説明

自動車アンテナ用増幅器ケース

車体パネルP外側に取り付けられるアンテナエレメント130に電気的に接続される増幅回路基板S及びアンテナエレメント130との結合に供されるナットNを収容するケース本体30と、ケース本体30を車体パネルPの反対側から蓋するとともに、ナットNに対応する位置に開口部44が形成されたケース蓋体40と、ケース蓋体40に所定方向に沿って往復動自在に取付けられ、開口部44を開閉する開閉蓋50とを備え、ケース本体30、ケース蓋体40、開閉蓋50は、導電性樹脂で形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車アンテナの電力増幅器を収容する自動車アンテナ用増幅器ケースに関し、特に取付作業が容易であるとともに、高周波ノイズを低減できるものに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用のアンテナ装置は各種のタイプがあるが、例えば、棒状のアンテナエレメントを車体に直接取付けるタイプが知られている(例えば、特開平9−69708号)。図10はこのような自動車用のアンテナ装置10の一例を示す図である。なお、図10中Pは車両パネル、Cは同軸ケーブルを示している。アンテナ装置10は、アンテナエレメント11と、このアンテナエレメント11が着脱自在に取り付けられる合成樹脂材製の自動車アンテナ用増幅器ケース12とを備えている。自動車アンテナ用増幅器ケース12は車両パネルPの内側に配置され、車両パネルPに形成された取付孔Paからエレメントホルダ突出部13が突出されて、突出されたエレメントホルダ突出部13の外周に形成されているネジ部13aに取付ナット14が螺着されることにより自動車アンテナ用増幅器ケース12が車両パネルPに固定されている。
【0003】
この取付ナット14をカバーするように小さなハウジング15が取付ナット14の上に載置されて固着され、この状態においてアンテナエレメント11の下端から延伸されているエレメント取付金具11aを、ハウジング15の上からエレメントホルダ突出部13内に挿入される。このエレメントホルダ突出部13の内部には、接続金具(不図示)が装着されている。そして、エレメント取付金具11aの下端部に形成されているエレメント取付ネジ部11bを、接続金具に螺着することによりアンテナエレメント11が自動車アンテナ用増幅器ケース12に固定される。
【発明の開示】
【0004】
上述したアンテナ装置に組み込まれた自動車アンテナ用増幅器ケースであると次のような問題があった。すなわち、エレメントホルダ突出部13が車両パネルPの外側に突出するため、突出したエレメントホルダ突出部13が外部からのノイズを拾ってしまうという問題があった。また、エレメントホルダ突出部13に取付ナット14を取付ける際に、エレメントホルダ突出部13を押える作業者と、取付ナット14を締め付ける作業者の2人が必要となる等、取付作業が困難であった。
【0005】
そこで本発明は、外部からのノイズの影響を最小限に抑えるとともに、取付作業を簡易化できる自動車アンテナ用増幅器ケースを提供することを目的としている。
【0006】
上記課題を解決し目的を達成するために、自動車アンテナ用増幅器ケースは次のように構成されている。
【0007】
(1)車体パネル内側に取り付けられる自動車アンテナ用増幅器ケースにおいて、上記車体パネル外側に取り付けられるアンテナエレメントに電気的に接続される増幅回路基板及び上記アンテナエレメントとの結合に供される結合部材を収容するケース本体と、このケース本体を上記車体パネルの反対側から蓋するとともに、上記結合部材に対応する位置に開口部が形成されたケース蓋体と、上記ケース本体及び上記ケース蓋体のうち少なくとも一方に、所定方向に沿って往復動自在に取付けられ、上記開口部を板体で開閉するとともに、その板体の外周縁が上記ケース蓋体の外周縁よりも内側でのみ移動する開閉蓋とを備え、上記ケース本体、上記ケース蓋体、上記開閉蓋は、導電性樹脂で形成されていることを特徴とする。
【0008】
(2)上記(1)に記載された自動車アンテナ用増幅器ケースであって、上記ケース蓋体は、その外壁に上記所定方向に沿って延設されたスライドガイドを具備し、上記開閉蓋は、上記スライドガイドに係合し上記所定方向に沿って往復動自在に移動可能なスライダを具備し、上記スライドガイドの両端には上記スライドの脱落防止用ストッパが設けられるとともに、これら脱落防止用ストッパのうち少なくとも1つは上記ケース本体側に設けられた部材であることを特徴とする。
【0009】
(3)上記(1)又は(2)に記載された自動車アンテナ用増幅器ケースであって、上記ケース蓋体及び上記開閉蓋には、上記開閉蓋を少なくとも上記開口部を完全に閉じた全閉位置、及び、完全に開いた全開位置において係合させる蓋係合機構を備えていることを特徴とする。
【0010】
(4)上記(3)に記載された自動車アンテナ用増幅器ケースであって、上記蓋係合部は、上記スライドガイドと上記スライダとの間隙は、上記全閉位置及び上記全開位置に対応する位置において狭く、それ以外の位置で広く形成されていることを特徴とする。
【0011】
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載された自動車アンテナ用増幅器ケースであって、上記ケース蓋体には、上記開閉蓋が開いた状態で係合する開係合部と、上記開閉蓋が閉じた状態で係合する閉係合部と、上記開口部に繋がる切込部とを備え、上記閉係合部は上記切込部によって挟まれる領域に形成されることを特徴とする。
【0012】
(6)上記(1)〜(5)のいずれかにに記載された自動車アンテナ用増幅器ケースであって、上記ケース本体の上記車体パネル外側には上記車体パネルを貫通するように配置された廻り止め棒を有するアンテナベースが設けられ、上記ケース本体には、上記廻り止め棒に係合する切欠部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
(7)上記(1)〜(6)のいずれかにに記載された自動車アンテナ用増幅器ケースであって、上記ケース本体の上記車体パネル側にはこの車体パネルに導通するためのグランドワッシャが設けられ、上記ケース本体の上記車体パネル外側には上記グランドワッシャの先端に対向する位置に当て板が設けられていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
[図1]図1は、本発明の一実施の形態に係る自動車アンテナ用増幅器ケースが自動車本体に取付けられた状態を示す斜視図である。
[図2]図2は、同自動車アンテナ用増幅器ケースが自動車本体に取付けられた状態を下側から示す斜視図である。
[図3]図3は、同自動車アンテナ用増幅器ケースであって蓋を開けた状態を示す斜視図である。
[図4]図4は、同自動車アンテナ用増幅器ケースであって蓋を閉じた状態を示す斜視図である。
[図5]図5は、同自動車アンテナ用増幅器ケースを示す分解斜視図である。
[図6]図6は、同自動車アンテナ用増幅器ケースに組み込まれた蓋の斜視図である。
[図7]図7は、同自動車アンテナ用増幅器ケースに対向配置されるアンテナベースを下側から示す斜視図である。
[図8]図8は、同自動車アンテナ用増幅器ケースの組み立て工程を示す斜視図である。
[図9]図9は、同自動車アンテナ用増幅器ケースの変形例を示す側面図である。
[図10]図10は、従来の自動車アンテナ用増幅器ケースの一例を示す側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本発明の一実施の形態に係る自動車アンテナ用増幅器ケース20が車体パネルPに取付けられた状態を示す斜視図、図2は同自動車アンテナ用増幅器ケース20にアンテナ本体100が取り付けられた状態を下側から示す斜視図、図3は自動車アンテナ用増幅器ケース20であって開閉蓋50開けた状態を示す斜視図、図4は同自動車アンテナ用増幅器ケース20であって開閉蓋50を閉じた状態を示す斜視図、図5は同自動車アンテナ用増幅器ケース20の分解斜視図、図6は同自動車アンテナ用増幅器ケース20に組み込まれた開閉蓋50の斜視図、図7は同自動車アンテナ用増幅器ケース20に対向配置されるアンテナベース110を下側から示す斜視図である。
【0016】
なお、これらの図中Pは車体パネル、Cは同軸ケーブル、Eは電源コード、Nはアンテナエレメント130の取付ネジ(不図示)に締結されるナット(結合部材)、Sは増幅回路基板を示している。
【0017】
自動車アンテナ用増幅器ケース20は、図3〜図5に示すように、ケース本体30と、ケース蓋体40と、開閉蓋50とを組み合せて構成されている。なお、これらケース本体30、ケース蓋体40、開閉蓋50はいずれも導電性ABS樹脂により形成されている。導電性ABS樹脂の導電率は、例えば100[Ω/□m2]以下のものが好ましい。
【0018】
ケース本体30は、板体31と、この板体31の外縁に沿って設けられた枠状の側壁部32と、板体31に設けられ車両パネルPに取付けられる取付板33とを備えている。板体31には、アンテナベース110の突出爪112が挿入される開口部34が設けられている。また、取付板33には、切欠部33aが数箇所に設けられている。
【0019】
側壁部32には、結合壁部43の後述する爪43aが係合する係合孔32aが周方向に沿って複数個設けられている。また、側壁部32には棒状のストッパ35が形成されている。
【0020】
ケース本体30の上面には金属材製のグランドワッシャ36が取り付けられており、同軸ケーブルCの外皮と導通がとられている。
【0021】
ケース蓋体40は、板体41と、この板体41の外縁に沿って設けられた枠状の側壁部42と、この側壁部42に連なって設けられた枠状の結合壁部43とを備えている。板体41には、前述した開口部34に対応する位置に開口部44が設けられている。結合壁部43は、その外周面が前述した側壁部32の内周面に嵌合するように形成されている。また、結合壁部43の外周面には爪43aが周方向に沿って複数個設けられている。開口部44には、一対のスリット(切込部)44aが連設されており、後述する凹部48が設けられている部分41aが容易に撓むように形成されている。
【0022】
側壁部42には、その周方向に沿って直線状のスライドガイド45が形成されている。
スライドガイド45の一方の端部にはストッパ46が設けられている。また、スライドガイド45の他端側には切欠部45aが形成されており、この切欠部45aには上述したストッパ35が嵌合する。
【0023】
開閉蓋50は、板体51と、この板体51の外縁に設けられ、上述したスライドガイド45に係合することで、図3中矢印α方向に沿って往復動自在に案内される一対のスライダ52とを備えている。また、板体51の外周縁は、ケース蓋体40の外周縁よりも内側でのみ移動するように形成されている。
【0024】
上述した開閉蓋50の爪54と、凹部(開係合部)47及び凹部(閉係合部)48とにより蓋係合機構が形成されている。すなわち、開閉蓋50は開口部44を完全に閉じた状態、あるいは、完全に開いた状態のときに保持されるようになっており、その間では比較的軽い力で動くように形成されている。
【0025】
自動車アンテナ用増幅器ケース20内部には増幅回路基板Sが配置され、同軸ケーブルCの芯線及び電源コードEが接続されている。増幅回路基板Sの端子はアンテナエレメント130の下端から延伸されているエレメント取付ネジ(不図示)を介して接続される。
【0026】
アンテナ本体100は、車体パネルP上に配置されるアンテナベース110と、このアンテナベース110に取り付けられるアンテナブラケット120と、このアンテナブラケット120に回動自在に取り付けられるアンテナエレメント130とを備えている。アンテナベース110は、平板上のベース本体111を備えている。このベース本体111には、車体パネルP側に突出され、上述したケース本体30の開口部34に挿入される突出爪112と、車体パネルP側に突出された廻り止め棒113とを備えている。なお、突出爪112の周囲には当て板114が、グランドワッシャ36の爪に対向する部分にのみ配置されている。
【0027】
このように構成された自動車アンテナ用増幅器ケース20は、次のようにして組み立てられる。すなわち、開閉蓋50のスライダ52を、ケース蓋体40のスライドガイド45に取付ける。
【0028】
そして、ケース蓋体40の爪43aがケース本体30の係合孔32aに係合するように位置合わせを行い、ケース蓋体40をケース本体30に嵌め合わせる。このとき、ストッパ35が切欠45aに嵌め合わされる。また、これにより増幅回路基板Sがケース本体30とケース蓋体40とによって固定される。
【0029】
なお、自動車アンテナ用増幅器ケース20を運搬する場合には、開閉蓋50をスライドガイド45に沿って移動させ、開閉蓋50の爪54と凹部47とを係合をさせた状態、すなわち開口部44を開いた状態で保持する。
【0030】
次に、自動車アンテナ用増幅器ケース20を車体パネルPに取り付ける方法について説明する。車体パネルPの取付孔(不図示)に外側からアンテナベース110、ブラケット120及びアンテナエレメント130を位置決めする。そして、取付孔からアンテナベース110の突出爪112及びアンテナエレメント130のエレメント取付ネジを車体パネルPの内部に挿入する。次に、取付孔の車体パネルPの内側から自動車アンテナ用増幅器ケース20の開口部34を位置決めし、突出爪112と開口部34とを係合させることで仮止めを行う。そして、開口部44からナットNを入れて、エレメント取付ネジに螺着させる。ナットNの締め付け作業が進むと、グランドワッシャ36の先端が車体パネルPに喰いこみ、アースがとられる。このとき、グランドワッシャ36の先端に対応する位置に当て板114が形成されているので、グランドワッシャ36の先端が強く喰いこんでも車体パネルPの変形が抑えられる。そして、開閉蓋50をスライドして開口部44を閉じて作業を終了する。
【0031】
上述したように、自動車アンテナ用増幅器ケース20では、アンテナエレメント130との接合部が車体内に配置され、しかも導電性樹脂で覆われているため、外部からのノイズによる影響を最小限に抑えることができる。また、開閉蓋50をスライドするだけで開口部44を開閉できるので、車体パネルPへの取付作業後での操作が容易である。特に、スライドガイド45を用いて開閉蓋50を案内しているので、例えばケース蓋体40にスリットを設け、このスリットをスライドガイドとした場合に比べ、開閉蓋50を比較的大型とすることができ、作業者による開閉作業を行いやすいというメリットもある。また、これに伴い開口部44を大型化できるのでナットNの挿入及び締付作業も容易となる。さらに、自動車アンテナ用増幅器ケース20は、車体内の比較的狭い箇所に他の自動車部品と共に取り付けられることになるが、開閉蓋50の板体51の外周縁は、ケース蓋体40の外周縁よりも内側でのみ移動するように形成されてため、他の自動車部品と干渉することがなく、作業能率を向上することができる。
【0032】
さらに、ストッパ35が組立前は別部材であるケース本体30側に設けられているため、開閉蓋50をスライドガイド45に取付けやすく、また組立後はストッパ35により確実に開閉蓋50の動きを規制することが可能となる。
【0033】
さらにまた、上述した開閉蓋50の爪54と凹部47,48により蓋係合機構が形成されているので、開閉蓋50は完全に閉じた状態、あるいは、完全に開いた状態のときに保持されるようになっており、その間の範囲では比較的軽い力で動くように形成されている。
【0034】
したがって、組立後に搬送する際に、開閉蓋50を開いた状態で爪54と凹部47とが係合しているので、開閉蓋50が不用意に動いたりする虞がなく、そのままの状態で運搬したり、取付作業を開始することができる。一方、開閉蓋50を閉じた状態では、開閉蓋50の爪54と凹部48とが係合することにより、自動車アンテナ用増幅器ケース20の車体パネルPへの取付後に開閉蓋50が振動等で開くことがなく、ケース内へのゴミ混入防止が可能となり、また導電性樹脂材によるノイズ低減性能を維持することが可能である。
【0035】
なお、開閉蓋50が開いた状態における爪54と凹部47との係合、閉じた状態における爪54と凹部48との係合は、いずれも作業者が適当な力を入れてケース蓋体40、開閉蓋50のいずれかを変形させることで容易に解除することができる。さらに詳しくいえば、爪54と凹部47とは軽く係合しており、作業者の指1本で開閉蓋50をスライドすることで係合を解除することができる。これに対し、爪54と凹部48との係合は、1本の指で部分41aを撓ませて、別の1本の指で開閉蓋50をスライドすることで解除することになる。このため、組み立て時に開閉蓋50を閉じるのは簡単に閉じられるが、一旦組み立てが終わって開閉蓋50を閉じた場合には2本の指を使わなければならず、誤開口を防止でき、ごみ侵入や雑電波の侵入によるノイズ発生を防止することができる。
【0036】
なお、ケース本体30、ケース蓋体40、開閉蓋50のいずれも樹脂材で形成しているため、自由な形状を製作しやすく、様々なアンテナエレメント130の形状、自動車の種類に応じた製品を製造しやすい。特に金属材で形成した場合に比べ、自動車アンテナ用増幅器ケース20で用いる金属部材を最小限に抑えることができることから、その重量が約半分となり、軽量化を図ることができる。
【0037】
一方、組立を行う際に、廻り止め棒113が設けられており、この廻り止め棒113が取付板33の切欠部33aに係合するので、自動車アンテナ用増幅器ケース20を取り付けて、ナットNで締め付ける際に、自動車アンテナ用増幅器ケース20が回転することを防止でき、取り付けを容易に行うことができる。
【0038】
また、上述したようにグランドワッシャ36を車体パネルPに喰い込ませる際に、当て板114からずれると当て板114の機能が発揮できない。これを防止するために当て板を円環状に形成することも考えられるが、この場合、当て板自体が変形を起しやすくなり、車体パネルPの変形防止をすることができないことがある。したがって、グランドワッシャ36の先端が正確に当て板114に対向させるために、廻り止めの機能は重要となる。
【0039】
なお、廻り止め棒113は、車体パネルPに対するアンテナベース110の廻り止めとして一般的に設けられているものであり、取付板33の切欠部33aに係合するまで長さを延ばすだけでよいので特段の設計変更や部材追加をすることなく、廻り止め機能を発揮させることができる。
【0040】
図8は、上述した自動車アンテナ用増幅器ケース20の変形例を示す側面図、図9は本変形例の原理を示す説明図である。なお、これらの図において、図1〜図7と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0041】
すなわち、上述した開閉蓋50は、スライドガイド45の両端位置において爪54と凹部47,48との係合によって固定されていたが、蓋係合機構はこれに限られない。すなわち、スライドガイド45に傾斜面49を設けることで、スライダ52とスライドガイド45との間隙を変化させて、摩擦力を利用して蓋係合機構としてもよい。
【0042】
具体的には、図9に示すように、スライドガイド45の両端位置(全開位置と全閉位置)においては、スライダ52とスライドガイド45との間隙が狭くなるようにし、スライドガイド45の中間位置においては、スライダ52とスライドガイド45との間隙が広くなるような傾斜面49を設定する。
【0043】
このようにスライドガイド45を形成することで、開閉蓋50は完全に閉じた状態、あるいは、完全に開いた状態のときに保持されるようになっており、その間の範囲では比較的軽い力で動くように機能する。なお、爪54と凹部47,48との係合による蓋係合機構と併用してもよい。
【0044】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明によれば、外部からのノイズの影響を最小限に抑えるとともに、取付作業を簡易化することが可能となる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体パネル内側に取り付けられる自動車アンテナ用増幅器ケースにおいて、
上記車体パネル外側に取り付けられるアンテナエレメントに電気的に接続される増幅回路基板及び上記アンテナエレメントとの結合に供される結合部材を収容するケース本体と、
このケース本体を上記車体パネルの反対側から蓋するとともに、上記結合部材に対応する位置に開口部が形成されたケース蓋体と、
上記ケース本体及び上記ケース蓋体のうち少なくとも一方に、所定方向に沿って往復動自在に取付けられ、上記開口部を板体で開閉するとともに、その板体の外周縁が上記ケース蓋体の外周縁よりも内側でのみ移動する開閉蓋とを備え、
上記ケース本体、上記ケース蓋体、上記開閉蓋は、導電性樹脂で形成されていることを特徴とする自動車アンテナ用増幅器ケース。
【請求項2】
上記ケース蓋体は、その外壁に上記所定方向に沿って延設されたスライドガイドを具備し、
上記開閉蓋は、上記スライドガイドに係合し上記所定方向に沿って往復動自在に移動可能なスライダを具備し、
上記スライドガイドの両端には上記スライドの脱落防止用ストッパが設けられるとともに、これら脱落防止用ストッパのうち少なくとも1つは上記ケース本体側に設けられた部材であることを特徴とする請求項1に記載の自動車アンテナ用増幅器ケース。
【請求項3】
上記ケース蓋体及び上記開閉蓋には、上記開閉蓋を少なくとも上記開口部を完全に閉じた全閉位置、及び、完全に開いた全開位置において係合させる蓋係合機構を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車アンテナ用増幅器ケース。
【請求項4】
上記蓋係合部は、上記スライドガイドと上記スライダとの間隙は、上記全閉位置及び上記全開位置に対応する位置において狭く、それ以外の位置で広く形成されていることを特徴とする請求項3に記載の自動車アンテナ用増幅器ケース。
【請求項5】
上記ケース蓋体には、上記開閉蓋が開いた状態で係合する開係合部と、
上記開閉蓋が閉じた状態で係合する閉係合部と、
上記開口部に繋がる切込部とを備え、
上記閉係合部は上記切込部によって挟まれる領域に形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動車アンテナ用増幅器ケース。
【請求項6】
上記ケース本体の上記車体パネル外側には上記車体パネルを貫通するように配置された廻り止め棒を有するアンテナベースが設けられ、
上記ケース本体には、上記廻り止め棒に係合する切欠部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の自動車アンテナ用増幅器ケース。
【請求項7】
上記ケース本体の上記車体パネル側にはこの車体パネルに導通するためのグランドワッシャが設けられ、
上記ケース本体の上記車体パネル外側には上記グランドワッシャの先端に対向する位置に当て板が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の自動車アンテナ用増幅器ケース。

【国際公開番号】WO2005/054010
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【発行日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−516021(P2005−516021)
【国際出願番号】PCT/JP2004/018158
【国際出願日】平成16年12月6日(2004.12.6)
【出願人】(000165848)原田工業株式会社 (78)
【Fターム(参考)】