説明

自動ドアシステム

【課題】 ドアを全開動作時より小さく開く部分開動作を実行している場合に、ドアへの通行者の衝突の物理的な防止を従来より確実に実行することができる自動ドアシステムを提供する。
【解決手段】 自動ドアシステムは、ドアと、ドアを全部開く全開動作、および、ドアを全開動作時より小さく開く半開動作を実行するドアコントローラーと、ドアが開いて生じる出入口を通行する通行者がドアに衝突することを防止する可動防護柵と、可動防護柵の位置を制御する可動柵コントローラーとを備えており、可動柵コントローラーは、ドアコントローラーが半開動作を実行する場合に、ドアの所定の部分に通行者が衝突することを防止する位置に可動防護柵を移動させ(S146)、前記所定の部分は、半開動作において完全に開いたドアのうち、全開動作においてドアが完全に開いた時にドアが存在しない位置に存在する部分であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアを全部開く全開動作と、ドアを全開動作時より小さく開く部分開動作とを実行する自動ドアシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動ドアシステムにおいてドアが開いて開口が生じている場合、開口を介して建物の内部の空気が建物の外部に流出したり、開口を介して建物の外部の空気が建物の内部に流入したりする。建物の内部の空気が建物の外部に流出したり、建物の外部の空気が建物の内部に流入したりすることは、冷暖房などの空調の効率を下げることになる。したがって、ドアを全開動作時より小さく開くことによって空調の効率を向上して省エネルギーを図った自動ドアシステムが開発されている。
【0003】
従来、ドアを全部開く全開動作と、ドアを全開動作時より小さく開く部分開動作とを実行する自動ドアシステムとして、自動ドアの監視システムが知られている(特許文献1参照。)。この監視システムは、複数台の自動ドアユニットと、複数台の自動ドアユニットにネットワークを介して接続された拠点コンピュータとを備えている。拠点コンピュータは、自動ドアユニットのドアに半開位置で開閉動作(半開動作)をさせる信号を出力する「半開」入力部を含む監視画面を表示する。半開動作の設定作業を行う者は、拠点コンピュータに表示された監視画面の「半開」入力部のチェックマークの状態を確認することによって、自動ドアユニットが半開動作をしているか否かを認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−316283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された監視システムにおいては、半開動作をしているか否かを、半開動作の設定作業を行う者には認識させることができるが、ドアが開いて生じる開口を通行する通行者には認識させることができない。
【0006】
通行者は、通常、ドアが全部開くことを予め想定して、ドアが開いて生じる開口を通行する。したがって、自動ドアシステムがドアを全開動作時より小さく開く部分開動作を実行している場合、ドアが完全に開いて生じた開口は、通行者が予め想定していた開口より小さい。そのため、自動ドアシステムが部分開動作を実行している場合、通行者は、完全に開いたドアのうち、全開動作においてドアが完全に開いた時にドアが存在しない位置に存在する部分に衝突する可能性がある。
【0007】
したがって、従来の自動ドアシステムの中には、部分開動作を実行する場合に、完全に開いたドアのうち、全開動作においてドアが完全に開いた時にドアが存在しない位置に存在する部分に通行者が衝突することを物理的に防止するための障害物の設置を管理者に行わせるように運用されている自動ドアシステムも存在している。しかしながら、この設置の作業は、管理者によって忘れられることがある。
【0008】
そこで、本発明は、ドアを全開動作時より小さく開く部分開動作を実行している場合に、ドアへの通行者の衝突の物理的な防止を従来より確実に実行することができる自動ドアシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の自動ドアシステムは、ドアと、前記ドアを全部開く全開動作、および、前記ドアを前記全開動作時より小さく開く部分開動作を実行するドア制御部と、前記ドアが開いて生じる開口を通行する通行者が前記ドアに衝突することを防止する衝突防止部材と、前記衝突防止部材の位置を制御する部材制御部とを備えており、前記部材制御部は、前記ドア制御部が前記部分開動作を実行する場合に、前記ドアの所定の部分に前記通行者が衝突することを防止する位置に前記衝突防止部材を移動させ、前記所定の部分は、前記部分開動作において完全に開いた前記ドアのうち、前記全開動作において前記ドアが完全に開いた時に前記ドアが存在しない位置に存在する部分であることを特徴とする。
【0010】
この構成により、本発明の自動ドアシステムは、ドアを全開動作時より小さく開く部分開動作を実行する場合に、完全に開いたドアのうち、全開動作においてドアが完全に開いた時にドアが存在しない位置に存在する部分に、通行者が衝突することを防止する位置に、衝突防止部材を自動的に移動させる。したがって、本発明の自動ドアシステムは、部分開動作を実行している場合に、ドアへの通行者の衝突の物理的な防止を従来より確実に実行することができる。
【0011】
また、本発明の自動ドアシステムの前記ドア制御部は、前記全開動作および前記部分開動作を自動的に切り替えても良い。
【0012】
この構成の場合、本発明の自動ドアシステムは、全開動作および部分開動作を利用者に切り替えさせる手間を省くことができるが、利用者の指示に応じて全開動作および部分開動作を切り替える構成と異なり、全開動作および部分開動作の切り替えのタイミングを利用者に予め認識させることが困難である。しかしながら、本発明の自動ドアシステムは、部分開動作を実行する場合に衝突防止部材を自動的に移動させるので、全開動作および部分開動作の切り替えのタイミングを利用者に認識させる必要がそもそもない。すなわち、本発明の自動ドアシステムは、利用者の指示に応じて全開動作および部分開動作を切り替える構成と比較して、部分開動作を実行する場合に衝突防止部材を自動的に移動させることの有用性が高い。
【0013】
また、本発明の自動ドアシステムは、前記部分開動作が実行されている場合の前記衝突防止部材の前記開口側の端に配置されて前記端を光の出力によって示す部材開口端光出力部を備えており、前記部材開口端光出力部は、前記ドア制御部が前記部分開動作を実行している場合に光を出力しても良い。
【0014】
この構成により、本発明の自動ドアシステムは、部材開口端光出力部の光の出力によって衝突防止部材の存在を強調するので、部分開動作を実行する場合に、ドアに通行者が衝突することを更に確実に防止することができる。
【0015】
また、本発明の自動ドアシステムの前記部材制御部は、前記ドア制御部が前記全開動作を実行する場合に、前記開口への前記通行者の進路を形成する位置に前記衝突防止部材を移動させても良い。
【0016】
この構成により、本発明の自動ドアシステムは、開口への通行者の進路を形成する部材を別途備えている場合と比較して、部品点数を抑えることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の自動ドアシステムは、ドアを全開動作時より小さく開く部分開動作を実行している場合に、ドアへの通行者の衝突の物理的な防止を従来より確実に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ドアが完全に閉まっている状態での本発明の一実施の形態に係る自動ドアシステムの外観斜視図である。
【図2】ドアが全部開いている状態での図1に示す自動ドアシステムの外観斜視図である。
【図3】ドアが半分開いている状態での図1に示す自動ドアシステムの外観斜視図である。
【図4】図1に示す自動ドアシステムのブロック図である。
【図5】図1に示す自動ドアシステムの上面断面図である。
【図6】(a)は、ドアが完全に閉まっている状態での図1に示す自動ドアシステムの一部を拡大した正面図である。(b)は、ドアが全部開いている状態での図1に示す自動ドアシステムの一部を拡大した正面図である。
【図7】全開動作および半開動作を自動的に切り替える場合の図4に示すドアコントローラーの動作のフローチャートである。
【図8】図7に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【図9】図7および図8に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【図10】図4に示す通知コントローラーの動作のフローチャートである。
【図11】図4に示す可動柵コントローラーの動作のフローチャートである。
【図12】可動防護柵の状態が図2に示す状態とは異なる場合のドアが全部開いている状態での図1に示す自動ドアシステムの外観斜視図である。
【図13】(a)衝突防止部材が図1に示す可動防護柵とは異なる場合のドアが全部開いている状態での本発明の第1の実施の形態に係る自動ドアシステムの上面断面図である。(b)ドアが半分開いている状態での図13(a)に示す自動ドアシステムの上面断面図である。
【図14】全開動作および半開動作のうち全開動作のみを実行する場合の図4に示すドアコントローラーの動作のフローチャートである。
【図15】全開動作および半開動作のうち半開動作のみを実行する場合の図4に示すドアコントローラーの動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0020】
まず、本実施の形態に係る自動ドアシステムの構成について説明する。
【0021】
図1は、ドア21が完全に閉まっている状態での本実施の形態に係る自動ドアシステム10の外観斜視図である。図2は、ドア21が全部開いている状態、すなわち、全開状態での自動ドアシステム10の外観斜視図である。図3は、ドア21が半分開いている状態、すなわち、半開状態での自動ドアシステム10の外観斜視図である。
【0022】
図1〜図3に示すように、自動ドアシステム10は、2枚のドア21と、ドア21に隣接して建物に固定された壁部である2枚のフィックス22と、ドア21およびフィックス22の上部に配置されて建物に固定された箱体である無目23と、利用者がドア21に衝突することを防止する固定防護柵24と、ドア21が開いたときに生じる開口である出入口10aを通行する通行者がドア21に衝突することを防止する衝突防止部材としての可動防護柵25と、ドア21が配置されている床90に固定されていて可動防護柵25を支持する柵支持部材26と、ドア21に配置されたドア警告灯27と、可動防護柵25に配置された可動柵警告灯28と、床90に配置された床警告灯29と、無目23に配置されたスピーカー30とを備えている。自動ドアシステム10は、図2に示すようにドア21を全部開く全開動作と、図3に示すようにドア21を全開動作時より小さく開く部分開動作としてドア21を全開動作時の半分程度開く半開動作とを実行する。
【0023】
ドア21は、上側のフレームである上フレーム21aと、下側のフレームである下フレーム21bと、ドア21が開いたときに生じる出入口10a側、すなわち、戸先側で上下に延在しているフレームである戸先側縦フレーム21cと、ドア21が開いたときに生じる出入口10a側とは反対側、すなわち、戸尻側で上下に延在しているフレームである戸尻側縦フレーム21dと、上フレーム21a、下フレーム21b、戸先側縦フレーム21cおよび戸尻側縦フレーム21dによって囲まれたガラス21eとを備えている。
【0024】
フィックス22の構成は、ドア21の構成と同様である。
【0025】
固定防護柵24は、床90に固定されている。固定防護柵24は、ドア21が移動しているときにドア21の戸尻側の部分に利用者が衝突することを防止するものである。
【0026】
可動防護柵25は、柵支持部材26の軸を中心として回転することができるように柵支持部材26に支持されている。可動防護柵25は、回転することによって、図1に示す状態と、図2に示す状態との何れかの状態に切り替わることができる。可動防護柵25は、自動ドアシステム10の正面側および背面側にそれぞれ配置されている。
【0027】
ドア警告灯27は、ドア21の戸先側の端に配置されていて、ドア21の戸先側の端を光の出力によって示すようになっている。ドア警告灯27は、例えば、複数のLED(Light Emitting Diode)の列によって構成されていても良いし、LEDの光を導光板によって面で発するように構成されていても良いし、EL(Electroluminescence)シートによって構成されていても良い。
【0028】
可動柵警告灯28は、半開動作が実行されている場合の可動防護柵25の出入口10a側の端に配置されていて、可動防護柵25の出入口10a側の端を光の出力によって示すようになっており、本発明の部材開口端光出力部を構成している。可動柵警告灯28は、例えば、複数のLEDの列によって構成されていても良いし、LEDの光を導光板によって面で発するように構成されていても良いし、ELシートによって構成されていても良い。
【0029】
床警告灯29は、半開動作時の出入口10aの最大の幅を光の出力によって示すようになっている。床警告灯29は、例えば、複数のLEDの列によって構成されていても良いし、LEDの光を導光板によって面で発するように構成されていても良いし、ELシートによって構成されていても良い。
【0030】
スピーカー30は、自動ドアシステム10の正面側および背面側にそれぞれ配置されている。
【0031】
図4は、自動ドアシステム10のブロック図である。
【0032】
図4に示すように、自動ドアシステム10は、ドア21の位置を制御するドア制御部としてのドアコントローラー41と、ドアコントローラー41からの指令に応じてドア21を開閉のために移動させるドア駆動部42と、ドアコントローラー41に対する利用者からの指示を受け付けるボタンなどの操作部43と、ドア21の周辺の物体の存在を検知する起動センサー44と、時間を計測する時計45と、半開動作の実行中であることの通知(以下「半開動作通知」という。)をドア警告灯27、可動柵警告灯28、床警告灯29およびスピーカー30によって実行させる通知コントローラー46と、可動防護柵25の位置を制御する可動柵コントローラー47と、可動柵コントローラー47からの指令に応じて可動防護柵25を移動させる可動柵駆動部48とを備えている。
【0033】
ドアコントローラー41は、図示していないCPU(Central Processing Unit)と、各種のプログラムや各種のデータを予め記憶している図示していないROM(Read Only Memory)と、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶する作業領域として用いられる図示していないRAM(Random Access Memory)とを備えている。ドアコントローラー41は、例えば無目23に収納されている。
【0034】
ドア駆動部42は、ドア21の移動を案内する図示していないレールや、ドア21を移動させる力を発生する図示していないモータなどを備えている。ドア駆動部42は、無目23に収納されている。
【0035】
操作部43は、例えば無目23に収納されている。
【0036】
起動センサー44は、物体の存在を検知した場合に、物体の存在を検知したことを示す信号である物体検知信号を生成し、生成した物体検知信号をドアコントローラー41に入力する。起動センサー44は、例えば無目23に固定されている。
【0037】
時計45は、例えば無目23に収納されている。
【0038】
通知コントローラー46は、図示していないCPUと、各種のプログラムや各種のデータを予め記憶している図示していないROMと、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶する作業領域として用いられる図示していないRAMとを備えている。通知コントローラー46は、例えば無目23に収納されている。
【0039】
通知コントローラー46は、ドアコントローラー41が半開動作を実行している場合に、ドア警告灯27、可動柵警告灯28および床警告灯29による光の出力によって半開動作通知を実行するようになっている。また、通知コントローラー46は、ドアコントローラー41が半開動作を実行している場合に、スピーカー30による音の出力によって半開動作通知を実行するようになっている。
【0040】
可動柵コントローラー47は、図示していないCPUと、各種のプログラムや各種のデータを予め記憶している図示していないROMと、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶する作業領域として用いられる図示していないRAMとを備えている。可動柵コントローラー47は、例えば無目23に収納されている。
【0041】
可動柵コントローラー47は、ドアコントローラー41が半開動作を実行する場合に、ドア21の所定の部分、すなわち、図3に示すように半開動作において完全に開いたドア21のうち、図2に示すように全開動作においてドア21が完全に開いた時にドア21が存在しない位置に存在する部分(以下「半開時突出部分」という。)に、通行者が衝突することを防止する位置に、可動防護柵25を移動させるようになっており、本発明の部材制御部を構成している。
【0042】
可動柵駆動部48は、可動防護柵25を移動させる力を発生する図示していないモータなどを備えている。可動柵駆動部48は、柵支持部材26に収納されている。
【0043】
図5は、自動ドアシステム10の上面断面図である。
【0044】
図5に示すように、起動センサー44が物体の存在を検知する範囲は、ドア21が半開状態である場合の出入口10a(図3参照。)を通行する物体の存在を検知する範囲である中央範囲44aと、ドア21が全開状態である場合の出入口10a(図2参照。)を通行する物体の存在を検知する範囲のうち中央範囲44a以外の範囲である端範囲44bとに分かれている。起動センサー44は、中央範囲44aにおける物体の検知と、端範囲44bにおける物体の検知とを区別することができる。
【0045】
起動センサー44は、中央範囲44aにおける物体の検知と、端範囲44bにおける物体の検知とを区別する構成として、様々な構成を採用することができる。例えば、起動センサー44は、中央範囲44aにおける物体の検知するセンサーと、端範囲44bにおける物体の検知するセンサーとを別々に備えることによって、中央範囲44aにおける物体の検知と、端範囲44bにおける物体の検知とを区別することができる。また、起動センサー44は、中央範囲44aおよび端範囲44bを含む範囲を撮影するCCD(Charge Coupled Device)などの画像センサーと、画像センサーによって撮影された画像を解析する解析装置とを備えることによって、中央範囲44aにおける物体の検知と、端範囲44bにおける物体の検知とを区別することができる。
【0046】
図6(a)は、ドア21が完全に閉まっている状態での本実施の形態に係る自動ドアシステム10の一部を拡大した正面図である。図6(b)は、ドア21が全部開いている状態での自動ドアシステム10の一部を拡大した正面図である。
【0047】
図6に示すように、通知コントローラー46は、無目23内に収納されている電線40aを介してドア警告灯27に電力を供給している。電線40aは、通知コントローラー46が無目23内の所定の位置に固定されているため、ドア21の移動に伴って図6に示すように移動する。したがって、電線40aは、移動による接触不良や断線などの不具合を防止するために、例えば、株式会社ツーデン製のアールリボンや、株式会社ハギテック製のエナジーチェーンなどのガイド機構が備わっていることが好ましい。
【0048】
次に、自動ドアシステム10の動作について説明する。
【0049】
図7は、全開動作および半開動作を自動的に切り替える場合のドアコントローラー41の動作のフローチャートである。図8は、図7に示すフローチャートの続きのフローチャートである。図9は、図7および図8に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【0050】
図7〜図9に示すように、ドアコントローラー41は、起動センサー44が物体の存在を検知していると判断するまで、起動センサー44が物体の存在を検知しているか否かを起動センサー44からの物体検知信号に基づいて判断する(S61)。
【0051】
ドアコントローラー41は、起動センサー44が物体の存在を検知しているとS61において判断すると、起動センサー44が中央範囲44aにおける物体の存在のみを検知したか否かをS61において判断に使用した物体検知信号に基づいて判断する(S62)。
【0052】
ドアコントローラー41は、起動センサー44が中央範囲44aにおける物体の存在のみを検知したとS62において判断すると、ドア21の半開動作をドア駆動部42に開始させる(S63)。ここで、ドアコントローラー41は、ドア21の半開動作を開始したことを示す信号を通知コントローラー46に送信する。
【0053】
次いで、ドアコントローラー41は、起動センサー44が物体の存在を検知しているか否かを起動センサー44からの物体検知信号に基づいて判断する(S64)。
【0054】
ドアコントローラー41は、起動センサー44が物体の存在を検知しているとS64において判断すると、起動センサー44が中央範囲44aにおける物体の存在のみを検知したか否かをS64において判断に使用した物体検知信号に基づいて判断する(S65)。
【0055】
ドアコントローラー41は、起動センサー44が中央範囲44a以外の範囲、すなわち、端範囲44bにおける物体の存在を検知したとS65において判断すると、ドア駆動部42に半開動作を終了させる(S66)。
【0056】
ドアコントローラー41は、起動センサー44が物体の存在を検知していないとS64において判断するか、起動センサー44が中央範囲44aにおける物体の存在のみを検知したとS65において判断すると、ドア21が半開状態であるか否かを判断する(S67)。ここで、ドアコントローラー41は、ドア駆動部42に対する指示の内容と、その指示の時間とに基づいてドア21の位置を判断することができるので、自ら判断したドア21の位置に基づいて、ドア21が半開状態であるか否かを判断することができる。
【0057】
ドアコントローラー41は、ドア21が半開状態ではないとS67において判断すると、再びS64の処理に戻る。
【0058】
一方、ドアコントローラー41は、ドア21が半開状態であるとS67において判断すると、ドア駆動部42に半開動作を終了させる(S68)。
【0059】
次いで、ドアコントローラー41は、時計45を利用した時間の計測を開始する(S81)。
【0060】
次いで、ドアコントローラー41は、起動センサー44が物体の存在を検知しているか否かを起動センサー44からの物体検知信号に基づいて判断する(S82)。
【0061】
ドアコントローラー41は、起動センサー44が物体の存在を検知しているとS82において判断すると、時計45を利用した時間の計測を終了する(S83)。
【0062】
次いで、ドアコントローラー41は、起動センサー44が中央範囲44aにおける物体の存在のみを検知したか否かをS82において判断に使用した物体検知信号に基づいて判断する(S84)。
【0063】
ドアコントローラー41は、起動センサー44が中央範囲44aにおける物体の存在のみを検知したとS84において判断すると、再びS81の処理に戻る。
【0064】
ドアコントローラー41は、起動センサー44が物体の存在を検知していないとS82において判断すると、S81において計測を開始した時間が所定の時間に達したか否かを判断する(S85)。
【0065】
ドアコントローラー41は、S81において計測を開始した時間が所定の時間に達していないとS85において判断すると、再びS82の処理に戻る。
【0066】
一方、ドアコントローラー41は、S81において計測を開始した時間が所定の時間に達したとS85において判断すると、時計45を利用した時間の計測を終了する(S86)。
【0067】
次いで、ドアコントローラー41は、ドア21を閉じる動作(以下、「閉動作」という。)を半開状態からドア駆動部42に開始させる(S87)。ここで、ドアコントローラー41は、半開状態からのドア21の閉動作を開始したことを示す信号を通知コントローラー46に送信する。
【0068】
次いで、ドアコントローラー41は、起動センサー44が物体の存在を検知しているか否かを起動センサー44からの物体検知信号に基づいて判断する(S88)。
【0069】
ドアコントローラー41は、起動センサー44が物体の存在を検知していないとS88において判断すると、ドア21が完全に閉じたか否かを判断する(S89)。ここで、ドアコントローラー41は、ドア駆動部42に対する指示の内容と、その指示の時間とに基づいてドア21の位置を判断することができるので、自ら判断したドア21の位置に基づいて、ドア21が完全に閉じたか否かを判断することができる。
【0070】
ドアコントローラー41は、ドア21が完全に閉じていないとS89において判断すると、再びS88の処理に戻る。
【0071】
一方、ドアコントローラー41は、ドア21が完全に閉じたとS89において判断すると、ドア駆動部42に閉動作を終了させて(S90)、再びS61の処理に戻る。
【0072】
ドアコントローラー41は、起動センサー44が物体の存在を検知しているとS88において判断すると、ドア駆動部42に閉動作を終了させる(S91)。
【0073】
次いで、ドアコントローラー41は、起動センサー44が中央範囲44aにおける物体の存在のみを検知したか否かをS88において判断に使用した物体検知信号に基づいて判断する(S92)。
【0074】
ドアコントローラー41は、起動センサー44が中央範囲44aにおける物体の存在のみを検知したとS92において判断すると、再びS63の処理に戻る。
【0075】
ドアコントローラー41は、起動センサー44が中央範囲44a以外の範囲、すなわち、端範囲44bにおける物体の存在を検知したとS62、S84またはS92において判断するか、S66の処理を終了すると、ドア21の全開動作をドア駆動部42に開始させる(S101)。ここで、ドアコントローラー41は、ドア21の全開動作を開始したことを示す信号を通知コントローラー46および可動柵コントローラー47に送信する。
【0076】
次いで、ドアコントローラー41は、ドア21が全開状態であると判断するまで、ドア21が全開状態であるか否かを判断する(S102)。ここで、ドアコントローラー41は、ドア駆動部42に対する指示の内容と、その指示の時間とに基づいてドア21の位置を判断することができるので、自ら判断したドア21の位置に基づいて、ドア21が全開状態であるか否かを判断することができる。
【0077】
ドアコントローラー41は、ドア21が全開状態であるとS102において判断すると、ドア駆動部42に全開動作を終了させる(S103)。
【0078】
次いで、ドアコントローラー41は、時計45を利用した時間の計測を開始する(S104)。
【0079】
次いで、ドアコントローラー41は、起動センサー44が物体の存在を検知しているか否かを起動センサー44からの物体検知信号に基づいて判断する(S105)。
【0080】
ドアコントローラー41は、起動センサー44が物体の存在を検知しているとS105において判断すると、時計45を利用した時間の計測を終了して(S106)、再びS104の処理に戻る。
【0081】
ドアコントローラー41は、起動センサー44が物体の存在を検知していないとS105において判断すると、S104において計測を開始した時間が所定の時間に達したか否かを判断する(S107)。
【0082】
ドアコントローラー41は、S104において計測を開始した時間が所定の時間に達していないとS107において判断すると、再びS105の処理に戻る。
【0083】
一方、ドアコントローラー41は、S104において計測を開始した時間が所定の時間に達したとS107において判断すると、時計45を利用した時間の計測を終了する(S108)。
【0084】
次いで、ドアコントローラー41は、全開状態からのドア21の閉動作をドア駆動部42に開始させる(S109)。ここで、ドアコントローラー41は、全開状態からのドア21の閉動作を開始したことを示す信号を可動柵コントローラー47に送信する。
【0085】
次いで、ドアコントローラー41は、起動センサー44が物体の存在を検知しているか否かを起動センサー44からの物体検知信号に基づいて判断する(S110)。
【0086】
ドアコントローラー41は、起動センサー44が物体の存在を検知していないとS110において判断すると、ドア21が完全に閉じたか否かを判断する(S111)。ここで、ドアコントローラー41は、ドア駆動部42に対する指示の内容と、その指示の時間とに基づいてドア21の位置を判断することができるので、自ら判断したドア21の位置に基づいて、ドア21が完全に閉じたか否かを判断することができる。
【0087】
ドアコントローラー41は、ドア21が完全に閉じていないとS111において判断すると、再びS110の処理に戻る。
【0088】
一方、ドアコントローラー41は、ドア21が完全に閉じたとS111において判断すると、ドア駆動部42に閉動作を終了させて(S112)、再びS61の処理に戻る。
【0089】
ドアコントローラー41は、起動センサー44が物体の存在を検知しているとS110において判断すると、ドア駆動部42に閉動作を終了させる(S113)。ここで、ドアコントローラー41は、ドア21の閉動作が途中で終了したことを示す信号を可動柵コントローラー47に送信する。
【0090】
ドアコントローラー41は、S113の処理の後、再びS101の処理に戻る。
【0091】
以上に説明したように、ドアコントローラー41は、ドア21が完全に閉じている状態から起動センサー44によって中央範囲44aにおける物体の存在のみを検知した場合、半開動作を実行し、起動センサー44によって一度でも端範囲44bにおける物体の存在を検知した場合、全開動作を実行する。
【0092】
図10は、通知コントローラー46の動作のフローチャートである。
【0093】
図10に示すように、通知コントローラー46は、ドア21の半開動作が開始したと判断するまで、ドア21の半開動作が開始したか否かを判断する(S121)。ここで、通知コントローラー46は、S63においてドアコントローラー41から送信される信号を受信した場合に、ドア21の半開動作が開始したと判断する。一方、通知コントローラー46は、S63においてドアコントローラー41から送信される信号を受信しなかった場合に、ドア21の半開動作が開始していないと判断する。
【0094】
通知コントローラー46は、ドア21の半開動作が開始したとS121において判断すると、ドア警告灯27、可動柵警告灯28、床警告灯29およびスピーカー30による半開動作通知を開始する(S122)。具体的には、通知コントローラー46は、ドア警告灯27、可動柵警告灯28および床警告灯29を点灯または点滅させることによって、半開動作通知を実行する。また、通知コントローラー46は、予めROMなどの記憶部に記憶されている音をスピーカー30から出力させることによって、半開動作通知を実行する。ここで、スピーカー30から出力させる音は、例えば、「開口幅が小さくなっていますので、ご注意ください。」などの音声によるメッセージである。
【0095】
次いで、通知コントローラー46は、半開状態からのドア21の閉動作が開始したか否かを判断する(S123)。ここで、通知コントローラー46は、S87においてドアコントローラー41から送信される信号を受信した場合に、半開状態からのドア21の閉動作が開始したと判断する。一方、通知コントローラー46は、S87においてドアコントローラー41から送信される信号を受信しなかった場合に、半開状態からのドア21の閉動作が開始していないと判断する。
【0096】
通知コントローラー46は、半開状態からのドア21の閉動作が開始していないとS123において判断すると、ドア21の全開動作が開始したか否かを判断する(S124)。ここで、通知コントローラー46は、S101においてドアコントローラー41から送信される信号を受信した場合に、ドア21の全開動作が開始したと判断する。一方、通知コントローラー46は、S101においてドアコントローラー41から送信される信号を受信しなかった場合に、ドア21の全開動作が開始していないと判断する。
【0097】
通知コントローラー46は、ドア21の全開動作が開始していないとS124において判断すると、再びS123の処理に戻る。
【0098】
通知コントローラー46は、半開状態からのドア21の閉動作が開始したとS123において判断するか、ドア21の全開動作が開始したとS124において判断すると、ドア警告灯27、可動柵警告灯28、床警告灯29およびスピーカー30による半開動作通知を終了して(S125)、再びS121の処理に戻る。
【0099】
以上に説明したように、通知コントローラー46は、ドアコントローラー41がドア21の半開動作中である場合と、ドア21が半開状態である場合とに、ドア警告灯27、可動柵警告灯28、床警告灯29およびスピーカー30による半開動作通知を実行する。
【0100】
図11は、可動柵コントローラー47の動作のフローチャートである。
【0101】
図11に示すように、可動柵コントローラー47は、ドア21の全開動作が開始したと判断するまで、ドア21の全開動作が開始したか否かを判断する(S141)。ここで、可動柵コントローラー47は、S101においてドアコントローラー41から送信される信号を受信した場合に、ドア21の全開動作が開始したと判断する。一方、可動柵コントローラー47は、S101においてドアコントローラー41から送信される信号を受信しなかった場合に、ドア21の全開動作が開始していないと判断する。
【0102】
可動柵コントローラー47は、ドア21の全開動作が開始したとS141において判断すると、可動防護柵25を図2に示す全開動作用の位置に移動させる動作を可動柵駆動部48に開始させる(S142)。なお、可動防護柵25の移動の速度は、ドア21が全開状態になる前に可動防護柵25の位置が全開動作用の位置になるように設定されている。
【0103】
次いで、可動柵コントローラー47は、可動防護柵25の位置が全開動作用の位置に達したと判断するまで、可動防護柵25の位置が全開動作用の位置に達したか否かを判断する(S143)。
【0104】
可動柵コントローラー47は、可動防護柵25の位置が全開動作用の位置に達したとS143において判断すると、可動防護柵25を全開動作用の位置に移動させる動作を可動柵駆動部48に終了させる(S144)。
【0105】
次いで、可動柵コントローラー47は、全開状態からのドア21の閉動作が開始したと判断するまで、全開状態からのドア21の閉動作が開始したか否かを判断する(S145)。ここで、可動柵コントローラー47は、S109においてドアコントローラー41から送信される信号を受信した場合に、全開状態からのドア21の閉動作が開始したと判断する。一方、可動柵コントローラー47は、S109においてドアコントローラー41から送信される信号を受信しなかった場合に、全開状態からのドア21の閉動作が開始していないと判断する。
【0106】
可動柵コントローラー47は、全開状態からのドア21の閉動作が開始したとS145において判断すると、可動防護柵25を図3に示す半開動作用の位置に移動させる動作を可動柵駆動部48に開始させる(S146)。なお、可動防護柵25の移動の速度は、ドア21が完全に閉じている状態になる前に可動防護柵25の位置が半開開動作用の位置になるように設定されている。
【0107】
次いで、可動柵コントローラー47は、可動防護柵25の位置が半開動作用の位置に達したか否かを判断する(S147)。
【0108】
可動柵コントローラー47は、可動防護柵25の位置が半開動作用の位置に達していないとS147において判断すると、ドア21の閉動作が途中で終了したか否かを判断する(S148)。ここで、可動柵コントローラー47は、S113においてドアコントローラー41から送信される信号を受信した場合に、ドア21の閉動作が途中で終了したと判断する。一方、可動柵コントローラー47は、S113においてドアコントローラー41から送信される信号を受信しなかった場合に、ドア21の閉動作が途中で終了していないと判断する。
【0109】
可動柵コントローラー47は、ドア21の閉動作が途中で終了していないとS148において判断すると、再びS147の処理に戻る。
【0110】
可動柵コントローラー47は、可動防護柵25の位置が半開動作用の位置に達したとS147において判断するか、ドア21の閉動作が途中で終了したとS148において判断すると、可動防護柵25を半開動作用の位置に移動させる動作を可動柵駆動部48に終了させる(S149)。
【0111】
可動柵コントローラー47は、S149の処理が終了すると、再びS141の処理を実行する。
【0112】
以上に説明したように、可動柵コントローラー47は、ドア21が完全に閉じている場合と、ドアコントローラー41がドア21の半開動作中である場合と、ドア21が半開状態である場合と、半開状態であったドア21に対してドアコントローラー41が閉動作を実行している場合とに限って、可動防護柵25の位置を半開動作用の位置に維持する。
【0113】
以上に説明したように、自動ドアシステム10は、ドア21を全開動作時より小さく開く半開動作を実行する場合に、ドア21の半開時突出部分に通行者が衝突することを防止する位置に可動防護柵25を自動的に移動させる(S146)。したがって、自動ドアシステム10は、半開動作を実行している場合に、ドア21への通行者の衝突の物理的な防止を従来より確実に実行することができる。すなわち、自動ドアシステム10は、従来より安全性を向上することができる。
【0114】
また、自動ドアシステム10は、ドア21を全開動作時より小さく開く半開動作を実行する場合に、ドア21の半開時突出部分に通行者が衝突することを防止する位置に可動防護柵25を自動的に移動させる(S146)ので、管理者の作業負担を軽減することができる。
【0115】
また、自動ドアシステム10は、全開動作および半開動作を自動的に切り替えるので、全開動作および半開動作を利用者に切り替えさせる手間を省くことができるが、利用者の指示に応じて全開動作および半開動作を切り替える構成と異なり、全開動作および半開動作の切り替えのタイミングを利用者に予め認識させることが困難である。しかしながら、自動ドアシステム10は、半開動作を実行する場合に可動防護柵25を自動的に移動させるので、全開動作および半開動作の切り替えのタイミングを利用者に認識させる必要がそもそもない。すなわち、自動ドアシステム10は、利用者の指示に応じて全開動作および半開動作を切り替える構成と比較して、半開動作を実行する場合に可動防護柵25を自動的に移動させることの有用性が高い。
【0116】
また、自動ドアシステム10は、半開動作が実行されている場合の可動防護柵25の出入口10a側の端を光の出力によって示すことによって半開動作通知を実行する可動柵警告灯28を備えているので、可動柵警告灯28の光の出力によって可動防護柵25の存在を強調することができる。したがって、自動ドアシステム10は、半開動作を実行する場合に、ドア21に通行者が衝突することを更に確実に防止することができる。
【0117】
また、自動ドアシステム10は、全開動作を実行する場合に、図2に示すように出入口10aへの通行者の進路を形成する位置に可動防護柵25を移動させるので、出入口10aへの通行者の進路を形成する部材を別途備えている場合と比較して、部品点数を抑えることができる。
【0118】
なお、自動ドアシステム10は、全開動作を実行する場合に、出入口10aへの通行者の進路を形成する位置に可動防護柵25を移動させるようになっていなくても良い。例えば、自動ドアシステム10は、全開動作を実行する場合に、図12に示す位置に可動防護柵25を移動させるようになっていても良い。
【0119】
自動ドアシステム10は、図1〜図3に示す可動防護柵25以外の衝突防止部材を備えていても良い。例えば、自動ドアシステム10は、図13に示すようなスライド式の衝突防止部材を備えていても良い。また、自動ドアシステム10は、2枚のフィックス22と同じ位置にドア21に隣接して設けられた2枚の板状部材を2枚のフィックス22に代えて備えていて、全開動作時にこの2枚の板状部材の互いに遠い端部が建物の壁部に収納されており、半開動作時にこの2枚の板状部材が互いに近付く方向に移動することによって、この2枚の板状部材が衝突防止部材として機能するようになっていても良い。
【0120】
図13(a)は、衝突防止部材が図1に示す可動防護柵25とは異なる場合のドア21が全部開いている状態での自動ドアシステム10の上面断面である。図13(b)は、ドア21が半分開いている状態での図13(a)に示す自動ドアシステム10の上面断面図である。
【0121】
図13に示す自動ドアシステム10の構成は、出入口10aを通行する通行者がドア21に衝突することを防止する衝突防止部材としての可動防護柵31と、フィックス22に対して固定防護柵24側とは反対側の床90に固定されていて可動防護柵31を支持する柵支持部材32とを、図1に示す自動ドアシステム10が可動防護柵25および柵支持部材26に代えて備えた構成と同様である。
【0122】
可動防護柵31は、ドア21の移動方向と同一の方向に移動することができるように固定防護柵24または柵支持部材32に支持されている。可動防護柵31は、移動することによって、図13(a)に示す状態と、図13(b)に示す状態との何れかの状態に切り替わることができる。可動防護柵31は、自動ドアシステム10の正面側および背面側にそれぞれ配置されている。
【0123】
自動ドアシステム10は、本実施の形態において自身が光を出力するドア警告灯27、可動柵警告灯28および床警告灯29を備えているが、ドア警告灯27、可動柵警告灯28および床警告灯29に代えて、外部から投影された光を反射することによって光を出力する構成を備えていても良い。例えば、自動ドアシステム10は、床90に光を投影することによって床警告灯29と同様の機能を実行する投影機を、床警告灯29に代えて備えていても良い。
【0124】
自動ドアシステム10は、ドアコントローラー41、通知コントローラー46および可動柵コントローラー47という3つのコントローラーを備えているが、3つ以外の数のコントローラーを備えるようになっていても良い。例えば、自動ドアシステム10は、ドアコントローラー41、通知コントローラー46および可動柵コントローラー47の機能を全て備えている1つのコントローラーのみを備えるようになっていても良い。
【0125】
自動ドアシステム10は、本実施の形態において部分開動作として半開動作を実行するようになっているが、部分開動作として半開動作以外の動作を実行するようになっていても良い。すなわち、自動ドアシステム10は、部分開動作時のドア21の開き具合が全開動作時の半分以外の開き具合であっても良い。
【0126】
また、自動ドアシステム10は、操作部43を介した利用者による指示に応じて部分開動作時のドア21の開き具合が変更されることができるようになっていても良い。また、自動ドアシステム10は、部分開動作時のドア21の開き具合に応じて、部分開動作時の衝突防止部材の位置が変更されるようになっていても良い。
【0127】
自動ドアシステム10は、本実施の形態において常に全開動作および半開動作を自動的に切り替えるようになっているが、操作部43を介した利用者からの指示に応じて全開動作および半開動作を自動的に切り替えるようになっていても良い。例えば、自動ドアシステム10は、全開動作および半開動作を自動的に切り替える図7〜図9に示す動作と、全開動作および半開動作のうち全開動作のみを実行する図14に示す動作とを、操作部43を介した利用者からの指示に応じて切り替えるようになっていても良い。図14は、全開動作および半開動作のうち全開動作のみを実行する場合のドアコントローラー41の動作のフローチャートである。図14に示す動作において、ドアコントローラー41は、S61(図7参照。)と同様のS161を実行する。ドアコントローラー41は、起動センサー44が物体の存在を検知しているとS161において判断すると、S101〜S113(図9参照。)と同様のS162〜S174を実行する。
【0128】
自動ドアシステム10は、本実施の形態において全開動作および半開動作を自動的に切り替えるようになっているが、操作部43を介した利用者からの指示に応じて全開動作および半開動作を切り替えるようになっていても良い。例えば、自動ドアシステム10は、全開動作および半開動作のうち全開動作のみを実行する図14に示す動作と、全開動作および半開動作のうち半開動作のみを実行する図15に示す動作とを、操作部43を介した利用者からの指示に応じて切り替えるようになっていても良い。図15は、全開動作および半開動作のうち半開動作のみを実行する場合のドアコントローラー41の動作のフローチャートである。図15に示す動作において、ドアコントローラー41は、全開が半開であることを除いてS161〜S174(図14参照。)と同様のS181〜S194を実行する。
【0129】
自動ドアシステム10は、本実施の形態において起動センサー44によって検知された物体の位置に応じて半開動作から全開動作に切り替えるようになっている(S62でNO、S65でNO、S84でNO、S92でNO)が、通行量、スケジュールなど、起動センサー44によって検知された物体の位置以外の条件に応じて半開動作および全開動作を切り替えるようになっていても良い。なお、自動ドアシステム10は、通行量に応じた半開動作および全開動作の切り替え方法として、例えば、起動センサー44による物体の検知の時間間隔が所定の時間間隔未満である場合に全開動作を実行し、所定の時間間隔以上である場合に半開動作を実行するという方法を採用することができる。また、自動ドアシステム10は、通行量に応じた半開動作および全開動作の切り替え方法として、例えば、過去の所定の時間における起動センサー44による物体の検知の回数が所定の回数以上である場合に全開動作を実行し、所定の回数未満である場合に半開動作を実行するという方法を採用することができる。
【0130】
自動ドアシステム10は、本実施の形態において全開動作を一度でも実行するとドア21が完全に閉じるまで(S111でYES)半開動作に戻らないようになっているが、ドア21が完全に閉じる前に所定の条件で全開動作から半開動作に切り替わるようになっていても良い。ただし、通行者が存在している最中に全開状態から半開状態に変更することは、通行者を驚かせてしまうという点で好ましくない。
【0131】
自動ドアシステム10は、本実施の形態においてドア21が開いている場合であっても半開動作から全開動作に切り替わるようになっている(S65でNO、S84でNO、S92でNO)が、ドア21が閉じている場合のみ半開動作から全開動作に切り替わる(S62でNO)ようになっていても良い。
【0132】
以上の実施の形態においては、引分け(両引き)タイプの自動ドアシステムについて説明しているが、本発明は、引分け(両引き)タイプ以外のタイプの自動ドアシステムに対しても適用されることができる。例えば、本発明は、片引きタイプの自動ドアシステムに対しても適用されることができる。
【符号の説明】
【0133】
10 自動ドアシステム
10a 出入口(開口)
21 ドア
25 可動防護柵(衝突防止部材)
28 可動柵警告灯(部材開口端光出力部)
31 可動防護柵(衝突防止部材)
41 ドアコントローラー(ドア制御部)
47 可動柵コントローラー(部材制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアと、前記ドアを全部開く全開動作、および、前記ドアを前記全開動作時より小さく開く部分開動作を実行するドア制御部と、前記ドアが開いて生じる開口を通行する通行者が前記ドアに衝突することを防止する衝突防止部材と、前記衝突防止部材の位置を制御する部材制御部とを備えており、
前記部材制御部は、前記ドア制御部が前記部分開動作を実行する場合に、前記ドアの所定の部分に前記通行者が衝突することを防止する位置に前記衝突防止部材を移動させ、
前記所定の部分は、前記部分開動作において完全に開いた前記ドアのうち、前記全開動作において前記ドアが完全に開いた時に前記ドアが存在しない位置に存在する部分であることを特徴とする自動ドアシステム。
【請求項2】
前記ドア制御部は、前記全開動作および前記部分開動作を自動的に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の自動ドアシステム。
【請求項3】
前記部分開動作が実行されている場合の前記衝突防止部材の前記開口側の端に配置されて前記端を光の出力によって示す部材開口端光出力部を備えており、
前記部材開口端光出力部は、前記ドア制御部が前記部分開動作を実行している場合に光を出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動ドアシステム。
【請求項4】
前記部材制御部は、前記ドア制御部が前記全開動作を実行する場合に、前記開口への前記通行者の進路を形成する位置に前記衝突防止部材を移動させることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の自動ドアシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−36240(P2013−36240A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173454(P2011−173454)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(501013156)寺岡ファシリティーズ株式会社 (8)
【Fターム(参考)】