説明

自動ドアシステム

【課題】 利用者を従来より円滑に通過させることができる自動ドアシステムを提供する。
【解決手段】 自動ドアシステム10は、ドア21と、接触を検知するタッチスイッチ26と、タッチスイッチ26が接触を検知した場合にドア21を開くドア制御部と、タッチスイッチ26の位置を示す光を出力する光出力部27、28と、ドア21の近傍の物体の存在を検知する補助センサー29と、補助センサー29が物体を検知した場合に光出力部27、28に光を出力させる光出力制御部とを備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者によるタッチスイッチへの接触に基づいてドアを開く自動ドアシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者によるタッチスイッチへの接触に基づいてドアを開く自動ドアシステムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−214192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の自動ドアシステムにおいては、利用者がタッチスイッチの位置に気付くことに時間がかかる場合がある。自動ドアシステムは、利用者によるタッチスイッチへの接触に基づいてドアを開くので、利用者がタッチスイッチの位置に気付くことに時間がかかった場合、利用者を円滑に通過させることができないという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、利用者を従来より円滑に通過させることができる自動ドアシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の自動ドアシステムは、ドアと、接触を検知するタッチスイッチと、前記タッチスイッチが接触を検知した場合に前記ドアを開くドア制御部と、前記タッチスイッチの位置を示す光を出力する光出力部と、前記ドアの近傍の物体の存在を検知する物体センサーと、前記物体センサーが前記物体を検知した場合に前記光出力部に光を出力させる光出力制御部とを備えていることを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の自動ドアシステムは、ドアの近傍に利用者が近づいた場合に光出力部による光の出力によってタッチスイッチの位置を利用者に気付かせることができるので、利用者を従来より円滑に通過させることができる。
【0008】
また、本発明の自動ドアシステムの前記光出力部は、前記ドアの戸先に配置されており、前記光出力制御部は、前記ドア制御部が前記ドアを移動させている場合、前記光出力部に光を出力させても良い。
【0009】
この構成の場合、本発明の自動ドアシステムは、ドアが移動している場合に光出力部による光の出力によってドアの戸先を利用者に意識させることができるので、移動しているドアの戸先への利用者の衝突を防止することができる。
【0010】
また、本発明の自動ドアシステムの前記光出力制御部は、前記ドア制御部が前記ドアを移動させていない場合であって前記物体センサーが前記物体を検知したときと、前記ドア制御部が前記ドアを移動させている場合とで、前記光出力部に異なる光らせ方で光を出力させても良い。
【0011】
この構成の場合、本発明の自動ドアシステムは、ドア制御部がドアを移動させていない場合であって物体センサーが物体を検知したときと、ドア制御部がドアを移動させている場合とで、光出力部による光の出力に変化があるので、ドア制御部がドアを移動させていない場合であって物体センサーが物体を検知したときと、ドア制御部がドアを移動させている場合とで、光出力部に同一の光らせ方で光を出力させる構成と比較して、ドアが移動している場合の光出力部による光の出力、すなわち、移動中のドアの戸先を利用者に強く意識させることができる。
【0012】
また、本発明の自動ドアシステムの前記ドア制御部は、前記ドアが開いている場合、前記物体センサーが前記物体を検知したときに前記ドアが開いている時間を延長しても良い。
【0013】
この構成により、本発明の自動ドアシステムは、物体センサーが光出力部による光の出力のためだけでなくドアが開いている時間の延長のためにも機能するので、それぞれの機能のセンサーを別々に備えている構成と比較して、部品点数を減らすことができる。
【0014】
また、本発明の自動ドアシステムの前記光出力部は、前記タッチスイッチのうち利用者によって触れられる部分に配置されていても良い。
【0015】
この構成により、本発明の自動ドアシステムは、光出力部がタッチスイッチから離れて配置されている構成と比較して、光出力部による光の出力によってタッチスイッチの位置を更に明確に利用者に気付かせることができるので、利用者を更に円滑に通過させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の自動ドアシステムは、利用者を従来より円滑に通過させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ドアが完全に閉まっている状態での本発明の一実施の形態に係る自動ドアシステムの正面図である。
【図2】ドアが完全に開いている状態での図1に示す自動ドアシステムの正面図である。
【図3】図1に示すドアの戸先側縦フレームのうちタッチスイッチの近傍の部分の正面図である。
【図4】図3のI−I線断面図である。
【図5】図3のII−II線断面図である。
【図6】図3のIII−III線断面図である。
【図7】(a)補助センサーの検知範囲を示す図1に示す自動ドアシステムの正面図である。(b)補助センサーの検知範囲を示す図1に示す自動ドアシステムの左側面図である。
【図8】図1に示す自動ドアシステムのブロック図である。
【図9】(a)は、ドアが完全に閉まっている状態での図1に示す自動ドアシステムの一部を拡大した正面図である。(b)は、ドアが完全に開いている状態での図1に示す自動ドアシステムの一部を拡大した正面図である。
【図10】図8に示すドア制御部の動作のフローチャートである。
【図11】図10に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【図12】図8に示す光出力制御部の動作のフローチャートである。
【図13】図12に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【図14】図1に示すドアの戸先側縦フレームのうちタッチスイッチの近傍の部分の正面図であって、図3に示す例とは異なる例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0019】
まず、本実施の形態に係る自動ドアシステムの構成について説明する。
【0020】
図1は、ドア21が完全に閉まっている状態での本実施の形態に係る自動ドアシステム10の正面図である。図2は、ドア21が完全に開いている状態での自動ドアシステム10の正面図である。
【0021】
図1および図2に示すように、自動ドアシステム10は、1枚のドア21と、ドア21に隣接して建物に固定された壁部である1枚のフィックス22と、ドア21およびフィックス22の上部に配置されて建物に固定された箱体である無目23と、上下に延在していて床90に設置されているフレーム24、25と、ドア21を開くための接触を検知するタッチスイッチ26と、タッチスイッチ26の位置を示す光を出力する光出力部27、28と、無目23に設置されてタッチスイッチ26の機能を補助する補助センサー29とを備えている。
【0022】
ドア21は、上側のフレームである上フレーム21aと、下側のフレームである下フレーム21bと、ドア21が開いたときに生じる開口である出入口10a側、すなわち、戸先側で上下に延在しているフレームである戸先側縦フレーム21cと、ドア21が開いたときに生じる出入口10a側とは反対側、すなわち、戸尻側で上下に延在しているフレームである戸尻側縦フレーム21dと、上フレーム21a、下フレーム21b、戸先側縦フレーム21cおよび戸尻側縦フレーム21dによって囲まれたガラス21eとを備えている。
【0023】
図3は、ドア21の戸先側縦フレーム21cのうちタッチスイッチ26の近傍の部分の正面図である。図4は、図3のI−I線断面図である。
【0024】
図3および図4に示すように、ドア21の戸先側縦フレーム21cは、自動ドアシステム10の正面側に配置されている正面側部材21fと、自動ドアシステム10の背面側に配置されている背面側部材21gとを備えている。正面側部材21fおよび背面側部材21gは、タッチスイッチ26および光出力部27、28が配置されるための内部空間21iと、ガラス21eが配置されるためのガラス用溝21jと、フレーム24へのドア21の衝突による衝撃を抑える図示していないゴムが配置されるためのゴム用溝21kとを形成している。なお、正面側部材21fおよび背面側部材21gは、溶接によって互いに固定されている。
【0025】
図1および図2に示すように、フィックス22は、下側のフレームである下フレーム22aと、ドア21の戸先側で上下に延在しているフレームである戸先側縦フレーム22bと、下フレーム22a、戸先側縦フレーム22b、無目23およびフレーム25によって囲まれたガラス22cとを備えている。
【0026】
図5は、図3のII−II線断面図である。
【0027】
図3および図5に示すように、タッチスイッチ26は、前後方向、すなわち、正面側から背面側への方向および背面側から正面側への方向に移動可能である可動部26aと、可動部26aに貼り付けられた化粧カバー26bとを備えている。タッチスイッチ26は、自動ドアシステム10の正面側および背面側にそれぞれ配置されている。
【0028】
図6は、図3のIII−III線断面図である。
【0029】
図3および図6に示すように、光出力部27は、ドア21の戸先側縦フレーム21c、すなわち、ドア21の戸先に配置されている。光出力部27は、戸先側縦フレーム21cの内部空間21iに配置されたLED(Light Emitting Diode)27aと、LED27aの光を通して戸先側縦フレーム21cの外部に出力させる透光部27bが形成されたカバー27cとを備えている。光出力部27は、自動ドアシステム10の正面側および背面側にそれぞれ配置されている。
【0030】
光出力部28の構成は、光出力部27の構成と同様である。
【0031】
図7(a)は、補助センサー29の検知範囲29aを示す自動ドアシステム10の正面図である。図7(b)補助センサー29の検知範囲29aを示す自動ドアシステム10の左側面図である。
【0032】
図7に示すように、補助センサー29は、ドア21の近傍の物体の存在を検知する物体センサーである。補助センサー29は、物体の存在を検知した場合に、物体の存在を検知したことを示す信号である物体検知信号を生成し、生成した物体検知信号を後述のドア制御部41および光出力制御部43に入力する。補助センサー29は、自動ドアシステム10の正面側および背面側にそれぞれ配置されている。
【0033】
図8は、自動ドアシステム10のブロック図である。
【0034】
図8に示すように、自動ドアシステム10は、ドア21の位置を制御するドア制御部41と、ドア制御部41からの指令に応じてドア21を開閉のために移動させるドア駆動部42と、光出力部27、28による光の出力を制御する光出力制御部43と、時間を計測する時計44とを備えている。
【0035】
ドア制御部41は、図示していないCPU(Central Processing Unit)と、各種のプログラムや各種のデータを予め記憶している図示していないROM(Read Only Memory)と、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶する作業領域として用いられる図示していないRAM(Random Access Memory)とを備えている。ドア制御部41は、例えば無目23に収納されている。
【0036】
ドア駆動部42は、ドア21の移動を案内する図示していないレールや、ドア21を移動させる力を発生する図示していないモータなどを備えている。ドア駆動部42は、無目23に収納されている。
【0037】
光出力制御部43は、図示していないCPUと、各種のプログラムや各種のデータを予め記憶している図示していないROMと、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶する作業領域として用いられる図示していないRAMとを備えている。光出力制御部43は、例えば無目23に収納されている。
【0038】
時計44は、例えば無目23に収納されている。
【0039】
図9(a)は、ドア21が完全に閉まっている状態での本実施の形態に係る自動ドアシステム10の一部を拡大した正面図である。図9(b)は、ドア21が完全に開いている状態での自動ドアシステム10の一部を拡大した正面図である。
【0040】
図9に示すように、ドア制御部41は、ドア21の戸先側縦フレーム21cおよび無目23の内部に収納されている電線40aを介してタッチスイッチ26に電力を供給している。また、光出力制御部43は、電線40aを介して光出力部27、28に電力を供給している。電線40aは、ドア制御部41および光出力制御部43が無目23内の所定の位置に固定されているため、ドア21の移動に伴って図9に示すように移動する。したがって、電線40aは、移動による接触不良や断線などの不具合を防止するために、例えば、株式会社ツーデン製のアールリボンや、株式会社ハギテック製のエナジーチェーンなどのガイド機構が備わっていることが好ましい。
【0041】
次に、自動ドアシステム10の動作について説明する。
【0042】
図10は、ドア制御部41の動作のフローチャートである。図11は、図10に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【0043】
図10および図11に示すように、まず、ドア制御部41は、タッチスイッチ26によって接触が検知されたと判断するまで、タッチスイッチ26によって接触が検知されたか否かをタッチスイッチ26からの信号に基づいて判断する(S61)。
【0044】
ドア制御部41は、タッチスイッチ26によって接触が検知されたとS61において判断すると、ドア21を開く動作(以下、「開動作」という。)をドア駆動部42に開始させて(S62)、ドア21の開動作を開始したことを光出力制御部43に通知する(S63)。
【0045】
次いで、ドア制御部41は、ドア21が完全に開いたと判断するまで、ドア21が完全に開いたか否かを判断する(S64)。ここで、ドア制御部41は、ドア駆動部42に対する指示の内容と、その指示の継続時間とに基づいてドア21の位置を判断することができるので、自ら判断したドア21の位置に基づいて、ドア21が完全に開いたか否かを判断することができる。
【0046】
ドア制御部41は、ドア21が完全に開いたとS64において判断すると、ドア駆動部42にドア21の開動作を終了させて(S65)、ドア21の開動作を終了したことを光出力制御部43に通知する(S66)。
【0047】
次いで、ドア制御部41は、時計44を利用した時間の計測を開始する(S67)。
【0048】
次いで、ドア制御部41は、補助センサー29によって物体の存在が検知されているか否かを補助センサー29からの物体検知信号に基づいて判断する(S68)。
【0049】
ドア制御部41は、補助センサー29によって物体の存在が検知されていないとS68において判断すると、タッチスイッチ26によって接触が検知されたか否かをタッチスイッチ26からの信号に基づいて判断する(S69)。
【0050】
ドア制御部41は、補助センサー29によって物体の存在が検知されているとS68において判断するか、タッチスイッチ26によって接触が検知されたとS69において判断すると、時計44を利用した時間の計測を終了して(S70)、再びS67の処理に戻って、時計44を利用した時間の計測を最初からやり直す。
【0051】
ドア制御部41は、タッチスイッチ26によって接触が検知されていないとS69において判断すると、S67において計測を開始した時間が所定の時間に達したか否かを判断する(S71)。
【0052】
ドア制御部41は、S67において計測を開始した時間が所定の時間に達していないとS71において判断すると、再びS68の処理に戻る。
【0053】
一方、ドア制御部41は、S67において計測を開始した時間が所定の時間に達したとS71において判断すると、時計44を利用した時間の計測を終了する(S72)。
【0054】
次いで、ドア制御部41は、ドア21を閉じる動作(以下、「閉動作」という。)をドア駆動部42に開始させて(S81)、ドア21の閉動作を開始したことを光出力制御部43に通知する(S82)。
【0055】
次いで、ドア制御部41は、補助センサー29によって物体の存在が検知されているか否かを補助センサー29からの物体検知信号に基づいて判断する(S83)。
【0056】
ドア制御部41は、補助センサー29によって物体の存在が検知されていないとS83において判断すると、タッチスイッチ26によって接触が検知されたか否かをタッチスイッチ26からの信号に基づいて判断する(S84)。
【0057】
ドア制御部41は、補助センサー29によって物体の存在が検知されているとS83において判断するか、タッチスイッチ26によって接触が検知されたとS84において判断すると、ドア駆動部42にドア21の閉動作を終了させて(S85)、再びS62の処理に戻って、ドア21の開動作をドア駆動部42に開始させる。
【0058】
ドア制御部41は、タッチスイッチ26によって接触が検知されていないとS84において判断すると、ドア21が完全に閉じたか否かを判断する(S86)。ここで、ドア制御部41は、ドア駆動部42に対する指示の内容と、その指示の継続時間とに基づいてドア21の位置を判断することができるので、自ら判断したドア21の位置に基づいて、ドア21が完全に閉じたか否かを判断することができる。
【0059】
ドア制御部41は、ドア21が完全に閉じていないとS86において判断すると、再びS83の処理に戻る。
【0060】
一方、ドア制御部41は、ドア21が完全に閉じたとS86において判断すると、ドア駆動部42にドア21の閉動作を終了させて(S87)、ドア21が完全に閉じたことを光出力制御部43に通知する(S88)。
【0061】
そして、ドア制御部41は、再びS61の処理に戻る。
【0062】
以上に説明したように、ドア制御部41は、ドア21が完全に閉じている場合には、タッチスイッチ26によって接触が検知されたとき(S61でYES)にのみドア21を開き、ドア21が開いている場合には、タッチスイッチ26によって接触が検知されたとき(S69でYES、S84でYES)だけでなく、補助センサー29によって物体の存在が検知されているとき(S68でYES、S83でYES)にもドア21を開く。
【0063】
図12は、光出力制御部43の動作のフローチャートである。図13は、図12に示すフローチャートの続きのフローチャートである。
【0064】
図12および図13に示すように、まず、光出力制御部43は、補助センサー29によって物体の存在が検知されているか否かを補助センサー29からの物体検知信号に基づいて判断する(S101)。
【0065】
光出力制御部43は、補助センサー29によって物体の存在が検知されていないとS101において判断すると、ドア21の開動作が開始したか否かを判断する(S102)。ここで、光出力制御部43は、ドア21の開動作を開始したことがS63においてドア制御部41から通知された場合に、ドア21の開動作が開始したと判断する。
【0066】
光出力制御部43は、ドア21の開動作が開始していないとS102において判断すると、再びS101の処理に戻る。
【0067】
光出力制御部43は、補助センサー29によって物体の存在が検知されているとS101において判断すると、光出力部27、28の点灯を開始する(S103)。
【0068】
次いで、光出力制御部43は、補助センサー29によって物体の存在が検知されているか否かを補助センサー29からの物体検知信号に基づいて判断する(S104)。
【0069】
光出力制御部43は、補助センサー29によって物体の存在が検知されているとS104において判断すると、ドア21の開動作が開始したか否かを判断する(S105)。ここで、光出力制御部43は、ドア21の開動作を開始したことがS63においてドア制御部41から通知された場合に、ドア21の開動作が開始したと判断する。
【0070】
光出力制御部43は、ドア21の開動作が開始していないとS105において判断すると、再びS104の処理に戻る。
【0071】
光出力制御部43は、補助センサー29によって物体の存在が検知されていないとS104において判断すると、光出力部27、28の点灯を終了して(S106)、再びS101の処理に戻る。
【0072】
光出力制御部43は、ドア21の開動作が開始したとS105において判断すると、光出力部27、28の点灯を終了する(S107)。
【0073】
光出力制御部43は、ドア21の開動作が開始したとS102において判断するか、S107の処理を実行すると、光出力部27、28の点滅を開始する(S121)。
【0074】
次いで、光出力制御部43は、ドア21の開動作が終了したと判断するまで、ドア21の開動作が終了したか否かを判断する(S122)。ここで、光出力制御部43は、ドア21の開動作を終了したことがS66においてドア制御部41から通知された場合に、ドア21の開動作が終了したと判断する。
【0075】
光出力制御部43は、ドア21の開動作が終了したとS122において判断すると、光出力部27、28の点滅を終了する(S123)。
【0076】
次いで、光出力制御部43は、ドア21の閉動作が開始したと判断するまで、ドア21の閉動作が開始したか否かを判断する(S124)。ここで、光出力制御部43は、ドア21の閉動作を開始したことがS82においてドア制御部41から通知された場合に、ドア21の閉動作が開始したと判断する。
【0077】
光出力制御部43は、ドア21の閉動作が開始したとS124において判断すると、光出力部27、28の点滅を開始する(S125)。
【0078】
次いで、光出力制御部43は、ドア21が完全に閉じたか否かを判断する(S126)。ここで、光出力制御部43は、ドア21が完全に閉じたことがS88においてドア制御部41から通知された場合に、ドア21が完全に閉じたと判断する。
【0079】
光出力制御部43は、ドア21が完全に閉じていないとS126において判断すると、ドア21の開動作が開始したか否かを判断する(S127)。ここで、光出力制御部43は、ドア21の開動作を開始したことがS63においてドア制御部41から通知された場合に、ドア21の開動作が開始したと判断する。
【0080】
光出力制御部43は、ドア21の開動作が開始していないとS127において判断すると、再びS126の処理に戻る。
【0081】
光出力制御部43は、ドア21が完全に閉じたとS126において判断すると、光出力部27、28の点滅を終了して(S128)、再びS101の処理に戻る。
【0082】
光出力制御部43は、ドア21の開動作が開始したとS127において判断すると、再びS122の処理に戻る。
【0083】
以上に説明したように、光出力制御部43は、ドア21が完全に閉じている場合には、補助センサー29によって物体の存在が検知されているとき(S101でYES)に光出力部27、28を点灯させ、ドア21が開動作をしている場合(S102でYES、S105でYES、S127でYES)または閉動作をしている場合(S124でYES)には、光出力部27、28を点滅させる。
【0084】
以上に説明したように、自動ドアシステム10は、ドア21が完全に閉じている場合に補助センサー29が物体を検知したときに光出力部27、28に光を出力させる(S103)ので、ドア21の近傍に利用者が近づいた場合に光出力部27、28による光の出力によってタッチスイッチ26の位置を利用者に気付かせることができる。したがって、自動ドアシステム10は、利用者を従来より円滑に通過させることができる。
【0085】
自動ドアシステム10は、ドア制御部41がドア21を移動させている場合にドア21の戸先の光出力部27、28に光を出力させる(S121、S125)ので、ドア21が移動している場合に光出力部27、28による光の出力によってドア21の戸先を利用者に意識させることができる。したがって、自動ドアシステム10は、移動しているドア21の戸先への利用者の衝突を防止することができる。
【0086】
なお、自動ドアシステム10は、ドア制御部41がドア21を移動させている場合に光出力部27、28に光を出力させるようになっていなくても良い。
【0087】
自動ドアシステム10は、ドア制御部41がドア21を移動させていない場合であって補助センサー29が物体を検知したとき(S101でYES)に光出力部27、28を点灯させ、ドア制御部41がドア21を移動させている場合(S102でYES、S105でYES、S124でYES、S127でYES)に光出力部27、28を点滅させる。すなわち、自動ドアシステム10は、ドア制御部41がドア21を移動させていない場合であって補助センサー29が物体を検知したときと、ドア制御部41がドア21を移動させている場合とで、光出力部27、28に異なる光らせ方で光を出力させる。したがって、自動ドアシステム10は、ドア制御部41がドア21を移動させていない場合であって補助センサー29が物体を検知したときと、ドア制御部41がドア21を移動させている場合とで、光出力部27、28による光の出力に変化がある。その結果、自動ドアシステム10は、ドア制御部41がドア21を移動させていない場合であって補助センサー29が物体を検知したときと、ドア制御部41がドア21を移動させている場合とで、光出力部27、28に同一の光らせ方で光を出力させる構成と比較して、ドア21が移動している場合の光出力部27、28による光の出力、すなわち、移動中のドア21の戸先を利用者に強く意識させることができる。
【0088】
なお、自動ドアシステム10は、上述した光らせ方以外の光らせ方で光出力部27、28に光を出力させても良い。例えば、自動ドアシステム10は、ドア制御部41がドア21を移動させていない場合であって補助センサー29が物体を検知したときに光出力部27、28を点滅させ、ドア制御部41がドア21を移動させている場合に光出力部27、28を点灯させるようになっていても良い。また、自動ドアシステム10は、ドア制御部41がドア21を移動させていない場合であって補助センサー29が物体を検知したときと、ドア制御部41がドア21を移動させている場合とで、異なる点滅パターンで光出力部27、28を点滅させるようになっていても良い。
【0089】
また、自動ドアシステム10は、ドア制御部41がドア21を移動させていない場合であって補助センサー29が物体を検知したときと、ドア制御部41がドア21を移動させている場合とで、光出力部27、28に同一の光らせ方で光を出力させるようになっていても良い。
【0090】
また、自動ドアシステム10は、ドア21が開動作をしている場合(S102でYES、S105でYES、S127でYES)と、ドア21が閉動作をしている場合(S124でYES)とで、光出力部27、28に同一の光らせ方で光を出力させるようになっているが、別々の光らせ方で光を出力させるようになっていても良い。また、自動ドアシステム10は、ドア21が開動作をしている場合と、ドア21が閉動作をしている場合との何れか一方のみで、光出力部27、28に光を出力させるようになっていても良い。
【0091】
また、自動ドアシステム10は、ドア21が完全に開いている場合に光出力部27、28に光を出力させるようになっていないが、ドア21が完全に開いている場合に光出力部27、28に光を出力させるようになっていても良い。
【0092】
自動ドアシステム10は、ドア21が開いている場合に補助センサー29が物体を検知したとき(S68でYES)にドア21が開いている時間を延長する(S70の後のS67)ので、補助センサー29が光出力部27、28による光の出力のためだけでなくドア21が開いている時間の延長のためにも機能する。したがって、自動ドアシステム10は、それぞれの機能のセンサーを別々に備えている構成と比較して、部品点数を減らすことができる。
【0093】
なお、自動ドアシステム10は、ドア21が開いている時間の延長のためのセンサーを補助センサー29とは別に備えているようになっていても良い。
【0094】
図14は、ドア21の戸先側縦フレーム21cのうちタッチスイッチ26の近傍の部分の正面図であって、図3に示す例とは異なる例を示す図である。
【0095】
自動ドアシステム10は、図3に示す光出力部27、28に代えて、図14に示す光出力部50を備えていても良い。
【0096】
図14に示す光出力部50は、タッチスイッチ26の化粧カバー26bと、戸先側縦フレーム21cの内部空間21i(図4および図5参照。)に配置された複数のLED50aとを備えている。LED50aは、化粧カバー26bの上部、下部および側部に配置されている。ここで、化粧カバー26bは、透光性を有するアクリルによって形成されており、LED50aの光を通して戸先側縦フレーム21cの外部に出力させる。光出力部50は、自動ドアシステム10の正面側および背面側にそれぞれ配置されている。このように、光出力部50は、タッチスイッチ26のうち利用者によって触れられる部分に配置されている。
【0097】
自動ドアシステム10は、光出力部が図14に示す光出力部50である場合、光出力部50がタッチスイッチ26のうち利用者によって触れられる部分に配置されているので、図3に示す光出力部27、28のように光出力部がタッチスイッチ26から離れて配置されている構成と比較して、光出力部50による光の出力によってタッチスイッチ26の位置を更に明確に利用者に気付かせることができる。したがって、自動ドアシステム10は、光出力部が図14に示す光出力部50である場合、利用者を更に円滑に通過させることができる。
【0098】
なお、自動ドアシステム10は、図3に示す光出力部27、28と、図14に示す光出力部50とを両方とも備えていても良い。
【0099】
ドア制御部41および光出力制御部43は、本実施の形態において別々のコンピューターによって構成されているが、同一のコンピューターによって構成されていても良い。
【0100】
以上の実施の形態においては、片引きタイプの自動ドアシステムについて説明しているが、本発明は、片引きタイプ以外のタイプの自動ドアシステムに対しても適用されることができる。例えば、本発明は、引分け(両引き)タイプの自動ドアシステムに対しても適用されることができる。
【符号の説明】
【0101】
10 自動ドアシステム
21 ドア
26 タッチスイッチ
27、28 光出力部
29 補助センサー(物体センサー)
41 ドア制御部
43 光出力制御部
50 光出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアと、接触を検知するタッチスイッチと、前記タッチスイッチが接触を検知した場合に前記ドアを開くドア制御部と、前記タッチスイッチの位置を示す光を出力する光出力部と、前記ドアの近傍の物体の存在を検知する物体センサーと、前記物体センサーが前記物体を検知した場合に前記光出力部に光を出力させる光出力制御部とを備えていることを特徴とする自動ドアシステム。
【請求項2】
前記光出力部は、前記ドアの戸先に配置されており、
前記光出力制御部は、前記ドア制御部が前記ドアを移動させている場合、前記光出力部に光を出力させることを特徴とする請求項1に記載の自動ドアシステム。
【請求項3】
前記光出力制御部は、前記ドア制御部が前記ドアを移動させていない場合であって前記物体センサーが前記物体を検知したときと、前記ドア制御部が前記ドアを移動させている場合とで、前記光出力部に異なる光らせ方で光を出力させることを特徴とする請求項2に記載の自動ドアシステム。
【請求項4】
前記ドア制御部は、前記ドアが開いている場合、前記物体センサーが前記物体を検知したときに前記ドアが開いている時間を延長することを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の自動ドアシステム。
【請求項5】
前記光出力部は、前記タッチスイッチのうち利用者によって触れられる部分に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4までの何れかに記載の自動ドアシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate