説明

自動車ブレーキパッド用騒音防止板供給装置

【課題】自動車用ブレーキパッドの成形後の騷音を減少させるべく、バックプレートに樹脂類の騒音防止板を供給し、熱圧着・固定が行われるようにした装置において、騒音防止板30,40の供給のための作業労力と時間を節減するとともに、各種のアクセサリ組み付けのための装置の自動化を可能にするものを提供する。
【解決手段】積載機100に積載された騒音防止板30,40を昇降台170及び高さ感知センサ180によって引き出し可能な高さに上昇させ、続いて、移送機200の作動板240の吸着パッド250,260が騒音防止板を引き出して剥離機300に供給する。剥離機300の剥離ローラ330を通過する間に、騒音防止板30,40の剥離紙32,34が剥離されて排出板360上に排出される。姿勢感知器400による姿勢情報に基づいて作業用ロボット500のアーム520の吸着パッド580が騒音防止板30,40を吸着し、付近で待機しているブレーキパッド10,20のバックプレート上に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車ブレーキパッド用騒音防止板の供給装置に関する。より詳細には、多段に積載された騒音防止板を順次引き出し、接着面を保護する剥離紙を剥離した状態でブレーキパッドの付着面に供給する作業について、一連の工程で連続して反復的に行われるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
主として、乗用自動車用に用いられるブレーキパッド10,20は、図1〜図6に示すように形成される。すなわち、位置を異にする突起12,22によって内側・外側用に区分されるバックプレートの一面に、摩擦材を成形する。そして、この後、バックプレートの他方の面には、(1)制動時の騷音減少のための樹脂類の騒音防止板30,40と、(2)摩擦材の摩耗時にディスクとの摩擦による摩擦音を発生させ、取替え時を知らせるための摩擦板50と、(3)制動時の騷音減少のための金属製の騒音防止板60とが取り付けられる。
【0003】
このような各種のアクセサリのうち、樹脂類の騒音防止板30,40は、板状であって、裏面に塗布された接着剤を介してブレーキパッド10,20のバックプレートに熱圧着して接着・固定するように構成される。製作時には、その裏面の接着面に剥離紙32,42を付着し、接着面を保護しながら取り扱いを容易に行えるようにしている。
【0004】
したがって、ブレーキパッド10,20に騒音防止板30,40を付着して設けるためには、作業時ごとに、一つの騒音防止板を受け取り、その裏面の剥離紙32,42を剥離した後、ブレーキパッド10,20のバックプレートにおける指定された位置に、正確に供給しなければならない。ところが、このような作業を一連に行うには技術上の困難さが多い。また、手作業によって騒音防止板を供給するので、組み立て作業時に作業労力と時間を大いに要するため、著しい生産性の低下をもたらすこととなる。また、手作業により接着力の強い騒音防止板を、ブレーキパッドにおける指定された位置に正確に供給することが難しく、不良が頻繁に発生するので、生産性がさらに低下する。特に、アクセサリ組み付け装置の自動化を不可能にする一つの原因を提供するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、積載された騒音防止板を順次引き出し、その裏面の剥離紙を剥離した後、ブレーキパッドの所定の位置に供給する作業について、一連の工程で連続して反復的に行われるようにした自動車ブレーキパッド用騒音防止板供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、次のように構成される自動車ブレーキパッド用騒音防止板供給装置によって達成される。積載機に多段に積載された騒音防止板を昇降台により上昇させ、この際に高さ感知センサによって感知を行うことで、最上層の騒音防止板を常時適正な高さに維持する。積載台に積載された騒音防止板について、移送機の作動板の吸着パッドが、垂直シリンダによる昇降及び油圧モータによる回転を適宜に行いつつ、吸着を行い、剥離機のコンベヤベルトへと供給する。剥離機のコンベヤベルトに供給された騒音防止板が剥離ローラを通過する間に、剥離紙が剥離されて排出板上へと排出されるようにする。剥離機の排出板上に排出された騒音防止板は、姿勢感知器のビジョンカメラによって撮影され、その姿勢情報による作業用ロボットの作動で、作業用ロボットの吸着パッドが吸着を行い、指定された位置で待機しているブレーキパッドのバックプレート上へと供給する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、積載機の積載枠に騒音防止板を多段に積載したならば、以下の(1)〜(3)の作業を、一連の工程で連続して反復的に行うことによって、作業時に著しい生産性の向上をもたらすことができる。(1)積載枠に積載された騒音防止板を移送機の吸着パッドが吸着して剥離機に供給する。(2)剥離機に供給された騒音防止板が剥離ローラを通過する間に、剥離紙が剥離されて排出される。すると、(3)姿勢感知器が騒音防止板の排出姿勢を感知し、その姿勢情報によって作業用ロボットの吸着パッドが騒音防止板を吸着した後、指定された位置で待機しているブレーキパッドのバックプレート上に供給する。また、本発明によると、騒音防止板をブレーキパッドのバックプレートにおける指定された位置に正確に供給することができ、不良発生をなくすことができる。特に、ブレーキパッドに騒音防止板をはじめとする各種のアクセサリを組み付けるためのアクセサリ組み付け装置を自動化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】内側ブレーキパッドの斜視図である。
【図2】内側ブレーキパッドの分解斜視図である。
【図3】外側ブレーキパッドの斜視図である。
【図4】外側ブレーキパッドの分解斜視図である。
【図5】内側騒音防止板の斜視図である。
【図6】外側騒音防止板の斜視図である。
【図7】本発明の騒音防止板供給装置の斜視図である。
【図8】本発明の騒音防止板供給装置の平面構成図である。
【図9】本発明の騒音防止板供給装置の側面構成図である。
【図10】本発明に用いられる積載機の平面構成図である。
【図11】本発明に用いられる積載機の正面構成図である。
【図12】本発明に用いられる積載機の側面構成図である。
【図13】本発明に用いられる積載機のうち押し台の平面構成図である。
【図14】本発明に用いられる積載機のうち押し台の正面構成図である。
【図15】本発明に用いられる移送機の平面構成図である。
【図16】本発明に用いられる移送機の側面構成図である。
【図17】本発明に用いられる剥離機の平面構成図である。
【図18】本発明に用いられる剥離機の正面構成図である。
【図19】本発明に用いられる剥離機の側面構成図である。
【図20】本発明に用いられる姿勢感知器の平面構成図である。
【図21】本発明に用いられる姿勢感知器の正面構成図である。
【図22】本発明の一使用例を示す平面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施例を添付の図面に基づいて詳細に説明する。ただし、騒音防止板が付着される自動車用ブレーキパッドは、バックプレートの突起の位置を異にする内側・外側用に区分され、それによって、付着しようとする騒音防止板も内側・外側用に区分される。そのため、本発明の騒音防止板供給装置A,Bは、設置及び作業の効率性のために左右に2台が並んで設置されるが、このうちいずれか一つの騒音防止板供給装置に基づいて説明することにする。
【0010】
図7は、本発明の騒音防止板供給装置の斜視図であり、図8は、本発明の騒音防止板供給装置の平面構成図であり、図9は、本発明の騒音防止板供給装置の側面構成図である。本発明の騒音防止板供給装置Aは、概略、以下を含んで構成される。すなわち、(1)騒音防止板30,40を積載する積載機100と、(2)積載機100に積載された騒音防止板30,40を引き出して移送する移送機200と、(3)移送機200によって供給された騒音防止板30,40から剥離紙32,42を剥離する剥離機300と、(4)剥離機300によって剥離紙32,42が剥離された騒音防止板30,40が排出されたならば、排出時に与えられた姿勢を撮影して姿勢情報を得るようにする姿勢感知器400と、(5)姿勢感知器400から得られた姿勢情報に基づいて騒音防止板を吸着し、待機しているブレーキパッド10,20のバックプレート上へと供給する作業用ロボット500と、(6)これらを制御する制御器とを含んで構成される。
【0011】
図10は、本発明に用いられる積載機の平面構成図であり、図11は、本発明に用いられる積載機の正面構成図であり、図12は、本発明に用いられる積載機の側面構成図である。本発明に用いられる積載機100は、以下を含んで構成される。すなわち、(1)支え板110の上面に減速モータ122と連結されたボールスクリュー124及びLMガイド(Linear Motion Guide)126に沿って左右に作動するように設置され、内側には複数の通孔128が左右に並んで形成される移動板120と、(2)移動板120の各通孔128の上方に、直立して固定設置され、各騒音防止板30,40を多段に積載するための複数の積載枠130と、(3)支え板110の後方中央部及び一側に付設され、制御器による減速モータ122の制御において移動板120の出発点及び左右移動距離を制御するための感知センサ140,150,160と、(4)昇降シリンダ及び昇降板からなり、支え板110の底面中央部に設置固定され、作動時には昇降板の直上部に位置する積載枠130の底部に進入し、該当積載枠に積載された騒音防止板30,40を上昇させるための昇降台170と、(5)支え板110上に固定された支持台182を介して積載枠130と同一の高さを維持するように付設された高さ感知センサ180とを含んで構成される。この高さ感知センサ180は、昇降台170が接続されることで該昇降台170に積載された騒音防止板30,40について、制御器により、最大上昇高さを制御するためのものである。本発明に用いられる積載機100は、各積載枠130に多段に積載される騒音防止板30,40を順次引き出し可能な高さに上昇させる役割を担当する。
【0012】
ただし、積載機100の各積載枠130に積載される騒音防止板30,40は、それぞれ接着面保護のために付着された剥離紙30,40によって、多段積載時に膨らみ現象が発生し、昇降台170による上昇時に、最大上昇点の変化をもたらす。そのため、積載機100は、これらの他に、積載枠130に積載された騒音防止板30,40を押すための押し台190をさらに備えることが望ましい。
【0013】
このような積載機100の積載枠130に多段に積載される騒音防止板30,40を押すための押し台(押さえ付け機構ないし押さえ込み装置)190としては、図12〜図14のように構成すれば足りる。すなわち、各支持.0.び水平シリンダ193,194によって水平に作動する一対の押し片195,196が備え付けられる。そして、昇降台170による騒音防止板30,40の上昇時、左右の押し片195,196が騒音防止板30,40を加圧して収縮させながら、移送機200による騒音防止板30,40の引き出し前に、垂直シリンダ191による上昇及び水平シリンダ193,194による相互間隔の拡大によって移送機200の作動を干渉しないようする。このように構成すれば足りる。
【0014】
図15は、本発明に用いられる移送機の平面構成図で、図16は、本発明に用いられる移送機の側面構成図である。本発明に用いられる移送機200は、積載機100の前方に設置されるが、具体的には、(1)支え板210に設置固定される昇降シリンダ220と、(2)昇降シリンダ220のシリンダ棒に設置固定される油圧モータ230と、(3)油圧モータ230の回転軸に左右に等分されるように水平に固定され、約180゜だけ回転作動する作動板240と、(4)作動板240の両側底面に1個以上設置され、制御器を通してエア供給機に連結される吸着パッド250,260とを含んで構成される。この移送機200は、積載機100に積載された騒音防止板30,40を引き出して剥離機300に供給する役割を担当する。
【0015】
図17は、本発明に用いられる剥離機の平面構成図で、図18は、本発明に用いられる剥離機の正面構成図で、図19は、本発明に用いられる剥離機の側面構成図である。本発明に用いられる剥離機300は、移送機200の前方に設置されるが、具体的には、(1)減速モータ310による回転で移送機200によって供給された騒音防止板30,40を移送するコンベヤベルト320と、(2)減速モータ310と連結される鋸刃ローラ332及びこの鋸刃ローラ332の上部に設けられる被動ローラ334からなり、コンベヤベルト320の前方に設置される剥離ローラ330と、(3)剥離ローラ330の鋸刃ローラ332の一側下部に固定形成される分離板340と、(4)減速モータ310によって回転する上下一対からなり、剥離ローラ330の前方に設置される引き出しローラ350と、(5)引き出しローラ350の前方に水平に形成される排出板360とを含んで構成される。この剥離機300は、移送機200によって供給された騒音防止板30,40から剥離紙32,42を剥離する役割を担当する。
【0016】
図20は、本発明に用いられる姿勢感知器400の平面構成図で、図21は、本発明に用いられる姿勢感知器400と作業用ロボット500の正面構成図である。本発明に用いられる姿勢感知器400は、(1)剥離機300の付近に固定形成されるフレーム420と、(2)フレーム420の上部に水平シリンダによって出没作動するように設置される横バー440と、(3)横バー440の端部に設置固定され、制御器を通して作業用ロボット500と接続されるビジョンカメラ460とを含んで構成される。本発明に用いられる姿勢感知器400は、剥離機300の排出板360上に排出された騒音防止板30,40が、どのような姿勢で定着しているかを感知する役割を担当する。
【0017】
ただし、姿勢感知器400のビジョンカメラ460は、フレーム420から出没作動する横バー440に設置固定される。姿勢感知器400によって与えられた騒音防止板の定着姿勢情報に基づいて作業用ロボット500が作動するとき、作業用ロボット500の干渉を避けるためである。ビジョンカメラ460は、作業用ロボットの作動空間から逸脱した位置に固定設置することもでき、作業用ロボットのアームの一側に設置固定することもできる。但し、本発明に用いられる姿勢感知器400は、剥離機300の排出板360上に排出された騒音防止板30,40の姿勢情報を得られる位置にビジョンカメラ460を備えるものであれば充分である。
【0018】
一方、本発明に用いられる作業用ロボット500は、図9及び図21のように、剥離機300の前方に設置され、制御器によって作動する。ただし、騒音防止板30,40の特性上、そのアーム520の側には垂直シリンダ540によって昇降する昇降板560にエア供給機と連結される1個以上の吸着パッド580を備えるようにし、剥離機300を通過した騒音防止板30,40をブレーキパッド10,20のバックプレート上に供給する役割をするように構成される。
【0019】
図22は、本発明の一使用例を示した平面構成図である。本発明の騒音防止板供給装置Aをアクセサリ組み付け装置Bに付加すれば、騒音防止板30,40をはじめとする全てのアクセサリの組み付け作業が一連の工程で連続して反復的に行われる。以下には、本発明の騒音防止板供給装置Aによって騒音防止板30,40を供給し、熱圧着・固定を行うまでの過程を説明する。
【0020】
本発明の騒音防止板供給装置Aにおいては、積載機100の各積載枠130に騒音防止板30,40を供給した後、制御器を通して駆動させれば、積載機100は、減速モータ122による移動板120の移動で選択されたいずれか一つの積載枠130が昇降台170の直上部に位置するようになる。引き続いて、昇降台170の作動で昇降台の昇降板が、選択された積載枠130の底部から内部に進入し、該当積載枠130内に積載された各騒音防止板30,40を上昇させる。そして、昇降台170による騒音防止板30,40の上昇時、最上層の騒音防止板が高さ感知センサ180によって感知されれば、制御器は、昇降台170を停止させ、与えられた上昇状態を維持するようになる。
【0021】
また、積載枠130から昇降台170及び高さ感知センサ180によって適正な高さに上昇した最上層の騒音防止板130,140は、以後に作動する移送機200によって引き出されて剥離機300に供給される。そして、最上層の騒音防止板30,40の引き出し後には、昇降台170及び高さ感知センサ180による上昇で、最上層の騒音防止板30,40を、移送機200によって引き出し可能な高さに維持させる作動を反復するようになる。
【0022】
引き続く騒音防止板の引き出し作業で、該当積載枠130に積載された騒音防止板30,40が全て使い果たされたならば、昇降台170の下降状態で、制御器は、減速モータ122によるボールスクリュー124の回転で移動板120を移動させる。そして、他の積載枠を昇降台170の直上部に位置させた後、昇降台170及び高さ感知センサ180により騒音防止板30,40を上昇させる。このような積載枠の取替え時には、支え板110の後方に付設される感知センサ140,160が移動板120の左右移動距離を制御し、移動板120の離脱を防止することとなる。
【0023】
このような昇降台170による騒音防止板30,40の上昇時、押し台190の左右押し板195,196は、積載枠130に積載された騒音防止板30,40の上部に位置する。そして、昇降台170による各騒音防止板30,40の上昇時に、各騒音防止板を加圧して互いに緊密に密着させる。このようにして、高さ感知センサ180による騒音防止板の高さ感知時、誤差をなくし、誤作動を防止することとなる。
【0024】
また、押し台190の左右押し板195,196は、積載枠130に積載された騒音防止板30,40を充分に加圧した後、移送機200の作動前に垂直シリンダ191による上昇及び水平シリンダ193,194による相互の広がりによって、移送機200の作動時の干渉を避けるようになる。
【0025】
そして、移送機200は、昇降シリンダ220による作動板240の下降で、作動板240の一側の吸着パッド250が、積載枠130の最上層の騒音防止板30,40を吸着する。吸着後には、昇降シリンダ220による上昇、油圧モータ230による180゜回転及び昇降シリンダ220による下降により、騒音防止板30,40を剥離機300のコンベヤベルト320上へと供給するようになる。
【0026】
この際、移送機200の作動板240の他側に設けられる吸着パッド260は、一側吸着パッド250が積載機100から1個の騒音防止板30,40を引き出し、作動板240の180゜回転で剥離機300へと供給する際、積載機100の積載枠130に積載された他の一つの騒音防止板30,40を吸着する。以後、作動板240の昇降シリンダ220による上昇及び油圧モータ230による回転で、一側吸着パッド250が復帰するとき、他側の吸着パッド260は、剥離機300へと移動し、吸着された騒音防止板30,40を剥離機300に供給する。すなわち、このような交互作動を反復することとなる。
【0027】
一方、剥離機300に供給された騒音防止板30,40は、剥離紙32,42が下方を向いた状態でコンベヤベルト320に沿って移送され、コンベヤベルトの前方に設けられる剥離ローラ330の鋸刃ローラ332と被動ローラ334との間に進入するようになる。ここで、騒音防止板30,40は、樹脂類からなり、その厚さが厚く、直進性を維持する。そのため、剥離ローラ330を通過した後、直ちに引き出しローラ350の間に進入するようになる。しかし、騒音防止板30,40の下方に設けられる剥離紙32,34は、減速モータ310によって回転する鋸刃ローラ332の鋸刃に挟まって、騒音防止板30,40から分離される。そして、騒音防止板30,40から分離された剥離紙32,42は、鋸刃ローラ332の一側下部に設けられる分離板340によって、鋸刃ローラ332から分離されて落下・排出される。一方、引き出しローラ350を通過した騒音防止板30,40は排出板360上に排出される。
【0028】
また、剥離機300によって剥離紙32,42が剥離された騒音防止板30,40が排出板360上に排出されたならば、姿勢感知器400のビジョンカメラ460は、フレーム420から水平シリンダによって突出した横バー440に支持されて、排出板360の直上部にて排出板360上の騒音防止板30,40を撮影する。そして、騒音防止板30,40の排出姿勢情報を、制御器を通して、作業用ロボット500に伝達するようになる。
【0029】
また、剥離機300の排出板360上に排出された騒音防止板30,40についての姿勢情報を受け取った作業用ロボット500は、アーム520の作動及びアーム520からの垂直シリンダ540による昇降板560の昇降作動により、昇降板560の吸着パッド580が、排出板360上の騒音防止板30,40を吸着する。そして、アクセサリ組み付け装置Cを構成するインデックステーブル600の間欠的な回転により、作業用ロボット500付近の、与えられた位置に待機しているブレーキパッド10,20のバックプレート上へと、騒音防止板30,40を供給するようになる。
【0030】
また、本発明の騒音防止板供給装置Aによって騒音防止板30,40が供給されたブレーキパッド10,20は、インデックステーブル600の間欠的な回転で熱圧着器700に移動する。熱圧着器700の加熱ブロックによって加熱・加圧され、堅固な接着が行われる。したがって、騒音防止板30,40の供給はもちろんのこと、熱接着作業が一連の工程で連続して反復的に行われる。すなわち、自動車用ブレーキパッドに各種のアクセサリを組み付けるアクセサリ組み付け装置を自動化することができる。
【0031】
そして、本発明の騒音防止板供給装置Aを通して供給しようとする騒音防止板30,40は、内側・外側用に区分されるブレーキパッド10,22によって内側・外側用に区分されるので、左右に2台が並んで設置されるが、これは、設置空間を減少させ、作業の効率性を高めるためのものに過ぎず、左右の騒音防止板供給装置Aをそれぞれ独立的に設置して使用することも可能であることに留意すべきである。
【符号の説明】
【0032】
A 騒音防止板供給装置、 B アクセサリ組み付け装置、 10,20 バックプレート、 12,22 突起、 30,40,60 騒音防止板、 32,42 剥離紙、 50 摩擦板、 100 積載機、 110 支え板、 120 移動板、 122 減速モータ、 124 ボールスクリュー、 126 LMガイド、 128 通孔、 130 積載枠、 140,150,160 感知センサ、 170 昇降台、 180 高さ感知センサ、 182 支持台、 190 押し台、 191 垂直シリンダ、 192 LMガイド、 193,194 水平シリンダ、 195,196 押し片、 200 移送機、 210 支え板、 220 昇降シリンダ、 230 油圧モータ、 240 作動板、 250,260 吸着パッド、 300 剥離機、 310 減速モータ、 320 コンベヤベルト、 33 剥離ローラ、 332 鋸刃ローラ、 334 被動ローラ、 340 分離板、 350 引き出しローラ、 360 排出板、 400 姿勢感知器、 420 フレーム、 440 横バー、 460 ビジョンカメラ、 520 アーム、 540 垂直シリンダ、 560 昇降板、 580 吸着パッド、 600 インデックステーブル、 700 熱圧着器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支え板(110)上の積載枠(130)に積載される騒音防止板(30)(40)が昇降台(170)及び高さ感知センサ(180)によって上昇し、引き出し高さに維持されるようにする積載機(100)と、
積載機(100)の前方に設置され、昇降シリンダ(220)による昇降及び油圧モータ(230)による回転で作動板(240)の吸着パッド(250)(260)が積載機(100)の積載枠(130)から騒音防止板(30)(40)を吸着・引き出して移動させる移送機(200)と、
移送機(200)の前方に設置され、移送機(200)から受け渡された騒音防止板(30)(40)が剥離ローラ(330)を通過する間に、剥離紙(32)(42)を剥離した後、排出板(360)上に排出する剥離機(300)と、
剥離機(300)付近に設置され、剥離機(300)の排出板(360)の上部に位置するビジョンカメラ(460)が排出板(360)上の騒音防止板(30)(40)を撮影し、騒音防止板の排出姿勢情報を得るようにする姿勢感知器(400)と、
剥離機(300)の前方に設置され、剥離機(300)の排出板(360)上に排出された騒音防止板(30)(40)をブレーキパッド(10)(20)のバックプレート上に供給する作業用ロボット(500)と、
これらを制御する制御器と、を含んで構成されることを特徴とする自動車ブレーキパッド用騒音防止板供給装置。
【請求項2】
前記積載機(100)、移送機(200)、剥離機(300)、姿勢感知器(400)及び作業用ロボット(500)は、それぞれ左右に一対備えられるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の自動車ブレーキパッド用騒音防止板供給装置。
【請求項3】
前記積載機(100)は、支え板(110)上に減速モータ(122)によって左右に作動するように設置され、
複数の通孔(128)を有する移動板(120)と、
移動板(120)の各通孔(128)の上部に設置固定される複数の積載枠(130)と、
支え板(110)の底面に連結設置され、選択された積載枠(130)の底部に進入し、積載された騒音防止板(30)(40)を上昇させる昇降台(170)と、
選択された積載枠(130)から昇降台(170)によって上昇する騒音防止板(30)(40)の上昇高さを制御する高さ感知センサ(180)と、を含んで構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車ブレーキパッド用騒音防止板供給装置。
【請求項4】
前記移送機(200)は、
支え板(210)に固定設置される昇降シリンダ(220)と、
昇降シリンダ(220)に連結設置される油圧モータ(230)と、
油圧モータ(230)に左右に等分されるように固定設置される作動板(240)と、
作動板(240)の両側底面に連結設置され、エア供給機と連結される吸着パッド(250)(260)と、を含んで構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車ブレーキパッド用騒音防止板供給装置。
【請求項5】
前記剥離機(300)は、
減速モータ(310)と連結されて移送機(200)をつなぐコンベヤベルト(320)と、
減速モータ(310)と連結される鋸刃ローラ(332)及び被動ローラ(334)からなり、コンベヤベルト(320)の前方に設置される剥離ローラ(330)と、
剥離ローラ(330)の前方に一対に設置され、減速モータ(310)によって駆動される引き出しローラ(350)と、
引き出しローラ(350)の前方に固定形成される排出板(360)と、を含んで構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車ブレーキパッド用騒音防止板供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2011−101940(P2011−101940A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−42434(P2010−42434)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(508026799)相信ブレーキ株式会社 (5)
【出願人】(510055116)相信イーエヌジー株式会社 (1)
【Fターム(参考)】