説明

自動化手動変速機

【課題】前進8速且つ後進1速の変速段を実現できる自動化手動変速機を提供する。
【解決手段】エンジンの動力が伝達される第1入力軸12と第2入力軸14と、第1入力軸及び第2入力軸に設けられる主動ギア部32〜38と第1入力軸または第2入力軸にエンジンの動力を伝達または遮断するクラッチ部52,54と、第1入力軸または第2入力軸から動力が伝達される第1出力軸72と、同一の軸上に配置される複数の軸よりなる第2出力軸75と、第1出力軸及び第2出力軸に設けられる多数の従動ギア81〜88を備えてなる従動ギア部と、第1出力軸または第2出力軸と従動ギア部を連結または遮断させて、多段の変速段を実現するシンクロ部92〜98とを含み、クラッチ部は第1入力軸に設けられ、エンジンの動力を伝達または遮断する第1クラッチ52と、第2入力軸に設けられ、エンジンの動力を伝達または遮断する第2クラッチ54とを含む自動化手動変速機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動化手動変速機に関し、特に、前進6速以上且つ後進1速以上の多段の変速段を実現することができる自動化手動変速機に関する。
【背景技術】
【0002】
自動化手動変速機は、手動変速機と自動変速機の長所を実現することができる変速機であって、運転時に操作が便利で且つ円滑に加速することができ、運転安全性能が高いという長所を有している。
【0003】
自動化手動変速機は、機械変速機の自動的なギア転換を実現するために、油圧または電子制御システムが設置される。
【0004】
油圧または電子制御システムによってギア転換がなされる間には、クラッチの作動によってエンジンの回転力が変速機に伝達しなくなるので、動力の伝達が切られる現象が発生する。
【0005】
変速機のギア転換が完了した後には、クラッチの作動によってエンジンの回転力が変速機に伝達し、変換したギア比によってエンジンの回転力が増加または減少し、駆動ホイールに伝達される。
【0006】
前述したような技術構成は、本発明の理解を助けるための背景技術であって、本発明の属する技術分野において広く知られた従来技術を意味するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的な自動化手動変速機は、入力軸と出力軸との間に複数のギアが設けられ、入力軸のギアと出力軸のギアを選択的に噛合するシンクロ装置が設置されるので、自動化手動変速機が実現することができる変速段の個数を増加させにくいという問題点がある。
したがって、これを改善する必要性が要請される。
【0008】
本発明の目的は、前進6速以上且つ後進1速以上の多段の変速段を実現することができる自動化手動変速機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、エンジンの動力が伝達される第1入力軸と;前記エンジンの動力が伝達される第2入力軸と;前記第1入力軸及び前記第2入力軸に設けられる主動ギア部と;前記第1入力軸または前記第2入力軸に前記エンジンの動力を伝達または遮断するクラッチ部と;前記第1入力軸または前記第2入力軸から動力が伝達される第1出力軸と;前記第1入力軸または前記第2入力軸から動力が伝達され、同一の軸上に配置される複数の軸よりなる第2出力軸と;前記第1出力軸及び前記第2出力軸に設けられる多数の従動ギアを備えてなる従動ギア部と;前記第1出力軸または前記第2出力軸と前記従動ギア部を連結または遮断させて、多段の変速段を実現するシンクロ部と;を含み、前記クラッチ部は、前記第1入力軸に設けられ、前記エンジンの動力を伝達または遮断する第1クラッチと、前記第2入力軸に設けられ、前記エンジンの動力を伝達または遮断する第2クラッチとを含むことを特徴とする自動化手動変速機を提供する。
【0010】
また、前記主動ギア部は、前記第1入力軸に設けられ、動力を伝達する第1主動ギアと;前記第1入力軸に設けられ、動力を伝達する第2主動ギアと;前記第2入力軸に設けられ、動力を伝達する第3主動ギアと;前記第2入力軸に設けられ、動力を伝達する第4主動ギアと;を含み、前記第1主動ギア、前記第2主動ギア、前記第3主動ギア及び前記第4主動ギアは、前記従動ギア部と噛合され、4個のギア列を構成することを特徴とする。
【0011】
また、前記従動ギア部は、前記第2出力軸に回転自在に連結され、前記第1主動ギアに噛合される第1従動ギアと;前記第1出力軸に回転自在に連結され、前記第1主動ギアに噛合される第2従動ギアと;前記第1出力軸に回転自在に連結され、前記第2主動ギアに噛合される第3従動ギアと;前記第1出力軸に回転自在に連結され、前記第3主動ギアに噛合される第4従動ギアと;前記第2出力軸に連結され、前記第3主動ギアに噛合される第5従動ギアと;前記第1出力軸に回転自在に連結される第6従動ギアと;前記第2出力軸に回転自在に連結され、前記第4主動ギア及び前記第6従動ギアに噛合される第7従動ギアと;前記第2出力軸に回転自在に連結され、前記第2主動ギアに噛合される第8従動ギアと;を含むことを特徴とする。
【0012】
また、前記第2出力軸は、前記第7従動ギアが設けられる前方出力軸と;前記第1従動ギア、前記第5従動ギア及び前記第8従動ギアが設けられる後方出力軸と;を含むことを特徴とする。
【0013】
また、前記シンクロ部は、前記第1出力軸にスライド自在に設けられ、前記第4従動ギアまたは前記第6従動ギアと結合または分離される第1シンクロと;前記第1出力軸にスライド自在に設けられ、前記第2従動ギアまたは前記第3従動ギアと結合または分離される第2シンクロと;前記第2出力軸にスライド自在に設けられ、前記第5従動ギアまたは前記第7従動ギアと結合または分離され、前記前方出力軸に設けられる第3シンクロと;前記第2出力軸にスライド自在に設けられ、前記第1従動ギアと結合または分離され、前記第8従動ギアと結合または分離され、前記後方出力軸に設けられる第4シンクロと;を含むことを特徴とする。
【0014】
また、前記第1出力軸には、差動装置に噛合される第1伝達ギアが設けられ、前記前方出力軸には、前記差動装置に噛合される第2伝達ギアが設けられることを特徴とする。
【0015】
また、前記自動化手動変速機は、前記第1クラッチが作動し、前記第4シンクロが前記第1従動ギアに結合され、前記第3シンクロが前記第7従動ギアに結合され、前進1速の変速段が実現され;前記第2クラッチが作動し、前記第3シンクロが前記第7従動ギアに結合され、前進2速の変速段が実現され;前記第1クラッチが作動し、前記第2シンクロが前記第2従動ギアに結合され、前進3速の変速段が実現され;前記第2クラッチが作動し、前記第1シンクロが前記第4従動ギアに結合され、前進4速の変速段が実現され;前記第1クラッチが作動し、前記第2シンクロが前記第3従動ギアに結合され、前進5速の変速段が実現され;前記第2クラッチが作動し、前記第3シンクロが前記第5従動ギアに結合され、前進6速の変速段が実現され;前記第1クラッチが作動し、前記第3シンクロが前記第5従動ギアに結合され、前記第4シンクロが前記第8従動ギアに連結され、前進7速の変速段が実現され;前記第2クラッチが作動し、前記第4シンクロが前記第1従動ギアに結合され、前記第2シンクロが前記第3従動ギアに連結され、前進8速の変速段が実現され;前記第1クラッチが作動し、前記第4シンクロが前記第1従動ギアに結合され、前記第1シンクロが前記第6従動ギアに結合され、後進1速の変速段が実現されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明による自動化手動変速機は、4つのギア列と4つのシンクロ部が設けられ、前進8速且つ後進1速の変速段を実現することができるので、変速機の大きさ及び重さを低減することができると共に、多段化変速を実現することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例による自動化手動変速機が示された構成図である。
【図2】本発明の一実施例による自動化手動変速機のクラッチ及びシンクロ部の作動要素表である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照して本発明による自動化手動変速機の一実施例を説明する。なお、図面に示された線の厚さや構成要素の大きさなどは、説明の明瞭性と便宜上、誇張されて図示されることができる。
【0019】
また、後述する用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これは、ユーザ、運用者の意図または慣例によって変わることができる。
【0020】
したがって、このような用語は、本明細書全般の内容に基づいて定義されなければならない。
【0021】
図1は、本発明の一実施例による自動化手動変速機が示された構成図であり、図2は、本発明の一実施例による自動化手動変速機のクラッチ及びシンクロ部の作動要素表である。
【0022】
図1及び図2を参照すれば、本発明の一実施例による自動化手動変速機は、エンジンの動力が伝達される第1入力軸12と、エンジンの動力が伝達される第2入力軸14と、第1入力軸12及び第2入力軸14に設けられる主動ギア部32、34、36、38と、第1入力軸12または第2入力軸14にエンジンの動力を伝達または遮断するクラッチ部52、54と、第1入力軸12または第2入力軸14から動力が伝達される第1出力軸72と、第1入力軸12または第2入力軸14から動力が伝達され、同一の軸上に配置される複数の軸よりなる第2出力軸75、76と、第1出力軸72及び第2出力軸75、76に設けられる従動ギア部81、82、83、84、85、86、87、88と、第1出力軸72または第2出力軸75、76と従動ギア部81、82、83、84、85、86、87、88を連結または遮断させて、前進8速且つ後進1速の変速段を実現するシンクロ部92、94、96、98とを含む。
【0023】
エンジンの動力がクラッチ部52、54の作動によって第1入力軸12または第2入力軸14に伝達され、シンクロ部92、94、96、98の作動によってエンジンの動力が主動ギア部32、34、36、38及び従動ギア部81、82、83、84、85、86、87、88に沿って伝達されることによって、前進8速且つ後進1速の変速段を実現するようになる。
【0024】
クラッチ部52、54は、第1入力軸12に設けられ、エンジンの動力を伝達または遮断する第1クラッチ52と、第2入力軸14に設けられ、エンジンの動力を伝達または遮断する第2クラッチ54とを含む。
【0025】
第1クラッチ52及び第2クラッチ54は、制御部から送信される作動信号によって選択的に作動し、第1クラッチ52が作動すれば、エンジンの動力が第1入力軸12に伝達され、第2クラッチ54が作動すれば、エンジンの動力が第2入力軸14に伝達される。
【0026】
主動ギア部32、34、36、38は、第1入力軸12に設けられ、前進1速または前進3速の動力を伝達する第1主動ギア32と、第1入力軸12に設けられ、前進5速または前進7速の動力を伝達する第2主動ギア34と、第2入力軸14に設けられ、前進4速または前進6速の動力を伝達する第3主動ギア36と、第2入力軸14に設けられ、前進2速または後進1速の動力を伝達する第4主動ギア38とを含む。
【0027】
第1クラッチ52が作動すれば、第1入力軸12に沿って伝達されるエンジンの動力がシンクロ部94、98の作動によって第1主動ギア32または第2主動ギア34を経て従動ギア部81、82、83、88を通過することによって、前進1速、前進3速、前進5速、前進7速及び前進8速のうちいずれか1つの変速段を実現するようになる。
【0028】
第2クラッチ54が作動すれば、第2入力軸14に沿って伝達されるエンジンの動力がシンクロ部92、96の作動によって第3主動ギア36または第4主動ギア38を経て従動ギア部84、85、86、87を通過することによって、前進2速、前進4速、前進6速、前進8速及び後進1速のうちいずれか1つの変速段を実現するようになる。
【0029】
従動ギア部81、82、83、84、85、86、87、88は、第2出力軸75、76のうち後方出力軸75に回転自在に連結され、第1主動ギア32に噛合される第1従動ギア81と、第1出力軸72に回転自在に連結され、第1主動ギア32に噛合される第2従動ギア82と、第1出力軸72に回転自在に連結され、第2主動ギア34に噛合される第3従動ギア83と、第1出力軸72に回転自在に連結され、第3主動ギア36に噛合される第4従動ギア84と、第2出力軸75、76のうち後方出力軸75に連結され、第3主動ギア36に噛合される第5従動ギア85と、第1出力軸72に回転自在に連結される第6従動ギア86と、第2出力軸75、76のうち前方出力軸76に回転自在に連結され、第4主動ギア38及び第6従動ギア86に噛合される第7従動ギア87と、第2出力軸75、76のうち後方出力軸75に回転自在に連結され、第2主動ギア34に噛合される第8従動ギア88とを含む。
【0030】
シンクロ部92、94、96、98は、第1出力軸72にスライド自在に設けられ、第4従動ギア84または第6従動ギア86と結合または分離される第1シンクロ92と、第1出力軸72にスライド自在に設けられ、第2従動ギア82または第3従動ギア83と結合または分離される第2シンクロ94と、前方出力軸76にスライド自在に設けられ、第5従動ギア85または第7従動ギア87と結合または分離される第3シンクロ96と、後方出力軸75にスライド自在に設けられ、第1従動ギア81または第8従動ギア88と結合または分離される第4シンクロ98とを含む。
【0031】
第1シンクロ92が第4従動ギア84に結合されれば、第3主動ギア36から伝達されるエンジンの動力が第4従動ギア84を通じて第1出力軸72に伝達され、第1シンクロ92が第6従動ギア86に結合されれば、第4主動ギア38から伝達されるエンジンの動力が第6従動ギア86を通じて第1出力軸72に伝達される。
【0032】
第2シンクロ94が第2従動ギア82に結合されれば、第1主動ギア32から伝達されるエンジンの動力が第2従動ギア82を通じて第1出力軸72に伝達され、第2シンクロ94が第3従動ギア83に結合されれば、第2主動ギア34から伝達されるエンジンの動力が第3従動ギア83を通じて第1出力軸72に伝達される。
【0033】
第3シンクロ96が第5従動ギア85に結合されれば、第3主動ギア36から伝達されるエンジンの動力が第5従動ギア85を通じて後方出力軸75に伝達され、第3シンクロ96が第7従動ギア87に結合されれば、第4主動ギア38から伝達されるエンジンの動力が第7従動ギア87を通じて前方出力軸76に伝達される。
【0034】
第4シンクロ98が第1従動ギア81に結合されれば、第1主動ギア32から伝達されるエンジンの動力が第1従動ギア81を通じて後方出力軸75に伝達され、第4シンクロ98が第8従動ギア88に結合されれば、第2主動ギア34から伝達されるエンジンの動力が第8従動ギア88を通じて後方出力軸75に伝達される。
【0035】
第1出力軸72には、差動装置40に噛合される第1伝達ギア72aが設けられるので、第1出力軸72に伝達されるエンジンの動力が第1伝達ギア72aを通じて差動装置40に伝達される。
【0036】
第2出力軸75、76は、差動装置40に噛合される第2伝達ギア74a、第7従動ギア87及び第3シンクロ96が設けられる前方出力軸76と、第1従動ギア81、第5従動ギア85、第8従動ギア88及び第4シンクロ98が設けられる後方出力軸75とを含む。
【0037】
以下では、上記のように構成された本発明の一実施例による自動化手動変速機の動作を説明する。
【0038】
車両走行が開始し、前進1速の変速段が実現される場合には、第1クラッチ52が作動し、第4シンクロ98が第1従動ギア81に結合され、第3シンクロ96が第7従動ギア87に結合される。
したがって、第1クラッチ52を通じて第1入力軸12に伝達されるエンジンの動力は、第1主動ギア32、第1従動ギア81、後方出力軸75、第5従動ギア85、第3主動ギア36、第4主動ギア38、第7従動ギア87、前方出力軸76及び第2伝達ギア74aを経て差動装置40に伝達される。
【0039】
前進2速の変速段が実現される場合には、第2クラッチ54が作動し、第3シンクロ96が第7従動ギア87に結合される。
したがって、第2クラッチ54を通じて第2入力軸14に伝達されるエンジンの動力は、第4主動ギア38、第7従動ギア87、前方出力軸76及び第2伝達ギア74aを経て差動装置40に伝達される。
【0040】
前進3速の変速段が実現される場合には、第1クラッチ52が作動し、第2シンクロ94が第2従動ギア82に結合される。
したがって、第1クラッチ52を通じて第1入力軸12に伝達されるエンジンの動力は、第1主動ギア32、第2従動ギア82、第1出力軸72及び第1伝達ギア72aを経て差動装置40に伝達される。
【0041】
前進4速の変速段が実現される場合には、第2クラッチ54が作動し、第1シンクロ92が第4従動ギア84に結合される。
したがって、第2クラッチ54を通じて第2入力軸14に伝達されるエンジンの動力は、第3主動ギア36、第4従動ギア84、第1出力軸72及び第1伝達ギア72aを経て差動装置40に伝達される。
【0042】
前進5速の変速段が実現される場合には、第1クラッチ52が作動し、第2シンクロ94が第3従動ギア83に結合される。
したがって、第1クラッチ52を通じて第1入力軸12に伝達されるエンジンの動力は、第2主動ギア34、第3従動ギア83、第1出力軸72及び第1伝達ギア72aを経て差動装置40に伝達される。
【0043】
前進6速の変速段が実現される場合には、第2クラッチ54が作動し、第3シンクロ96が第5従動ギア85に結合される。
したがって、第2クラッチ54を通じて第2入力軸14に伝達されるエンジンの動力は、第3主動ギア36、第5従動ギア85、前方出力軸76及び第2伝達ギア74aを経て差動装置40に伝達される。
【0044】
前進7速の変速段が実現される場合には、第1クラッチ52が作動し、第3シンクロ96が第5従動ギア85に結合され、第4シンクロ98が第8従動ギア88に連結される。
したがって、第1クラッチ52を通じて第1入力軸12に伝達されるエンジンの動力は、第2主動ギア34、第8従動ギア88、後方出力軸75、第5従動ギア85、第4主動ギア38、第7従動ギア87、第6従動ギア86、第1出力軸72及び第1伝達ギア72aを経て差動装置40に伝達され、前進7速の変速段を実現するようになる。
【0045】
前進8速の変速段が実現される場合には、第2クラッチ54が作動し、第4シンクロ98が第1従動ギア81に結合され、第2シンクロ94が第3従動ギア83に連結される。
したがって、第2クラッチ54を経て第2入力軸14に伝達されるエンジンの動力は、第3主動ギア36、第5従動ギア85、後方出力軸75、第1従動ギア81、第1主動ギア32、第1入力軸12、第2主動ギア34、第3従動ギア83、第1出力軸72及び第1伝達ギア72aに沿って差動装置40に伝達され、前進8速の変速段を実現するようになる。
【0046】
後進1速の変速段が実現される場合には、第1クラッチ52が作動し、第4シンクロ98が第1従動ギア81に結合され、第1シンクロ92が第6従動ギア86に結合される。
したがって、第1クラッチ52を通じて第1入力軸12に伝達されるエンジンの動力は、第1主動ギア32、第1従動ギア81、後方出力軸75、第5従動ギア85、第3主動ギア36、第2入力軸14、第4主動ギア38、第7従動ギア87、第6従動ギア86、第1出力軸72及び第1伝達ギア72aを経て差動装置40に伝達される。
【0047】
これにより、前進8速且つ後進1速の変速段を実現することができる自動化手動変速機を提供することができるようになる。
【0048】
本発明は、図面に示される一実施例を参照にして説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当該技術が属する分野における通常の知識を有する者なら多様な変形及び均等な他の実施例が可能である点を理解することができる。
【0049】
また、車両用自動化手動変速機を例示して説明したが、これは、例示的なものに過ぎず、車両ではなく、他の製品にも本発明の自動化手動変速機が使用されることができる。
【0050】
したがって、本発明の真正な技術的保護範囲は、下記の特許請求範囲によって定められるべきである。
【符号の説明】
【0051】
12 第1入力軸
14 第2入力軸
32 第1主動ギア
34 第2主動ギア
36 第3主動ギア
38 第4主動ギア
52 第1クラッチ
54 第2クラッチ
72 出力軸
72a 第1伝達ギア
74a 第2伝達ギア
75 後方出力軸
76 前方出力軸
81 第1従動ギア
82 第2従動ギア
83 第3従動ギア
84 第4従動ギア
85 第5従動ギア
86 第6従動ギア
87 第7従動ギア
88 第8従動ギア
92 第1シンクロ
94 第2シンクロ
96 第3シンクロ
98 第4シンクロ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの動力が伝達する第1入力軸と;
前記エンジンの動力が伝達する第2入力軸と;
前記第1入力軸及び前記第2入力軸に設けられる主動ギア部と;
前記第1入力軸または前記第2入力軸に前記エンジンの動力を伝達または遮断されるクラッチ部と;
前記第1入力軸または前記第2入力軸から動力が伝達される第1出力軸と;
前記第1入力軸または前記第2入力軸から動力が伝達され、同一の軸上に配置される複数の軸よりなる第2出力軸と;
前記第1出力軸及び前記第2出力軸に設けられる多数の従動ギアを備えてなる従動ギア部と;
前記第1出力軸または前記第2出力軸と前記従動ギア部を連結または遮断させて、多段の変速段を実現するシンクロ部と;を含み、
前記クラッチ部は、
前記第1入力軸に設けられ、前記エンジンの動力を伝達または遮断する第1クラッチと;
前記第2入力軸に設けられ、前記エンジンの動力を伝達または遮断する第2クラッチと;を含むことを特徴とする自動化手動変速機。
【請求項2】
前記主動ギア部は、
前記第1入力軸に設けられ、動力を伝達する第1主動ギアと;
前記第1入力軸に設けられ、動力を伝達する第2主動ギアと;
前記第2入力軸に設けられ、動力を伝達する第3主動ギアと;
前記第2入力軸に設けられ、動力を伝達する第4主動ギアと;を含み、
前記第1主動ギア、前記第2主動ギア、前記第3主動ギア及び前記第4主動ギアは、前記従動ギア部と噛合され、4個のギア列を構成することを特徴とする請求項1に記載の自動化手動変速機。
【請求項3】
前記従動ギア部は、
前記第2出力軸に回転自在に連結され、前記第1主動ギアに噛合される第1従動ギアと;
前記第1出力軸に回転自在に連結され、前記第1主動ギアに噛合される第2従動ギアと;
前記第1出力軸に回転自在に連結され、前記第2主動ギアに噛合される第3従動ギアと;
前記第1出力軸に回転自在に連結され、前記第3主動ギアに噛合される第4従動ギアと;
前記第2出力軸に連結され、前記第3主動ギアに噛合される第5従動ギアと;
前記第1出力軸に回転可能に連結される第6従動ギアと;
前記第2出力軸に回転自在に連結され、前記第4主動ギア及び前記第6従動ギアに噛合される第7従動ギアと;
前記第2出力軸に回転自在に連結され、前記第2主動ギアに噛合される第8従動ギアと;を含むことを特徴とする請求項2に記載の自動化手動変速機。
【請求項4】
前記第2出力軸は、
前記第7従動ギアが設けられる前方出力軸と;
前記第1従動ギア、前記第5従動ギア及び前記第8従動ギアが設けられる後方出力軸と;を含むことを特徴とする請求項3に記載の自動化手動変速機。
【請求項5】
前記シンクロ部は、
前記第1出力軸にスライド自在に設けられ、前記第4従動ギアまたは前記第6従動ギアと結合または分離される第1シンクロと;
前記第1出力軸にスライド自在に設けられ、前記第2従動ギアまたは前記第3従動ギアと結合または分離される第2シンクロと;
前記第2出力軸にスライド自在に設けられ、前記第5従動ギアまたは前記第7従動ギアと結合または分離され、前記前方出力軸に設けられる第3シンクロと;
前記第2出力軸にスライド自在に設けられ、前記第1従動ギアと結合または分離され、前記第8従動ギアと結合または分離され、前記後方出力軸に設けられる第4シンクロと;を含むことを特徴とする請求項4に記載の自動化手動変速機。
【請求項6】
前記第1出力軸には、差動装置に噛合される第1伝達ギアが設けられ、前記前方出力軸には、前記差動装置に噛合される第2伝達ギアが設けられることを特徴とする請求項5に記載の自動化手動変速機。
【請求項7】
前記自動化手動変速機は、
前記第1クラッチが作動し、前記第4シンクロが前記第1従動ギアに結合され、前記第3シンクロが前記第7従動ギアに結合され、前進1速の変速段が実現され、
前記第2クラッチが作動し、前記第3シンクロが前記第7従動ギアに結合され、前進2速の変速段が実現され、
前記第1クラッチが作動し、前記第2シンクロが前記第2従動ギアに結合され、前進3速の変速段が実現され、
前記第2クラッチが作動し、前記第1シンクロが前記第4従動ギアに結合され、前進4速の変速段が実現され、
前記第1クラッチが作動し、前記第2シンクロが前記第3従動ギアに結合され、前進5速の変速段が実現され、
前記第2クラッチが作動し、前記第3シンクロが前記第5従動ギアに結合され、前進6速の変速段が実現され、
前記第1クラッチが作動し、前記第3シンクロが前記第5従動ギアに結合され、前記第4シンクロが前記第8従動ギアに連結され、前進7速の変速段が実現され、
前記第2クラッチが作動し、前記第4シンクロが前記第1従動ギアに結合され、前記第2シンクロが前記第3従動ギアに連結され、前進8速の変速段が実現され、
前記第1クラッチが作動し、前記第4シンクロが前記第1従動ギアに結合され、前記第1シンクロが前記第6従動ギアに結合され、後進1速の変速段が実現されることを特徴とする請求項6に記載の自動化手動変速機。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−19533(P2013−19533A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182951(P2011−182951)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(511206711)ヒュンダイ パワーテック カンパニー、リミテッド (1)
【Fターム(参考)】