説明

自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物

【課題】高いスケール付着抑制効果と高い洗浄性を有する硬質物品の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】(a)ポリアクリル酸又はその塩、(b)アクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩、(c)炭酸塩及び珪酸塩からなる群から選ばれる1種以上のアルカリ剤35重量%以上、並びに(d)有機キレート剤を含有し、(a)と(b)との合計量が6重量%以上、(a)/(b)(重量比)が1以上である、硬質物品の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は硬質物品用の洗浄機で使用する為の粉末洗浄剤組成物に関するものである。更に詳しくは、厨房の食器類や食品飲料加工用のプラスチックコンテナ等の硬質物品を洗浄する為に使用される自動洗浄機用の粉末洗浄剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動洗浄機は、家庭やレストラン、喫茶店などの厨房における汚れた皿、グラス、料理器具等の食器類の洗浄、食品飲料工場で使用される食材及び製品用のプラスチックコンテナの洗浄に使用されている。主な対象汚れとして、食品由来のタンパク質、デンプン、油脂等があり、これらの汚れが複合して、皿、グラス、料理器具等の食器、プラスチックコンテナに付着している。また、加熱調理の際にこれらの汚れが熱変性し、強固な汚れとなり固着している場合もある。
【0003】
通常、自動洗浄機による洗浄工程は洗浄−濯ぎの順で行われているが、これら工程の所要時間は、洗浄工程が40〜60秒程度、すすぎ工程が5〜20秒程度と非常に短時間である。
【0004】
この為、自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物には、これらの強固な汚れを短時間で効率よく洗浄する事を目的として、アルカリ金属の水酸化物等のアルカリ剤が配合されている。
【0005】
また、洗浄にはCa、Mgイオン等の硬度成分を含有した水道水、井戸水等がしばしば使用されており、これら使用水中の硬度成分と洗剤由来の炭酸根、珪酸根、及び大気中の炭酸ガスが反応し、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム等の生成物を形成する。この生成物は水に不溶である為、食器類や、自動洗浄機の槽内、槽壁等に付着し、スケールと呼ばれる強固な被膜を形成する。その結果、熱交換部の熱効率低下、循環ポンプの閉塞、濃度センサーの誤作動等のトラブルを引き起こす原因となっている。
【0006】
スケール付着に起因するトラブル回避の為に、スケール付着の抑制効果が高いトリポリリン酸塩を配合した有リンタイプの自動洗浄機用粉末洗浄剤が使用されてきたが、トリポリリン酸塩は、水の富栄養化の原因物質であり、環境適合性の観点から使用しない技術の開発が求められている。
【0007】
このような背景の中、1種以上のアルカリ剤、金属イオン捕捉能を有する高分子物質、及び漂白剤を含有する自動食器洗浄機用洗浄剤組成物が開示されている(例えば、特許文献1)。しかし、この技術は、高い洗浄性と高いスケール付着抑制効果を両立するには不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−199194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、厨房における汚れた皿、グラス、料理器具等の食器類の洗浄、食品飲料工場で使用される食材及び製品用のプラスチックコンテナの洗浄等において、高いスケール付着抑制効果と高い洗浄性を有する、硬質物品の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、(a)ポリアクリル酸又はその塩〔以下、(a)成分という〕、(b)アクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩〔以下、(b)成分という〕、(c)炭酸塩及び珪酸塩からなる群から選ばれる1種以上のアルカリ剤〔以下、(c)成分という〕35重量%以上、並びに(d)有機キレート剤を含有し、(a)と(b)との合計量が6重量%以上、(a)/(b)(重量比)が1以上である、硬質物品の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物に関する。
【0011】
本発明において、硬質物品の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物とは、自動洗浄機で食器、調理器具、プラスチックコンテナ等の硬質物品を洗浄する際に用いる粉末洗浄剤組成物という意味である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、高い洗浄性と高いスケール付着抑制効果を有する硬質物品の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<(a)成分>
本発明の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物は、(a)成分として、ポリアクリル酸又はその塩を含有する。(a)成分としては、アクリル酸のホモポリマー又はその塩が挙げられる。また、(a)成分としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム等が挙げられ、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウムが好ましい。本発明の(a)成分は、本発明の効果の発現を妨げない程度であれば、アクリル酸以外のモノマーであって、アクリル酸と共重合可能なモノマー(ただしマレイン酸を除く)を含んだコポリマーであってもよい。アクリル酸以外のモノマーであって、アクリル酸と共重合可能なモノマー(ただしマレイン酸を除く)としては、ビニル系モノマー、アクリル系モノマー、スチレン系モノマー等が挙げられ、より具体的にはメタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、スチレン等が挙げられる。アクリル酸以外のモノマーであって、アクリル酸と共重合可能なモノマー(ただしマレイン酸を除く)の(a)成分中のモル比は、(a)成分として水溶性等の物性や本発明の効果の発現に対して影響を与えなければ限定されないが、(a)成分中に0〜5モル%が好ましく、0〜3モル%がより好ましく、0モル%であることが最も好ましい。従って、本発明のポリアクリル酸又はその塩は、全構成モノマー中、アクリル酸以外のモノマーであって、アクリル酸と共重合可能なモノマー(ただしマレイン酸を除く)を、0〜5モル%の範囲で含むポリマー又はコポリマーであってよい。
【0014】
また、(a)成分の重量平均分子量は、スケール付着抑制効果の観点から、1,000〜20,000が好ましく、2,000〜15,000がより好ましい。この重量平均分子量は、アセトニトリルと水の混合溶媒(リン酸緩衝溶液)を展開溶媒とし、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーで分子量既知の一般に市販され入手可能なポリマー標準試薬であるポリアクリル酸(例えば、シグマアルドリッチ製分子量スタンダード試薬)を標準物質として求めたものである。
【0015】
<(b)成分>
本発明の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物は、(b)成分として、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩を含有する。(b)成分としては、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー、アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのナトリウム塩、アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのカリウム塩等が挙げられ、アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのナトリウム塩、アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのカリウム塩が好ましい。また、(b)成分は、アクリル酸/マレイン酸のモル比が0.25〜4、更に0.4〜2.5であることが、スケール付着抑制効果の観点から好ましい。本発明の(b)成分は、本発明の効果の発現を妨げない程度であれば、アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び/又はマレイン酸と共重合可能なモノマーを含んだコポリマーであってもよい。アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び/又はマレイン酸と共重合可能なモノマーとしては、ビニル系モノマー、アクリル系モノマー、スチレン系モノマー等が挙げられ、より具体的にはメタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、スチレン等が挙げられる。アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び/又はマレイン酸と共重合可能なモノマーの(b)成分中のモル比は、(b)成分として水溶性等の物性や本発明の効果の発現に対して影響を与えなければ限定されないが、(b)成分中に0〜5モル%が好ましく、0〜3モル%がより好ましく、0モル%であることが最も好ましい。従って、本発明のアクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩は、全構成モノマー中、アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び/又はマレイン酸と共重合可能なモノマーを、0〜5モル%の範囲で含むコポリマーであってよい。
【0016】
通常、(a)成分を製造する際の共重合反応には、マレイン酸は無水マレイン酸が用いられるので、上記のモル比は、何れも無水マレイン酸に基づくモル比であってよい。
【0017】
また、(b)成分の重量平均分子量は、スケール付着抑制効果の観点から、1,000〜100,000が好ましく、2,000〜90,000がより好ましい。この重量平均分子量は、アセトニトリルと水の混合溶媒(リン酸緩衝溶液)を展開溶媒とし、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーで分子量既知の一般に市販され入手可能なポリマー標準試薬であるポリアクリル酸(例えば、シグマアルドリッチ製分子量スタンダード試薬)を標準物質として求めたものである。
【0018】
<(c)成分>
本発明の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物は、(c)成分として、炭酸塩及び珪酸塩からなる群から選ばれる1種以上のアルカリ剤を含有する。(c)成分としては、オルソ珪酸ナトリウム、オルソ珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、1号珪酸ナトリウム、1号珪酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウムが好ましく、洗浄性及び保存安定性の観点からは、炭酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウムが好ましく、スケール付着抑制効果の観点からは、メタ珪酸ナトリウムが好ましい。従って、本発明では、(c)成分として珪酸塩を含むことが好ましい。
【0019】
<(d)成分>
本発明の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物は、スケール抑制に優れる観点から、(d)成分として、有機キレート剤を含有する。(d)成分としては、(d1)エチレンジアミンテトラ酢酸四ナトリウム、メチルグリシン二酢酸三ナトリウム、L−グルタミン酸二酢酸四ナトリウム等のアミノカルボン酸塩、(d2)クエン酸三ナトリウム、リンゴ酸二ナトリウム、酒石酸ナトリウム等のヒドロキシカルボン酸塩等が挙げられ、エチレンジアミンテトラ酢酸四ナトリウム、メチルグリシン二酢酸三ナトリウム、L−グルタミン酸二酢酸四ナトリウム、及びクエン酸三ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0020】
<自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物>
本発明の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物は、上記(a)〜(d)成分を含有するものであり、更にその他の成分を含有することができる。
【0021】
本発明の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物中の(a)成分の含有量は、スケール付着抑制効果の観点から、5重量%以上が好ましく、6重量%以上がより好ましい。上限は、特に限定されないが、効果とコストの観点から、40重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましく、15重量%以下がより好ましい。上記の観点から、5〜40重量%が好ましく、6〜30重量%がより好ましく、6〜15重量%がより好ましい。
【0022】
また、本発明の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物中の(b)成分の含有量は、スケール付着抑制効果の観点から、0.5〜10重量%が好ましく、1〜5重量%がより好ましい。0.5重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましい。上限は、特に限定されないが、効果とコストの観点から、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。上記の観点から、0.5〜10重量%が好ましく、1〜5重量%がより好ましい。
【0023】
また、本発明の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物中の(c)成分の含有量は、洗浄性を付与する成分であり、洗浄性に優れる観点から、35重量%以上であり、洗浄性及びスケール付着抑制効果の観点から、40〜90重量%が好ましく、45〜85重量%がより好ましく、40〜55重量%がさらに好ましい。また、(c)成分中の珪酸塩の割合は、洗浄性及びスケール付着抑制効果の観点から、20重量%以上が好ましく、25〜100重量%がより好ましく、30〜100重量%が更に好ましい。
【0024】
本発明の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物中の(d)成分の含有量は、スケール付着抑制効果の観点から、1〜50重量%が好ましく、10〜40重量%がより好ましい。
【0025】
また、本発明の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物中における、(a)成分と(b)成分との合計量は、スケール付着抑制効果の観点から、6重量%以上であり、7〜60重量%が好ましく、8〜40重量%がより好ましく、8〜20重量%が更に好ましい。
【0026】
また、本発明の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物における、(a)成分と(b)成分の重量比は、スケール付着抑制効果の観点から、(a)/(b)で1以上であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましい。上限は、特に限定されないが、効果とコストの観点から、50以下が好ましく、40以下がより好ましく、30以下が更に好ましく、15以下が更により好ましい。上記の観点から、(a)/(b)は、1〜50が好ましく、2〜40がより好ましく、3〜30が更に好ましく、3〜15が更により好ましい。
【0027】
また、本発明の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物における、(a)成分と(b)成分の合計量と(c)成分との重量比は、洗浄性とスケール付着抑制効果の両立の観点から、(c)/[(a)+(b)]=0.5〜10が好ましく、1〜8がより好ましく、2〜5が更に好ましい。
【0028】
本発明の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物には、(a)〜(d)成分以外に、必要に応じて、芒硝、界面活性剤、漂白剤、酵素、消泡剤、防腐剤、防錆剤、殺菌剤、抗菌剤、色素、香料、ハイドロトロープ剤等を配合する事ができる。
【0029】
本発明の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物は、硬質物品用自動洗浄機に用いられる。ここで、硬質物品とは、硬質表面を有する部材を主体として含む物品であり、自動洗浄機による洗浄に適した大きさ、形状、材質を有する物品を含む。また、部分的に軟質部材が含まれていてもよい。具体的な硬質物品としては、食器、調理器具、プラスチックコンテナ等が挙げられる。また、自動洗浄機は、これらの硬質物品の自動的な洗浄に適した装置を適宜使用できる。また、本発明の硬質物品用自動洗浄機としては、例えば、自動食器洗浄機、プラスチックコンテナ用洗浄機が挙げられ、自動食器洗浄機に適用することが好ましい。
【0030】
また、本発明の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物は、リンを含む化合物を含有しない、いわゆる無リンタイプの組成物とすることができる。
【0031】
本発明の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物は、0.1重量%水溶液の25℃でのpHが10〜13、更に11〜12であることが、洗浄性、基材損傷性の観点から好ましい。
【実施例】
【0032】
表1に示した配合組成の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物を調製し、以下の方法でスケール付着抑制能、洗浄性を評価した。結果を表1に示す。
【0033】
〔1〕スケール抑制能の評価
<試験条件>
使用洗浄機:三洋電機(株)製自動食器洗浄機(SANYO DR53)
洗浄温度:60℃
洗浄時間:40秒
すすぎ温度:70℃
すすぎ時間:5秒
洗浄濃度:0.10重量%
使用水:6°dH硬水(塩化カルシウムにて調整)
【0034】
<評価方法>
SUS304のテストピース(100mm×130mm)5枚を洗浄ラックの所定の位置に設置し、上記試験条件にて、洗浄→すすぎ→室温での風乾の操作を1,000回繰り返した後、テストピースの外観を下記の評価基準にて目視判定した。表1には、5枚(表裏)の平均値を示した。
【0035】
<評価基準>
6:試験前と比較して差が無く光沢がある
5:わずかに変色しているがスケールは付着せず、光沢がある
4:変色しているがスケールは付着せず、光沢がある
3:一部にスケールが付着するが、光沢がある
2:全体がスケールで覆われ、光沢がない
1:全体がスケールで覆われ、光沢がなく表面がざらついている
尚、本発明のスケール抑制能評価としては、スケールが付着せず光沢があると判断される4点以上であれば好ましい。
【0036】
〔2〕洗浄性の評価
<モデル汚垢の作製>
新品の直径20cm磁器製皿の中央部に、卵黄2gを刷毛で直径約10cmの円形に均一塗布し、80℃に設定した電気乾燥機に入れた。30分後、卵黄を塗布した磁器製皿を取り出して、自然冷却したものをモデル汚垢として洗浄性評価に用いた。
【0037】
<評価方法>
三洋電機(株)製自動食器洗浄機(SANYO DR53)の洗浄槽(38L)に表1の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物38gを投入して、60℃の温水で溶解させた。専用ラックにモデル汚垢を塗布した磁器製皿4枚をセットして、60℃の洗浄液にて40秒間洗浄した後、70℃の濯ぎ水にて5秒間濯いだ。専用ラックから磁器製皿を取り出し、エリスロシン色素1重量%水溶液にて着色させて、以下に示した判定基準にて洗浄性を目視判定にて評価した。
【0038】
<洗浄性の判定基準>
5;4枚の磁器製皿の何れにも着色痕は全く認められず、汚れが除去
4;4枚の磁器製皿の何れかに僅かな着色痕を認めるが、殆どの汚れが除去
3;4枚の磁器製皿全てに僅かな着色痕を認めるが、殆どの汚れが除去
2;4枚の磁器製皿全てに着色痕を認め、半分程度の汚れが残留
1;4枚の磁器製皿全てに着色痕を認め、殆どの汚れが残留
尚、本発明の洗浄性評価としては、汚れが除去されたと判断される3点以上であれば好ましい。
【0039】
【表1】

【0040】
・a−1:ポリアクリル酸のナトリウム塩〔重量平均分子量4,000、ソカランPA25CL Granules(BASFジャパン(株)製):原料情報は、BASFジャパン(株)製品カタログより〕
・b−1:アクリル酸/マレイン酸コポリマーのナトリウム塩〔重量平均分子量70,000、アクリル酸/マレイン酸コポリマー比=70/30、ソカランCP5 Granules(BASFジャパン(株)製):原料情報は、BASFジャパン(株)製品カタログより〕
・b−2:アクリル酸/マレイン酸共重合体塩〔重量平均分子量5,000、アクアリックTL37((株)日本触媒製):原料情報は、(株)日本触媒 製品カタログより〕
・ノニオン界面活性剤:プロピレンオキシド・エチレンオキシド・プロピレンオキシド・ブロックポリマー、〔重量平均分子量3,100、プロピレンオキシド/エチレンオキシド比=80/20、プルロニックRPE2520(BASFジャパン(株)製):原料情報は、BASFジャパン(株)製品カタログより〕

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ポリアクリル酸又はその塩、(b)アクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩、(c)炭酸塩及び珪酸塩からなる群から選ばれる1種以上のアルカリ剤35重量%以上、並びに(d)有機キレート剤を含有し、(a)と(b)との合計量が6重量%以上、(a)/(b)(重量比)が1以上である、硬質物品の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物。
【請求項2】
(a)ポリアクリル酸又はその塩が、アクリル酸のホモポリマー又はその塩である、請求項1に記載の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物。
【請求項3】
(a)成分の含有量が、5〜40重量%であり、(b)成分の含有量が、0.5〜10重量%であり、(d)成分の含有量が1〜50重量%である、請求項1又は2記載の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物。
【請求項4】
(c)中の珪酸塩の割合が20重量%以上である、請求項1〜3いずれかに記載の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物。
【請求項5】
(d)有機キレート剤が、エチレンジアミンテトラ酢酸四ナトリウム、メチルグリシン二酢酸三ナトリウム、L−グルタミン酸二酢酸四ナトリウム、及びクエン酸三ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4いずれかに記載の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物。
【請求項6】
硬質物品が、食器、調理器具、プラスチックコンテナから選ばれる1種以上の物品である、請求項1〜5の何れか1項記載の自動洗浄機用粉末洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2011−149001(P2011−149001A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281229(P2010−281229)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】