説明

自動分析装置

【課題】本発明は、自動分析装置に使用される反応容器(セル)の界面特性の経時変化を高精度に検知し、装置稼動下において、その変化を時系列に監視して、且つその良否の判定・診断を逐次行い、装置に設置された反応容器(セル)のメンテナンスや交換を、適切なタイミングで実施することを目的とする。
【解決手段】反応容器と該反応容器に収容された液体との界面状態を撮影する撮影手段と、該撮影手段により撮影された画像データから、少なくとも前記液体と前記反応容器内壁との濡れ角度を含む複数種類の情報を抽出する第一のデータに基づき、反応容器の良否判定を実施する良否判定手段と、を備えた自動分析装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液や尿などの生体サンプルの定性・定量分析を行う自動分析装置に係り、特にサンプルと試薬を反応させる反応容器を複数備えた自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動分析装置で使用している検体と試薬との混合液を収納する反応容器(セル)は、使用につれ容器内面が汚れ、最終的には測定に供することができなくなるため、製造元が推奨する耐用年数或いは許容使用回数に従って、一定期間又は使用回数などにより無条件で、交換或いはメンテナンスされるのが一般的である。特許文献1には、反応容器の汚れの程度を光度計の出力値でチェックし、反応容器を洗浄して再使用できるかどうか判断する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−280816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の技術では、ある時点での光度計の測定結果を閾値と比較して、使用限度に達したかどうかを判断している。この場合、交換時期と判断されても、予め交換用の反応容器を用意していないと分析ができなくなるという問題がある。反応容器の汚れは時間の経過とともに増加するものであるため、時系列での反応容器の汚れから、反応容器の交換時期を予測することができれば、予め予備の反応容器を用意したり、装置が稼動していない時間帯に反応容器の交換をしておくことで分析を中断して反応容器の交換を行わざるを得ない事態となることを防止できる。
【0005】
また、何らかの原因で測定精度や再現性が低下した場合にも、かかる反応容器(セル)の特性変化もその要因の一つであるにも係わらず、時系列データが系統だって保持されていないので、無視され、その原因究明に多大の工数を要していた。
【0006】
更に、反応容器内面の変化は、汚れによる光学的特性の変化のみでなく、界面特性の変化にも表れる。この界面特性の変化は、製作元でのばらつきや、装置の設置温度条件や、装置の分析項目毎に使用される試薬や検体の種類によっても変化するので、同じ装置内で使用されている同一種,同一型の反応容器(セル)であっても、特性に差異が生じる。更には、かかる反応容器(セル)では、種々の測定項目毎に使用される試薬と検体が相違するので、その界面特性は測定毎にばらつく。
【0007】
以上、従来技術では、反応容器(セル)の汚れや界面の特性変化を、装置稼動下(オンライン下)で、かかる各種のばらつきを加味した検知法並びに、その良否判断のための閾値を明確に規定できていなかったので、高精度の検知とその良否の判定・診断とを達成できていなかった。従って、前述のオフライン下の対処法と同様に、人手によって個々の反応セルの特性を調べる必要があり、時間とコストが掛かっていた。また、装置の信頼性の低下の一要因となっていた。
【0008】
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、反応容器(セル)の汚れや界面特性変化を、オンライン下でも、高精度に検知して、且つ、その情報にてその良否判定・診断を実現できる方法と、その機能を装置内に具備した自動分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
時系列に変化する値に基づいて、使用限度などを判定する方法の1つとして、多変量の相関を考慮したマハラノビス距離にて所定の空間を形成して総合的に判断する手法がある。このマハラノビス距離を活用した検知方法は、種々の分野で活用されている。例えば、「MTシステムにおける技術開発(日本規格協会、品質工学応用講座)」内に種々の事例が公開されている。本発明では、このマハラノビスの距離を利用し、反応容器(セル)の内面と、検体と試薬との混合液と接する界面特性:界面特性1と、外気と接する界面の形態特性:界面特性2(以下総称して界面特性)の時系列での特性変化(経時変化)の検知法と、その良否を判定・診断を実現するため、下記構成と工程とを備える。
(I)前記反応容器(セル)の稼動時の界面特性を検知するため、装置内に測定系の光学系とは別に、新たな光学系を具備し、反応容器(セル)の内面と液体とが接する部分の界面形態を画像化する。ここで、前記液体には、水或いは装置の分析時のブランク計測時に使用する液体又は洗浄水などとダミー液体とする。
(II)前記(I)項の画像を加工して、その形態を定量化するデータ加工手段−1を備える。
(III)前記、(II)項のデータから、その形態の特徴項目を算出するデータ加工手段−2を備える。
【0010】
前記データ加工手段−2により生成される項目には、少なくとも位置座標,反応容器(セル)内面と液体との接触角,線長,最大高さ,面積,体積を含む。更に、前記nケの距離の分布状態(下記IV項の計算手段算出された距離群の形態)の特徴を算出するデータ加工手段−21を備える。かかる項目には、少なくとも、その分布形態の歪度,尖度や、その分布をワイブル分布と想定した場合のその形状係数,尺度係数,位置係数を含む。
(IV)前記、(III)項の項目から、基準とする空間(マハラノビス距離群)を作成し、被検出反応容器(セル)の前記基準とする空間からの偏差(距離)を算出する計算手段を備える。
【0011】
前記基準とする空間作成時に使用する反応容器(セル)のサンプル群としては、新品或いはメンテ時にその界面特性が、明らかに再生されたサンプル群である。
(V)前記(III)〜(IV)時に形成された各種のデータを保存するデータベースを備える。更に、かかるデータベースには、前記反応容器(セル)の使用限界値(判定・診断のための閾値)を規定するデータを備える。かかるデータとは、前記反応容器(セル)において、明らかに、その界面特性が異常であると判断されたサンプル群から算出された距離値である。この種のサンプルとしては、例えば、接液部の界面の濡れ角度が明らかに規定値以上となっているサンプル群、又は製造元の検査過程で明らかに濡れ性の仕様を満たないサンプル群、又は装置に実装され、メーカ所要の推奨期間に到達している反応容器(セル)のサンプル群である。
【0012】
以上、(I)〜(V)の構成手段を備え、当該自動分析装置で測定したデータを処理するシーケンスとは別途に、反応容器(セル)の特性変化の検知と判定・診断のためのシーケンスが当該装置の制御部に具備される。
【0013】
かかるシーケンスは、定期的に、或いは割り込み式で、或いは測定シーケンスの簡潔的な補助シーケンスとして稼動する。かかるシーケンスは以下の工程から成る。
(1)装置に設置されている反応容器(セル)において、水などのダミー液を反応容器(セル)に注入して、前記光学系にて、その形態を画像化する。
(2)次に、撮影された画像に対して、前記データ加工手段−1にて、その形状を分離し、その形態を定量化する。
(3)次に、定量化されたデータに対して、前記データ加工手段−2にて、かかる形態を特徴づける座標点(x,y位置),セルと液体間の界面の濡れ角度,長さ,最大/最小高さ,面積/体積などの項目を抽出する。更には、その分布形態をも、その項目に該当するデータであれば、その項目を算出する。
(4)次に、前記当該反応容器(セル)における(3)項のデータを、予め作成された基準とする空間に対する距離(マハラノビス距離)を算出する。かかる当該品の距離を前記、データベースに保存する。又、この時、予めデータベース内に設定されて使用限界値:閾値と対比し、当該品の「継続使用の不可」であることや、「メンテナンスの必要性」或いは「交換の必要性」を判定・診断し、当該装置に開示する。
【0014】
以上のシーケンスによれば、当該反応容器(セル)の界面特性の経時変化を、当該装置の稼動下において逐次検知でき、この情報から、その良否の判定・診断結果を、速やかに、当該装置に反映することが可能である。
【0015】
又、前記データベースには、時系列の界面特性の変化が記録されているので、当該反応容器(セル)の動態を逐次、調査或いは監視することができる。このため、反応容器(セル)界面の特性変化に起因する測定値異常なども速やかに判り、装置のスループットを損なうことがない。又、オフライン下で実施するデータ分析,調査,判断,処置に要するランニングコストを一掃できる。
【0016】
更には、当該自動分析装置の稼動状態においても、逐次、反応容器(セル)の界面状態を監視できるので、反応容器(セル)自体の突発的な変化(異常)に対しても、対応が可能であり、装置の信頼性が向上に寄与する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば次の効果がある。
(1)単一の反応容器(セル)、或いはそのkケの集合体(ユニット単位)でも、前記容器の経時変化、特に、その界面特性の状態変化を、装置稼動下にて、逐次検知でき、且つその良否の判断・診断とを実現できるため、装置の信頼性が向上すると共に、経済性(状態変化確認のための検査工数,データ解析・分析,判定・診断のためのランニングコストの低減)に優れるという効果がある。
(2)単一の反応容器(セル)、或いはそのkケの集合体(ユニット単位)でも、前記容器の状態変化、特に、その界面特性の経時変化を、より高精度で検知できるので、前記反応容器(セル)の良否判定・診断の確度が向上する。このため、前記反応容器(セル)のタイムリーなメンテ或いは交換が可能となり、無駄なメンテ作業や交換作業が皆無となり、経済性に優れるという効果がある。
(3)単一の反応容器(セル)、或いはそのkケの集合体(ユニット単位)でも、前記反応容器の界面特性を、より総合的に且つ、高精度で検出できるので、界面特性の測定法の信頼性とその質が向上するので、特有の専用装置及びそれに付随するランニングコストを一掃できるので、省力化と経済性に優れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】自動分析装置の概略機構図。
【図2】後分光多波長光度計構成と測定結果例。
【図3】界面特性検知用光学系構成と界面特性例。
【図4】分析シーケンス例と反応容器(セル)経時変化の検知・判断シーケンス。
【図5】反応容器(セル)の検知,判断・診断の処理フロー。
【図6】図5処理フロー内で使用されるデータ構成1例。
【図7】検知,判断・診断するシステムの機能ブロック図。
【図8】反応容器(セル)の界面特性の経時変化例。
【図9】他のデータ構成2例(ユニットセル)。
【図10】他のデータ構成3例。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0020】
自動分析装置の主な機構系としては検体ディスク2,反応ディスク1,試薬ディスク3から構成されている。
【0021】
検体ディスクには分析処理を開始する前に、予め幾つかの検体が架設される。分析が開始されると検体分注機構4によって所定量の検体が吸引され、反応ディスクの所定の位置に吐出される。反応ディスク上の検体は図4(a)に示す分析のシーケンスによって分析が行われる。前記、反応ディスクの内周には検体の吸光度を測定するための光源ランプ20(図2)が設けられており、外周には光度計ユニット7が設置されている。
【0022】
光源と光度計の間に反応ディスク上の反応容器(セル)12が通過するたびに、吸光度が測定される。吸光度の測定は反応ディスクの回転が開始し、一定速度になるまで加速されてから行われる。反応ディスクは毎サイクル,一定の角度で回転と停止を繰り返しており、所定の反応時間において、何度も測定されることになる。
【0023】
これらの機構系の制御は主に制御部11と呼ばれる計算機ユニットで実行されるが、検体情報や試薬管理情報および検査依頼受付けなどを行うための操作用計算機15が接続されており、各々が協調して動作している。
【0024】
本実施例で用いている光度計ユニット7のより詳細な構成を図2に示す。本実施例で用いている光度計ユニットは後分光多波長光度計と呼ばれている。すなわち光源ランプ20から発せられる光は検体の入った反応容器12を透過した後に、入射スリット21で線状光線として凹型回折格子22に入射する。ここで多波長に分光され、12波長の光度計によって検体を透過した光の光度が測定されるものである。同図(b)には、前記反応容器(セル)内での概略状態(動作)を模式的に示した図である。又、同図(c)には、前述の反応過程(吸光度)の時間的な変化の代表例と、吸光度の典型的な分析方法を示した。吸光度から濃度演算には1ポイント分析法,2ポイントレート分析法,2ポイント分析法,3ポイント2項目分析法などが用いられている。
【0025】
前記、検体の分析の詳細なフロー図を図4(a)に示す。検体としては血液(白血球など)や髄液・尿などが用いられ、予め検体ディスク2上の1つの検体容器13(図1参照)に設置されている。この検体を反応ディスク1上の反応容器12に分注して分析を行う。検体を分注する前の準備として反応ディスク上の反応容器が洗浄され(A01)、水ブランクの測定が行われる(A02)。水ブランクとは検体吸光度の0点調整を行うために水の吸光度を測定することである。すなわち、この反応容器に分注された検体の吸光度値は水ブランクの吸光度値との差によって求められる。水ブランクの測定が終了すると、反応容器内の水は吸引され、廃棄される(A03)。この反応容器に所定の検体が分注(サンプリング)される(A04)。その後、所定の時刻にR1試薬(A05),R2(A07)試薬,R3試薬(A09),R4試薬(A11)が予め決められている分量だけ反応容器に加えられ、撹拌(A06,A08,A10,A12)が行われる。ここで分析項目によってはR4,R3あるいはR2の分注が行われない検査項目もある。反応過程には3分反応,4分反応,5分反応,10分反応があり、それぞれ反応ディスクが反応時間に対応する回数だけ回転した時点での吸光度を測定値とする。通常は10分反応が行われることが多い。所定の反応時間が経過し、全測光が終了すると(A13)、反応容器は次の分析のために洗浄される(A01)。
【0026】
以上、上述の前記検反応容器(セル)12には、分析測定上、種々の検体や試薬が投入されて、検体と試薬との混合液を均一化するため、所定の時間間隔で攪拌される。又、測定終了後は洗浄するというサイクルを何千回も繰り返して使用される。このため、前記反応容器(セル)12には、かかる連続使用時に、その界面特性を継続して、その初期特性や許容範囲内に維持して行く必要がある。しかし、前記検体と試薬の混合液は、一般的には化学反応液体であり、その接触面(界面)では何らかの影響を受け、特に濡れ性の初期特性を継続して維持するのは困難である。又、前記反応容器(セル)は、測定上、投光性材料である必要があり、一般には、より安価で、大量製造が可能な工業用プラスチックが使用されている。このため、一般の耐食材料に比べて、その特性変化は著しい。
【0027】
又、前記反応容器(セル)12の品質は、製造元により、その特性の差がある。或いは前記装置の設置環境の温度条件や、装置の分析項目毎に使用される試薬や検体との混合液種の種類によってもその特性が変わり、所定のばらつきを有している。
【0028】
このため、同じ装置内で使用されている同一種,同一型の反応セルであっても、界面特性の時系列な変化が異なる。
【0029】
従来では、かかる問題に対処するため、製造元が推奨する耐用年数や推奨使用期間に従って、一定期間又は使用回数などにより無条件で、交換或いはメンテナンスされていた。或いは、装置の稼動前に、オフライン下にて測定し、その特性を記録して置き、定期的な装置のメンテナンス時期に再度、オフラインにて人手により、前記反応容器(セル)を評価して連続使用の可否や交換の有無を判断していた。このため、時間とコストが掛かっていた。更には、判定・診断の確度も低かった。
【0030】
一方、オンライン下(装置の稼動中)で実施する場合でも、その検知精度と判断・診断の確度を向上させるために、前記反応容器(セル)12の各種のばらつきを考慮した検知とその評価指標とより、総合的な判定指標での判定・診断が必要である。更には、突発的な反応容器(セル)の変化を検出することができず、装置の測定精度に影響を与えて、その原因究明と対策に、必要以上の時間を要し、装置の再立ち上げに時間を要していた。
【0031】
以下、図3を用いて説明する。
【0032】
本発明では、前記図2の測定の光学系と別に、新たな光学系を具備し、前記光度計ユニット7内の一部に配置している。又、前記反応ディスクの内周には、前記反応容器(セル)の形態を測定するための光源ランプ200と撮像素子230が設けられている。
【0033】
前記、光源ランプ200から発せられる光は、前記反応容器(セル)内に充填されたダミーの液体を透過した後に、撮像素子230に入射する。この時、撮像素子230では、透過光の強度に対応した濃度分布が生じ、前記反応容器(セル)12と前記ダミー液体の形態を所定の分解能(使用する撮像素子の分解能で変わるが)で、転写(画像化)することができる。かかる画像にて、エッジ明確化などの処理を行うことにより、かかる形態をより鮮明化し、例えば濡れ性の評価であれば、前記反応容器(セル)とダミー液体の濡れ角度(θ)を定量的に把握することができる。又、かかる項目以外にも、図示の如く、その高さ:Hxや、外面形状(空気と接している界面−2)の位置座標をも定量的に把握することができる。
【0034】
図3(b)には、前記反応容器(セル)12の界面の形態の相違による相違例を示す。No.1の形態は、前記角度:θが鋭角であり、界面の濡れ性は極めて良好である。一般には、その角度は小さいほど良く、角度が大きくなるに従って、その濡れ性は悪化して行く。従って、No.3の接触角はほぼ90°であり、No.1に比べ極めて濡れ性が悪いと判断できる。前記No.3の如く、かかる状態まで濡れ性が劣化すると、その界面には大きな表面張力が発生し、前述の検体と試薬との混合液の攪拌時(図4(a)参照)に、混合液の流動抵抗が大きくなり、均一な混合液を創生することができず、測定値のばらつきが大きくなり、又その再現性が低下するという不具合を生じる。
【0035】
図4(b)は、本発明に関わる反応容器(セル)12の時系列の状態変化(経時変化)を検知する処理シーケンスである。前記当該反応容器(セル)12の状態変化を検知するために、通常の測定シーケンス(図4(a))とは別に、定期的に、或いは割り込み式で、或いは測定シーケンスの簡潔的な補助シーケンスとして、反応容器(セル)の状態変化監視シーケンスを稼動させる。かかる処理では、以下の工程で実施される。
(1):所定のタイミング、或いは定期的に前記反応容器(セル)にダミー液体を注入し、その形態を前記光学系230(図3)にて、撮影する。
(2):次に、撮影された画像に対して、エッジ抽出などにより、その形状を分離し、その形態を定量化する。
(3):次に、定量化されたデータに対して、かかる形態を特徴づける座標点(x,y位置)、セルと液体間の界面の濡れ角度,長さ,最大/最小高さ,面積/体積などの特徴項目を抽出する。
(4):かかるデータを、後述する基準とする空間に対しての総合隔離距離であるマハラノビス距離を求める。この距離が、予め準備された閾値以内であれば、前記反応容器(セル)12は継続使用可であることを開示し、データベースにその時間とその値を保存する。
【0036】
一方、閾値に近接し、又その範囲内域に達している場合は、或いは突発的ではあるが、一部その距離が大きくなっている当該反応容器(セル)に対して、継続使用の不可であることや、メンテナンスの必要性或いは交換の必要性を開示する。或いは、当該反応容器(セル)の既存の距離の変化状態(経時変化)の推移状態,その大きさ,突発的の発生頻度などを加味して、当該装置を停止することもできる。
【0037】
図5は、本発明に関わる反応容器(セル)12の状態変化をするための処理の詳細フロー図であり、図6には、そのデータの構成例を示す。本実施例では、前記反応容器(セル)12は、前記反応ディスク1上に独立して、配置されているものとする。
【0038】
前記反応容器(セル)12の経時変化を算出するため、その初期値或いは基準とする値を求める必要がある。前記初期値或いは基準とする値は、下記のステップs01〜s04の工程で算出する。
【0039】
<ステップ:s01>
前記反応容器(セル)12において、新品或は良好に稼動しているセルをNケ準備し、各反応容器(セル)に、水,洗浄水或いは装置で使用しているブランク測定時に使用している液体の何れかをダミー液体として、前記反応容器(セル)に注入し、その形態を前記光学系230にて(装置を使用)、或いは装置と等価な光学系にてnケ収集する。サンプルの収集に当たっては、寸法のばらつきや使用する材料定数のばらつき、或いは製造条件のばらつきなどを考慮して、選択することが望ましい。例えば検体特性(測定値)のばらつきや光度計のばらつきのように、装置が測定精度を保証する範囲内でのばらつきが存在するものであれば、積極的に、それらのサンプルをばらつかせてデータを得ることが望ましく、そうすることによって、検知の精度が向上する。
【0040】
<ステップ:s02>
前記収集されたnケのサンプル画像に対して、エッジの明確化処理など(画像処理)を行い、その形状を分離して定量化し、その形態を明確化する。
【0041】
<ステップ:s03>
前記nケの形態に対して、その形態を特徴づける項目を抽出する。かかる項目として、少なくとも、次の項目をkケ収集する。(1)外側(空気と接する)曲線の位置座標点;P1〜Pk、(2)前記曲線の長さ;lx、(3)界面(反応容器(セル)とダミー液体との接触角);角度(θ)、(4):高さ:Hx、(5)面積、或いは体積(図示せず)
<ステップ:s04(計算手段)>
前記、抽出したkケ項目を、図6に示すような書式にて整理し、各項目毎に平均値

および標準偏差σ1,σ2,…,σkを求め、式(1)の演算を行い正規化する。
【0042】
【数1】

【0043】
一方、収集したデータ数をnケ、その項目数をmケとすると、そのデータ群はn行k列の行列となり、かかる行列の相関行列を求めるとk×kの行列Aが得られる。この行列Aの逆行列をA-1とすれば、マハラノビス距離D2は式(2)のように表すことができる。
【0044】
【数2】

【0045】
ここで、各項項目間に強相関がある項目に関しては、その何れかを削除し、逆行列が成立する項目の組み合わせと選択を行い、最終的なkケ項目とその平均値と標準偏差とを、データベース36に格納して置く。又、この時のマハラノビス距離D2は、平均値≒1.0であり、その最大値はほぼ4程度である。
【0046】
前記nケのマハラノビス距離D2は、0〜4の範囲内であり、且つその分布形態も所定の形態を有している。このため、本発明では、かかる項目(マハラノビス距離D2群の分布形態)をも抽出し、かかる項目群にて、前記初期値或いは基準とする値とすることもできる。
【0047】
かかる項目とは、前記距離群の分布形態を示すものであり、その平均値,標準偏差以外に、かかる分布形態の歪度,尖度、或いはその分布形態をワイブル分布と想定した場合の形状係数,尺度係数,位置係数である。
【0048】
前記かかる距離は、前記反応容器(セル)12の状態変化を検知するための、時系列データの初期とする。又、このマハラノビス距離D2が0〜4の範囲内であれば、初期の状態とは区別されず状態の変化が無いものと判断できる指標である。一方、この距離が時間経過が進むにつれ、距離が大きくなれば、前記反応容器(セル)には、何らかの特性の変化が発生していることになり、その当該状態が初期状態に比べて、特性の経時変化が発生しているものと判断される。
【0049】
前記装置上に設置され、稼動している前記各反応容器(セル)12は、前述の如く、通常の測定シーケンス(図4(a))とは別に、定期的に、或いは割り込み式で、或いは測定シーケンスの簡潔的な補助シーケンスとして、稼動させている(図4(b)参照)。
【0050】
この時、当該反応容器(セル)12に関しては、以下の処理にて、当該状態を検知し、その良否の判定・診断とを行う。
【0051】
かかる処理手順においては、前述のステップs01〜s03と同様に、当該各反応容器(セル)12に対して、当該反応容器(セル)の項目を抽出する。抽出する項目としては、前述のスッテプs03で確定し、前記データベース36に格納されている項目に合致する項目となっている。当該反応容器(セル)12のデータの構成例を図6(b)に示す。図示の如く、基準とする空間作成時のデータ構成と全く同じである。かかる対象データを前記〔式1〕により正規化し、〔式2〕により、前記基準とした空間に対するマハラノビス距離を算出する。その値を前記データベースに、時系列に、前記データベース36内に保存して行く。又、同時に、当該距離と判定のための閾値距離とが比較され、状態変化の進行度の判定と診断を行い、その結果をリアルタイムにて開示する。
【0052】
このマハラノビス距離D2が0〜4の範囲内であれば、初期の状態とは区別されず状態の変化が無いものと判断できる。一方、この距離が時間経過が進むにつれ、距離が大きくなれば、前記当該反応容器(セル)には、何らかの特性の変化が発生していることになり、界面特性の経時変化が発生しているものと判断される。従って、このマハラノビス距離D2が予め準備された閾値以内であれば、当該反応容器(セル)12は「継続使用可」であることを開示する。
【0053】
一方、閾値域に近接している場合は、又閾値域内である場合、或いは突発的ではあるが、一時的に前記閾値域にある場合の当該反応容器(セル)に対しては、「継続使用の不可」であることや、「メンテナンスの必要性」或いは「交換の必要性」を開示する。場合によっては、装置を停止することもできる。
【0054】
ここで、前記予め設定された閾値は、以下のサンプル品から収集されたマハラノビス距離群としている。つまり、オフライン下で別途専用測定器により界面の濡れ角度が明らかに規定値以上の反応容器(セル):仕様外れの異常品、又は製造元の検査過程で明らかに濡れ性の仕様を満たないサンプル、又は装置に実装され、メーカ所要の推奨期間に到達している反応容器(セル)を集めて、前述と同様なステップで算出されたマハラノビス距離群である。
【0055】
図7は、図5の反応容器(セル)の特性変化の検知と判定・診断を組み込んだ機能ブロック図である。
【0056】
分析制御部31は制御部(制御用計算機ユニット11)上に実装される機能であり、その他の機能およびデータは操作用計算機15上に実装される。分析要求受付部30は、操作者が検体に対してどのような分析検査を行うかの設定を行うためのものであり、CRTなどの画面とキーボードやマウスなどの入力機器を用いて行われる。入力された情報から分析制御部31に対して制御命令を送る。分析制御部31では図1に示した機構を制御して分析を実行し、検体ディスク2上の検体を反応ディスク1上に分注して反応を行う。1つの検体に対して分析が終了すると、その時の反応過程データ32a(図2(c)参照)と分析結果データ32bがデータベースに保存される。
【0057】
一方、反応容器(セル)評価要求部33は、操作者が反応容器(セル)に対して、どのような時間間隔、或いは定期的な時間間隔で反応容器(セル)の状態変化を検知し、その良否の評価を行うかのスケジュールの設定を行うためのものであり、CRTなどの画面とキーボードやマウスなどの入力機器を用いて行われる。前記反応容器(セル)の特性変化の検知のためのデータ群は保全用データ収集部34に収集される。当該反応容器(セル)の特性変化は、反応容器評価部35において、当該反応容器(セル)の連続使用の可否が判定される。この時、データベース36を参照して評価を行うが、この評価・判断のための閾値は、反応容器(セル)或いは反応容器(セル)体毎に用意されており、当該反応容器(セル)或いはセル体に対応し閾値のみを参照する。反応容器評価部35において、容器(セル)が異常(閾値範囲以上)と判断された場合には、分析制御部31に対して、当該反応容器(セル)対して、メンテ時期或いは交換の必要性の指示が出される。また保存されたデータベース36に対して、異常があった旨とその耐用時間の情報が付加される。
【0058】
図8には、前記反応容器(セル)12の特性の経時変化の例を示す。
【0059】
反応容器(セル)−1と反応容器(セル)−2では、図示に示す如く、その特性(状態)変化が相違していることが判る。これは、前述の如く、前記各反応容器(セル)では、製造元によりその界面特性に差(ばらつき)があったり、装置の分析項目毎に使用・適用される試薬や検体との混合液種の種類によっても変わるからである。このため、同じ装置内で使用されている同一種,同一型の反応容器(セル)であっても、それぞれ界面特性の時系列な変化が異なるのは当然の結果である。従って、本発明では、かかる特性の変化を逐次検知して、その良否の判定・診断とを行っている。更に、その前記反応容器(セル)の状態変化値を記録し、その値を監視している。
【0060】
前記、判定・診断は前述の如く、前記データベース36に予め設定された閾値を参照して、逐次実施される。かかる閾値は前述の如く、別途界面特性が明らかに、仕様外れのサンプル群であり、又は製造元の検査過程で明らかに界面特性が仕様を満たないサンプル群、又は装置に実装され、メーカ所要の推奨期間に到達しているサンプル群集めて、算出されたマハラノビス距離群である。従って、装置の稼動下においては、かかる値を超えて使用を継続することができなく、当該反応容器(セル)の「継続使用」を許可しない。従って、前記反応容器(セル)−1では、閾値に達する以前(時間:Te1)に、当該容器のメンテや交換を当該装置に指令する。一方、前記反応容器(セル)−2は同時間時には、閾値以下であるので、継続使用を指令する。
【0061】
以上、本実施例によれば、反応容器(セル)の経時変化、特に、その界面特性の経時変化を、装置稼動下にて、逐次検知でき、且つその良否の判断・診断とを実現できるため、オフライン下で実施するデータ分析,調査,判断,処置に要する工数と、そのランニングコストを一掃することができるので経済性に優れる。
【0062】
又、当該反応容器(セル)界面の特性変化に起因する測定値異常なども速やかに判り、装置のスループットを損なうことがない。又、装置の信頼性を向上させることができる。
【0063】
更に、反応容器(セル)の界面特性を、より総合的に且つ、高精度で検出できるので、界面特性の測定法の信頼性とその質が向上する。従って、特有の専用装置及びそれに付随するのランニングコストを一掃できるので、省力化と経済性に優れる。
【実施例2】
【0064】
実施の形態2においては、前述の実施の形態1の変形例を示す。
【0065】
前述の実施形態−1では、前記反応容器(セル)12の取り扱いを、個々のセル単位とした説明した。一方、製造上、mケを集合したユニット単位で製作する方が経済上、好都合である場合があるので、その内容について、以下、図9,図10を用いて説明する。
【0066】
本実施形態2においては、前記反応容器(セル)をmケからなるユニット部品として取り扱う。
【0067】
基本的な処理フローは前述の図4,図5,図6と同様である。しかし、mケのセルを抱合したユニット単位でのより総合的な判定・診断の処理を行うため、前記ユニット単位での、好適な多項目の項目群を準備しなければならない。図9には、その例を示す。
【0068】
ユニットを構成する各セルの形態の項目は、前記データ加工手段−2(図5、ステップ03)にて、抽出してあるので、かかる項目を図9に示すように、一列に纏めたデータが前記ユニット単位での構成データとなる。前記構成データを生成する際、又は項目を決定する際、各項目間に強い相関が発生しないようにする。例えば、前記データ加工手段−2にて、各セルの位置座標を、各セル毎に平行移動した座標値とすることにより、各セルの位置座標は強相関が無くなる。又この時、濡れ角度(θ)や、界面の長さ:lx、などは変わらないので、前述の前記実施形態−1例と同様な処理が可能である。
【0069】
かかるデータ構成にて、前述の実施形態例−1のステップs01〜s04にて、基準とするユニットの空間を作成し、その情報を前記データベース36に格納しておく。装置上に配置されている当該対象ユニットに対しは、同図(b)の書式にて、前述の実施例と同様の工程より、前記基準としている空間に対しての距離を算出し、前記データベース36に格納されたユニット単位での使用限界値である閾値との対比を行い、その良否の判定・診断を行って行く。
【0070】
本データ構成によれば、当該反応容器(セル)のユニット単位での経時変化の検知と、判定・診断も可能となり、当該ユニットのメンテ時期や交換時期を高精度にて、指令することができる。かかるデータ構成でも、本発明の効果を損なわないのは明白である。更に、ユニット単位での処理が可能となっているので、メンテ,交換作業の工数をより一層低減できる。
【0071】
図10には、前記反応容器(セル)12の単体セル、或いはユニット単位での、特性の経時変化に検知と、判定・診断を実現するための、他のデータ構成を示す。
【0072】
前述の如く、当該装置では日に何千個の測定が実施される。その装置の処理能力や各種の測定項目に応じて、より短期的に、その特性変化を、前述のばらつきを考慮した判断・診断を実施しなければならない場合がある。又、前記閾値近傍では、よりきめ細かなばらつきをも考慮したデータが必要になり、準備するものである。
【0073】
かかるデータ構成は、既存の前記データベース36に格納された基準とする空間作成時に使用されたデータ群と界面特性の変化(距離)を示す時系列のデータから作成することができる。以下、その工程を示す。
(1)基準となる空間の再作成とそのデータ構成
前記データベース36に格納された当該ユニットの基準とする空間作成時のデータ(nケ)を使用し、各反応容器(セル)の個々の特性にて、当該応容器(セル)のマハラノビス距離を求める。この時、同時にその平均値,標準偏差と、その分布形態を示す歪度,尖度、或いはその分布形態がワイブル分布を想定した時の形状係数や尺度係数を算出する。かかるデータ群をnケ収集する必要があるが、既存nケのデータ群を、x分割して求めて、nケとする。
(2)前記(1)項の各反応容器(セル)の項目を、1〜mケセルまでを、同一行としたデータ構成とする。その際、少なくとも使用する項目には、前記標準偏差と、その分布形態を示す歪度,尖度、或いはワイブル分布を想定した形状係数,尺度係数を含む。
(3)前記(2)項のデータ群に対して、前記計算手段にて、前記計算手段にて再度マハラノビス距離群を作成し、データベース36に保存する。又、同時に、かかるデータ構成で算出した初期値や閾値(前述のステップと同様)をも保存する。
(4)当該被反応容器(セル)関しては、前記データベース36に格納された時系列のデータ群から、例えば図7に示したように、既知のデータ群を所定の時間域:Txにて再収集し、前記(2)と同じ項目を算出したデータ構成(図10(b)参照)とし、前記(3)項の基準とする空間との距離を算出して、当該反応容器(セル)の良否判定・診断を実施する。
【0074】
或いは、当該データ群を、前述の図4(b)のシーケンスに対応して、所定の時間にて、多数のデータを収集し、前記(1)〜(3)により、その距離群の分布形態を含む項目を算出する。かかる項目にて、前記計算手段にてマハラノビス距離を算出し、この距離をデータベース36に保存する。又、同時に、かかるデータ構成において予め算出されている使用限界値:閾値との対比により、当該反応容器(セル)の良否判定を行う。
【0075】
以上、本データ構成によれば、装置の稼動下において、所定の時間間隔での平均的な変化分と、ばらつき変化分とを考慮した、より高確度の界面特性の経時変化を検知ができ、その良否の判定・診断をも達成できる。これにより、判定・診断の精度が向上し、より的確な当該セルやユニット単位でのメンテ時期や交換時期を指令することができ、装置の信頼が向上する。
【符号の説明】
【0076】
1 反応ディスク
2 検体ディスク
3 試薬ディスク
4 サンプル分注機構
5 試薬分注機構
6a 検体分注ノズル洗浄部
6b 試薬分注ノズル洗浄部
7 光度計ユニット
11 制御部(制御用計算機ユニット)
12 反応容器
13 検体容器
14 試薬容器
15 操作用計算機
20,200 光源ランプ
21 スリット
22 凹面回折格子
23 多波長光度計
30 分析要求受付部
31 分析制御部
32a 反応過程データ
32b 分析結果データ
33 反応容器評価要求
34 保全用データ収集
35 反応容器評価部
36 データベース
230 撮像素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体と試薬とを反応させる反応容器を備えた自動分析装置において、
前記反応容器と該反応容器に収容された液体との界面状態を撮影する撮影手段と、該撮影手段により撮影された画像データから、少なくとも前記液体と前記反応容器内壁との濡れ角度を含む複数種類の情報を抽出する第一のデータ加工手段と、
前記第一のデータ加工手段により抽出された複数種類のデータを時系列的に記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶されたデータ群と、ある時点で前記撮影手段で撮影された画像データに基づき、前記第一のデータ加工手段により抽出された複数種類の情報とを比較し、反応容器の良否判定を実施する良否判定手段と、
を備えたことを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動分析装置において、
前記第一のデータ加工手段により抽出された複数種類の情報に基づき、反応容器の初期値或いは基準値との偏差を算出する計算手段を備え、該計算手段の計算結果に基づき前記良否判定手段が良否を判定することを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
請求項2記載の自動分析装置において、
前記計算手段にてマハラノビス距離を算出し、該マハラノビスの距離に基づいて前記良否判定手段が良否を判定することを特徴とする自動分析装置。
【請求項4】
請求項3記載の自動分析装置において、
前記初期値或いは基準値は、新品又はその界面特性が初期状態に復帰された反応容器から得られた情報から形成したものであり、使用限界値は、その界面特性の仕様が明らかにその許容範囲を超えているもの、或いは製造元推奨の耐用年数を明らかに超えている反応容器から得られた情報から形成したものであることを特徴とする自動分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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