説明

自動倉庫

【課題】バッファ機能を持たせた移載棚を、入庫用と出庫用とで分けて設けることで効率的な入出庫作業を行えると共に、出庫用の構成部分が故障等で動作できない場合にも、出庫できるようにすること。
【解決手段】格納棚10と、複数の物品Wを個別停止させつつ搬送可能でかつ物品Wを1つずつ逆方向に向けて搬送可能な複数の入庫用移載棚20と、複数の物品Wを個別停止させつつ搬送可能な複数の出庫用移載棚40と、入庫用移載棚20及び出庫用移載棚40と格納棚10との間で物品Wを移載可能な複数の入出庫移載台車60と、物品Wを昇降移動可能に構成され、各入庫用移載棚20に対して物品を受渡し可能に構成されると共に、各出庫用移載棚40に対して物品を受取可能に構成された昇降機構部30,50とを備える。非常出庫モードでは、各入庫用移載棚20で物品Wを1つずつ逆方向に向けて搬送して、格納棚10から物品Wを出庫する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、物品の入出庫を行う自動倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の自動倉庫として、特許文献1に開示のものがある。特許文献1は、一対の格納庫と、各棚段に対応して格納庫の一端部に設けられた仮置き棚と、格納庫の各棚段に対応する台車と、仮置き棚の外側に設けられたリフトとを備えた自動倉庫を開示している。そして、入庫に際しては、荷物は、リフトによって所定の棚段の仮置き棚に移載され、さらに、仮置き棚上から台車によって格納庫の所定位置に移載されて保管されるようになっている。また、出庫に際しては、上記と逆の動作によって格納庫内の荷物が出庫されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開2000−118638号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような自動倉庫では、リフトによる移載作業時間と台車による移載作業時間とは異なり、これらの時間差に変動が生じる。そこで、仮置き棚に複数の仮置き位置を設定し、荷物を、リフト側から台車側に向けて或は逆に向けて、順次各仮置き位置に適宜停止させつつ搬送することで、当該仮置き棚に一種のバッファ機能を持たせて、入庫動作や出庫動作の迅速化を図ることができる。
【0005】
ところが、上記のような仮置き棚では、入庫時と出庫時とでは搬送方向が異なるため、荷物を、順次仮置き位置に適宜停止させつつ搬送するための構成が入庫用と出庫用とで異なってしまう。
【0006】
このため、仮置き棚に上記のようなバッファ機能を持たせた場合には、入庫用の機構と出庫用の機構とを専用の機構として用いることになる。
【0007】
しかしながらこの場合、出庫用の機構が故障等で動作不能になると、自動倉庫から荷物を出庫するためには、作業者による手出し作業に頼らざるを得なくなる。手出し作業は重労働であり、また、多くの人員と時間を要することになってしまう。
【0008】
そこで、本発明は、バッファ機能を持たせた移載棚を、入庫用と出庫用とで分けて設けることで効率的な入出庫作業を行えると共に、出庫用の構成部分が故障等で動作できない場合にも、出庫できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、第1の態様に係る自動倉庫は、複数の棚段を有する格納部と、前記各棚段に対応して設けられ、入庫物品受取位置から入庫物品引渡位置に向う入庫搬送方向に向けて、複数の物品を個別停止させつつ搬送可能で、かつ、物品を1つずつ前記入庫搬送方向の逆方向に向けて搬送可能な複数の入庫用移載棚と、前記各棚段に対応して設けられ、出庫物品受取位置から出庫物品引渡位置に向う出庫搬送方向に向けて、複数の物品を個別停止させつつ搬送可能な複数の出庫用移載棚と、前記各棚段に対応して設けられ、その各棚段で前記入庫用移載棚及び前記出庫用移載棚と前記格納部との間で物品を移載可能な複数の入出庫移載台車と、物品を昇降移動可能に構成され、前記各棚段に対応する入庫用移載棚に対して物品を受渡し可能に構成されると共に、前記各棚段に対応する出庫用移載棚に対して物品を受取可能に構成された昇降機構部と、非常出庫指令を受付ける非常出庫指令受付部と、前記非常出庫指令受付部を介した前記非常出庫指令の受付により、前記各入庫用移載棚による物品の搬送方向を、前記入庫搬送方向の逆方向に切替える搬送方向切替部と、通常状態では、前記各入庫用移載棚で複数の物品を個別停止させながら搬送可能にしつつ、前記昇降機構部から前記各入庫用移載棚及び前記各入出庫移載台車を経由して前記格納部に物品を入庫すると共に、前記各出庫用移載棚で複数の物品を個別停止させながら搬送可能にしつつ、前記各入出庫移載台車から前記各出庫用移載棚及び前記昇降機構部を経由して前記格納部から物品を出庫し、前記非常出庫指令受付部を介した前記非常出庫指令の受付により、前記各入庫用移載棚で物品を1つずつ前記入庫搬送方向の逆方向に向けて搬送しつつ、前記各入出庫移載台車から前記各入庫用移載棚及び前記昇降機構部を経由して前記格納部から物品を出庫する、入出庫制御部と、を備えたものである。
【0010】
第2の態様は、第1の態様に係る自動倉庫であって、前記各入庫用移載棚は、正転方向で物品を前記入庫搬送方向に向けて搬送し、逆転方向で物品を前記入庫搬送方向の逆方向に搬送するモータをそれぞれ有し、前記搬送方向切替部は、前記各入庫用移載棚のモータに接続された共通の電源経路の途中に設けられ、前記複数のモータを正転方向に回転させる態様と、前記複数のモータを逆転方向に回転させる態様とで、前記電源経路の接続を切替える可逆電磁接触器であるものである。
【0011】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る自動倉庫であって、前記昇降機構部は、物品を昇降移動可能に構成され、前記各棚段に対応する入庫用移動棚に対して物品を受渡可能な入庫用昇降機構部と、物品を昇降移動可能に構成され、前記各棚段に対応する出庫用移載棚に対して物品を受取可能な出庫用昇降機構部と、を有し、前記入出庫制御部は、前記通常状態では、前記入庫用昇降機構部を経由して物品を入庫すると共に、前記出庫用昇降機構部を経由して物品を出庫し、前記非常出庫指令受付部を介した前記非常出庫指令の受付により、前記入庫用昇降機構部を経由して物品を出庫するものである。
【0012】
第4の態様は、第3の態様に係る自動倉庫であって、前記入庫用昇降機構部から物品を受取り可能な物品受取部をさらに備え、前記入出庫制御部は、前記通常状態における入庫時に、入庫不適格物品を前記入庫用昇降機構部から前記物品受取部に引渡し、前記非常出庫指令受付部を介した前記非常出庫指令の受付により、前記入庫用昇降機構部を経由して前記物品受取部に物品を出庫するものである。
【発明の効果】
【0013】
第1の態様に係る自動倉庫によると、通常状態では、前記各入庫用移載棚で複数の物品を個別停止させながら搬送可能にしつつ、前記昇降機構部から前記各入庫用移載棚及び前記各入出庫移載台車を経由して前記格納部に物品を入庫することができる。また、通常状態では、前記各出庫用移載棚で複数の物品を個別停止させながら搬送可能にしつつ、前記各入出庫移載台車から前記各出庫用移載棚及び前記昇降機構部を経由して前記格納部から物品を出庫することができる。このため、各入庫用移載棚及び各出庫用移載棚で複数物品を載置可能にして、これらにバッファ機能を持たせて効率的な入出庫動作を行える。
【0014】
また、出庫用の構成部分が故障等で動作できない場合には、前記非常出庫指令受付部を介した前記非常出庫指令の受付により、前記各入庫用移載棚で物品を1つずつ前記入庫搬送方向の逆方向に向けて搬送しつつ、前記各入出庫移載台車から前記各入庫用移載棚及び前記昇降機構部を経由して前記格納部から物品を出庫することができる。
【0015】
第2の態様によると、前記搬送方向切替部は、前記各入庫用移載棚のモータに接続された共通の電源経路の途中に設けられた可逆電磁接触器であるので、1つの可逆電磁接触器で各棚段に対応する入庫用移載棚のモータを、一括して正転方向と逆転方向とで切替えて、各入庫用移載棚における入庫搬送方向を逆方向に切替えることができる。
【0016】
また、第3の態様によると、入庫用昇降機構部と出庫用昇降機構部とを有しているため、通常時で、効率のよい入出庫作業を行える。また、出庫用昇降機構部が故障等した非常時には、入庫用昇降機構部を用いて出庫できる。
【0017】
第4の態様によると、非常出庫指令時には、通常時に入庫不適格物品を排出するための物品受取部を利用して、物品を出庫できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、実施形態に係る自動倉庫について説明する。図1は自動倉庫全体を示す概略平面図であり、図2は自動倉庫全体を示す概略側面図である。
【0019】
この自動倉庫は、格納棚10と入庫用移載棚20と入庫用昇降機構部30と出庫用移載棚40と出庫用昇降機構部50と入出庫移載台車60と制御ユニット70と入力部74とを備えている。
【0020】
そして、入庫用コンベア38で搬送された物品Wは、入庫用昇降機構部30から入庫用移載棚20及び入出庫移載台車60を経由して格納棚10に入庫され、格納保管される。また、格納棚10に格納保管された物品Wは、入出庫移載台車60から出庫用移載棚40及び出庫用昇降機構部50を経由して、出庫用コンベア58に出庫されるようになっている。なお、各名称に付された「入庫用」との表現は、通常動作時における用途を意味し、常に入庫専用として用いられることを意味するものではない。
【0021】
格納棚10は、上下方向に複数の棚段12を有する格納部として構成されており、複数の物品Wを縦横に配列した状態で格納可能に構成されている。ここでは、一対の格納棚10が間隔をあけて対向して配置されており、各格納棚10の対向する側より物品を出し入れできるようになっている。
【0022】
入庫用コンベア38は、物品Wの所定の搬入箇所(図示省略)から格納棚10に至る経路、より具体的には、一方側の格納棚10の一端部近傍に至る経路上に配設されている。そして、前記搬入箇所で入庫用コンベア38上に物品Wを載置すると、図示省略のモータや複数のローラ等で構成される搬送機構部の搬送動作により、当該物品Wが一方側の格納棚10の一端部近傍に向けて搬送され、入庫用昇降機構部30に引渡されるようになっている。
【0023】
また、入庫用コンベア38に沿って、ここでは、入庫用コンベア38に沿った下方位置にリジェクト用コンベア39が設けられている。リジェクト用コンベア39は、入庫用昇降機構部30から物品Wを受取り可能に構成された物品受取部として構成されている。また、リジェクト用コンベア39は、図示省略のモータや複数のローラ等で構成される搬送機構部の搬送動作により、受取った物品Wを、上記入庫用コンベア38とは逆に格納棚10から離れる方向に搬送する。物品受取部は必ずしもリジェクト用コンベア39のように物品Wを搬送可能なコンベア等として構成されている必要はなく、単に物品Wを受取る台状の構成であってもよい。
【0024】
入庫用昇降機構部30は、物品Wを昇降移動可能に構成されており、入庫対象となる物品Wを各棚段12に対応する各入庫用移載棚20に対して引渡可能に構成されると共に、出庫対象となる物品Wを各棚段12に対応する各入庫用移載棚20から受取って出庫可能に構成されている。
【0025】
より具体的には、入庫用昇降機構部30は、入庫用コンベア38の搬送方向終端部分と入庫用移載棚20との間に設けられており、入庫用昇降移動部32と上下方向に沿って延びる柱状部31とを有している。入庫用昇降移載部32は、同一面状において並列状に配設された複数のローラと当該ローラを回転駆動可能なモータ等(共に図示省略)を有しており、当該ローラを正転方向又は逆転方向に適宜回転駆動させることによって、他から受取った物品Wを取込み或は載置された物品を他に送込むように、入庫用コンベア38と入庫用移載棚20との間で物品Wを移動させることができるようになっている。また、入庫用昇降移動部32は、上記柱状部31に沿って昇降移動可能に支持されると共に、モータ等を用いた昇降駆動機構部(図示省略)によって、上記柱状部31に沿って昇降移動可能とされている。そして、物品Wを載置した入庫用昇降移動部32を昇降移動させることで、物品Wを昇降移動させるようになっている。
【0026】
この入庫用昇降機後部30によると、入庫用昇降移動部32を入庫用コンベア38と略同一高さ位置に配設した状態で、当該入庫用コンベア38から搬送されてきた物品Wを受取って入庫用昇降移動部32上に載置することができる。また、入庫用昇降移動部32を複数の入庫用移載棚20のうちの1つと略同一高さ位置に配設した状態で、入庫用昇降移動部32に載置された物品Wを当該1つの入庫用移載棚20に引渡し、或は、当該1つの入庫用移載棚20に載置された物品Wを入庫用移載棚20上に受取って載置できる。さらに、入庫用昇降移動部32をリジェクト用コンベア39と略同一高さ位置に配設した状態で、入庫用昇降移動部32に載置された物品Wをリジェクト用コンベア39に引渡しできる。
【0027】
なお、上記入庫用コンベア38の途中又は入庫用昇降移動部32には、物品Wに予め付されたバーコード等の識別符号を読取る読取りセンサや、物品Wのサイズを検知するサイズ検知センサ等が設けられている。読取りセンサで読取られた物品Wの識別情報は、格納棚10に格納される物品Wの格納情報(格納場所、格納時間等)の管理等に供される。そして、読取りセンサでの読取りにエラーが生じた場合や、サイズ検知センサにより検知された物品Wのサイズが格納棚10での格納に適さないサイズと判断された場合等、物品Wが入庫不適格物品と判断された場合には、当該物品Wは、入庫用昇降機構部30を経由してリジェクト用コンベア39に搬出される。
【0028】
図3は入庫用移載棚20の要部を示す説明図である。図1〜図3に示すように、入庫用移載棚20は、一方側の格納棚10の一端部に隣設する位置で、各棚段12に対応して複数設けられている。各入庫用移載棚20は、上記入庫用昇降機構部30から物品Wを受取る入庫物品受取位置A1から入出庫移載台車60に対して物品Wを引渡す入庫物品引渡位置A2に向う入庫搬送方向Paに向けて、複数(ここでは3つ)の物品Wを個別停止させつつ搬送可能に構成されると共に、物品Wを1つずつ入庫搬送方向Paの逆方向Pbに向けて搬送可能に構成されている。
【0029】
より具体的には、各入庫用移載棚20は、一方側の格納棚10の一端部と入庫用昇降機構部30とを結ぶように略水平面上で略直線状に連なるように設けられた複数の分割移載機構部22を有している。
【0030】
各分割移載機構部22は、複数の搬送ローラ24と、物品Wを搬送するためのモータ25とを有している。複数の搬送ローラ24は、入庫搬送方向Paに沿って並列状に配置されており、上記モータ25の回転駆動力がギヤ機構やベルト機構等を介して各搬送ローラ24に伝達される。そして、モータ25の正転方向への回転(図3の矢符M1参照)により、各搬送ローラ24が同方向に回転して各搬送ローラ24上の物品Wを入庫搬送方向Paに向けて搬送する。また、モータ25の逆転方向への回転(図3の矢符M2参照)により、各搬送ローラ24が同逆方向に回転して各搬送ローラ24上の物品Wを入庫搬送方向Paの逆方向Pbに向けて搬送する。
【0031】
また、各分割移載機構部22の入庫搬送方向Pa下流側に物品検知センサ26及びストッパ27が設けられている。物品検知センサ26は、搬送された物品W全体が分割移載機構部22上に位置した状態で当該物品Wを検知し、検知結果に応じた検知信号を出力して制御ユニット70に与える。また、ストッパ27は、図示省略のモータ等を含む進退駆動機構部27aによって、分割移載機構部22における物品Wの移動経路に対して進退可能に配設されている。そして、制御ユニット70からの制御信号に応じてストッパ27が進出移動することで分割移載機構部22上を搬送された物品Wの入庫搬送方向Pa下流側部分に当接してその物品Wを分割移載機構部22上の所定位置に停止させる。また、ストッパ27が退避移動することで、分割移載機構部22上の物品Wを入庫搬送方向Paの下流側に搬送可能になると共に、物品Wを入庫搬送方向Paの逆方向Pbに搬送可能になる。
【0032】
各入庫用移載棚20は、上記分割移載機構部22が複数(ここでは3つ)直線状に並んでおり、次の態様で、複数(ここでは3つ)の物品Wを個別停止させつつ搬送する。すなわち、入庫搬送方向Pa最上流側の分割移載機構部22は、入庫用昇降機構部30からの物品Wを逐次受取り、受取った物品Wを逐次入庫搬送方向Pa中間の分割移載機構部22に搬送する。入庫搬送方向Pa中間の分割移載機構部22は、上流側より搬送された物品Wを、入庫搬送方向Pa最下流側の分割移載機構部22に搬送する。入庫搬送方向Pa最下流側の分割移載機構部22は、搬送された物品Wを進出移動したストッパ27にて停止させて、入出庫移載台車60に引渡し可能な位置に載置する。それよりも上流側の分割移載機構部22、即ち、入庫搬送方向Pa最上流側及び中間の分割移載機構部22は、物品Wを連続的に搬送する際に、上記物品検知センサ26の検知結果等に基づいて、それぞれの下流側の分割移載機構部22にて物品Wが停止していると判断された場合、進出移動したストッパ27にて物品Wを停止させる。これにより、各入庫用移載棚20は、複数の物品Wを載置した状態で、当該複数の物品Wを個別停止させつつ入庫搬送方向Paに向けて搬送し、1つずつ入出庫移載台車60に引渡すようになる。
【0033】
なお、初期状態でストッパ27が進出移動しており、各入庫用移載棚20において、それぞれの下流側の分割移載機構部22にて物品Wが停止していないと判断された場合に、ストッパ27を退避移動させて、物品Wの下流側への搬送を許容するようにしてもよい。この場合も、複数(ここでは3つ)の物品Wを個別停止させつつ搬送する態様に含まれる。
【0034】
通常の入庫時に上記のように複数(ここでは3つ)の物品Wを個別停止させつつ搬送するのは、各入庫用移載棚20に複数の物品Wを載置可能にして一種のバッファ機能を持たせることで効率的な入庫を可能にすると共に、物品Wを個別把握してその入庫位置等を管理するためである。
【0035】
また、各入庫用移載棚20は、次の態様で、物品Wを1つずつ入庫搬送方向Paの逆方向Pbに向けて搬送する。すなわち、後述する非常出庫指令により、全てのストッパ27を退避移動させると共に、各分割移載機構部22のモータ25を逆転させて、各分割移載機構部22の搬送方向を、上記入庫搬送方向Paの逆方向Pbに切替える。そして、入出庫移載台車60からの物品Wが入庫用移載棚20の入庫搬送方向Pa最下流側の入庫物品引渡位置に移載されると、当該物品Wを前記逆方向Pb向きに搬送して入庫物品受取位置に向けて一気に移動させる。そして、当該物品Wを、予め該当する棚段12に対応する高さ位置に昇降移動させておいた入庫用昇降移動部32に引渡す。
【0036】
つまり、この搬送動作では、各入庫用移載棚20に、複数の物品Wが同時に載置されることはなく、1つの物品Wだけが各入庫用移載棚20に移載載置される。この搬送動作では、物品Wを1つずつ入庫搬送方向Paの逆方向Pbに向けて一気搬送するので、当該逆方向Pbへの搬送に関して上記のような個別停止や位置検知のための構成を省略することができる。
【0037】
図4は各入庫用移載棚20に設けられたモータ25に電源を供給するための電気的構成を示すブロック図であり、図5は可逆電磁接触器を示す説明図である。
【0038】
すなわち、上記各入庫用移載棚20は、それぞれ上述したモータ25を複数(ここでは3つ)有している。各モータ25としては3相交流モータが用いられている。各モータ25は、各モータ25に対応する分岐経路25aを介して共通電源経路28に共通接続され、当該共通電源経路28を介して3相交流電源29に接続されている。なお、上記各分岐経路25aは、各モータ25のU相、V相、W相に対応する3つの電源配線を含み、また、共通電源経路28は3相交流電源29のR相、S相、T相に対応する3つの電源配線を含み、それぞれ各相毎に別々に接続されている。
【0039】
上記各分岐経路25aの途中には、対応するモータ25をオンオフするためのモータ駆動回路25bが設けられている。モータ駆動回路25bは、制御ユニット70からの駆動信号に応じて当該分岐経路25aをオンオフすることで対応するモータ25をオンオフするように構成されている。
【0040】
また、上記共通電源経路28の途中には、各入庫用移載棚20による物品Wの搬送方向を、入庫搬送方向Paの逆方向Pbに切替える搬送方向切替部として可逆電磁接触器80が設けられている。
【0041】
可逆電磁接触器80は、可逆マグネットスイッチとも呼ばれるものであり、連動してオンオフする3つの接点82a、82a、82a,82b、82b、82bを2組備えている。1つの組の3つの接点82a、82a、82aは、R相とU相、S相とV相、T相とW相とをそれぞれ接続可能に構成されている。また、他の組の3つの接点82b、82b、82bは、R相とW相、S相とV相、T相とU相とをそれぞれ接続可能に構成されている。そして、外部から入力される非常出庫指令に基づく切替信号に応じた図示省略の電磁石の励磁状態によって、各組の3つの接点82a、82a、82a,82b、82b、82bが、2つの組間で排他的にオン(他方はオフ)になる。そして、一方の組の3つの接点82a、82a、82aがオン状態(他の組がオフ状態)になることで、各モータ25が正転可能な状態になる。また、他の組の3つの接点82b、82b、82bがオン状態(一方の組がオフ状態)になることで、全てのモータ25に対するR相、S相、T相のうちの2相が入替り当該全てのモータ25が逆転方向に回転可能な状態となる。このようにして、可逆電磁接触器80は、各モータ25を正転方向に回転させる態様と、複数のモータ25を逆転方向に回転させる態様とで、共通電源経路28の接続を切替える。
【0042】
ここでは、各モータ25が3相交流モータである例で説明したが、直流モータの場合でも共通電源経路で正極と負極とを切替えることで同様に回転方向を切替えることができる。
【0043】
図1及び図2に戻って、出庫用移載棚40は、各棚段12に対応して設けられており、他方側の格納棚10の一端部に隣設する位置で、各棚段12に対応して複数設けられている。各出庫用移載棚40は、入出庫移載台車60から物品Wを受取る出庫物品受取位置B1から出庫用昇降機構部50に対して物品Wを引渡す出庫物品引渡位置B2に向う出庫搬送方向Pcに向けて、複数の物品Wを個別停止させつつ搬送可能に構成されている。
【0044】
より具体的には、各出庫用移載棚40は、他方側の格納棚10の一端部と出庫用昇降機構部50とを結ぶように略水平面上で略直線状に連なるように設けられた複数の分割移載機構部42を有している。各分割移載機構部42は、次の点を除いて上記分割移載機構部22と同様構成である。この分割移載機構部42と分割移載機構部22とが異なる点は、複数の物品Wを個別停止させつつ搬送する出庫搬送方向Pcが上記入庫搬送方向Paに対して逆方向であることに鑑み、物品検知センサ26及びストッパ27が当該出庫搬送方向Pcの下流側に位置する点である。
【0045】
そして、上記入庫用移載棚20と同様動作によって、各出庫用移載棚40は、出庫搬送方向Pcに向けて複数の物品Wを個別停止させつつ搬送可能に構成されている。
【0046】
出庫用昇降機構部50は、上記柱状部31に対応する柱状部51と入庫用昇降移載部32に対応する出庫用昇降移載部52とを有しており、上記入庫用昇降機構部30と略同様構成にて物品Wを昇降移動可能に構成されており、出庫対象となる物品Wを各棚段12に対応する各出庫用移載棚40から受取って出庫用コンベア58に引渡す。
【0047】
出庫用コンベア58は、物品を格納棚近傍から離れた方向に搬送する点を除いて、入庫用コンベア38と同様構成とされている。そして、出庫用昇降機構部50から受取った物品Wを所定の搬出箇所(図示省略)に向けて搬送するように構成されている。
【0048】
入出庫移載台車60は、各棚段12に対応して複数設けられており、各入出庫移載台車60は、その棚段12で入庫用移載棚20及び出庫用移載棚40と格納棚10との間で物品Wを移載可能に構成されている。
【0049】
より具体的には、入出庫移載台車60は、一対の格納棚10間で、各棚段12において、格納棚10に対向する位置と上記入庫用移載棚20及び出庫用移載棚40の格納棚10側端部との間を往復移動可能に設けられている。入出庫移載台車60の移動は、図示省略のモータ及び車輪等を含む走行機構部によってなされる。また、各入出庫移載台車60は、一対の格納棚10や入庫用移載棚20の入庫物品引渡位置、出庫用移載棚40の出庫物品受取位置に向けて進退可能で、かつ、物品Wを把持及び把持解除可能なピッカーを有している。このピッカーの駆動は、モータや各種動力伝達機構を含むピッカー駆動機構部によってなされる。
【0050】
そして、入出庫移載台車60が、入庫用移載棚20の入庫物品引渡位置に対応する位置に移動した状態で、上記ピッカーを動作させることで、入庫用移載棚20の入庫物品引渡位置の物品Wを受取ることができる。また、この物品Wを取込んだ状態で、入出庫移載台車60が格納棚10に対向する位置に移動し、上記ピッカーを動作させることで、当該取込んだ物品Wを格納棚10に移載することができる。さらに、入出庫移載台車60が格納棚10に対向する位置に移動した状態で、上記ピッカーを動作させることで、格納棚10の物品Wを取込むことができ、この状態で、入庫用移載棚20の入庫物品引渡位置や出庫用移載棚40の出庫物品受取位置に対向する位置に移動させて、ピッカーを動作させることで、その物品Wを入庫用移載棚20の入庫物品引渡位置や出庫用移載棚40の出庫物品受取位置に移載する。
【0051】
制御ユニット70は、CPU、ROMおよびRAM等を備える一般的なマイクロコンピュータによって構成されており、予め格納されたソフトウェアプログラムによって後述処理を実行して、本自動倉庫の全体制御を実行する入出庫制御部として動作可能に構成されている。また、制御ユニット70には、スイッチ等によって構成される入力部74が接続されている。この入力部74は、本自動倉庫に関する諸動作指令を受付けるものであり、ここでは、操作者の操作に応じて非常出庫指令を受付ける非常出庫指令受付部としての機能をも有している。
【0052】
図6は制御ユニット70の処理手順を示すフローチャートである。まず、本自動倉庫による動作開始後、ステップS1において通常動作モードにて物品Wの入庫処理及び出庫処理を行う。通常動作モードは、本自動倉庫が正常に動作している通常状態で行われるモードである。すなわち、通常動作モードによる物品Wの入庫処理では、制御ユニット70は、入庫用コンベア38を経由して入庫される物品Wを、入庫用昇降機構部30から各入庫用移載棚20及び各入出庫移載台車60を経由して格納棚10に物品Wを入庫する。この際、入庫用コンベア38又は入庫用昇降機構部30で物品Wに付された識別符号を読取ると共に、各入庫用移載棚20で複数の物品Wを個別停止させつつ搬送することで、各入庫用移載棚20に複数の物品Wを載置可能にして一種のバッファ機能を持たせて効率的な入庫を図ると共に、搬送途中で物品Wの位置等を個別把握してその入庫位置等を把握管理することができる。
【0053】
なお、この通常動作モードにおいて、制御ユニット70において、物品Wが格納に適さない入庫不適格物品と判断された場合には、当該物品Wを入庫用昇降機構部30からリジェクト用コンベア39に移載して外部に搬出する。入庫不適格物品か否かの判断は、入庫用コンベア38及び入庫用昇降機構部30のいずれかに設けられた上記した読取りセンサやサイズ検知センサ等からの出力結果に基づいて行われ、例えば、読取りエラーやサイズオーバーと判断されたとき等に入庫不適格物品として判断される。
【0054】
通常動作モードによる物品Wの出庫処理では、制御ユニット70は、各格納棚10に格納された物品Wを、各入出庫移載台車60から各出庫用移載棚40及び出庫用昇降機構部50を経由して出庫用コンベア58に搬出する。この際、各出庫用移載棚40で複数の物品Wを個別停止させつつ搬送する。
【0055】
ステップS1において通常動作モード開始後、ステップS2に移行し、異常状態の有無が判断され、異常状態無しと判断された場合、ステップS1に戻り、通常動作モードを続行する。ステップS2において、異常状態有りと判断された場合、ステップS3に移行する。ステップS2の判断は、利用者による非常停止入力の有無或は本自動倉庫に組込まれた各種自己診断機能に基づく非常停止出力等に基づいてなされる。
【0056】
ステップS3では、通常動作モードを停止して自動倉庫の動作を停止させる。
【0057】
その後、ステップS4に移行し、入力部74を通じた非常出庫指令の受付有無を判断する。ここで、非常出庫指令無しと判断された場合には、ステップS4の判断を繰返し、利用者による入力部74の操作により非常出庫指令有りと判断されると、ステップS5に進み非常出庫モードを実行する。
【0058】
非常出庫モードでは、制御ユニット70は、各格納棚10に格納された物品Wを、入出庫移載台車60から各入庫用移載棚20及び入庫用昇降機構部30を経由してリジェクト用コンベア39に搬出する。より具体的には、図7及び図8に示すように、まず、取出し要求された物品Wを、入出庫移載台車60により格納棚10から取出す(図7の矢符P1参照)。そして、入出庫移載台車60を入庫用移載棚20の入庫物品引渡位置A2に対向する位置に移動させる(図7及び図8の矢符P2参照)。そして、物品Wを入出庫移載台車60から入庫用移載棚20の入庫物品引渡位置A2に移載する(図7の矢符P3参照)。さらに、入庫用移載棚20において、移載された物品Wを、入庫物品引渡位置A2からから入庫物品受取位置A1に向けて一気に搬送する(図7及び図8の矢符P4参照)。この後、物品Wを入庫用移載棚20から入庫用昇降機構部30の入庫用昇降移動部32に移載する(図7及び図8の矢符P5参照)。すると、入庫用昇降移動部32はリジェクト用コンベア39に対応する高さ位置に昇降移動し(図8の矢符P6参照)、物品Wを当該リジェクト用コンベア39に移載する(図7及び図8の矢符P7参照)。これにより、物品Wが取出される。上記を連続して行うことで、格納棚10に格納された物品Wが順次取出される。
【0059】
以上のように構成された自動倉庫によると、通常状態では、各入庫用移載棚20で複数の物品Wを個別停止させながら搬送可能にしつつ、入庫用昇降機構部30から各入庫用移載棚20及び各入出庫移載台車60を経由して格納棚10に物品Wを入庫することができる。従って、各棚段12において、入庫用移載棚20に対する物品Wの入出スピードが異なり変動する場合等でも、入庫用移載棚20に複数の物品Wを載置することでバッファ機能を持たせて待ち時間を減らし、効率的な入庫作業を行える。また、通常状態では、各出庫用移載棚40で複数の物品Wを個別停止させながら搬送可能にしつつ、各入出庫移載台車60から各出庫用移載棚40及び出庫用昇降機構部50を経由して格納棚10から物品Wを出庫することができる。このため、出庫時においても、同様に、出庫用移載棚40に複数の物品Wを載置することでバッファ機能を持たせて待ち時間を減らし、効率的な出庫作業を行える。
【0060】
また、出庫用の構成部分(例えば、出庫用移載棚40や出庫用昇降機構部50等)が故障等で動作できない場合には、入力部74を介した非常出庫指令の受付により、各入庫用移載棚20で物品Wを1つずつ入庫搬送方向Paの逆方向Pbに向けて搬送しつつ、入出庫移載台車60から各入庫用移載棚20及び入庫用昇降機構部30を経由して格納棚10から物品を出庫できる。これにより、手出し作業に頼らず、格納棚10内の物品Wを出庫できる。特に、入庫時とは異なり、各入庫用移載棚20で物品Wを1つずつ入庫搬送方向Paの逆方向Pbに向けて一気に搬送しているので、物品検知センサ26及びストッパ27等を追加することなく簡易な構成で非常時の出庫を行える。
【0061】
また、搬送方向切替部として、各モータ25が共通接続された共通電源経路28の途中に設けられた可逆電磁接触器80を用いているので、1つの可逆電磁接触器で、各棚段12に対応する入庫用移載棚20のモータ25全てを一括して正転方向と逆転方向とで切替えることができ、比較的簡易かつ低コストな構成で全ての入庫用移載棚20の入庫搬送方向Paを逆方向Pbに切替えることができる。
【0062】
また、入庫用昇降機構部30と出庫用昇降機構部50を別々に設けているため、通常状態で、効率よく入出庫作業を行える。また、出庫用昇降機構部50が故障等した非常時には、入庫用昇降機構部30を用いて出庫できる。
【0063】
また、非常出庫指令時には、通常時に入庫不適格物品を排出するリジェクト用コンベア39を用いているため、入庫用コンベア38に逆搬送方向への切替え構成等特殊な設計変更を施すことなく、物品Wを出庫できる。
【0064】
{変形例}
なお、上記実施形態において、非常出庫モードで、入庫用昇降機構部30から入庫用コンベア38に物品Wを出庫するようにしてもよい。
【0065】
また、上記では、入庫用昇降機構部30と出庫用昇降機構部50とを別々に設けているが、これらを共通構成の昇降機構部として、入庫用移載棚20に対して物品Wを受渡可能に構成すると共に、出庫用移載棚40に対して物品Wを受取可能に構成してもよい。
【0066】
また、格納棚10の両端部に分けて、入庫用移載棚20及び入庫用昇降機構部30と、出庫用移載棚40及び出庫用昇降機構部50とを設けてもよい。
【0067】
さらに、非常出庫指令受付は、所定のセンサ出力等に基づいて故障の有無を判断する故障検知部からの故障検知信号に基づいてなされてもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、各物品検知センサ26からの出力に基づいてストッパ27を駆動して物品Wを個別に停止又は移動可能な状態にする例で説明したが、必ずしもそのような構成に限られない。例えば、ストッパ27を省略し、物品検知センサ26からの出力に基づいて各分割移載機構部22,42毎にモータ25を回転駆動又は回転駆動停止することで、物品Wを個別に停止又は移動させるようにしてもよい。つまり、物品検知センサ26からの出力に基づいて、上記ストッパ24を進出させる代りにモータ25の回転を停止させ、上記ストッパ24を退避させる代りにモータ25を回転駆動させてもよい。要するに、入庫用移載棚20,出庫用移載棚40としては、ストッパ27の動作により或はモータ等の物品W搬送用のアクチュエータのオンオフ等により、複数の物品Wを個別停止させつつ搬送可能な構成であればよい。
【0069】
勿論、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】自動倉庫全体を示す概略平面図である。
【図2】自動倉庫全体を示す概略側面図である。
【図3】入庫用移載棚の要部を示す説明図である。
【図4】各モータに電源を供給するための電気的構成を示すブロック図である。
【図5】可逆電磁接触器を示す図である。
【図6】制御ユニットの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】非常出庫モードでの物品の出庫動作を示す概略平面図である。
【図8】非常出庫モードでの物品の出庫動作を示す概略側面図である。
【符号の説明】
【0071】
10 格納棚
12 棚段
20 入庫用移載棚
22 分割移載機構部
25 モータ
26 物品検知センサ
27 ストッパ
28 共通電源経路
29 3相交流電源
30 入庫用昇降機構部
39 リジェクト用コンベア
40 出庫用移載棚
42 各分割移載機構部
50 出庫用昇降機構部
60 入出庫移載台車
70 制御ユニット
74 入力部
80 可逆電磁接触器
A1 入庫物品受取位置
A2 入庫物品引渡位置
B1 出庫物品受取位置
B2 出庫物品引渡位置
Pa 入庫搬送方向
Pb 逆方向
Pc 出庫搬送方向
W 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の棚段を有する格納部と、
前記各棚段に対応して設けられ、入庫物品受取位置から入庫物品引渡位置に向う入庫搬送方向に向けて、複数の物品を個別停止させつつ搬送可能で、かつ、物品を1つずつ前記入庫搬送方向の逆方向に向けて搬送可能な複数の入庫用移載棚と、
前記各棚段に対応して設けられ、出庫物品受取位置から出庫物品引渡位置に向う出庫搬送方向に向けて、複数の物品を個別停止させつつ搬送可能な複数の出庫用移載棚と、
前記各棚段に対応して設けられ、その各棚段で前記入庫用移載棚及び前記出庫用移載棚と前記格納部との間で物品を移載可能な複数の入出庫移載台車と、
物品を昇降移動可能に構成され、前記各棚段に対応する入庫用移載棚に対して物品を受渡し可能に構成されると共に、前記各棚段に対応する出庫用移載棚に対して物品を受取可能に構成された昇降機構部と、
非常出庫指令を受付ける非常出庫指令受付部と、
前記非常出庫指令受付部を介した前記非常出庫指令の受付により、前記各入庫用移載棚による物品の搬送方向を、前記入庫搬送方向の逆方向に切替える搬送方向切替部と、
通常状態では、前記各入庫用移載棚で複数の物品を個別停止させながら搬送可能にしつつ、前記昇降機構部から前記各入庫用移載棚及び前記各入出庫移載台車を経由して前記格納部に物品を入庫すると共に、前記各出庫用移載棚で複数の物品を個別停止させながら搬送可能にしつつ、前記各入出庫移載台車から前記各出庫用移載棚及び前記昇降機構部を経由して前記格納部から物品を出庫し、前記非常出庫指令受付部を介した前記非常出庫指令の受付により、前記各入庫用移載棚で物品を1つずつ前記入庫搬送方向の逆方向に向けて搬送しつつ、前記各入出庫移載台車から前記各入庫用移載棚及び前記昇降機構部を経由して前記格納部から物品を出庫する、入出庫制御部と、
を備えた自動倉庫。
【請求項2】
請求項1記載の自動倉庫であって、
前記各入庫用移載棚は、正転方向で物品を前記入庫搬送方向に向けて搬送し、逆転方向で物品を前記入庫搬送方向の逆方向に搬送するモータをそれぞれ有し、
前記搬送方向切替部は、前記各入庫用移載棚のモータに接続された共通の電源経路の途中に設けられ、前記複数のモータを正転方向に回転させる態様と、前記複数のモータを逆転方向に回転させる態様とで、前記電源経路の接続を切替える可逆電磁接触器である、自動倉庫。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の自動倉庫であって、
前記昇降機構部は、
物品を昇降移動可能に構成され、前記各棚段に対応する入庫用移動棚に対して物品を受渡可能な入庫用昇降機構部と、
物品を昇降移動可能に構成され、前記各棚段に対応する出庫用移載棚に対して物品を受取可能な出庫用昇降機構部と、
を有し、
前記入出庫制御部は、前記通常状態では、前記入庫用昇降機構部を経由して物品を入庫すると共に、前記出庫用昇降機構部を経由して物品を出庫し、前記非常出庫指令受付部を介した前記非常出庫指令の受付により、前記入庫用昇降機構部を経由して物品を出庫する、自動倉庫。
【請求項4】
請求項3記載の自動倉庫であって、
前記入庫用昇降機構部から物品を受取り可能な物品受取部をさらに備え、
前記入出庫制御部は、前記通常状態における入庫時に、入庫不適格物品を前記入庫用昇降機構部から前記物品受取部に引渡し、前記非常出庫指令受付部を介した前記非常出庫指令の受付により、前記入庫用昇降機構部を経由して前記物品受取部に物品を出庫する、自動倉庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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