説明

自動測量方法

【課題】掘進機の位置及び向きの自動測量に関し、掘進機の位置及び向きを、測量することができる自動測量方法を提供する。
【解決手段】下記の手順により掘進機の位置及び向きを自動測量する。(1)自動追尾式測距測角儀の前回測量時の位置データ及びそれ以降の移動データから、自動追尾式測距測角儀の今回測量時の位置及び向きを予測し、坑口側に設置した複数の基準点の視準角を予測する工程。(2)(1)の予測結果をもとに、自動追尾式測距測角儀から、坑口側の複数の基準点を視準して自動追尾式測距測角儀の位置を検出する工程。(3)掘進機の測量位置データから、掘進機に設置した複数のターゲットの位置及び視準角を予測する工程。(4)(3)の予測結果をもとに、自動追尾式測距測角儀から掘進機に設置した複数のターゲットの位置を検出する工程。(5)掘進機の複数のターゲットの位置の検出結果をもとに、掘進機の位置と向きを求める工程。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル掘進坑内における自動測量方法に関するものである。詳しくは、トンネル掘進において計画線に沿ってトンネルの築造を可能にするための効率的な測量方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シールド工法をはじめとして、トンネル築造においては計画通りの線形に沿ってトンネルを敷設することが技術的にも必須の条件となっており、特に、機械的に掘進していくシールド工法においては、そのためのシールド掘進機の位置の正確な測量が極めて大切な要件となっている。このようなシールド工法における掘進機の位置測定とトンネルの計画線に沿った築造のための測量においは、従来より、人力による測量の方法と、自動測量による方法とが知られている。
【0003】
このうちの自動測量の方法としては、自動追尾式測距測角儀やジャイロコンパスを用いる方法がある。この自動測量方法は、人力測量に比べ、短時間で測量することができるため、測量回数を多くすることが可能となり、その結果きめ細かな掘進管理ができるので、現在普及している。
【0004】
しかしながら、このように優れた利点を有する自動測量方法ではあるが、自動追尾式測距測角儀を用いる方法においては、トンネル線形が曲線の場合、自動追尾式測距測角儀の盛り替え回数が増加し、また、自動追尾式測距測角儀とシールド掘進機との間に障害物があると自動追尾式測距測角儀が発するレーザー光が遮られる等の欠点がある。また、ジャイロコンパスを使用する方法の場合には、シールド掘進機が水平方向へ同じ角度で横移動したときに、ジャイロコンパスは移動する前後で同方向を指針しているために、あたかもその同方向に進んでいるかのように計測され、それが誤差となって現れるという欠点がある。
【0005】
そこで、本発明者は、シールド掘進抗内において、シールド機の掘進とともに自動追尾式測距測角儀を進行させ、自動追尾式測距測角儀と立抗側に位置する複数の基準点からトンネル線形に応じて、ワイズバッハトライアングルメソッド及び/又は後方交会法により自動追尾式測距測角儀の位置を自動的に求めた後、その既知点の位置からシールド掘進機の位置を自動測量することを特徴とするシールド測量方法を発明している(特許文献1参照)。
【0006】
このシールド測量方法によれば、その既知点の位置からシールド掘進機の位置を自動測量する方法として、既知点の自動追尾式測距測角儀の位置からシールド掘進機までは、自動追尾式測距測角儀から直接シールド掘進機に位置する反射プリズムにレーザー光を照射して、既知点とプリズムを結ぶ直線の距離と角度を測ることで、シールド掘進機の位置を出す。この測量方法により、シールド工法において、シールドトンネルを計画線に沿って築造するための、効率的で精度のよい測量方法が実現される。
【0007】
しかしながら、このように優れた利点を有する自動測量方法ではあるが、自動追尾式測距測角儀はモータードライブを内蔵しており、パソコンによる自動制御で3〜4個のプリズムを順次視準して測量が行われるが、自動追尾式測距測角儀は後続台車に搭載されているため、掘進に伴って測量機が移動、回転する。従来の制御プログラムでは、前回の自動測量時にパソコンに記録された視準角を読み出して、その角度に自動追尾式測距測角儀を回転制御している。
【0008】
1リング毎に実施する場合や曲線区間以外の場合は、測量機がそれほど移動、回転をしないため、視準角が大きく変化しないため問題は無いが、何リング分か実施しなかったり、シールド掘進機が曲線始点を通過した直後や自動追尾式測距測角儀が曲線区間に位置した場合などは視準角が大きく変化するため、反射プリズムをサーチするのに時間がかかったり、反射プリズムをサーチできず視準不能になることがある。
【0009】
このように視準不能になった場合は、自動測量を行わないか、現場職員が視準角を予測するか、坑内に入って手動操作で実際に視準角を調べるかして、パソコンに記録された前回測量時の視準角を書き換えてから再度実施することになる。このような対処方法は、その状況に応じて行うこととなる。また、複数のプリズムが、サーチ範囲内に入った場合、それらの中心を視準する場合や、目標以外のプリズムを視準して自動測量が失敗する場合もある。
【0010】
また、複数のプリズムをそれぞれ迅速にサーチするために、サーチするそれぞれの反射プリズムをシャッターが開閉するボックス内に格納し、視準するときにシャッターの開閉を順次行い視準し、測距及び測角する、又は1つの反射プリズムが2位置間を移動可能として、それぞれの位置で視準し、測距及び測角することで、反射プリズムの交互位置個別測距測角を行い、掘進機の位置及び向きを検出する測量方法が提供されている(特許文献2参照)。これにより、目的の反射プリズムを視準することができる。
【0011】
しかしながら、これらの視準方法は優れた利点を有する自動測量方法ではあるが、盛り替えに時間がかかったり、シャッターが開閉するボックスの製作、掘進機への取付けを要し、また設備としても大きくなるため、設置場所の確保もしなければならない等課題が残っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平5−248861号公報
【特許文献2】特開平7−198380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、トンネル掘進工法における、掘進機の位置及び向きの自動測量に関し、如何なる状況であっても掘進機の位置及び向きを、簡単且つ正確に測量することができる自動測量方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
【0015】
第1に、トンネル掘進坑内での、掘進機の位置及び向きの測量方法であって、下記(1)から(5)の手順により掘進機の位置及び向きを自動測量することを特徴とする自動測量方法である。
(1)自動追尾式測距測角儀の前回測量時の位置データ及びそれ以降の移動データから、自動追尾式測距測角儀の今回測量時の位置及び向きを予測し、坑口側に設置した複数の基準点の視準角を予測する工程。
(2)(1)の予測結果をもとに、自動追尾式測距測角儀から、坑口側に設けた複数の基準点を視準して自動追尾式測距測角儀の位置を検出する工程。
(3)掘進機の測量位置データから、掘進機に設置した複数のターゲットの位置及び視準角を予測する工程。
(4)(3)の予測結果をもとに、自動追尾式測距測角儀から掘進機に設置した複数のターゲットを視準して複数のターゲットの位置を検出する工程。
(5)(4)で得られた、掘進機の複数のターゲットの位置の検出結果をもとに、掘進機の位置と向きを求める工程。
【0016】
第2に、上記第1の発明の自動測量方法において、自動追尾式測距測角儀を、掘進機に牽引された後方台車に搭載する。
【0017】
第3に、上記第1の発明の自動測量方法において、自動追尾式測距測角儀を走行台車に搭載し、掘進機に牽引された後方台車の後方に走行台車を連結し、又は走行台車を自走式とし、走行台車を後方台車の進行・停止とは独立してこれに追従するようにし、掘進機の掘進時に走行台車を静止させる。
【0018】
第4に、上記第2又は第3の発明の自動測量方法において、掘進機の掘進とともに牽引する後方台車に搭載した自動追尾式測距測角儀、又は掘進機の掘進とともに牽引する後方台車の後方の走行台車に搭載した自動追尾式測距測角儀が、後方台車、又は走行台車に対して上下及び/又は水平方向に移動可能である。
【0019】
第5に、上記第1の発明の自動測量方法において、トンネル掘進坑内の覆工部に自動追尾式測距測角儀を設置する。
【0020】
第6に、上記第1から第5の発明の自動測量方法において、掘進機が中折れ式の場合に、自動追尾式測距測角儀が掘進機に設置した複数のターゲットの視準角を、掘進機の方位角と掘進機のジャッキ伸び量から得られる管理点の座標を求め、掘進機中折れ点の座標を求め、掘進機に設置した複数のターゲットの座標を求めた後、この掘進機に設置した複数のターゲットの座標と自動追尾式測距測角儀の座標から求める。
【0021】
第7に、上記第1の発明の自動測量方法において、自動追尾式測距測角儀が、掘進機に搭載されている。
【0022】
第8に、上記第1から第7の発明の自動測量方法において、トンネルの掘進がシールドトンネル掘進であって、複数のターゲットがセグメントに設置されている。
【0023】
第9に、上記第1から第8の発明の自動測量方法において、自動追尾式測距測角儀と坑口側の複数の基準点からトンネル線形に応じて、ワイズバッハトライアングルメソッド及び/又は後方交会法により、自動追尾式測距測角儀の位置を検出する。
【発明の効果】
【0024】
上記第1の発明によれば、(1)から(5)の手順による自動測量方法としたので、前回の測量データ及び移動情報から自動追尾式測距測角儀がサーチすべき方向が予測でき、どのような状況であっても坑口側の複数の基準点及び掘進機に設置した複数のターゲットを失敗せず視準することができる。またこれにより掘進機の位置と向きの自動測量時間を短縮することができる。
【0025】
上記第2の発明によれば、自動追尾式測距測角儀を、掘進機が牽引する後方台車に搭載したので、自動追尾式測距測角儀と掘進機の距離が一定に保たれ、それぞれの移動距離が同一となるので、より精度の高い測量をすることができる。
【0026】
上記第3の発明によれば、掘進機の掘進とともに牽引する後方台車の後方に自動追尾式測距測角儀を搭載した走行台車を走行・停止自在に連結するか、又はこの走行台車を自走式として配置し、走行台車を後方台車の進行・停止とは独立して、後方台車に追従していくようにし、掘進機の掘進時に、自動追尾式測距測角儀を搭載する走行台車を静止させたので、リアルタイムに測量ができ、トンネルを計画線に沿って築造するための効率的で、精度のよい測量方法が実現される。また、自動計測のタイミングを適宜設定することが可能となり、更に連続自動測量を可能とすることもできる。
【0027】
上記第4の発明によれば、上記第2、第3の発明において、掘進機の掘進とともに牽引する後方台車に搭載した自動追尾式測距測角儀、又は掘進機の掘進とともに牽引する後方台車の後方の走行台車に搭載した自動追尾式測距測角儀が、掘進機に設置した複数のターゲットを視準するに際し、後方台車、又は走行台車に対して上下あるいは水平方向に移動可能な自動追尾式測距測角儀としたので、測量途中で障害物が発生してレーザー光や光波等による掘進機のターゲットを照射する測量が妨害された場合でも、自動追尾式測距測角儀を障害物から回避した位置に移動し、掘進機に設置した複数のターゲットを視準して掘進機の位置と向きを測量することができる。
【0028】
上記第5の発明によれば、トンネル掘進坑内において、坑内の覆工部に自動追尾式測距測角儀を設置したので、一度坑口側の複数の基準点をもとにして自動追尾式測距測角儀の位置を検出した後は、掘進機に設置した複数のターゲットを視準できる範囲内であれば、自動追尾式測距測角儀を盛り替えすることなく常に掘進機の位置と向きを求めることができる。
【0029】
上記第6の発明によれば、掘進機が中折れ式の場合に、自動追尾式測距測角儀が掘進機に設置した複数のターゲットの視準角を、掘進機の方位角と掘進機のジャッキ伸び量から得られる管理点の座標を求め、その後掘進機中折れ点の座標を求め、その後掘進機に設置した複数のターゲットの座標を求めた後、この掘進機に設置した複数のターゲットの座標と自動追尾式測距測角儀の座標から求めるようにしたので、掘進機のタイプに関係なく本発明の自動測量方法を実施することができる。
【0030】
上記第7の発明によれば、トンネル坑内を移動する自動追尾式測距測角儀が、掘進機に搭載した自動追尾式測距測角儀であって、坑口側の複数の基準点を視準して、自動追尾式測距測角儀の位置を測量するに際し、坑口側の複数の基準点を視準する時点での自動追尾式測距測角儀の位置と向きを予測し、これらのデータをもとに自動追尾式測距測角儀から坑口側の複数の基準点の視準角を自動的に演算し、視準し、掘進機の位置と方位を求めるので、自動追尾式測距測角儀から掘進機の視準が容易になり、測量をより正確に行うことができる。
【0031】
上記第8の発明によれば、シールドトンネル掘進坑内で、自動追尾式測距測角儀が、坑口側の複数の基準点をもとにしてセグメントに設置した複数のターゲットを視準するに際し、セグメントに設置した複数のターゲットを視準する時点での自動追尾式測距測角儀の位置と向き及びセグメントに設置した複数のターゲットの位置を予測し、これらのデータをもとに自動追尾式測距測角儀からの坑口側の複数の基準点とセグメントに設置した複数のターゲットのそれぞれの視準角を自動的に演算し、視準し、セグメントの位置と向きを求めるので、掘進の状況をより正確に測量することができる。また、この発明は、推進工法において、複数のターゲットが推進管に設置されている場合にも適用できる。
【0032】
上記第9の発明によれば、自動追尾式測距測角儀と坑口側の複数の基準点からトンネル線形に応じて、ワイズバッハトライアングルメソッド及び/又は後方交会法により、自動追尾式測距測角儀の位置を検出することとしたので、計画線が直線の時のように見通しのよい場合はワイズバッハトライアングルメソッドを用い、計画線が曲線の時のように見通しの悪い場合は後方交会法を用いるように、状況に応じて自動追尾式測距測角儀の位置を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の自動測量方法のフロー図である。
【図2】図1のフロー図の内容を手順に沿って示した概略図である。
【図3】直線区間内において何リング分か測量を実施しなかった場合の概略図である。
【図4】曲線区間内において何リング分か測量を実施しなかった場合の概略図である。
【図5】シールド掘進機が曲線始点通過後(自動追尾式測距測角儀は直線区間)の場合を示す概略図である。
【図6】自動追尾式測距測角儀がBC(曲線始点)を通過後の場合を示す概略図である。
【図7】自動追尾式測距測角儀が独立して後方台車に追従する場合を示した平面図である。
【図8】自動追尾式測距測角儀が測量の際、障害物回避のために移動する場合を示した平面図である。
【図9】自動追尾式測距測角儀がズリトロ用レールを走行して測量する場合を示した平面図である。
【図10】自動追尾式測距測角儀を覆工部に設置して測量する場合を示した平面図である。
【図11】手順(2)について、掘進機が中折れ式の場合の掘進機に設置したターゲット1、ターゲット2の位置を逆算するための概略図である。
【図12】自動追尾式測距測角儀を掘進機に搭載して測量する場合を示した平面図である。
【図13】セグメント測量をする場合を示した平面図である。
【図14】セグメント測量をする場合を示した立面図である。
【図15】図13におけるA−A断面図である。
【図16】基準点との測量においてワイズバッハトライアングルメソッドを用いた場合を示した平面図である。
【図17】基準点との測量において後方交会法を用いた場合を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の自動測量方法について具体的に説明する。もちろん、以下の説明は、発明の趣旨をより良く理解可能とするためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0035】
本発明の自動測量方法は、図1及び図2に示す以下の手順1から5に沿って行うものである。
手順1:自動追尾式測距測角儀の位置と向き及び基準点の視準角の予測
手順2:自動追尾式測距測角儀の位置の検出
手順3:掘進機に設置した複数のターゲットの位置と視準角の予測
手順4:掘進機に設置した複数のターゲットの位置の検出
手順5:掘進機の位置及び方向の検出
以下に手順1から手順5について図を用いて詳細に説明する。
<手順1:自動追尾式測距測角儀の位置と向き及び基準点の視準角の予測>
手順1では、自動追尾式測距測角儀の前回の測量位置データ及びそれ以降の移動データ(距離、線形(トンネルの設計データ)等)から、自動追尾式測距測角儀の位置及び向きを予測し、更に、坑口側に設置した基準点の視準角を予測する。
【0036】
具体的な手順について、掘進機と自動追尾式測距測角儀の移動状況が、直線区間内で移動した場合と、曲線区間内で移動した場合で分けて説明する。
【0037】
なお、本発明において用いられる「視準角」の用語は、任意に定めた基準方向、例えば、トンネル設計上の東西南北、単曲線の中心方向、トンネルの設計中心線と直交する方向等から、目標物、例えば、基準点、ターゲットを見たときの角度(基準方向から右回りの角度)を意味する。
(直線区間内で移動した場合の位置及び向きの予測)
図3に、シールドトンネル掘進坑内において、掘進機と自動追尾式測距測角儀が直線区間内で何リングか測量を実施せず移動した場合を示す。
(位置の予測)
図3に示すように、移動前の自動追尾式測距測角儀20(前回測量時)の位置座標を(Xt,Yt)、移動後の自動追尾式測距測角儀20(今回測量時)の位置座標を(Xt,Yt)とし、基準点31の位置座標を(Xs,Ys)、基準点32の位置座標を(Xs,Ys)とする。そして、移動前の自動追尾式測距測角儀20の位置から、移動後の自動追尾式測距測角儀20の位置の距離(自動追尾式測距測角儀の移動距離)をLとする。
【0038】
また、θは、自動追尾式測距測角儀20がトンネルの設計中心線30と平行に移動すると仮定し、直線区間のトンネルの設計方位角を適用する。
【0039】
ここで、前回測量時の自動追尾式測距測角儀20の位置(Xt,Yt)から、今回測量時(移動後)の自動追尾式測距測角儀20の位置(Xt,Yt)は下記式1で求めることができる。
【0040】
【数1】

【0041】
(視準角の予測)
この直線区間内での移動の場合、自動追尾式測距測角儀20とターゲット11、ターゲット12の相対位置はあまり変わらないため、ターゲット11、ターゲット12の視準角はほとんど変化しないが、基準点31、基準点32との相対位置は大きく変わるため、基準点31、基準点32の視準角はα0からα1のように変化する。
【0042】
移動後の自動追尾式測距測角儀20の位置座標(Xt,Yt)から基準点31(Xs,Ys)への方位角θ1は下記式2から求めることができる。
【0043】
【数2】

【0044】
同様にして移動後の自動追尾式測距測角儀20の位置座標(Xt,Yt)から基準点32(Xs,Ys)への方位角θ2を求めることができる。
【0045】
移動前の自動追尾式測距測角儀の座標から基準点31への方位角をθ0、視準角をα0とすると、今回測量時(移動後)の基準点31への視準角α1は下記式2’で求めることができる。
【0046】
【数3】

【0047】
同様にして自動追尾式測距測角儀20の座標から基準点32への視準角α2を求めることができる。
(曲線区間で移動した場合の位置と向きの予測)
図4に、シールドトンネル掘進坑内において、掘進機と自動追尾式測距測角儀が曲線区間内で何リングか測量を実施せず移動した場合を示す。
(位置及び向きの予測)
図4において、移動後の自動追尾式測距測角儀20の座標(Xt,Yt)は、移動前の自動追尾式測距測角儀20の座標(Xt,Yt)をもとに、トンネルの設計中心線30である単曲線の中心点座標を(X0,Y0)とすると下記式3で求めることができる。
【0048】
【数4】

【0049】
なお、θは移動距離Lのときの単曲線の中心点を中心とした回転角であり、下記式4で求めることができる。
【0050】
【数5】

【0051】
(視準角の予測)
この場合も、図3に示す場合と同様に、ターゲット11、ターゲット12の視準角はほとんど変化しないが、基準点31、基準点32の視準角は図4のα0からα1ように変化する。
【0052】
移動後の自動追尾式測距測角儀20の座標(Xt,Yt)から基準点31(Xs,Ys)への方位角θ1は(直線区間で移動した場合の予測)の場合と同様に式2で求めることができる。また、移動後の自動追尾式測距測角儀20の座標(Xt,Yt)から基準点32(Xs,Ys)への方位角θ2も同様に求めることができる。
【0053】
自動追尾式測距測角儀は曲線区間を移動することで、位置座標が変化するだけでなく、向きがθ変化する。
【0054】
前回測量時(移動前)の自動追尾式測距測角儀から基準点31への方位角をθ0、視準角をα0、今回測量時(移動後)の自動追尾式測距測角儀から基準点31への方位角をθ1とすると、移動後の基準点1への視準角α1は下記式4’で求めることができる。
【0055】
【数6】

【0056】
同様にして基準点2への視準角α2を求めることができる。
【0057】
以上の手順により移動後の自動追尾式測距測角儀の視準角を予測することができる。
<手順2:自動追尾式測距測角儀の位置の検出>
手順2では、手順1で得られた自動追尾式測距測角儀の視準角の予測結果から、自動追尾式測距測角儀を回転制御して基準点を視準し、その測距測角値をワイズバッハトライアングルメソッド及び/又は後方交会法により自動追尾式測距測角儀の正確な位置を検出する。検出された位置座標を(Xt,Yt)とする。
【0058】
自動追尾式測距測角儀と坑口側の複数の基準点から計画線が直線の時のように見通しのよい場合は、ワイズバッハトライアングルメソッドを用い、計画線が曲線の時のように見通しの悪い場合は、後方交会法を用いて、測距測角儀の位置を計測する。このように測量方法をトンネル線形に応じて使い分けて、より高い測量精度を得ることができる。もちろんこの発明の方法においては、精度確保の目的や施工現場の状況等に応じてワイズバッハトライアングルメソッドと後方交会法を同時に使用してもよい。測量手段と演算方法等システム全体を自動化させることにより、効率よく2つの測量方法を適宜用いることができる。なお、坑口側に設置する基準点及び掘進機に設置するターゲットは、反射プリズムとなっており、自動追尾式測距測角儀はこれらの反射プリズムをレーザー光や光波等により自動視準して測距、測角を行う。
【0059】
以下にワイズバッハトライアングルメソッド及び後方交会法について説明する。
(ワイズバッハトライアングルメソッド)
図16は、基準点との測量においてワイズバッハトライアングルメソッドを用いた場合を示した平面図である。
【0060】
図16において、ワイズバッハトライアングルメソッドを使用した場合の求点の座標(X,Y)は、下記式1.1、式1.2で求めることができる。
【0061】
【数7】

【0062】
(後方交会法)
図17は、基準点との測量において後方交会法を用いた場合を示した平面図である。
【0063】
図17において、後方交会法を使用した場合の求点の座標(X,Y)は、下記式2.1、式2.2で求めることができる。
【0064】
【数8】

【0065】
<手順3:掘進機に設置した複数のターゲットの位置と視準角の予測>
手順3では、掘進時に掘進機から得られる管理点座標データ及び管理点からターゲット1及び2までの距離から、掘進機に設置したターゲット1及び2の位置と視準角を予測する。
【0066】
なお、掘進機に設けられたターゲットの位置と視準角の予測を、掘進機の種類として単胴タイプと中折れタイプに区別して説明する。
(単胴タイプ掘進機の位置の予測)
以下に、掘進機のターゲットの位置の予測について図5を用いて説明する。
【0067】
単胴タイプ掘進機においては、掘進機に設置したターゲット11、ターゲット12の位置を、掘進中の計測方法で掘進時に得られる掘進機内の管理点(ジャッキストローク+ジャイロ方位)の位置データ、掘進機に設置したターゲット11、ターゲット12の設置位置情報(掘進機後端部からの距離、掘進機中心からの距離)を用いて逆算して予測する。
【0068】
図5に示すように、自動追尾式測距測角儀20が直線区間内で、シールド掘進機10だけが曲線区間にある場合はα0からα1のようにターゲット11、ターゲット12の視準角が大きく変化する。
【0069】
ターゲット11の座標(Xm,Ym)及びターゲット12の座標(Xm,Ym)は、掘進時に得られる管理点座標(Xk,Yk)及び管理点からターゲット11までの距離L1及び管理点からターゲットL2までの距離データ、また、ターゲット11の方位角β1及びターゲットの方位角β2を用いて下記式5、6により求めることができる。
【0070】
【数9】

【0071】
【数10】

【0072】
以上の手順により、掘進機に設けられたターゲット11及び12の、前回終了時の位置座標を予測することができる。
(中折れタイプ掘進機の位置の予測)
以下に、掘進機のターゲットの位置の予測について図11を用いて説明する。
【0073】
掘進機10が、前胴と後胴からなる中折れタイプにおいては、掘進機10に設置したターゲット11、ターゲット12の位置を、掘進中の計測方法で掘進時に得られる掘進機内の管理点K(ジャッキストローク)の位置データ、前胴方位角Az(ジャイロ方位)、掘進機に設置したターゲット11、ターゲット12の設置位置情報(掘進機後端部からの距離、掘進機中心からの距離)を用いて逆算して予測する。
【0074】
管理点Kの座標値は掘進中にシールド掘進機に搭載したジャイロコンパスから得られる掘進機10の方位角と掘進機10のジャッキ伸び量から得られる掘進機10の掘進距離によって演算され、1リング毎の掘進終了時に(Xk,Yk)として得られる。この座標値からターゲット11、ターゲット12の座標値は式8〜式10で求まる。
【0075】
【数11】

【0076】
【数12】

【0077】
【数13】

【0078】
(ターゲットへの視準角の予測)
今回測量時(移動後)の自動追尾式測距測角儀20の位置からターゲット11の方位角θ1は、ワイズバッハトライアングルメソッド及び/又は後方交会法により得られる自動追尾式測距測角儀20の位置座標を(Xt,Yt)とすると、下記式7から求めることができる。
【0079】
【数14】

【0080】
また、前回測量時(移動前)の自動追尾式測距測角儀からターゲット11への方位角をθ0、視準角をα0とすると、今回測量時(移動後)のターゲット11への視準角α1は式2’で求めることができる。同様にしてターゲット12への視準角を求めることができる。
<手順4:掘進機に設置したターゲットの位置の検出>
手順4では、手順3で得られた掘進機のターゲットの位置及び視準角の予測結果をもとに、自動追尾式測距測角儀から掘進機のターゲットを視準してターゲットの位置を検出する。
<手順5:掘進機の位置及び方向の検出>
手順4で得られた、自動追尾式測距測角儀の位置検出結果から、掘進機の位置と向きを求める。
【0081】
以上の手順により、迷うことなく、迅速に自動追尾式測距測角儀がターゲット1、ターゲット2を視準することができ、掘進機の位置と方位を求めることができる。
【0082】
なお、この際掘進機のローリング(前胴)、ピッチング(前胴)、中折れ上下角度、前胴と後胴のねじれ(ローリングの差)は、これらにより生じる平面位置の変位が自動追尾式測距測角儀がターゲット1、ターゲット2をサーチする際に照射するレーザー光や光波等の範囲と比較して微小である為に考慮する必要はない。
【0083】
上記の各手順による説明では、種々の自動追尾式測距測角儀と掘進機の位置関係のケースを例に挙げて説明したが、より複雑な移動状態における測量であっても、上記各手順を場合分けにして組み合わせることにより、掘進機の位置と方位を正確に求めることができる。
【0084】
例えば、図6に示すような、前回測量時と今回測量時の間に自動追尾式測距測角儀20が曲線始点33を通過した場合であって、基準点31、基準点32、ターゲット11、ターゲット12すべての視準角が大きく変化する。このような場合においても、前回測量時の自動追尾式測距測角儀20の座標を(Xt,Yt)、移動途中の曲線始点上の自動追尾式測距測角儀20の座標を(Xt,Yt)、今回測量時(移動後)の自動追尾式測距測角儀20の座標を(Xt,Yt)とすると(Xt,Yt)はAの場合と同様に式1〜2により求められる。
【0085】
(Xt,Yt)は、手順1の曲線移動の場合と同様に式3〜4を適用して求めることができる。ターゲット11、ターゲット12の座標は式5、6、ターゲット11、ターゲット12の視準角は式4’により求めることができる。そしてこれらのデータをもとに、手順5により掘進機の位置と方位を求めることができる。
【0086】
なお、上記の各ケースを用いての説明に於いては、説明を簡潔にするために基準点及びターゲットを2箇所としたが、坑口側に設置する基準点及び掘進機に設置するターゲットは、より正確な位置を計測するために2箇所以上の設置も可能である。
【0087】
本発明による自動測量方法は、シールド工法、山岳トンネル工法、推進工法等のトンネル工法において、掘進機を用いる場合に適用できる。
【0088】
以下に、上記で説明した本発明の自動測量方法が適用可能な構成を実施例として説明する。
【実施例】
【0089】
<実施例1>
(自動追尾式測距測角儀が独立して後方台車に追従する場合)
図7に、自動追尾式測距測角儀が独立して後方台車に追従する場合の平面図を示す。この構成では、掘進機10の掘進とともに牽引する後方台車4の後方にあるいは後方台車4の中に自動追尾式測距測角儀20を搭載した走行台車6をワイヤ5等によって走行・停止自在として連結することができる。この場合、走行台車6を自走式として配置し、走行台車6を後方台車4の進行・停止とは独立してこれに追従する。
【0090】
掘進機10の掘進時にも、この自動追尾式測距測角儀20を搭載する走行台車6を静止させた状態で、自動追尾式測距測角儀20をターゲット11、12を視準する時点での自動追尾式測距測角儀20の位置と向きを予測し、これらのデータをもとに自動追尾式測距測角儀20から坑口側の複数の基準点31、32及び掘進機10に設置した複数のターゲット11、12のそれぞれの視準角を自動的に演算し、視準し、掘進機10の位置と方位を求める。本発明による自動測量方法は、シールド工法、山岳トンネル工法、推進工法等において、掘進機及び後方台車を用いる場合に適用できる。
<実施例2>
(自動追尾式測距測角儀が測量の際、障害物回避のために移動する場合)
図8に、自動追尾式測距測角儀が測量の際、障害物回避のために移動する場合の平面図を示す。この構成では、掘進機10の掘進とともに牽引する後方台車4に搭載した自動追尾式測距測角儀20が、掘進機10に設置したターゲット11、12を視準するに際し、自動追尾式測距測角儀20を回転台21の上に設置し、自動測量時に、回転台21を水平方向に回転させ、自動測量を実施する。
【0091】
これにより、測量途中で障害物が発生して、掘進機10のターゲット11、12の見通しが確保できない場合でも、自動追尾式測距測角儀20を障害物から回避した位置に移動し、掘進機10に設置したターゲット11、12を視準できる状態で、ターゲット11、12を視準する時点での自動追尾式測距測角儀20の位置と向きを予測し、これらのデータをもとに自動追尾式測距測角儀20から坑口側の基準点31、32及び掘進機10に設置したターゲット11、12のそれぞれの視準角を自動的に演算し、視準し、掘進機10の位置と向きを求める。もちろん、障害物回避の移動方向は、上下、水平方向への直線移動でもよい。
【0092】
また、移動に際しては、自動追尾式測距測角儀20の移動位置、向きを考慮し、掘進機10の位置と向きを測量するに際し、掘進機10に設置したターゲット11、12を視準する時点での自動追尾式測距測角儀20の位置と向きを予測する。また、この場合、実施例1で説明した掘進機の掘進とともに牽引する後方台車4の後方の走行台車6に搭載した自動追尾式測距測角儀20で実施する。本発明による自動測量方法は、シールド工法、山岳トンネル工法、推進工法等において、掘進機及び後方台車を用いる場合に適用できる。
<実施例3>
(自動追尾式測距測角儀がズリトロ用レールを走行して測量する場合)
図9に、自動追尾式測距測角儀がズリトロ用レールを走行して測量する場合の平面図を示す。この構成では、後方台車4と並行するズリトロ用レール34上を走行して移動する自動走行台車22に自動追尾式測距測角儀20を設置して、坑口側の基準点31、32をもとにして掘進機10に設置したターゲット11、12を検出する。
【0093】
これにより、より見通しがよい位置で、坑口側の基準点31、32をもとに、自動追尾式測距測角儀20の位置を検出し、その後に掘進機10に設置したターゲット11、12を視準して掘進機10の位置と向きを測量するに際し、掘進機10に設置したターゲット11、12を視準する時点での自動追尾式測距測角儀20の位置と向きを予測し、これらのデータをもとに自動追尾式測距測角儀20から坑口側の基準点31、32及び掘進機10に設置したターゲット11、12のそれぞれの視準角を自動的に演算し、視準し、掘進機10の位置と向きを求めることができる。この場合、後方台車4の上や後方台車用の軌道の横に平行に新たに自動追尾式測距測角儀20を走行させる軌道を設置し、走行させることもできる。
【0094】
ここで、自動追尾式測距測角儀20を設置してある自動走行台車22は、測量時に、人力でズリトロ用レール34にセットするか、あるいは、掘進機10の掘進とともに牽引する後方台車4に置かれ、測量時に後方台車4に備え付けてある機械アームで、セット、回収をするようにしてもよい。本発明による自動測量方法は、シールド工法、山岳トンネル工法、推進工法等において、掘進機、及びズリトロ用レールあるいは後方台車を用いる場合に適用できる。
<実施例4>
(自動追尾式測距測角儀を覆工部に設置して測量する場合)
図10に、自動追尾式測距測角儀を覆工部に設置して測量する場合の平面図を示す。この構成では、トンネル掘進坑内の覆工部22に自動追尾式測距測角儀20を設置し、坑口側の基準点31、32をもとにして掘進機10に設置したターゲット11、12を検出する。これにより、掘進機10のターゲット11、12を視準して掘進機10の位置と向きを測量するに際し、ターゲット11、12の位置を予測し、これらのデータをもとに自動追尾式測距測角儀20からのターゲット11、12の視準角を自動的に演算し、視準し、掘進機10の位置と方位を求める。
<実施例5>
(自動追尾式測距測角儀を掘進機に搭載して測量する場合)
図12に、自動追尾式測距測角儀を掘進機に搭載して測量する場合の平面図を示す。この構成では、トンネル掘進坑内で、掘進機10に自動追尾式測距測角儀20を搭載し、この自動追尾式測距測角儀20が坑口側の基準点31、32を視準して、自動追尾式測距測角儀20の位置を検出する。これにより、基準点31、32を視準し、自動追尾式測距測角儀20の位置を検出するに際し、基準点31、32を視準する時点での自動追尾式測距測角儀20の位置と向きを予測し、これらのデータをもとに自動追尾式測距測角儀20から基準点31、32の視準角を自動的に演算し、視準し、掘進機1の位置と向きを求める。
本発明による自動測量方法は、シールド工法、山岳トンネル工法、推進工法等において、掘進機を用いる場合に適用できる。
<実施例6>
(自動追尾式測距測角儀が、トンネル坑口から切羽に向かってシールド掘進機近傍のセグメントにあるターゲットを視準する場合)
図13に、自動追尾式測距測角儀が、トンネル坑口から切羽に向かってシールド掘進機近傍のセグメントの左右の位置にある2つのターゲットを視準する場合の平面図を示す。この構成では、2つのターゲット13、14は、トンネル坑口から切羽に向かって、セグメント35の右側ターゲット13、セグメント35の左側ターゲット14があり、この2つのターゲット13、14の位置座標を求めると共に、左右のセグメントのリード差を求める。この際、2つのターゲット13、14は、人的に設置してもよく、また、自動装置を使用して自動的に設置するようにしてもよい。
【0095】
図14に、自動追尾式測距測角儀が、トンネル坑口から切羽に向かってシールド掘進機近傍のセグメントの上下の位置にある2つのターゲットを視準する場合の立面図を示す。2つのターゲット13、14は、トンネル坑口から切羽に向かって、セグメント35の上部ターゲット13、下部ターゲット14があり、この2つのターゲットの位置座標を求めると共に、上下のセグメント35のリード差を求める。この際、図13における左右ターゲットの設置と同様に、ターゲットの設置は、人的設置、自動装置による設置のどちらでもよい。
【0096】
図15は、図13におけるA−A断面を示したものである。長さが既知のスタッフなどのバー36のセンター37から左右の定位置にあらかじめ2つのターゲット13、14となるプリズムを固定し、そのスタッフなどのバー36を自動追尾式測距測角儀からプリズムを見通すことができるセグメント35にセットし、順次プリズムを視準する。
【0097】
上記の通り、セグメントの位置を求め、そのリード差より向きを求めて、セグメント測量を行う。このセグメント測量は、通常シールド掘進機の直後のセグメントから5〜6リング後ろのセグメントまでを測量するが、特に測量する数は特定しない。本発明による自動測量方法は、シールド工法、推進工法等において、自動追尾測距測角儀を用いる場合に適用できる。
【符号の説明】
【0098】
10 掘進機
11〜14 ターゲット
20 自動追尾式測距測角儀
21 回転台
22 覆工部
30 中心線
31 基準点
32 基準点
33 曲線始点
34 ズリトロ用レール
35 セグメント
36 バー
37 センター
4 後方台車
5 ワイヤ
6 走行台車
K 管理点
C 掘進機の折れ点
Az 掘進機の前胴方位角
At 中折れ角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル掘進坑内での、掘進機の位置及び向きの測量方法であって、下記(1)から(5)の手順により掘進機の位置及び向きを自動測量することを特徴とする自動測量方法。
(1)自動追尾式測距測角儀の前回測量時の位置データ及びそれ以降の移動データから、自動追尾式測距測角儀の今回測量時の位置及び向きを予測し、坑口側に設置した複数の基準点の視準角を予測する工程。
(2)(1)の予測結果をもとに、自動追尾式測距測角儀から、坑口側に設けた複数の基準点を視準して自動追尾式測距測角儀の位置を検出する工程。
(3)掘進機の測量位置データから、掘進機に設置した複数のターゲットの位置及び視準角を予測する工程。
(4)(3)の予測結果をもとに、自動追尾式測距測角儀から掘進機に設置した複数のターゲットを視準して複数のターゲットの位置を検出する工程。
(5)(4)で得られた、掘進機の複数のターゲットの位置の検出結果をもとに、掘進機の位置と向きを求める工程。
【請求項2】
自動追尾式測距測角儀を、掘進機に牽引された後方台車に搭載することを特徴とする請求項1に記載の自動測量方法。
【請求項3】
自動追尾式測距測角儀を走行台車に搭載し、掘進機に牽引された後方台車の後方に走行台車を連結し、又は走行台車を自走式とし、走行台車を後方台車の進行・停止とは独立してこれに追従するようにし、掘進機の掘進時に走行台車を静止させることを特徴とする請求項1に記載の自動測量方法。
【請求項4】
掘進機の掘進とともに牽引する後方台車に搭載した自動追尾式測距測角儀、又は掘進機の掘進とともに牽引する後方台車の後方の走行台車に搭載した自動追尾式測距測角儀が、後方台車、又は走行台車に対して上下及び/又は水平方向に移動可能であることを特徴とする請求項2又は3に記載の自動測量方法。
【請求項5】
トンネル掘進坑内において、坑内の覆工部に自動追尾式測距測角儀を設置することを特徴とする請求項1に記載の自動測量方法。
【請求項6】
掘進機が中折れ式の場合に、自動追尾式測距測角儀が掘進機に設置した複数のターゲットの視準角を、掘進機の方位角と掘進機のジャッキ伸び量から得られる管理点の座標を求め、掘進機中折れ点の座標を求め、掘進機に設置した複数のターゲットの座標を求めた後、この掘進機に設置した複数のターゲットの座標と自動追尾式測距測角儀の座標から求めることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の自動測量方法。
【請求項7】
自動追尾式測距測角儀が、掘進機に搭載されていることを特徴とする請求項1に記載の自動測量方法。
【請求項8】
トンネルの工法がシールド工法であって、複数のターゲットがセグメントに設置されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の自動測量方法。
【請求項9】
自動追尾式測距測角儀と坑口側の複数の基準点からトンネル線形に応じて、ワイズバッハトライアングルメソッド及び/又は後方交会法により、自動追尾式測距測角儀の位置を検出することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の自動測量方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−42400(P2012−42400A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185602(P2010−185602)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(593089046)青木あすなろ建設株式会社 (10)
【Fターム(参考)】