜2m+o;Yは、相互に無関係に、ハロゲン、OH、OR21、NH、NHR21、NR21R22、SH、SR21のグループらか選択され)、又はR5及びR6はX−C−C−Xと一緒になって5、6又は7員環を形成し、
R4、R7、R8は、相互に無関係に、H、C〜C−アルキル、CO−R41を表し、
R41は、R21とは無関係に、R21と同じものを表し、
X1は、O、S、NH、N−C〜C−アルキル、N−シクロアルキルを表し、
X2は、O、S、NH、N−C〜C−アルキル、N−シクロアルキルを表し、
Y1は、O、N−R9を表し、その際、R9は、R5とは無関係に、R5と同じ意味を表すことができ、
Y2は、O、N−R10を表し、その際、R10は、R5とは無関係に、R5と同じ意味を表すことができ、
かつ、Y1又はY2がN−R9又はN−R10である場合に、X2−R6はHであることができ、
Y3は、O、S、NHを表す]の化合物、その立体異性体、互変異性体及びその生理学的に許容性の塩又は包接化合物。
【請求項2】
式Ia又はIbが、式IIa又はIIb
【化4】

【化5】

の立体化学的化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
基Rは前記の意味を表し、かつR2は、R2がCH=CH−CH=CH−CHである化合物と比較して、全ての他の基が維持されている場合に、水溶性を少なくとも2倍、有利に少なくとも5倍、さらに有利に少なくとも10倍、特に有利に少なくとも50倍、殊に100倍、又はさらに500倍にする、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
R1は、H、C〜C−アルキル、シクロアルキル、特にHを表し、
R2は、C〜C−アルキル、C〜C−アルキル−アリール、C〜C−アルケニル、ヘテロアリール、C〜C−アルキル−ヘテロアリール、CHF、CF、ポリオール側鎖、特にCHOH−CHOH−CHOH−CHOH−CH、CHOH−CHOH−CH=CH−CH、CH=CH−CHOH−CHOH−CH、CHY(Y=F、Cl、Br、I)、CHNH、CHNR21R22、CHNHCOR23、CHNHCSR23、CHSH、CHS(O)R21(その際、n=0、1、2)、CHSCOR21、特にCHOH、CHOR21、CHOSO−R21、特にCHO、CH(OR21)、CH(SR21)、CN、CH=NOH、CH=NOR21、CH=NOCOR21、CH=N−NHCO−R23、CH=CR24,R25(トランス又はシス)、特にCOOH(特にこれらの生理学的に許容性の塩)、COOR21、CONR21R22、−CH=NR21、−CH=N−NR21R22、
【化6】

(式中、X’は、NR215、O、S及びR211、R212、R213、R214、R215は、相互に無関係にH又はC〜C−アルキル)、−CH=N−NHSO−アリール、−CH=N−NHSO−ヘテロアリール、CH=N−NHCO−R23を表し、
R21、R22は、相互に無関係に、C〜C−アルキル、シクロアルキル、アリール、C〜C−アルキル−アリール、ヘテロアリール、C〜C−アルキル−ヘテロアリールを表し、
R23は、R21とは無関係に、R21と同じもの、又はCHピリジニウム−塩、CHトリ−C〜C−アルキルアンモニウム−塩を表し、
R24は、R21とは無関係に、R21と同じもの、又はH、CN、COCH、COOH、COOR21、CONR21R22、NH、NHCOR21を表し、
R25は、R21とは無関係に、R21と同じもの、又はH、CN、COCH、COOH、COOR21、CONR21R22、NH、NHCOR21を表し、
R24、R25は一緒になって、C〜C−シクロアルキルを表し、
R3は、F、Cl、Br、I、NO、NH、NHCOR31を表し、
R31は相互に無関係に、C〜C−アルキルを表し、
R5、R6は、H、相互に無関係に、C〜C14−アルキル、C〜C14−アルケニル、アリール、C〜C−アルキル−アリール、ヘテロアリール、C〜C−アルキル−ヘテロアリール、シクロアルキル、C〜C−アルキル−シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C〜C−アルキル−ヘテロシクロアルキル、C2m+o−p(m=1〜6、o=1に対して、p=1〜2m+o;m=2〜6に対して、o=−1、p=1〜2m+o;m=4〜6に対して、o=−2、p=1〜2m+o;Yは、相互に無関係に、ハロゲン、OH、OR21、NH、NHR21、NR21R22、SH、SR21のグループらか選択され)、又はR5及びR6はX−C−C−Xと一緒になって5、6又は7員環を形成し、
R4、R7、R8は、相互に無関係に、H、C〜C−アルキル、CO−R41を表し、
R41は、R21とは無関係に、R21と同じものを表し、
Y3は、O、S、有利にOを表す]の請求項1から3のいずれか1項に記載の化合物、その立体異性体、互変異性体及びその生理学的に許容性の塩又は包接化合物。
【請求項5】
シクロデキストリン、特にα−シクロデキストリンとの包接化合物の形の、請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
常用の担持剤及び助剤の他に、請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物を含有する医薬品。
【請求項7】
腫瘍治療のための他の作用物質と組み合わせた、請求項6に記載の医薬品。
【請求項8】
腫瘍の治療のための医薬品、特にトポイソメラーゼI及び/又はIIの阻害により治療することができる医薬品を製造するための、請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項9】
寄生虫疾患の治療のための医薬品を製造するための、請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項10】
免疫抑制のための医薬品を製造するための、請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項11】
神経皮膚炎の治療のための医薬品を製造するための、請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物の使用。

【公開番号】特開2011−42676(P2011−42676A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237325(P2010−237325)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【分割の表示】特願2004−518767(P2004−518767)の分割
【原出願日】平成15年7月9日(2003.7.9)
【出願人】(510000585)ツェントファーム・ゲーエムベーハー (1)
【氏名又は名称原語表記】Zentopharm GmbH
【住所又は居所原語表記】Schnackenburgallee 116a, 22525 Hamburg, Germany
【Fターム(参考)】