説明

自動分析装置のメニュー表示方法、自動分析装置、およびプログラム

【課題】全ての利用者に対して操作性を向上させることができる自動分析装置のメニュー表示方法、自動分析装置、およびプログラムを提供する。
【解決手段】当該装置の動作を指示する動作指示信号の入力履歴である操作履歴を、操作元である利用者を識別する識別情報と対応付けて記憶する操作履歴記憶部を備え、当該装置を操作可能なログオン状態にある利用者の操作履歴を前記操作履歴記憶部に書き込んで記録し、ログオン状態にある利用者の操作履歴を前記操作履歴記憶部から読み出し、この読み出した操作履歴を参照することによって前記表示部で表示するメニューの表示態様のカスタマイズを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体と試薬とを用いて前記検体の分析を行い、この分析の結果を含む情報を表示する表示部を備えた自動分析装置の動作に対応するメニューを前記表示部で表示する自動分析装置のメニュー表示方法、自動分析装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
検体と試薬とを用いてその検体の分析を行う自動分析装置は、分析に関する情報や装置の動作に関連する情報などを表示する表示部を具備している。このような自動分析装置では、利用者が表示部に表示される画面の内容にしたがって装置の動作指示信号を選択的に入力するのが一般的である(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−227433号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した自動分析装置を操作する場合、その操作の内容は、操作元である利用者によって顕著に異なる。例えば、医師、看護師、または検査技師は、検体の分析に関する処理を行うことが多いのに対し、装置の管理者や保守サービスを行う業者は、保守やメンテナンスに関する処理を行うことが多い。このため、動作指示信号を選択的に入力する際の画面のメニュー表示が利用者によらず同じである場合、操作性が良くないと感じる利用者が出てきてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、全ての利用者に対して操作性を向上させることができる自動分析装置のメニュー表示方法、自動分析装置、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1記載の発明は、検体と試薬とを用いて前記検体の分析を行い、この分析の結果を含む情報を表示する表示部を備えた自動分析装置の動作に対応するメニューを前記表示部で表示する自動分析装置のメニュー表示方法であって、当該装置の動作を指示する動作指示信号の入力履歴である操作履歴を、操作元である利用者を識別する識別情報と対応付けて記憶する操作履歴記憶部を備えた前記自動分析装置が、当該装置を操作可能なログオン状態にある利用者の操作履歴を前記操作履歴記憶部に書き込んで記録する記録ステップと、前記記録ステップで記録した操作履歴のうちログオン状態にある利用者の操作履歴を前記操作履歴記憶部から読み出し、この読み出した操作履歴を参照することによって前記表示部で表示するメニューの表示態様のカスタマイズを行うカスタマイズステップと、を少なくとも実行することを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記記録ステップは、同一の利用者による複数回のログオンが可能な期間に渡って行われることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記操作履歴は、前記表示部で表示されるメニューの操作回数を含むことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項記載の発明において、前記操作履歴は、前記表示部で表示されるメニューの操作順を含むことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項記載の発明において、前記メニューの表示態様は、前記表示部におけるメニューの表示順であることを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、検体と試薬とを用いて前記検体の分析を行う自動分析装置であって、当該自動分析装置の動作を指示する動作指示信号の入力を受ける入力手段と、当該自動分析装置の動作に対応するメニューを表示する表示手段と、前記入力手段で入力された動作指示信号の入力履歴である操作履歴を、操作元である利用者を識別する識別情報と対応付けて記憶する操作履歴記憶手段と、前記入力手段で入力された動作指示信号に応じた制御を行うとともに、当該自動分析装置を操作可能なログオン状態にある利用者の操作履歴を前記操作履歴記憶手段に書き込んで記録する制御手段と、前記制御手段で記録した操作履歴のうちログオン状態にある利用者の操作履歴を前記操作履歴記憶手段から読み出し、この読み出した操作履歴を参照することによって前記表示手段で表示するメニューの表示態様のカスタマイズを行うカスタマイズ手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記制御手段は、同一の利用者の操作履歴を当該利用者による複数回のログオンが可能な期間に渡って記録することを特徴とする。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項6または7記載の発明において、前記操作履歴は、前記表示手段で表示されるメニューの操作回数を含むことを特徴とする。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項6〜8のいずれか一項記載の発明において、前記操作履歴は、前記表示手段で表示されるメニューの操作順を含むことを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の発明は、請求項6〜9のいずれか一項記載の発明において、前記メニューの表示態様は、前記表示手段におけるメニューの表示順であることを特徴とする。
【0016】
請求項11記載の発明に係るプログラムは、請求項1〜5のいずれか一項記載の自動分析装置のメニュー表示方法を前記自動分析装置に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、当該装置の動作を指示する動作指示信号の入力履歴である操作履歴を、操作元である利用者を識別する識別情報と対応付けて記憶する操作履歴記憶部を備え、当該装置を操作可能なログオン状態にある利用者の操作履歴を前記操作履歴記憶部に書き込んで記録し、ログオン状態にある利用者の操作履歴を前記操作履歴記憶部から読み出し、この読み出した操作履歴を参照することによって前記表示部で表示するメニューの表示態様のカスタマイズを行うことにより、全ての利用者に対して操作性を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以後、実施の形態と称する)を説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の外観構成を模式的に示す図である。また、図2は、本実施の形態に係る自動分析装置要部の機能構成を示す図である。これらの図に示す自動分析装置1は、検体(試料)および試薬を反応容器にそれぞれ分注し、その反応容器内で生じる反応を光学的に測定する測定機構11と、この測定機構11を含む自動分析装置1の制御を行うとともに測定機構11における測定結果の分析を行う制御分析機構21とを有し、これら二つの機構が連携することによって複数の検体の成分の生化学的な分析を自動的かつ連続的に行う。
【0019】
測定機構11は、検体を収容する検体容器31が搭載された複数のラック32を収納して順次移送する検体移送部12と、試薬容器41を保持する試薬容器保持部13と、検体と試薬とを収容して反応させる反応容器51を保持する反応容器保持部14と、を備える。また、測定機構11は、検体移送部12上の検体容器31に収容された検体を反応容器51に分注する検体分注部15、試薬容器保持部13上の試薬容器41に収容された試薬を反応容器51に分注する試薬分注部16、反応容器51の内部に収容された液体(微量の固体成分を含み得る)を攪拌する攪拌部17、光源から照射されて反応容器51内を通過した光を受光して所定の波長成分の強度等を測定する測光部18、および反応容器51の洗浄を行う洗浄部19を備える。
【0020】
制御分析機構21は、検体の分析に必要な情報や自動分析装置1の動作を指示する動作指示信号などを含む情報の入力を受ける入力部22、検体の分析に関する情報を出力する出力部23、利用者の操作履歴(動作指示信号の入力履歴)に応じて出力部23から出力される情報を利用者ごとにカスタマイズするカスタマイズ部24、測定機構11における測定結果に基づいて検体の成分の分析を行う分析部25、検体の分析に関する情報や自動分析装置1に関する情報を含む各種情報を記憶する記憶部26、および自動分析装置1の動作制御や各種演算を行う制御部27を備える。
【0021】
入力部22は、キーボードやマウスを備える。また、入力部22として、トラックボール、トラックパッドなどのポインティングデバイスや、音声入力用のマイクロフォン等のユーザインターフェースをさらに具備してもよい。
【0022】
出力部23は、液晶、プラズマ、有機EL(Electroluminescence)、CRT等のディスプレイによって実現される表示部231を有する。この表示部231では、自動分析装置1が行う動作を利用者が選択するためのメニューを表示したり、検体の分析に関する情報を表示したりする。なお、出力部23として、音声出力用のスピーカや、紙などに情報を印刷して出力するプリンタを具備させてもよい。
【0023】
記憶部26は、利用者からの自動分析装置1に対する動作指示信号の入力履歴である操作履歴を記憶する操作履歴記憶部261と、自動分析装置1が行う分析項目や分析項目毎の分析パラメータ、分析結果などを含む分析情報を記憶する分析情報記憶部262とを有する。操作履歴記憶部261は、操作元である利用者のログオン名およびパスワードから成る識別情報と対応付けることにより、各利用者の操作履歴を個別に記憶、管理している。分析情報記憶部262は、自動分析装置1が行う分析項目、分析項目ごとの分析パラメータ、および分析結果等を含む情報を記憶する。分析情報記憶部262が記憶する分析パラメータとしては、検査項目、試薬の種類、検体や試薬の分注量、試薬の有効期限、検量線の作成に必要な濃度、各分析項目の参照値および許容値などがあり、自動分析装置1に特有なパラメータも含まれる。
【0024】
記憶部26は、さまざまな情報を磁気的に記憶するハードディスクと、自動分析装置1が処理を実行する際にその処理に係るプログラムをハードディスクからロードして電気的に記録するメモリとを用いて実現される。このプログラムには、本実施の形態に係る自動分析装置のメニュー表示方法(後述)を自動分析装置1に実行させるプログラムも含まれる。また、記憶部26は、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、PCカード、xDピクチャーカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された情報を読み取る補助記憶装置を具備してもよく、そのような記録媒体に対して前述したプログラムを記録しておくことも可能である。
【0025】
制御部27は、入力部22で入力された動作指示信号に応じた自動分析装置1の制御を行うとともに、自動分析装置1を操作可能なログオン状態にある利用者の操作履歴を記憶部26内の操作履歴記憶部261に書き込んで記録する機能を有しており、CPU(Central Processing Unit)等を用いて実現される。
【0026】
なお、制御分析機構21において、入力部22、カスタマイズ部24、制御部27、表示部231、および操作履歴記憶部261が、順に入力手段、カスタマイズ手段、制御手段、表示手段、および操作履歴記憶手段の少なくとも一部の機能をそれぞれ実現していることはいうまでもない。
【0027】
以上の機能構成を有する制御分析機構21は、一または複数のコンピュータを用いて実現される。このうち、制御分析機構21が複数のコンピュータを用いて実現される場合には、制御分析機構21が有する各機能を異なるコンピュータに適宜分散し、コンピュータ同士を直接的に接続するか、または通信ネットワーク(インターネット、イントラネット、専用回線網、LAN、電話網、等)を介して相互に接続すればよい。
【0028】
制御分析機構21では、測定機構11の測光部18から検体の分析に係る測定結果を受信すると、分析部25が測定対象である検体の分析情報を分析情報記憶部262から読み出し、測定結果の分析演算を行う。この分析演算においては、測光部18から送られてくる測定結果に基づいて反応液の吸光度を算出し、この算出結果に加えて標準検体から得られる検量線や分析情報に含まれる分析パラメータを用いることにより、反応液の成分等を定量的に求める。このようにして得られた分析結果は、出力部23から出力される(表示部231での表示を含む)一方、分析情報記憶部262に書き込まれて記憶される。
【0029】
図3は、本実施の形態に係る自動分析装置のメニュー表示方法の処理の概要を示すフローチャートである。まず、自動分析装置1にログオンしている利用者が、表示部231で表示するメニュー項目の設定を行う(ステップS1)。
【0030】
図4は、ステップS1における表示部231の画面表示例を示す図である。同図に示す表示メニュー選択画面61には、通常操作時の画面において表示されるタイトル(「ルーチン」、「パラメータ」、「補助」、「メンテナンス」、「ユーザ」)が、タブtごとに一つずつ表示されている。利用者は、入力部22の一部をなすマウスを操作することにより、所望のタイトルが記載されたタブtにマウスポインタPの先端部を移動させ、マウスに設けられた所定のボタンをクリックする(以後、この操作を単に「マウスをクリック」と表現する)ことによって選択を確定する。
【0031】
表示メニュー選択画面61では、「ユーザ」というタイトルのタブtを選択した場合の表示例を示している。この場合、メニュー項目の選択候補が表示される選択候補表示エリア62には、初期画面で「ユーザ」というタイトルを選択した場合に表示可能なメニュー項目が表示される。各メニュー項目の左端には、正方形のボックスbが表示される。利用者は、選択するメニュー項目に対応するボックスbの位置にマウスポインタPの先端部を移動させ、マウスをクリックすることによってメニューの選択を行う。図4では、「スタート条件設定」というメニュー項目に対応するボックスbにチェックが入っており、このメニュー項目が選択された状態であることを示している。他のメニュー項目のうち必要なメニュー項目についても上記同様に選択し、最後に決定用アイコン63にマウスポインタPの先端部を移動させてマウスをクリックすれば、タイトル「ユーザ」において表示されるメニュー項目の設定が完了する。
【0032】
以上説明した表示メニュー選択画面61や後述する各表示画面は、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)形式を用いて記述されており、通常のブラウザ機能を備えたコンピュータのディスプレイであれば表示可能なものである。
【0033】
ステップS1におけるメニュー項目の設定に続いて、利用者は表示メニューのカスタマイズを行う際に操作履歴記憶部261から参照する操作履歴の内容を選択し、この選択結果を入力部22から入力する(ステップS2)。図5は、図4に示す表示メニュー選択画面61に続いて表示部231で表示される画面表示例を示す図である。この図5に示す操作履歴内容選択画面71は、表示メニューをカスタマイズする際に参照すべき操作履歴の内容の選択を利用者に促す。具体的には、「1.メニューの操作回数」、「2.操作順」、および「3.操作回数&操作順」の中から一つの項目の選択を促す。利用者は、選択する内容に対応して操作履歴内容選択画面71に表示されているボックスbにマウスポインタPの先端部を位置合わせしてマウスをクリックした後、決定用アイコン72にマウスポインタPの先端部を移動してマウスをクリックすることにより、選択内容を確定する。
【0034】
図6は、ステップS1およびS2によって設定された内容に基づいてカスタマイズ部24で生成したメニュー項目の表示部231における表示例を示す図である。同図に示す操作画面81では、利用者がタイトル表示エリア82に表示されている「ユーザ」というタイトル部分にマウスポインタPの先端部を移動させてマウスをクリックした後の状態を示している。この状態で、メニュー表示エリア83には、ステップS1で利用者によって選択されたメニュー項目が表示されており、具体的には、上から順に「スタート条件設定」、「精度管理チャート」、「精度管理ヒストグラム」、「オンライン」、「データ編集」、「項目パネル設定」、「報告書」の7つのメニュー項目が表示されている。なお、この段階でのメニュー項目の表示順は、利用者の操作履歴を反映しているわけではない。
【0035】
この後、制御部27では、利用者によって入力部22から入力された動作指示信号を操作履歴記憶部261に順次書き込んで記録する(ステップS3)。このステップS3の処理は、ステップS2が終了してから所定の操作履歴記録期間内にある(ステップS4でNo)限り行われる。これに対して、操作履歴記録期間が終了した場合(ステップS4でYes)には、ステップS5以降の処理に移る。
【0036】
上述した操作履歴記録期間は、利用者の操作入力の傾向が顕著になってくる程度の長さを有していればよい。この意味では、同一の利用者が複数回のログオンを行い得る程度の長さであることが望ましい。そこで、この操作履歴記録期間をログオン/ログオフの回数で定義してもよいし、日数、週数、または月数などで定義してもよい。この操作履歴記録期間は、ステップS2の前後で利用者からの入力によって設定できるようにすることも可能である。
【0037】
続いて、操作履歴情報記録期間が終了(ステップS4でYes)した後の処理について説明する。カスタマイズ部24は、操作履歴記憶部261で記憶している操作履歴のうち、ステップS2で設定された内容を参照することにより、表示部231で表示するメニューのカスタマイズを行う(ステップS5)。以下、ステップS5の具体的な処理について、ステップS2の選択に応じて説明する。
【0038】
(1)「1.操作回数」を選択した場合
図7は、ステップS5において参照する操作履歴の構成例を示す図である。同図に示す操作履歴テーブル91には、利用者の識別情報であるユーザIDおよびパスワードとともに、メニュー項目ごとの操作回数が記録されている。最も操作回数が多いメニュー項目は「スタート条件設定」(25回)であり、以下、「データ編集」(21回)、「オンライン」(15回)、「報告書」(10回)、「精度管理ヒストグラム」(6回)、「精度管理チャート」(4回)、「項目パネル設定」(3回)の順となっている。
【0039】
この操作履歴テーブル91では、操作履歴記録期間が「ログオン/ログオフ20回」と設定されている。このように、操作履歴記録期間として複数のログオン時の動作指示信号の入力傾向を反映できる程度の長さを設定することにより、表示メニューをカスタマイズする際に参照する操作履歴のデータとしての信頼性を向上させることができる。なお、操作履歴テーブル91には、操作回数以外にも、「操作順」に関する2つの項目があるが、これらの項目については、後述する(2)において詳細に説明する。
【0040】
図8は、カスタマイズ部24がカスタマイズを行った後の操作画面81におけるメニューの表示例を示す図であり、利用者がタイトル表示エリア82の「ユーザ」を選択した場合の画面表示例を示す図である。この図8に示す操作画面81のメニュー表示エリア83では、操作回数が最も多いメニュー項目である「スタート条件設定」が一番上に配置され、以下、操作回数が多い順に「データ編集」、「オンライン」、「報告書」、「精度管理ヒストグラム」、「精度管理チャート」、「項目パネル設定」の順で上から下に表示されている。この表示順は、図6に示すメニュー表示エリア83におけるメニューの表示順とは明らかに異なっている。
【0041】
(2)「2.操作順」を選択した場合
図7に示す操作履歴テーブル91の「操作順(累計)」の欄に記載されている値は、利用者が1回のログオンにおいてメニューを選択した順に、各メニューに1、2、3、・・・と番号を付与していき、操作履歴記録期間内に付与された番号の累計値を表している。他方、「操作順(算出)」の欄に記載されている値は、それらを記録している期間で割った値(以後、算出値と称する)を表している。この操作履歴テーブル91では、操作履歴記録期間はログオン/ログオフが20回行われるまでの期間として設定されている。このため、「スタート条件設定」の操作順(算出値)に記載されている算出値2.1は、操作順の累計値42を20で割ることによって得られた値を意味している。この演算は制御部27で行われ、他の操作履歴とともに操作履歴記憶部261に書き込まれるが、算出値の定義自体は、操作履歴記録期間を設定する際に利用者があわせて行ってもよい。
【0042】
この(2)の場合、カスタマイズ部24は、上述した操作順の算出値が小さい順にメニューを表示するようにカスタマイズする。したがって、メニュー表示エリア83におけるメニューの表示順は、上から順に「スタート条件設定」、「オンライン」、「精度管理ヒストグラム」、「データ編集」、「精度管理チャート」、「報告書」、「項目パネル設定」となる。
【0043】
(3)「3.操作回数&操作順」を選択した場合
図9は、この場合に操作履歴記憶部261で記憶する操作履歴の構成例を示す図である。同図に示す操作履歴テーブル92には、操作履歴テーブル91と同じ内容に加えて、各メニューの操作回数に応じて付与される重みwに関する情報(重みの定義域0<w<1、最小値wmin=0.1、重み幅Δw=0.1)、および制御部27で算出した総合値の値が含まれている。この総合値とは、操作回数と操作順の双方のデータを加味したものであり、操作順の算出値と操作回数に応じた重みw(操作回数が多いほど小さい値を有するものとする)とを乗じることによって得られた値である。
【0044】
この(3)の場合、操作回数が最も多いメニュー項目「スタート条件設定」に対しては、重みwとして0.1が付与される。したがって、総合値は2.1×0.1=0.21となる。また、操作回数が2番目に多いメニュー項目「データ編集」に対しては、重みwとして0.2が付与され、総合値として4.2×0.2=0.84という値が得られる。その他のメニュー項目に対しても同様の計算を行うことにより、「オンライン」(w=0.3)では0.87(=2.9×0.3)、「報告書」(w=0.4)では2.64(=6.6×0.4)、「精度管理ヒストグラム」(w=0.5)では1.90(=3.8×0.5)、「精度管理チャート」(w=0.6)では3.48(=5.8×0.6)、「項目パネル設定」(w=0.7)では6.09(=8.7×0.7)、という総合値がそれぞれ得られる。
【0045】
カスタマイズ部24では、操作履歴テーブル92を参照することにより、総合値が小さい順に表示部231で表示するようにカスタマイズする。したがって、メニュー表示エリア83におけるメニュー項目の表示順は、上から順に「スタート条件設定」、「データ編集」、「オンライン」、「精度管理ヒストグラム」、「報告書」、「精度管理チャート」、「項目パネル設定」となる。
【0046】
なお、メニュー項目ごとに付与する重みwの値は適宜変更可能であり、上記の如く重み幅Δwを一定とする代わりに、操作回数の大小関係をより反映するように重み付けを行ってもよい。
【0047】
以上説明したステップS5の表示メニューカスタマイズ処理により、一連のメニュー表示処理が終了するが、このステップS5が終了した後、再びステップS3に戻って使用履歴の記録を開始し、以後の処理を繰り返し行うようにしてもよい。これにより、直近の操作状況を反映した表示メニューのカスタマイズを行うことができる。
【0048】
なお、メニューの表示順は、通常のブラウザと同様に、利用者がマウス等を用いることによって所望の順序に変更することもできる。これにより、一連の処理が終了した後、利用者が実際に感じる操作回数や操作順を反映していないと思われる表示がなされた場合には、利用者自身によって所望の順序に修正することが可能となる。
【0049】
また、ステップS1で選択したメニュー項目のうち、一定の操作回数、操作順の算出値、または総合値に満たないメニュー項目については「その他」のメニュー項目にまとめて表示するようにしてもよい。
【0050】
さらに、メニュー項目や操作履歴の内容の選択は、マウスをクリックする代わりに入力部22の一部をなすキーボードのキー入力によって行うようにしてもよいし、表示部231をタッチパネル形式として、利用者が表示部231の所定の部分を指で押すことによって選択するようにしてもよい。
【0051】
以上説明した本発明の一実施の形態によれば、当該装置の動作を指示する動作指示信号の入力履歴である操作履歴を、操作元である利用者を識別する識別情報と対応付けて記憶する操作履歴記憶部を備え、当該装置を操作可能なログオン状態にある利用者の操作履歴を前記操作履歴記憶部に書き込んで記録し、ログオン状態にある利用者の操作履歴を前記操作履歴記憶部から読み出し、この読み出した操作履歴を参照することによって前記表示部で表示するメニューの表示順(表示態様の一例)のカスタマイズを行うことにより、全ての利用者に対して操作性を向上させることが可能となる。
【0052】
ここまで、本発明を実施するための最良の形態を詳述してきたが、本発明は上述した一実施の形態によってのみ限定されるべきものではない。例えば、本発明に係る自動分析装置の測定機構は、図2に示すような構成を有するものに限られるわけではなく、従来知られているさまざまなタイプの自動分析装置の測定機構(例えば、免疫学的または遺伝学的な測定を行う場合も含む)を適用することが可能である。
【0053】
このように、本発明は、ここでは記載していないさまざまな実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施の形態に係る自動分析装置の外観構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る自動分析装置要部の機能構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る自動分析装置のメニュー表示方法の処理の概要を示すフローチャートである。
【図4】表示メニュー選択画面の構成例を示す図である。
【図5】操作履歴内容選択画面の構成例を示す図である。
【図6】表示メニュー選択後の操作画面の構成例を示す図である。
【図7】操作履歴の構成例を示す図である。
【図8】カスタマイズ後のメニュー表示画面の構成例を示す図である。
【図9】操作履歴の別な構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1 自動分析装置
11 測定機構
12 検体移送部
13 試薬容器保持部
14 反応容器保持部
15 検体分注部
16 試薬分注部
17 攪拌部
18 測光部
19 洗浄部
21 制御分析機構
22 入力部
23 出力部
24 カスタマイズ部
25 分析部
26 記憶部
27 制御部
31 検体容器
32 ラック
41 試薬容器
51 反応容器
61 表示メニュー選択画面
62 選択候補表示エリア
63、72 決定用アイコン
71 操作履歴内容選択画面
81 操作画面
82 タイトル表示エリア
83 メニュー表示エリア
91、92 操作履歴テーブル
231 表示部
261 操作履歴記憶部
262 分析情報記憶部
b ボックス
t タブ
P マウスポインタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体と試薬とを用いて前記検体の分析を行い、この分析の結果を含む情報を表示する表示部を備えた自動分析装置の動作に対応するメニューを前記表示部で表示する自動分析装置のメニュー表示方法であって、
当該装置の動作を指示する動作指示信号の入力履歴である操作履歴を、操作元である利用者を識別する識別情報と対応付けて記憶する操作履歴記憶部を備えた前記自動分析装置が、
当該装置を操作可能なログオン状態にある利用者の操作履歴を前記操作履歴記憶部に書き込んで記録する記録ステップと、
前記記録ステップで記録した操作履歴のうちログオン状態にある利用者の操作履歴を前記操作履歴記憶部から読み出し、この読み出した操作履歴を参照することによって前記表示部で表示するメニューの表示態様のカスタマイズを行うカスタマイズステップと、
を少なくとも実行することを特徴とする自動分析装置のメニュー表示方法。
【請求項2】
前記記録ステップは、
同一の利用者による複数回のログオンが可能な期間に渡って行われることを特徴とする請求項1記載の自動分析装置のメニュー表示方法。
【請求項3】
前記操作履歴は、前記表示部で表示されるメニューの操作回数を含むことを特徴とする請求項1または2記載の自動分析装置のメニュー表示方法。
【請求項4】
前記操作履歴は、前記表示部で表示されるメニューの操作順を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の自動分析装置のメニュー表示方法。
【請求項5】
前記メニューの表示態様は、前記表示部におけるメニューの表示順であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の自動分析装置のメニュー表示方法。
【請求項6】
検体と試薬とを用いて前記検体の分析を行う自動分析装置であって、
当該自動分析装置の動作を指示する動作指示信号の入力を受ける入力手段と、
当該自動分析装置の動作に対応するメニューを表示する表示手段と、
前記入力手段で入力された動作指示信号の入力履歴である操作履歴を、操作元である利用者を識別する識別情報と対応付けて記憶する操作履歴記憶手段と、
前記入力手段で入力された動作指示信号に応じた制御を行うとともに、当該自動分析装置を操作可能なログオン状態にある利用者の操作履歴を前記操作履歴記憶手段に書き込んで記録する制御手段と、
前記制御手段で記録した操作履歴のうちログオン状態にある利用者の操作履歴を前記操作履歴記憶手段から読み出し、この読み出した操作履歴を参照することによって前記表示手段で表示するメニューの表示態様のカスタマイズを行うカスタマイズ手段と、
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
同一の利用者の操作履歴を当該利用者による複数回のログオンが可能な期間に渡って記録することを特徴とする請求項6記載の自動分析装置。
【請求項8】
前記操作履歴は、前記表示手段で表示されるメニューの操作回数を含むことを特徴とする請求項6または7記載の自動分析装置。
【請求項9】
前記操作履歴は、前記表示手段で表示されるメニューの操作順を含むことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項記載の自動分析装置。
【請求項10】
前記メニューの表示態様は、前記表示手段におけるメニューの表示順であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項記載の自動分析装置。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれか一項記載の自動分析装置のメニュー表示方法を前記自動分析装置に実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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