説明

膜タンパク質をコードする核酸に対するプローブDNAを作成する方法、膜タンパク質をコードする遺伝子の発現を検出する方法、及びプローブDNA固定化担体

【課題】 本発明は、膜タンパク質をコードする遺伝子の発現を迅速かつ網羅的に検出する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 膜タンパク質をコードする遺伝子の部分領域であって、その塩基配列の5%以上が膜タンパク質における膜結合に必須の領域をコードするエキソン配列からなり、かつシトシンおよびグアニンを合計で40〜60%の割合で含有する該部分領域を選択し、該部分領域の塩基配列または該部分領域に相補的な塩基配列からなるDNAを作成することを含む、膜タンパク質をコードする核酸に対するプローブDNAを作成する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜タンパク質をコードする遺伝子の発現を検出するためのプローブDNAを作成する方法、該プローブDNAを用いて該遺伝子の発現を検出する方法、該プローブDNAが固定化された担体ならびに該担体を用いて該遺伝子の発現を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
膜タンパク質は、真核細胞の全タンパク質の約30%にも及ぶ種類があり、レセプター、イオンチャンネル、トランスポーターなどとして、細胞膜を介する情報伝達や物質輸送において重要な機能を担っている。膜タンパク質は、その構造から大きく2種類に分けられる。一つは細胞膜表面に結合した表在性膜タンパク質であり、他方は細胞膜の脂質二重層に埋め込まれた内在性膜タンパク質である。内在性膜タンパク質の構造は、細胞外領域、細胞内領域および膜貫通領域から構成される。膜貫通領域は疎水性アミノ酸に富み、膜内においてはα−ヘリックスを形成すると考えられる。膜貫通領域を複数個有するタンパク質の場合、このドメインは、膜タンパク質が生合成される際、そのC末端側に続く新生ペプチド鎖の膜透過を開始させるシグナル配列、またはその透過を停止させるストップトランスファー配列として機能する。多くの場合、それぞれの機能を持ったドメインが交互に配置されており、このドメインを介して細胞外領域と細胞内領域が交互に並んでいる。
【0003】
ある種の膜タンパク質は癌細胞で特異的に発現しているものがあり、これらは腫瘍抗原として各種診断薬や抗癌剤を開発するうえで有用であると考えられている。そして、様々な病気や疾患の治療に使われる薬剤のターゲットの70%は、膜タンパク質であると言われており、膜タンパク質の発現パターンを解析することで、組織特異的な治療薬の標的を明らかにすることが期待される。
【0004】
膜タンパク質の発現を解析する方法として、膜タンパク質自体を解析する方法が考えられる。しかし、膜タンパク質は、疎水性が高いため精製が困難であるとともに、細胞膜の脂質二重層に存在するという特殊な環境下にあるため立体構造が複雑で、細胞内に存在する水溶性タンパク質に比べその発現解析が非常に困難である。RT−PCR法やノーザンブロット法により解析する方法は、網羅的解析には不向きで、上記のように極めて多様な膜タンパク質の発現解析には不十分である。また、cDNAマイクロアレイを用いる方法は、cDNAの単離に時間と手間がかかるとともに、固定化するDNA量が不安定になるという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、膜タンパク質をコードする遺伝子の発現を迅速かつ網羅的に検出する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、膜タンパク質をコードする遺伝子の部分領域であって、膜タンパク質における膜結合に必須の領域をコードするエキソン配列の少なくとも一部を含み、かつシトシンおよびグアニンを一定量含む部分領域からなるDNA、または該部分領域に相補的なDNAをプローブとして用いることにより、膜タンパク質をコードする核酸を特異的に検出できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)膜タンパク質をコードする遺伝子の部分領域であって、その塩基配列の5%以上が膜タンパク質における膜結合に必須の領域をコードする部分を含むエキソン中の配列からなり、かつシトシンおよびグアニンを合計で40〜60%の割合で含有する該部分領域を選択し、該部分領域からなるDNAまたは該部分領域に相補的な塩基配列からなるDNAを作成することを含む、膜タンパク質をコードする核酸に対するプローブDNAを作成する方法。
(2)(1)記載の方法によって作成されたプローブDNAと試料由来の核酸とをハイブリダイズさせることによって、膜タンパク質をコードする遺伝子の発現を検出する方法。
(3)膜タンパク質をコードする遺伝子の部分領域であって、その塩基配列の5%以上が膜タンパク質における膜結合に必須の領域をコードする部分を含むエキソン中の配列からなり、かつシトシンおよびグアニンを合計で40〜60%の割合で含有する該部分領域からなるDNA及び該部分領域に相補的な塩基配列からなるDNAから選択されるプローブDNAが固定化されてなる担体。
(4)以下の(a)〜(e)のDNAからなる群から選択されるプローブDNAが固定化されてなるプローブDNA固定化担体:
(a)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列からなるDNA
(b)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNA
(c)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列からなるDNAの一部を含む10〜5000塩基のDNA
(d)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAの一部を含む10〜5000塩基のDNA
(e)(a)〜(d)のDNAと相同性を有する塩基配列からなり、対応する膜タンパク質をコードする核酸と特異的にハイブリダイズするDNA。
(5)担体が、基板上にプローブDNAと共有結合しうる官能基、ならびにダイヤモンド、軟ダイヤモンド、炭素系物質および炭化物から選ばれる少なくとも1種の表面層を有する固体支持体である、(3)または(4)記載のプローブDNA固定化担体。
(6)(3)〜(5)のいずれかに記載のプローブDNA固定化担体を用いて、膜タンパク質をコードする遺伝子の発現を検出する方法。
(7) 以下の(a)〜(e)のDNAからなる群から選択されるプローブDNA:
(a)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列からなるDNA
(b)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNA
(c)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列からなるDNAの一部を含む10〜5000塩基のDNA
(d)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAの一部を含む10〜5000塩基のDNA
(e)(a)〜(d)のDNAと相同性を有する塩基配列からなり、対応する膜タンパク質をコードする核酸と特異的にハイブリダイズするDNA。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、膜タンパク質をコードする核酸を特異的に検出することができ、従って膜タンパク質をコードする遺伝子の発現を迅速かつ網羅的に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
プローブDNAの作成
本発明の一態様において、プローブDNAは、膜タンパク質をコードする遺伝子の部分領域であって、その塩基配列の通常5%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上が膜タンパク質における膜結合に必須の領域をコードするエキソン配列からなり、かつシトシンおよびグアニンを合計で通常40〜60%、好ましくは45〜55%の割合で含有する該部分領域からなるDNAである。本発明においては、該DNAに相補的なDNAもプローブDNAとして使用される。
【0010】
本発明において、膜タンパク質とは、当技術分野において通常用いられる意味を有し、すなわち、生体膜を構成しているタンパク質を意味する。膜タンパク質としては、生体膜の表面に付着している膜表在性タンパク質、内部に埋もれている膜内在性タンパク質があり、例えば、受容体、輸送体、膜結合性酵素、サイトカイン受容体ファミリー、イオンチャネル、細胞外マトリックスタンパク質、細胞接着因子、膜結合性細胞増殖因子、より具体的には、チロシンキナーゼ型増殖因子受容体、扁平上皮細胞癌抗原(SCCA1)、CD34、EGFファミリー、EGF受容体ファミリー、I型及びII型TGFβ受容体ファミリー、インターロイキン受容体ファミリー、TNF受容体ファミリー、Notchファミリー、EGF−CFCファミリーなどが挙げられる。本発明では、好ましくは、上記のタンパク質の中でも細胞の表面の性質を特徴付ける膜タンパク質、すなわち対象となる細胞の細胞膜において発現量の多い膜タンパク質をコードする核酸に対するプローブを作成する。
【0011】
本発明において膜タンパク質は、好ましくは、下記の表1に記載される膜タンパク質から選択される。各膜タンパク質をコードするDNAの塩基配列は、表1に記載のAccession番号で、GenBankに登録されている(http://www.ncbi.nlm.nih.gov)。
【0012】
膜結合に必須の領域とは、膜タンパク質における、該膜タンパク質と細胞膜との結合を担う領域を意味する。そのような領域としては、通常疎水性のアミノ酸で構成される膜貫通領域や、脂質を介して膜に結合するGPIアンカーが結合するアミノ酸を含む領域等が含まれるがこれらに限定されるものではない。
【0013】
膜タンパク質における膜貫通領域およびGPIアンカーが結合するアミノ酸を含む領域については、既に公開されている情報から特定することができ、あるいは公知の情報が得られない場合は、公知の予測プログラム等を用いて検索することができる。
【0014】
本発明のプローブDNAの塩基長は、膜タンパク質をコードする核酸とハイブリダイズ可能な長さであり、通常10〜5000塩基、好ましくは15〜500塩基、より好ましくは20〜100塩基、さらに好ましくは40〜70塩基である。
【0015】
本発明のプローブDNAは、好ましくは、以下の(a)〜(e)のDNAからなる群から選択される:
(a)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列からなるDNA
(b)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNA
(c)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列からなるDNAの一部を含む10〜5000塩基のDNA、より好ましくは20〜100塩基のDNA
(d)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAの一部を含む10〜5000塩基のDNA、より好ましくは20〜100塩基のDNA
(e)(a)〜(d)のDNAと相同性を有する塩基配列からなり、対応する膜タンパク質をコードする核酸と特異的にハイブリダイズするDNA。
【0016】
ここでDNAの一部とは、配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列からなるDNAにおける、少なくとも15塩基長、より好ましくは少なくとも20塩基長、最も好ましくは30〜60塩基長の連続した塩基配列からなる部分を意味する。
【0017】
DNAと相同性を有する塩基配列とは、通常約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性または同一性を有する塩基配列からなり、対応する膜タンパク質をコードする核酸と特異的にハイブリダイズする塩基配列を意味する。膜タンパク質をコードする核酸には、DNAおよびRNAの双方が含まれ、好ましくはcDNAである。
【0018】
特異的にハイブリダイズするとは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、膜タンパク質をコードする核酸とハイブリダイズした状態を保てることを意味する。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件とは、例えば、ナトリウム濃度が15〜40mM、好ましくは15〜20mMで、温度が50〜70℃、好ましくは60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が16〜17mMで温度が65℃の場合が最も好ましい。
【0019】
プローブDNA固定化担体
本発明はまた、上記プローブDNAが固定化されてなる担体に関する。当該プローブDNA固定化担体は、膜タンパク質の発現の検出において有用である。
【0020】
プローブDNAの担体への固定化は、当技術分野で公知の方法によって行うことができる。固定化するプローブDNAやそのPCR産物(DNAをPCR法によって増幅させたDNA断片)を溶媒に溶解または分散して、スポッティング溶液を調製する。このスポッティング溶液を、担体上にスポッティングした後インキュベートすることにより、プローブDNAを担体上に固定化することができる。プローブDNAを溶解または分散する溶媒としては、例えば、蒸留水、SSC(saline-sodium citrate)、PBS(phosphate buffered saline)、重曹(NaHCO)など、極性有機溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、トリフルオロ酢酸、トリエチルアミン、1−メチル−2−ピロリドン、ジオキサン、酢酸エチルなどから選ばれる1以上の溶媒を使用できる。本発明においては、PBSを使用するのが好ましい。
【0021】
プローブDNAの固定化には、DNAチップ作成装置に備えられたスポッター装置を用いて、ポリ陽イオン(ポリリシン、ポリエチレンイミン等)で表面処理した担体表面にスポッティングして、DNAの荷電を利用して担体上に静電結合させる方法が一般的に利用される。また、担体表面の処理方法として、アミノ基、アルデヒド基、エポキシ基等を有するシランカップリング剤を用いる方法も利用される。この場合には、アミノ基、アルデヒド基等は、共有結合により担体表面に導入されるため、ポリ陽イオンによる場合と比較して安定に担体表面に存在する。
【0022】
反応活性基を導入したプローブDNAを合成し、表面処理した担体表面に該DNAをスポッティグし、共有結合させることもできる。例えば、アミノ基を導入したスライドガラスに、PDC(p−フェニレンジイソチオシアネート)存在下、アミノ基導入DNAを反応させる方法、および該スライドガラスに、アルデヒド基導入DNAを反応させる方法などがある。
【0023】
スポッティングは、プローブDNAを含むスポッティング溶液を、96穴または384穴等のプラスチックプレートに分注し、分注した溶液をスポット装置等を用いて担体上に滴下することによって行う。スポット装置としては通常は、ピンに試料溶液を保持させ、そのピンを担体表面に接触させ、そして溶液を担体表面に移行させてスポットを形成するピン方式による装置が用いられる。ピンの先端の形状には、ソリッドピンタイプ(特に、溝が切られていないもの)、クイルピンタイプ(万年筆のように溝が切られているもの)など様々なタイプがあり、いずれであっても使用することができる。好ましくは、クイルピンタイプである。また、ピン方式以外にも、インクジェットプリンタの原理を利用したインクジェット方式や、毛細管によるキャピラリ方式などを利用したスポット装置も用いることができる。
【0024】
スポット当たりのスポッティング溶液のスポッティング量は、当業者であれば適宜決定することができるが、通常、1pL〜1μLの範囲にあり、好ましくは100pL〜100nLの範囲にある。スポットの大きさは、通常、直径が50〜300μmの範囲にある。そして、スポット間の距離は、通常、0〜1.5mmの範囲にあり、好ましくは100〜700μmの範囲にある。スポッティング後、通常、室温〜100℃、好ましくは70〜80℃にて、通常、3時間以下、好ましくは0.5〜1.5時間インキュベートとすることが好ましい。
【0025】
プローブDNAを担体に固定化した後、固定化されていないDNA等を除去するため、担体を洗浄する。洗浄液としては、当技術分野で通常用いられているものを使用することができ、例えば、2×SSC、0.2%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を含む水溶液を使用することができる。このようにして、数百〜数万個のスポットを有する担体を得ることができる。
【0026】
本発明のプローブDNA固定化担体は、通常少なくとも10種、好ましくは少なくとも50種、より好ましくは少なくとも100種、さらに好ましくは少なくとも500種、最も好ましくは少なくとも1000種のプローブDNAが固定化されている。また、本発明のプローブDNA固定化担体は、通常、少なくとも10スポット以上、好ましくは50〜1000スポット、より好ましくは1000〜2000スポットのプローブDNAが固定化されている。1種類のプローブDNAについて、通常1〜10スポット、好ましくは3〜5スポットをスポッティングする。
【0027】
プローブDNAを固定化するための担体
プローブDNAを固定化する担体としては、当技術分野で通常用いられるものを使用できる。例えば、白金、白金黒、金、パラジウム、ロジウム、銀、水銀、タングステンおよびそれらの化合物などの貴金属、およびグラファイト、カ−ボンファイバ−に代表される炭素などの導電体材料;単結晶シリコン、アモルファスシリコン、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素などに代表される半導体材料、SOI(シリコン・オン・インシュレータ)などに代表されるこれら半導体材料の複合素材;ガラス、石英ガラス、アルミナ、サファイア、セラミクス、フォルステライト、感光性ガラスなどの無機材料;ポリエチレン、エチレン、ポリプロビレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステル、含フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、アセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン共重合体、ポリフェニレンオキサイドおよびポリスルホンなどの有機材料等が挙げられる。
【0028】
本発明においては、プローブDNAを固定化する担体として、基板上に核酸と共有結合しうる官能基、ならびにダイヤモンド、軟ダイヤモンド、炭素系物質および炭化物から選ばれる少なくとも1種の表面層を有する固体支持体を用いるのが好ましい。
【0029】
上記固体支持体に用いられる基板の材料としては、例えば、シリコーン、ガラス、繊維、木材、紙、セラミックス、プラスチック(例えば、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene 樹脂)、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂)、合成ダイヤモンド、高圧合成ダイヤモンド、天然ダイヤモンド、軟ダイヤモンド(例えば、ダイヤモンドライクカーボン)、アモルファスカーボン;金、銀、銅、アルミニウム、タングステン、モリブデン等の金属;前記金属粉末、セラミック粉末等に、前記樹脂をバインダーとして混合、結合形成したもの;前記金属粉末やセラミックス粉末等の原料をプレス成形機で圧粉したものを高温で焼結したものが挙げられる。
【0030】
本発明の固体支持体は、基板上に表面層を有する。この表面層により、核酸と共有結合しうる官能基を導入するための化合物を基板上に強固に固定化することができる。
【0031】
表面層は、ダイヤモンド、軟ダイヤモンド、炭素系物質および炭化物から選ばれる少なくとも1種から形成される。ダイヤモンド、軟ダイヤモンド、炭素系物質および炭化物としては、例えば、合成ダイヤモンド、高圧合成ダイヤモンド、天然ダイヤモンド、軟ダイヤモンド(例えば、ダイヤモンドライクカーボン)、アモルファスカーボン、炭素系物質(例えば、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ)のいずれか、それらの混合物、またはそれらを積層させたもの、炭化ハフニウム、炭化ニオブ、炭化珪素、炭化タンタル、炭化トリウム、炭化チタン、炭化ウラン、炭化タングステン、炭化ジルコニウム、炭化モリブデン、炭化クロム、炭化バナジウム等の炭化物を挙げることができる。ここで、軟ダイヤモンドとは、いわゆるダイヤモンドライクカーボン(DLC:Diamond Like Carbon)等の、ダイヤモンドとカーボンとの混合体である不完全ダイヤモンド構造体を総称し、その混合割合は、特に限定されない。本発明においては、軟ダイヤモンドを用いるのが好ましい。
【0032】
基板が、ダイヤモンド、軟ダイヤモンド、炭素系物質および炭化物から選ばれる少なくとも1種の材料で形成されている場合は、基板上に新たに表面層を形成させる必要はないが、基板がそれ以外の材料で形成されている場合は、表面処理を施すことによりダイヤモンド、軟ダイヤモンド、炭素系物質および炭化物から選ばれる少なくとも1種の材料で形成される表面層を形成させる。
【0033】
表面処理を施した基板の一例としては、スライドガラスに軟ダイヤモンドを製膜した基板が挙げられる。このような基板は、ダイヤモンドライクカーボンが、水素ガス0〜99体積%、残りメタンガス100〜1体積%を含んだ混合ガス中で、イオン化蒸着法により作成したものであることが好ましい。
表面処理によって形成される表面層の厚みは、1nm〜100μmであることが好ましい。
【0034】
基板への表面層の形成は、公知の方法、例えば、マイクロ波プラズマCVD(Chemical Vapor Deposit)法、ECRCVD(Electric Cyclotron Resonance Chemical Vapor Deposit)法、ICP(Inductive Coupled Plasma)法、直流スパッタリング法、ECR(Electric Cyclotron Resonance)スパッタリング法、イオンプレーティング法、アークイオンプレーティング法、EB(Electron Beam)蒸着法、抵抗加熱蒸着法、イオン化蒸着法、アーク蒸着法、レーザ蒸着法などにより行うことができる。
【0035】
また、前記の基板材料の積層体や複合体(例えば、ダイヤモンドと他の物質との複合体、(例えば2相体))を形成することにより、表面層としてもよい。
【0036】
基板の形状およびサイズは特に限定されないが、形状としては、平板状、糸状、球状、多角形状、粉末状などが挙げられ、サイズは、平板状のものを用いる場合、通常は、幅0.1〜100mm、長さ0.1〜100mm、厚み0.01〜10mm程度である。
【0037】
また、基板の表面または裏面に、反射層としてTi、Au、Pt、Nb、Cr、TiC、TiN等の単層またはこれらの複合膜を製膜してもよい。反射層の厚みは、全体に均一であることが必要なため、好ましくは10nm以上、更に好ましくは100nm以上である。
【0038】
基板としてガラスを用いる場合、その表面は、Ra(JIS B 0601)で1nm〜1000nmの範囲で意図的に粗面化されていることも好ましい。このような粗面化表面は基板の表面積が増えて、多量のプローブDNAを高密度で固定化できる点で好都合である。
【0039】
本発明の固体支持体には、核酸を静電的に引き寄せるために静電層が設けられていてもよい。
【0040】
静電層としては、核酸を静電的に引き寄せ、核酸の固定化量を向上させるものであれば、特に制限はないが、例えば、アミノ基含有化合物など正荷電を有する化合物を用いて形成することができる。
【0041】
前記アミノ基含有化合物としては、非置換のアミノ基(−NH)、または炭素数1〜6のアルキル基等で一置換されたアミノ基(−NHR;Rは置換基)を有する化合物、例えばエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、n−プロピルアミン、モノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、アリルアミン、アミノアゾベンゼン、アミノアルコール(例えば、エタノールアミン)、アクリノール、アミノ安息香酸、アミノアントラキノン、アミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニン、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、プロリン、シスチン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グルタミン、アスパラギン、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、アニリン、またはこれらの重合体(例えば、ポリアリルアミン、ポリリシン)や共重合体;4,4’,4”−トリアミノトリフェニルメタン、トリアムテレン、スペルミジン、スペルミン、プトレシンなどのポリアミン(多価アミン)が挙げられる。
【0042】
静電層を表面層と共有結合させずに形成する場合には、例えば、表面処理する際に前記アミノ基含有化合物を製膜装置内に導入することによって、アミノ基を含有する炭素系皮膜を製膜する。また、静電層を表面層と共有結合させずに形成する場合には、静電層と表面層との親和性、即ち密着性を高める点で、基板上に、前記の非置換または一置換されたアミノ基を有する化合物および炭素化合物を蒸着させた後、核酸と共有結合しうる官能基を導入することが好ましい。ここで用いる炭素化合物としては、気体として供給することができれば特に制限はないが、例えば常温で気体であるメタン、エタン、プロパンが好ましい。蒸着の方法としては、イオン化蒸着法が好ましく、イオン化蒸着法の条件としては、作動圧が0.1〜50Pa、そして加速電圧が200〜1000Vの範囲であることが好ましい。
【0043】
静電層を表面層と共有結合させて形成する場合には、例えば、表面層を有する基板に、塩素ガス中で紫外線照射して表面を塩素化し、次いで前記アミノ基含有化合物のうち、例えば、ポリアリルアミン、ポリリシン、4,4’,4”−トリアミノトリフェニルメタン、トリアムテレン等の多価アミンを反応させて、基板と結合していない側の末端にアミノ基を導入することにより、静電層を形成することができる。
【0044】
また、静電層が施された基板に核酸と共有結合しうる官能基を導入する反応(例えば、ジカルボン酸または多価カルボン酸を用いるカルボキシル基の導入)を溶液中で行う場合には、基板を、前記の非置換または一置換されたアミノ基を有する化合物を含有する溶液中に浸漬した後、核酸と共有結合しうる官能基を導入することが好ましい。前記溶液の溶媒としては、例えば水、N−メチルピロリドン、エタノールが挙げられる。
【0045】
静電層が施された基板に、ジカルボン酸または多価カルボン酸を用いてカルボキシル基を導入する場合には、予めN−ヒドロキシスクシンイミドおよび/またはカルボジイミド類で活性化させたり、あるいは、反応をN−ヒドロキシスクシンイミドおよび/またはカルボジイミド類の存在下に行うことが好ましい。
【0046】
基板を、非置換または一置換されたアミノ基を有する化合物を含有する溶液中に浸漬することにより、静電層を形成する場合に、アミノ基含有化合物としてポリアリルアミンを用いると、基板との密着性に優れ、核酸の固定化量がより向上する。
静電層の厚みは、1nm〜500μmであることが好ましい。
【0047】
本発明における固体支持体は、核酸と共有結合しうる官能基を有する。該官能基は、基板表面に化学修飾を施すことにより形成することができる。
【0048】
前記官能基としては、例えばカルボキシル基、活性エステル基、ハロホルミル基、水酸基、硫酸基、シアノ基、ニトロ基、チオール基、アミノ基が挙げられる。
【0049】
官能基としてカルボキシル基を導入するために用いられる化合物としては、例えば、式:X−R−COOH(式中、Xはハロゲン原子、Rは炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるハロカルボン酸、例えばクロロ酢酸、フルオロ酢酸、ブロモ酢酸、ヨード酢酸、2−クロロプロピオン酸、3−クロロプロピオン酸、3−クロロアクリル酸、4−クロロ安息香酸;式:HOOC−R−COOH(式中、Rは単結合または炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、トリメリット酸、ブタンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸;式:R−CO−R−COOH(式中、Rは水素原子または炭素数1〜12の2価の炭化水素基、Rは炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるケト酸またはアルデヒド酸;式:X−OC−R−COOH(式中、Xはハロゲン原子、Rは単結合または炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるジカルボン酸のモノハライド、例えばコハク酸モノクロリド、マロン酸モノクロリド;無水フタル酸、無水コハク酸、無水シュウ酸、無水マレイン酸、無水ブタンテトラカルボン酸などの酸無水物が挙げられる。
【0050】
前記のようにして導入されたカルボキシル基は、シアナミドやカルボジイミド(例えば、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド)などの脱水縮合剤とN−ヒドロキシスクシンイミドなどの化合物で活性エステル化することができる。
【0051】
官能基としてハロホルミル基を導入するために用いられる化合物としては、例えば、式:X−OC−R−CO−X(式中、Xはハロゲン原子、Rは単結合または炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるジカルボン酸のジハライド、例えばコハク酸クロリド、マロン酸クロリドが挙げられる。
【0052】
官能基として水酸基を導入するために用いられる化合物としては、例えば、式:HO−R−COOH(式中、Rは炭素数1〜12の2価の炭化水素基を表す。)で示されるヒドロキシ酸またはフェノール酸が挙げられる。
【0053】
官能基としてアミノ基を導入するために用いられる化合物としては、例えばアミノ酸が挙げられる。
【0054】
前記の化合物のうち、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、トリメリット酸、ブタンテトラカルボン酸などの多価カルボン酸は親水性を向上させるために使用することもできる。
【0055】
担体として上記のような固体支持体を用いることにより、プローブDNAを強固に固定化することができるため、検出感度と信頼性の高い診断が可能になる。
【0056】
膜タンパク質をコードする遺伝子の発現検出
本発明の膜タンパク質をコードする遺伝子の発現を検出する方法は、本発明のプローブDNAと膜タンパク質をコードする核酸とのハイブリダイゼーションに基づくものであれば特に制限されず、当技術分野において公知の方法を使用できる。例えば、ノーザンブロッティング、RNaseプロテクションアッセイ、cDNAクローニングにおけるサザンブロッティングやコロニー/プラークハイブリダイゼーション、マイクロアレイなどが挙げられる。
【0057】
本発明の検出方法の一実施形態では、担体上に固定化された上記プローブDNAと、試料由来のmRNAを逆転写することにより得られる試料cDNAとを接触させ、プローブDNAとハイブリダイズする試料cDNAを検出することによって、試料中の対応する膜タンパク質をコードするmRNAレベルを測定し、それによって膜タンパク質をコードする遺伝子の発現レベルを検出する。
【0058】
本発明において膜タンパク質をコードする遺伝子の発現を検出するとは、膜タンパク質をコードする遺伝子の発現の有無を検出すること、膜タンパク質をコードする遺伝子の発現レベルの変化を検出すること、および膜タンパク質をコードする遺伝子の発現レベルを定量することのいずれも包含する。
【0059】
試料cDNAは、当技術分野で公知の方法によって調製できる。例えば、試料から単離された全RNAをRTプライマーおよび適当なバッファーを含む反応混合物中に添加する。プライマーアニーリングのためのインキュベート後、RTバッファー、dNTP、DTT、アミノアリルdUTP、RNaseインヒビターおよび逆転写酵素をさらに添加する。RNAの逆転写が完了するようにインキュベーション後、RT産物を反応性標識試薬と反応させる。別法では、プライマーを標識せずに、標識化dNTPをPCR反応混合物中でインキュベートしてもよい。PCR増幅は、従来の技術に従って、DNAサーマルサイクラー中で行うことができる。
【0060】
標識としては、核酸に取り込むことが可能なものであれば特に限定されないが、例えば、蛍光標識(Cy3およびCy5などのCyDye、FITC、RITC、ローダミン、テキサスレッド、TET、TAMRA、FAM、HEX、ROXなど)、放射能標識(α−32P、γ−32P、35Sなど)などが挙げられる。
【0061】
試料溶液は、溶液中の核酸濃度が通常0.01〜100μg、好ましくは1〜50μgとなるようにバッファーに溶解することによって調製する。この溶液を、上記で調製したプローブDNAが固定化された担体上に滴下し、インキュベーションを行うことによりハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーションは、公知の方法またはそれに準じる方法、例えば、Molecular Cloning 2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行うことができる。
【0062】
本発明の検出方法において、インキュベーションは、通常50〜70℃、好ましくは
55〜65℃で、通常1〜20時間、好ましくは5〜16時間で行う。最後に、担体を洗浄し、乾燥後、ハイブリダイズした核酸に由来する標識を読みとることによりハイブリダイゼーションを検出することができる。
【0063】
本発明のプローブDNA固定化担体は、試料由来の核酸とハイブリダイズさせた後、担体を洗浄することにより、一度ハイブリダイズした核酸を解離させることができ、さらに、再度核酸をハイブリダイズさせることができる。基板上にDNAと共有結合しうる官能基、ならびにダイヤモンド、軟ダイヤモンド、炭素系物質および炭化物から選ばれる少なくとも1種の表面層を有する固体支持体を担体として用いることにより、核酸の解離およびハイブリダイゼーション反応の再現性を向上させることができる。
【0064】
ハイブリダイズした核酸の解離は、通常、室温〜100℃、好ましくは90〜100℃、より好ましくは95〜100℃のナトリウム濃度が1〜15mMの溶液で、通常10〜60分、好ましくは10〜40分、より好ましくは30〜35分洗浄することにより実施できる。洗浄のための水性溶液としては、超純水、炭酸水素ナトリウム溶液、SSC溶液、PBS溶液等を使用することができる。本発明においては95〜100℃の超純水を用いて、10〜30分洗浄を実施するのが好ましい。
【実施例】
【0065】
(実施例1)プローブDNA固定化担体の作成
3mm角のシリコン基板にダイヤモンドライクカーボン層をコーティングし、アンモニアプラズマ処理によりアミノ基を導入し、カルボキシル基で修飾後、N−ヒドロキシスクシンイミドで活性エステル化し、プローブDNA固定化用の担体を作成した。この担体に、マイクロアレイ用スポッターSPBIO2000(日立ソフト)を使用して、5pmol/μLに調整した1015種の5’末端をアミノ化した60merのDNAをプローブDNAとしてスポットした。最終濃度20% PEG(ポリエチレングリコール)溶液にDNA断片を5μMの濃度で溶解し、スポッティング溶液とした。
【0066】
担体上に固定化した1015種のプローブDNAについて、以下の表1に示す。表1においてSEQ ID NO.と記載された列の番号が、配列表に示した各プローブDNAの配列番号に相当する。遺伝子名と記載した列は、その遺伝子がコードするタンパク質の一般的名称であり、遺伝子データベースに遺伝子配列と共に登録された名称、あるいはタンパク質配列データーベースにそのアミノ酸配列とともに登録されている名称である。一番右の「作成方法」と記載した列に示すA〜Dの記号は、プローブDNAの作成方法を示しており、各記号が示す意味は以下のとおりである。
【0067】
A:各膜タンパク質をコードする遺伝子における膜貫通領域をコードする領域からシトシンおよびグアニンの含有率が40〜60%の領域を選択して作成したもの
B:各膜タンパク質をコードする遺伝子における膜貫通領域をコードする領域およびその周辺の領域からシトシンおよびグアニンの含有率が40〜60%の領域を選択して作成したもの
C:各膜タンパク質をコードする遺伝子における膜貫通領域をコードする領域を、膜貫通領域予測プログラム(TMpred, (K. Hofmann & W. Stoffel (1993) Biol. Chem. Hoppe-Seyler 374, 166) )で検索し、得られた領域からシトシンおよびグアニンの含有率が40〜60%の領域を選択して作成したもの
D:各膜タンパク質におけるGPIアンカーが結合するアミノ酸を含む領域をコードする領域からシトシンおよびグアニンの含有率が40〜60%の領域を選択して作成したもの
p:ポシティブコントロール
また、これらプローブDNAにおけるCG含量を%で示す。
【0068】
【表1】












































【配列表フリーテキスト】
【0069】
配列番号1〜1015:合成オリゴヌクレオチド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜タンパク質をコードする遺伝子の部分領域であって、その塩基配列の5%以上が膜タンパク質における膜結合に必須の領域をコードする部分を含むエキソン中の配列からなり、かつシトシンおよびグアニンを合計で40〜60%の割合で含有する該部分領域を選択し、該部分領域からなるDNAまたは該部分領域に相補的な塩基配列からなるDNAを作成することを含む、膜タンパク質をコードする核酸に対するプローブDNAを作成する方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法によって作成されたプローブDNAと試料由来の核酸とをハイブリダイズさせることによって、膜タンパク質をコードする遺伝子の発現を検出する方法。
【請求項3】
膜タンパク質をコードする遺伝子の部分領域であって、その塩基配列の5%以上が膜タンパク質における膜結合に必須の領域をコードする部分を含むエキソン中の配列からなり、かつシトシンおよびグアニンを合計で40〜60%の割合で含有する該部分領域からなるDNA及び該部分領域に相補的な塩基配列からなるDNAから選択されるプローブDNAが固定化されてなる担体。
【請求項4】
以下の(a)〜(e)のDNAからなる群から選択されるプローブDNAが固定化されてなるプローブDNA固定化担体:
(a)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列からなるDNA
(b)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNA
(c)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列からなるDNAの一部を含む10〜5000塩基のDNA
(d)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAの一部を含む10〜5000塩基のDNA
(e)(a)〜(d)のDNAと相同性を有する塩基配列からなり、対応する膜タンパク質をコードする核酸と特異的にハイブリダイズするDNA。
【請求項5】
担体が、基板上にプローブDNAと共有結合しうる官能基、ならびにダイヤモンド、軟ダイヤモンド、炭素系物質および炭化物から選ばれる少なくとも1種の表面層を有する固体支持体である、請求項3または4記載のプローブDNA固定化担体。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか1項記載のプローブDNA固定化担体を用いて、膜タンパク質をコードする遺伝子の発現を検出する方法。
【請求項7】
以下の(a)〜(e)のDNAからなる群から選択されるプローブDNA:
(a)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列からなるDNA
(b)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNA
(c)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列からなるDNAの一部を含む10〜5000塩基のDNA
(d)配列番号1〜1015のいずれかで表される塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNAの一部を含む10〜5000塩基のDNA
(e)(a)〜(d)のDNAと相同性を有する塩基配列からなり、対応する膜タンパク質をコードする核酸と特異的にハイブリダイズするDNA。

【公開番号】特開2006−217821(P2006−217821A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−31888(P2005−31888)
【出願日】平成17年2月8日(2005.2.8)
【出願人】(390003193)東洋鋼鈑株式会社 (265)
【出願人】(504147243)国立大学法人 岡山大学 (444)
【Fターム(参考)】