説明

自動車の車体構造

【課題】フロアフレームによる車体重量の増加、コストアップ、溶接スポット数の増加による生産性の低下を軽減した上で、フロアフレームによる車体後部への前突荷重の伝達路の確保による衝突性能の向上を図ること。
【解決手段】フロアパネル12の下底面に接合されて前端をフロントサイドフレーム20の後端に各々接続され、当該接続部よりフロアパネル12の車体前後方向の中間部まで延在するフロアフレーム28を設け、フロアパネル12には、前端にてフロアフレーム28の後端に連続し、当該連続部より車体後方に延在してミドルクロスメンバ18に至る突条状のビード34をプレス成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車体構造に関し、特に、車体フロア構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車体フロア構造として、左右のフロントサイドフレームの後端がアウトリガー等によって各々車体前後方向に延在する左右のフロントインサイドシルとセンタフレームの前端に接続されたものや(例えば、特許文献1)、更に左右のフロントインサイドシルとセンタフレーム(フロアトンネルフレーム)との間を車体前後方向に延在し、前端を左右のフロントサイドフレームの後端され、後端を後部座席下部のミドルクロスメンバに接続された左右のフロアフレームを有するものが知られている(特許文献2、3)。
【0003】
フロアフレームが設けられると、フロントサイドフレームに入力された前部衝突荷重(前突荷重)が、フロントインサイドシル、センタフレームに加えてフロアフレームにも伝達され、車体後部への前突荷重の伝達路が増え、車体後部への前突荷重の伝達が良好に行われ、衝突性能が改善される。また、フロアフレームがフロアパネルの下底面に溶接されることにより、フロアパネルの剛性が増し、NV(騒音.振動)性能が改善される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−18725号公報
【特許文献2】特開2009−6902号公報
【特許文献3】特開2009−6903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フロアフレームはフロアパネルの車体前後方向全域に亘って長く設けられることになるため、フロアフレームのフロアパネル全域設置は、車体重量の増加、コストアップ、溶接スポット数の増加による生産性の低下を招くことになる。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、フロアフレームによる車体重量の増加、コストアップ、溶接スポット数の増加による生産性の低下を軽減した上で、フロアフレームによる車体後部への前突荷重の伝達路の確保による衝突性能の向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による自動車の車体構造は、車体前後方向に延在する左右のフロントサイドフレーム(20)と、前記フロントサイドフレーム(20)の後端より車体後方に配置されたフロアパネル(12)と、前記フロアパネル(12)の後端位置において車体幅方向に延在する第1のミドルクロスメンバ(18)と、前記フロアパネル(12)の下底面に接合されて前端を前記左右のフロントサイドフレーム(20)の後端に各々接続され、当該接続部より前記フロアパネル(12)の車体前後方向の中間部まで延在する左右のフロアフレーム(28)とを有し、前記フロアパネル(12)に、前端にて前記左右のフロアフレーム(28)の後端に各々連続し、当該連続部より車体後方に延在して前記第1のミドルクロスメンバ(18)に至る突条状の左右のビード(34)が形成されている。
【0008】
この車体構造によれば、フロアフレーム(28)とフロアパネル(12)に形成されたビード(34)により、フロントサイドフレーム(20)より第1のミドルクロスメンバ(18)へ至る前突荷重伝達路が確立する。その上で、ビード(34)の車体前後方向長さ分、フロアフレーム(28)の車体前後方向長さが短くなり、フロアフレーム(28)が短くなった分、車体重量、溶接スポット数が低減する。
【0009】
本発明による自動車の車体構造は、一つの好ましい実施例として、前記フロアパネル(12)には後部座席用の足置き凹部(30)が形成されていて、当該フロアパネル(12)の車体前後方向の中間部に、前記足置き凹部(30)の前縁をなす前方へ向けて昇り勾配の傾斜面部(32)が形成され、前記ビード(34)は、前記足置き凹部(30)と前記傾斜面部(32)とに車体前後方向に一直線上に延在し、前記フロアフレーム(28)の後端は、前記傾斜面部(32)に突き当たり、前記傾斜面部(32)において前記フロアフレーム(28)と前記ビード(34)とが車体前後方向に一直線上に繋がっている。
【0010】
この車体構造によれば、フロアフレーム(28)の後端がフロアパネル(12)の傾斜面部(32)に突き当たり、この傾斜面部(32)においてフロアフレーム(28)とビード(34)とが車体前後方向に一直線上に繋がっていることにより、フロアフレーム(28)よりビード(34)への前突荷重の伝達が良好に行われる。
【0011】
本発明による自動車の車体構造は、他の一つの好ましい実施例として、前記傾斜面部(34)近傍の位置に、車体幅方向に延在する第2のミドルクロスメンバ(36)が設けられている。
【0012】
この車体構造によれば、傾斜面部(32)の強度が増し、フロアフレーム(28)より傾斜面部(32)を介して行われるビード(34)への前突荷重の伝達が更に良好に行われる。
【0013】
本発明による自動車の車体構造は、他の一つの好ましい実施例として、前記フロアフレーム(28)の後端は前記ビード(34)の前端外周に重合して接続されている。
【0014】
この車体構造によれば、フロアフレーム(28)とビード(34)との接続強度が向上し、フロアフレーム(28)よりビード(34)への前突荷重の伝達が良好に行われる。
【0015】
本発明による自動車の車体構造は、他の一つの好ましい実施例として、車室内の側において凹溝をなす前記ビード(34)にハーネス(40)が配置されている。
【0016】
この車体構造によれば、ビード(34)が車室内側においてハーネス(40)の配置部として有効に利用され、フロアパネル(12)上に敷かれる室内カーペットの一般面フラット化による商品性向上が可能になる。
【0017】
本発明による自動車の車体構造は、他の一つの好ましい実施例として、前記フロアパネル(12)の左右の縁部を車体前後方向に延在する左右のサイドシル(14)と、前記フロアパネル(12)の車体幅方向の中央部を車体前後方向に延在するセンタフレーム(24)と、前記左右のフロントサイドフレーム(20)の後端に各々に接続され、前記フロントサイドフレーム(20)との接続部(20A)より車幅方向外側に向かって斜め後方に延びて前記サイドシル(14)の前端に接続されたアウトリガー部(22B)と、前記フロントサイドフレーム(20)との接続部(20A)より車幅方向内側に向かって斜め後方に延びて前記センタフレーム(24)の前端に接続されたセンタフレームエクステンション部(22C)とを備えた左右の連結メンバ(22)とを更に有し、前記左右の連結メンバ(22)の各々の前記アウトリガー部(22B)と前記センタフレームエクステンション部(22C)との分岐部(22D)に前記左右のフロアフレーム(28)の前端が接続され、前記左右のフロントサイドフレーム(20)と前記左右のフロアフレーム(28)とが前記左右の連結メンバ(22)を介して車体前後方向に一直線上に連結されている。
【0018】
この車体構造によれば、フロントサイドフレーム(20)に入力された前突荷重が、フロアフレーム(28)とフロアパネル(12)のビード(34)とによる車体方向への伝達に加えて、サイドシル(14)、センタフレーム(24)の各々によっても車体方向へ伝達される。これにより、フロアフレーム(28)とビード(34)とが受け持つ前突荷重が軽減し、フロアフレームの小型軽量化が可能になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明による自動車の車体構造によれば、フロアフレームとフロアパネルに形成されたビードにより、フロントサイドフレームより第1のミドルクロスメンバへ至る前突荷重伝達路が確立し、その上で、ビードの車体前後方向長さ分、フロアフレームの車体前後方向長さが短くなり、フロアフレームが短くなった分、車体重量、溶接スポット数が低減する。これにより、高い衝突性能を維持して、コストダウンと生産性の向上を図ることにができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明による自動車の車体構造の一つの実施例を示す下底面図(フロアパネルを車外より見た図)。
【図2】本発明による自動車の車体構造の一つの実施例を示す平面図(フロアパネルを車内より見た図)。
【図3】本発明による自動車の車体構造の一つの実施例を示す側面図(フロアパネルを車体側方より見た図)。
【図4】図1の線IV−IVに沿った拡大断面図。
【図5】図2の線V−Vに沿った拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明による自動車の車体構造の実施例を、図1〜図5を参照して説明する。尚、以下に説明する各部材は鋼材製で、各部材の接続、接合は、溶接により行われる。
【0022】
車体前部にはエンジンルームと車室とを区切るダッシュボードパネル10が設けられている。ダッシュボードパネル10の車室側には、前端をもってダッシュボードパネル10の下端に接続されたフロアパネル12が水平配置されている。フロアパネル12は後述するフロントサイドフレーム20の後端より車体後方に存在する。
【0023】
フロアパネル12の左右両側には、各々、車体前後方向に延在する左右の箱形断面形状のサイドシル14が水平に配置されている。左右のサイドシル14にはフロアパネル12の左右の側縁部が接続されている。左右のサイドシル14の後端には、各々、平面視で、左右のサイドシル14と一直線上に車体前後方向に延在する左右の箱形断面形状のサイドシルエックステンションメンバ16の前端が接続されている。
【0024】
フロアパネル12の後端位置には、車体幅方向に延在して左右両端を左右のサイドシルエックステンションメンバ16に橋渡し接続された箱形断面形状のミドルクロスメンバ(第1のミドルクロスメンバ)18が設けられている。ミドルクロスメンバ18は、フロアパネル12の後端位置においてキップアップ部をなし、フロアパネル12の後縁を接続されている。
【0025】
ダッシュボードパネル10より車体前方(エンジンルーム側)には、車体前後方向に延在する左右のフロントサイドフレーム20が設けられている。左右のフロントサイドフレーム20は、各々、箱形断面形状をなしており、後端を左右の連結メンバ22に接続されている。
【0026】
左右の連結メンバ22は、各々、ダッシュボードパネル10の車体前方側の外面(車室外面)に接合されて箱形断面形状をなし、フロントサイドフレーム20との接続部22より車幅方向外側に向かって斜め後方に延びてサイドシル14の前端に接続されたアウトリガー部22Bと、接続部22Aより車幅方向内側に向かって斜め後方に延びてセンタフレーム24の前端に接続されたセンタフレームエクステンション部22Cとを有し、二股分岐形状をなしている。
【0027】
フロアパネル12の車幅方向中央には、車室内側に突出して車体前後方向に延在し、後端をミドルクロスメンバ18に接続されたセンタトンネル部26がプレス成形されている。センタフレーム24は、センタトンネル部26の左右両側にあって、各々、フロアパネル12の下底面(車外面)に接合されて箱形断面形状をなし、後端をミドルクロスメンバ18に接続されている。
【0028】
図1によく示されているように、左側のサイドシル14とセンタフレーム24との間と、右側のサイドシル14とセンタフレーム24との間の各々に、左右のフロアフレーム28が配置されている。左右のフロアフレーム28は、各々、車体前後方向に延在し、フロアパネル12の下底面(車外面)に接合されて箱形断面形状をなし、前端を連結メンバ22のアウトリガー部22Bとセンタフレームエクステンション部22Cとの分岐部22Dに接続されている。
【0029】
これにより、本実施例では、左右のフロアフレーム28は、各々、左右の連結メンバ20を介して左右のフロントサイドフレーム20と、平面視で、車体前後方向に一直線上に連結されている。
【0030】
フロアパネル12の車体後部側にはフロアパネル12の一般面より一段低い窪みをなす後部座席用の足置き凹部30が左右に形成されている。足置き凹部30はフロアパネル12の後縁まで延在しており、足置き凹部30の底部前縁はフロアパネル12の車体前後方向の中間部にあるのに対し、足置き凹部30の底部後縁は車体前後方向においてフロアパネル12の後縁と同じ位置にある。
【0031】
フロアパネル12の車体前後方向の中間部には足置き凹部30の底部前縁より各々車体前方へ向けて昇り勾配で傾斜してフロアパネル12の一般面に至る傾斜面部32が左右の足置き凹部30毎に形成されている。
【0032】
前述の左右のフロアフレーム26は、各々、後端が、左右の傾斜面部32の車外側の前面に突き当たる位置まで車体後方に延在している。つまり、左右のフロアフレーム26は、車体前部の連結メンバ20との接続部よりフロアパネル12の車体前後方向の中間部まで延在している。このフロアフレーム26と傾斜面部32との接続については、後述のビード34との関係を踏まえて詳しく後述する。
【0033】
左右の足置き凹部30と傾斜面部32には、各々、両者(足置き凹部30と傾斜面部32)を車体前後方向の一直線上に延在するビード34がプレス成形されている。この左右のビード34は、各々、車室外側に突出した突条状のビードであり、左右のフロアフレーム26の車体幅方向位と同じ車体幅方向位置に形成されている。
【0034】
これにより、左右のビード34は、各々、傾斜面部32における前端にて左右のフロアフレーム26の後端に各々連続し、当該フロアフレーム26との連続部よりフロアフレーム26と一直線上に車体後方に延在してミドルクロスメンバ18の前壁に至っている。
【0035】
フロアフレーム26と傾斜面部32とビード34との関係について、詳しく説明する。フロアフレーム26は、ビード34の溝形断面形状より一回り大きい溝形断面形状を有し、後端〜後端近傍の区間L(図4参照)に亘って、傾斜面部32の車外側にて車体前方に突出しているビード34の外周に覆い被さるように、ビード34の前端外周に重合し、後端にて傾斜面部32の前面に突き当っている。
【0036】
図2によく示されているように、ミドルクロスメンバ18より車体前方位置には、各々、車体幅方向に延在し、左右両端を車室内側に突出しているセンタトンネル部26の右側部と右側のサイドシル14とに橋渡し接続された右側のミドルクロスメンバ(第2のミドルクロスメンバ)36と、左右両端をセンタトンネル部26の左側部と左側のサイドシル14とに橋渡し接続された左側のミドルクロスメンバ(第2のミドルクロスメンバ)36が設けられている。この左右のミドルクロスメンバ36は、各々、傾斜面部32の車体前方に隣接する位置において、フロアパネル12の上面(車内面)に接合されて箱形断面形状をなしている。
【0037】
上述の構成による車体構造によれば、フロントサイドフレーム20に入力された前突荷重の車体後部への伝達は、フロントサイドフレーム20→アウトリガー部22B→サイドシル14→サイドシルエックステンションメンバ16→ミドルクロスメンバ18と、フロントサイドフレーム20→センタフレームエクステンション部22C→センタフレーム24→ミドルクロスメンバ18と、フロントサイドフレーム20→連結メンバ22の分岐部22D→フロアフレーム28→ビード34→ミドルクロスメンバ18の各経路をもって行われる。
【0038】
特に、フロアフレーム28は、図1によく示されているように、連結メンバ20を介してフロントサイドフレーム20と、平面視で、車体前後方向に一直線上に連結されているので、フロントサイドフレーム20→連結メンバ22の分岐部22D→フロアフレーム28→ビード34→ミドルクロスメンバ18による前突荷重の車体後部への伝達が、曲げモーメントを生じることなく効率よく良好に行われる。
【0039】
この前突荷重の伝達路は、フロアフレーム28とフロアパネル12に形成されたビード(
34により確立するから、ビード34の車体前後方向長さ分、フロアフレーム28の車体前後方向長さが短縮される。これにより、フロアフレーム28が短くなった分、車体重量、溶接スポット数が低減し、フロアフレーム28による車体重量の増加、コストアップ、溶接スポット数の増加による生産性の低下を軽減した上で、フロアフレーム28による車体後部への前突荷重の伝達路が確保され、衝突性能が向上する。
【0040】
また、フロントサイドフレーム20に入力された前突荷重は、フロアフレーム28とフロアパネル12のビード34とによる車体方向への伝達に加えて、サイドシル14、センタフレーム24の各々によっても車体方向へ伝達されるから、フロアフレーム28とビード34とが受け持つ前突荷重が軽減し、フロアフレーム28を小型軽量化することができる。
【0041】
更に、ミドルクロスメンバ36が設けられていることにより、フロアフレーム28に入力された前突荷重が、サイドシル14やセンタフレーム24に分散伝達され、このことによっても、前突荷重の車体後部への伝達が効率よく良好に行われ、フロアフレーム28の小型軽量化が可能になる。
【0042】
また、この車体構造によれば、フロアフレーム28の後端がフロアパネル12の傾斜面部32に突き当たり、この傾斜面部32においてフロアフレーム28とビード34とが車体前後方向に一直線上に繋がっていることにより、フロアフレーム28よりビード34への前突荷重の伝達が良好に行われる。
【0043】
更に、傾斜面部34の近傍位置にミドルクロスメンバ36が設けられているから、傾斜面部32の強度が増し、フロアフレーム28より傾斜面部32を介して行われるビード34への前突荷重の伝達が良好に行われる。しかも、フロアフレーム28の後端はビード34の前端外周に重合して接続されているから、フロアフレーム28とビード34との接続強度が向上し、フロアフレーム28よりビード34への前突荷重の伝達が更に良好に行われる。
【0044】
ビード34は、車室内の側において凹溝をなしているから、図2、図5に示されているように、車体後方へ電力を供給する電力線やセンサ等に接続される信号線のハーネス40が配置されるハーネス配置溝として有効に利用することができる。これにより、フロアパネル12上に敷かれる室内カーペット44(図5参照)の一般面フラット化が促進され、商品性の向上が図られる。なお、図5において、符号42はフロアパネル12の室内面に敷設されたメルシートを示している。
【0045】
なお、上述の実施例では、フロアフレーム28は連結メンバ22を挟んでフロントサイドフレーム20に接続されているが、本発明はこれに限られることはなく、フロアフレーム28はフロントサイドフレーム20に直接接続される構成であってもよく、連結メンバ22がフロントサイドフレーム20と実質的に一体構造であれば、連結メンバ22があってもフロアフレーム28はフロントサイドフレーム20に接続されていることになる。
【符号の説明】
【0046】
10 ダッシュボードパネル
12 フロアパネル
14 サイドシル
16 サイドシルエックステンションメンバ
18 ミドルクロスメンバ(第1のミドルクロスメンバ)
20 フロントサイドフレーム
22 連結メンバ
24 センタフレーム
26 センタトンネル部
28 フロアフレーム
30 足置き凹部
32 傾斜面部
34 ビード
36 ミドルクロスメンバ(第2のミドルクロスメンバ)
40 ハーネス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前後方向に延在する左右のフロントサイドフレームと、
前記フロントサイドフレームの後端より車体後方に配置されたフロアパネルと、
前記フロアパネルの後端位置において車体幅方向に延在する第1のミドルクロスメンバと、
前記フロアパネルの下底面に接合されて前端を前記左右のフロントサイドフレームの後端に各々接続され、当該接続部より前記フロアパネルの車体前後方向の中間部まで延在する左右のフロアフレームとを有し、
前記フロアパネルに、前端にて前記左右のフロアフレームの後端に各々連続し、当該連続部より車体後方に延在して前記第1のミドルクロスメンバに至る突条状の左右のビードが形成されている自動車の車体構造。
【請求項2】
前記フロアパネルには後部座席用の足置き凹部が形成されていて、当該フロアパネルの車体前後方向の中間部に、前記足置き凹部の前縁をなす前方へ向けて昇り勾配の傾斜面部が形成され、
前記ビードは、前記足置き凹部と前記傾斜面部とに車体前後方向に一直線上に延在し、前記フロアフレームの後端は、前記傾斜面部に突き当たり、前記傾斜面部において前記フロアフレームと前記ビードとが車体前後方向に一直線上に繋がっている請求項1に記載の自動車の車体構造。
【請求項3】
前記傾斜面部近傍の位置に、車体幅方向に延在する第2のミドルクロスメンバが設けられている請求項2に記載の車体フロア構造。
【請求項4】
前記フロアフレームの後端は前記ビードの前端外周に重合して接続されている請求項1から3の何れか一項に記載の車体フロア構造。
【請求項5】
車室内の側において凹溝をなす前記ビードにハーネスが配置されている請求項1から4の何れか一項に記載の車体フロア構造。
【請求項6】
前記フロアパネルの左右の縁部を車体前後方向に延在する左右のサイドシルと、
前記フロアパネルの車体幅方向の中央部を車体前後方向に延在するセンタフレームと、
前記左右のフロントサイドフレームの後端に各々に接続され、前記フロントサイドフレームとの接続部より車幅方向外側に向かって斜め後方に延びて前記サイドシルの前端に接続されたアウトリガー部と、前記フロントサイドフレームとの接続部より車幅方向内側に向かって斜め後方に延びて前記センタフレームの前端に接続されたセンタフレームエクステンション部とを備えた左右の連結メンバとを更に有し、
前記左右の連結メンバの各々の前記アウトリガー部と前記センタフレームエクステンション部との分岐部に前記左右のフロアフレームの前端が接続され、
前記左右のフロントサイドフレームと前記左右のフロアフレームとが前記左右の連結メンバを介して、平面視で、車体前後方向に一直線上に連結されている請求項1から5の何れか一項に記載の車体フロア構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−213246(P2011−213246A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83409(P2010−83409)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】