説明

腹膜透析装置、透析液セットおよび腹膜透析装置の制御方法

【課題】透析液を溜めた透析バッグを排液バッグとして利用し、かつ使用済透析液の運搬作業の負担を低減する腹膜透析装置、透析液セットおよび腹膜透析装置の制御方法の提供。
【解決手段】複数の透析バッグ5a〜5fと、予備バッグ7と、排液バッグ6を接続し、患者の腹腔4に連通する接続状態で使用される腹膜透析装置であって、患者の腹腔に所定時間貯留させた使用済透析液を、排液バッグに送液する第1の送液状態と、透析バッグの一つに溜められた透析液を、予備バッグへ送液し、加温手段60、91、92、93で加温して予備バッグ内に溜める第2の送液状態と、予備バッグから送液手段で患者の腹腔に透析液を送液し、患者の腹腔に所定時間貯留させておく第3の送液状態と、第2の送液状態で空になった透析バッグへ使用済透析液を送液する第4の送液状態とに流路を切換える手段と、送液手段と、加温手段と、流路切換手段とに接続される制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腹膜透析装置、透析液セットおよび腹膜透析装置の制御方法に係り、特にポンプ部と加温部が一体的に形成されたカセット体を用いた技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の腹膜透析による透析法は、人工腎臓による透析法との比較において、治療費が安いこと、腹膜癒着の防止が可能となったこと等の理由から注目されている。
【0003】
この腹膜透析による透析法に用いられる腹膜透析装置は、一般に、患者の腹膜内(腹腔内)に注液される透析液を収容する透析液バッグに接続された注液バッグと、患者から排出される透析液を回収する排液バッグに接続されたリザーバーバッグとを圧力チャンバー内に置いて使用している。すなわち、腹膜透析装置の透析装置本体には、注液バッグおよびリザーバーバッグを収容する圧力チャンバーが形成され、このチャンバー内を加圧、減圧することにより、注液バッグまたはリザーバーバッグをポンピング作動させるとともに、透析装置本体に、注液バッグ内の透析液を所定の温度範囲に加温するヒータが設けられている。
【0004】
しかし、従来の腹膜透析装置は、腹膜透析装置自体が大型化および重量が大きくなるため、医療現場となる特に在宅医療の家庭内で、腹膜透析装置用に大きな設置スペースを必要とするとともに、腹膜透析装置の運搬等の取り扱いが厄介になり、円滑な医療行為の妨げになる虞がある。
【0005】
一方、特許第3113887号公報によれば弁アクチュエータにより、弁を開閉して、使い捨てカセット体の流路を選択時に切換えるようにした腹膜透析装置が提案されている。また、腹膜透析液を送液するためのポンプ部と加温部が一体的に形成された使い捨てカセット体については、特開平11−347115号公報に提案されている。このカセット体は、両側から加温され、2つのポンプ部により、加温された腹膜透析液が患者の腹腔内に送液されるように構成されている。
【0006】
しかしながら、前者によれば、弁アクチュエータを断続的に動作させるため、夜間の睡眠中の透析時に弁の動作音が発生して、耳障りであるという問題があった。
【0007】
また、後者によれば、ポンプの送液能力に対して加熱能力が十分でないという問題があった。
【0008】
そこで、本願出願人は特開2003−000704号公報に開示された構成に基づく腹膜透析装置を実用化している。この腹膜透析装置によれば腹膜透析を行い、一度腹膜に注入され一定時間の経過した使用済透析液を腹膜から回収し、使用済透析液をトイレなどで廃棄するようにしている。この廃棄のためには、大きなサイズのポリタンク、もしくは排液バッグと呼ばれる専用の空バッグが用いられる。この大きなポリタンクを使用した場合は、使用済透析液の総量は10〜12リットルとなる。このため重量が10〜12Kgとなったポリタンクを患者の寝室からトイレまで運ぶ必要がある。このため患者もしくは家族にとっては負担となる場合がある。
【0009】
一方、廃液専用の排液バッグは1個当たり3リットル前後の容積であるが、3乃至4個分のバッグが接続されていることから重い状態のままで運ぶ必要がある。さらに排液バッグは、排液後に廃棄処分される。
【特許文献1】特許第3113887号公報
【特許文献2】特開平11−347115号公報
【特許文献3】特開2003−000704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上のようにポリタンクを用いて廃棄処理を行う場合には、例えば寝室からトイレまでの運搬作業が負担となることがある。
【0011】
また、ポリタンクは繰り返し使用されるので、一定期間ごとに洗浄する必要がある。さらに、ポリタンクと流路となる廃液ラインとの間はプラグの解放端が設けられているので、外気からの感染の可能性が皆無とは言えない。さらに使用済透析液が空気に触れることにもなるので上記の洗浄をしないと臭いが拡散する場合もあり、必ずしも衛生的とは言えない。
【0012】
一方、専用の排液バッグについても排液をトイレに捨てた後に廃棄処分されるので、ゴミ量が多くなる。さらに、透析液を約3リットル分溜めた透析バッグは、透析液の供給後には、空になり排液バッグと同様に廃棄処分されるのでゴミ量がさらに増える。
【0013】
したがって、本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであり、使用済透析液の運搬作業の負担を低減でき、衛生的であり、透析液を溜めた透析バッグを排液バッグとして有効利用することでゴミ量を少なくすることのできる腹膜透析装置、透析液セットおよび腹膜透析装置の制御方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明によれば、透析液を溜めた複数の透析バッグと、予備バッグと、排液バッグとを接続することで患者の腹腔に連通する流路を形成する接続状態にして使用される腹膜透析装置であって、患者の腹腔に所定時間貯留させた使用済透析液を、送液手段により前記排液バッグに送液する第1の送液状態と、前記透析バッグの一つに溜められた透析液を、前記送液手段により前記予備バッグへ送液するとともに、加温手段で加温して前記予備バッグ内に溜める第2の送液状態と、前記送液手段により前記予備バッグから患者の腹腔に前記透析液を送液するとともに、患者の腹腔に所定時間貯留させておく第3の送液状態と、前記第3の送液状態の後に、前記送液手段により前記第2の送液状態で空になった前記透析バッグへ前記使用済透析液を送液する第4の送液状態と、に前記流路を切換えるための流路切換手段と、前記送液手段と、前記加温手段と、前記流路切換手段とに接続されるとともに、前記第1の状態から前記第4の状態にするための制御を司る制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0015】
また、前記透析バッグと、前記予備バッグと、前記排液バッグはプラグの一方を備え、前記流路の一部と、前記送液手段の被作動部と、前記加温手段の被加温部と、前記流路切換手段の被切換え部とを一体的に配設したカセット体とするとともに、前記カセット体を着脱可能にするカセット体装填手段を備え、前記透析バッグと、前記予備バッグと、前記排液バッグとを、前記カセット体から延びるプラグの他方を介して接続することで前記カセット体に対する前記接続状態にすることを特徴としている。
【0016】
また、前記被作動部は、前記カセット体が前記カセット体装填手段に装填された後に、前記送液手段の作動部により正圧状態と負圧状態にされるダイヤフラムを含み、前記被加温部は、前記加温手段の面ヒータにより上下面から加温される蛇行流路を含み、前記カセット体が前記カセット体装填手段に装填された後に加温することを特徴としている。
【0017】
また、腹膜透析装置に用いられる透析液セットであって、前記複数の透析バッグと、前記予備バッグと、前記排液バッグと、前記流路とを前記接続状態前の閉じた状態としたことを特徴としている。
【0018】
また、透析液を溜めた複数の透析バッグと、予備バッグと、排液バッグとを接続することで患者の腹腔に連通する流路を形成する接続状態にし、透析液を患者の腹腔内に送液し、所定時間経過後に腹腔から廃液することで腹膜透析治療を行う腹膜透析装置の制御方法であって、患者の腹腔に所定時間貯留させた使用済透析液を、前記送液手段により前記排液バッグに送液する第1の送液状態にする工程と、一つの前記透析バッグ内の透析液を、前記送液手段により前記予備バッグへの送液を行うとともに前記加温手段により加温して前記予備バッグ内に溜める第2の送液状態にする工程と、前記予備バッグから前記送液手段により患者の腹腔に前記透析液を送液するとともに患者の腹腔に所定時間貯留させておく第3の送液状態にする工程と、前記第3の送液状態の後に、前記送液手段により前記第2の送液状態で空になった前記透析バッグへ前記使用済透析液を送液する第4の送液状態と、にする工程を備えることを特徴としている。
【0019】
また、前記流路の一部と、前記送液手段の被作動部と、前記加温手段の被加温部と、前記流路切換手段の被切換え部とを一体的に配設するとともにカセット体装填手段に着脱可能にされるカセット体を、前記カセット体装填手段に装填する工程と、前記カセット体に対して前記透析バッグと、前記予備バッグと、前記排液バッグとをプラグを介して接続して前記流路を形成する工程と、をさらに備えることを特徴としている。
【0020】
そして、前記被作動部であるダイヤフラムを、前記カセット体が前記カセット体装填手段に装填された後に、前記送液手段の作動部により正圧状態と負圧状態にする工程と、前記被加温部であって、前記加温手段の面ヒータにより上下面から加温される蛇行流路を、前記カセット体が前記カセット体装填手段に装填された後に、加温する工程を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
透析液を溜めた透析バッグを排液バッグとして有効利用することができ、かつ使用済透析液の運搬作業の負担を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明の腹膜透析装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す各実施形態の構成は、ほんの一例であり、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されるものではないことは言うまでもない。
【0023】
先ず、図1は、本発明の一実施形態である腹膜透析装置1と、カセット体2と、透析液を溜めた複数の透析バッグ5と、予備バッグ7と、排液バッグ6とをチューブ9に設けられたプラグ8a〜8jで接続することで患者の腹腔に連通する流路を形成し、透析液を患者の腹腔4(破線図示)内に送液する接続状態を示した外観斜視図である。
【0024】
本図において、腹膜透析装置1は、透析装置1に対して着脱可能に装着される腹膜透析装置用のカセット体2を設けている。この腹膜透析装置1は、カセット体2を前面から装着するための開口部300と、回動されることで開口部300を覆う状態に固定する蓋部材301と、表示部23と、治療の開始操作を行うための開始スイッチ24aと、治療の停止操作を行うための停止スイッチ24bとを有している。
【0025】
操作部24aと操作部24bの形状および色は、それらを区別し易いように、上下に互いに異なっており、操作部24aには一つの凸部がまた操作部24bには二つの凸部が形成されている。また、誤操作防止のために、操作部24aと操作部24bは、表示部23を挟んで図示のように離間して配置されている。
【0026】
表示部23は、例えば、液晶表示パネル等を備えたタッチパネルで構成されており、タッチパネルの押圧操作で透析に必要となる各種情報の表示と、装置の操作指示を音声ガイドとともに行うようにして、操作性、利便性を確保している。
【0027】
腹膜透析装置1は、主基部と、副基部とを取付用の基部としており、図示の樹脂製のカバーをそれぞれ設けるとともに、主基部と、副基部とを1〜2mm厚のアルミ金属板製としさらに随所に大型孔部を穿設することで軽量化を図っている。これらの各基部に対して軽量の樹脂製のカバーが固定されている。また、例えば100メガバイト以上の記憶容量を有するメモリカードが装置の背面から破線図示のカード読取装置に対して装填可能に設けられており、表示部23の表示内容及び音声の変更や各国別の仕様変更を迅速に行えるように構成されている。
【0028】
さらに、上記の腹膜透析装置1の右側面手前側には不図示の遮蔽板が移動自在に設けられており、カセット体2のチューブ9に対する機械的な干渉防止をすることでカセット体2を矢印方向に移動して装填位置にセットできるようにしている。
【0029】
一方、カセット体2は、カセット体装着部に対して着脱可能な形状のカセット体本体81と、カセット体2の本体81から連続形成される下本体フレーム811と、この下本体フレーム811から間隙86を介して対向して設けられた上本体フレーム812とから構成されている。
【0030】
さらに、カセット体2の本体81には送液手段の被作動部であるダイヤフラム20、21と加温部60と流路切換部とが図示のように一体的に形成されている。
【0031】
一方、容積が3500ml前後の透析バッグ5は6個分がプラグ8a〜8fを介してチューブ9に接続されるとともに、図示のようにスタンド3に設けられた一対のフック3fに対して一対の孔部5kを挿入することで吊るす状態にしてセットされる。この結果各透析バッグ5の容積部の底面に接続されたチューブ9を介して透析液が供給されるとともに、後述するように使用済透析液の回収を行えることとなる。
【0032】
スタンド3は、ベース部材3cと、このベース部材3cの奥側から起立して設けられるとともに手前側に向けて曲げられた左右の支持部材3a、3aと、これらの支持部材3a、3aの間に固定される横棒部材3bと、この横棒部材3bの下方に固定される一対のフック3fとから構成されている。また、このスタンド3は、図示のように透析バッグ5と予備バッグ7を吊り下げるためにフック3fの高さ位置が、各バッグの上下方向の長さ寸法にチューブとプラグの長さ分を加えた位置となるように設定されており、図示のようにチューブとプラグが垂直になるように構成されている。
【0033】
また、スタンド3のベース部材3cは排液バッグ6を横たえて置けるように充分に広い面積を備えるとともに、上記の支持部材3a、3aを垂直に固定する充分な機械的強度を有する固定部を一体形成している。
【0034】
次に、図2は、図1の腹膜透析装置1に透析液を溜めた複数の透析バッグと予備バッグと排液バッグとをプラグを用いて接続して患者の腹腔に連通する流路を形成する接続状態にした模式図である。
【0035】
本図において既に説明済みの同様の構成部品については同様の符号を付して割愛すると、排液バッグ6はプラグ8hを用いてチューブ9hに接続される。ここで、プラグ8h〜8jについては、接続後の状態が図示されており、接続前の状態ではプラグの一方と、プラグの他方とが別々な状態になっており、接続されることで図示の状態となる。また、チューブ9hには流路切換手段を構成するクランプ10hの一方が接続され、このクランプ10hの他方には共通流路となるチューブ9kが接続される。
【0036】
また、図1に示したように吊り下げられた状態にセットされる透析バッグ5aは、プラグ8aを用いてチューブ9aに接続される。このチューブ9aには流路切換手段を構成するクランプ10aの一方が接続され、このクランプ10aの他方には共通流路となるチューブ9kが接続される。
【0037】
以下同様に、透析バッグ5b〜5fはプラグ8b〜8fを用いてチューブ9b〜9fに接続される。これらのチューブ9b〜9fには流路切換手段を構成するクランプ10b〜10fの一方が接続され、これらのクランプ10b〜10fの他方には共通流路となるチューブ9kが接続される。
【0038】
また、図1に示したように吊り下げられた状態でセットされる予備バッグ7は、プラグ8gを用いてチューブ9gに接続される。このチューブ9gには流路切換手段を構成するクランプ10gの一方が接続され、このクランプ10gの他方には共通流路となるチューブ9kが接続される。
【0039】
これらの各クランプ10h〜10gと、後述するクランプ10k、10m、10n、10p、10q、10jは図中の一点鎖線図示のカセット体2に内蔵されており、腹膜透析装置1にカセット体2が装填位置に装填された状態で後述するカム機構によりチューブ9が閉塞され、弾性力で元の状態に戻ることで開くように各クランプが機能する。
【0040】
上記のように排液バッグ、予備バッグ、透析バッグがプラグとクランプを介して接続されるチューブ9kは、チューブ19に対してT字管で合流している。また、このチューブ19を取り囲むようにして気泡センサ14aが設けられており、チューブ19内に流入する所定(閾値)値より大きい気泡検出を行うことで、気泡混入があった場合にはその旨を知らせ、動作を停止することにより、気泡が腹腔に入ることを未然に防止するようにしている。
【0041】
このチューブ19の途中からはクランプ10kを接続したチューブ29がT字管を介して分岐している。このチューブ29にはダイヤフラム20が接続しており、このダイヤフラム20にはクランプ10mが接続されている。このクランプ10mからは上記の加温部60となる蛇行流路が接続されており、面ヒータ91、92、93で加温部60を上下方向から挟むことで温度上昇を短時間で行うように構成されている。各面ヒータ91、92、93の温度は温度センサ13でモニターされることで各ヒータが適温になるように温度制御される。
【0042】
加温部60の上流と下流側には温度センサ12A、12Bが設けられており、加温部60で温度上昇された透析液の温度検出を行い、上記の温度センサ13とともに温度制御のためのフィードバック系を構成して、体温に近い温度に透析液を維持できるようにしている。
【0043】
この加温部60の出口にはクランプ10nが接続されており、このクランプ10nにはチューブ59が接続されている。このチューブ59の途中からはチューブ39とチューブ49が分岐しており、チューブ39にはクランプ10pが接続されており、チューブ29に戻るようにチューブ39が接続されている。また、チューブ59の途中から分岐したチューブ49にはクランプ10qが接続されており、ダイヤフラム21を介してチューブ19に戻るように接続されている。
【0044】
チューブ59にはクランプ10jが接続されており、このクランプ10jにはチューブ9mが接続されており、チューブ9mに接続されるプラグ8jを介して患者の腹腔4に接続するようにしている。チューブ9mの途中には流量計16aと、気泡検出のための気泡センサ14bが設けられている。また、装置1には外気温度を検出する外気温センサ16bが設けられている。さらに、各チューブを開閉するクレンメ(不図示)が随所に設けられており、セット時における液漏れを防止している。
【0045】
ここで、各バッグ、チューブおよび加温部、ダイヤフラムの構成材料は、それぞれ軟質樹脂材料が使用される。この軟質樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリ−(4−メチルペンテンー1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の各種熱可塑性エラストマー、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば2層以上の積層体として)用いることができる。
【0046】
次に、図3は腹膜透析装置1のブロック図である。本図において制御手段である制御システム15は、CPU150と、記憶部152とを備えており、CPU150には、上記の複数のクランプ10a〜10qの開閉を制御するクランプ制御部153と、複数の面ヒータ91、92、93の温度を制御するためのヒータ制御部154と、送液手段であるポンピング作動手段10を制御するためのポンピング作動制御部155とが電気的に接続されている。また、CPU150には、上記の温度センサ12A、12Bと、各ヒータ用の温度センサ13と、表示部23と、操作部24a、24bとが接続されている。また気泡センサ14a、14bは気泡センサ部14を介してCPU150に接続されている。
【0047】
また、CPU150には、電源回路156と、バッテリー回路157と音声発生回路400とカセット体装填手段300を制御するためのカセット体装填制御部301とが電気的に接続されている。また、表示部23には上記のメモリカードを装填可能にしたカード読取装置203が電気的に接続されている。
【0048】
さらに、電磁流量計16aや外気温度センサ16bは各種センサ部16を介してCPU150に接続されている。
【0049】
この制御システム15によれば、温度センサ12Aにより測温された温度が予め設定された所定の温度である39℃以上になると、クランプ制御部153により、クランプを制御してクランプ状態とアンクランプ状態に切り替えるとともに、ヒータ制御部154により、各面ヒータ91、92、93への通電制御を行う。
【0050】
また、各面ヒータ91、92、93の出力値は、透析液の透析液の温度に基づいて選択される。すなわち、この制御システム15は、温度センサ12Aにより側温された温度と、温度センサ12Bにより測温された温度に基づいて、注液されるべき透析液の温度が所定の温度範囲内になるように各面ヒータ91、92、93への通電制御を行うように構成されている。
【0051】
そして、流路切換手段であるクランプ制御部153により、各クランプを後述のようにクランプ状態とアンクランプ状態に切り替えることで、患者の腹腔に所定時間貯留させた使用済透析液を、送液手段により各バッグに送り出す。
【0052】
具体的には、患者の腹腔に所定時間貯留させた使用済透析液を排液バッグ6に送液する第1の送液状態と、透析バッグの一つに溜められた透析液を、送液手段により予備バッグ7へ送液するとともに、加温手段で加温して予備バッグ7内に溜める第2の送液状態と、予備バッグ7から送液手段で患者の腹腔4に透析液を送液するとともに、患者の腹腔に所定時間貯留させておくための第3の送液状態と、この第3の送液状態の後に、送液手段により第2の送液状態で空になった例えば透析バッグ5aへ使用済透析液を送液する第4の送液状態とに流路を切換えるように構成されている。
【0053】
図4(a)は腹腔に連通する流路を形成する接続状態にされた第1の送液状態を説明する配管図、図4(b)は第2の送液状態を説明する配管図である。
【0054】
本図において、既に説明済みの構成部品については同様の符号を附して説明を割愛すると、先ず、図4(a)において、腹腔に連通する流路を形成する接続状態にされて透析の準備が整い、装置1の起動が行われると患者はベッド上に横たわる。この後に腹腔4に日中において所定時間貯留させた使用済透析液(図中のハッチング図示)を、送液手段により排液バッグ6に送液するための第1の送液状態にされる。
【0055】
具体的には、図4(a)においてチューブ9kに通じる透析バッグ5a〜5fのクランプが全て閉じられ、予備バッグ7のクランプも閉じられ、排液バッグ6のクランプ10hが開かれる。また、チューブ59のクランプ10n、10mと、チューブ49のクランプ10qが閉じられる一方で、チューブ9mのクランプ10j、チューブ39のクランプ10p、チューブ29のクランプ10kが開かれる。この状態において、送液手段によりダイヤフラム20が動作されることで、腹腔4と、チューブ9mと、チューブ59と、チューブ39と、チューブ29と、チューブ19とチューブ9hとを連通する流路が形成される。この流路を介して図中の矢印方向に送液が行われて排液バッグ6に約3500mlの送液が行われる。この結果、腹腔4は空の状態となる。
【0056】
次に、図4(b)において、透析バッグの一つに溜められた透析液を、送液手段により予備バッグ7へ送液するとともに、加温手段により加温して予備バッグ内に溜める第2の送液状態に移行する。
【0057】
具体的には、図4(b)において排液バッグ6のクランプ10hが閉じられる。また、チューブ9kに通じる透析バッグ5a〜5fの内の透析バッグ5aのクランプ10aのみが開かれる。また、チューブ29のクランプ10kと、10mと、10nと、チューブ49のクランプ10qが開かれる一方で、チューブ9mのクランプ10jと、チューブ39のクランプ10pとが閉じられる。また、チューブ49のクランプ10qが開かれる。
【0058】
この状態において、送液手段によりダイヤフラム20が最初に動作されるとともに、これに前後して面ヒータ91、92、93への通電が実施されて透析液を体温近くまで温度上昇させるように、この流路を介して図中の実線矢印方向の送液が行われる。すなわち、加温後の透析液はバイパス流路となるチューブ49を流れ、ダイヤフラム21により図中の破線図示の矢印方向の送液が開始される。これに前後して、空になった透析バッグ5aのクランプ10aが閉じられ予備バッグ7のクランプ10gが開かれる。すると加温された透析液は上記のように吊り下げられた状態にセットされた予備バッグ7の中に流れ込むが、このとき加温手段による温度変化に伴い発生する小さな気泡を液面上の空間部7aで成長させるようにして約3500ml分の送液が行われる。
【0059】
続いて、図5(a)は腹腔に連通する流路を形成する接続状態にされた第3の送液状態を説明する配管図、図5(b)は第4の送液状態を説明する配管図である。
【0060】
本図において、既に説明済みの構成部品については同様の符号を附して説明を割愛すると、先ず、図5(a)において、予備バッグ7から送液手段により患者の腹腔4に透析液を送液するとともに、患者の腹腔4に所定時間貯留させておくための第3の送液状態の様子が示されている。
【0061】
具体的には、図5(a)においてチューブ9kに通じる予備バッグ7のクランプ10gのみが開かれる。このとき、透析バッグ10aは空になっている。
【0062】
また、チューブ29のクランプ10kと、10mと、10nとが開かれる一方で、チューブ9mのクランプ10jも開かれる。チューブ39のクランプ10pと、チューブ49のクランプ10qは閉じられる。
【0063】
この状態において、送液手段によりダイヤフラム20が動作されて既に加温済みの透析液が、この流路を介して図中の実線矢印方向に送液される。このとき、加温後の透析液は再度温度センサで温度検出され適温にされてからチューブ9mを介して腹腔4内への送液が行われる。この後に、所定時間である約1.5乃至2時間の時間経過を待つことで、腹腔周辺の血管中の血液と透析液との間の浸透圧の差によって行われる最初の透析治療が完了する。
【0064】
このとき、透析液は予備バッグ7中において発生する小さな気泡が液面上の空間部7aで成長されており、しかも底面から送液するのので気泡が流れ出ることは一切なくなる。 次に、図5(b)において、図5(a)で述べた第3の送液状態の後に、送液手段により第3の送液状態で空になった透析バッグ10aへ使用済透析液を送液する第4の送液状態の様子が示されている。
【0065】
具体的には、図5(b)においてチューブ9kに通じる予備バッグ7のクランプ10gは閉じられる。このとき予備バッグ7は空になっているので、次の透析バッグ5bによる透析治療のための予備バッグ7として使用できることとになる。一方、透析バッグ10aは空になっているのでこの透析バッグ10aへの送液が行われる。このために、チューブ29のクランプ10kと、10mと、10nとが閉じられる一方で、チューブ9mのクランプ10jとチューブ49のクランプ10qと透析バッグ5aのクランプ10aが開かれることとなる。
【0066】
この状態において、送液手段によりダイヤフラム21が動作されて使用済透析液がバイパス流路となるチューブ49を通して透析バッグ5aに送液される。
【0067】
これ移行、上記の第2の送液状態から第4の送液状態を繰り返し実施することで、透析バッグ5b、5c、5d、5e、5fの全てに使用済透析液を溜めることで患者の就寝時間である8時間に及ぶ腹膜透析が完了する。
【0068】
このようにして各透析バッグ内に溜められた使用済透析液は、各透析バッグがクレンメを用いてチューブが閉塞状態にされた後に各プラグを外すことで個別に運べるようになるので、簡単に廃棄処分できる。また、使用後の透析バッグは焼却処分される。
【0069】
図6は、装置1において上記の第1から第4の送液状態になることを示す動作説明のフローチャートである。本図においてステップS1において送液の準備が整うと装置1の電源がオンされて、ステップS2に進みセルフチェックプログラムが起動されて装置内の異常状態の有無が検査される。この後に、ステップS3に進みプライミング動作が実施されて透析バッグ他の接続後の透析液の流路中の空気を追い出しが行われて透析液でチューブ内を充満させる。
【0070】
以上で患者の就寝中の透析治療の準備が整い、ステップS4でスイッチがオンされることで治療が開始されると、ステップS5に進み初期排液である上記の第1の送液状態にされることで患者の昼間の活動中における透析液の回収を廃液バック6で行う。これに前後して透析液の加温が実施され予備バッグ7に予備加熱された透析液が溜められる上記の第2の送液状態になる。
【0071】
これに続き、ステップS6に進み上記の第3の送液状態にされる。すなわち患者の腫腔4に透析液を注入する処理を行う。この後にステップS7で、患者の腹腔4内に透析液を貯留させることで浸透圧による透析治療を行うことで透析液に析出してくる老廃物を含む廃液である使用済透析液を患者の腹腔4で一時的に溜める。これに続き、ステップS8に進み上記の第4の送液状態にすることで空になった透析バッグ5aへの送液を行い最初の1個分の透析バッグによる治療を終了する。
【0072】
続く、ステップS9では残りの透析バッグ分の所定のサイクル数分の治療が終了したか否かが判断されて、透析バッグ5a〜5e分(図2を参照)の透析液による治療が繰り返し行われて、終了するとステップS10に進み再排液が行われる。すなわち患者の腹腔4から回収し切れなかった使用済透析液を体の向きを変えるなどしながら排液する。
【0073】
このようにして排液が終了するとステップS11において最終注液が行われ、昼間活動中において腹腔4内に透析液を入れたままで生活する場合には、透析バッグ5fに溜められた透析液を最後に注液する。以上で送液が全て終了し、ステップS12で輸液セットを装置1から取り外すとともに、ステップS12で装置1の電源をオフして終了する。
【0074】
次に、図7(a)はカセット体2の平面図、また図7(b)は図7(a)のX−X線矢視断面図である。このカセット体2の構成は、上記の特開2003−000704号公報に開示されたものと略同じ構成のものが使用可能であるが、相違点としては流路切り換え手段の被切り換え部となるクランプ10a〜10fが設けられる透析バッグ5a〜5fは図示のように手前側に位置している点が挙げられる。また、排液バッグ6のクランプ10hと予備バッグ7のクランプ10gについては右側に位置している。また、ダイヤフラム20とダイヤフラム21は図示のように2個分が併設されている。
【0075】
また、図7(b)において、各クランプを制御してクランプ状態、アンクランプ状態の切り替えをするためにフィンガを上下駆動するためにカム機構100がモータ101で駆動されるように配置されているが、このカム機構の構成についても特開2003−000704号公報に詳細に記載されているので説明を省略する。ここで、このカム機構に代えてウオームギア機構を使用することができる。
【0076】
図8は、クランプを閉塞する流路切換手段をウオームギア機構で構成した様子を示す模式図である。本図において、カセット体2が装置1にセットされており、カセット体2に内蔵されるチューブ9をクランプ10a〜10qで閉塞するための爪体600が図中の実線と破線図示の位置に上下駆動されることでクランプ状態とアンクランプ状態にされる。爪体600は不図示のガイド部材により上下方向に案内される筒体610に固定されている。
【0077】
この筒体610の側面には対称位置において一対の溝部601が穿設されている。この筒体610の内部には移動部材602が内蔵されており、この移動部材602の外周面には上記の溝部601に潜入される一対のピン619が固定されており、この移動部材602が筒体610の内部で回転することを防止するとともに、移動部材602を上方位置と下方位置で停止させるように構成されている。また、この移動部材602の上方には筒体610の空間部に内蔵される圧縮バネ666が設けられており、圧縮バネ666が適度に変形して爪体600により過剰にチューブ9を押圧しないようにして損傷を与えないようにしている。移動部材602の内部には雌ネジ部を形成した雌ネジ部材622が固定されており、この雌ネジ部に対して雄ネジ部620が噛合している。この雄ネジ部620の他端にはウオームホイール630が固定されており、不図示の軸受けにより回動軸支されている。
【0078】
一方、モータ650によりウオームギア640が駆動されており、このウオームギア640に対してウオームホイール630が噛合する状態(破線図示)と噛合が解除される状態(実線図示)になるように電磁ソレノイド631により上下駆動されるように構成されている。
【0079】
以上の構成によれば、電磁ソレノイド631への個別的な通電を行い破線図示の位置にウオームホイール630が移動されるとウオームギア640の回転力が雄ネジ部620に伝達され、これに噛合している雌ネジ部材622が上方に移動されることで、圧縮バネ666を介して移動力が筒体610に伝えられ爪体600を破線位置に移動することでチューブ9を破線で示すクランプ状態にすることができる。
【0080】
また、上記の各ダイヤフラム20、21は、特開2003−000704号公報に詳細に記載されているエア回路で送液を行うことができることになるが、送液手段はこのダイヤフラム式に限定されず例えばチューブの外周面に作用することで蠕動運動を行う蠕動式、ローラポンプ式であっても良く、あらゆる種類のポンプを使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態である腹膜透析装置1と、カセット体2と、透析液を溜めた複数の透析バッグ5と、予備バッグ7と、排液バッグ6とをチューブ9に設けられたプラグ8a〜8jで接続することで患者の腹腔に連通する流路を形成し、透析液を患者の腹腔4(破線図示)内に送液する接続状態を示した外観斜視図である。
【図2】図1の腹膜透析装置1に透析液を溜めた複数の透析バッグと予備バッグと排液バッグとをプラグを用いて接続して患者の腹腔に連通する流路を形成する接続状態にした模式図である。
【図3】腹膜透析装置1のブロック図である。
【図4】(a)は腹腔に連通する流路を形成する接続状態にされた第1の送液状態を説明する配管図、(b)は第2の送液状態を説明する配管図である。
【図5】(a)は腹腔に連通する流路を形成する接続状態にされた第3の送液状態を説明する配管図、(b)は第4の送液状態を説明する配管図である。
【図6】装置1において上記の第1から第4の送液状態になることを示す動作説明のフローチャートである。
【図7】(a)はカセット体2の平面図、また(b)は(a)のX−X線矢視断面図である。
【図8】クランプを閉塞する流路切換手段をウオームギア機構で構成した様子を示す模式図である。
【符号の説明】
【0082】
1 腹膜透析装置
2 カセット体
3 スタンド
4 腹腔
5a〜5f 透析バッグ
6 排液バッグ
7 予備バッグ
8a〜8j プラグ
9 チューブ
10a〜10q クランプ
19、29、39、49、59 チューブ
20、21 ダイヤフラム
60 加温部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透析液を溜めた複数の透析バッグと、予備バッグと、排液バッグとを接続することで患者の腹腔に連通する流路を形成する接続状態にして使用される腹膜透析装置であって、
患者の腹腔に所定時間貯留させた使用済透析液を、送液手段により前記排液バッグに送液する第1の送液状態と、前記透析バッグの一つに溜められた透析液を、前記送液手段により前記予備バッグへ送液するとともに、加温手段で加温して前記予備バッグ内に溜める第2の送液状態と、前記送液手段により前記予備バッグから患者の腹腔に前記透析液を送液するとともに、患者の腹腔に所定時間貯留させておく第3の送液状態と、前記第3の送液状態の後に、前記送液手段により前記第2の送液状態で空になった前記透析バッグへ前記使用済透析液を送液する第4の送液状態と、に前記流路を切換えるための流路切換手段と、
前記送液手段と、前記加温手段と、前記流路切換手段とに接続されるとともに、前記第1の状態から前記第4の状態にするための制御を司る制御手段と、を備えることを特徴とする腹膜透析装置。
【請求項2】
前記透析バッグと、前記予備バッグと、前記排液バッグはプラグの一方を備え、前記流路の一部と、前記送液手段の被作動部と、前記加温手段の被加温部と、前記流路切換手段の被切換え部とを一体的に配設したカセット体とするとともに、前記カセット体を着脱可能にするカセット体装填手段を備え、
前記透析バッグと、前記予備バッグと、前記排液バッグとを、前記カセット体から延びるプラグの他方を介して接続することで前記カセット体に対する前記接続状態にすることを特徴とする請求項1に記載の腹膜透析装置。
【請求項3】
前記被作動部は、前記カセット体が前記カセット体装填手段に装填された後に、前記送液手段の作動部により正圧状態と負圧状態にされるダイヤフラムを含み、
前記被加温部は、前記加温手段の面ヒータにより上下面から加温される蛇行流路を含み、前記カセット体が前記カセット体装填手段に装填された後に加温することを特徴とする請求項2に記載の腹膜透析装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の腹膜透析装置に用いられる透析液セットであって、
前記複数の透析バッグと、前記予備バッグと、前記排液バッグと、前記流路とを前記接続状態前の閉じた状態としたことを特徴とする透析液セット。
【請求項5】
透析液を溜めた複数の透析バッグと、予備バッグと、排液バッグとを接続することで患者の腹腔に連通する流路を形成する接続状態にし、透析液を患者の腹腔内に送液し、所定時間経過後に腹腔から廃液することで腹膜透析治療を行う腹膜透析装置の制御方法であって、
患者の腹腔に所定時間貯留させた使用済透析液を、前記送液手段により前記排液バッグに送液する第1の送液状態にする工程と、
一つの前記透析バッグ内の透析液を、前記送液手段により前記予備バッグへの送液を行うとともに前記加温手段により加温して前記予備バッグ内に溜める第2の送液状態にする工程と、
前記予備バッグから前記送液手段により患者の腹腔に前記透析液を送液するとともに患者の腹腔に所定時間貯留させておく第3の送液状態にする工程と、
前記第3の送液状態の後に、前記送液手段により前記第2の送液状態で空になった前記透析バッグへ前記使用済透析液を送液する第4の送液状態と、にする工程を備えることを特徴とする腹膜透析装置の制御方法。
【請求項6】
前記流路の一部と、前記送液手段の被作動部と、前記加温手段の被加温部と、前記流路切換手段の被切換え部とを一体的に配設するとともにカセット体装填手段に着脱可能にされるカセット体を、前記カセット体装填手段に装填する工程と、
前記カセット体に対して前記透析バッグと、前記予備バッグと、前記排液バッグとをプラグを介して接続して前記流路を形成する工程と、をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の腹膜透析方法。
【請求項7】
前記被作動部であるダイヤフラムを、前記カセット体が前記カセット体装填手段に装填された後に、前記送液手段の作動部により正圧状態と負圧状態にする工程と、
前記被加温部であって、前記加温手段の面ヒータにより上下面から加温される蛇行流路を、前記カセット体が前記カセット体装填手段に装填された後に、加温する工程を含むことを特徴とする請求項6に記載の腹膜透析装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−218130(P2006−218130A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−35177(P2005−35177)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】