自動書庫システム
【課題】図書情報の読み取り作業の効率化を図りつつも、図書情報の読み取り漏れによる不明図書を低減し、図書の維持管理を適切に行なえる自動書庫システムを提供する。
【解決手段】本発明にかかる自動書庫システム1は、複数の図書16を収納可能でコンテナ15を書庫4から入庫もしくは出庫するスタッカークレーン6A、6Bと、コンテナ15に対して図書取出作業と図書収納作業を作業者が行う出納ステーション10との間で搬送手段50を用いてコンテナ15を搬送するもので、出納ステーション10にて図書16に設けられたICタグ17Aから図書情報読取手段21で図書情報を読み取り、この読取られた図書ID数T1と読取図書数入力手段25で入力された冊数Tとが不一致の場合に、作業者に対して警告通知手段27で警告情報を通知する。
【解決手段】本発明にかかる自動書庫システム1は、複数の図書16を収納可能でコンテナ15を書庫4から入庫もしくは出庫するスタッカークレーン6A、6Bと、コンテナ15に対して図書取出作業と図書収納作業を作業者が行う出納ステーション10との間で搬送手段50を用いてコンテナ15を搬送するもので、出納ステーション10にて図書16に設けられたICタグ17Aから図書情報読取手段21で図書情報を読み取り、この読取られた図書ID数T1と読取図書数入力手段25で入力された冊数Tとが不一致の場合に、作業者に対して警告通知手段27で警告情報を通知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図書情報の読み取り漏れ防止機能を備えた自動書庫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図書館では図書に貼付されたバーコードにて図書の貸出し/返却状況などを管理しているが、近年はバーコードに代わりICタグが導入されつつある。またICタグを用いたシステムの故障やトラブルなどを想定してバックアップとしてバーコードが併用されるケースもある。ICタグの導入は自動貸出機や自動返却機による利用者サービス向上、カウンタ業務の時間短縮、返却された図書の自動仕分け、不正持ち出し防止、蔵書点検の効率化など様々な効果を挙げている。また、図書館においては、図書の貸し出しと返却を自動化した自動書庫システムが多く導入されてきているが、自動書庫システムにおいても、同様にICタグが導入されようとしている。
【0003】
図書情報の管理アイテムとなるICタグは、バーコードと異なり、無線でデータの送受信を行うので、バーコードのように手にとって一冊ずつ読み取りしなくとも、書架やケース、コンテナに入れたまま、複数の図書に貼付けられたICタグから一度にデータを読み出すことができる。このため自動書庫システムでは、専用コンテナに複数の図書を収納して管理しており、このコンテナから図書の取出作業や収納作業の際に、図書に貼り付けられたバーコードを1冊ずつスキャンするか、ICタグの場合はバーコードと同様に1冊ずつ読み出ししても良いし、あるいはコンテナ単位で読み出して管理を行うことや、取出しの際に出納ステーションに設置されている読取装置の近傍を通過することで図書情報を読み出し、取出しや収納を行いコンテナ内の図書の管理を行っている。このようなICタグの読み取りによりコンテナ内の図書を管理する装置としては、例えば特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−30948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ICタグは、一度に情報を読み取ることができるので読み取り作業を軽減できる反面、図書への貼付の状態や、読み取り装置に対するICタグの姿勢などの影響により読み取り精度は必ずしも100%ではなく、読み取り漏れ等が発生するおそれは免れない。例えばコンテナに10冊の図書を収納したが9冊分しか読み取りできないこともあり得る。自動書庫システムではコンテナと図書を紐付きにしないフリーロケーション管理が一般的であるため、コンテナに収納する、あるいはコンテナから取出す図書のICタグを確実に読み取れなければ、読み取りできなかった図書の所在が不明となってしまい、後から探すのに大変な労力を要することとなり維持管理に手間がかかってしまう。
【0006】
本発明は、図書情報の読み取り作業の効率化を図りつつも、図書情報の読み取り漏れによる不明図書を低減し、図書の維持管理を適切に行なえる自動書庫システムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明では、図書の収納作業や取出作業を行なう出納ステーションで、図書の収納作業や取出作業を実施するときに、図書情報読取装置で読み取る収納する図書や取出す図書の冊数を入力し、収納する図書のICタグや取出す図書のICタグを図書情報読取装置で読み取り、入力した数値と図書情報読取装置で読取ったデータ数が一致しない場合には、入力した数値と図書情報読取装置で読取ったデータ数が一致していない旨の警告を発するようにして作業者に通知するようにした。この場合、図書情報読取装置での読取結果と読取図書数入力手段で入力した数値とを比較することで、読み取り結果が100%であるかどうかを確認することが可能になり、図書情報の読み取り作業の効率化を図りつつもICタグの読み取り漏れの発生を防止することができる。また、読み取り結果の内容を出納ステーション側で作業者に通知することで、作業者の確認作業の手助けになる。このような構成とすることで、ICタグの読み取り漏れを防止することができ、ひいては不明図書の発生を防止することができる。
【0008】
つまり、本発明にかかる自動書庫システムは、複数の図書を収納可能であって書庫に保管されている複数のコンテナと、これらコンテナの中から搬送指示を受けたコンテナを入庫もしくは出庫するスタッカークレーンと、コンテナに対して図書取出作業と図書収納作業を作業者が行う出納ステーションと、スタッカークレーンと出納ステーションとの間で搬送指示を受けたコンテナを搬送する搬送手段とを備えた自動書庫システムにおいて、出納ステーションに設置され、図書に設けられたICタグから図書情報を読み取る図書情報読取手段と、出納ステーションに設置され、図書情報読取手段で読み取る図書の冊数を入力する読取図書数入力手段と、図書情報読取手段によってICタグから読取られた図書ID数と読取図書数入力手段によって入力された数値とが不一致の場合に作業者に対して警告情報を通知する警告通知手段とを有することを特徴としている。
【0009】
本発明にかかる自動書庫システムにおいて、数値と図書ID数とが不一致の場合、読取図書数入力手段による数値を再入力、あるいは図書情報読取手段によるICタグから図書情報の再読み取りの実行を促すように、警告通知手段を制御する制御手段を有することを特徴としている。
【0010】
本発明にかかる自動書庫システムにおいて、図書取出作業時においては取出要求された図書の図書情報を、図書収納作業時においては図書情報読取手段によって図書に設けられたICタグから読取られた図書情報を表示する表示手段を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、出納ステーションに設置され、読み取る図書の冊数を入力する読取図書数入力手段と、出納ステーションに設置され、図書に設けられたICタグから図書情報を読み取る図書情報読取手段と、読取図書数入力手段によって入力された冊数と図書情報読取手段によって図書情報を読取られた図書ID数とを比較し、冊数と図書ID数とが不一致の場合、作業者に対して警告通知手段で警告を通知するようにしたので、図書情報読取手段によるICタグからの図書情報の読み取り漏れや読取図書数入力手段から入力された冊数の誤入力などを作業者に知らせることができる。このため、図書情報の読み取り作業の効率化を図りつつも、図書情報の読み取り漏れによる不明図書を低減し、図書の維持管理を適切に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明にかかる自動書庫システムの一構成例を示す概略平面図である。
【図2】書庫と出納ステーションの配置と、搬送手段の一構成を示す概略図である。
【図3】出納ステーションと搬送手段の一構成を示す概略図である。
【図4】図書の収納作業や取出作業を行なう出納ステーションの構成を示す斜視図である。
【図5】(a)はICタグを有する図書の斜視図、(b)はバーコードを有するコンテナの斜視図である。
【図6】自動書庫システムの制御系の一形態を示すブロック図である。
【図7】図書収納時における図書情報の読み取りに係る制御の一形態を示すフローチャートである。
【図8】図書収納作業時にモニターに表示される画面構成を示す拡大図である。
【図9】図書の冊数を入力したときの画面構成を示す拡大図である。
【図10】図書を読み取ったときの画面構成を示す拡大図である。
【図11】読み取った図書をコンテナに収納したときの画面構成を示す拡大図である。
【図12】冊数と読み取った図書の冊数が不一致のときに表示される警告画面構成を示す拡大図である。
【図13】図12に示す警告画面をリセットするときの画面構成を示す拡大図である。
【図14】通過センサを備えていない場合に図書の冊数を入力したときの画面構成を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る自動書庫システムの実施形態について図面を用いて説明するが、最初に自動書庫システムの機械的要素を説明し、その後に制御系を説明する。
(機械的要素の説明)
図1に示す自動書庫システム1は、図書館の書庫4内に配列され、複数の図書16(図5参照)が収納可能なコンテナ15を多数保管するコンテナ保管棚となるラック2A,2Bと、ラック2A,2Bの間に形成される通路5A,5Bを移動可能なスタッカークレーン6A,6Bと、各スタッカークレーンで運び出されるコンテナ15・・を搬送台車9へ搬送する搬送コンベア7,8と、搬送台車9との間でコンテナ15の受け渡しを行なう水平搬送コンベア38と、コンテナ15が運ばれ、作業者Mがコンテナ15に対して図書取出作業と収納作業を行なう出納ステーション10と、受付カウンタ12等を有している。これらの構成により図書16を収納したコンテナ15は、出納ステーション10とラック2A,2Bとの間で入庫と出庫が行われる。
【0014】
ラック2A,2Bは、通路5A,5Bに対して前面に、列、連、段を有する単式と、通路5A,5Bに対して前面と後面に列、連、段を有する複式のものがある。単式と複式とを比較した場合、複式のラックの方が収納量は多くなる半面、後面から取り出す場合は前面に排架されたコンテナ15を一旦他の棚の排架換えしなければならないので、単式に比べてコンテナ出庫間隔が長くなる傾向となる。図1に示すラック2A,2Bは複式のみのであり、通路5A,5Bと対面する区分は前面側、反対側を後面側としている。例えば、ラック2Bにおいて、符号201は前面側、符号202は後面側をそれぞれ示す。図1においては複式のラックを例示したが、単式のものであってもよい。また、ラック2A,2Bには、書庫4に固定するタイプと書庫4内を移動可能なタイプがあるが、本形態では固定するタイプを例に説明するが、移動タイプのものであっても構わない。
【0015】
スタッカークレーン6A,6Bは、それぞれ通路5A,5B内を往復及び上下に移動してラック2A,2Bに保管されているコンテナ15の中から搬送指示を受けたコンテナ15を選択し、搬送コンベア7,8の出庫用搬送コンベア7A,8Aへと搬送するとともに、搬送コンベア7,8の入庫用搬送コンベア7B,8Bに位置するコンテナ15をラック2A,2Bへと搬送する周知のものである。
搬送台車9は、搬送コンベア7,8と水平搬送コンベア38の間を往復移動してコンテナ15を搬送するもので、出庫用台車9Aと入庫用台車9Bが上下に配置されている。
【0016】
搬送コンベア7,8は、スタッカークレーン6A,6Bと搬送台車9との間でコンテナ15の受け渡しをするもので、スタッカークレーン6A,6Bから出庫用台車9Aへコンテナ15を搬送する出庫用搬送コンベア7A,8Aと、入庫用台車9Bからスタッカークレーン6A,6Bへコンテナ15を搬送する出庫用搬送コンベア7B,8Bがそれぞれ上下に配置されている。
【0017】
水平搬送コンベア38は、搬送台車9と垂直搬送コンベア39との間で、コンテナ15の搬送を行うもので、出庫用台車9Aから垂直搬送コンベア39Aへコンテナ15を搬送する出庫用水平搬送コンベア38Aと、垂直搬送コンベア39Bから入庫用台車9Bにコンテナ15を搬送する入庫用水平搬送コンベア38Bとが上下に配置されている。
【0018】
垂直搬送コンベア39は、図2に示すように、出庫用水平搬送コンベア38Aで搬送されたコンテナ15を出納ステーション10へ搬送する出庫用垂直搬送コンベア39Aと、出納ステーション10からコンテナ15を入庫用水平搬送コンベア38Bへ搬送する入庫用垂直搬送コンベア39Bとを備えている。
【0019】
出納ステーション10の内部には、ステーション内でコンテナ15を移動するステーションコンベア40が設置されている。ステーションコンベア40は、図3に示すように、出庫用垂直搬送コンベア39Aからコンテナ15を受け取る出庫用ステーションコンベア40Aと、出納ステーション10から入庫用垂直搬送コンベア39Bへコンテナ15を搬送する入庫用ステーションコンベア40Bを備えていて、出納ステーション10と垂直搬送コンベア39との間でコンテナ15の受け渡しが行えるように構成されている。
【0020】
出納ステーション10は、図2に示すように、書庫4が位置する建物のフロアF1に対して異なるフロアF2に設置されている。このため、出納ステーション10は、垂直搬送コンベア39に接続されている。出納ステーション10と書庫4の配置形態であるが、両者を同一フロアに設置する形態でも無論かまわない。この場合、垂直搬送コンベア39は不要となる。出納ステーション10や書庫4の配置は、システムを導入する建物や利用形態に応じて適宜変更することができる。
【0021】
出納ステーション10は、図4に示すように外観を呈した筐体からなり、その手前側には作業用カウンタ18が、内部にはコンテナ15を搬送するためのステーションコンベア40が設置されている。筐体の側面には各種情報が表示される表示手段となるモニター20、完了信号入力手段となる作業完了ボタン23、筐体の上面には移動完了ランプ24、コンテナが到着する所定位置の上部には警告通知手段となるスピーカー27がそれぞれ設けられている。
【0022】
警告通知手段としてはスピーカー27のような音声を発生するものではなく、ランプのように光を照射するものであってもよいし、警告内容を表示するものであってもよいし、あるいはそれらを併用するようにしてもよい。本形態では、モニター20を警告通知手段としても使用する。このモニター20には、図5(a)に示す図書16に設けられたICタグ17Aから読み取られた図書情報(ID番号、タイトル、著作名、請求記号等)が表示される。
【0023】
作業用カウンタ18の上面には、図書情報読取手段21、マウス22、キーボード25等が設けられている。作業完了ボタン23は、出納ステーション10において図書16の取出作業や収納作業が終了したコンテナ15を書庫4に戻す際(入庫時)に操作されるもので、このボタン操作により完了信号が出力される。移動完了ランプ24は、書庫4から運ばれたコンテナ15がステーションコンベア40の所定位置に到着した際に点灯するものである。
【0024】
図書情報読取手段21は、図5(a)に示すICタグ17Aから図書情報を読み取るICタグリーダーで構成されている。ICタグ17Aには図書16を識別するための図書情報が記憶されている。入力手段となるマウス22及びキーボード25は各種データを入力する際に使用される。特に本形態において、キーボード25は、図書情報読取手段21によって図書情報を読み取る図書16の冊数Tを入力する読取図書数入力手段としても機能する。読取図書数入力手段の形態としては、キーボード25と個別に設ける形態であってもよいし、モニター20をタッチパネルとして読取図書数入力手段としてもよい。図書16を収納するコンテナ15は、図5(b)に示すように、コンテナ15を識別するための情報が記憶されたバーコード17Bが設けられている。
【0025】
図4に示すように、出納ステーション10にはステーションコンベア40を覆うためのカバー28,28が設けられている。各カバー28にはそれぞれステーションの幅方向に開閉可能なドア29,29が設けられている。各ドア29は通常閉じられていて、コンテナ15が所定位置に到着した際に手動で開放される。これらモニター20、図書情報読取手段21、マウス22、作業完了ボタン23、移動完了ランプ24、キーボード(読取図書数入力手段)25は、出納ステーション10に設置されているステーション端末61と通信可能に接続されている。
(制御系の説明)
自動書庫システム1は、図6に示すように、サーバー機能を持つ制御手段としてのシステム管理機60と、出納ステーション10に設けられた制御手段としてのステーション端末61と、制御手段としての中央制御盤62とを備えている。システム管理機60とステーション端末61と中央制御盤62とはそれぞれが互いに接続されていて、システム管理機60とステーション端末61と中央制御盤62との間で情報の通信がそれぞれ可能とされている。自動書庫システム1は、図書館に導入されている図示しない既存の図書館システムと通信可能に接続されている。この図書館システムは、図書館が所有している図書16の情報を管理している。
【0026】
システム管理機60は、どの図書がどのコンテナ15に収納され、そのコンテナ15がラック2A、2Bのどの排架位置に格納されているか等の情報が記憶されたデータベース機能を有するとともに、スタッカークレーン6A,6Bや搬送手段50を構成する各コンベアの動作指令を中央制御盤62に送る機能を備えている。システム管理機60には、各コンテナ15の排架位置情報となる各ラックと、その列、連、段、前面側と後面側の情報からなる格納アドレスが記憶されているとともに、コンテナ15と図書16と格納アドレスとがデータテーブルとされて記憶されている。システム管理機60は、このデータテーブルを参照することで、図書16が収納されているコンテナ15の位置やラック2A,2Bの空き位置を検索することができるとともに、コンテナ15内の空きスペースや、希望の空きスペースを有するコンテナ15の個数を検索する機能と、収納ステーション10から入力される空きスペース指定や空コンテナ15の個数情報および出納ステーション10で図書16を収納するコンテナ指定情報が入力されることで該当するコンテナ15を引当てる機能を備えている。システム管理機60には、引当てたコンテナ15を出納ステーション10に搬送するように中央制御盤62に動作指令(搬送指示)を送信する機能を備えている。この指令を受けた中央制御盤62はスタッカークレーン6A,6Bと搬送手段50の動作を制御する。
【0027】
中央制御盤62は、スタッカークレーン6A,6Bに搭載されたクレーン制御盤6a,6bと、搬送台車9A,9Bに搭載された台車制御盤9a,9bと無線で通信可能に接続されており、クレーン制御盤6a,6b、台車制御盤9a,9bとを介してスタッカークレーン6A,6B、搬送台車9A,9Bを制御している。中央制御盤62は、搬送コンベア7,8と、水平搬送コンベア38と、垂直搬送コンベア39と、ステーションコンベア40のコンテナ搬送を制御している。本形態において、これら搬送コンベア7,8、搬送台車9、水平搬送コンベア38及び垂直搬送コンベア39は、スタッカークレーン6A,6Bと出納ステーション10との間で搬送指示を受けてスタッカークレーン6A,6Bで搬送されたコンテナ15を搬送する搬送手段50を構成している。
【0028】
ステーション端末61は、出納ステーション10での図書16の取出作業や収納作業において作業指示をする機能を備えている。ステーション端末61は、入力手段となるキーボート25やマウス22を用いて出納ステーション10で図書16を収納するコンテナ15を出庫指定するため、空きスペース指定、空コンテナ15の個数指定、コンテナ指定などのコンテナ情報を入力し、これら情報をシステム管理機60に送信する機能を備えている。
【0029】
ステーション端末61は、キーボード(読取図書数入力手段)25によって入力された冊数Tと図書情報読取手段21によってICタグ17Aから図書情報を読取られた図書ID数T1とを比較し、この比較からICタグ17Aの読み取り漏れが発生したか否かを判定する機能と、冊数Tと図書ID数T1とが不一致の場合、読み取り漏れが発生したものとしてスピーカー27(警告通知手段)を作動する機能と、モニター20に警告表示を行う機能を備えている。
【0030】
このような構成の自動書庫システム1における図書収納作業時の動作について図7に示すフローチャートに沿って説明する。
図7のステップST1では、収納する図書16を出納ステーション10側で作業者Mが準備する。ステップST2においてステップST1で準備された図書16を収納するコンテナ15のコンテナ呼出処理が作業者Mによって行われる。ここでは、収納する図書16の総厚みに対応したコンテナの空きスペース指定、空コンテナの個数指定、図書16を収納するコンテナ指定などを作業者Mが選択してステーション端末61から入力するとこで、これらコンテナ呼出処理で指定された内容(情報)がシステム管理機60に送信される。
【0031】
ステップST3では、システム管理機60によって作業者Mが入力した条件を満たすコンテナ15の検索と引当てが行われる。ここで該当するコンテナ15が引当てられると、ステップST4に進んで引当てコンテナ15の出庫搬送処理が行われる。出庫搬送処理では、システム管理機60から中央制御盤62に動作指令が送信され、これを受けた中央制御盤62は、クレーン制御盤6a,6bでスタッカークレーン6Aまたはスタッカークレーン6Bの何れかを作動する。このため引当てられたコンテナ15は、出庫用搬送コンベア7Aまたは出庫用搬送コンベア8Aに搬送される。出庫搬送処理では中央制御盤62が台車制御盤9a,9bで出庫用搬送台車9A、出庫用水平搬送コンベア38A、出庫用垂直搬送コンベア39A及び出庫用ステーションコンベア40Aを作動するので、出庫用搬送コンベア7Aまたは出庫用搬送コンベア8Aに搬送されたコンテナ15は、出納ステーション10へと搬送される。
【0032】
ステップST5において、引当てコンテナ15が出納ステーション10の所定位置に到着すると、ステーション端末61はモニター20に図8に示すような図書収納作業の画面200を表示する。図書収納作業の画面200には、格納した図書の冊数情報の表示部201、図書情報読取手段21で読み取りする冊数の表示と入力を行う冊数情報入力部202、図書情報読取手段21で読み取った図書の各種情報を表示する読取図書情報表示部203、コンテナ15に格納された図書の各種情報を表示する格納図書情報表示部204、コンテナ15の空きスペースの表示と入力を行う空きスペース表示部205と、作業指示内容が表示される作業指示表示部206が表示される。このうち、冊数情報入力部202は、冊数を一冊単位で増減する202a,202bと、冊数情報が表示される表示ボックス202cとを備えている。空きスペース表示部205は、空きスペースを、例えば1センチ単位で増減するスイッチ205a,205bと、スペース情報が表示される表示ボックス205cとを備えている。スイッチ202a,202bとスイッチ205a,205bは、モニター20がタッチパネルの場合には、直接パネルに作業者Mが触れることで数値が増減され、タッチパネルでない場合にはマウスやキーボードを用いて操作することで数値が増減され、増減された数値、すなわち冊数情報やスペース情報は表示ボックス202c、205cに表示される。
【0033】
ステップST6では、図書情報読取手段21によって図書情報を読み取る図書16の冊数Tをキーボード25から入力する。または、モニター20がタッチパネルで構成されていれば、タッチパネル操作をすることによって入力操作を行ってもよい。ここで冊数Tとは、例えばステップST1で準備された収納する図書16が20冊であったとしても、作業者Mが一度に3冊しか持てないのであれば、冊数Tに入力する数値は「3」である。要は、一度に図書情報読取手段21にかざせる冊数(数値)を入力するものである。ステップST6の入力操作を行うと、モニター20の図書収納作業の画面200は、図9に示すように、表示ボックス202cに表示される冊数が変化し、最終的には図書情報読取手段21で読み取るべき図書16の冊数Tが表示される。ここで画面200が図8に示すように最初に表示されたときに、表示ボックス202cにデフォルト値(例えば1)が入力された状態になっていれば、入力自体の作業を簡略化することもできる。
【0034】
ステップST7は、ステップST1で準備した図書16からの図書情報の読み取り操作が行われる。ここでは、ステップST1で準備した図書16のICタグ17Aから図書情報読取手段21で図書情報を読み取り、読み取られた図書情報と図書ID数T1がステーション端末61に入力される。また、図10に示すように、モニター20の図書収納作業の画面200の読取図書情報表示部203に読取った図書情報が表示される。この形態では図書情報読取手段21は出納ステーション10の作業テーブル上に独立して配置されているが、出納ステーション開口部全域を図書情報読取手段21(ICタグリーダー)の検出範囲とすることで、コンテナ15に図書16を収納する動作上で検出可能な構成としても良い。
【0035】
ステップST8では、これら冊数Tと図書ID数T1とが一致しているか否をステーション端末61が比較判定し、両者が一致する場合には図書情報読取手段21よる読み取り漏れや冊数Tの入力ミスが無いものと判断してステップST9に進む。なお、ステップST8において両者が一致する場合、モニター20の図書収納作業の画面200は図10に示す状態のまま変化しない。
【0036】
ステップST9では図書情報を読み取りした図書16のコンテナ15への収納作業が作業者Mによって行われる。このとき特許3862515号公報に記載のように出納ステーションの開口部に通過検知センサを配設しておけば、図書収納作業が行われて、当該センサから照射されている検知光が遮光されることで、図書16がコンテナ15内に収納されたことを検知して確認することができてなお良い。この場合、モニター20の図書収納作業の画面200は、図11に示すように、表示部201に表示される数値が、センサによる検知結果に応じて増加するとともに、格納図書情報表示部204に格納された図書16の図書情報が表示される。この例では4冊の図書16を読取り、4冊の全てが格納されたことを示している。なお、出納ステーション開口部に通過センサを配置していない場合は、図14に示すように、格納図書情報表示部204の表示は不要であって、読取図書情報表示部203を備えた画像構成となる。
【0037】
ステップST10では、コンテナ15に収納する他の図書の判定が行われ、他の図書がある場合には、ステップST6へと戻り、収納したい図書16の冊数Tの入力からステップST10までの処理が繰り返される。ここで収納する他の図書がある場合とは、ステップST1で準備された図書16の全ての収納作業が完了していない場合もしくは、ステップST1で準備された図書以外に収納すべき図書がある場合である。
【0038】
ステップST10において収納すべき図書16がない場合、ステップST11に進んで図書収納完了操作を作業者Mが行う。ここで作業完了ボタン23が操作されると、完了信号が中央制御盤62へと送信される。そして、中央制御盤62では、この完了信号を受けることでステップST12においてコンテナ15を書庫4へ戻すための、コンテナ入庫搬送を行う。コンテナ入庫搬送では、中央制御盤62により入庫用ステーションコンベア40B、入庫用垂直搬送コンベア39B、入庫用水平搬送コンベア38B及び入庫用搬送台車9Bを作動して、出納ステーション10からコンテナ15を入庫用搬送コンベア7Bまたは入庫用搬送コンベア8Bへと搬送する。入庫用搬送コンベア7Bまたは入庫用搬送コンベア8Bへと搬送されたコンテナ15は、中央制御盤62で作動されるスタッカークレーン6Aまたはスタッカークレーン6Bによりラック2Aあるいはラック2Bの空きアドレスへ入庫搬送されて保管される。
【0039】
一方、ステップST8において、冊数Tと読み取った図書ID数T1とが一致しない場合には、ステーション端末61が図書情報読取手段21による読み取り漏れや冊数Tの入力ミスがあったものと判断してステップST13に進む。ステップST13では、出納ステーション10に設置されたスピーカー27(警告通知手段)が作動して警告音が鳴り、警告通知手段として機能するモニター20の図書収納作業の画面200に、例えば図12のような図書情報読取エラーを表示したエラー画面207をして作業者Mに知らせる。すなわち、キーボード25による数値となる冊数Tを再入力あるいは図書情報読取手段21による図書のICタグから図書情報の再読み取りの実行を促す。そして作業者Mは、エラー画面207に表示されている「OK」ボタン208を操作する。ボタン208が操作されると、エラー画面207はリセットされるとともに、読取図書情報表示部203に表示されている内容もリセットされる。
【0040】
ステップST14では、作業者Mは入力した冊数Tが正しいかを確認する。この確認は、収納すべき図書16の冊数Tと実際に図書情報読取手段21で読取った図書16の冊数が一致するか否かを確認し、両者が一致しない場合には、冊数Tの入力が正しくないと判断する。そして、正しい冊数Tを入力するためにステップST6へと戻り、ステップST7で図書16の読み取りを行い、再度ステップST8において冊数Tと図書情報を読み取った図書ID数T1とが一致するか否かを判断する。また、収納すべき図書16の冊数Tと実際に図書情報読取手段21で読取った図書16の冊数が一致する場合には、ステップST6で入力された冊数Tは正しく、図書情報読取手段21よるICタグ17Aの読み取り漏れであると判断する。この場合、ステップST7に戻って再度、図書16の読み取りを行い、ステップST8において冊数Tと図書情報を読み取った図書ID数T1とが一致するか否かを判断する。ステップST8において冊数Tと図書ID数T1とが一致する場合、既に説明したようにステップST9からステップST12までの処理が適宜実行される。
【0041】
このように、出納ステーション10に設置され、読み取る図書16の冊数Tを読取図書数入力手段となるキーボード25で入力するとともに、図書情報読取手段21で図書16に設けられたICタグ17Aから図書情報を読み取り、冊数Tと図書情報読取手段21によって図書情報を読取られた図書ID数T1とを比較し、冊数Tと図書ID数T1とが不一致の場合、スピーカー27が鳴るとともにモニター20にも警告内容が表示されるので、図書情報読取手段21によるICタグ17Aからの図書情報の読み取り漏れやキーボード25から入力された冊数Tの誤入力などを作業者Mに知らせることができる。このため、図書情報の読み取り作業の効率化を図りつつも、図書情報の読み取り漏れによる不明図書が低減し、図書の維持管理を適切に行なえる。
【0042】
上記形態では、コンテナ15に対して図書16を収納する図書収納作業の場合の、読取り不良について説明したが、本発明は、コンテナ15内から図書16を取り出す図書取出作業時に適用しても、取り出すべき図書16の取り忘れや、取り出した図書16の読取不良を作業者Mに知らせることができるので、図書情報の読み取り作業の効率化を図りつつも、図書情報の読み取り漏れによる不明図書を低減し、図書の維持管理を適切に行なえる。
【符号の説明】
【0043】
1 自動書庫システム
6A,6B スタッカークレーン
10 出納ステーション
15・・ 複数のコンテナ
16・・ 複数の図書
17A ICタグ
20 表示手段・警告通知手段
21 図書情報読取手段
25 読取図書数入力手段
27 警告通知手段
50 搬送手段
60、61 制御手段
M 作業者
T 入力した冊数
T1 図書情報を読取られた図書ID数
【技術分野】
【0001】
本発明は、図書情報の読み取り漏れ防止機能を備えた自動書庫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
図書館では図書に貼付されたバーコードにて図書の貸出し/返却状況などを管理しているが、近年はバーコードに代わりICタグが導入されつつある。またICタグを用いたシステムの故障やトラブルなどを想定してバックアップとしてバーコードが併用されるケースもある。ICタグの導入は自動貸出機や自動返却機による利用者サービス向上、カウンタ業務の時間短縮、返却された図書の自動仕分け、不正持ち出し防止、蔵書点検の効率化など様々な効果を挙げている。また、図書館においては、図書の貸し出しと返却を自動化した自動書庫システムが多く導入されてきているが、自動書庫システムにおいても、同様にICタグが導入されようとしている。
【0003】
図書情報の管理アイテムとなるICタグは、バーコードと異なり、無線でデータの送受信を行うので、バーコードのように手にとって一冊ずつ読み取りしなくとも、書架やケース、コンテナに入れたまま、複数の図書に貼付けられたICタグから一度にデータを読み出すことができる。このため自動書庫システムでは、専用コンテナに複数の図書を収納して管理しており、このコンテナから図書の取出作業や収納作業の際に、図書に貼り付けられたバーコードを1冊ずつスキャンするか、ICタグの場合はバーコードと同様に1冊ずつ読み出ししても良いし、あるいはコンテナ単位で読み出して管理を行うことや、取出しの際に出納ステーションに設置されている読取装置の近傍を通過することで図書情報を読み出し、取出しや収納を行いコンテナ内の図書の管理を行っている。このようなICタグの読み取りによりコンテナ内の図書を管理する装置としては、例えば特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−30948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ICタグは、一度に情報を読み取ることができるので読み取り作業を軽減できる反面、図書への貼付の状態や、読み取り装置に対するICタグの姿勢などの影響により読み取り精度は必ずしも100%ではなく、読み取り漏れ等が発生するおそれは免れない。例えばコンテナに10冊の図書を収納したが9冊分しか読み取りできないこともあり得る。自動書庫システムではコンテナと図書を紐付きにしないフリーロケーション管理が一般的であるため、コンテナに収納する、あるいはコンテナから取出す図書のICタグを確実に読み取れなければ、読み取りできなかった図書の所在が不明となってしまい、後から探すのに大変な労力を要することとなり維持管理に手間がかかってしまう。
【0006】
本発明は、図書情報の読み取り作業の効率化を図りつつも、図書情報の読み取り漏れによる不明図書を低減し、図書の維持管理を適切に行なえる自動書庫システムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明では、図書の収納作業や取出作業を行なう出納ステーションで、図書の収納作業や取出作業を実施するときに、図書情報読取装置で読み取る収納する図書や取出す図書の冊数を入力し、収納する図書のICタグや取出す図書のICタグを図書情報読取装置で読み取り、入力した数値と図書情報読取装置で読取ったデータ数が一致しない場合には、入力した数値と図書情報読取装置で読取ったデータ数が一致していない旨の警告を発するようにして作業者に通知するようにした。この場合、図書情報読取装置での読取結果と読取図書数入力手段で入力した数値とを比較することで、読み取り結果が100%であるかどうかを確認することが可能になり、図書情報の読み取り作業の効率化を図りつつもICタグの読み取り漏れの発生を防止することができる。また、読み取り結果の内容を出納ステーション側で作業者に通知することで、作業者の確認作業の手助けになる。このような構成とすることで、ICタグの読み取り漏れを防止することができ、ひいては不明図書の発生を防止することができる。
【0008】
つまり、本発明にかかる自動書庫システムは、複数の図書を収納可能であって書庫に保管されている複数のコンテナと、これらコンテナの中から搬送指示を受けたコンテナを入庫もしくは出庫するスタッカークレーンと、コンテナに対して図書取出作業と図書収納作業を作業者が行う出納ステーションと、スタッカークレーンと出納ステーションとの間で搬送指示を受けたコンテナを搬送する搬送手段とを備えた自動書庫システムにおいて、出納ステーションに設置され、図書に設けられたICタグから図書情報を読み取る図書情報読取手段と、出納ステーションに設置され、図書情報読取手段で読み取る図書の冊数を入力する読取図書数入力手段と、図書情報読取手段によってICタグから読取られた図書ID数と読取図書数入力手段によって入力された数値とが不一致の場合に作業者に対して警告情報を通知する警告通知手段とを有することを特徴としている。
【0009】
本発明にかかる自動書庫システムにおいて、数値と図書ID数とが不一致の場合、読取図書数入力手段による数値を再入力、あるいは図書情報読取手段によるICタグから図書情報の再読み取りの実行を促すように、警告通知手段を制御する制御手段を有することを特徴としている。
【0010】
本発明にかかる自動書庫システムにおいて、図書取出作業時においては取出要求された図書の図書情報を、図書収納作業時においては図書情報読取手段によって図書に設けられたICタグから読取られた図書情報を表示する表示手段を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、出納ステーションに設置され、読み取る図書の冊数を入力する読取図書数入力手段と、出納ステーションに設置され、図書に設けられたICタグから図書情報を読み取る図書情報読取手段と、読取図書数入力手段によって入力された冊数と図書情報読取手段によって図書情報を読取られた図書ID数とを比較し、冊数と図書ID数とが不一致の場合、作業者に対して警告通知手段で警告を通知するようにしたので、図書情報読取手段によるICタグからの図書情報の読み取り漏れや読取図書数入力手段から入力された冊数の誤入力などを作業者に知らせることができる。このため、図書情報の読み取り作業の効率化を図りつつも、図書情報の読み取り漏れによる不明図書を低減し、図書の維持管理を適切に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明にかかる自動書庫システムの一構成例を示す概略平面図である。
【図2】書庫と出納ステーションの配置と、搬送手段の一構成を示す概略図である。
【図3】出納ステーションと搬送手段の一構成を示す概略図である。
【図4】図書の収納作業や取出作業を行なう出納ステーションの構成を示す斜視図である。
【図5】(a)はICタグを有する図書の斜視図、(b)はバーコードを有するコンテナの斜視図である。
【図6】自動書庫システムの制御系の一形態を示すブロック図である。
【図7】図書収納時における図書情報の読み取りに係る制御の一形態を示すフローチャートである。
【図8】図書収納作業時にモニターに表示される画面構成を示す拡大図である。
【図9】図書の冊数を入力したときの画面構成を示す拡大図である。
【図10】図書を読み取ったときの画面構成を示す拡大図である。
【図11】読み取った図書をコンテナに収納したときの画面構成を示す拡大図である。
【図12】冊数と読み取った図書の冊数が不一致のときに表示される警告画面構成を示す拡大図である。
【図13】図12に示す警告画面をリセットするときの画面構成を示す拡大図である。
【図14】通過センサを備えていない場合に図書の冊数を入力したときの画面構成を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る自動書庫システムの実施形態について図面を用いて説明するが、最初に自動書庫システムの機械的要素を説明し、その後に制御系を説明する。
(機械的要素の説明)
図1に示す自動書庫システム1は、図書館の書庫4内に配列され、複数の図書16(図5参照)が収納可能なコンテナ15を多数保管するコンテナ保管棚となるラック2A,2Bと、ラック2A,2Bの間に形成される通路5A,5Bを移動可能なスタッカークレーン6A,6Bと、各スタッカークレーンで運び出されるコンテナ15・・を搬送台車9へ搬送する搬送コンベア7,8と、搬送台車9との間でコンテナ15の受け渡しを行なう水平搬送コンベア38と、コンテナ15が運ばれ、作業者Mがコンテナ15に対して図書取出作業と収納作業を行なう出納ステーション10と、受付カウンタ12等を有している。これらの構成により図書16を収納したコンテナ15は、出納ステーション10とラック2A,2Bとの間で入庫と出庫が行われる。
【0014】
ラック2A,2Bは、通路5A,5Bに対して前面に、列、連、段を有する単式と、通路5A,5Bに対して前面と後面に列、連、段を有する複式のものがある。単式と複式とを比較した場合、複式のラックの方が収納量は多くなる半面、後面から取り出す場合は前面に排架されたコンテナ15を一旦他の棚の排架換えしなければならないので、単式に比べてコンテナ出庫間隔が長くなる傾向となる。図1に示すラック2A,2Bは複式のみのであり、通路5A,5Bと対面する区分は前面側、反対側を後面側としている。例えば、ラック2Bにおいて、符号201は前面側、符号202は後面側をそれぞれ示す。図1においては複式のラックを例示したが、単式のものであってもよい。また、ラック2A,2Bには、書庫4に固定するタイプと書庫4内を移動可能なタイプがあるが、本形態では固定するタイプを例に説明するが、移動タイプのものであっても構わない。
【0015】
スタッカークレーン6A,6Bは、それぞれ通路5A,5B内を往復及び上下に移動してラック2A,2Bに保管されているコンテナ15の中から搬送指示を受けたコンテナ15を選択し、搬送コンベア7,8の出庫用搬送コンベア7A,8Aへと搬送するとともに、搬送コンベア7,8の入庫用搬送コンベア7B,8Bに位置するコンテナ15をラック2A,2Bへと搬送する周知のものである。
搬送台車9は、搬送コンベア7,8と水平搬送コンベア38の間を往復移動してコンテナ15を搬送するもので、出庫用台車9Aと入庫用台車9Bが上下に配置されている。
【0016】
搬送コンベア7,8は、スタッカークレーン6A,6Bと搬送台車9との間でコンテナ15の受け渡しをするもので、スタッカークレーン6A,6Bから出庫用台車9Aへコンテナ15を搬送する出庫用搬送コンベア7A,8Aと、入庫用台車9Bからスタッカークレーン6A,6Bへコンテナ15を搬送する出庫用搬送コンベア7B,8Bがそれぞれ上下に配置されている。
【0017】
水平搬送コンベア38は、搬送台車9と垂直搬送コンベア39との間で、コンテナ15の搬送を行うもので、出庫用台車9Aから垂直搬送コンベア39Aへコンテナ15を搬送する出庫用水平搬送コンベア38Aと、垂直搬送コンベア39Bから入庫用台車9Bにコンテナ15を搬送する入庫用水平搬送コンベア38Bとが上下に配置されている。
【0018】
垂直搬送コンベア39は、図2に示すように、出庫用水平搬送コンベア38Aで搬送されたコンテナ15を出納ステーション10へ搬送する出庫用垂直搬送コンベア39Aと、出納ステーション10からコンテナ15を入庫用水平搬送コンベア38Bへ搬送する入庫用垂直搬送コンベア39Bとを備えている。
【0019】
出納ステーション10の内部には、ステーション内でコンテナ15を移動するステーションコンベア40が設置されている。ステーションコンベア40は、図3に示すように、出庫用垂直搬送コンベア39Aからコンテナ15を受け取る出庫用ステーションコンベア40Aと、出納ステーション10から入庫用垂直搬送コンベア39Bへコンテナ15を搬送する入庫用ステーションコンベア40Bを備えていて、出納ステーション10と垂直搬送コンベア39との間でコンテナ15の受け渡しが行えるように構成されている。
【0020】
出納ステーション10は、図2に示すように、書庫4が位置する建物のフロアF1に対して異なるフロアF2に設置されている。このため、出納ステーション10は、垂直搬送コンベア39に接続されている。出納ステーション10と書庫4の配置形態であるが、両者を同一フロアに設置する形態でも無論かまわない。この場合、垂直搬送コンベア39は不要となる。出納ステーション10や書庫4の配置は、システムを導入する建物や利用形態に応じて適宜変更することができる。
【0021】
出納ステーション10は、図4に示すように外観を呈した筐体からなり、その手前側には作業用カウンタ18が、内部にはコンテナ15を搬送するためのステーションコンベア40が設置されている。筐体の側面には各種情報が表示される表示手段となるモニター20、完了信号入力手段となる作業完了ボタン23、筐体の上面には移動完了ランプ24、コンテナが到着する所定位置の上部には警告通知手段となるスピーカー27がそれぞれ設けられている。
【0022】
警告通知手段としてはスピーカー27のような音声を発生するものではなく、ランプのように光を照射するものであってもよいし、警告内容を表示するものであってもよいし、あるいはそれらを併用するようにしてもよい。本形態では、モニター20を警告通知手段としても使用する。このモニター20には、図5(a)に示す図書16に設けられたICタグ17Aから読み取られた図書情報(ID番号、タイトル、著作名、請求記号等)が表示される。
【0023】
作業用カウンタ18の上面には、図書情報読取手段21、マウス22、キーボード25等が設けられている。作業完了ボタン23は、出納ステーション10において図書16の取出作業や収納作業が終了したコンテナ15を書庫4に戻す際(入庫時)に操作されるもので、このボタン操作により完了信号が出力される。移動完了ランプ24は、書庫4から運ばれたコンテナ15がステーションコンベア40の所定位置に到着した際に点灯するものである。
【0024】
図書情報読取手段21は、図5(a)に示すICタグ17Aから図書情報を読み取るICタグリーダーで構成されている。ICタグ17Aには図書16を識別するための図書情報が記憶されている。入力手段となるマウス22及びキーボード25は各種データを入力する際に使用される。特に本形態において、キーボード25は、図書情報読取手段21によって図書情報を読み取る図書16の冊数Tを入力する読取図書数入力手段としても機能する。読取図書数入力手段の形態としては、キーボード25と個別に設ける形態であってもよいし、モニター20をタッチパネルとして読取図書数入力手段としてもよい。図書16を収納するコンテナ15は、図5(b)に示すように、コンテナ15を識別するための情報が記憶されたバーコード17Bが設けられている。
【0025】
図4に示すように、出納ステーション10にはステーションコンベア40を覆うためのカバー28,28が設けられている。各カバー28にはそれぞれステーションの幅方向に開閉可能なドア29,29が設けられている。各ドア29は通常閉じられていて、コンテナ15が所定位置に到着した際に手動で開放される。これらモニター20、図書情報読取手段21、マウス22、作業完了ボタン23、移動完了ランプ24、キーボード(読取図書数入力手段)25は、出納ステーション10に設置されているステーション端末61と通信可能に接続されている。
(制御系の説明)
自動書庫システム1は、図6に示すように、サーバー機能を持つ制御手段としてのシステム管理機60と、出納ステーション10に設けられた制御手段としてのステーション端末61と、制御手段としての中央制御盤62とを備えている。システム管理機60とステーション端末61と中央制御盤62とはそれぞれが互いに接続されていて、システム管理機60とステーション端末61と中央制御盤62との間で情報の通信がそれぞれ可能とされている。自動書庫システム1は、図書館に導入されている図示しない既存の図書館システムと通信可能に接続されている。この図書館システムは、図書館が所有している図書16の情報を管理している。
【0026】
システム管理機60は、どの図書がどのコンテナ15に収納され、そのコンテナ15がラック2A、2Bのどの排架位置に格納されているか等の情報が記憶されたデータベース機能を有するとともに、スタッカークレーン6A,6Bや搬送手段50を構成する各コンベアの動作指令を中央制御盤62に送る機能を備えている。システム管理機60には、各コンテナ15の排架位置情報となる各ラックと、その列、連、段、前面側と後面側の情報からなる格納アドレスが記憶されているとともに、コンテナ15と図書16と格納アドレスとがデータテーブルとされて記憶されている。システム管理機60は、このデータテーブルを参照することで、図書16が収納されているコンテナ15の位置やラック2A,2Bの空き位置を検索することができるとともに、コンテナ15内の空きスペースや、希望の空きスペースを有するコンテナ15の個数を検索する機能と、収納ステーション10から入力される空きスペース指定や空コンテナ15の個数情報および出納ステーション10で図書16を収納するコンテナ指定情報が入力されることで該当するコンテナ15を引当てる機能を備えている。システム管理機60には、引当てたコンテナ15を出納ステーション10に搬送するように中央制御盤62に動作指令(搬送指示)を送信する機能を備えている。この指令を受けた中央制御盤62はスタッカークレーン6A,6Bと搬送手段50の動作を制御する。
【0027】
中央制御盤62は、スタッカークレーン6A,6Bに搭載されたクレーン制御盤6a,6bと、搬送台車9A,9Bに搭載された台車制御盤9a,9bと無線で通信可能に接続されており、クレーン制御盤6a,6b、台車制御盤9a,9bとを介してスタッカークレーン6A,6B、搬送台車9A,9Bを制御している。中央制御盤62は、搬送コンベア7,8と、水平搬送コンベア38と、垂直搬送コンベア39と、ステーションコンベア40のコンテナ搬送を制御している。本形態において、これら搬送コンベア7,8、搬送台車9、水平搬送コンベア38及び垂直搬送コンベア39は、スタッカークレーン6A,6Bと出納ステーション10との間で搬送指示を受けてスタッカークレーン6A,6Bで搬送されたコンテナ15を搬送する搬送手段50を構成している。
【0028】
ステーション端末61は、出納ステーション10での図書16の取出作業や収納作業において作業指示をする機能を備えている。ステーション端末61は、入力手段となるキーボート25やマウス22を用いて出納ステーション10で図書16を収納するコンテナ15を出庫指定するため、空きスペース指定、空コンテナ15の個数指定、コンテナ指定などのコンテナ情報を入力し、これら情報をシステム管理機60に送信する機能を備えている。
【0029】
ステーション端末61は、キーボード(読取図書数入力手段)25によって入力された冊数Tと図書情報読取手段21によってICタグ17Aから図書情報を読取られた図書ID数T1とを比較し、この比較からICタグ17Aの読み取り漏れが発生したか否かを判定する機能と、冊数Tと図書ID数T1とが不一致の場合、読み取り漏れが発生したものとしてスピーカー27(警告通知手段)を作動する機能と、モニター20に警告表示を行う機能を備えている。
【0030】
このような構成の自動書庫システム1における図書収納作業時の動作について図7に示すフローチャートに沿って説明する。
図7のステップST1では、収納する図書16を出納ステーション10側で作業者Mが準備する。ステップST2においてステップST1で準備された図書16を収納するコンテナ15のコンテナ呼出処理が作業者Mによって行われる。ここでは、収納する図書16の総厚みに対応したコンテナの空きスペース指定、空コンテナの個数指定、図書16を収納するコンテナ指定などを作業者Mが選択してステーション端末61から入力するとこで、これらコンテナ呼出処理で指定された内容(情報)がシステム管理機60に送信される。
【0031】
ステップST3では、システム管理機60によって作業者Mが入力した条件を満たすコンテナ15の検索と引当てが行われる。ここで該当するコンテナ15が引当てられると、ステップST4に進んで引当てコンテナ15の出庫搬送処理が行われる。出庫搬送処理では、システム管理機60から中央制御盤62に動作指令が送信され、これを受けた中央制御盤62は、クレーン制御盤6a,6bでスタッカークレーン6Aまたはスタッカークレーン6Bの何れかを作動する。このため引当てられたコンテナ15は、出庫用搬送コンベア7Aまたは出庫用搬送コンベア8Aに搬送される。出庫搬送処理では中央制御盤62が台車制御盤9a,9bで出庫用搬送台車9A、出庫用水平搬送コンベア38A、出庫用垂直搬送コンベア39A及び出庫用ステーションコンベア40Aを作動するので、出庫用搬送コンベア7Aまたは出庫用搬送コンベア8Aに搬送されたコンテナ15は、出納ステーション10へと搬送される。
【0032】
ステップST5において、引当てコンテナ15が出納ステーション10の所定位置に到着すると、ステーション端末61はモニター20に図8に示すような図書収納作業の画面200を表示する。図書収納作業の画面200には、格納した図書の冊数情報の表示部201、図書情報読取手段21で読み取りする冊数の表示と入力を行う冊数情報入力部202、図書情報読取手段21で読み取った図書の各種情報を表示する読取図書情報表示部203、コンテナ15に格納された図書の各種情報を表示する格納図書情報表示部204、コンテナ15の空きスペースの表示と入力を行う空きスペース表示部205と、作業指示内容が表示される作業指示表示部206が表示される。このうち、冊数情報入力部202は、冊数を一冊単位で増減する202a,202bと、冊数情報が表示される表示ボックス202cとを備えている。空きスペース表示部205は、空きスペースを、例えば1センチ単位で増減するスイッチ205a,205bと、スペース情報が表示される表示ボックス205cとを備えている。スイッチ202a,202bとスイッチ205a,205bは、モニター20がタッチパネルの場合には、直接パネルに作業者Mが触れることで数値が増減され、タッチパネルでない場合にはマウスやキーボードを用いて操作することで数値が増減され、増減された数値、すなわち冊数情報やスペース情報は表示ボックス202c、205cに表示される。
【0033】
ステップST6では、図書情報読取手段21によって図書情報を読み取る図書16の冊数Tをキーボード25から入力する。または、モニター20がタッチパネルで構成されていれば、タッチパネル操作をすることによって入力操作を行ってもよい。ここで冊数Tとは、例えばステップST1で準備された収納する図書16が20冊であったとしても、作業者Mが一度に3冊しか持てないのであれば、冊数Tに入力する数値は「3」である。要は、一度に図書情報読取手段21にかざせる冊数(数値)を入力するものである。ステップST6の入力操作を行うと、モニター20の図書収納作業の画面200は、図9に示すように、表示ボックス202cに表示される冊数が変化し、最終的には図書情報読取手段21で読み取るべき図書16の冊数Tが表示される。ここで画面200が図8に示すように最初に表示されたときに、表示ボックス202cにデフォルト値(例えば1)が入力された状態になっていれば、入力自体の作業を簡略化することもできる。
【0034】
ステップST7は、ステップST1で準備した図書16からの図書情報の読み取り操作が行われる。ここでは、ステップST1で準備した図書16のICタグ17Aから図書情報読取手段21で図書情報を読み取り、読み取られた図書情報と図書ID数T1がステーション端末61に入力される。また、図10に示すように、モニター20の図書収納作業の画面200の読取図書情報表示部203に読取った図書情報が表示される。この形態では図書情報読取手段21は出納ステーション10の作業テーブル上に独立して配置されているが、出納ステーション開口部全域を図書情報読取手段21(ICタグリーダー)の検出範囲とすることで、コンテナ15に図書16を収納する動作上で検出可能な構成としても良い。
【0035】
ステップST8では、これら冊数Tと図書ID数T1とが一致しているか否をステーション端末61が比較判定し、両者が一致する場合には図書情報読取手段21よる読み取り漏れや冊数Tの入力ミスが無いものと判断してステップST9に進む。なお、ステップST8において両者が一致する場合、モニター20の図書収納作業の画面200は図10に示す状態のまま変化しない。
【0036】
ステップST9では図書情報を読み取りした図書16のコンテナ15への収納作業が作業者Mによって行われる。このとき特許3862515号公報に記載のように出納ステーションの開口部に通過検知センサを配設しておけば、図書収納作業が行われて、当該センサから照射されている検知光が遮光されることで、図書16がコンテナ15内に収納されたことを検知して確認することができてなお良い。この場合、モニター20の図書収納作業の画面200は、図11に示すように、表示部201に表示される数値が、センサによる検知結果に応じて増加するとともに、格納図書情報表示部204に格納された図書16の図書情報が表示される。この例では4冊の図書16を読取り、4冊の全てが格納されたことを示している。なお、出納ステーション開口部に通過センサを配置していない場合は、図14に示すように、格納図書情報表示部204の表示は不要であって、読取図書情報表示部203を備えた画像構成となる。
【0037】
ステップST10では、コンテナ15に収納する他の図書の判定が行われ、他の図書がある場合には、ステップST6へと戻り、収納したい図書16の冊数Tの入力からステップST10までの処理が繰り返される。ここで収納する他の図書がある場合とは、ステップST1で準備された図書16の全ての収納作業が完了していない場合もしくは、ステップST1で準備された図書以外に収納すべき図書がある場合である。
【0038】
ステップST10において収納すべき図書16がない場合、ステップST11に進んで図書収納完了操作を作業者Mが行う。ここで作業完了ボタン23が操作されると、完了信号が中央制御盤62へと送信される。そして、中央制御盤62では、この完了信号を受けることでステップST12においてコンテナ15を書庫4へ戻すための、コンテナ入庫搬送を行う。コンテナ入庫搬送では、中央制御盤62により入庫用ステーションコンベア40B、入庫用垂直搬送コンベア39B、入庫用水平搬送コンベア38B及び入庫用搬送台車9Bを作動して、出納ステーション10からコンテナ15を入庫用搬送コンベア7Bまたは入庫用搬送コンベア8Bへと搬送する。入庫用搬送コンベア7Bまたは入庫用搬送コンベア8Bへと搬送されたコンテナ15は、中央制御盤62で作動されるスタッカークレーン6Aまたはスタッカークレーン6Bによりラック2Aあるいはラック2Bの空きアドレスへ入庫搬送されて保管される。
【0039】
一方、ステップST8において、冊数Tと読み取った図書ID数T1とが一致しない場合には、ステーション端末61が図書情報読取手段21による読み取り漏れや冊数Tの入力ミスがあったものと判断してステップST13に進む。ステップST13では、出納ステーション10に設置されたスピーカー27(警告通知手段)が作動して警告音が鳴り、警告通知手段として機能するモニター20の図書収納作業の画面200に、例えば図12のような図書情報読取エラーを表示したエラー画面207をして作業者Mに知らせる。すなわち、キーボード25による数値となる冊数Tを再入力あるいは図書情報読取手段21による図書のICタグから図書情報の再読み取りの実行を促す。そして作業者Mは、エラー画面207に表示されている「OK」ボタン208を操作する。ボタン208が操作されると、エラー画面207はリセットされるとともに、読取図書情報表示部203に表示されている内容もリセットされる。
【0040】
ステップST14では、作業者Mは入力した冊数Tが正しいかを確認する。この確認は、収納すべき図書16の冊数Tと実際に図書情報読取手段21で読取った図書16の冊数が一致するか否かを確認し、両者が一致しない場合には、冊数Tの入力が正しくないと判断する。そして、正しい冊数Tを入力するためにステップST6へと戻り、ステップST7で図書16の読み取りを行い、再度ステップST8において冊数Tと図書情報を読み取った図書ID数T1とが一致するか否かを判断する。また、収納すべき図書16の冊数Tと実際に図書情報読取手段21で読取った図書16の冊数が一致する場合には、ステップST6で入力された冊数Tは正しく、図書情報読取手段21よるICタグ17Aの読み取り漏れであると判断する。この場合、ステップST7に戻って再度、図書16の読み取りを行い、ステップST8において冊数Tと図書情報を読み取った図書ID数T1とが一致するか否かを判断する。ステップST8において冊数Tと図書ID数T1とが一致する場合、既に説明したようにステップST9からステップST12までの処理が適宜実行される。
【0041】
このように、出納ステーション10に設置され、読み取る図書16の冊数Tを読取図書数入力手段となるキーボード25で入力するとともに、図書情報読取手段21で図書16に設けられたICタグ17Aから図書情報を読み取り、冊数Tと図書情報読取手段21によって図書情報を読取られた図書ID数T1とを比較し、冊数Tと図書ID数T1とが不一致の場合、スピーカー27が鳴るとともにモニター20にも警告内容が表示されるので、図書情報読取手段21によるICタグ17Aからの図書情報の読み取り漏れやキーボード25から入力された冊数Tの誤入力などを作業者Mに知らせることができる。このため、図書情報の読み取り作業の効率化を図りつつも、図書情報の読み取り漏れによる不明図書が低減し、図書の維持管理を適切に行なえる。
【0042】
上記形態では、コンテナ15に対して図書16を収納する図書収納作業の場合の、読取り不良について説明したが、本発明は、コンテナ15内から図書16を取り出す図書取出作業時に適用しても、取り出すべき図書16の取り忘れや、取り出した図書16の読取不良を作業者Mに知らせることができるので、図書情報の読み取り作業の効率化を図りつつも、図書情報の読み取り漏れによる不明図書を低減し、図書の維持管理を適切に行なえる。
【符号の説明】
【0043】
1 自動書庫システム
6A,6B スタッカークレーン
10 出納ステーション
15・・ 複数のコンテナ
16・・ 複数の図書
17A ICタグ
20 表示手段・警告通知手段
21 図書情報読取手段
25 読取図書数入力手段
27 警告通知手段
50 搬送手段
60、61 制御手段
M 作業者
T 入力した冊数
T1 図書情報を読取られた図書ID数
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図書を収納可能であって書庫に保管されている複数のコンテナと、
これらコンテナの中から搬送指示を受けたコンテナを入庫もしくは出庫するスタッカークレーンと、
前記コンテナに対して図書取出作業と図書収納作業を作業者が行う出納ステーションと、
前記スタッカークレーンと前記出納ステーションとの間で前記搬送指示を受けたコンテナを搬送する搬送手段とを備えた自動書庫システムにおいて、
前記出納ステーションに設置され、前記図書に設けられたICタグから図書情報を読み取る図書情報読取手段と、
前記出納ステーションに設置され、前記図書情報読取手段で読み取る図書の冊数を入力する読取図書数入力手段と、
前記図書情報読取手段によって前記ICタグから読取られた図書ID数と前記読取図書数入力手段によって入力された数値とが不一致の場合に作業者に対して警告情報を通知する警告通知手段とを有することを特徴とする自動書庫システム。
【請求項2】
請求項1記載の自動書庫システムにおいて、
前記数値と前記図書ID数とが不一致の場合、前記読取図書数入力手段による数値を再入力、あるいは前記図書情報読取手段による前記ICタグから図書情報の再読み取りの実行を促すように、前記警告通知手段を制御する制御手段を有することを特徴とする自動書庫システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の自動書庫システムにおいて、
前記図書取出作業時においては取出要求された図書の図書情報を、前記図書収納作業時においては前記図書情報読取手段によって前記図書に設けられたICタグから読取られた図書情報を表示する表示手段を有することを特徴とする自動書庫システム。
【請求項1】
複数の図書を収納可能であって書庫に保管されている複数のコンテナと、
これらコンテナの中から搬送指示を受けたコンテナを入庫もしくは出庫するスタッカークレーンと、
前記コンテナに対して図書取出作業と図書収納作業を作業者が行う出納ステーションと、
前記スタッカークレーンと前記出納ステーションとの間で前記搬送指示を受けたコンテナを搬送する搬送手段とを備えた自動書庫システムにおいて、
前記出納ステーションに設置され、前記図書に設けられたICタグから図書情報を読み取る図書情報読取手段と、
前記出納ステーションに設置され、前記図書情報読取手段で読み取る図書の冊数を入力する読取図書数入力手段と、
前記図書情報読取手段によって前記ICタグから読取られた図書ID数と前記読取図書数入力手段によって入力された数値とが不一致の場合に作業者に対して警告情報を通知する警告通知手段とを有することを特徴とする自動書庫システム。
【請求項2】
請求項1記載の自動書庫システムにおいて、
前記数値と前記図書ID数とが不一致の場合、前記読取図書数入力手段による数値を再入力、あるいは前記図書情報読取手段による前記ICタグから図書情報の再読み取りの実行を促すように、前記警告通知手段を制御する制御手段を有することを特徴とする自動書庫システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の自動書庫システムにおいて、
前記図書取出作業時においては取出要求された図書の図書情報を、前記図書収納作業時においては前記図書情報読取手段によって前記図書に設けられたICタグから読取られた図書情報を表示する表示手段を有することを特徴とする自動書庫システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−79592(P2011−79592A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230848(P2009−230848)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(000163833)金剛株式会社 (31)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(000163833)金剛株式会社 (31)
【Fターム(参考)】
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