説明

腹圧性尿失禁の治療用ナフチルメチルイミジゾール

【課題】腹圧性尿失禁を治療する方法を提供する。
【解決手段】式(I)を有する化合物をそれを必要としている哺乳動物に投与する。これに関連した組成物及び薬剤も開示されている。
【化1】


(I)

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願
本出願は、2008年5月13日に出願の米国仮出願第61/052,770号の権利を主張する。この開示内容は、本願明細書に全体として含まれるものとする。
【0002】
発明の説明
腹圧性尿失禁を治療する方法であって、化合物をそれを必要としている哺乳動物に投与する段階であって、前記化合物が下記式を有する前記段階を含む、前記方法が本明細書に開示される
【0003】
【化1】

【0004】
(式中、Rは、H、C1-4アルキル、又はCF3であり;
Aは、重原子1〜8個及び必要とされた水素原子からなる0、1、2、又は3つの安定な置換基を有するナフチルであり、前記重原子が、C、N、O、S、F、Cl、Br、I、及びこれらの組み合わせより選ばれる)。
これらの化合物は、瞳孔の拡張、高血圧、治療を行う鼻づまり、及び眼組織における血管収縮が含まれるがこれらに限定されない範囲の状態や疾病をもつヒトを含む哺乳動物の治療に有効である。
他の使用には、虚血性神経障害、視神経障害、神経障害性疼痛、内臓痛、角膜の疼痛、頭痛の疼痛、片頭痛、癌疼痛、背痛、過敏性腸症候群疼痛、筋肉の疼痛、糖尿病性ニューロパシーの疼痛、糖尿病性網膜症の治療、他の網膜変性疾患、認知障害、神経精神学的状態、薬物依存、薬物嗜癖、禁断症候群、痙直、自閉症、ハンチントン病、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害ADHD、強迫性障害、トゥレット障害、パーキンソン病、並びに他の運動性或いは運動の障害及び疾患が含まれる。
治療は、経口、注射、又は治療的に有効な量の化合物を罹患した領域に送達するのに有効な他のいかなる手段によっても達成することができる。例えば、化合物は、固体又は液体経口剤形に組み込まれ、定期的に、例えば1日1〜2回、哺乳動物又は人に投与することができる。
【0005】
定義、説明、及び実施例
明確に及び明白に示されない限り、この項で示される定義、説明、及び実施例は、この文書の他の部分から或いは本明細書に含まれるものとされる開示内容から生じるあいまいさがある具体的な用語又は表現の意味を決定するために用いられる。
腹圧性尿失禁は、身体活動、例えば、せき、くしゃみ、笑い、又は運動の間に生じる失禁を特徴とする状態である。
ヒドロカルビルは、炭素と水素からなる部分である、以下の基が挙げられるが、これらに限定されない:
1. アルキル、炭素-炭素二重結合又は三重結合を含有しないヒドロカルビルである; アルキルとしては、以下の基が挙げられるが、これらに限定されない:
・直鎖アルキル、環状アルキル、分枝鎖アルキル、及びこれらの組み合わせ;
・C1-4アルキル、炭素原子1、2、3、又は4個を有するアルキルを意味する、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル、n-プロピル、n-ブチル等が挙げられるが、これらに限定されない;
・C1-6アルキル、炭素原子1、2、3、4、5、又は6個を有するアルキルを意味する; メチル、エチル、プロピル異性体、シクロプロピル、ブチル異性体、シクロブチル、ペンチル異性体、シクロペンチル、ヘキシル異性体、シクロヘキシル等が挙げられるが、これらに限定されない;
・これらの用語は組み合わせが可能であり、これらの意味は当業者に明らかであるにちがいない; 例えば、C1-6直鎖アルキルは、直鎖であるC1-6アルキルを意味する;
2. アルケニル、1つ以上の炭素-炭素二重結合を含有するヒドロカルビルである; アルケニルとしては、以下の基が挙げられるが、これらに限定されない:
・直鎖アルケニル、環状アルケニル、分枝鎖アルケニル、及びこれらの組み合わせ;
・炭素-炭素二重結合1、2、3個以上を有するアルケニル;
3. アルキニル、1つ以上の炭素-炭素三重結合を含有するヒドロカルビルである; アルキニルとしては、以下の基が挙げられるが、これらに限定されない:
・直鎖アルキニル、環状アルキニル、分枝鎖アルキニル、及びこれらの組み合わせ;
・炭素-炭素二重結合1、2、3個以上を有するアルキニル;
4. アリール、但し、環内に又は置換基としてヘテロ原子を含有しない;
5. 上記のいずれかの組み合わせ;
6. C1-4ヒドロカルビル、炭素原子1、2、3、又は4個を有するヒドロカルビルを意味する; 及び
7. C1-6ヒドロカルビル、炭素原子1、2、3、4、5、又は6個を有するヒドロカルビルを意味する。
アルコキシは、O-アルキル、例えば、OCH3、O-エチル、O-イソプロピル等である。
メルカプトアルキルは、S-アルキル、例えば、SCH3、S-エチル、S-イソプロピル等である。
アシルオキシは、
【0006】
【化2】

【0007】
である。
アシルは、
【0008】
【化3】

【0009】
である。C1-5アシルは、炭素原子1、2、3、4、又は5個を有するアシルである。
化合物、置換基、部分、又は構造的特徴は、化合物が標準大気条件下に室温で少なくとも12時間分離されるのに充分に安定である場合には、或いは本明細書に開示される少なくとも1つの使用に有効であるのに充分に安定である場合には安定である。
重原子は、水素ではない原子である。
ヘテロ原子は、炭素又は水素ではない原子である。
医薬的に許容され得る塩は、親化合物の活性を保持し且つ投与される被検者に対しても親化合物と比較して投与される関係においても追加の有害な又は厄介な作用を与えない塩である。医薬的に許容され得る塩は、また、酸の投与の結果として生体内で形成することができる塩又は他の塩を意味する。
酸性官能基の医薬的に許容され得る塩は、有機塩基又は無機塩基から誘導することができる。塩は、一価イオン又は多価イオンを含むことができる。無機イオンのリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、及びマグネシウムが特に興味深い。有機塩は、アミン、特にアンモニウム塩、例えば、モノ、ジ及びトリアルキルアミン又はエタノールアミンによって生成させることができる。塩は、カフェイン、トロメタミン及び類似の分子によっても形成させることができる。塩酸又はいくつかの他の医薬的に許容され得る酸は、塩基性基、例えば、アミン又はピリジン環を含む化合物による塩を形成することができる。
特に明記しない限り、化合物に対して述べることは、医薬的に許容され得る塩、及び示された構造の互変異性体を含むように広く解釈されなければならない。例えば、本明細書における構造は、以下に示される互変異性体を含むものであるが、これに限定されない。
【0010】
【化4】

【0011】
立体化学が明確に示されない限り、構造は可能なあらゆる立体異性体を、いずれも純粋で或いは可能な混合物で含むことを意図する。
この開示のための、“治療する”、“治療を行う”、又は“治療”は、疾患又は他の望ましくない状態の診断、治癒、改善、治療、予防における或いは人又は他の動物の身体の構造又は機能に影響を与えるための、化合物、組成物、治療的に活性な物質、又は薬剤の使用を意味する。
Rは、H、C1-4アルキル、又はCF3である。従って、以下の化合物が企図される。
【0012】
【化5】

【0013】
一実施態様において、Rは、Hである。
Aは、重原子1〜8個及び必要とされた水素原子からなる0、1、2、又は3つの安定な置換基を有するキノリニルであり、前記重原子は、C、N、O、S、F、Cl、Br、I、及びこれらの組み合わせより選ばれる。
ナフチルは、
【0014】
【化6】

【0015】
であり、本明細書に示されるパラメーターに従って置換基を有していてもよい。
従って、例えば、Aは、以下に示される構造等のいずれであってもよく、ここで、R1、R2、及びR3は、独立して、水素又は重原子1〜8個及び必要とされた水素原子からなる安定な置換基であり、前記重原子は、C、N、O、S、F、Cl、Br、I、及びこれらの組み合わせより選ばれ; nは、0、1、2、又は3である。
【0016】
【化7】

【0017】
R1、R2、及びR3の位置は、環系のどこにあってもよく、構造記述に位置する具体的な環に限定されない。
限定することを意図しないが、重原子1〜8個及び必要とされた水素原子からなる安定な置換基の例としては、以下が挙げられる:
ヒドロカルビル、アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル異性体、ブチル異性体等を含む; アルケニル、アルキニル、及びフェニル;
アルコキシ、
メルカプトアルキル、
アシルオキシ、
アミノ、NH2、NH-アルキル、N(アルキル)2を含む、ここで、アルキル基は同じか又は異なる;
ハロ、F、Cl、Br、及びIを含む; 及び
CH2CN、CN; NO2; OH。
置換基が塩、例えば、カルボン酸又はアミンの塩である場合には、前記塩の対イオン、即ち、分子の残部に共有結合で結合されないイオンは、置換基における重原子の数のために数えられない。従って、例えば、塩-CO2-Na+は、重原子3個からなる安定な置換基である。即ち、ナトリウムは数えられない。他の例において、塩-NH(Me)2+Cl-は、重原子3個からなる安定な置換基である。即ち、塩素は数えられない。
一実施態様において、選ばれる置換基は、メチル、エチル、プロピル異性体、F、Cl、Br、I、OCH3、NH2、N(CH3)2、及びこれらの組み合わせである。
他の実施態様において、置換基は、CH3、エチル、t-ブチル、エテニル、エチニル、OCH3、NHMe、NMe2、Br、Cl、F、フェニル、及びこれらの組み合わせより選ばれる。
他の実施態様において、Aは、置換されていない。
他の実施態様において、化合物は下記式を有する
【0018】
【化8】

【0019】
(式中、R1、R2、及びR3は、独立して、水素又は重原子1〜8個及び必要とされた水素原子からなる安定な置換基であり、前記重原子は、C、N、O、S、F、Cl、Br、I、及びこれらの組み合わせより選ばれ; nは、0、1、2、又は3である)。
他の実施態様において、化合物は下記式を有する
【0020】
【化9】

【0021】
(式中、R1は、水素又は重原子1〜8個及び必要とされた水素原子からなる安定な置換基であり、前記重原子は、C、N、O、S、F、Cl、Br、I、及びこれらの組み合わせより選ばれ; nは、0、1、2、又は3であり;
R4及びR5は、独立して、H、C1-4アルキル、又はC1-5アシルである)。
他の実施態様において、化合物は下記式を有する
【0022】
【化10】

【0023】
(式中、R4及びR5は、独立して、H、C1-4アルキル、又はC1-5アシルである)。
他の実施態様において、化合物は下記式を有する
【0024】
【化11】

【0025】
(式中、R4及びR5は、独立して、H、C1-4アルキル、又はC1-5アシルである)。
他の実施態様において、化合物は下記式を有する
【0026】
【化12】

【0027】
他の実施態様において、化合物は下記式を有する
【0028】
【化13】

【0029】
(式中、R1、R2、及びR3は、独立して、水素又は重原子1〜8個及び必要とされた水素原子からなる安定な置換基であり、前記重原子は、C、N、O、S、F、Cl、Br、I、及びこれらの組み合わせより選ばれ; nは、0、1、2、又は3である)。
他の実施態様において、化合物は下記式を有する
【0030】
【化14】

【0031】
他の実施態様において、化合物は下記式を有する
【0032】
【化15】

【0033】
生物学的データ
受容体選択増幅技術(RSAT)アッセイ
RSATアッセイは、コンフルエント細胞の混合集団において受容体含有細胞の選択的増殖をもたらす接触阻止の受容体仲介による喪失を測定するものである。その活性を96ウェル形式で容易に測定することができるβ-ガラクトシダーゼのような適切なトランスフェクトマーカー遺伝子で細胞数の増大を評価する。Gタンパク質Gqを活性化する受容体がこの応答を誘発させる。通常Giに結合するα2受容体が、Gq/i5と呼ばれるGi受容体認識ドメインを有するハイブリッドGqタンパク質と同時発現したときにRSAT応答を活性化する。
NIH−3T3細胞を15cm皿において2×106細胞の密度で塗布し、10%仔ウシ血清で補足されたダルベッコ変法イーグル培地に維持する。1日後、細胞を、p-SV-β-ガラクトシダーゼ(5〜10μg)、受容体(1〜2μg)及びGタンパク質(1〜2μg)をコードする哺乳動物発現プラスミドでリン酸カルシウム沈殿によって同時トランスフェクションする。40μgのサケ精子DNAもまた、トランスフェクション混合物に含めることができる。新鮮な培地を翌日及び1〜2日後に加え、細胞を収集し、50のアッセイアリコートで凍結する。細胞を解凍し、100μlを100μlアリコートの種々の濃度の薬剤に96ウェル皿において3回の実験で添加する。インキュベーションを37℃で72-96時間続ける。リン酸緩衝生理食塩水で洗浄した後、200μlの発色性基質(リン酸緩衝生理的食塩水中3.5mMのo-ニトロフェニル-β-D-ガラクトピラノシド及び0.5%ノニデットP-40からなる)を添加し、30℃で一晩インキュベートし、光学密度を420nmで測定することによって、β-ガラクトシダーゼ酵素活性を求める。吸光度は、酵素活性の基準であり、これは細胞数に左右されるとともに受容体仲介の細胞増殖を反映している。薬剤の最大効果と各受容体サブタイプの標準完全アゴニストの最大効果との比として効力又は固有活性を算出する。UK14304とも呼ばれ、その化学構造が以下に示されるブリモニジンを、α2A受容体、α2B受容体及びα2C受容体の標準アゴニストとして用いる。EC50は、薬剤効果がその最大効果の1/2である濃度である。
【0034】
【化16】

【0035】
本発明のいくつかの例示的化合物によるRSATアッセイ結果を、これらの例示的化合物の化学式と共に表1に開示する。EC50値はナノモルである。NAは10マイクロモル未満の濃度で“活性でないこと”を表す。IAは“固有活性”を表す。
表1
【0036】
【表1】

【0037】
化合物7、5、及び8は以下のように命名される:
N-メチル-4-((5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ナフタレン-1-アミン(7);
N,N-ジメチル-4-((5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ナフタレン-1-アミン(5); 及び
4-((5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ナフタレン-1-アミン(8)。
化合物H4-H22は、本明細書に開示されるように有効である化合物の想定例である。
【0038】
【化17】

【0039】
合成法
【0040】
【化18】

【0041】
4-ヨード-5-メチル-1-トリチル-1H-イミダゾール及び5-ヨード-4-メチル-1-トリチル-1H-イミダゾール(2): ジクロロメタン(100mL)中の4-ヨード-5-メチル-1H-イミダゾール(1)(10.5g、50.7ミリモル)及びトリチルクロライド(14.4g、50.7ミリモル)の混合物をトリエチルアミン(17.6mL、126ミリモル)に添加し、この反応混合液を室温で一晩撹拌した。この混合液を塩化アンモニウム(水溶液)で急冷し、水性媒体をジクロロメタン(400mL)で2回抽出した。プールした有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合液をろ過し、溶媒を減圧下で除去して、粘着性の黄色固体を得た。粗生成物をヘキサンで摩砕して、4-ヨード-5-メチル-1-トリチル-1H-イミダゾール及び5-ヨード-4-メチル-1-トリチル-1H-イミダゾール(2)の混合物を白色固体(20g、44.4ミリモル、87%収率)として得た。
(4-(ジメチルアミノ)ナフタレン-1-イル)(5-メチル-1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)メタノール及び(4-(ジメチルアミノ)ナフタレン-1-イル)(4-メチル-1-トリチル-1H-イミダゾール-5-イル)メタノール(4): ジクロロメタン(70ml)中の(2)(5.1g、11.3ミリモル)の溶液にエチルマグネシウムブロマイド(3.0M/ジエチルエーテル、3.8mL、11.4ミリモル)を室温で滴下した。この混合物を1時間撹拌し、ジクロロメタン(30mL)中の4-(ジメチルアミノ)-1-ナフトアルデヒド(3)(1.15g、7.35ミリモル)の溶液を添加漏斗によって滴下した。この反応混合液を室温(rt)で一晩撹拌した。この反応混合液を塩化アンモニウム(水溶液)で急冷した。得られた水層をジクロロメタン(300mL)で2回抽出した。プールした有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合液をろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をジクロロメタン中の1〜2%飽和アンモニアメタノールを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィで精製して、粗製の(4-(ジメチルアミノ)ナフタレン-1-イル)(5-メチル-1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)メタノール及び(4-(ジメチルアミノ)ナフタレン-1-イル)(4-メチル-1-トリチル-1H-イミダゾール-5-イル)メタノール(4)(3.35g、6.40ミリモル、87%収率)を得た。
【0042】
N,N-ジメチル-4-((5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ナフタレン-1-アミン(5): TFA(30mL)中の(4)(3.35g、6.40ミリモル)の溶液にトリエチルシラン(6mL、38.4ミリモル)を添加した。この反応混合液を室温で一晩撹拌した。TFAを減圧下で除去した。残留物を2M水酸化ナトリウムでpH〉7に塩基性にした。水層をクロロホルム/イソプロパノール(3:1200mL)で3回抽出した。プールした有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合液をろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を、ジクロロメタン中の2〜5%飽和アンモニアメタノールを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィで精製して、N,N-ジメチル-4-((5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ナフタレン-1-アミン(5)(0.55g、2.07ミリモル、32%収率)及び(4-(ジメチルアミノ)ナフタレン-1-イル)(5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メタノール(6)(0.45g、1.60ミリモル、収率25%)を得た。
N,N-ジメチル-4-((5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ナフタレン-1-アミン(5) 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 8.29-8.28 (m, 1H), 7.98-7.96 (m, 1H), 7.50-7.45 (m, 2H), 7.37 (s, 1H), 7.18 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.0 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.26 (s, 3H), 2.87 (s, 6H), 2.24 (s, 3H).
【0043】
N-メチル-4-((5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ナフタレン-1-アミン(7)及び4-((5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ナフタレン-1-アミン(8): (6)(0.45g、1.60ミリモル)及びヨウ化水素酸(水中57%、8mL)中の赤リン(0.50g、16.1ミリモル)の混合物を封管中160℃で一晩加熱した。この反応混合液を室温に冷却し、封管をゆっくりと開放して、ガスが内部に蓄積されるガスを放出した。内容物を砕いた氷に注入し、NaOH(水溶液)でpH>7に注意深く塩基性にした。水層をクロロホルム/イソプロパノール(3:1、100mL)で希釈した。この混合液をセライト床でろ過して、リンを除去した。層を分離した。水層をクロロホルム/イソプロパノール(3:1、100ml)で2回抽出した。プールした有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合液をろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をジクロロメタン中の3%アンモニア飽和メタノールを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィで精製して、(5)、Nメチル-4-((5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ナフタレン-1-アミン(7)、及び4-((5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ナフタレン-1-アミン(8)(0.296g)の混合物を得た。この混合物(110mg)を逆相HPLCで精製して、(7)(52mg)、及び(8)(17mg)を分離した。
(7) 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.92-7.90 (m, 1H), 7.83-7.82 (m, 1H), 7.48-7.42 (m, 2H), 7.33 (s, 1H), 7.19 (d, J = 7.50 Hz, 1H), 6.53 (d, J = 7.50 Hz, 1H), 4.22 (s, 2H), 3.01 (s, 3H), 2.25 (s, 3H).
(8) 1H NMR (500 MHz, CDCl3): δ 7.91-7.84 (m, 1H), 7.47-7.45 (m, 2H), 7.30 (s, 1H), 7.06 (d, J = 7.50 Hz, 1H), 6.69 (d, J = 7.00, 1H), 4.20 (s, 2H), 2.22 (s,3H).
【0044】
【化19】

【0045】
(5-メチル-1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)(ナフタレン-1-イル)メタノール及び(4-メチル-1-トリチル-1H-イミダゾール-5-イル)(ナフタレン-1-イル)メタノール(10): (4)を製造するのと同じ合成経路を用いた。
(5-メチル-1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)(ナフタレン-1-イル)メタノン及び(4-メチル-1-トリチル-1H-イミダゾール-5-イル)(ナフタレン-1-イル)メタノン(11): ジオキサン(50mL)中の(10)(4.48g、8.33ミリモル)及び二酸化マンガン(9.85g、93.6ミリモル)の混合物を100℃で一晩加熱した。この混合液を室温に冷却し、セライト床でろ過し、床を酢酸エチルで洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物を80%ヘキサンと20%酢酸エチルを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィで精製して、(5-メチル-1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)(ナフタレン-1-イル)メタノン及び(4-メチル-1-トリチル-1H-イミダゾール-5-イル)(ナフタレン-1-イル)メタノン(11)(2.52g、5.27ミリモル、収率56%)を得た。
1-(5-メチル-1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-(ナフタレン-1-イル)エタノール及び1-(4-メチル-1-トリチル-1H-イミダゾール-5-イル)-1-(ナフタレン-1-イル)エタノール(12): 0℃におけるジクロロメタン(50mL)中の(11)(1.33g、2.78ミリモル)の溶液をメチルマグネシウムブロマイド(3.0M/ジエチルエーテル、1.85mL、5.50ミリモル)を滴下した。この反応混合液を室温で一晩加温した。この混合液を塩化アンモニウム(水溶液)で急冷した。得られた水層をクロロホルムで3回(200mL)抽出した。プールした有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。この混合液をろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を50%ヘキサン及び50%酢酸エチルを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィで精製して、1-(5-メチル-1-トリチル-1H-イミダゾール-4-イル)-1-(ナフタレン-1-イル)エタノール及び1-(4-メチル-1-トリチル-1H-イミダゾール-5-イル)-1-(ナフタレン-1-イル)エタノール(12)(1.21g、2.45ミリモル、収率88%)を得た。
5-メチル-4-(1-(ナフタレン-1-イル)ビニル)-1H-イミダゾール(13): (5)を製造するのと同じ合成経路を用いた。5-メチル-4-(1-(ナフタレン-1-イル)ビニル)-1H-イミダゾール(13)(多量)と5-メチル-4-(1-(ナフタレン-1-イル)エチル)-1H-イミダゾール(14)(少量)の生成物混合物を次の工程に用いた。
【0046】
5-メチル-4-(1-(ナフタレン-1-イル)エチル)-1H-イミダゾール(14): エタノール中の粗製物(13)をPd/C(10%、0.19g)で一晩水素添加した(3bar(50psi) H2)。この反応液をセライト床でろ過した。ろ液にシリカゲルを添加し、溶媒は減圧下で除去した。シリカによる粗生成物をジクロロメタン中の2%飽和アンモニアメタノールを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィで精製して、(14)を淡褐色の泡状物(423mg、1.79ミリモル、2工程で73%)として得た。
(14) 1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ 8.06-8.03 (m, 1H), 7.78-7.75 (m, 1H), 7.62 (d, J = 8.10 Hz, 1H), 7.42-7.37 (m, 3H), 7.32 (q, J = 7.8 Hz, 1H), 7.20 (s, 1H), 4.87 (q, J = 7.2 Hz, 1H), 1.99 (s, 3H), 1.71 (d, J = 7.2 Hz, 3H).
9の代わりに2-ナフトアルデヒド又は置換2-ナフトアルデヒドを用いることによってナフチル環の別の結合を得ることができる。
対応する置換ナフトアルデヒドを獲得することによってAのナフチル環について追加の置換を得ることができる。或はまた、追加の置換基を当該技術において既知の方法によってナフチル環に添加することができる。
11から12への変換においてMeMgBrの代わりに対応するグリニャール試薬を用いることによって異なるR基を得ることができる。
様々な化合物への他の別の経路は、当業者に容易に明らかである。
これらの化合物は、当該技術に既知の方法を用いて固体、液体、又は他のタイプの剤形に配合することができる。剤形の配合も治療的に有効な投与量の決定も、通常の方法を用いて当業者が容易に行うことができる。
上記の説明は、本発明を実施するために使うことができる個々の方法及び組成物を詳述し、且つ企図される最良の方法を示すものである。しかしながら、望ましい薬理学的特性を有する化合物を更に類似の方法で調製することができ、且つ開示された化合物もまた、異なる出発化合物から異なる化学反応によって得ることができることは当業者に明らかである。同様に、異なる医薬組成物を調製し、ほぼ同じ結果で用いることができる。従って、詳述された上記が本文に記載されても、この全体の範囲を制限するものとして解釈されてはならない; むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲の合法的な構成によってのみ決定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腹圧性尿失禁を治療する方法であって、下記式を有する化合物をそれを必要としている哺乳動物に投与する段階を含む、前記方法:
【化1】

(式中、Rは、H、C1-4アルキル、又はCF3であり;
Aは、重原子1〜8個及び必要とされた水素原子からなる0、1、2、又は3つの安定な置換基を有するナフチルであり、前記重原子が、C、N、O、S、F、Cl、Br、I、及びこれらの組み合わせより選ばれる)。
【請求項2】
RがHである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記置換基が、CH3、エチル、t-ブチル、エテニル、エチニル、OCH3、NHMe、NMe2、Br、Cl、F、フェニル、及びこれらの組み合わせより選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
Aが置換されていない、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記化合物が、更に、下記式を特徴としている、請求項1に記載の方法:
【化2】

(式中、R1、R2、及びR3は、独立して、水素又は重原子1〜8個及び必要とされた水素原子からなる安定な置換基であり、前記重原子が、C、N、O、S、F、Cl、Br、I、及びこれらの組み合わせより選ばれ; nは、0、1、2、又は3である)。
【請求項6】
前記化合物が、更に、下記式を特徴としている、請求項5に記載の方法:
【化3】

【請求項7】
前記化合物が、更に、下記式を特徴としている、請求項1に記載の方法:
【化4】

(式中、R1、R2、及びR3は、独立して、水素又は重原子1〜8個及び必要とされた水素原子からなる安定な置換基であり、前記重原子が、C、N、O、S、F、Cl、Br、I、及びこれらの組み合わせより選ばれ; nは、0、1、2、又は3である)。
【請求項8】
前記化合物が、更に、下記式を特徴としている、請求項7に記載の方法:
【化5】

【請求項9】
前記化合物が、更に、下記式を特徴としている、請求項7に記載の方法:
【化6】

【請求項10】
前記化合物が以下の化合物より選ばれる、請求項3に記載の方法:
N-メチル-4-((5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ナフタレン-1-アミン;
N,N-ジメチル-4-((5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ナフタレン-1-アミン; 及び
4-((5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)メチル)ナフタレン-1-アミン。
【請求項11】
Rがメチルである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
Rがエチルである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
RがCF3である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記化合物が、更に、下記式を特徴としている、請求項5に記載の方法:
【化7】

(式中、R4及びR5は、独立して、H、C1-4アルキル、又はC1-5アシルである)。
【請求項15】
前記化合物が、更に、下記式を特徴としている:
【化8】

(式中、R4及びR5は、独立して、H、C1-4アルキル、又はC1-5アシルである)。

【公表番号】特表2011−520888(P2011−520888A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509566(P2011−509566)
【出願日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2009/043117
【国際公開番号】WO2009/140137
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(390040637)アラーガン インコーポレイテッド (117)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】