説明

自動復帰型スイッチ及びその組立て方法

【課題】初圧を付与した状態に容易に組み立てることができ、生産の自動化に対応することが可能な自動復帰型スイッチ及びその組立て方法の提供。
【解決手段】バネ部材5及び操作部材6を互いに干渉しない位置関係においてモールドケース7に組み込み、しかる後、操作部材6に押し込み方向の押圧力を作用させてバネ部材5を弾性変形させるとともに、操作部材6に一体に形成された当て止め部35を押し込み方向側に移動させておき、その状態でモールドケース7にシールドカバー8を組み込み、シールドカバー8に形成されたストッパー部40を当て止め部35の引き起こし方向側に挿入した後、操作部材6に作用する押圧力を解除し、原点位置においてストッパー部40に当て止め部35を当て止めさせ、操作部材6のバネ部材5より離反する方向の移動を規制し、操作部材6に原点位置側に向けた付勢力を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器における記録媒体の出し入れ等を検出するための検出用スイッチやリセット用スイッチ等として使用されるレバースイッチ等の自動復帰型スイッチ及びその組立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機等の携帯端末機器やポータブルオーディオプレーヤー、デジタルカメラ等の電子機器においては、ICカードやCD等の記録媒体の挿入状態を検出する手段として、或いはリセット(初期化動作)用スイッチとしてレバーの回動動作に伴いオン・オフ動作がなされるレバー式スイッチ等の自動復帰型スイッチが用いられている。
【0003】
このような自動復帰型スイッチには、中空箱状のハウジング100内に収容されたばね状の可動接点端子102を備え、回動レバー103を押し倒し位置まで回動させることにより可動接点端子102が変形し、それにより可動接点端子102の一方の端部に形成された可動接点104が側壁部に沿ってハウジングに固定された固定接点101と接触する位置に移動し(オン状態)、一方、レバー103に作用する力を解除すると、可動接点端子の弾性力により回動レバー103が引き起こし位置(原点位置)に復帰し、それに伴い可動接点104が固定接点101より離反するようにした自動復帰型(モーメンタリー構造)のスイッチが知られている(例えば特許文献1)。
【0004】
このような自動復帰型スイッチでは、原点位置において可動接点端子102を撓ませた状態で回動レバー103に当接させ、常に回動レバー103を引き起こし方向に付勢しておくことにより、振動や衝撃によるスイッチの誤動作や、回動レバー103の原点位置が商品毎にばらつく等の障害が生じるのを防止している。
【0005】
このようなレバースイッチでは、ハウジングがモールドケースとシールドケースとを組み込むことにより構成され、モールドケースに回動レバーを組み込んだ後、ハウジング内に可動接点端子を撓ませた状態で組み込み、しかる後、シールドカバーを嵌め込むようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−220517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の如き従来の技術では、スイッチの組立てに際し、回動レバーに引き起こし方向の付勢力(初圧)を付与するために、可動接点端子を撓ませた状態でモールドケースに組み込む必要があり、作業中に可動接点端子が弾性復帰しようとするため組み込み作業が煩雑であり、特に、小型化されたものではこの組み込み作業が非常に困難で自動化の妨げとなっているという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、初圧を付与した状態に容易に組み立てることができ、組立作業の自動化に対応することが可能な自動復帰型スイッチ及びその組立て方法の提供を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、中空箱状のハウジングと、該ハウジングに所定の原点位置と押し込み位置との間で移動可能に支持された操作部材と、該操作部材を前記原点位置側に付勢するバネ部材とを備え、前記操作部材が前記原点位置より前記バネ部材の弾性に抗して前記押し込み位置側に移動することによりオン・オフ状態の切り替えがされるようにした自動復帰型スイッチにおいて、前記ハウジングは、有底箱状のモールドケースに、該モールドケースの上面開口部を閉鎖するシールドケースを組み込むことにより形成され、該シールドケースは、前記モールドケース側に突出したストッパー部を備え、前記操作部材は、前記モールドケースに前記バネ部材と接触しない位置まで移動可能に支持されるとともに、前記原点位置において前記ストッパー部に当て止めされる当て止め部を有し、シールドカバー未装着時には、前記操作部材が前記モールドケースに前記原点位置より前記バネ部材と接触しない位置まで移動可能である一方、シールドカバー装着時には、前記当て止め部が前記ストッパー部に当て止めされて前記操作部材の前記原点位置より前記バネ部材から離反する方向への移動が規制されるようにしたことにある。
【0010】
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記バネ部材は、一方の端部が前記モールドケースに固定され、他方の端部に可動接点部が形成された可動接点端子をもって構成され、該可動接点端子は、前記操作部材の移動により該操作部材に押圧されてモールドケース内に配置された固定接点と接触する位置と非接触にある位置との間で移動するようにしたことにある。
【0011】
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え、前記操作部材は、前記モールドケースに回動可能に支持された回動レバーであることにある。
【0012】
請求項4に記載の発明の特徴は、有底箱状のモールドケースにシールドケースを組み込んでなる中空箱状のハウジングと、該ハウジングに所定の原点位置と押し込み位置との間で移動可能に支持された操作部材と、該操作部材を前記原点位置側に付勢するバネ部材とを備え、前記操作部材が前記原点位置より前記バネ部材の弾性に抗して前記押し込み位置側に移動することによりオン・オフ状態の切り替えがされるようにしてなる自動復帰型スイッチの組み立て方法において、前記バネ部材及び前記操作部材を互いに干渉しない位置関係において前記モールドケースに組み込み、しかる後、前記操作部材に押し込み方向の押圧力を作用させて前記バネ部材を弾性変形させるとともに、前記操作部材に一体に形成された当て止め部を押し込み方向側に移動させておき、その状態で前記モールドケースの上面開口部側より前記シールドカバーを組み込み、該シールドカバーに形成されたストッパー部を前記当て止め部の引き起こし方向側に挿入した後、前記操作部材に作用する押圧力を解除し、前記原点位置において、前記ストッパー部に当て止め部を当て止めさせ、前記操作部材の前記バネ部材より離反する方向の移動を規制し、前記操作部材に原点位置側に向けた付勢力を付与することにある。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る自動復帰型スイッチは、上述したように、中空箱状のハウジングと、該ハウジングに所定の原点位置と押し込み位置との間で移動可能に支持された操作部材と、該操作部材を前記原点位置側に付勢するバネ部材とを備え、前記操作部材が前記原点位置より前記バネ部材の弾性に抗して前記押し込み位置側に移動することによりオン・オフ状態の切り替えがされるようにした自動復帰型スイッチにおいて、 前記ハウジングは、有底箱状のモールドケースに、該モールドケースの上面開口部を閉鎖するシールドケースを組み込むことにより形成され、該シールドケースは、前記モールドケース側に突出したストッパー部を備え、前記操作部材は、前記モールドケースに前記バネ部材と接触しない位置まで移動可能に支持されるとともに、前記原点位置において前記ストッパー部に当て止めされる被当て止め部を有し、シールドカバー未装着時には、前記操作部材が前記モールドケースに前記原点位置より前記バネ部材と接触しない位置まで移動可能である一方、シールドカバー装着時には、前記被当て止め部が前記ストッパー部に当て止めされて前記操作部材の前記原点位置より前記バネ部材から離反する方向への移動が規制されるようにしたことにより、操作部材及びバネ部材を互いに干渉しない状態でモールドケースに組み込むことができ、小型のものであっても組み込み作業が容易に行え、組立て作業の自動化にも対応することができる。
【0014】
また、本発明において、前記バネ部材は、一方の端部が前記モールドケースに固定され、他方の端部に可動接点部が形成された可動接点端子をもって構成され、該可動接点端子は、前記操作部材の移動により該操作部材に押圧されてモールドケース内に配置された固定接点と接触する位置と非接触にある位置との間で移動するようにしたことにより、バネ部材を可動接点端子に兼用させることで、部品点数を抑えることができる。また、可動接点端子の一方の端部をモールドケースに固定することでシールドケース未装着時に操作部材より押圧力を受けてもモールドケースより外れることがない。
【0015】
更に本発明において、前記操作部材は、前記モールドケースに回動可能に支持された回動レバーであることにより、外部より受ける押し込み力を回動動作に変換し、その押し込み力を好適にバネ部材に伝達することができる。
【0016】
また、本発明に係る自動復帰型スイッチの組立て方法は、上述したように、有底箱状のモールドケースにシールドケースを組み込んでなる中空箱状のハウジングと、該ハウジングに所定の原点位置と押し込み位置との間で移動可能に支持された操作部材と、該操作部材を前記原点位置側に付勢するバネ部材とを備え、前記操作部材が前記原点位置より前記バネ部材の弾性に抗して前記押し込み位置側に移動することによりオン・オフ状態の切り替えがされるようにしてなる自動復帰型スイッチの組み立て方法において、前記バネ部材及び前記操作部材を互いに干渉しない位置関係において前記モールドケースに組み込み、しかる後、前記操作部材に押し込み方向の押圧力を作用させて前記バネ部材を弾性変形させるとともに、前記操作部材に一体に形成された当て止め部を押し込み方向側に移動させておき、その状態で前記モールドケースの上面開口部側より前記シールドカバーを組み込み、該シールドカバーに形成されたストッパー部を前記当て止め部の引き起こし方向側に挿入した後、前記操作部材に作用する押圧力を解除し、前記原点位置において、前記ストッパー部に当て止め部を当て止めさせ、前記操作部材の前記バネ部材より離反する方向の移動を規制し、前記操作部材に原点位置側に向けた付勢力を付与することにより、バネ部材の組み込みの際、バネ部材を撓ませる必要がなく容易に組み込むことができ、組立作業の自動化にも対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る自動復帰型スイッチの一例を示す平面図である。
【図2】同上の部分破断平面図である。
【図3】(a)は図1中のシールドカバーを示す平面図、(b)は同A−A線断面図である。
【図4】(a)〜(e)は本発明に係る自動復帰型スイッチの組立て方法における各工程の状態を示す平面図である。
【図5】従来の自動復帰型スイッチの一例の概略を示す部分破断平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明に係る自動復帰型スイッチの実施の態様を図1〜図3に示した実施例に基づいて説明する。尚、図中符号1はレバースイッチ等の自動復帰スイッチである。
【0019】
この自動復帰型スイッチ1は、中空箱状のハウジング2と、ハウジング2内に露出させた固定接点部3aを有する固定接点端子3と、一端をハウジング2に固定させ、他端に固定接点部3aと接触する可動接点部4が形成されたバネ部材としての可動接点端子5と、ハウジング2に回動可能に支持された操作部材としての回動レバー6とを備え、この回動レバー6が図1中実線で示す所定の原点位置と図1中一点鎖線で示す所定の押し込み位置との間で回動動作することによりオン・オフ状態の切り替えがなされるようになっている。
【0020】
ハウジング2は、絶縁樹脂製のモールドケース7と、金属材製のシールドカバー8とを組み込んで中空箱状に形成されている。
【0021】
モールドケース7は、平板状の基板部10と、基板部10側縁より立ち上げた形状の各側壁部11a,11b,11cとを備えて基板部10と対向する側が開口した有底箱状に形成され、この基板部10と対向する上面開口部がシールドカバー8により閉鎖されるようになっている。
【0022】
また、このモールドケース7には、一方の側壁部11の内側に固定接点支持壁部12が形成され、この固定接点支持壁部12の内側面、即ち他方の側壁部11b側の回動レバー6とは反対側の端部に固定接点部3aを露出させている。
【0023】
固定接点端子3は、平板状の固定接点部3aと、接続基板に形成された接続パターンに半田付け等により接続される接続端子部3bとを一体に備え、固定接点部3a及び接続基板3bを露出させた状態でインサート成型によりモールドケース7と一体化されている。
【0024】
一方、側壁部11aの回動レバー側端部には、可動接点端子5の一方の端部が圧入されて固定される端子圧入部13が形成され、この端子圧入部13の内側面には、インサート成型によりモールドケース7と一体化したコモン端子14の接点部が露出されており、この端子圧入部13に圧入された可動接点端子5の支持固定部20がコモン端子14の接点部と常時接続した状態で固定されるようになっている。
【0025】
可動接点端子5は、弾性を有する導電性板材を打ち抜き・折り曲げ加工することにより「の」字状に形成され、一方の端部に形成された支持固定部20が上述の端子圧入部13に圧入されている。
【0026】
また、可動接点端子5は、支持固定部20とは反対側の端部に可動接点部4が形成され、回動レバー6が押し込み方向に回動することにより被操作部23が押圧されて支持固定部20を基点に弾性変形し、可動接点部4が固定接点支持壁12の内側面に沿って移動して固定接点部3aと接触する位置に移動し、回動レバー6に作用する押し込み力を解除すると、可動接点端子5の弾性により原点位置側に向けて回動レバー6を押し戻し、それに伴い可動接点部4が固定接点部3aより離反するようになっている。
【0027】
回動レバー6は、モールドケース7の基板部10の一方の端部に回動軸30を介して回動可能に支持された回動部31と、回動部31の外縁部より回動軸30と直交する方向に向けた棒状の操作部32とを一体に備え、この操作部32が回動軸30を中心に回動するようになっている。
【0028】
回動部31には、円形状の挿通孔34が形成され、この挿通孔に基板部10に一体に突設された回動軸30が挿入されることにより基板部10に対して水平方向に回動できるようになっている。
【0029】
また、回動部31の外縁には、操作部32と回動方向で間隔を置いた位置に押圧部33を一体に備え、この押圧部33が回動動作に伴い可動接点端子5の被操作部23を押圧するようになっている。
【0030】
この押圧部33には、押圧側とは反対側部分に操作部32と対向配置に当て止め部35が一体に形成されており、モールドケース7にシールドカバー8が装着された際に、この当て止め部35が原点位置においてシールドカバー8のストッパー部40に当接して当て止めされ、回動レバー6の可動接点端子5から離反する方向への移動が規制されるようになっている。
【0031】
シールドカバー8は、図3に示すように、導電性金属製板材を折り曲げ加工することにより形成され、平板状の本体部41と、本体部41のレバー側端部にモールドケース側に折り曲げた形状のストッパー部40が一体に形成されている。
【0032】
このストッパー部40は、本体部41を上下方向に切り出し、折り目40aよりモールドケース側に折り曲げることにより形成され、その先端側部に外側に向けて折り曲げた形状の押さえ部42が形成されている。
【0033】
また、シールドカバー8には、両側縁部にモールドケース7の側縁部に形成された係合凸部43,43...と互いに係合する係合片部44,44が一体に形成され、この係合片部44を係合凸部43に係合させることによりモールドケース7にシールドカバー8が組み込まれるようになっている。
【0034】
このように構成された自動復帰型スイッチ1では、モールドケース7にシールドカバー8が装着された際には、図2に示すように、回動レバー6の当て止め部35が原点位置においてシールドカバー8のストッパー部40に当接して当て止めされ、回動レバー6の可動接点端子5から離反する方向への移動が規制されるようになっている。
【0035】
この状態では、回動レバー6の押圧部33が可動接点端子5の被操作部32に常時弾性接触した状態にあり、原点位置において、回動レバー6が可動接点端子5に引き起こし方向に付勢された状態で停止している。
【0036】
また、この自動復帰型スイッチ1では、操作部32が押し込まれて操作レバー6が原位置より押し倒し方向に回動することにより、押圧部33が被操作部23を固定接点支持壁部12側に向けて押圧し、それにより可動接点端子5が変形し、それに伴い可動接点部4が固定接点支持壁部12の内側面に沿って移動して固定接点部3aと接触する。
【0037】
さらに、回動レバー6に作用する押し込み力を解除すると、可動接点端子5の弾性により回動レバー6を引き起こし方向に押し戻し原点位置に復帰し、それに伴い可動接点部4が固定接点支持壁部12の内側面に沿って移動して固定接点部3aより離反する。
【0038】
一方、モールドケース7にシールドカバー8が未装着の際には、図4(b)に示す如く、ストッパー部40による回動レバー6の可動接点端子5から離反する方向への移動が規制されず、回動レバー6が可動接点端子5と接触しない位置まで回動できるようになっている。
【0039】
従って、この自動復帰型スイッチ1は、回動レバー6とバネ部材としての可動接点端子5とを互いに干渉しない位置関係においてモールドケース7に組み込むことができるようになっている。
【0040】
次に、本発明に係る自動復帰型スイッチの組み立て方法を図4について説明する。尚、上述の実施例と同様の構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0041】
この組み立て方法では、まず、図4(a)に示すように、モールドケース7の端子圧入部13に可動接点端子5の固定支持部20を圧入し、可動接点端子5をモールドケース7に組み込む。このとき、可動接点端子5は、一方の端部に形成された固定支持部20がモールドケース7に固定される一方、その他の部分はフリーな状態、即ち、全体として外力を受けず撓んだ状態になく、可動接点部4も固定接点支持壁部12と非接触の状態にある。
【0042】
次に、図4(b)に示すように、回動レバー6を引き起こし方向に最大限引き起こした位置、即ち可動接点端子5と互いに干渉しない位置関係において回動軸30に嵌め込み、回動レバー6をモールドケース7に組み込む。
【0043】
このように可動接点端子5と回動レバー6とを互いに干渉しない位置関係においてモールドケース7に組み込むことにより、組み込み作業時に可動接点端子5を撓ませる必要がなく、組み込み作業を容易に行うことができ、そのため自動化にも対応可能となる。
【0044】
そして、可動接点端子5及び回動レバー6を組み込んだ後、図4(c)に示すように、回動レバー6に押圧力を作用させて押し込み方向に回動動作させて当て止め部35を押し込み方向側に移動させるとともに、押圧部33により可動接点端子5の被操作部23を押圧し、可動接点端子5を弾性変形させる。
【0045】
このとき、可動接点端子5は、固定支持部20においてモールドケース7に固定された状態にあるので、回動レバー6より外力を受けてもモールドケース7より外れることがない。
【0046】
そして、この状態において、図4(d)に示すように、モールドケース7の上面開口部側よりシールドカバー8を組み込み、ストッパー部40を当て止め部35の引き起こし方向側に挿入する。
【0047】
最後に、回動レバー6に作用する押圧力を解除すると、図4(e)に示すように、回動レバー6が可動接点端子5の弾性により押し戻され、原点位置において、ストッパー部40に当て止め部35が当て止めされ、回動レバー6の可動接点端子5より離反する方向の回動動作が規制される。
【0048】
それにより、回動レバー6が可動接点端子5に常時弾性接触した状態となり、可動接点端子5により回動レバー6に原点位置側に向けた付勢力(初圧)が付与され、自動復帰型スイッチ1の組み立てが完了する。
【0049】
尚、上述の実施例では、操作部材として回動式のレバー6を用いた例について説明したが、操作部材には、スライド移動により可動接点端子5を押圧するようにしたもの等であってもよい。
【0050】
また、上述の実施例では、可動接点端子をバネ部材として使用した例について説明したが、可動接点端子とは別個にバネ部材を備えるものであってもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 スイッチ
2 ハウジング
3 固定接点端子
4 可動接点部
5 可動接点端子
6 回動レバー
7 モールドケース
8 シールドカバー
10 基板部
11 側壁部
12 固定接点支持壁部
13 端子圧入部
14 コモン端子
20 支持固定部
23 被操作部
30 回動軸
31 回動部
32 操作部
33 押圧部
34 挿通孔
35 当て止め部
40 ストッパー部
41 本体部
42 押さえ部
43 係合凸部
44 係合片部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空箱状のハウジングと、該ハウジングに所定の原点位置と押し込み位置との間で移動可能に支持された操作部材と、該操作部材を前記原点位置側に付勢するバネ部材とを備え、前記操作部材が前記原点位置より前記バネ部材の弾性に抗して前記押し込み位置側に移動することによりオン・オフ状態の切り替えがされるようにした自動復帰型スイッチにおいて、
前記ハウジングは、有底箱状のモールドケースに、該モールドケースの上面開口部を閉鎖するシールドケースを組み込むことにより形成され、
該シールドケースは、前記モールドケース側に突出したストッパー部を備え、
前記操作部材は、前記モールドケースに前記バネ部材と接触しない位置まで移動可能に支持されるとともに、前記原点位置において前記ストッパー部に当て止めされる当て止め部を有し、
シールドカバー未装着時には、前記操作部材が前記モールドケースに前記原点位置より前記バネ部材と接触しない位置まで移動可能である一方、シールドカバー装着時には、前記当て止め部が前記ストッパー部に当て止めされて前記操作部材の前記原点位置より前記バネ部材から離反する方向への移動が規制されるようにしたことを特徴としてなる自動復帰型スイッチ。
【請求項2】
前記バネ部材は、一方の端部が前記モールドケースに固定され、他方の端部に可動接点部が形成された可動接点端子をもって構成され、
該可動接点端子は、前記操作部材の移動により該操作部材に押圧されてモールドケース内に配置された固定接点と接触する位置と非接触にある位置との間で移動するようにしてなる請求項1に記載の自動復帰型スイッチ。
【請求項3】
前記操作部材は、前記モールドケースに回動可能に支持された回動レバーである請求項1又は2に記載の自動復帰型スイッチ。
【請求項4】
有底箱状のモールドケースにシールドケースを組み込んでなる中空箱状のハウジングと、該ハウジングに所定の原点位置と押し込み位置との間で移動可能に支持された操作部材と、該操作部材を前記原点位置側に付勢するバネ部材とを備え、前記操作部材が前記原点位置より前記バネ部材の弾性に抗して前記押し込み位置側に移動することによりオン・オフ状態の切り替えがされるようにしてなる自動復帰型スイッチの組み立て方法において、
前記バネ部材及び前記操作部材を互いに干渉しない位置関係において前記モールドケースに組み込み、しかる後、前記操作部材に押し込み方向の押圧力を作用させて前記バネ部材を弾性変形させるとともに、前記操作部材に一体に形成された当て止め部を押し込み方向側に移動させておき、その状態で前記モールドケースの上面開口部側より前記シールドカバーを組み込み、該シールドカバーに形成されたストッパー部を前記当て止め部の引き起こし方向側に挿入した後、前記操作部材に作用する押圧力を解除し、前記原点位置において、前記ストッパー部に当て止め部を当て止めさせ、前記操作部材の前記バネ部材より離反する方向の移動を規制し、前記操作部材に原点位置側に向けた付勢力を付与することを特徴としてなる自動復帰型スイッチの組み立て方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−12372(P2013−12372A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143825(P2011−143825)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000102500)SMK株式会社 (528)
【Fターム(参考)】