説明

自動車用のヘッドライトに光学モジュールを回動可能に取り付けるための装置

【課題】光学モジュールによって生成される光の軸に対して垂直に位置する回転軸を中心にヘッドライトのシャーシに対して回動可能に光学モジュールを取り付ける方法を提供する。
【解決手段】光源2を保持する支持体6、および光を放射するための光学系3を有する光学モジュール1を備え、少なくとも1つの駆動部材が支持体6と係合した状態で、アクチュエータ9を用いて、ヘッドライトのシャーシ7に支持体6を回動可能に取り付ける回動取付け手段に結合された回動手段によって、回動軸を中心にヘッドライトに対して回動できるように取り付けられている。支持体6の回動取付け手段は、光学モジュール1の下側に位置し、この光学モジュール1を支持する1つの回転軸受15を有する。回転軸受15は、光学モジュール1による軸方向および径方向の力を吸収して、1または複数の駆動部材を、力の連鎖から分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のヘッドライトの分野に関し、詳細には、ヘッドライト内に光学モジュールを回動可能に取り付ける装置に関する。本発明は、光学モジュールがロービーム型であって、自動車の進路に合わせて回動可能な(特に、いわゆるDBL(Dynamic Bending Light)機能を発揮するために曲がる場合)ヘッドライトに、光学モジュールを回動可能に取り付ける手段を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用のヘッドライトは、通常は、光ビームを生成する光学モジュールを保持するシャーシが取り付けられた、光ビームを出射させるための透明壁(光を実質的に通過させる)によって密閉されたハウジングを有する。光学モジュールは、光源を支持する支持体と、光源によって放射される光から光ビームを生成する手段を備えている。光源は、例えば、ディスチャージランプ、ハロゲンランプ、または発光ダイオード(LED)である。光ビームを生成する手段は、通常は、支持体によって保持される光学系を有する。このような光学系は、例えば、特にフレネルレンズなどのレンズタイプのリフレクタまたは屈折要素、または光をコリメートする要素などの光学要素を、1つまたは複数含むタイプである。
【0003】
光学モジュールの一例として、ミラーまたはリフレクタに配置された光源によって、光集中スポットが生成されるタイプの、いわゆる楕円モジュールを挙げることができる。一般に、光源は、楕円型のミラーの第1の焦点、すなわち物体焦点に配置され、光集中スポットは、ミラーの第2の焦点、すなわち像焦点に生成される。光集中スポットは、例えば、平凸レンズなどの収束レンズによって道路に投射される。カットオフビームを得るために、カバーが、公知の要領で、レンズの焦点に挿入されている。
【0004】
光学モジュールは、光源を自動車の電気エネルギー源に接続するための接続部も備えている。光源の機能は、自動車の任意の位置に配置するか、またはヘッドライトと一体にすることができる電子制御手段によって制御することもできる。
【0005】
自動車がカーブに近づいている時の道路の照明に関して問題がある。この問題は、ハイビームまたはロービーム用の光学モジュールを備えるヘッドライト、または類似のカットオフを有する他のヘッドライトにおいて、特に深刻である。カットオフを有するこのようなヘッドライトは、通過する自動車の運転者を幻惑しないように構成されている。曲がる場合には、自動車が曲がる方向に光ビームを投射して、道路を照明するのが有効である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、光学モジュールによって生成される光ビームの軸に対して直交して位置する回転軸を中心に、ヘッドライトのシャーシ(プレートとも呼ぶ)に対して回動可能に、光学モジュールを取り付ける方法を提供することを目的とする。この回動軸は、地上にある自動車の静止平面に対してほぼ垂直に延在している。光学モジュールを、このように回動可能に取付けることにより、いわゆるDBL(Dynamic Bending Light)機能を実現することが可能である。
【0007】
光学モジュールは、光ビームの放射軸が自動車の長手方向中心軸と一致する中心位置の各側に回動することができる。中心位置に対する光学モジュールの回動により、特に曲がる際に、光学モジュールによって生成される光ビームの向きを、自動車の進路に合わせることができる。
【0008】
光学モジュールを回動可能に取付けるには、シャーシに対して回動する支持体を使用している。この支持体は、光学モジュールの重量を、支持体の各側に分散させるように、光学モジュールの長手方向の中心部に配置されている。光学モジュールの長手方向の延長部は、光学モジュールが生成する光ビームの向きと一致している。
【0009】
シャーシは、回動軸に沿って支持体の各側に配置された1対の対向した回転軸受を形成しているフレームを備えている。シャーシによって保持されたアクチュエータは、例えば、操舵角センサなどの自動車からの制御情報に従って、支持体を回動させる。トランスミッション手段が、アクチュエータと支持体を互いに接続するために、これらの間に配置されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
シャーシ、光学モジュール、接続要素、および回動手段などのヘッドライトの機能用部材は、外観が好ましくないため、複数のマスクが、透明レンズと機能用部材との間に配置されている。これらのマスクは、透明レンズを介して見ることができるヘッドライトの内面を覆うように、互いに対する関係位置を定めて配置されている。
【0011】
これらのマスクは、特に、光学モジュールによって支持された少なくとも1つの可動マスクと、ヘッドライトハウジングによって支持された少なくとも1つの固定マスクを含んでいる。光ビームが光学モジュールから透明壁に進むことができるように、固定マスクに窓が設けられている。ヘッドライトから出射する光ビームの出口のための空間のみが露出するように、マスクは、と透明ガラスが設けられたヘッドライトの前面と、ヘッドライトの後部の間に配置されている。
【0012】
シャーシに光学モジュールを回動可能に取付けるには、いくつかの制約に対して、満足のいく妥協を行うことが必要である。光学モジュールは、その重量および軸方向の延長部を考慮して、ヘッドライト内に、確実かつ正確に保持しなければならない。
【0013】
最適な角運動を用いた光学モジュールの回動機能を、単純かつ低価の手段で実現することが要望されている。しかし、この角運動の最適化により、固定マスクと可動マスクとの間に、外観の悪いクリアランスが必要となり、アセンブリを小型化しなければならない。中間マスクが必要となる場合が多いが、ヘッドライトが複雑になり、コストがかかるため望ましくない。一般に、光学モジュールの回動により、マスクの取付けが困難になり、光学モジュールの角運動の最適化と、マスク間のクリアランスを縮小するマスクの位置との間で、トレードオフが必要である。
【0014】
ヘッドライトの機能手段の構成、特に、シャーシに対する光学モジュールの取付け、および最適化された回動の方法は、必要な空間を、可能な限り狭くして達成しなければならない。光学モジュールの回動可能な取付けのために用いられる手段の配置は、外観が好ましくないヘッドライトの機能用部材の遮蔽を容易にしなければならず、またヘッドライトの外観、およびヘッドライトが自動車に及ぼす視覚的影響に対して、ヘッドライト構造の設計の自由度を付与しなければならない。
【0015】
シャーシに対して、光学モジュールを回動可能に取り付ける方法は、歩行者衝撃(「歩行者衝撃」とは、物理的な外傷を低減するために、ヘッドライトが歩行者との衝突の際に、衝撃を最適に吸収することを意味し、近年、欧州規則でこの件が規定された)が起きた場合のヘッドライトの挙動を考慮しなければならず、具体的には、光学モジュールを機能位置に維持する質および精度に影響を与えずに、光学モジュールの容易な引込みを可能にしなければならない。
【0016】
本発明の課題は、ヘッドライトにいわゆるBL(bending light)機能を付与するために、光ビームを生成する光学モジュールを回動可能に受容するように構成された自動車用ヘッドライトを提供することである。具体的には、本発明の目的は、ヘッドライトのシャーシに光学モジュールを取り付けるための装置を提案することである。この取付け装置の構造は、上記の制約に対する十分な解決策を備えている。本発明は、この取付け装置によって得られる利点を最適に利用した構造を有するヘッドライトを提案することも目的としている。
【0017】
本発明の課題は、光源を保持する支持体、および光ビームを放射するための光学系を有する光学モジュールを備えた自動車用ヘッドライトを提供することである。光学モジュールは、駆動部材が前記支持体に係合した状態で、アクチュエータを用いて、ヘッドライトのシャーシに支持体を回動可能に取り付ける回動取付け手段に結合された回動手段によって、回動軸を中心に、ヘッドライトに対して回動できるように取り付けられている。支持体の回動取付け手段は、光学モジュールを支持するペデスタルを備えている。ペデスタルは、支持体を支持する支持部と、シャーシに対して支持体を回動させるために、1つの軸受を備えている。
【0018】
したがって、本発明は、光源を保持する支持体、および光ビームを放射するための光学系を有する光学モジュールを備えた自動車用ヘッドライトを提供するものである。この光学モジュールは、少なくとも1つの駆動部材が支持体に係合した状態で、アクチュエータを用いて、ヘッドライトのシャーシに支持体を回動可能に取り付ける回動取付け手段に結合された回動手段によって、回動軸を中心に、ヘッドライトに対して回動できるように取り付けられている。支持体の回動取付け手段は、光学モジュールの下側に位置し、この光学モジュールを支持する1つの回転軸受を有しており、この回転軸受は、光学モジュールによる軸方向および径方向の力を吸収して、1または複数の駆動部材を、力の連鎖から分離するようになっている。
【0019】
光学モジュールの回動可能な取付けにより、ヘッドライトにいわゆるBL(bending light)機能を付与することができる。この機能は、具体的には、自動車がカーブに近づく際に、自動車の進路に合わせて、光学モジュールをその回動軸を中心に回動させる。回動軸は、光ビームの光軸に対して、横断方向、具体的には、ヘッドライトが自動車に取り付けられた時に、地上にある自動車の静止平面に相当する平面に対して、ほぼ垂直である。光学モジュールの回動は、ハンドルを自動車の長手方向の中心軸に対して、平行にするか、または一致させて得られる中間アイドル位置の各側に対して、光学モジュールが、自動車の進路に従って回動軸を中心に角運動して達成される。アクチュエータは、具体的には、自動車が曲がるのを検出する手段を含む制御手段によって作動させられる。
【0020】
光学モジュールは、ヘッドライト内部に取り付けられた、少なくとも1つの光ビームを放射することができるモジュールからなっている。具体的には、ヘッドライトは、光学モジュールを受容するハウジングを備えている。このハウジングは、回転軸受によって少なくとも1つの支持体を保持するシャーシ、アクチュエータ、およびこのアクチュエータに接続された駆動部材を備えている。駆動部材は、光学モジュールを回動させるために支持体に接続されている。
【0021】
光学モジュールは、1または複数の光源、およびこれらの光源の少なくとも1つに用いる1または複数の光学系を有する。光学系は、ヘッドライトの前部に取り付けられた透明レンズに向かって、1または複数の光ビームを放射するために1または複数の光学要素を有する。このような光学要素は、例えば、特にフレネルレンズなどのレンズタイプのリフレクタまたは屈折要素、または光をコリメートする要素などの少なくとも1つの光学要素である。このような光学要素は、光学モジュールが備えている光源タイプ、およびこれらの光学要素が関連する光源タイプに従って選択される。
【0022】
ハウジングは、光ビームが通過する通路となる透明レンズを備える前面を有しており、その内部には、1または複数のマスクが配置されている。このマスクは、透明壁の反対側に、この透明壁に向かう光ビームの通路となる窓の縁を画定している。このマスクは、ヘッドライトの外部から、透明レンズを介して内部を見る観察者の視覚的な障害物となり、ヘッドライトの機能用部材を観察者から見えないようにすることができる。ヘッドライトの機能用部材は、ヘッドライトの機能に有用であるが、外観が好ましくない部材、すなわち少なくともマスクと透明レンズを除いた、ヘッドライトのハウジングによって受容された全ての部材であることを理解されたい。
【0023】
アクチュエータは、光学モジュールを構成するモジュールを、支持体によって移動させることができる。この支持体は、光学モジュールの機能要素とシャーシとの間に配置された部材である。光学モジュールの機能要素は、特に、少なくとも1つの光ビームの放射、光源、および光学系に有用な要素であることを理解されたい。アクチュエータと支持体は、トランスミッション部材、さらにアクチュエータと、このトランスミッション部材との間に配置されて、支持体に接続された中間トランスミッション部材を有するトランスミッション系によって接続されている。
【0024】
本発明では、1つの回転軸によって、光学モジュールが支持されている光学モジュールのベースに対して、支持体を回動させる選択肢も提案している。具体的には、ヘッドライトは、主に、支持体の回動取付け手段が光学モジュールを支持するペデスタルを有するという特徴を有する。このペデスタルは、支持体を支持する支持部となっており、シャーシの上の支持体のために、1つの回転軸受を備えている。この1つの回転軸受は、ペデスタルによって支持された支持体に対する光学モジュールの回動を案内することができる。
【0025】
回転軸受は、支持体およびシャーシに配置された、互いに協働する雄型回転部材と雌型回転部材からなっている。シャーシに配置された回転部材は、支持体に配置された回転部材と協働する。これらの回転部材は、一方が雄型部材で、他方が雌型部材であれば、どちらが雄型部材でも良い。雌型回転部材は、特に、雄型回転部材を構成するフィンガーまたは球を受容するかご型に形成されている。回転軸受は、シャーシに対して支持体に運動性を付与して、光学モジュールがその回動軸を中心に回動できるように、支持体およびシャーシに配置される入れ子型部材として構成されている。
【0026】
様々な別の実施形態によると、回転軸受の軸は、光学モジュールの回動軸と少なくとも平行であり、この回動軸に対して、中心がずれていても、回動軸と同軸上でも良い。後者の解決策は、ペデスタルの構造、および支持体とアクチュエータを互いに対して接続することを、簡単にできるという利点がある。
【0027】
ペデスタルは、支持部によって光学モジュールを支持すると共に、他の回転軸受を除く1つの回転軸受によって、光学モジュールの回動を案内する光学モジュールのベースを形成している。光学モジュールの回動取付け手段のこのような構造によると、その周囲を好適に空けることができる。
【0028】
このような構成では、ヘッドライトが自動車に取り付けられる際に、シャーシに対する支持体の回動取付け手段は、その支持ベースを除き、光学モジュールの周囲に、部材を一切備えていない。具体的には、ペデスタルに支持されている光学モジュールの下側ゾーンの反対側の上側ゾーンは、ヘッドライトの少なくとも1つのマスクと、光学モジュールとの間に配置される一切の機能用部材を備えていない。
【0029】
回動取付け手段は、構造が単純であり、全体として、1つの回転軸受、および支持部を備えたペデスタルに縮小されている。光学モジュールの回動手段は、低コストで得ることができ、必要な空間が小さくて済む。加えて、ペデスタルに縮小されたシャーシは、任意の構成で、マスクで容易に遮蔽できるヘッドライトの下側ゾーンに容易に取り付けることができる。このようなシャーシは、その全体が、任意の向きの平面、具体的には、光学モジュールの光軸に対して直交する平面の向きとは異なる向きの平面に延在するように配置することができる。
【0030】
このような向きの自由度は、光学モジュールの適切な最適化された角運動に影響を与えるものではなく、同一の光源、および同一の光学モジュールから、従来のロービーム機能およびBL機能の両方を実現できる利点を有する。シャーシは、透明レンズのあらゆる構造に応じて、取り付けを容易にするために、自動車の移動軸に対して、大なり小なり傾斜することができるため、外観を良くするために、レンズの曲率に合わせたり、または近づけたりすることができる。
【0031】
具体的には、ヘッドライトは、ペデスタルに対して、回動するように取り付けられた、従来のロービーム機能、およびBL機能の両方を実現する光学モジュールを備えている。従来のロービーム機能は、自動車の長手方向中心軸、すなわち自動車の直線運動の軸に対して平行な光軸に沿って、光ビームを放射する光学モジュールの向きに一致する。
【0032】
光学モジュールの回動機能は、本発明によって改善されている。ペデスタルによる支持体の回動可能な取付け、さらに固定マスクと可動マスクとの間のクリアランスの不可視性により、シャーシ上の光学モジュールの中心位置に対する光学モジュールの角運動が改善される。この角運動は、マスクの取付け、および構成を容易にするために、最大60度、好ましくは45度に制限することができる。光学モジュールの大きな回動が可能になると(小型化が妨げられる)、光源は、その光源自体によって、自動車が曲がる時に道路を照明して、BL機能を果たすことができる。この特性により、特に、BL機能を果たすために、自動車が、光学モジュールに追加の光源を備えていて、その光源と共に作動する必要はない。
【0033】
光学モジュールの回動手段を構成する上記の方法により、ヘッドライトの変形を容易とし、「歩行者衝撃」が起きた場合に、光学モジュールによる抵抗力を低減することができる。具体的には、ペデスタルを用いた光学モジュールの取付けにより、「歩行者衝撃」が起きた場合に、回転軸受の領域の湾曲によって引込みが容易になる。光学モジュールのこの引込み機能は、ヘッドライト内部の光学モジュールの保持、および回動の信頼性、および精度を損なうことなく得ることができる。実際、「歩行者衝撃」における2つの有益な効果、すなわち、衝撃時に変形し易くするモジュール部品の相対的配置、およびモジュール部品の形態が存在する。
【0034】
光学モジュールは、具体的には、上部にペデスタルが設けられたフレームワークによって形成されているシャーシの上に配置され、このシャーシ7から張り出す、すなわち突き出ている。シャーシから張り出した部分は、自動車に対するヘッドライトの取付け位置におけるシャーシの上の部分である。この張り出しのコンセプトは、シャーシの上に位置するこの部分における光学モジュールの延長を妨げるものではなく、光学モジュールが、シャーシと一致した垂直方向の点を越えて延出してもしなくても良い。
【0035】
フレームワークは、例えば、互いに接続された梁からなるタイプのプレート、またはフレームから形成されている。このようなフレームは、1または複数のプラスチック材料のモールド成形、またはインサート成形によって容易に得ることができる1つの部品を有するか、好ましくはこの1つの部品からなっている。フレームワークは、ヘッドライトのハウジングに固定する手段、および光学モジュールを回動させるアクチュエータを受容する手段を備えている。
【0036】
軸受の回転軸は、光学モジュールの回動軸に対して、同軸または平行な軸である。
【0037】
軸受の回転軸が、光学モジュールの回動軸と同軸上である実施形態によると、有利にフレームワークからなるシャーシは、回動軸を含む平面に延在する。
【0038】
様々な別の実施形態によると、シャーシは、機能用の1または複数の光学モジュールのために用いられる汎用シャーシとすることができる。シャーシは、必要に応じて、回動手段によってこのような汎用シャーシによって保持された中間シャーシとすることもできる。
【0039】
本発明のモジュールを中間シャーシによって保持することを選択した場合、この中間シャーシに、専用の(動的または静的)平行装置を用いることができる。この平行装置は、モジュールの姿勢を調節するため、または光ビームを意図的にずらして、同一モジュールで高速道路用ビームよりも上げるために用いることができる。したがって、どちらかといえば動的平行装置が用いられている。
【0040】
本発明のモジュールを、複数のモジュールに共通のシャーシによって保持することを選択した場合、シャーシによって保持された全てのモジュールに共通の平行装置が用いられる。
【0041】
本明細書において、「シャーシ」の代わりに、「プレート」の語を区別なく用いることができることに留意されたい。
【0042】
ペデスタルは、回転軸受の軸と同軸上にある駆動部材の通路を備えている。駆動部材は、回転軸受を構成し、アクチュエータによって回動させることができる。
【0043】
駆動部材は、回転軸受を構成する回転部材の1つとして、回転軸受を構成している。駆動部材は、支持体に用いられる相補的な形状の回転部材によって、支持体に係合する雌型部材または雄型部材のいずれかである。支持体に駆動部材を係合させるには、この係合が駆動部材自体の回動を支持体に伝達できれば、あらゆる方法を用いることができる。駆動部材および支持体は、例えば、嵌め合わせ、差込み、ピン止め、キー結合、溝結合、または任意の他の回転アセンブリの同様の技術によって、回転可能に互いに接続されている。
【0044】
シャーシにアクチュエータを取り付けて、アクチュエータの出力シャフトを支持体に接続する有利な方策が好ましい。このような構成では、シャーシに対する光学モジュールの回動によって、取付け手段に必要な空間を縮小することができる。
【0045】
具体的には、駆動部材は、アクチュエータの出力シャフトを備えるか、この出力シャフトからなるのが好ましい。
【0046】
出力シャフトは、アクチュエータを有するモータによって生成される運動の軸とは異なる軸に沿って配置することができる。アクチュエータは、シャーシに直接取り付けることができる独立モジュールを備えるか、またはこのような独立モジュールからなる。このようなモジュールは、アクチュエータの出力シャフトの運動を生成するモータと一体にするだけではなく、出力シャフトを回転させるために、この運動を出力シャフトに戻す手段とも一体にすることができる。アクチュエータは、出力シャフトの軸延長部に対して、横方向にシャーシに取り付けられている。このアクチュエータの取付けは、例えば、シャーシおよびアクチュエータのそれぞれが有する部材を、クリップまたは同様の技術で互いに結合させて行われる。他の追加的な技術、特に特定の組立て部材を用いる技術や、シャーシとアクチュエータとの間の差込みを用いる技術を用いることも可能である。
【0047】
軸受の回転軸が光学モジュールの回動軸の軸外にある一実施形態では、駆動部材は、光学モジュールに設けられたヒートシンクのフィンと協働する、ホイールやラックなどのノッチ付部材または同様のノッチ付部材を備えるか、またはこのようなノッチ付部材からなっている。
【0048】
光学モジュールの回動軸に対して、中心がずれている支持体の回動軸を用いる取付け手段により、ペデスタルとして構成したシャーシ、および1つの回転軸受の構成、および位置の自由度に対して、本発明によって得られる効果は明らかである。
【0049】
ヒートシンクは、光学モジュールと外気との間の熱交換面を最適化することができるフィン、または類似の要素を有するタイプの部材とすることができる。このようなヒートシンクは、光学モジュール、特に光源によって生成される熱の冷却のために用いられる。
【0050】
光源は、発光ダイオード(LED)、キセノンランプとも呼ばれるディスチャージランプ、ハロゲンランプ、または道路照明用の光ビーム、または自動車の信号伝達を実現するのに適した任意の他のタイプの光源から選択することができる。
【0051】
しかし、生成されて透明壁に向かって戻される光ビームの光軸に沿う軸延長部が短縮された軽量の光学モジュールを実現できるという利点を有する発光ダイオード(LED)型の光源を使用するのが好ましい。このような光源の選択により、特に、光学モジュールを軽量化することができ、シャーシのベースに配置された1つの回転軸受によるシャーシに対する光学モジュールの回動にもかかわらず、光学モジュールの回動の精度を低下させることなく、ペデスタルによって光学モジュールを支持することができる。
【0052】
具体的には、光源は、発光ダイオード(LED)タイプである。この場合、支持体は、キャリヤ本体を備えていると有利である。このキャリヤ本体は、前部に、光源を構成する少なくとも1つの発光ダイオード、およびこの発光ダイオード(LED)用の光学系を構成する単一部位品を備え、その他の部分には、光源によって生成される熱を冷却する手段、および光学モジュールを自動車のエネルギー源に接続する接続部を備えている。このような冷却手段は、例えば、ヒートシンク(放射器とも呼ぶ)とファンの組合せ、または冷却された熱伝達流体を用いるタイプである。
【0053】
キャリヤ本体のその他の部分は、特に、支持体をその中央部に支持するのを最適にバランスさせるための後部である。前部および後部は、回転軸受の軸、より具体的には光学モジュールの回動軸の各側に配置された支持体の部分である。前部は、光学モジュールの回動軸とヘッドライトの透明壁との間に延在する支持体の部分に相当する。この前部は、光学モジュールに対して移動できるように取り付けられ、光学系のエンドリフレクタのみが露出するように、支持体によって保持された前側マスクによって容易に覆うことができる。
【0054】
軸方向摩擦部品が、支持体とペデスタルとの間に配置されるのが好ましい。この軸方向摩擦部品は、回転軸受を構成し、支持部に対する光学モジュールの当接によってペデスタルが受ける影響を軽減することができる。このような軸方向摩擦部材は、例えば、磨耗部品、または針軸受などの回転部材を備えた部品によって形成されている。このような部品は、具体的には、アクチュエータの出力シャフトである駆動部材を受容するためのペデスタルの通路内で滑動する肩付き中間リングからなっている。
【0055】
取付け手段の範囲および大きさは、光学モジュールの上に張り出すように位置するヘッドライトの上部の構造、具体的には、光学モジュールの上部を遮蔽する少なくとも1つのマスクの取付けに全く影響を与えない。この部分が空いているため、この部分における少なくとも1つの上部マスクの取付けが容易になり、必要なマスクの数を容易に減らすことができる。具体的には、クリアランスの縮小およびマスクの外観の最小化のために、1または複数の可動マスクと、1または複数の固定マスクとの間に、追加のマスクを配置する必要がない。
【0056】
より具体的には、ヘッドライトは、光学モジュールによって保持され、この光学モジュールと共に移動する少なくとも1つの可動マスクを備えている。この可動マスクは、1または複数の上部可動マスクと、1または複数の底部可動マスクを別個または組み合わせて備えている。
【0057】
少なくとも1つの可動マスクを、光学モジュールに取り付け、ヘッドライトハウジングによって保持された少なくとも1つの固定マスクと関連させることができる。光学モジュールの回動のために必要な可動マスクと固定マスクとの間のクリアランスは、1または複数の可動マスクを保持する光学モジュールの全体の大きさを増大させることなく、固定マスクの対応する縁を、可動マスクの後角部に配置して観察者から見えないようにすることができる。
【0058】
透明レンズが、ヘッドライドが取り付けられた地上にある自動車の静止平面に対して大きく湾曲している場合にも、可動マスクと固定マスクとの間のクリアランスを見えないようにすることができる。または複数の可動マスクと1または複数の固定マスクとの間のクリアランスを見えないようにすることにより、ヘッドライトに特定の美的効果を容易に付与することができる。この美的効果は、少なくとも部分的に見ることができる固定マスクと関連する可動マスクとの間に、クリアランスを設けずに、この可動マスクを備えた光学モジュールの動く外観から得ることができる。可動マスクは、具体的には、空いている光学モジュールの上部に自由に構成することもできる。
【0059】
例えば、ヘッドライトは、上部可動マスクと底部可動マスクを別個または組み合わせて備えている少なくとも1つの可動マスクを有利に備えている。上部可動マスクは、ヘッドライトのハウジングによって保持された上部固定マスクの縁を受容するための後角部を備えている。この後角部は、ヘッドライトの外部から透明壁を介して観察者が見ることができない光学モジュールの領域に配置されている。光学モジュールが回動するために必要な上部可動マスクと、底部可動マスクとの間のクリアランスは、観察者には見えない。底部可動マスクは、光ビームの光軸に対してほぼ垂直に延在し、底部固定マスクと協働するのが好ましい。この底部固定マスクは、ヘッドライトのハウジングによって保持され、底部可動マスクに対して、ほぼ垂直に配置されている。
【0060】
上部可動マスクは、ペデスタルによって支持される光学モジュールの反対側の上部、およびペデスタルに向いた光学モジュールの横部分を覆う囲いを形成している。底部可動マスクは、支持体を覆い、ペデスタルも少なくとも部分的に覆う囲いを形成するために、横方向に延在する光学モジュールの前部に配置されている。底部可動マスクは、湾曲構造を有しており、相似の湾曲構造を有する窓を有する。これらの湾曲構造の曲率の中心は、光学モジュールの回動軸に位置し、底部可動マスクと底部固定マスクとの間に最適なクリアランスを有利に画定している。
【0061】
様々なマスク(上部マスク、底部マスク、さらに側部マスク)は、別個の部品として、または1つの部品として形成することができる。
【0062】
添付の図面を参照しながら、限定目的ではない実施形態の説明を読めば、本発明をより良く理解できると思う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0063】
図1〜図6において、光学モジュール1を回動可能に取り付ける装置は、自動車のヘッドライトに取り付けられるようになっている。光学モジュール1は、主に、1または複数の発光ダイオード(LED)からなる少なくとも1つの光源2と、この光源2に用いられるリフレクタ4、4’、4’’、5を有する光学系3を有する。
【0064】
回動軸A1を中心として光学モジュール1を回動可能に取り付けることにより、いわゆるBD(bending light)機能をヘッドライトに付与することができる。この回動可能な取付けは、1つの軸受8によって画定される回動軸A2を中心にヘッドライトのシャーシ7に対して回動できるように取り付けられた、光学モジュールを構成する支持体6を用いて行うことができる。支持体6は、アクチュエータ9によって回動させることができる。
【0065】
組立ての実用的な理由から、スピンドル10、11、12は、図5に示すように、軸受8上の回転部材11と、アクチュエータ9の一部を構成する出力シャフト10の2つの別個の要素からなり、トランスミッション要素12は、運動を光学モジュール1に伝達する。回転軸受8は、光学モジュール1による軸方向の力および径方向の力を吸収して、駆動部材を力の連鎖から分離することができる。したがって、シャーシ7のペデスタル15に取り付けられた軸受8は、光学モジュール1の重量およびこの光学モジュール1に関連した力を支持し、アクチュエータ9は、回転運動のみを生成する。このため、アクチュエータ9は、最小限の力で支持体6を回動させることができる。
【0066】
支持体6は、生成される光ビームの光軸A3に沿って、光学モジュール1の長手方向の中央部に位置している。支持体6は、その前部に、光源2および光学系3を構成する単一部品を備えており、その後部には、光源2によって生成させる熱を冷却する手段を備えている。例えば、例示している実施形態では、このような冷却手段は、ヒートシンク13とフィンおよびファン4が接続されている。しかし、他のタイプ、特に冷却された冷媒の循環による冷却手段を使用することも可能である。
【0067】
光学モジュール1は、回動軸A1を中心にシャーシ7に対して回動するように取り付けられている。この回動軸A1は、支持体6のシャーシ7に対する回動を可能にする1つの軸受の回動軸A2と同軸上にある。光学モジュール1は、シャーシ7が光学モジュール1の支持土台となり、光学モジュール1の反対側上部が空くように、シャーシ7から突き出るように配置されている。
【0068】
シャーシ7は、支持体6を介して光学モジュール1を支持するペデスタル15を備えたフレームワークによって形成されている。このフレームワークは、光学モジュール1の回動軸A1、具体的には回転軸受の回動軸A2を含む平面にほぼ延在する。フレームワークは、例えば、図1および図3に例示するようにプレートとして、または図2および図6に例示するように、互いに連結された梁からなる硬質フレームとして構成されている。特に図6では、シャーシ7は、出力シャフト10の延長部に対する横方向のクリッピングによって、アクチュエータ9を受容する手段16、およびヘッドライトのハウジング(不図示)に固定するための手段17を備えている。
【0069】
アクチュエータ9は、シャーシ7に取り付けることができるモジュールを構成し、トランスミッションシステム(不図示)を介して、出力シャフト10に接続されたモータ18を有する。アクチュエータ9のモータ18のシャフトは、出力シャフト10の向きと同じ方向を向いているため、出力シャフト10の動作に対する障害物を生成することなく、シャーシ7に対して、アクチュエータ9を横方向に配置し、支持体6に係合した駆動部材12と、支持体6が備えた相補的な回動部材19と協働できる軸受8の回転部材11を形成することができる。
【0070】
特に図5に示すように、回転部材11を、回転軸受8に対してスライド可能に取り付けることができる。回転軸受8は、ペデスタル15に結合されている。ペデスタル15は、支持体6の支持部となり、アクチュエータ9の出力シャフト10の通路20を備えている。出力シャフト10は、支持体6に係合して、ハウジング内に受容されている。ハウジングは、出力シャフト10を受容し、相補的な回動部材19を構成している。支持体6の回動の制御は、アクチュエータ9の出力シャフト10との係合のみによって行われる。
【0071】
アクチュエータ9の出力シャフト10は、特に、装置の取付けを容易にすると共に、軸受8が光学モジュール1に関連した力を吸収できるようにするために、垂直方向のクリアランスを有することができる。支持体と出力シャフトを力学的関係にするキー、溝、または同様の技術などの他の方法も可能である。
【0072】
軸方向摩擦部品21が、支持体6とペデスタル15との間に配置されている。この摩擦部品21は、図4に例示するように、針軸受または玉軸受か、または図5に例示するように、ベース6に設けられた通路20内で滑動する肩付き摩擦リングからなる。
【0073】
図5では、ヘッドライトは、光学系3を構成するエンドリフレクタ5を除いて、特に光学モジュール1などの外観が好ましくないヘッドライトの構成部品が外部から見えないように、障害物となるマスクのセットを備えている。特に、光ビームを出射させるためにヘッドライトに設けられた透明壁22を介して、ヘッドライトの内部に向いたこのような視覚障害物を形成することが求められている。
【0074】
マスクのセットは、ヘッドライトハウジングによって保持された固定マスク23、24、および光学モジュール1によって保持された可動マスク25、26を含んでいる。これらのマスクの互いに対する配置によって、ヘッドライトの外部に出射させるために、光ビームを透明壁22に戻すことができる窓27を画定することができる。
【0075】
光学モジュール1の回動性は、可能な限り大きくするのが望ましいが、固定マスク23、24と可動マスク25、26との間のクリアランスJ1およびJ2を広くしなければならない。これらのクリアランスJ1およびJ2は、ヘッドライトの外観に影響を与える隙間である。
【0076】
光学モジュール1の外観は、可動マスク25、26とエンドリフレクタ5との外観の組合せによって決まる。光学モジュール1の上部を空けておくことにより、光学モジュール1を覆う上部可動マスク25を自由に配置することができる。このように自由に配置できるため、上部可動マスク25の後角部28を、上部固定マスク23の縁が配置されている内部に向けて配置することができる。可動マスク25と上部固定マスク23との間に設けられたクリアランスJ1は、透明壁22を介して、ヘッドライトの外部から見ることができない。
【0077】
底部可動マスク26は、光ビームの光軸A3にほぼ垂直な方向に延在するように光学モジュール1に取り付けられている。底部可動マスク26は、僅かに湾曲しており、支持体6のベースおよびペデスタル15(可能であれば)を隠蔽するために、光学モジュール1と透明壁22との間の光学モジュール1の前方に配置されている。底部可動マスク26は、ヘッドライトハウジングによって保持された底部固定マスク24と協働する。底部固定マスク24は、光学モジュール1によって生成される光の不所望の反射を防止するために、光ビームの光軸A3に対してやや傾斜してほぼ平行に配置されている。
【0078】
底部固定マスク24と底部可動マスク25との間のクリアランスJ2は、光学モジュール1の回動軸A1の向きに対するこれらのマスクのそれぞれの構造および配置によって、小さくすることができる。具体的には、底部可動マスク26は、曲率の中心が回動軸Aに位置する湾曲構造を有する。底部固定マスク24が有する窓の縁は、底部可動マスク26の曲率に類似の構造を有する。クリアランスJ2は、たとえ透明壁22が地上にある自動車の静止平面に対して大きく湾曲していても、透明壁22を介して全くまたは殆ど見ることができない。
【0079】
図7は、図6のシャーシの変更形態の斜視図であり、同じ符号を用いている。この変更形態では、機械剛性を改善するために、シャーシ7に対して、中心とその両側に、合計3つの垂直部材mが取り付けられている。ペデスタル15は、2つの部品15と15’に分割され、ネジタイプの固定手段fが、部品15’をシャーシ7に固定している。
【0080】
図8は、図7に示した構成要素の断面図であり、スピンドル10は、軸受の回転を可能にするアクチュエータ9のスピンドルである。スピンドル12は、支持体6に回転運動を伝達する。光学モジュールの全重量が、スピンドル12との接触部でペデスタル15、15’に支持されている。この図では、垂直クリアランスj1が、ペデスタルとシャフト12との間に示されている。もう1つのクリアランスj2が、アクチュエータ9とスピンドル10との間に画定されている。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明による取付け装置の実施形態の斜視図である。
【図2】本発明による取付け装置の別の実施形態の斜視図である。
【図3】本発明による取付け装置のさらに別の実施形態の斜視図である。
【図4】図1に示す取付け装置の軸方向断面図である。
【図5】図2に示す取付け装置の軸方向断面図である。
【図6】本発明の取付け装置を構成するシャーシの斜視図である。
【図7】本発明による別のシャーシの斜視図である。
【図8】本発明によるさらに別のシャーシの斜視図である。
【符号の説明】
【0082】
1 光学モジュール
2 光源
3 光学系
4、4’、4’’、5 リフレクタ
6 支持体
7 シャーシ
8 軸受
9 アクチュエータ
10 出力シャフト
11、19 回転部材
12 駆動部材
13 ヒートシンク
14 ファン
15、15’ ペデスタル
16 受容手段
17 固定手段
18 モータ
20 通路
21 軸方向摩擦部品
22 透明壁
23、24 固定マスク
25、26 可動マスク
27 窓
f 固定手段
j1、j2 クリアランス
m 垂直部材
A1、A2 回動軸
A3 光軸
J1、J2 クリアランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源(2)を保持する支持体(6)、および光ビームを放射するための光学系(3)を有する光学モジュール(1)を備え、
前記光学モジュール(1)は、少なくとも1つの駆動部材(10)、(11)、(12)が前記支持体(6)に係合した状態で、アクチュエータ(9)を用いて、ヘッドライトのシャーシ(7)に前記支持体(6)を回動可能に取り付ける回動取付け手段に結合された回動手段によって、回動軸(A1)を中心として、前記ヘッドライトに対して回動できるように取り付けられており、
前記支持体(6)の回動取付け手段は、前記光学モジュール(1)の下側に位置してこの光学モジュール(1)を支持する1つの回転軸受(8)、(15)、(15’)、(20)、(21)を有し、この回転軸受(8)、(15)、(15’)、(20)、(21)は、前記光学モジュール(1)による軸方向および径方向の力を吸収して、1または複数の前記駆動部材(10)、(11)、(12)を、力の連鎖から分離するようになっていることを特徴とする自動車用ヘッドライト。
【請求項2】
光学モジュール(1)は、上部にペデスタル(15)を備えるフレームワークによって形成されたシャーシ(7)の上に配置され、このシャーシ(7)から張り出していること、すなわち突き出ていることを特徴とする、請求項1に記載のヘッドライト。
【請求項3】
軸受(8)の回動軸(A2)は、光学モジュール(1)の回動軸(A1)と同軸上、または同軸外にあることを特徴とする、請求項1または2に記載のヘッドライト。
【請求項4】
シャーシ(7)は、回動軸(A1)を含む平面内にあることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のヘッドライト。
【請求項5】
ペデスタル(15)は、駆動部材(12)の通路(20)を備え、前記駆動部材(12)は、この駆動部材(12)を構成する回転軸受(8)の回動軸(A2)と同軸上にあり、かつアクチュエータ(9)によって回転させることができることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のヘッドライト。
【請求項6】
駆動部材(12)は、アクチュエータ(9)の出力シャフト(10)を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘッドライト。
【請求項7】
駆動部材(12)は、光学モジュール(1)に設けられたヒートシンク(13)のフィンと協働するノッチ付部材を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のヘッドライト。
【請求項8】
光源(2)は、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)、キセノンディスチャージランプ、およびハロゲンランプから選択されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のヘッドライト。
【請求項9】
光源(2)は、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)を有し、
支持体(6)は、その前部に、前記光源(2)を構成する少なくとも1つの発光ダイオード(LED)と、この発光ダイオードのための光学系(3)を構成する単一部品を備え、かつ前記前部以外に、前記光源(2)によって生成される熱を冷却する手段(13)、(14)を備えている本体からなることを特徴とする、請求項8に記載のヘッドライト。
【請求項10】
軸方向摩擦部品(21)が、支持体(6)とペデスタル(15)との間に配置されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のヘッドライト。
【請求項11】
少なくとも1つの可動マスクは、この可動マスクと共に移動する光学モジュール(1)によって支持されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のヘッドライト。
【請求項12】
可動マスクは、ヘッドライトのハウジングによって保持された上部固定マスク(23)の縁を受容する後角部(28)を画定する上部可動マスク(25)を含むことを特徴とする、請求項11に記載のヘッドライト。
【請求項13】
可動マスクは、光ビームの光軸(A3)にほぼ垂直に延在する底部可動マスク(26)を含み、この底部可動マスク(26)は、ヘッドライトのハウジングによって保持された、前記底部可動マスクに対してほぼ垂直に配置された底部固定マスク(24)と協働しうることを特徴とする、請求項11または12に記載のヘッドライト。
【請求項14】
ヘッドライトは、ロービーム機能およびBL(bending light)機能を発揮できる角度位置に従って、ペデスタル(15)に対して回動可能に取り付けられた光学モジュール(1)を備えていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載のヘッドライト。
【請求項15】
光学モジュール(1)は、複数の光学モジュールに共通のシャーシによって保持された中間シャーシによって保持されており、かつ、水平手段、具体的には動的水平装置を有することを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載のヘッドライト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−99535(P2009−99535A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−196533(P2008−196533)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(391011607)ヴァレオ ビジョン (133)
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
【Fターム(参考)】