説明

自動貨物保管入出庫方法及び自動貨物保管入出庫システム

本発明は、保管貨物の自動入庫/出庫システムに関する。該システムは、少なくとも1つのサービス階と、1または複数の保管階を備える。該サービス階は、貨物の入庫、交換および貨物の出庫を同時にバッチ式で行うことができように操作され、構築される。該システムには余力があるので、該システムは、いくつかの部品が故障した場合であっても、運転を継続できる。前記サービス領域は、(a)前記貨物を運搬する複数のパレットと、(b)所定の形状を有し、前記貨物と前記パレットが配置される複数のブロックであって、マトリクス状に配置されたブロックと、(c)前記パレットを前記システムの異なる領域に輸送する少なくとも1つのエレベータブロックと、(d)少なくとも1つのボックスと、(e)前記各領域で、前記パレットを直交する少なくとも2方向に輸送できる少なくとも2つのバッファからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物の自動入出庫に関する。
【背景技術】
【0002】
グローバリゼーションと世界人口の絶え間ない増加の結果、例えば特に、大都市の中心地区と繁華街では、不動産価格の高騰が深刻になっている。需要の絶え間ない拡大、建築に利用可能な土地の不足、並びに巨大な人口の不可避の工業化と近代化(例えば、中国やインド)のために、駐車スペースの問題が悪化し、駐車料金が高騰している。
【0003】
駐車スペースは、特に、ビジネスセンター(市場セグメントA)、商業中心地(市場セグメントB)、及び住宅地(市場セグメントC)、並びにそれらの組み合わせにおいて必要とされている。駐車スペースの不足に悩まされる地域は他にもあって、そこでは、特に駐車スペースと乗降用のスペースを考えれば、物理資源を駐車スペースに更に割り当てることが難しいことが理解される。
【0004】
貴重な面積の大半を、例えば駐車あるいは広義の大量保管のために割り当てようとする需要とは別に、(一例だが)駐車施設への入出庫を望む車両の渋滞を可能な限り小さくするというような、効率的なサービスの提供が問題になっている。この問題において、保管及び駐車施設毎に特有の繰り返しパターンがあって、該繰り返しパターンには保管及び駐車施設の違いによって一日の間の時間帯毎に入出庫速度が違うという特徴があることが注目される。
【0005】
例えば、ビジネスセンターの駐車施設では、平日の朝にあっては、駐車を求めて流入する大量の車両を受け入れられるようにする必要があり、平日の日中は、サービス時間を酷く悪化させることなしに、大きな保管スペースを利用可能にする必要があり、平日の夕方は、大量の車両の出庫を可能にする必要がある。商業中心地(市場セグメントB)の駐車施設では、平日の朝は、流入する大量の車両を短時間で大量の車両を受け入れられるようにする必要があり、平日の日中は、車両の入庫/出庫を同時に行ってサービス時間を短縮できるようにする必要があり、平日の夕方は、大量の車両を短時間の出庫を可能にする必要がある。住宅地(市場セグメントC)の駐車施設では、平日の朝は、大量の車両が短時間で出庫できるようにする必要があり、日中は、車両の迅速な同時入出庫を可能にする必要があり、夜間は、良好な保管スペースを利用可能にする必要がある。言うまでもないが、上述の全てのシステムは、日中および可能であれば夜間に不定期に発生する入出庫に、ある程度対処できなければならず、保管物品を最短の待ち時間で出庫できると好ましい。
【0006】
特許文献1は、複数の車両の駐車と出庫を同時に行う自動駐車場を開示している。入場が許可されると、利用客は自分の車両をガレージ入口付近のパレット上に駐車して該施設から離れる。一階建ての設計では、前記パレットは自走式の運搬装置によってレール上で縦方向と横方向に連続的に移動されて駐車スペースに運搬される。複数の階からなる実施形態では、昇降装置が使用されて、該昇降装置は2層の隣接するフロア間を前後に往復するパレット支持部材を備える。各パレットは運搬装置によって昇降装置まで運搬され、各昇降装置は機械アームを備えていて、該機械アームは、前記パレットが前記パレット支持部材に取り付けられて各個独立に支持される間に、前記運搬装置を支持して前記運搬装置を回収する。上部フロアには別の運搬装置が配置されていて、車両支持パレットを前記昇降装置から回収して、割り当てられた駐車スペースに運搬する。複数の車両を同時に入出庫できるので、前記施設内に入場する車列は最小化される。
【0007】
特許文献2は、積載パレットまたは非積載パレットを保管する保管領域に複数の車両保管棚を備える多層の建物からなる自動駐車場を開示している。前記建物の入口階には、車両を受け入れる入退場ステーションがある。前記自動駐車場は、前記非積載パレットを保管するパレット段積みステーションを有し、該パレット段積みステーションは、前記入退場ステーションの下方で延伸するシャトル通路の上方に配置される。パレットシャトルは、前記入退場ステーションの下方の第1の位置で前記シャトル通路を横切って、前記入退場ステーション内の非積載パレットを運搬し、前記パレット段積みステーションの下方の第2の位置で前記シャトル通路を横切って、非積載パレットを積層する。また、前記自動駐車場は、積載パレットを保管領域に輸送する輸送システムを備える。
【0008】
特許文献3は、対象物を保管・出庫するシステムと方法が開示されている。前記システムは、保管スペースと搬入/搬出ブロックと制御装置を備える。前記保管スペースは、複数の保管ブロックを有する。前記各保管ブロックは、その上に対象物を載せて保管するように構成される。前記搬入/搬出ブロックは、搬入/搬出ユニットが前記保管スペースに対象物を搬入し、又は前記保管スペースから対象物を搬出できるように構成される。
【0009】
以下の出願は、サービス階、又は言い替えれば、貨物を入出庫する階に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許番号5669753
【特許文献2】米国特許番号6851921
【特許文献3】特許協力条約特許公開番号WO07/135655号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した事情にも拘わらず、マトリクス配置を採用して、保管が対象の物品の入出庫を最小スペースと最小時間で可能とする、新規な方法とシステムが永年に渡って望まれていて、今もなお切望されている。また、該対象物を入出庫するシステムおよび方法であって、前記システムに保管される対象物の形式について全く制限されないシステムおよび方法が、永年に渡って望まれていて、今もなお切望されている。
【0012】
本発明によれば、汎用ロボット倉庫についての解決策が提供され、該解決策には、対象物を保管システムに自動的に入出庫する論理モデルが含まれ、該保管システムは、前述した各市場セグメントと同様に、他の市場においても運用できることを目的としている。以下の本発明についての記述では、駐車場と車両を例として取り上げる。本発明が、特定の保管施設、あるいは該保管施設に入出庫される特定の物品にも、全く限定されないことが理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的の1つは、自動貨物保管システムに、少なくとも1つの保管領域と、サービス領域を有する入出庫システムを提供することにある。前記サービス領域は、前記システムに入庫される貨物を受け入れ、前記システムから出庫される貨物を放出し、前記サービス領域は、
a.前記貨物を運搬する複数のパレットと、
b.輸送ブロック、エレベータブロック、あるいは搬入/搬出ブロックセットのいずれか一方のブロック、からなるグループから選ばれたブロックであって、所定の形状を備えて、前記貨物及び前記パレットが配置される複数のブロックをマトリクス状に配置したブロックのマトリクスと、
c.前記パレットを当該自動貨物保管入出庫システムの各領域に運搬する、少なくとも1基のエレベータブロックと、
d.1基または複数基のブロックから構成されるとともに、当該自動貨物保管入出庫システムに入庫されて前記パレットに搭載される貨物を受け入れる手段、及び当該自動貨物保管入出庫システムから貨物を出庫させる手段を備える、少なくとも1基の搬入/搬出ブロックセットを有する少なくとも1基のボックスと、
e.前記輸送ブロックを少なくとも1基有して、前記各領域において直交する少なくとも2方向に前記パレットを輸送する、少なくとも2基のバッファを備え、
前記パレット、前記バッファ、前記エレベータブロック及び前記搬入/搬出ブロックセットは、前記貨物の保管及び入出庫を連続的に行え、当該自動貨物保管入出庫システムへの前記貨物の入庫と当該自動貨物保管入出庫システムからの別の貨物の出庫を同時に行える。
【0014】
本発明の別の目的は、前記エレベータブロックの一部、前記搬入/搬出ブロックの組の一部、前記バッファの一部、またはそれらのいずれかの組み合わせが、故障した場合であっても、前記サービス領域を継続して運転できる、上述の自動貨物保管入出庫システムを提供することにある。
【0015】
本発明の別の目的は、前記バッファおよび/または前記エレベータブロックが、前記貨物の一時的保管に使用される、上述の自動貨物保管入出庫システムを提供することにある。
【0016】
本発明の別の目的は、前記エレベータブロックに、複数の方向の出入口を備えることによって、輸送経路を増やして前記パレットの輸送能力を拡大する、上述の自動貨物保管入出庫システムを提供することにある。
【0017】
本発明の別の目的は、前記サービス領域に、前記パレットおよびエレベータブロックの動作を制御する制御装置を更に備える、上述の自動貨物保管入出庫システムを提供することにある。
【0018】
本発明の別の目的は、前記制御装置が前記パレットを各個独立に動作させる、上述の自動貨物保管入出庫システムを提供することにある。
【0019】
本発明の別の目的は、前記ブロックの前記所定の形状が、長方形、円形、三角形、2次元又は3次元形状、及び各種の寸法・形状あるいは形式の規則的あるいは不規則な多次元形状からなるグループの中から選択される、上述の自動貨物保管入出庫システムを提供することにある。
【0020】
本発明の別の目的は、前記各ブロックの形状が実質的に相違する、上述の自動貨物保管入出庫システムを提供することにある。
【0021】
本発明の別の目的は、前記制御装置が、所与の時間に応じて、下記の3種のモードから選択された少なくとも1のモードで運転される、上述の自動貨物保管入出庫システムを提供することにある。
a.(i)前記貨物を前記搬入/搬出ブロックセットの中に受け入れて、前記複数の輸送ブロックを経由して、前記貨物を、前記エレベータブロックを通して当該自動貨物保管入出庫システムの前記保管領域に移送し、(ii)実質的に異なる輸送ブロックを経由して、空パレットを、前記エレベータブロックを通して前記搬入/搬出ブロックに返送する、入庫モード。
b.(i)当該自動貨物保管入出庫システムの前記保管領域から前記複数の輸送ブロックを経由して、前記搬入/搬出ブロックセットを通して、当該自動貨物保管入出庫システムの外に、貨物を連続的に放出し、(ii)実質的に異なる輸送ブロックを経由して、空パレットを、前記搬入/搬出ブロックセットから前記保管領域に移送する、出庫モード。
c.前記貨物の保管と放出に、異なる輸送経路を使用して、(i)前記搬入/搬出ブロックセットの1つを通して、当該自動貨物保管入出庫システムの外に、貨物を放出すると同時に、(ii)別の前記搬入/搬出ブロックセットを通して、新たに保管される貨物を受け入れる、交換モード。
【0022】
本発明の別の目的は、前記制御装置が、所定の判断基準に従って、前記モードを、前記入庫モード、前記出庫モード及び前記交換モードの間で切り替える、上述の自動貨物保管入出庫システムを提供することにある。
【0023】
本発明の別の目的は、前記所定の判断基準が、空虚ブロックの個数、未処理出庫要求の存否、未処理出庫要求の総数、出庫要求の平均待ち時間、未処理入庫要求の存否、未処理入庫要求の総数、入庫要求の平均待ち時間、保管領域の現在の状況、サービス領域の現在の状況、エレベータブロックの応答時間、当該自動貨物保管入出庫システムの使用履歴、からなるグループの中から選択される、上述の自動貨物保管入出庫システムを提供することにある。
【0024】
本発明の別の目的は、前記サービス領域に、少なくとも2基の前記エレベータブロックと、少なくとも2基の前記搬入/搬出ブロックセットを備えて、前記エレベータブロックの一部、又は前記搬入/搬出ブロックセットの一部、又は前記バッファの一部、あるいはこれらのいずれかの組み合わせが故障した場合であっても、前記サービス領域の運転を継続できる、上述の自動貨物保管入出庫システを提供することである。
【0025】
本発明の別の目的は、前記制御装置が、所定の判断基準に従って、未処理出庫要求を優先して、前記保管領域から前記貨物を取り出し、及び/又は、未処理入庫要求を前記保管領域へ割り付ける、上述の自動貨物保管入出庫システムを提供することにある。
【0026】
本発明の別の目的は、前記所定の判断基準が、空虚ブロックの個数、未処理出庫要求の存否、未処理出庫要求の総数、出庫要求の平均待ち時間、未処理入庫要求の存否、未処理入庫要求の総数、入庫要求の平均待ち時間、保管領域の現在の状況、サービス領域の現在の状況、エレベータブロックの応答時間、当該自動貨物保管入出庫システムの使用履歴、からなるグループの中から選択される、上述の自動貨物保管入出庫システムを提供することにある。
【0027】
本発明の別の目的は、複数の前記保管領域を備えるとともに、各保管領域に1又は複数の保管スペースを有する、上述の自動貨物保管入出庫システムを提供することにある。
【0028】
本発明の別の目的は、自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法を提供することにあって、前記サービス領域は、当該自動貨物保管入出庫システムに搬入される貨物の受け入れと当該自動貨物保管入出庫システムから搬出される貨物の取り出しを行うものである。前記方法は、以下のステップから選択されたステップからなる。
a.前記貨物を運搬する複数のパレットを供給するステップ;
b.輸送ブロック、エレベータブロック、あるいは搬入/搬出ブロックセットのいずれか一方のブロック、からなるグループから選ばれたブロックであって、所定の形状を備えて、前記貨物及び前記パレットが配置される複数のブロックをマトリクス状に配置したブロックのマトリクスを設置するステップ;
c.前記パレットを当該自動貨物保管入出庫システムの異なる領域に運搬するための、少なくとも1基のエレベータブロックを設置するステップ;
d.1基または複数基のブロックから構成されるとともに、当該自動貨物保管入出庫システムに進入して前記パレットに搭載される貨物を受け入れる手段、及び当該自動貨物保管入出庫システムから貨物を退出させる手段を備える、少なくとも1基の搬入/搬出ブロックセットを有する少なくとも1基のボックスを設置するステップ;
e.前記輸送ブロックを少なくとも1基有して、前記各領域において直交する少なくとも2方向に前記パレットを輸送可能にする、少なくとも2基のバッファを設置するステップ;
f.前記搬入/搬出ブロックセットに進入する前記貨物を受け入れて、前記パレットに搭載するステップ;
g.前記輸送ブロックを通して、前記パレットに搭載された前記貨物を当該自動貨物保管入出庫システムの前記保管領域に輸送するステップ;
h.前記貨物を当該自動貨物保管入出庫システムの前記保管領域に保管するステップ;
i.前記輸送ブロック上にあって前記パレットに搭載された前記貨物を、前記(g)ステップで使用された輸送ブロックとは実質的に異なる当該自動貨物保管入出庫システムの輸送ブロックを経由して、前記保管領域から前記サービス領域に輸送するステップ;
j.前記貨物を当該自動貨物保管入出庫システムの前記搬入/搬出ブロックセットから放出するステップ;
また、前記輸送、放出及び受け入れステップは連続的に実行され、ある貨物が当該自動貨物保管入出庫システムに受け入れられると同時に、ある貨物が当該自動貨物保管入出庫システムから取り出されることができ、前記パレットに搭載された前記貨物を前記保管領域から前記サービス領域に輸送するステップ(i)は、前記(g)ステップで使用された輸送ブロックとは実質的に異なる輸送ブロックを使って実行される。
【0029】
本発明の別の目的は、前記輸送ステップが、前記パレットを昇降して当該自動貨物保管入出庫システムの各領域に輸送するステップを有する、上述の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法を提供することにある。
【0030】
本発明の別の目的は、前記エレベータブロックの一部、又は前記搬入/搬出ブロックセットの一部、又は前記バッファの一部、あるいはこれらのいずれかの組み合わせが故障した場合であっても、前記サービス領域の運転を継続するステップを更に備える、上述の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法を提供することにある。
【0031】
本発明の別の目的は、前記バッファ及び/又は前記エレベータブロックを前記貨物の一時的保管に使用するステップを更に備える、上述の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法を提供することにある。
【0032】
本発明の別の目的は、前記パレットにより多くの輸送経路を与えて、前記パレットの輸送能力が向上するように、前記エレベータブロックに複数の方向の入出扉を備えるステップを更に備える、上述の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法を提供することにある。
【0033】
本発明の別の目的は、少なくとも2基の前記エレベータブロックと、少なくとも2基の前記搬入/搬出ブロックセットを設置するステップを更に備えて、1基の前記エレベータブロックと1基の前記搬入/搬出ブロックセットが故障した場合であっても、前記サービス領域の運転を継続できる、上述の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法を提供することにある。
【0034】
本発明の別の目的は、前記パレット、前記エレベータブロック及び前記搬入/搬出ブロックセットの動作を制御するステップを更に備える、上述の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法を提供することにある。
【0035】
本発明の別の目的は、前記パレット、前記エレベータブロック及び前記搬入/搬出ブロックセットが各個独立して動作するステップを更に備える、上述の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法を提供することにある。
【0036】
本発明の別の目的は、長方形、円形、三角形、2次元又は3次元形状、及び各種の寸法・形状あるいは形式の規則的あるいは不規則な多次元形状からなるグループの中から選択される前記ブロックの前記所定の空間を選択するステップを更に備える、上述の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法を提供することにある。
【0037】
本発明の別の目的は、前記各ブロックの形状が実質的に相違するように選択するステップを更に備える、上述の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法を提供することにある。
【0038】
本発明の別の目的は、前記サービス領域を、下記のモードからなるグループから選択されたモードで運転するステップを更に備える、上述の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法を提供することにある。
a.(i)前記貨物を前記搬入/搬出ブロックセットの中に受け入れて、前記複数の輸送ブロックを経由して、前記貨物を、前記エレベータブロックを通して当該自動貨物保管入出庫システムの前記保管領域に移送し、(ii)実質的に異なる輸送ブロックを経由して、空パレットを、前記エレベータブロックを通して前記搬入/搬出ブロックに返送する、入庫モード。
b.(i)当該自動貨物保管入出庫システムの前記保管領域から前記複数の輸送ブロックを経由して、前記搬入/搬出ブロックセットを通して、当該自動貨物保管入出庫システムの外に、貨物を連続的に放出し、(ii)実質的に異なる輸送ブロックを経由して、空パレットを、前記搬入/搬出ブロックセットから前記保管領域に移送する、出庫モード。
c.前記貨物の保管と放出に、異なる輸送経路を使用して、(i)前記搬入/搬出ブロックセットの1つを通して、当該自動貨物保管入出庫システムの外に、貨物を放出すると同時に、(ii)別の前記搬入/搬出ブロックセットを通して、新たに保管される貨物を受け入れる、交換モード。
【0039】
本発明の別の目的は、所定の判断基準に従って、前記モードを、前記入庫モード、前記出庫モード及び前記交換モードの間で切り替えるステップを更に備える、上述の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法を提供することにある。
【0040】
本発明の別の目的は、前記所定の判断基準を、空虚ブロックの個数、未処理出庫要求の存否、未処理出庫要求の総数、出庫要求の平均待ち時間、未処理入庫要求の存否、未処理入庫要求の総数、入庫要求の平均待ち時間、保管領域の現在の状況、サービス領域の現在の状況、エレベータブロックの応答時間、当該自動貨物保管入出庫システムの使用履歴、からなるグループの中から選択するステップを更に備える、上述の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法を提供することにある。
【0041】
本発明の別の目的は、所定の判断基準に従って、未処理出庫要求を優先して、前記保管領域から前記貨物を取り出し、及び/又は、未処理入庫要求を前記保管領域へ割り付けるステップを更に備える、上述の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法を提供することにある。
【0042】
本発明の更に別の目的は、前記所定の判断基準を、空虚ブロックの個数、未処理出庫要求の存否、未処理出庫要求の総数、出庫要求の平均待ち時間、未処理入庫要求の存否、未処理入庫要求の総数、入庫要求の平均待ち時間、保管領域の現在の状況、サービス領域の現在の状況、エレベータブロックの応答時間、当該自動貨物保管入出庫システムの使用履歴、からなるグループの中から選択するステップを更に備える、上述の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法を提供することにある。
【0043】
本発明の最後の目的は、当該自動貨物保管入出庫システムに前記貨物を連続的に受け入れるとともに、当該自動貨物保管入出庫システムから前記貨物を連続的に放出するステップを更に備える、上述の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法を提供することにある。
【0044】
本発明は、様々な修正と代替的形態が可能だが、ここでは、特定の実施形態を例に取り上げて、図示し、詳細に説明する。しかしながら、このことは、本発明が開示された特定の形態に限定されることを意図するものではなく、逆に、添付の請求の範囲で定義される本発明の精神と範囲に属する全ての修正物、等価物および代替物が、本発明に包括されることを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本発明を理解するために、また本発明が実際にどのように実施されるかを知るために、単なる非限定的な例として、これらを反映した実施形態が記載される。これらの記載は、本発明を使用するに当たっての唯一の選択肢、あるいは最適な選択肢として扱ってはならない。該記載は、以下に説明する図面とともに参照される。
【0046】
【図1】図1(A)と図1(B)は、サービス階(「階X」)と保管階(「階S」)を三次元で示す図である。
【図2】図2(A)と図2(B)は、ボックス、エレベータおよびバッファ(「バッファ1」、「バッファ2」)領域を表示して、本発明の実施形態に係るサービス階(「階X」)を示す図である。
【図3】図3(A)は、パレットに輸送機構を備えないで、フロアに輸送機構を備える構成を示す図である。図3(B)は、パレットに自動輸送機構を備え、フロアに輸送機構を備えない構成を示す図である。図3(C)は、パレットに自動輸送機構を備え、フロアにも自動輸送機構を備える構成を示す図である。これらの機構は、互いに協同して作用する。図3(D)は、パレットが輸送機構を備えないで、フロアも輸送機構を備えない構成を示す図である。必要に応じて所望の位置に到達する別体の機構が存在する。この機構は、パレットをブロック間で輸送するために使用される。図3(E)、(F)、(G)、(H)は、車両を保持する別のパレット(上記参照)を示す図である。図3(I)、(J)、(K)、(L)は、ボックスや貨物を保持する別のパレット(上記参照)を示す図である。
【図4】図4(A)と図4(B)は、別の構造のブロックを示す図である。図4(A)では、ブロックに輸送機構を備え、図4(B)では、ブロックは機構を備えないフロアから構成される。図4(C)は、輸送機構を備えないパレットを、輸送機構を備えるブロック間で輸送する状態を示す図である。図4(D)は、輸送機構を備えるパレットを、輸送機構を備えないブロック間で輸送する状態を示す図である。
【図5】図5(A)と図5(B)は、パレットが直交方向に輸送される方法を示す図である。
【図6】図6(A)と図6(B)は、複数のブロックから組み立てられたサービス階の最小領域を示す図である。
【図7】図7(A)ないし図7(C)は、ボックスとそれに隣接するブロックとの間での輸送を示す図であり、矢印は輸送方向を示している。
【図8】図8(A)ないし図8(C)は、エレベータとそれに隣接するブロックとの間での輸送を示す図であり、矢印は輸送方向を示している。
【図9】図9(A)ないし図9(D)は、サービス階の別の実施形態であって、その中に別の経路が存在することを示す図である。
【図10】図10(A)と図10(B)は、1つのブロックとそれに隣接する複数のブロック(バッファ、エレベータおよびボックスを含む)との間での輸送を示す図である。
【図11】図11(A)と図11(B)は、入庫モードでのサービス階を示す図であり、車両を載置したパレットを、バッファ(「バッファ1」)を経由してエレベータ方向に輸送する順序を示していて、該車両は、その後エレベータによって保管階に輸送される。
【図12】図12(A)と図12(B)は、出庫モードでのサービス階を示す図であり、車両を載置したパレットを輸送する順序を示しており、該パレットは、該車両を利用客に送出するために、保管階からサービス階に運ばれる。
【図13】交換モードにおけるサービス階を示す図であり、利用客の搬出要求に応じて車両を出庫する順序と保管施設内に車両を入庫する手順を示している。
【図14】図14(A)ないし図14(D)は、システムの一要素に故障がある場合でも、操作できるシステムを示す図である。
【図15】3種の市場セグメントA、BおよびCにおいて、入庫、出庫、交換および収容の4種のモードを使用する例を示す図である。
【図16】システム(保管階とサービス階)と貨物の列の状態を考慮しながら、該システムと論理が、モード間で切り替えを行う指針を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明の全ての章について、以下のような説明を与えて、当業者なら誰でも本発明を利用できるようにし、発明者によって考えられたこの発明を実施する最良の態様を明らかにする。先進的モジュールと汎用的なマトリクス様式を備える自動駐車・保管システムを開示するために、本発明の一般的な原則を具体的に定義しているので、これに種々の修正を加えることが可能であることは、当業者にとって明らかであろう。以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を促すために、多くの具体的詳細事項が示されている。もっとも、これらの具体的詳細事項によらなくても、このような実施形態を実施できることは、当業者に理解されるであろう。本明細書の全体において、「一実施形態」や「実施形態」に関連するということは、その実施形態について説明された、特定の特徴、構造あるいは特性を、本発明の少なくとも1つの実施形態が備えることを意味している。したがって、本明細書の全体において、様々な場所において「一実施形態」や「実施形態」という語句が現れた場合は、全てが同一の実施形態や発明を指すとは限らない。また、1または複数の実施形態において、特定の特徴、構造あるいは特性が、任意の適切な方法で組み合わされることがある。なお、「〜からなる」、「〜を含む」、「〜を有する」などの表現は、同義であることを意図している。
【0048】
以下において、「交換モード」という用語は、図13で説明されるモードを指している。
【0049】
以下において、「入庫モード」という用語は、図11で説明されるモードを指している。
【0050】
以下において、「出庫モード」という用語は、図12で説明されるモードを指している。
【0051】
以下において、「複数」という用語は、1と等しいか1より大きな任意の整数、例えば、2〜10、特に2〜4を指している。
【0052】
以下において、「貨物」という用語は、入庫、保管および出庫される対象物を指している。好適な実施形態では、前記貨物は車両のことである。
【0053】
以下において、「パレット」という用語は、貨物を保持する台を指している。該パレットには、該パレットを動かす輸送手段が備えられてもよい。パレットは、前記パレット上に配置された貨物を、ある位置から他の位置に輸送する。
【0054】
以下において、「ブロック」という用語は、前記保管システムを構築するモジュールユニットを指している。該モジュールユニットは、パレットに搭載され、あるいはパレットから荷卸しされる貨物を保管するのに十分な広いスペースを有する。また、パレット、貨物、あるいは貨物を保持したパレットは、該モジュールユニットから隣接するブロックまで輸送されることができる。
【0055】
以下において、「エレベータ」という用語は、異なる階の間で、あるいは同一の階の中の異なる領域の間で、動作する保持スペースを指している。前記動作は、少なくとも2つの階の間の、垂直又は水平方向の動作であってもよい。
【0056】
以下において、「バッファ」という用語は、駐車システム内の占有されていないブロックであって、一般に、貨物や空きパレットを輸送するために用意されるブロックを指す。前記バッファは、場合によっては、当該バッファ内に貨物を一時保管するために使用されてもよいことに注目すべきである。
【0057】
以下において、「ボックス」という用語は、1または複数のブロックの組を指している。複数のブロックが1つのボックスを構成する場合、それらのブロックは隣り合っている。システムの外部から車両を入庫/出庫するボックスもある。
【0058】
以下において、「サービス階」という用語は、保管・駐車施設から、貨物を入出庫する物流操作を行う保管または駐車施設のフロアを指している。
【0059】
以下において、「保管階」という用語は、貨物を保管する保管・駐車施設のフロアを指している。
【0060】
以下において、「階」という用語は、建物の物理的に分離されたフロア、又は別個の領域を指している。
【0061】
以下において、「異なる階」という用語は、物理的に分離された実質的に異なる2つの階、又は2つの別個の領域を指している。
【0062】
本発明によれば、貨物や他の対象物の保管に適した自動入出庫システムに、サービス階がもたらされる。該システムは、マトリクス状に配置された複数のブロックを基礎としていて、該ブロック上をパレットが、貨物を載せてあるいは載せないで移動する。
【0063】
前記パレットは、貨物を載置して保管し、前記システムから貨物を出庫するために下ろし、あるいは、これらの操作の1つを実行する途上にあって、空の状態で動いたりする。マトリクスに基づいて前記システムを配置することは、顕著な特徴の1つである。前記システムの全部又はほとんどは、複数のブロックで占有されている。前記パレットは、以下において前後および左右と呼ばれる直交2方向のいずれかに動いて、所定のブロックから、当該所定のブロックに隣接していて、占有されていないいずれかのブロックまで、(パレットあるいはブロックのいずれかに組み込まれた駆動手段によって)輸送されることができる。
【0064】
特殊な「バッファ」又は輸送経路が用意されて、空きパレット又は積載パレットを保管領域へ、あるいは保管領域から運搬する。なお該保管領域は、例えば、建物の異なるフロアに配置される。これらのバッファは、保管領域への、又は保管領域からの運搬途上にある貨物に輸送経路を提供するという点に限れば、従来の駐車場内の運行経路に類似している。しかしながら、従来の駐車場とは違って、前記バッファはモジュールユニットに完全に分割されていて、直交する4方向のいずれか一方向にパレットを輸送でき、あるいはこのような輸送が許されるように、特定のユニットのそれぞれを操作することができる。また、該バッファは数学的に正確なグリッド状に配置される。
【0065】
上述したように、本発明は、サービス階、又は言い替えれば、貨物を入出庫する階に関する。
【0066】
貨物を入庫、出庫、あるいは交換する(つまり、交換モード)手順を、それぞれ異なった手順で構成できることは、前記システムの主な利点の1つである。前記貨物の入庫、出庫あるいは交換は、効率が高く迅速な連続操作によって実行される。
【0067】
さらに、本発明によれば、システムの部品の1つに技術的な故障(あるいは他の何らかの故障)が生じた場合であっても、前記システムをほぼ完全に運転できる。言い替えれば、1個の部品の故障によって、システム全体が無効となることがない。
【0068】
本発明のある実施形態によれば、パレットは独立して、あるいは、貨物を保持、輸送、保管、入出庫する前記システムの他の部品と協同して使用される。前記パレットは、前記システムに一体化された機械的、電気機械的あるいはロボット式の輸送機構(図3(A)、(E)、(I)参照)を備えても良いし、あるいは、パレットに結合可能だか、パレットと不可分に結合されてはいない機構であってもよい(図3(B)、(F)、(J)参照)。前記貨物は、箱、商品、車両あるいはその他諸々であってもよい。前記輸送機構によって、前記パレットは直交する2方向に動くことができる。直交する2方向に動くことができるので、各パレットを、サービス階の中にあるブロックから他のブロックに移動させることができる。これにより、各パレットを、いずれか任意のブロック、エレベータまたはボックスまで、動かすことができる。
【0069】
サービス階は、少なくとも4個のブロックからなり、最小2×2(長さ×幅)のマトリクス状に配置され、該マトリクスには、ボックス、エレベータおよびバッファが含まれる。前記システムは以下を含んでいる。
a.前記サービス階から少なくとも1つの保管階までパレットを輸送する、少なくとも1基のエレベータ。
b.少なくとも1つのボックスの外側部が前記施設の外壁に位置するように配置された少なくとも1つの搬入/搬出ボックス(以下「ボックス」)。前記ボックスは、少なくとも2つの隣接するブロックからなる。
c.少なくとも2つのバッファであって、各バッファは、(パレット上の)貨物あるいは空きパレットを、直交する少なくとも2本の軸に沿って、あるブロックから別のブロックまで運搬できる。
【0070】
本発明のある実施形態によれば、前記サービス階は、少なくとも1つのボックスを含む。前記ボックスは、前記サービス階上の一領域であり、前記サービス階では、パレットを積載又は非積載のいずれの状態にもできる。例えば、該システムの使用者が、自分の車を駐車させたい時は、前記ボックス内に配置されたパレット上に車を乗り入れて、当該車から当該使用者が下車すると、当該車は、前記パレットによって保管場所まで輸送される。
【0071】
本発明のある実施形態によれば、1つのボックスを形成する複数のブロックは、(各ブロックが矩形であると仮定すると)前記ボックス内の各ブロックの長辺の一方が、前記ボックスの一部である他のブロックの長辺に隣接するように配置される。前記ボックスは、前記ブロックを活用して、前記ボックスに隣接する少なくとも2つのブロックの何れか一方まで、前記パレットを輸送できる(図7参照)。
【0072】
本発明のある実施形態によれば、前記システムは、サービス階から1つのエレベータに、又は1つのエレベータからはサービス階に、接近できるように、少なくとも1つのエレベータブロックを備えてもよい。「エレベータ」と呼ばれるブロック(以下、「エレベータ」)は、該エレベータ用に用意される場所、あるいは2つの異なる階(例えば、サービス階と保管階)または異なる階にある少なくとも2つの領域を接続する何らかの種類の機構のことである。
【0073】
本発明のある実施形態によれば、以下で例示される特定の状況下では、他のブロックと同様に、前記エレベータはブロックと呼ばれ、前記エレベータによれば、サービス階内で、垂直な(直交する)少なくとも2方向への輸送が可能になる(図8参照)。
【0074】
本発明のある実施形態によれば、前記システムは、少なくとも2つのバッファブロック(以下、「バッファ1」、「バッファ2」)を備えてもよい。該ブロックの一方は空きパレットの輸送に使用され、他方は積載パレットの輸送に使用される。前記バッファによれば、他のいずれかのブロックと同様に、サービス階内の直交する2方向のいずれか1方向への輸送が可能になる(図9参照)。
【0075】
本発明のある実施形態によれば、特定の状況下では、前記バッファブロックを、ボックスからエレベータまで、あるいはその逆方向に輸送される1枚のパレット(あるいは複数のパレット)を一時的に、つまり短時間保管するために使用することができる。以下にさらに詳細に記載されるように、前記バッファがこのように使用されている間、前記ボックスと前記エレベータの間で、パレットの同時作動に対する依存性と必要性を低減できるので、前記システムの効率は改善され、あるいはさらに該システム改善されて簡潔となる。
【0076】
本発明のさらなる実施形態によれば、他の状況下では、以下にさらに詳細に記載されるように、前記バッファブロックを保管ブロックに置き換えることができる。
【0077】
本発明のある実施形態は、1つのサービス階と複数の保管階の種々の運転態様を制御するシステムおよび論理に関し、該運転態様は、前記保管階がサービス時間モードにある間に、サービス階を入庫モードで運転できる。該モードでは、(いくつかの実施形態によれば、サービス階に配置されるボックスの数は、1以上であって、幾つであってもよいが、2つのボックスがあると仮定すると)「バッファ1」および「バッファ2」を使用すれば、サービス階の双方のボックスに、短時間に大量の貨物を受け入れることができる。
【0078】
入庫モードは、(バッチのような方式で)貨物をボックスに次々に受け入れ、更に該ボックスからエレベータを通って保管階まで受け入れることを目的としている。ボックスから少なくとも1つのバッファを通ってエレベータに受け入れた貨物を輸送して、該貨物を前記保管階まで輸送し、そして、同じエレベータから少なくとも1つのバッファを通り、但し異なる経路を経由して、同じボックスまで空きパレットを輸送する選択肢がある。これらの2つの経路では、実質的に共通のバッファが用いられることはない。前記異なる経路によって、貨物の積み下ろしを同時かつ効率的に行うことができる。入庫モードでは、例えば、市場セグメントAおよびBに対して、短時間に大量に貨物を入庫できる(図16参照)。
【0079】
本発明のある実施形態は、サービス階および保管階の種々の運転態様を制御するシステムおよび論理に関し、該運転態様は、前記保管階がサービス時間モードにある間に、前記サービス階を出庫モードで運転できる。該出庫モードでは、「バッファ1」および「バッファ2」を使用している間に、ランダムな出庫要求を考慮しながら、サービス階の双方のボックスから短時間に大量の貨物を送出できる。入庫および出庫モードは、以下で更に詳細に示される。
【0080】
本発明のある実施形態によれば、前記パレットは、下記の少なくとも2つの状態のいずれか1つの状態を取ることができる。
(a)空き状態−前記パレットは貨物を保持しない(図3(A)、(B)、(C)および(D)参照)。
(b)積載状態−前記パレットは1つの貨物を保持するか(図3(E)、(F)、(G)および(H)参照)、1または複数の貨物を保持する(図3(I)、(J)、(K)および(L))。
【0081】
本発明のある実施形態によれば、前記システムは、貨物の入出庫や、保管領域からの運搬途上にある貨物の輸送を含む、物流操作に特化したサービス階を備える。一般に、1または複数の保管階が、前記サービス階と組み合わされて、貨物の保管が可能になる。
【0082】
さて、図1(A)と図1(B)に、サービス階401と保管階402の一例を示す。ここに示された形態の全ては例示であり、前記サービス階は任意の大きさ(例えば、マトリクスの大きさは任意であって、i行j列の大きさに決められていても、図9(D)に示されたような不規則な寸法あってもよい)及び形状であっても良いことが強調される必要がある。
【0083】
前記サービス階において、バッファ701、ボックス501とエレベータ601が図中に示されている。エレベータ601は、保管/駐車施設の異なる階を繋いでいる。図1(A)と図1(B)では、エレベータ601は、ある階から他の階まで垂直に動く。しかしながら、エレベータ601は、1つの階において、一領域から他の領域まで水平に動作してもよいことに注意されたい。
【0084】
この例では、「ボックス」は2基の隣接するブロック(参照番号201で示す)を組み合わせたものである。2基のブロックは1基のボックスに集められて、1基の機能ユニットをなす。例えば、1基のブロックの幅が、車両の平均幅の予想値である場合に、2基のブロックが隣接していれば、車両の乗員が当該車両から降りて、当該車両を非積載状態にすることなどができる。
【0085】
図1(A)と図1(B)に示す前記システムの実施形態は異なっている。図1(A)には、2基のボックスがあり、図1(B)には、1基のボックスがある。
【0086】
さて、図2(A)と図2(B)に示すように、サービス階には、ボックス501、エレベータ601およびバッファ(「バッファ1」702、「バッファ2」703)領域がある。
【0087】
「バッファ1」702は、貨物を載せたパレットに使用される。また、「バッファ2」703の周辺は、「バッファ2」703が空きパレット専用のバッファとして使用されるように設計される。積載パレットは貨物を載せているので、通常は、バッファ2のブロック上では動かない(後述するように、特定の状況下では、該ブロック上で動く場合もある)。このように、「バッファ1」702によれば、積載パレットを前記保管階まで到達させる経路が構成され、「バッファ2」によれば、前記保管階から空きパレットを戻す経路が構成される。ボックス501は、荷積み/荷卸しステーションとして機能する。
【0088】
前記システムでは、複数のボックスが使用されると好ましい。該ボックスは、前記システム外部からの貨物を荷積み・荷下ろしするために、前記サービス階のエレベータ周辺の領域に配置される。例えば、図2(A)では、2基のボックス501が用いられており、図2(B)では、1基のボックスが用いられている。複数のボックスを用いる利点は、エレベータをより効率的に使用できることにある。エレベータの典型的な特徴は、その動作サイクルが、典型的な保管サイクルに要する時間(つまり、前記エレベータからパレットの保管位置までパレットの貨物を輸送し、該保管位置で前記パレットから貨物を下ろし、前記エレベータに前記パレットを戻すのに要する時間)よりも早いことにある。
【0089】
本発明の別の実施形態によれば、複数のボックスを備えることによって冗長性が生じ、信頼性が向上し、システムの故障対応能力が向上する。例えば、2基のボックスを備えていれば、1基のボックスが作動しなくなってもシステムを継続して運転できる。例えば、ボックスの1基が故障していても、全ての貨物は他のボックス(3基以上のボックスを備えていれば、他の複数のボックス)によって放出される。この解決手段は単なる例示であって、本発明の範囲を限定するように解釈されるものではない。
【0090】
図3(A)には、輸送機構を備えないパレット801を図示している。この場合は各ブロック201のフロアに輸送機構を備えている。図3(B)には、パレットに自動輸送機構を備え、フロアには該機構備えない例を図示している。図3(C)には、パレットに自動輸送機構を備えると共に、フロア(例えば、ブロック201)も輸送機構を備える例を図示している。これらの輸送機構は互いに協同して動作する。図3(D)には、パレットが自動輸送機構を備えないで、フロアも自動輸送機構を備えない例を図示している。この場合は、別体の輸送機構を備えて、該輸送機構は必要な場合に所定の場所に送られる。この機構は、ブロックの間において、パレットを輸送するために使用される。図3(E)、(F)、(G)、(H)には、貨物を保持する各種のパレット(上記参照)を図示している。図3(I)、(J)、(K)、(L)には、複数の箱や貨物を保持する各種のパレット(上記参照)を図示している。
【0091】
さて、図4(A)と図4(B)には、ブロック201の実現可能な具体例を2種類、図示している。図4(A)の例では、前記ブロックが輸送機構を備えて、図4(B)の例では、前記ブロックは機構を備えないフロアを構成している。図4(C)には、輸送機構を備えたブロックの間で、機構を持たないパレットを輸送する状態を図示している。図4(D)には、輸送機構を備えないブロックの間で、機構を備えたパレットを輸送する状態を図示している。
【0092】
また、図5(A)と図5(B)には、ある位置から別の位置までパレットを直交する2方向に輸送する手順の1つを図示している。
【0093】
また、図6(A)には、ブロック201から構成されるサービス階の最小の領域を図示している。前記最小の領域は、長さ方向と幅方向のそれぞれに、ブロック201を2基備えている。図6(B)には、サービス領域から貨物を輸送する経路と、サービス領域まで貨物を輸送する経路の、2通りの経路が図示されている。第1の経路では、貨物は、保管階から(エレベータ601を経由して)、バッファ701を経由してサービス領域内のボックス501まで輸送される。該第1の経路は矢印付点線62で示されている。第2の経路では、貨物は、サービス領域内のボックス501からバッファ701を経由し、さらにエレベータ601を経由して保管階まで輸送される。該第2の経路は矢印付実線61で示されている。両図から明らかなように、各貨物は直交する2方向に輸送されることができる。また、保管経路と出庫経路は互いに重なることがなく完全に独立していて、同時に運転できることに注意されたい。
【0094】
さて、図7(A)ないし図7(C)には、ボックス501とそれに隣接するブロック201(あるいはバッファ701又はエレベータ601)の間の輸送態様を図示している。矢印(参照番号71で示す)は、パレット801の輸送方向を示している。図7Aでは、パレット801はボックス501の中心部にあって、前記ボックスを構成する2基のブロックに跨っている。ボックス501は隣接する2基のブロックから構成されている。全ての場合において、ボックス501の側面の1つがサービス階の外縁に隣接していることが分かる。図7(A)は、サービス階が4×2のブロックのマトリクスで構成される実施形態を示し、図7(B)は、サービス階が2×2のブロックのマトリクスで構成される実施形態を示し、図7(C)は、サービス階が5×2のブロックのマトリクスで構成される実施形態を示している。図7(C)では、前記ボックスが3基のブロックで構成されていることに留意されたい。
【0095】
また、図8(A)ないし図8(C)には、エレベータ601とそれに隣接するブロック201(あるいはバッファ又はボックス)の間のパレットの輸送態様を図示している。矢印(参照番号81で示す)は、パレット801の移動方向を示している。本発明の好適な実施形態によれば、エレベータ601によって、直交する2方向にパレットを動かすことができることを強調する必要がある。図8(A)は、サービス階が2×2のブロックのマトリクスで構成される実施形態を示し、図8(B)は、サービス階が3×3のブロックのマトリクスで構成される実施形態を示し、図8(C)は、サービス階が6×3のブロックのマトリクスで構成される実施形態を示している。また、図8(C)は、2基のエレベータを備える実施形態を示している。
【0096】
図9(A)ないし図9(D)には、サービス階にバッファ701が点在する例を示している。図9(A)は、システムの最小構成を示していて、該システムは、2基のブロック201と1基のエレベータ601と1基のボックス501から構成される。図9(B)は、4×2のブロックが相対配置されて構成されたシステムを示している。また、図9(B)には、貨物を入出庫する2通りの経路が示されている。第1の経路(矢印付実線で表示)は、保管経路であり、システムの外部からボックス501に入庫されて、バッファ701を経由してエレベータ601に運ばれる。第2の経路(矢印付点線で表示)は出庫経路であって、貨物はそこを通って(つまり、保管階からエレベータ601を経由してサービス階まで運ばれ、そこからバッファ701を通ってボックス501まで運ばれて)、前記システムの外部に搬出される。図9(C)は、2基のボックスを使用する実施形態を示している。2基のボックスを使用することによってシステムの効率が向上する。また、該システムを冗長の高いものに変えて、ボックスのひとつが故障してもシステムの運転が停止しないようにする。
【0097】
さて、図10(A)と図10(B)には、1基のブロックとそれに隣接する複数のブロック(バッファ701、エレベータ601およびボックス501からなる)間のパレット801の輸送態様が示されている。矢印は輸送方向を示している。1基のバッファが複数の経路の一部を構成してもよいことを強調する必要がある。該複数の経路は同一のモード(例えば、出庫経路や保管経路)でなければならない。
【0098】
また、図11(A)と図11(B)は、入庫モードにあるサービス階を示して、貨物を搭載したパレットを輸送する順序(矢印付実線参照)を示している。すなわち、該パレットは、バッファ(「バッファ1」702)を通ってエレベータ601に向かい、その後、前記エレベータで保管階に輸送される。同じ図に、空きパレットの輸送順序(矢印付破線参照)も示している。該空きパレットは、貨物を搭載したパレットと入れ替わりに、エレベータ601を経由して、保管階からサービス階に到達する。前記空きパレットの経路は、前記エレベータから「バッファ1」712または「バッファ2」703を通ってボックス502、503に向かっている。図11に示すように、また本発明のある実施形態によっては、サービス階に2基のボックスを備えてもよい。また、前記輸送循環経路が「衝突領域」(図12(B)参照)において互いに重なるようにしてもよい。
【0099】
本発明のある実施形態では、前記2通りの循環経路のそれぞれが、衝突領域内において、異なる運転モードを実行するように管理することができる。前記ボックスの一方で新たに入庫される貨物の受け入れを開始する時に、他方のボックスは、別の動作、例えば貨物の輸送の途中にある。これにより、両ボックスから全くあるいは殆ど阻害されずに、貨物をエレベータまで輸送する機会がパレットに与えられる。また、全くあるいは殆ど阻害されずに、2つのボックスに到達する機会が、貨物を搭載したパレットと入れ替わりに、同じエレベータからサービス領域に到達した空のパレットに与えられる
【0100】
前記システムの実益の1つは、前記貨物をボックスに受け入れると、即座に又は極短時間の間に、前記貨物が前記バッファに輸送されて前記エレベータを待つのと同時に、別の空きパレットが前記ボックスに入るということである。つまり、前記ボックスは、実質的に短時間の間に、次の貨物を受け入れる準備を整え、これを繰り返すのである。この解決手段は、単なる例示であって、本発明の範囲を限定するものとして解釈してはならない。
【0101】
図12は、出庫モードにあるサービス階を図示するものであり、利用客に引き渡するために、前記保管階から前記サービス階に送出される貨物を積んだパレットを輸送する順序(矢印付実線参照)を示している。前記パレットの輸送経路は、エレベータ601から始まって、「バッファ1」702を通ってボックス502、503方向に進み、ボックス502、503から前記貨物を送出して終了する。同じ図面に、ボックス502、503内で放出される空きパレットの輸送経路(矢印付破線参照)が図示されている。該空きパレットは、ボックス502、503から(常に)「バッファ1」712と(時に)「バッファ2」703を経由して、エレベータ602まで輸送され、その後、保管階から到着する貨物を積載したパレットと入れ代わりに、保管階に輸送される。積載パレットと空きパレットの循環経路は、「衝突領域」(図13(B))で互いに重なっていて、この領域では、前記循環は異なる段階で進行している。
【0102】
前記システムは柔軟性を有するので、前記ボックスの一方で貨物の放出が始まるときに、他方のボックスがパレットに対する荷積み/荷下ろし動作の途中にあるようにすることができる。これにより、該パレットは、双方のボックスから阻害されずに、貨物を前記エレベータまで運搬できる。積載パレットと入れ替わりに、同じエレベータを経由して保管階に戻った空きパレットも、全くあるいは殆ど阻害されずに、目的地まで達することができる。この結果、貨物が放出されると、即座に又は極めて短時間の間に、空きパレットがバッファを離れ、それと実質的に同時に、出庫される貨物を積んだ別のパレットが前記ボックスに進入することができ、これが繰り返される。
【0103】
さて、図13は、交換モードにあるサービス階を図示するものであり、利用客の出庫要求に応じて貨物を送出する順序と、保管施設内に貨物を受け入れる順序が示されている。以下に詳述するように、本発明のある実施形態にあっては、前記施設において、貨物の出庫要求と入庫要求が同時に生ずる場合に、前記システムは、出庫要求された貨物と施設への入庫を要求する貨物の1つを交換するようにして、前記施設から出庫する貨物の輸送に使用されるのと同じパレットに、入庫する貨物を載せることができる。保管階には、空きパレット802‥‥809があって、前記システムの論理機構は、取り出す貨物を呼び出す代わりに、空きパレットを呼び出すことができる。
【0104】
図13に図示した運転順序は、以下の通りである。
(a)積載パレットが、前記保管階からエレベータを経由して前記サービス階に到着する。
(b)到達した積載パレットは、「バッファ1」を経由して前記エレベータに隣接するブロックに輸送され、そこから前記ボックスに隣接する「バッファ1」のブロックに進み、そこから前記ボックスに輸送される。前記貨物が運搬される流れの方向が計算されていて、そのため、前記貨物はその正面を該施設から離れる方向に向けて、前記ボックスから引き出されることに注目する必要がある。
(c)前記貨物が前記ボックスから送出されると、新たな貨物を駐車列から空きパレットに搭載する。
(d)運転者と乗客は、前記ボックスを通って、サービス領域(なお、前記システムが駐車施設であれば、ボックスの幅を2倍にすると、前記貨物から離れるのに適した付加的なスペースを提供が得られるので、都合がよい)に出入りし、自分の貨物(例えば、車)をそこに置き、又は、そこで自分の貨物を受け取って取り出す。そして、入庫された貨物を載せたパレットは、前記ボックスから「バッファ1」に輸送され、さらに、そこからエレベータ601まで輸送される。
(e)入庫された貨物を載せたパレットはエレベータまで輸送され、さらに、該エレベータによって、保管階、例えば、次に送出される貨物が搬出される保管階まで輸送される。
保管貨物を載せたパレットは、前記保管階において、出庫要求された貨物を載せたパレットと交換される(出願番号PCT/IL2006/000589「自動保管・出庫システム」におけるサービス時間モードを参照)。
以上で、サイクルは完了して、前記システムは始点に戻る。
【0105】
本発明のある実施形態によれば、前記システムが完全に動作していて、特殊な運転モード(例えば、2基のボックスがあって、その一方が不調である場合に実施される運転モード)を要する状況にない時は、前記施設から出庫される貨物、特に車両は、車両正面が外側を向くように搬出され、利用客が施設から容易に離れられるように用意される。
【0106】
本発明のある実施形態によれば、この正面を向ける機能を前記システムに与えるために、前記施設内に入庫される物品のそれぞれについて、前記貨物が前記システム内に入庫されると、当該物品が正面を向く方向が記録される。
【0107】
一方で入庫した貨物を運び、他方で貨物を送出する積載パレットの循環経路は、「衝突領域」で互いに重なっていて、この領域では、前記循環は、異なる段階で進行している。
【0108】
異なる段階とは、前記ボックスの一方で貨物の出庫を開始するときに、他方のボックスはある動作の途中にあることを意味し、これにより、全くあるいは殆ど阻害されずに、出庫貨物を前記エレベータから双方のボックスに達するように運搬する機会が前記パレットに与えられ、また、全くあるいは殆ど阻害されずに、入庫した貨物をエレベータに達するように運搬する機会が前記パレットに与えられる。
【0109】
前記システムのこの特徴によって、貨物を送出した後、実質的に即座に又は極めて短時間の間に、別の貨物が同じパレット上に搭載されて、前記パレットは、実質的にその後即座に又は極めて短時間の間に、前記バッファに進み、さらにそこから前記エレベータまで進む。前記パレットから前記貨物が分離されるのと実質的に同時に、出庫する貨物を載せた別の送出用パレットが前記ボックスに進入し、これは繰り返す。
【0110】
この解決手段は、単なる例示であって、本発明の範囲を限定するものとして解釈してはならない。
【0111】
図14(A)は、ボックス501からエレベータ601に(さらに、そこから保管階に)進入する貨物の循環経路(矢印付実線参照)を図示している。前記図面は、貨物が保管階からサービス階に(エレベータ601を経由して)搬出され、そこからバッファ701を経由してボックス501に搬出される出庫経路(矢印付破線参照)も図示している。また、図14(B)は、1基のバッファ711が故障したときに実施可能な運転態様を図示している。図から分かるように、前記システムは運転を継続している。換言すれば、前記システムには余力があり、両経路(入庫貨物および出庫貨物)が共存している。ボックス501からエレベータ601に(さらに、そこから保管階に)至る入庫経路(矢印付実線参照)は、依然として機能している。また、出庫経路(矢印付破線参照)では、貨物が保管階からサービス階に(エレベータ601を経由して)搬出され、該貨物はそこからバッファ701を経由してボックス501に進む。
【0112】
図14(C)は、2通りの経路を備えるシステムの通常の態様を、再度図示している。図14(D)は、1基のボックス511が故障した状態を示している。ここでも、図から分かるように、前記ボックスが運転不能であるにもかかわらず、2つの経路は共存している。前記各図には、特定の課題を実行する通常の運転方法と、前記ボックス、エレベータまたはバッファが故障した場合に、同じ課題を実行する代替運転方法が示されている。この解決手段は、単なる例示であって、本発明の範囲を限定するものとして解釈してはならない。
【0113】
本発明の別の実施形態として、二重構造のサービス階がある。二重構造のサービス階(「階X」)を用いる利点は、「階X+X」を構成し、該階に2基のエレベータ602、603を備え、各エレベータは、2基のボックス502、503、504、505と、2組のブロック、2基の「バッファ1」702、712と、2基の「バッファ2」703を備えることにある。これを使用すれば、システムの冗長性が顕著に向上するという利点が得られる。二重構造のシステムでは、前記エレベータ、ボックスあるいはバッファの1つが故障しても、前記システムは完全には停止しない。と言うよりも、第2のエレベータ、ボックスあるいはバッファの働きが当該二重構造のサービス階の全体に及ぶように、これらを使用して、用いて動作を続けることができる。
【0114】
本発明の別の実施形態として、制御モジュールが開示される。サービス階の制御装置又は同種の装置によれば、パレットの状態を変更する条件を提供できる、すなわち、
ii 空きパレットは、貨物が該パレットに搭載されると、積載パレット状態に切り替えられる。
iii 積載パレットは、該パレットから貨物が送出されると、空きパレット状態に切り替えられる。
iv 積載パレットは、貨物が送出された後、入れ代わりに他の車両が搭載されると、再度、積載パレット状態になる。
【0115】
図15は、出庫、搬出、交換および収容の4種のモードを、3種の市場セグメントA、BおよびC(ビジネス、商業、住宅)に、一日の時間帯別に使用する例を図示している。第1列は午前の時間帯を、第2列は午後の時間帯を、最後の列は夕方の時間帯をそれぞれ示している。
【0116】
収容モードは、保管階が完全に又はほぼ埋まったモードである。したがって、ここでは、前記システムは、一時的な保管スペースとしてバッファを使用する。
【0117】
前記システムでは、1基のエレベータ、1基のボックスが使用されていないことが強調される必要がある。また、該システムでは、前記エレベータから前記ボックスに至る貨物移動用の短い経路が使用されていない。図17は、前記システムの状態(保管階およびサービス階)と入出庫される貨物の列を考慮して、論理システムがモードを切り替える指針を図示している。図17では、全ての切り替えは可逆的であることが示されている。全てのモードは別のモードに切り替えられ、さらに元のモードに戻されてもよく、モード間の切り替えはいくつかのステップを含んでもよく、モード間に中間段階があってもよいことが分かる。各モードは、前記システムがそのモードにある間に、運転パラメータを決定することに意義がある。該運転パラメータには、入庫および/または入庫サービス時間、収容などパラメータがある。例えば、要求の多くが貨物の入庫要求であれば、入庫モードが使用され、要求の多くが貨物の出庫要求であれば、出庫モードが使用される。貨物の移動を入庫と搬出の双方向に保つ要求があって、その要求の時間頻度が高ければ、交換モードが使用され、施設の収容量を最大にすることが要求されていて、前記収容量の問題に比べてサービス時間の問題が重要でなければ、収容モードが使用される。本発明のある実施形態によれば、特定のサービス階をあるモードから別のモードに切り替る必要がある場合に、様々な判断基準や閾値を設定して、システムを構成し特徴付けることができる。各モードがどのような条件の下で、そのモードに特有の利点をもたらすかに付いての原理は、先に論じられている。
【0118】
本発明の別の実施形態によれば、保管階内の空きブロックが占有されると、その後、「バッファ1」が占有されて、貨物を一時的保管のために使用される。また、前記シムテムが2つのボックスを有する場合は、「バッファ1」が保管用に使用されると、その後、2つのボックスの一方が保管用に使用される。
【0119】
収容モードから他のいずれかのモードに切り替える場合、手順は逆になる。前記システムでは、最初にボックスが空になり、その後、「バッファ1」と「バッファ2」が空になり、その後、保管階が空になり、パレットは次第に使用されなくなる。
【0120】
本発明のある実施形態によれば、サービス階は駐車施設への入退場手段を備えることができる。また、サービス階は、条件の変化に応じて、貨物の効率的な入庫、効率的な出庫、効率的な交換(搬入と搬出)、および/または保管能力の向上を意図する各種モードを切り替える構成とすることができる。
【0121】
本発明の更に別の実施形態によれば、サービス階は前記システム自体の一部でなくてもよい。と言うよりも、前記システムが管理・制御しようとする駐車設備又は保管設備の一部であってもよい。
【0122】
本発明の更に別の実施形態によれば、前記システムは、駐車設備又は保管設備全体を管理するように構成されてもよい。また、1または複数のサービス階またはサービス領域を管理するモジュールを含んでもよい。
【0123】
本発明のある実施形態によれば、サービス階は複数の保管ブロックを備えてもよい。各ブロックは、一般的には矩形の領域であり、機械又はロボット機構を備える、あるいは如何なる機構を備えない(図4(A)、図4(B))、一般的には適宜のフレーム又はその他の下部構造体であって、パレット(機械又はロボット機構を備えていても、如何なる機構を備えなくてもよい。図4(C)、図4(D))と協同して、サービス階の領域において、該パレットを、互いに直交する少なくとも2方向に(図5)、あるブロックからそれに隣接するブロックに輸送することができる。
【0124】
出庫モードは、貨物を次々に、エレベータを経由してサービス階に送出し、ボックスを通って外部に輸送することを目的とする。入庫された貨物を少なくとも1つのバッファを通してエレベータからボックスまで運び、外部に送出するとともに、異なる経路を経由して、空きパレットを少なくとも1つのバッファを通して、同じボックスから同じエレベータに戻すという選択肢もある。これらの2つの経路では、共通のバッファが使用されることはない。
【0125】
出庫モードによれば、例えば、市場セグメントAおよびC(図15)において、短時間に大量の貨物を出庫できる。
【0126】
本発明のある実施形態は、サービス階と保管階の種々の運転態様を制御する論理システムに関するが、保管階がサービス時間モードにある間に、サービス階を交換モードで運転することができる。交換モードでは、サービス階の両方のボックス(2基のボックスがあると仮定する)において、比較的短いサービス時間(迅速なサービス)で、貨物を同時的に交換(入庫と出庫)できる。搬出要求がランダムであることと、入庫された各貨物は実質的に即座に保管階の1つに送られて、そこで保管されることが分かるであろう。
【0127】
交換モードは、貨物を次々にボックスに送出して該ボックスを通して外部に送出し、そしてその場所で、新たな貨物を次々にボックスに受け入れて、エレベータに運び、該エレベータを通ってサービス階に輸送することを目的とする。
【0128】
入庫された貨物を、少なくとも1つのバッファを経由して、保管階からエレベータを通してボックスに輸送して、外部に送出し、代わりに入庫された別の貨物を、異なる経路を経由して、少なくとも1つのバッファを通して、同じボックスから同じエレベータに輸送して、保管階に戻すという選択肢もある。
【0129】
交換モードによって、例えば、市場セグメントBおよびC(図16)において、短いサービス時間で、貨物の入庫・出庫を同時に行うことができる。
【0130】
本発明のある実施形態は、サービス階と保管階の種々の運転態様を制御する論理システムに関するが、保管階が収容モードにある間に、サービス階を収容モードで運転できる。該収容モードによれば、例えば、夜間にサービス時間に費やして、保管スペースの利用を増やすことができる。
【0131】
収容モードによれば、例えば夜間に、さらに一例として市場セグメントAとC(図15)において、保管スペースの利用を最適化できる。
【0132】
本発明のある実施形態は、サービス階の種々の運転態様を制御する論理システムに関するものであり、サービス階を運転する全てのモードの間、またはいくつかのモード(例えば、入庫モード、出庫モード、交換モード、収容モード、またはそれらのいずれかの組み合わせ、図16参照)の間の円滑な移行を可能にする。
【0133】
本発明のある実施形態は、サービス階の種々の運転態様を制御する論理システムに関し、該論理システムによれば、(a)前述の4つの運転モード及びそれらの組み合わせ(入庫モード、出庫モード、交換モード、収容モード、または、それらの組み合わせ、それら各モード間の各種の遷移段階)を、エレベータ、ボックス(1基あるいは2基)およびバッファの運転に対して整合させることができる。また、該論理システムによれば、(b)前述の4つの運転形式及びそれらの各種の組み合わせ(入庫モード、出庫モード、トレードオフモード、収容モード)、及びそれら運転形式の間の各種遷移段階において、パレットを搬入および/または搬出が可能になる。また、前記運転形式は、保管階において、サービス時間モードと収容モードを切り替えるプロセスの一部であっても良いし、サービス階において、入庫、出庫、交換および収容の各モードの間の切り替えであってもよい、(図18)。
【0134】
本発明のある実施形態は、サービス階の部品(ボックス、エレベータ、バッファ)の1つが一時的に故障した場合であっても、上述のプロセスを実行するように、サービス階の種々の運転態様を制御する論理システムに関する。
【0135】
前記システムは、すべての運転モードにおいて、サービス階の全ての2つの動作位置の間でパレットを輸送する経路に、代替経路が存在するように構築される。
【0136】
本発明のある実施形態によれば、前記システムは前記システムに関連するパレットの状態に反応するように構成することができる。また、前記システムの一部をなす、および/または前記システムに関連するパレットの状態は、例えば、所望の運転モードを決定するために使用することができる。
【0137】
本発明のさらに別の実施形態によれば、前記システムは、同様に、他のパラメータにも敏感にすることができる。例えば、前記システムは、駐車施設への入庫が許可されるのを待っている貨物の列の規模に敏感にすることができる。および/または、別の例によれば、前記システムは、前記システムの所望の運転モードを決定するために、一日の間の時間に敏感であってもよい。
【0138】
上記の記述において、本発明の実施形態は、好適な実施形態が含まれているが、例示と解説を目的として提示されたものである。これらは、本発明の全てを網羅することを意図したものでも、本発明を開示された形態そのものに限定することを意図したものでない。上記の開示に基づいて、自明な変形あるいは修正を行うことができる。実施形態は、本発明の原理と実際的な応用を最適に示すものを選択して説明したものであり、当業者は、その意図するところの特定の用途に適するように、種々の実施形態において、種々の変形を加えて、本発明を利用することができる。このような変形例と修正例のすべては本発明の範囲内にあり、この範囲は、添付の請求の範囲を公正に、法的にかつ公平に認められる範囲で解釈したときに決定される。
【図1(A)】

【図1(B)】

【図2(A)】

【図2(B)】

【図3(A)】

【図3(B)】

【図3(C)】

【図3(D)】

【図3(E)】

【図3(F)】

【図3(G)】

【図3(H)】

【図3(I)】

【図3(J)】

【図3(K)】

【図3(L)】

【図4(A)】

【図4(B)】

【図4(C)】

【図4(D)】

【図5(A)】

【図5(B)】

【図6(A)】

【図6(B)】

【図7(A)】

【図7(B)】

【図7(C)】

【図8(A)】

【図8(B)】

【図8(C)】

【図9(A)】

【図9(B)】

【図9(C)】

【図9(D)】

【図10(A)】

【図10(B)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの保管領域と、当該自動貨物保管入出庫システムに入庫される貨物の受け入れと当該自動貨物保管入出庫システムから出庫される貨物の取り出しを行うサービス領域を備える自動貨物保管入出庫システムにおいて、
前記サービス領域は、
a.前記貨物を運搬する複数のパレットと、
b.輸送ブロック、エレベータブロック、あるいは搬入/搬出ブロックセットのいずれか1のブロックからなるグループから選ばれたブロックであって、所定の形状を備えて、前記貨物及び前記パレットが配置される複数のブロックをマトリクス状に配置したブロックのマトリクスと、
c.前記パレットを当該自動貨物保管入出庫システムの異なる領域に運搬する、少なくとも1基のエレベータブロックと、
d.1基または複数基のブロックから構成されるとともに、当該自動貨物保管入出庫システムに進入して前記パレットに搭載される貨物を受け入れる手段、及び当該自動貨物保管入出庫システムから貨物を退出させる手段を備える、少なくとも1基の搬入/搬出ブロックセットを有する少なくとも1基のボックスと、
e.前記輸送ブロックを少なくとも1基有して、前記各領域において直交する少なくとも2方向に前記パレットを輸送する、少なくとも2基のバッファを備え、
前記パレット、前記バッファ、前記エレベータブロック及び前記搬入/搬出ブロックセットは、前記貨物の保管及び入出庫を連続的に行え、当該自動貨物保管入出庫システムへの前記貨物の搬入と当該自動貨物保管入出庫システムからの他の貨物の搬出を同時に行える
ことを特徴とする自動貨物保管入出庫システム。
【請求項2】
前記エレベータブロックの一部、又は前記搬入/搬出ブロックセットの一部、又は前記バッファの一部、あるいはこれらのいずれかの組み合わせが故障した場合であっても、前記サービス領域の運転を継続できる
ことを特徴とする請求項1に記載の自動貨物保管入出庫システム。
【請求項3】
前記バッファ及び/又は前記エレベータブロックは、前記貨物の一時的保管に使用される
ことを特徴とする請求項1に記載の自動貨物保管入出庫システム。
【請求項4】
前記パレットにより多くの輸送経路を与えて、前記パレットの輸送能力が向上するように、前記エレベータブロックは、複数の方向に入出扉を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の自動貨物保管入出庫システム。
【請求項5】
前記サービス領域は、更に、前記パレットと前記エレベータブロックの移動を制御する制御装置を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の自動貨物保管入出庫システム。
【請求項6】
前記制御装置は、複数の前記パレットを各個独立に移動させる
ことを特徴とする請求項5に記載の自動貨物保管入出庫システム。
【請求項7】
前記各ブロックの前記所定の形状は、長方形、円形、三角形、2次元又は3次元形状、及び各種の寸法・形状あるいは形式の規則的あるいは不規則な多次元形状からなるグループの中から選択される
ことを特徴とする請求項1に記載の自動貨物保管入出庫システム。
【請求項8】
前記各ブロックの形状は、実質的に相違する
ことを特徴とする請求項1に記載の自動貨物保管入出庫システム。
【請求項9】
前記制御装置は、所与の時間に応じて、3種のモードのいずれか少なくとも1のモードで運転されて、前記モードは下記のモードからなるグループから選択される
ことを特徴とする請求項1に記載の自動貨物保管入出庫システム。
a.(i)前記貨物を前記搬入/搬出ブロックセットの中に受け入れて、前記複数の輸送ブロックを経由して、前記貨物を、前記エレベータブロックを通して当該自動貨物保管入出庫システムの前記保管領域に移送し、(ii)実質的に異なる輸送ブロックを経由して、空パレットを、前記エレベータブロックを通して前記搬入/搬出ブロックに返送する、入庫モード。
b.(i)当該自動貨物保管入出庫システムの前記保管領域から前記複数の輸送ブロックを経由して、前記搬入/搬出ブロックセットを通して、当該自動貨物保管入出庫システムの外に、貨物を連続的に放出し、(ii)実質的に異なる輸送ブロックを経由して、空パレットを、前記搬入/搬出ブロックセットから前記保管領域に移送する、出庫モード。
c.前記貨物の保管と放出に、異なる輸送経路を使用して、(i)前記搬入/搬出ブロックセットの1つを通して、当該自動貨物保管入出庫システムの外に、貨物を放出すると同時に、(ii)の前記搬入/搬出ブロックセットを通して、新たに入庫される貨物を受け入れる、交換モード。
【請求項10】
前記制御装置は、所定の判断基準に従って、前記モードを、前記入庫モード、前記出庫モード及び前記交換モードの間で切り替える
ことを特徴とする請求項9に記載の自動貨物保管入出庫システム。
【請求項11】
前記所定の判断基準は、空ブロックの個数、未処理出庫要求の存否、未処理出庫要求の総数、出庫要求の平均待ち時間、未処理入庫要求の存否、未処理入庫要求の総数、入庫要求の平均待ち時間、保管領域の現在の状況、サービス領域の現在の状況、エレベータブロックの応答時間、当該自動貨物保管入出庫システムの使用履歴、からなるグループの中から選択される
ことを特徴とする請求項10に記載の自動貨物保管入出庫システム。
【請求項12】
前記サービス領域は、少なくとも2基の前記エレベータブロックと、少なくとも2基の前記搬入/搬出ブロックセットを備えて、
前記エレベータブロックの一部、又は前記搬入/搬出ブロックセットの一部、又は前記バッファの一部、あるいはこれらのいずれかの組み合わせが故障した場合であっても、前記サービス領域の運転を継続できる
ことを特徴とする請求項1に記載の自動貨物保管入出庫システム。
【請求項13】
前記制御装置は、所定の判断基準に従って、未処理出庫要求を優先して、前記保管領域から前記貨物を取り出し、及び/又は、未処理入庫要求を前記保管領域へ割り付ける
ことを特徴とする請求項5に記載の自動貨物保管入出庫システム。
【請求項14】
前記所定の判断基準は、空ブロックの個数、未処理出庫要求の存否、未処理出庫要求の総数、出庫要求の平均待ち時間、未処理入庫要求の存否、未処理入庫要求の総数、入庫要求の平均待ち時間、保管領域の現在の状況、サービス領域の現在の状況、エレベータブロックの応答時間、当該自動貨物保管入出庫システムの使用履歴、からなるグループの中から選択される
ことを特徴とする請求項13に記載の自動貨物保管入出庫システム。
【請求項15】
複数の前記保管領域を備えるとともに、各保管領域は、1又は複数の保管スペースを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の自動貨物保管入出庫システム。
【請求項16】
自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法であって、前記サービス領域は、当該自動貨物保管入出庫システムに搬入される貨物の受け入れと当該自動貨物保管入出庫システムから搬出される貨物の取り出しを行う、自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法において、
a.前記貨物を運搬する複数のパレットを供給し、
b.輸送ブロック、エレベータブロック、あるいは搬入/搬出ブロックセットのいずれか1のブロックからなるグループから選ばれたブロックであって、所定の形状を備えて、前記貨物及び前記パレットが配置される複数のブロックをマトリクス状に配置したブロックのマトリクスを設置し、
c.前記パレットを当該自動貨物保管入出庫システムの異なる領域に運搬するための、少なくとも1基のエレベータブロックを設置し、
d.1基または複数基のブロックから構成されるとともに、当該自動貨物保管入出庫システムに進入して前記パレットに搭載される貨物を受け入れる手段、及び当該自動貨物保管入出庫システムから貨物を退出させる手段を備える、少なくとも1基の搬入/搬出ブロックセットを有する少なくとも1基のボックスを設置し、
e.前記輸送ブロックを少なくとも1基有して、前記各領域において直交する少なくとも2方向に前記パレットを輸送可能にする、少なくとも2基のバッファを設置し、
f.前記搬入/搬出ブロックセットに進入する前記貨物を受け入れて、前記パレットに搭載し、
g.前記輸送ブロックを通して、前記パレットに搭載された前記貨物を当該自動貨物保管入出庫システムの前記保管領域に輸送し、
h.前記貨物を当該自動貨物保管入出庫システムの前記保管領域に保管し、
i.前記輸送ブロック上にあって前記パレットに搭載された前記貨物を、前記(g)ステップで使用された輸送ブロックとは実質的に異なる当該自動貨物保管入出庫システムの輸送ブロックを経由して、前記保管領域から前記サービス領域に輸送し、
j.前記貨物を当該自動貨物保管入出庫システムの前記搬入/搬出ブロックセットから放出するとともに、
前記輸送、放出及び受け入れステップは連続的に実行され、前記貨物は当該自動貨物保管入出庫システムに受け入れられると同時に、当該自動貨物保管入出庫システムから取り出されることができ、
前記パレットに搭載された前記貨物を前記保管領域から前記サービス領域に輸送するステップ(i)は、前記(g)ステップで使用された輸送ブロックとは実質的に異なる輸送ブロックを使って実行される
ことを特徴とする自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法。
【請求項17】
前記輸送ステップは、前記パレットを昇降して当該自動貨物保管入出庫システムの異なる領域に輸送するステップを有する
ことを特徴とする請求項16に記載の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法。
【請求項18】
前記エレベータブロックの一部、又は前記搬入/搬出ブロックセットの一部、又は前記バッファの一部、あるいはこれらのいずれかの組み合わせが故障した場合であっても、前記サービス領域の運転を継続するステップを更に備える
ことを特徴とする請求項16に記載の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法。
【請求項19】
前記バッファ及び/又は前記エレベータブロックを前記貨物の一時的保管に使用するステップを更に備える
ことを特徴とする請求項16に記載の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法。
【請求項20】
前記パレットにより多くの輸送経路を与えて、前記パレットの輸送能力が向上するように、前記エレベータブロックに複数の方向の入出扉を備えるステップを更に備える
ことを特徴とする請求項16に記載の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法。
【請求項21】
少なくとも2基の前記エレベータブロックと、少なくとも2基の前記搬入/搬出ブロックセットを設置するステップを更に備えて、
1基の前記エレベータブロックと1基の前記搬入/搬出ブロックセットが故障した場合であっても、前記サービス領域の運転を継続できる
ことを特徴とする請求項16に記載の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法。
【請求項22】
前記パレット、前記エレベータブロック及び前記搬入/搬出ブロックセットの動作を制御するステップを更に備える
ことを特徴とする請求項16に記載の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法。
【請求項23】
前記パレット、前記エレベータブロック及び前記搬入/搬出ブロックセットが各個独立して動作するステップを更に備える
ことを特徴とする請求項16に記載の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法。
【請求項24】
長方形、円形、三角形、2次元又は3次元形状、及び各種の寸法・形状あるいは形式の規則的あるいは不規則な多次元形状からなるグループの中から選択される前記ブロックの前記所定の空間を更に備える
ことを特徴とする請求項16に記載の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法。
【請求項25】
前記各ブロックの形状が実質的に相違するように選択するステップを更に備える
ことを特徴とする請求項16に記載の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法。
【請求項26】
前記サービス領域を、下記のモードからなるグループから選択されたモードで運転するステップを更に備える
ことを特徴とする請求項16に記載の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法。
a.(i)前記貨物を前記搬入/搬出ブロックセットの中に受け入れて、前記複数の輸送ブロックを経由して、前記貨物を、前記エレベータブロックを通して当該自動貨物保管入出庫システムの前記保管領域に移送し、(ii)実質的に異なる輸送ブロックを経由して、空パレットを、前記エレベータブロックを通して前記搬入/搬出ブロックに返送する、入庫モード。
b.(i)当該自動貨物保管入出庫システムの前記保管領域から前記複数の輸送ブロックを経由して、前記搬入/搬出ブロックセットを通して、当該自動貨物保管入出庫システムの外に、貨物を連続的に放出し、(ii)実質的に異なる輸送ブロックを経由して、空パレットを、前記搬入/搬出ブロックセットから前記保管領域に移送する、出庫モード。
c.前記貨物の保管と放出に、異なる輸送経路を使用して、(i)前記搬入/搬出ブロックセットの1つを通して、当該自動貨物保管入出庫システムの外に、貨物を放出すると同時に、(ii)別の前記搬入/搬出ブロックセットを通して、新たに保管される貨物を受け入れる、交換モード。
前記各ブロックの形状が実質的に相違するように選択するステップを更に備える
ことを特徴とする請求項16に記載の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法。
【請求項27】
所定の判断基準に従って、前記モードを、前記入庫モード、前記出庫モード及び前記交換モードの間で切り替えるステップを更に備える
ことを特徴とする請求項16に記載の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法。
【請求項28】
空ブロックの個数、未処理出庫要求の存否、未処理出庫要求の総数、出庫要求の平均待ち時間、未処理入庫要求の存否、未処理入庫要求の総数、入庫要求の平均待ち時間、保管領域の現在の状況、サービス領域の現在の状況、エレベータブロックの応答時間、当該自動貨物保管入出庫システムの使用履歴、からなるグループの中から前記所定の判断基準を選択するステップを更に備える
ことを特徴とする請求項27に記載の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法。
【請求項29】
所定の判断基準に従って、未処理出庫要求を優先して、前記保管領域から前記貨物を取り出し、及び/又は、未処理入庫要求を前記保管領域へ割り付けるステップを更に備える
ことを特徴とする請求項16に記載の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法。
【請求項30】
前記所定の判断基準を、空ブロックの個数、未処理出庫要求の存否、未処理出庫要求の総数、出庫要求の平均待ち時間、未処理入庫要求の存否、未処理入庫要求の総数、入庫要求の平均待ち時間、保管領域の現在の状況、サービス領域の現在の状況、エレベータブロックの応答時間、当該自動貨物保管入出庫システムの使用履歴、からなるグループの中から選択するステップを更に備える
ことを特徴とする請求項29に記載の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法。
【請求項31】
当該自動貨物保管入出庫システムに前記貨物を連続的に受け入れるとともに、当該自動貨物保管入出庫システムから前記貨物を連続的に放出する
ステップを更に備える
ことを特徴とする請求項16に記載の自動貨物保管入出庫システムのサービス領域の運転方法。

【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14(A)】
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【図14(B)】
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【図14(C)】
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【図14(D)】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2011−503397(P2011−503397A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532711(P2010−532711)
【出願日】平成20年11月9日(2008.11.9)
【国際出願番号】PCT/IL2008/001473
【国際公開番号】WO2009/060458
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(510126003)
【Fターム(参考)】