説明

膨張性材料のコアにより強化された強化ノード構造部及び製品の成形方法

【課題】複雑化した3次元構造物を成形するための製造方法及びその方法に使用されるコア強化材を提供する。
【解決手段】複雑なノード構造部の複合材を成形するための装置及び方法は、CNC下で、前記構造部の各ノードを通るように、鋳型24の各チャネル内に該各チャネルに沿って、一定断面を有する強化材38を繰り返し敷く段階と、かつ前記鋳型を密閉する段階と、前記鋳型に樹脂を注入する段階と、前記樹脂を硬化させる段階と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材構造部を製造するための方法及びその方法に使用されるコア強化材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各ファイバを互いに接着しかつ所望形状の構成要素を製造するために、レイアッププロセス中あるいは該プロセス後に、所望の形状を有しかつ樹脂材料を導入する鋳型の第1部分に複数のファイバを積層することにより、複合材構造部を製造することは知られている。組立の際に、成形すべき構成要素の外部形状を定めるために使用される内側部分と外側部分とを有する鋳型を使用することも知られている。さらに、製造プロセス中に、樹脂がモールドキャビティ内に射出されかつ引き込まれる射出技術を使用することも知られている。この射出ステップにより、繊維状構造間への樹脂材料の注入が容易となり、かつモールドキャビティが満たされる。これにより、所望製品の最終形状が精確に定められる。
【0003】
上記プロセスは複合材構成要素の精確で適切な製造方法を提供するが、複雑な3次元構造物の製造に直ちに向いているとは言えない。さらに、強くて薄いコーナーと結合部を形成することは問題があるので、いくつかの構造部は望んだ以上に幾分かさ高になる可能性がある。
【0004】
車両フレームといった複雑かつマルチノードのフレーム構造を成形する際に、特殊な問題に直面する。従来技術を使用することは理論的には可能であるが、手作業によるレイアップ手順のコストは防止したいものである。さらに、再び車両フレームの文脈に立ち返ると、車両の少なくとも乗客担持部のためにフレームにより形成されるケージにおける衝突耐久性(crash resistance)と剛性は、各ノードでの各結合部の構成の点、及び結合力と強度を与えるためにノードを介して如何に強化が維持するかとの点で、非常に配慮と制御が必要である。
【0005】
さらに、強化としてのみのファイバの使用は、密な重量構造を導くであろう。強化材は無限長さの一定断面を有するカーボンファイバ結合されたフォームコアの形態をとることができ、よって、望むように鋳型に供給可能であることが、知られている。これにより、より望ましい重量/強度比が与えられる。しかしながら、樹脂で満たされた強化材間には、実質的なボイドが依然としてあり、望ましい重量対強度比は達成されないであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、複雑化した3次元構造物を成形することに向いている複合材構造部を製造するための方法及びその方法に使用されるコア強化材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本発明による複合材製品の製造方法は、膨張性材料からなるコアと該コアを囲む強度付与ファイバのエンベロープを有する少なくとも1つの所定長さの強化材を鋳型内に配置する段階と、前記鋳型を密閉する段階と、前記強化材内及び周囲のボイド空間を減少させるために、前記強化材の膨張を生じさせるように鋳型内の圧力を下げる段階と、前記強化材が前記鋳型内配置される段階で該強化材の周囲に供給されているか又は前記鋳型を密閉する前記段階の後で該鋳型内に導入されることによって前記強化材の周囲に沈積している樹脂を硬化させる段階と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様によるによるコア強化材は、複合材成形製品を形成するための一定断面を有する細長いコア強減圧下で膨張することができる独立気泡フォーム材料からなるコアを取り囲む強度付与ファイバのエンベロープを備えることを特徴とする。
【0009】
この場合、ファイバは、カーボンファイバとすることができる。
【0010】
強度付与ファイバのエンベロープは、編組構造を有する形態にすることができる。
【0011】
結果として得られる構造はセル構造になる(ここで、樹脂がファイバ又は(勿論)フォームコアよりも高密度になるので、硬化した樹脂が好適な質量対強度比を与えるような方法で強化ファイバを封じ込める)。
【0012】
強度付与ファイバエンベロープは、目的に適したあらゆる形態に形成可能である。特に編組構造が適している。このプロセスの膨張特性については、編組は対称である必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の方法及び装置により製造された車両下部構造の等角投影図である。
【図2】鋳型構造部の概念図である。
【図3A】開放位置における、鋳型構造の各セグメント間の1つの可能な結合装置を示した上面図である。
【図3B】開放位置における、鋳型構造の各セグメント間の1つの可能な結合装置を示した側面図である。
【図4A】密閉位置における、図3Aの装置を示した図である。
【図4B】密閉位置における、図3Bの装置を示した図である。
【図5】樹脂を鋳型構造の内部内に導入することによる封じ込め段階を示す図である。
【図6】複合構造内のノードを示した図である。
【図7】強化材を鋳型構造部内に敷き詰めるために適した装置の側面図である。
【図8】強化材を鋳型構造部内に敷き詰めるために適した装置の側面図である。
【図9】装置の供給ヘッドの正面図である。
【図10】装置の供給ヘッドの側面図である。
【図11】本発明による成形構造部の製造に含まれる段階を示す図である。
【図12】本発明による成形構造部の製造に含まれる段階を示す図である。
【図13】本発明による成形構造部の製造に含まれる段階を示す図である。
【図14】本発明による成形構造部の製造に含まれる段階を示す図である。
【図15】本発明による成形構造部の製造に含まれる段階を示す図である。
【図16】本発明による成形構造部の製造に含まれる段階を示す図である。
【図17】本発明による成形構造部の製造に含まれる段階を示す図である。
【図18】本発明による成形構造部の製造に含まれる段階を示す図である。
【図19】連続的載置段階を示しかつ鋳型を介して示した側断面図である。
【図20】連続的載置段階を示しかつ鋳型を介して示した側断面図である。
【図21】連続的載置段階を示しかつ鋳型を介して示した側断面図である。
【図22】注入及び硬化後の鋳型を介して示した側断面図である。
【図23】本プロセスにより形成された複合材の斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付の図面を参照して、以下、本発明を単に例示によってより特別に記載する。
【0015】
各図(特に図1)を概略的に参照すると、車両空間フレーム10といった複合材構造部は複雑でありかつ容易に製造できないことが理解されよう。前記構造部は、各ノード13で結合する複数のフレーム部材12を備え、かつ衝突小区分14といったサブアセンブリと、符号16で概略図示した後部強化部材といった構成要素とを有している。さらに、ヒンジ部材取付点、バンパ部材取付点又はサスペンション部材取付点といった特徴部は、前記構造部の他の各位置に形成されてもよい。
【0016】
フレーム構造部が一体製造される場合には、(図示した)折り畳み可能な内部鋳型パーツを使用する必要があるが、フレーム構造部が2つの鏡像パーツ内で製造される(すなわち、その中間平面に沿って分割される)場合には、従来の3次元鋳型を使用してもよい。後者の場合には、ジョイント上に更なる層を追加することで別々に作られた各半型を互いに結合することが容易に達成可能であり、かつ非常に満足のいくものである。
【0017】
図1の一体複合構造部を製造するために適したコラプシブル鋳型構造部の簡略化された形態が、図2に示されている。図2により、鋳型構造部は複数の連結された雌型鋳型セグメント24を備えており、各鋳型セグメントはチャネル部26を有し、該チャネル部内に以下で詳細に記載する組立プロセス中に強化材が配置されることが理解されよう。組立位置(erected position)では、各鋳型セグメント24は所望の構造物の形状を定めるように作用するが、第2の折り畳み位置(collapsed position)では、各鋳型セグメント24は成形された構造物の取り外しを可能とするように作用する。これらの位置間の動きを容易にするために、各セグメントは、圧縮空気又は他の適切な流体を入口部30を介して導入させることにより膨張する強化シリコーンゴムバッグ28により結合される(これにより、バッグが各セグメント24をそれらの組立位置(assembled position)へと膨張し動くことになる)。各鋳型セグメントの折り畳みは、空気又は他の液体をバッグから引き抜くことにより(単純に放出することにより、あるいは、積極的に引き抜くことにより)達成される。勿論、ここでの鋳型の形状(単純な卵形)は、フレーム10に対して必要とされる形状とは対応していない。これは、図示するためだけに与えたものである。
【0018】
図3及び図4をさらに詳しく参照すると、セグメント24は符号32で概略的に示したヒンジ手段により互いに結合される。特別な実施形態では、ヒンジ手段は、第1セグメント部24aに固定的に取り付けられた第1部分32aと隣接セグメント部24bに固定的に取り付けられた第2部分32bとを有する可撓性ウェブ部材を備えている。可撓性ウェブ部32は、その隣接するセグメントに対応させて各セグメント24を位置決めしているが、2つの位置間で動くように、各セグメントに対して充分な可撓性を提供している。単純化した構成では、ヒンジ手段が加圧バッグ28を構成する可撓性材料を備えてもよい。例えば、隣接する鋳型セグメント24a,24bの隣接するフランジ部38a,38bに形成された、テーパがつけられたピン34とそれに対応する孔36との形態の位置決め手段が、図3及び図4にも示されている。加圧手段28の操作により、図3及び図4の矢印F方向に加圧力が作用することを考慮して、ヒンジ結合された各セグメントが互いに連結関係になるように移動する。この力により、各セグメントが互いに密閉位置へとヒンジ結合しかつヒンジ結合の安全性が高められる。
【0019】
(一旦、組み立てられると)各セグメント24は、(以下で述べるように)複合材料が敷き詰められる鋳型構造部の形を定めるように作用する。
【0020】
図5を参照することで、密閉段階と射出段階とが説明される。図5により、鋳型の第2パーツ40が、敷き詰められた材料38を封じ込めるようになり、次いで、あらゆる適切な手段により所定位置に取り付けられることが理解されよう。図5は全体封じ込めタイプの装置を図示しているが、実際には敷き詰められた材料を有する部分を封じ込めることだけが必要であって、ゆえに、鋳型パーツ40は全体を封じ込める必要がない。治工具の迅速な組立を容易にするために、鋳型の第2部分(又は複数の第2部分)40を特定位置へと移動させ、かつ次の段階の間、前記位置に前記第2部分を保持する空気圧又はロボット作動システム(pneumatic or robotic actuation system)(図示せず)を使用してもよい。第2部分40を導入する作用は、好ましくは強化材を圧縮し、かつファイバ構造とファイバ構造物内のインサートを、次の注入段階の間、静止維持させることを確実にすることである。鋳型の第2部分40は、好ましくは、注入中に密閉の作用をしかつコンポーネントが一旦硬化したら開放するように、シリコーン層で被覆されている。出口部41を介して鋳型の内部に負圧を作用させることにより、貯蔵器42から鋳型の内部内に樹脂材料を引き込むことができ、かつ前記樹脂材料が樹脂入口部43を介して強化材のファイバのストランドに沿って通過するようになる。これにより、両部間を通過し、かつファイバを樹脂で被覆する。樹脂が鋳型構造それ自体の表面と接触するので、樹脂は完成した構造物の外側表面の形を定めるようにも作用する。負圧は密閉作業を著しく容易にしかつ鋳型プロセスに関する工具に対する負荷を減らすので、積極的な加圧状態下で樹脂射出段階の使用の間に、負圧段階を使用することが好ましい。絶対に必要というわけではないが、各セグメント24が鋳型の第2部分に対して封止することに結果として役に立つように、加圧手段28に対していくらか高い内圧を作用させてもよいことは理解されよう。
【0021】
一旦樹脂が射出されると、樹脂が高温で硬化し、かつ鋳型の第2部分40が取り外され、かつ符号10といった完成した空間フレームを抜き出すために加圧手段を収縮させる。鋳型/デブリが空間フレームから取り外され、かつ工具が洗浄されかつ再度使用するために調整される。勿論、フレームが各半型からなる鋳型内で製造される場合には、各鋳型チャネル26を耐久性剛性半型上に形成してもよい。
【0022】
次に図6を参照すると、各セクション44の形態で各インサートをそらせて導入することにより各ノード13を形成してもよく、これにより、所定長さを有する各強化材が一方のフレームパーツ12からノード13を連続的に通る他のパーツへと通るように、前記セクションにより形成されたコーナの周囲に強化材の一部がそらされることは、理解されよう。
【0023】
図7は、強化材を鋳型構造部上に敷き詰めるために適した装置を非常に簡略化した形態で説明している。装置60は、(より詳細に後述するように)2軸位置決めヘッド66上に取り付けられた強化材供給ヘッド64を有する支持フレーム62を備えている。ヘッド66は、2次元で移動するように、橋渡し部材68上に取り付けられかつ橋渡し部材68に沿って(矢印X)移動可能であり、かつ前記橋渡し部材はそれ自体フレーム62に沿って(矢印Y)移動可能である。供給ヘッド64を制御状態で移動させかつ鋳型構造部を回転させて、強化材をチャネルに沿ってチャネル上に配置することにより鋳型のチャネル26内に強化材を堆積させることが可能であるように、各セグメント24により形成された卵形鋳型構造部がフレーム62の長手軸線63を中心として回転するように取り付けられている。この図は、さらに、フレームの各ノード13における交差又は相互連結関係を説明しており、これにより、完成したフレームの剛性を増大させている。プログラム可能CNC70が、支持フレーム62と供給ヘッド64の移動を制御するように形成されている。
【0024】
各チャネル内への強化材の配置を達成するための鋳型及び供給ヘッドの移動の協調の制御は、特定のフレームに対してCNCにより通常プログラムされよう。すなわち、CNCはヘッドからの強化材の供給速度を決定し、不連続の所定長さを有する各強化材を配置する場合には、例えば、特に高い応力が予測されるノード又はゾーンを通るように、特定の鋳型が使用される。
【0025】
図8は、供給ヘッド64を有する第2の装置60’を示しており、強化材が前記ヘッドに担持されたロール65から前記ヘッドへと繰り出される(しかしながら、他の実施形態では、ロールを不動にしてもよく、又は独立して移動可能としてもよい)。前述したように、ヘッド64は、鋳型構造部上を長手方向又は横断方向へ移動することが可能である。ここで概して67が軸63上で回転するように取り付けられている。CNC70の制御下で、強化材が充満する又は若干過度に充満するまで、連続的にあるいは不連続の所定長さで、鋳型構造の各溝に沿って強化材を敷くことが可能である。
【0026】
図7及び図8の両図が、完全回転可能鋳型構造部を扱っている。しかしながら、鋳型構造部はCNC下で矢印X及び矢印Yと直交するZ軸方向に追加的に移動するように形成された供給ヘッドを有しかつ静止していてもよいこと、及び/又は部分的に(往復)回転してもよいことは明らかである。これは、通常、装置及びプロセスにより形成されるべきフレームがコラプシブル鋳型構造部を必要としないような場合であろう。
【0027】
図9及び図10が供給ヘッド64を示している。ロール65又は他のソースから強化材38が、各ガイドウイング47を有するノズル46を介して、必要とされる速度で被駆動供給ローラ45により繰り出される。ノズルから出てくる強化材は、加圧ローラ28により、チャネル26の基部へ又は強化材の以前の層上に押圧される。カッター49(各供給ローラ45と同様にCNC制御下にある)は、不連続の所定長さを有する各強化材に切断するように作動可能である。
【0028】
強化材38は、中央コア52を取り囲むカーボンファイバフィラメント50を備え、かつ前記中央コアは、好適な装置において、フォーム材(foam material)といった圧縮可能コアを備える。後述するように、図19〜図23に関して、特に好適な装置における強化材は、膨張性独立気泡フォームコアを有している。しかしながら、有利になるように可撓性又は圧縮不可能コアを使用してもよいことは理解されよう。カーボンファイバカバー50上又は内に、粉体化可融性バインダを有している。図11〜図18を参照して記載するように、鋳型を密閉しかつ注入した状態で、新たに付与された層を所定位置に付加するために、パルス赤外線ヒータ(pulsed infrared heater)53が強化材の以前の層表面でバインダを溶融させる。強化材の大半が連続的に巻回される一方で、任意の位置の強度を増大させるために前記局所エリアが追加の複合材料を具備するように、巻回プロセスを止めかつ鋳型構造部の任意の位置で再開してもよいことは理解されよう。不連続の所定長さを有する各強化材を堆積させることに加えて、強化材を供給する際に、織物、フォーム、及び金属製インサート(fabric, foam and metal insert)を巻回構造内に組み込むことは可能である(しかしながら、巻回が完了したときに、インサートを付加してもよい)。このような付加は、構造部が使用中に大きな又は局所的な荷重に耐えかつ/又は基礎鋳型構造部に取り付けられねばならない構成要素に対して各取付点を提供することを可能とするように作用する。図11〜図18に示したように、鋳型構造部は供給ヘッド64からの供給原料により満たされる(ここでは、1回通過で複数の強化材を供給するように示している)一方で、同時に、任意の追加のインサートを導入している。次に、鋳型が第2鋳型パーツ40’により密閉された場合(図15,図16)に、強化材が圧縮されるように、鋳型が少量だけ過剰に充填される(図14)。次に各ボイドに注入されるように、樹脂が好ましくは負圧注入により供給され(図17)かつ硬化される。各鋳型パーツ24,40’が取り外されて、形成されたフレーム部材12が残される。
【0029】
図19は、鋳型パーツ102のチャネル101が、一定の断面を有する強化材104の連続層を(図9,図10に関して上述した供給ヘッドといった)供給ヘッド103により載置されていることを示している。ここでの強化材は矩形断面として示している。これは概略図であって、通常、強化材は、断面円形又は卵形であって、強度付与ファイバのエンベロープにより包まれた比較的柔軟で膨張可能な独立気泡セルプラスチック材料フォームコアを有しているであろう。カーボンファイバがこのようなファイバに特に適しており、かつカーボンファイバをコアの周囲に編組状態に配置してもよい。
【0030】
チャネルが充分に満たされるまで強化材が供給され、次に、図20に見られるように、鋳型の第2パーツ105が強化材上に配置決めされ、かつ強化材と密閉される。図21では、樹脂を鋳型内に引き込むために、減圧を鋳型に作用させている。樹脂は、独立気泡セルフォームコアを浸透することができず、その代わりに、種々の長さを有する各強化材の各ファイバカバーにより形成された各チャネルに沿って引き込まれる。同時に、減圧により、各強化材間のボイドを実質的に又はより全体的に除去するように、各フォームコアの膨張が生じ、樹脂が注入された強化ファイバの各壁部の比較的薄いネットワーク又はハニカム106が残る。これは概略的に図22に示しており、図22において樹脂の存在は厚いハニカムライン107により示している。(高温での)硬化のプロセス中に、強化材のフォームコアを部分的に又はさらに完全に破壊し又は溶融してもよいが、これは重要なことではない。残されたものは、図23に見られるように、非常に満足のいく強度対重量比のハニカム剛性壁部とされた完全梁構造部108である。フォームが破壊された箇所の各ボイドは、符号109といった暗エリアに見られる。
【0031】
この構成及びこのタイプの強化材は、図1〜図18に関して上述したように、複雑なノード構造で使用可能である。ここで、強化材は、結合部の形成を必要としない一体構造部を形成するために、各ノードを通っている。
【符号の説明】
【0032】
24 鋳型
26 チャネル
38 強化材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合材成形製品を形成するための一定断面を有する細長いコア強減圧下で膨張することができる独立気泡フォーム材料からなるコアを取り囲む強度付与ファイバのエンベロープを備えることを特徴とするコア強化材。
【請求項2】
前記ファイバは、カーボンファイバであることを特徴とする請求項1に記載のコア強化材。
【請求項3】
前記強度付与ファイバの前記エンベロープは編組構造を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のコア強化材。
【請求項4】
膨張性材料からなるコアと該コアを囲む強度付与ファイバのエンベロープを有する少なくとも1つの所定長さの強化材を鋳型内に配置する段階と、前記鋳型を密閉する段階と、前記強化材内及び周囲のボイド空間を減少させるために、前記強化材の膨張を生じさせるように鋳型内の圧力を下げる段階と、前記強化材が前記鋳型内に配置される段階で該強化材の周囲に供給されているか又は前記鋳型を密閉する前記段階の後で該鋳型内に導入されることによって前記強化材の周囲に沈積している樹脂を硬化させる段階と、を備えることを特徴とする複合材製品の成形方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2011−173425(P2011−173425A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85297(P2011−85297)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【分割の表示】特願2001−518248(P2001−518248)の分割
【原出願日】平成12年8月24日(2000.8.24)
【出願人】(502069019)コアテックス・ストラクチャーズ・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】