説明

自動販売機

【課題】缶飲料などの商品を冷却若しくは加温して販売する自動販売機に関し、外気の熱を加温に利用するとともに、冷却と加温の切換あるいは維持にかかる電力を削減してさらに消費電力量の削減を図る自動販売機を提供する。
【解決手段】コールド専用室2および第二のコールド専用室3の冷却手段とは別に、ホット/コールド切換室1を冷却加温する専用の冷却加温システムを有するとともに、この加温システムとして、R600aを冷媒とする高温用レシプロ型圧縮機20と、室内熱交換器30と、室外熱交換器31と、四方切換弁32とを備えたことによって、蒸発温度−10〜10℃、凝縮温度60〜80℃の厳しい加温条件において圧縮機の耐久性確保と高効率化が容易に実現できるとともに、冷却時の効率化も実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、缶飲料などの商品を加温あるいは加温と同時に冷却して販売する自動販売機において、圧縮機で圧縮された冷媒が凝縮する際に生じる潜熱を利用して冷却および加温を行う自動販売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動販売機に対する消費電力量削減の要求が高まってきており、消費電力量削減手段として、冷却によって生じる廃熱を利用したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、図面を参照しながら従来の自動販売機を説明する。
【0004】
図4は従来の自動販売機の冷媒回路図である。
【0005】
図4に示すように、従来の自動販売機は、ホット/コールド切換室1、コールド専用室2、第二のコールド専用室3からなる貯蔵室を備え、ホット/コールド切換室1内に設置された室内熱交換器4、コールド専用室2内に設置された蒸発器5、第二のコールド専用室2内に設置された第二の蒸発器6、貯蔵室の外に設置された室外熱交換器7、圧縮機8で構成された冷却加温システムを有する。
【0006】
また、膨張弁A9、膨張弁B10、膨張弁C11はそれぞれ通過する冷媒の圧力を低下するとともに閉塞機能を有したものであり、開閉弁A12、開閉弁B13、開閉弁C14、開閉弁D15はそれぞれ冷媒の流れの有無を制御するものである。
【0007】
また、コンプファン16は冷却加温システムに連動して駆動し、室外熱交換器7と圧縮機8を冷却するものである。
【0008】
以上のように構成された従来の自動販売機について、以下その動作を説明する。
【0009】
ホット/コールド切換室1を冷却する場合、開閉弁A12と開閉弁D15を開とし、開閉弁B13と開閉弁C14を閉として、圧縮機8および冷却ファン15を駆動する。圧縮機8から吐出された冷媒は、室外熱交換器7で凝縮された後、それぞれ膨張弁A9、膨張弁B10、膨張弁C11で減圧されて、室内熱交換器4、蒸発器5、第二の蒸発器6へ供給される。そして、室内熱交換器4、蒸発器5、第二の蒸発器6で蒸発した冷媒が圧縮機8へ還流する。
【0010】
このとき、ホット/コールド切換室1、コールド専用室2、第二のコールド専用室3の内所定の温度に達した貯蔵室は、当該する膨張弁A9、膨張弁B10、膨張弁C11を閉塞して冷媒の供給を停止する。さらに、すべての貯蔵室が所定の温度に達すると圧縮機8の運転を停止する。
【0011】
次に、ホット/コールド切換室1を加温する場合、開閉弁A12と開閉弁D15および膨張弁A9を閉とし、開閉弁B13と開閉弁C14を開として、圧縮機8および冷却ファン15を駆動する。圧縮機8から吐出された冷媒は、室内熱交換器4で一部が凝縮し、再度室外熱交換器7で凝縮された後、それぞれ膨張弁B10、膨張弁C11で減圧されて、蒸発器5、第二の蒸発器6へ供給される。
【0012】
そして、蒸発器5、第二の蒸発器6で蒸発した冷媒が圧縮機8へ還流する。また、コールド専用室2、第二のコールド専用室3の内、所定の温度に達した貯蔵室は、当該する膨張弁B10、膨張弁C11を閉塞して冷媒の供給を停止する。さらに、すべての貯蔵室が所定の温度に達すると圧縮機8の運転を停止する。
【0013】
このように、コールド専用室2および第二のコールド専用室3を冷却する際に生じる冷媒の凝縮廃熱を用いて、ホット/コールド切換室1を効率よく加温することができるので、電気ヒータなどの別の加熱手段を用いてホット/コールド切換室1を加温する場合に比べて、消費電力量を削減することができる。
【特許文献1】特開2002−174478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記従来の構成では、ホット/コールド切換室を加温すると同時にコールド専用室および第二のコールド専用室を冷却するために、凝縮温度60℃以上でかつ蒸発温度−10℃以下を同時に実現する必要があり、このような高圧縮比条件に耐える中低温用圧縮機を新たに開発しなければならないという課題があった。
【0015】
一般に、冷凍空調用圧縮機は蒸発温度が−30〜−20℃と比較的低い冷凍向けの低温用圧縮機と、蒸発温度が−10〜+10℃と比較的高い空調向けの高温用圧縮機、およびこれらの中間の蒸発温度−20〜−10℃向けの中温用圧縮機に大別される。コールド飲料の温度が5℃、ホット飲料の温度が55℃の自動販売機においては、コールド飲料を冷却するために中温用圧縮機あるいは低温用圧縮機が用いられる。
【0016】
また、これらの圧縮機を用いるシステムは、常温大気と熱交換することを前提に設計されているため、通常、圧縮機の使用範囲は凝縮温度60℃以下に制限されている。従って、ホット飲料周囲の高温雰囲気を加温するためにはこの制限を越えた凝縮温度60〜80℃に耐える圧縮機の開発が不可欠である。結果として、コールド飲料とホット飲料を同一システムで実現するためには、蒸発温度−30〜−10℃でかつ凝縮温度60〜80℃の範囲で使用可能な圧縮機を新たに開発する必要がある。
【0017】
また、上記従来の構成では、凝縮圧力と蒸発圧力の比である圧縮比が大きくなるため、理論冷凍能力および圧縮機の体積効率が低下して、システムの冷却能力が著しく低下する。そのために、高能力の圧縮機および冷媒の使用が不可欠であり、この結果として理論効率が低く、かつ高圧圧力が高いR407CやR290などの低沸点冷媒を使わなければならないという課題があった。
【0018】
本発明は、従来の課題を解決するもので、圧縮機の動作条件に着目して効率が高く容易に実現できる冷却加温システムを提案し、加温時の消費電力量を削減できる自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記従来の課題を解決するために、本発明の自動販売機は、ホット/コールド切替室の冷却運転と加温運転を切替え可能な冷却加温システムと、前記冷却加温システムに備えられた冷温用圧縮機とを備えた自動販売機であって、前記冷温用圧縮機は複数の回転数で運転されるインバータ圧縮機であり、加温運転時における安定時の最高運転回転数は冷却運転時における安定時の最高運転回転数よりも低運転回転数としたことを特徴とするものである。
【0020】
これによって、ホット/コールド切換室を加温する場合、圧縮機は低回転で制御されるので、高い回転数で運転した場合に能力過剰となり室内凝縮器の温度が圧縮機の限界を越えて上昇し、耐久性の低下を招くとともに、能力過剰となり圧縮機を断続運転する必要が生じ、停止状態から室内凝縮器の温度が所定温度に達するまでの無駄な運転が生じて、全体として効率の低下を招くことを防止することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の自動販売機は、室内加温時、圧縮機を低回転で制御されるので、圧縮機を高回転で運転した場合に断続運転となって無駄な運転が生じ、全体として効率の低下を招くことを防止し、圧縮機の高効率化を図り、自動販売機の消費電力量を大幅に削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の請求項1に記載の発明は、ホット/コールド切替室の冷却運転と加温運転を切替え可能な冷却加温システムと、前記冷却加温システムに備えられた冷温用圧縮機とを備えた自動販売機であって、前記冷温用圧縮機は複数の回転数で運転されるインバータ圧縮機であり、加温運転時における安定時の最高運転回転数は冷却運転時における安定時の最高運転回転数よりも低運転回転数としたことを特徴とするので、高回転で運転した場合に断続運転する必要が生じ、圧縮機の停止状態から室内凝縮器の温度が所定温度に達するまでの無駄な運転が生じて、全体として効率の低下を招くことを防止し、圧縮機の高効率化を図り、自動販売機の消費電力量を大幅に削減することができる。
【0023】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に、ホット/コールド切換室の加温時のプルアップ時間に冷温用圧縮機と補助ヒータとを運転して加温し、プルアップ時間の短縮を行うことができる。
【0024】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明にさらに、商品を収納し冷却するコールド専用室と、前記コールド専用室の冷却運転を行う冷却システムの冷却用圧縮機とを有し、冷却加温システムとは別に独立した前記冷却システムを備えたことで、ホット/コールド切換室を加温する場合に、コールド専用室の冷却とは関係なく、冷却加温システムの室外熱交換器の蒸発温度を−10〜10℃の高温条件に維持して圧縮比を低減することができる。
【0025】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、冷却加温システムを循環する冷媒をR134aやR600aなどの高沸点冷媒としたことを特徴とする自動販売機であるので、加温時の室内熱交換器の高温条件に適した高沸点冷媒を使用することで高効率が実現できる。
【0026】
一例として、冷凍機器に使用されている各種冷媒について、蒸発温度−15℃/凝縮温度70℃の条件での低圧圧力、高圧圧力、圧縮比、吐出ガス温度、および体積能力と理論効率の相対値を(表1)に、蒸発温度5℃/凝縮温度70℃の条件での低圧圧力、高圧圧力、圧縮比、吐出ガス温度、および体積能力と理論効率の相対値を(表2)に示す。ここで、(表1)および(表2)の値は、過冷却0℃、吸入ガス温度32℃、断熱圧縮条件での計算値である。なお、(表1)および(表2)におけるR407Cは液相線と気相線の平均温度が所定温度になる低圧圧力および高圧圧力を選定している。
【0027】
【表1】

【0028】
【表2】

【0029】
(表1)に示したように、蒸発温度−15℃/凝縮温度70℃の条件では、高沸点冷媒であるR134aやR600aを用いると圧縮比が12を越えることから、過圧縮が発生する実際の動作条件において吐出ガス温度が異常に上昇して圧縮機の耐久性が低下することが懸念されるとともに、低沸点冷媒であるR407CやR290を用いると高圧圧力が2.5MPaを越えることから、軸受け部の耐荷重性が不足して異常摩耗が発生し圧縮機の耐久性が低下することが懸念される。
【0030】
一方、(表2)に示したように、蒸発温度5℃/凝縮温度70℃の条件では、高沸点冷媒であるR134aやR600aを用いると圧縮比が9以下となり通常の使用可能範囲となる。さらに、R600aはR134aに比べて体積能力が小さくかつ高効率であるので、自販機の断熱材で囲われた貯蔵室を加温する加温システムのように小能力かつ高効率を要求される用途に適している。なお、この凝縮温度条件では、低沸点冷媒であるR407CやR290を用いると高圧圧力が増大して圧縮機の耐久性に問題が生じることに変わりはない。
【0031】
また、シェル内が蒸発圧力で維持されるレシプロ型圧縮機を用いることで、断続運転時に凝縮圧力が庫内温度相当の圧力まで立ち上がる特性に優れ、圧縮機の断続に伴う加温ロスを削減して高効率化が図れる。
【0032】
以下、本発明による自動販売機の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、従来と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0033】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の自動販売機の冷媒回路図である。
【0034】
図1に示すように、本発明の自動販売機は、ホット/コールド切換室1、コールド専用室2、第二のコールド専用室3からなる貯蔵室を備え、R600aを冷媒とし、高温用レシプロ型圧縮機20、ホット/コールド切換室1内に設置された室内蒸発器21および室内凝縮器22、貯蔵室の外に設置された室外蒸発器23および室外凝縮器24、冷却時と加温時に冷媒流路を切換える三方切換弁25、冷却用膨張弁26、加温用膨張弁27からなり、ホット/コールド切換室1の冷却と加温を専用に行う冷却加温システムを有する。
【0035】
また、室内凝縮器22は室内蒸発器21や蒸発器5、第二の蒸発器6と同様にフィンチューブ熱交換器の形態であるが、着霜を考慮せず高い凝縮能力を優先して、フィン間隔やチューブ間隔を比較的狭めるとともに冷媒と空気の流れが対向流となるようにチューブの接続が設計されている。この結果、凝縮温度と吸込み空気温度との差が10℃において、200〜300Wの加温能力を有している。
【0036】
一方、室外蒸発器23は低外気温度での着霜を考慮して、室内蒸発器21や蒸発器5、第二の蒸発器6と同様に設計されている。
【0037】
また、冷却用膨張弁26および加温用膨張弁27は通過する冷媒の圧力を低下して蒸発圧力を調整するものである。特に、凝縮温度がまだ上昇していない起動直後に、加温用膨張弁27の開度を大きくして循環量を増大することで、凝縮温度の立ち上がり特性を改善することができる。
【0038】
また、コンプファン28はホット/コールド切換室1の冷却時に駆動して運転中の高温用レシプロ型圧縮機20を常に冷却するとともに、ホット/コールド切換室1の加温時に高温用レシプロ型圧縮機20が80℃以上の異常に高い温度になった時に駆動して、70℃以下で安定するまで高温用レシプロ型圧縮機20を冷却するものである。
【0039】
ここで、高温用レシプロ型圧縮機20は、R134aを冷媒とする家庭用冷蔵庫に使用されている低温用レシプロ型圧縮機に、冷媒R600aと鉱油系冷凍機油をドロップインしたものである。この低温用レシプロ型圧縮機は、DCインバータで駆動され、標準条件である凝縮温度54.4℃、蒸発温度−23.3℃における冷凍能力に換算して100〜250Wの範囲で能力可変することができる。同様に、冷媒R600aと鉱油系冷凍機油をドロップインした高温用レシプロ型圧縮機20は、凝縮温度54.4℃、蒸発温度−12.2℃の冷却条件において70〜180Wの冷凍能力を有するとともに、凝縮温度70℃、蒸発温度5℃の加温条件において160〜400Wの加温能力を有する。
【0040】
また、低温用一定速圧縮機29は室外熱交換器7、蒸発器5および第二の蒸発器6、膨張弁B10および膨張弁C11とともに冷却サイクルを構成し、コールド専用室2、第二のコールド専用室3を冷却するものである。低温用一定速圧縮機29はR600aを冷媒とする家庭用冷蔵庫に用いられる圧縮機であり、凝縮温度54.4℃、蒸発温度−12.2℃の冷却条件において約250Wの冷凍能力を有する。
【0041】
以上のように構成された実施の形態1の自動販売機について、以下その動作を説明する。
【0042】
ホット/コールド切換室1を冷却する場合、三方切換弁25を冷却側に切換えて高温用レシプロ型圧縮機20を駆動する。高温用レシプロ型圧縮機20から吐出された冷媒は、三方切換弁25を経由して室外凝縮器24で凝縮された後、冷却用膨張弁26で減圧されて、室内蒸発器21へ供給される。そして、室内蒸発器21で蒸発した冷媒が高温用レシプロ型圧縮機20へ還流する。
【0043】
このとき、ホット/コールド切換室1が所定の温度に近づくと高温用レシプロ型圧縮機20を減速して能力を低下することにより、蒸発温度を上げて冷却効率を向上する。例えば外気温度15℃ではホット/コールド切換室1の安定時の熱負荷は100〜200W程度であるので、高温用レシプロ型圧縮機20は蒸発温度−20〜−15℃、凝縮温度30〜40℃の運転条件で58〜72rpsの高回転で略連続運転するように制御される。そして、ホット/コールド切換室1が所定の温度に達すると高温用レシプロ型圧縮機20の運転を停止する。
【0044】
また、例えば外気温度15℃でプルダウンする場合は、ホット/コールド切換室1の温度が高いために室内蒸発器21の蒸発温度が上昇して冷却能力が増大する、すなわち能力の自動調整機能が働くことから、特に冷却用膨張弁26の開度や高温用レシプロ型圧縮機20の能力を細かく制御する必要はなく、安定時に合わせて固定してもよい。
【0045】
一方、ホット/コールド切換室1を加温する場合、三方切換弁25を加温側に切換えて高温用レシプロ型圧縮機20を駆動する。高温用レシプロ型圧縮機20から吐出された冷媒は、三方切換弁25を経由して室内凝縮器22で凝縮された後、加温用膨張弁27で減圧されて、室外蒸発器23へ供給される。そして、室外蒸発器23で蒸発した冷媒が高温用レシプロ型圧縮機20へ還流する。
【0046】
このとき、例えば外気温度15℃ではホット/コールド切換室1の安定時の熱負荷は100〜200W程度であるので、高温用レシプロ型圧縮機20は蒸発温度5〜10℃、凝縮温度55〜65℃の運転条件で27〜35rpsの低回転で連続運転するように制御される。これは、より高い回転数で運転した場合、能力過剰となり室内凝縮器22の凝縮温度が高温用レシプロ圧縮機20の限界を越えて上昇し、耐久性の低下を招くとともに、能力過剰となり高温用レシプロ圧縮機20を断続運転する必要が生じ、停止状態から室内凝縮器22の温度が所定温度に達するまでの無駄な運転が生じて全体として効率の低下を招くためである。
【0047】
また、例えば外気温度15℃でプルアップする場合は、ホット/コールド切換室1を通常400W程度で加温する必要がある。この場合、高温用レシプロ圧縮機20は蒸発温度+0〜+5℃、凝縮温度70〜75℃の運転条件で72rpsの高回転で連続運転するように制御される。ここで、重要な点は、プルダウンする場合に見られる能力の自動調整機構がプルアップする場合には働かず、ホット/コールド切換室1の温度が低い時には凝縮温度が低くなり、逆に加温能力が低下する傾向があるために、加温能力を高める制御が不可欠となる点である。例えば、加温用膨張弁27の開度を開けて高温用レシプロ圧縮機20を高回転で連続運転するとともに、高温用レシプロ圧縮機20の表面での無駄な放熱を抑制するためにコンプファン28を停止することが望ましい。
【0048】
従って、本実施例の構成において効率よくホット/コールド切換室1の冷却と加温を実現するには、プルダウン中は高温用レシプロ圧縮機20の回転数を比較的高回転で維持すればよいが、プルアップ中にはホット/コールド切換室1内の温度が上昇するに伴って、高温用レシプロ圧縮機20の回転数を27〜35rpsまで順次低下させて能力調整する必要がある。また、ホット/コールド切換室1内の温度が上昇する過程で、凝縮温度が高温用レシプロ圧縮機20の限界を越えないように、望ましくは、室内凝縮器22の凝縮温度を検知する温度センサーを設けるとともに、室内凝縮器22の凝縮温度が所定値を越えると高温用レシプロ圧縮機20の回転数を下げる制御を行う方がよい。
【0049】
コールド専用室2、第二のコールド専用室3を冷却する場合、低温用一定速圧縮機29を駆動する。低温用一定速圧縮機29から吐出された冷媒は、室外熱交換器7で凝縮された後、膨張弁B10および膨張弁C11で減圧されて、それぞれ蒸発器5および第二の蒸発器6へ供給される。そして、蒸発器5および第二の蒸発器6で蒸発した冷媒が低温用一定速圧縮機29へ還流する。
【0050】
このとき、コールド専用室2、第二のコールド専用室3が所定の温度に達すると、該当する膨張弁B10あるいは膨張弁C11を閉塞し、コールド専用室2と第二のコールド専用室3がともに所定の温度に達すると、低温用一定速圧縮機29の運転を停止する。例えば外気温度15℃ではコールド専用室2、第二のコールド専用室3の安定時の熱負荷は100〜300W程度であるので、低温用一定速圧縮機29は蒸発温度−25〜−15℃、凝縮温度30〜40℃の運転条件で断続運転する。
【0051】
従って、従来ホット/コールド切換室1およびコールド専用室2、第二のコールド専用室3を同時に冷却するために、低沸点冷媒であるR407Cを冷媒とし、凝縮温度54.4℃、蒸発温度−12.2℃の冷却条件において400〜600Wの冷凍能力を有する圧縮機1台を搭載していたが、本実施例の構成のようにホット/コールド切換室1の冷却を高温用レシプロ型圧縮機20で行い、コールド専用室2および第二のコールド専用室3の冷却を低温用一定速圧縮機29で行うことで、それぞれ効率の高い高沸点冷媒であるR600aを冷媒とし、小能力であるが家庭用冷蔵庫に使用されている安価で圧縮機効率の高い圧縮機を用いることができ、冷却時においてもより効率化が図れる。
【0052】
コールド専用室2、第二のコールド専用室3をプルダウンする場合は、ホット/コールド切換室1の冷却時と同様に、能力の自動調整機能が働くので、膨張弁B10あるいは膨張弁C11を細かく調整する必要はない。また、コールド専用室2、第二のコールド専用室3の内片方だけを冷却する状態では、一方の膨張弁が閉塞して循環量が低下するので蒸発温度が−20℃以下に下がって能力調整される。
【0053】
なお、本実施の形態においては、15℃における冷却安定時のホット/コールド切換室1の冷却負荷を100〜200W程度、加温安定時のホット/コールド切換室1の加温負荷を100〜200W程度である標準的な自動販売機を想定したが、他の自動販売機においても15〜25℃の常温付近では冷却負荷と加温負荷はほぼ同程度であるとともに、加温時に比べて冷却時の蒸発温度が低いことから、加温安定時の過剰な加温能力を抑制するために高温用レシプロ型圧縮機20の能力を低減する必要がある点に変わりはない。
【0054】
なお、本実施の形態においては、ホット/コールド切換室1の加温時のプルアップを冷却加温システムの加温能力でのみ実現したが、プルアップの初期のみ補助ヒータを用いてホット/コールド切換室1あるいは室内凝縮器22を加温して、プルアップ時間の短縮を図ってもよい。
【0055】
なお、本実施の形態においては、ホット/コールド切換室1を加温する場合の室外蒸発器23の蒸発温度を0〜10℃の効率の高い範囲で任意に調整したが、特に自動販売機が室内に設置されて結露水が排出できない場合は、結露しない範囲でのみ冷却加温システムを稼動し、雨天などの高湿度条件では補助ヒータのみによる加温に切換えることが望ましい。
【0056】
また、本実施の形態においては、冷却用膨張弁26、加温用膨張弁27を用いたが、キャピラリチューブなどの固定絞りを用いてもよい。特に、ホット/コールド切換室1の冷却時は抵抗を微調整する必要がなく、キャピラリチューブを用いて高温用レシプロ型圧縮機20の吸入配管と熱交換することで冷凍効果を高めることができる。
【0057】
以上のように、本実施の形態においては、コールド専用室および第二のコールド専用室の冷却手段とは別に、ホット/コールド切換室を冷却加温する専用の冷却加温システムを有するとともに、この冷却加温システムとして、R600aを冷媒とする高温用レシプロ型圧縮機と、室内凝縮器と、室内蒸発器と、室外凝縮器と、室外蒸発器と、三方切換弁を備えたことによって、専用に設計された室外蒸発器で室外の大気と熱交換することで、蒸発温度−10〜10℃の高温条件に維持して圧縮比を低減することができるとともに、R600aを冷媒とする高温用レシプロ型圧縮機を用いることで、大量に生産されているR134aを冷媒とする低温用レシプロ型圧縮機を流用して、蒸発温度−10〜10℃、凝縮温度60〜80℃の厳しい加温条件において圧縮機の耐久性確保と圧縮機の高効率化が容易に実現できる。
【0058】
また、ホット/コールド切換室を冷却加温する場合、比較的蒸発温度が低く吸入ガス密度が小さい冷却運転時に高速運転し、比較的蒸発温度が高く吸入ガス密度が大きい加温運転時に低速運転することで、それぞれの運転条件でほぼ同等の冷却能力と加温能力が得られ冷却加温システムの圧縮機として過不足のない能力が実現できるとともに、特に凝縮温度が高く圧縮機の断続に伴う加温ロスが大きい加温時に略連続運転することでより効率化が図れる。
【0059】
また、コールド専用室および第二のコールド専用室の冷却システムを別に設けることで、冷却システムの小能力化が図れ、結果として理論効率が高沸点冷媒であるR600aを用いることができる。
【0060】
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2の自動販売機の冷媒回路図、図3は同実施の形態の自動販売機の冷却加温システムの運転範囲を示す図である。なお、実施の形態1と同一の構成については同一番号を付して、詳細な説明は省略する。
【0061】
図2に示すように、本発明の自動販売機は、ホット/コールド切換室1、コールド専用室2、第二のコールド専用室3からなる貯蔵室を備え、R600aを冷媒とし、高温用レシプロ型圧縮機20、ホット/コールド切換室1内に設置された室内熱交換器30、貯蔵室の外に設置された室外熱交換器31、冷却時と加温時に冷媒流路を切換える四方切換弁32、キャピラリチューブ33からなり、ホット/コールド切換室1の冷却と加温を専用に行う冷却加温システムを有する。
【0062】
また、室内熱交換器30と室外熱交換器31は、ともに四方切換弁32を切換えることによって冷媒の凝縮あるいは蒸発を行うフィンチューブ熱交換器であり、凝縮能力と着霜耐力をバランスさせた設計としている。
【0063】
例えば、室内熱交換器30は凝縮温度と吸込み空気温度との差が10℃において150〜200Wの加温能力を有しているとともに、蒸発温度と吸込み空気温度との差が10℃において150〜200Wの冷却能力を有している。
【0064】
また、キャピラリチューブ33は加温と冷却の両方のモードで使用し通過する冷媒の圧力を低下して蒸発圧力を調整するものである。
【0065】
ここで、図3に示すように、加温モードでの冷却加温システムの運転範囲である領域Aと、冷却モードでの冷却加温システムの運転範囲である領域Bは、凝縮温度と蒸発温度との相関がほぼ同じである。すなわち、冷却モードでの運転範囲である領域Bよりも凝縮温度を上げた加温モードでは、冷却モードよりも高い蒸発温度となる領域Aで運転することから、固定抵抗であるキャピラリチューブ33は加温と冷却の両方のモードで使用することができる。
【0066】
なお、図3において、p1およびp2は高温用レシプロ型圧縮機20の能力を可変した時に運転状態が変化する方向を示し、q1およびq2は凝縮温度を可変した時に運転状態が変化する方向を示す。つまり、固定抵抗であるキャピラリチューブ33を用いても、高温用レシプロ型圧縮機20の能力を可変することにより、ある程度の蒸発温度の制御は可能である。例えば、加温モード中に蒸発温度が5℃以下にならないように高温用レシプロ型圧縮機20の能力を可変すれば、蒸発器となる室外熱交換器31における着霜の回避や結露の低減が実現できる。
【0067】
以上のように構成された実施の形態2の自動販売機について、以下その動作を説明する。
【0068】
ホット/コールド切換室1を冷却する場合、四方切換弁32を冷却側に切換えて高温用レシプロ型圧縮機20を駆動する。高温用レシプロ型圧縮機20から吐出された冷媒は、四方切換弁32を経由して室外熱交換器31で凝縮された後、キャピラリチューブ33で減圧されて、室内熱交換器30へ供給される。そして、室内熱交換器30で蒸発した冷媒が高温用レシプロ型圧縮機20へ還流する。
【0069】
このとき、ホット/コールド切換室1が所定の温度に近づくと高温用レシプロ型圧縮機20を減速して能力を低下することにより、蒸発温度を上げて冷却効率を向上する。例えば外気温度15℃の安定運転条件ではホット/コールド切換室1の安定時の熱負荷は100〜200W程度であるので、高温用レシプロ型圧縮機20は蒸発温度−20〜−15℃、凝縮温度30〜40℃の運転条件で58〜72rpsの高回転で略連続運転するように制御される。そして、ホット/コールド切換室1が所定の温度に達すると高温用レシプロ型圧縮機20の運転を停止する。
【0070】
また、例えば外気温度15℃でプルダウンする場合は、ホット/コールド切換室1の温度が高いために室内熱交換器30の蒸発温度が上昇して冷却能力が増大する、すなわち能力の自動調整機能が働くことから、プルダウン時は高温用レシプロ型圧縮機20を高回転で連続運転して、蒸発温度−10℃、凝縮温度50℃の高能力運転条件となるが、ホット/コールド切換室1の温度低下に従い前記した安定運転条件へ自動的に移行していく。
【0071】
一方、ホット/コールド切換室1を加温する場合、四方切換弁32を加温側に切換えて高温用レシプロ型圧縮機20を駆動する。高温用レシプロ型圧縮機20から吐出された冷媒は、四方切換弁32を経由して室内熱交換器30で凝縮された後、キャピラリチューブ33で減圧されて、室外熱交換器31へ供給される。そして、室外熱交換器31で蒸発した冷媒が高温用レシプロ型圧縮機20へ還流する。
【0072】
このとき、例えば外気温度15℃ではホット/コールド切換室1の安定時の熱負荷は100〜200W程度であるので、高温用レシプロ型圧縮機20は蒸発温度5〜10℃、凝縮温度55〜65℃の運転条件で27〜35rpsの低回転で連続運転するように制御される。これは、より高い回転数で運転した場合、能力過剰となり室内熱交換器30の凝縮温度が高温用レシプロ圧縮機20の限界を越えて上昇し、耐久性の低下を招くとともに、高温用レシプロ圧縮機20を断続運転する必要が生じ、停止状態から室内熱交換器30の温度が所定温度に達するまでの無駄な運転が生じて全体として効率の低下を招く。
【0073】
また、例えば外気温度15℃でプルアップする場合は、ホット/コールド切換室1を通常400W程度で加温する必要がある。この場合、高温用レシプロ圧縮機20は蒸発温度+0〜+5℃、凝縮温度70〜75℃の運転条件で72rpsの高回転で連続運転するように制御される。ここで、重要な点は、プルダウンする場合に見られる能力の自動調整機構がプルアップする場合には働かず、高温用レシプロ圧縮機20の能力が過剰に大きい時には室内熱交換器30の凝縮温度が高くなり、さらに加温能力が増加する傾向があるとともに、ホット/コールド切換室1の温度が低い時には凝縮温度が低くなり、逆に加温能力が低下する傾向があるために、加温能力を高める制御が不可欠となる点である。本実施例においては、高温用レシプロ圧縮機20の表面での無駄な放熱を抑制するためにコンプファン28を停止するとともに、室内熱交換器30に取り付けられた補助ヒータ(図示せず)をプルアップ初期に通電して凝縮温度を70〜75℃に維持することが望ましい。
【0074】
従って、本実施例の構成において効率よくホット/コールド切換室1の冷却と加温を実現するには、プルダウン中は高温用レシプロ圧縮機20の回転数を比較的高回転で維持すればよいが、プルアップ中にはホット/コールド切換室1内の温度が上昇するに伴って、高温用レシプロ圧縮機20の回転数を27〜35rpsまで順次低下させて能力調整する必要がある。また、ホット/コールド切換室1内の温度が上昇する過程で、凝縮温度が高温用レシプロ圧縮機20の限界を越えないように、望ましくは、室内熱交換器30の凝縮温度を検知する温度センサーを設けるとともに、室内熱交換器30の凝縮温度が所定値を越えると高温用レシプロ圧縮機20の回転数を下げる制御を行う方がよい。
【0075】
なお、本実施の形態においては、15℃における冷却安定時のホット/コールド切換室1の冷却負荷を100〜200W程度、加温安定時のホット/コールド切換室1の加温負荷を100〜200W程度である標準的な自動販売機を想定したが、他の自動販売機においても15〜25℃の常温付近では冷却負荷と加温負荷はほぼ同程度であるとともに、加温時に比べて冷却時の蒸発温度が低いことから、加温安定時の過剰な加温能力を抑制するために高温用レシプロ型圧縮機20の能力を低減する必要がある点に変わりはない。
【0076】
なお、本実施の形態においては、ホット/コールド切換室1の加温時のプルアップを補助ヒータと冷却加温システムの両方で実現したが、補助ヒータだけを用いてプルアップを行い、ホット/コールド切換室1の温度が安定した時点で冷却加温システムの加温能力で保温しても、保温時の加温効率改善は実現できる。
【0077】
なお、本実施の形態においては、キャピラリチューブ33と高温用レシプロ型圧縮機20の吸入配管との熱交換を行わなかったが、室内熱交換器30と四方切換弁32を接続する配管あるいは四方切換弁32と高温用レシプロ型圧縮機20を接続する配管と、キャピラリチューブ33を熱交換して冷却加温システムの冷却能力を向上することができる。
【0078】
なお、本実施の形態においては、冷却加温システムの固定抵抗としてキャピラリチューブ33を用いたが、電動膨張弁のような可変抵抗を用いてもよい。可変抵抗を用いた場合、凝縮温度が上がりにくいプルアップ時に可変抵抗を小さくすることで冷却加温システムのプルアップ特性を改善するとともに、補助ヒータの低入力化を図ることができる。
【0079】
なお、本実施の形態においては、ホット/コールド切換室1を加温する場合の室外熱交換器31の蒸発温度を0〜10℃の効率の高い範囲で任意に調整したが、特に自動販売機が室内に設置されて結露水が排出できない場合は、結露しない範囲でのみ冷却加温システムを稼動し、雨天などの高湿度条件では補助ヒータのみによる加温に切換えることが望ましい。
【0080】
以上のように、本実施の形態においては、コールド専用室2および第二のコールド専用室3の冷却手段とは別に、ホット/コールド切換室1を冷却加温する専用の冷却加温システムを有するとともに、この冷却加温システムとして、R600aを冷媒とする高温用レシプロ型圧縮機20と、室内熱交換器30と、室外熱交換器31と、四方切換弁32と、キャピラリチューブを備えたことによって、部品点数の少ない安価な構成で室外の大気と熱交換することで、蒸発温度−10〜10℃の高温条件に維持して圧縮比を低減することができるとともに、R600aを冷媒とする高温用レシプロ型圧縮機20を用いることで、大量に生産されているR134aを冷媒とする低温用レシプロ型圧縮機を流用して、蒸発温度−10〜10℃、凝縮温度60〜80℃の厳しい加温条件において圧縮機の耐久性確保と圧縮機の高効率化が容易に実現できる。
【0081】
また、ホット/コールド切換室1を冷却加温する場合、比較的蒸発温度が低く吸入ガス密度が小さい冷却運転時に高速運転し、比較的蒸発温度が高く吸入ガス密度が大きい加温運転時に低速運転することで、それぞれの運転条件でほぼ同等の冷却能力と加温能力が得られ冷却加温システムの圧縮機として過不足のない能力が実現できるとともに、特に凝縮温度が高く圧縮機の断続に伴う加温ロスが大きい加温時に略連続運転することでより効率化が図れる。
【0082】
また、コールド専用室2および第二のコールド専用室3の冷却システムを別に設けることで、冷却システムの小能力化が図れ、結果として理論効率が高沸点冷媒であるR600aを用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上のように、本発明にかかる自動販売機の冷却加温システムは、R600aを冷媒とする高温用レシプロ型圧縮機を用いることで、蒸発温度−10〜10℃、凝縮温度60〜80℃の厳しい加温条件において小能力でかつ高効率な加温システムが容易に実現できるとともに、比較的蒸発温度が低く吸入ガス密度が小さい冷却運転時に高速運転し、比較的蒸発温度が高く吸入ガス密度が大きい加温運転時に低速運転することで、それぞれの運転条件でほぼ同等の冷却能力と加温能力が得られ冷却加温システムの圧縮機として過不足のない能力が実現できるとともに、特に凝縮温度が高く圧縮機の断続に伴う加温ロスが大きい加温時に略連続運転することでより効率化が図れるので、ホット飲料とコールド飲料を切換えて保存するショーケースや少量の給湯を行うカップ自販機など小能力の加温および冷却時の省エネルギー化が要求される用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施の形態1による自動販売機の冷媒回路図
【図2】本発明の実施の形態2による自動販売機の冷媒回路図
【図3】同実施の形態の自動販売機の冷却加温システムの運転範囲を示す図
【図4】従来の自動販売機の冷媒回路図
【符号の説明】
【0085】
1 ホット/コールド切換室
2 コールド専用室
3 第二のコールド専用室
20 高温用レシプロ型圧縮機(圧縮機)
21 室内蒸発器
22 室内凝縮器
23 室外蒸発器
24 室外凝縮器
25 三方切換弁
30 室内熱交換器
31 室外熱交換器
32 四方切換弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホット/コールド切替室の冷却運転と加温運転を切替え可能な冷却加温システムと、前記冷却加温システムに備えられた冷温用圧縮機とを備えた自動販売機であって、前記冷温用圧縮機は複数の回転数で運転されるインバータ圧縮機であり、加温運転時における安定時の最高運転回転数は冷却運転時における安定時の最高運転回転数よりも低運転回転数としたことを特徴とする自動販売機。
【請求項2】
ホット/コールド切換室の加温時のプルアップ時間に冷温用圧縮機と補助ヒータとを運転して加温し、プルアップ時間の短縮を行うことを特徴とする請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
商品を収納し冷却するコールド専用室と、前記コールド専用室の冷却運転を行う冷却システムの冷却用圧縮機とを有し、冷却加温システムとは別に独立した前記冷却システムを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の自動販売機。
【請求項4】
冷却加温システムを循環する冷媒をR134aやR600aなどの高沸点冷媒としたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−52751(P2008−52751A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−274997(P2007−274997)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【分割の表示】特願2004−211321(P2004−211321)の分割
【原出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】