説明

自動車

【課題】 運転席が設けられたケース体の両側にほぼV字状に配置した左右の車輪で、運転時の視界を妨げられることなく、オートバイのように走行できるとともに、転倒することなく、安全で注目を集めることができる自動車を得る。
【解決手段】 ほぼV字状に左右の車輪が回転可能に取付けられるように両側部位に左右の車輪取付体が形成され、内部に運転者が該車輪取付体に形成された足出し孔より外に出して座ることができる運転席を有するケース体と、このケース体の左右の車輪取付体に回転可能に取付けられた左右の車輪と、この左右の車輪を回転駆動させる前記ケース体に取付けられた駆動装置と、前記ケース体の下部寄りの中央部に前後方向に位置調整可能に取付けられた両端部にローラが取付けられた位置制御装置と、前記運転席に座った運転者が操作できるように、前記ケース体内に取付けられた前記左右の車輪の回転速度を制御できるハンドルとで自動車を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は運転席が設けられたケース体の両側部にV字状に配置した左右の車輪で走行することができる自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の1輪車は回転可能に取付けられる車輪の支持フレームをリング状に形成し、該支持フレームに運転席を設置している、
このため、運転者の前面に車輪やリング状の指示フレームが位置して、前方の視界が阻止されるため、首を横に曲げなければ運転することができないという欠点があった。
また、リング状の支持フレーム内に運転席を設けるため、車輪や支持フレームが大きくなるという欠点があった。
【特許文献1】特になし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、運転席が設けられたケース体の両側にほぼV字状に配置した左右の車輪で、運転時の視界を妨げられることなく、オートバイのように走行することができるとともに、転倒することなく、安全で注目を集めることができる自動車を提供することを目的としている。
【0004】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明はほぼV字状に左右の車輪が回転可能に取付けられるように両側部位に左右の車輪取付体が形成され、内部に運転者が該車輪取付体に形成された足出し孔より外に出して座ることができる運転席を有するケース体と、このケース体の左右の車輪取付体に回転可能に取付けられた左右の車輪と、この左右の車輪を回転駆動させる前記ケース体に取付けられた駆動装置と、前記ケース体の下部寄りの中央部に前後方向に位置調整可能に取付けられた両端部にローラが取付けられた位置制御装置と、前記運転席に座った運転者が操作できるように、前記ケース体内に取付けられた前記左右の車輪の回転速度を制御することができるハンドルとで自動車を構成している。
【発明の効果】
【0006】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0007】
(1)ほぼV字状に左右の車輪が回転可能に取付けられるように両側部位に左右の車輪取付体が形成され、内部に運転者が該車輪取付体に形成された足出し孔より外に出して座ることができる運転席を有するケース体と、このケース体の左右の車輪取付体に回転可能に取付けられた左右の車輪と、この左右の車輪を回転駆動させる前記ケース体に取付けられた駆動装置と、前記ケース体の下部寄りの中央部に前後方向に位置調整可能に取付けられた両端部にローラが取付けられた位置制御装置と、前記運転席に座った運転者が操作できるように、前記ケース体内に取付けられた前記左右の車輪の回転速度を制御することができるハンドルとで構成されているので、ケース体の両側部にほぼV字状に配置された左右の車輪でオートバイのようにして走行することができる。
したがって、運転者の視界がじゃまにならず、安全に走行することができるとともに、今までに存在しない形態の自動車となり、イベントや広告媒体として使用すると注目を集めることができる。
【0008】
(2)前記(1)によって、位置制御装置によってケース体が前後方向に所定量以上傾斜するのを確実に防止することができる。
【0009】
(3)前記(1)によって、停止時には左右の車輪の下部と位置制御装置の前後部のいずれかのローラが地面に接するため、転倒することなく停止させることができる。
【0010】
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に示す本発明を実施するための最良の形態により、本発明を詳細に説明する。
【0012】
図1ないし図12に示す本発明を実施するための最良の第1の形態において、1は本発明の自動車で、この自動車1はほぼV字状に左右の車輪が回転可能に取付けられるように両側部位に左右の車輪取付体2、2が形成され、内部に運転者が該左右の車輪取付体2、2に形成された足出し孔3、3より外に出して座ることができる運転席4を有するほぼ半円弧形状のケース体5と、このケース体5の左右の車輪取付体2、2にベアリング6、6を介して回転可能に取付けられた左右の車輪7、7と、この左右の車輪7、7を回転駆動させる前記ケース体5に取付けられた駆動装置8と、前記ケース体5の下部寄りの中央部に前後方向に位置調整可能に取付けられた両端部にローラ9、9が取付けられた位置制御装置10と、前記運転席4に座った運転者が操作できるように前記ケース体5内に取付けられた、前記左右の車輪7、7の回転速度を制御することができるハンドル11と、前記ケース体5の先端部に回動可能で、該ケース体5の上部開口部5aを覆うことができる少なくとも前面が透明な半円弧形状のカバー体12と、前記左右の車輪7、7の回転にブレーキをかけるブレーキ装置13とで構成されている。
【0013】
前記ケース体5はほぼ半円弧形状の椀状のケース体本体14と、このケース体本体14の両側部にほぼV字状に左右の車輪が回転可能に取付けることができる左右の車輪取付体2、2と、この左右の車輪取付体2、2の下部寄りの部位に運転者が前記ケース体本体14内の運転席4に座って足を外方へ出すことができるように形成された足出し孔3、3とで構成されている。
【0014】
前記左右の車輪7、7は前記左右の車輪取付体2、2の外周部に、ベアリング6、6を介して回転可能に取付けられるもので、前記左右の車輪取付体2、2にベアリング6、6を介して回転可能に取付けられるリング状のホイール15、15と、このホイール15、15の内側の前記ケース体5側に形成された歯車16、16と、前記ホイール15、15の外側に取付けられたタイヤ17、17とで構成されている。
【0015】
前記駆動装置8は前記ケース体5の運転席4の下部に配置したエンジン18と、
このエンジン18の駆動軸19に取付けられたデフレンシャル20と、このデフレンシャル20に接続された前記左右の車輪7、7のホイール15、15の歯車16、16と噛み合うピニオン21、21が先端部に取付けられた左右の駆動軸22、22とで構成されている。
【0016】
前記位置制御装置10は前記ケース体5の下部中央部より両端部が突出して前後方向に移動する移動バー23と、この移動バー23の両端部に取付けられたローラ9、9と、前記移動バー23の両端部を除く部位に形成されたラックとなる平歯車24と、この平歯車24と噛み合う前記ケース体5に固定された正・逆回転モータ25の駆動軸26に取付けられたピニオン27と、前記移動バー23を任意の位置まで移動させて固定する移動バー固定機構28とで構成されている。
【0017】
前記ハンドル11は前記ケース体5内の運転席4に座って操作できるように、該ケース体5に回動可能に取付けられたハンドル本体29と、このハンドル本体29の回動軸30に固定された歯車31と、この歯車31と噛み合い、左右方向に移動するように前記ケース体5に取付けられたバー部材32と、このバー部材32の両端部に取付けられた、前記左右の車輪7、7のホイール15、15と当接し、抵抗を与えて回転速度を制御する左右のパット33、33とで構成されている。
【0018】
前記カバー体12は前記ケース体5の開口部5aを覆うと円球となるような半円弧状の透明材製のカバー本体34と、このカバー本体34の前部下部と前記ケース体4の前部とを回動可能に接続するヒンジ部材35と、前記カバー本体34の後部下部に前記ケース体4の後部とを開閉可能にロックするロック機構36と、前記カバー本体34の上部中央部に取付けられた少なくともカバー本体34の前面をふき取るワイパー装置37とで構成されている。
【0019】
前記ブレーキ装置13は前記ハンドル本体29に取付けられたブレーキレバー38と、このブレーキレバー38の操作で、前記左右の車輪7、7のホイール15、15に押し付けられるブレーキパット39、39を有する前記ケース体5に取付けられたブレーキデスク40、40とで構成されている。
なお、ケース体5の下部位置には該ケース体5の姿勢を正しく保つようにジャイロを設置してもよい。
【0020】
上記構成の自動車1はエンジン18の回転がデフレンシャル20、左右の駆動軸22、22を介して左右の車輪7、7が回転し、走行することができる。
この時、ケース体5が前後方向に回動すると位置制御装置10の移動バー23の両端部のローラ9、9が地面と接触して、それ以上の回動を阻止して安全に走行できる。
【0021】
左右方向に曲がる場合にはハンドル本体29を回動させると、回動させる方向とは逆方向にバー部材32が移動し、端部のパット33が車輪7のホイール15と当接して、該ホイール15の回転を減速させることにより、左右方向に曲がることができる。
また、走行を停止させる場合はブレーキレバー38を操作することにより、ブレーキデスク40、40のブレーキパット39、39が左右の車輪7、7のホイール15、15を押し圧して、ブレーキをかけて停止させることができる。
[発明を実施するための異なる形態]
【0022】
次に、図13ないし図18に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0023】
図13ないし図15に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、ハンドル11の両側にブレーキレバー38、38を設置し、該ブレーキレバー38、38の操作で左右のブレーキデスク40、40のブレーキパット39、39を作動するようにしてブレーキおよび方向転換に使用できるようにするとともに、カバー体12をケース体5の開口端部に開閉可能に取付けられる取付けリング41と、この取付けリング41に回転可能に取付けられたカバー本体34Aと、このカバー本体34Aを回転させる前記取付けリング41に取付けられたカバー本体回転装置42と、前記ケース体5の両側部に取付けられた前記カバー本体34Aをふき取るワイパー43、43とを用いた点で、このように構成した自動車1Aにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0024】
図16ないし図18に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と主に異なる点は、ケース体5に左右の車輪7、7を覆うカバー44、44と、運転席4に座る運転者の体重によって正・逆回転モータ25を駆動させて移動バー23をあらかじめ設定された部位まで移動させた後、移動バー固定機構28で移動バー23の移動を固定することのできる制御回路45を用いた位置制御装置10Aを用いた点で、このように構成した自動車1Bにしても、前記本発明を実施するための最良の第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0025】
なお、前記本発明を実施する各形態では駆動装置8としてエンジン18を用いるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、電気で駆動させるモータを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明はイベント等で使用される自動車を製造する産業で利用される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明を実施するための最良の第1の形態の正面図。
【図2】本発明を実施するための最良の第1の形態の側面図。
【図3】本発明を実施するための最良の第1の形態の平面図。
【図4】本発明を実施するための最良の第1の形態の背面図。
【図5】本発明を実施するための最良の第1の形態の底面図。
【図6】図1の6−6線に沿う断面図。
【図7】図2の7−7線に沿う断面図。
【図8】本発明を実施するための最良の第1の形態の駆動装置の説明図。
【図9】本発明を実施するための最良の第1の形態の位置制御装置の説明図。
【図10】本発明を実施するための最良の第1の形態のハンドルの説明図。
【図11】本発明を実施するための最良の第1の形態のブレーキ装置の説明図。
【図12】本発明を実施するための最良の第1の形態の走行状態の説明図。
【図13】本発明を実施するための第2の形態の正面図。
【図14】本発明を実施するための第2の形態の側面図。
【図15】本発明を実施するための第2の形態のハンドルとブレーキ装置の説明図。
【図16】本発明を実施するための第3の形態の正面図。
【図17】本発明を実施するための第3の形態の側面図。
【図18】本発明を実施するための第3の形態の位置制御装置の説明図。
【符号の説明】
【0028】
1、1A、1B:自動車、 2:車輪取付体、
3:足出し孔、 4:運転席、
5:ケース体、 6:ベアリング、
7:車輪、 8:駆動装置、
9:ローラ、 10、10A:位置制御装置、
11:ハンドル、 12:カバー体、
13:ブレーキ装置、 14:ケース体本体、
15:ホイール、 16:歯車、
17:タイヤ、 18:エンジン、
19:駆動軸、 20:デフレンシャル、
21:ピニオン、 22:駆動軸、
23:移動バー、 24:平歯車、
25:正・逆回転モータ、 26:駆動軸、
27:ピニオン、 28:移動バー固定機構、
29:ハンドル本体、 30:回動軸、
31:歯車、 32:バー部材、
33:パット、 34、34A:カバー本体、
35:ヒンジ部材、 36:ロック機構、
37:ワイパー装置、 38:ブレーキレバー、
39:ブレーキパット、 40:ブレーキデスク、
41:取付けリング、 42:カバー本体回転装置、
43:ワイパー、 44:カバー、
45:制御回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほぼV字状に左右の車輪が回転可能に取付けられるように両側部位に左右の車輪取付体が形成され、内部に運転者が該車輪取付体に形成された足出し孔より外に出して座ることができる運転席を有するケース体と、このケース体の左右の車輪取付体に回転可能に取付けられた左右の車輪と、この左右の車輪を回転駆動させる前記ケース体に取付けられた駆動装置と、前記ケース体の下部寄りの中央部に前後方向に位置調整可能に取付けられた両端部にローラが取付けられた位置制御装置と、前記運転席に座った運転者が操作できるように、前記ケース体内に取付けられた前記左右の車輪の回転速度を制御することができるハンドルとからなることを特徴とする自動車。
【請求項2】
ほぼV字状に左右の車輪が回転可能に取付けられるように両側部位に左右の車輪取付体が形成され、内部に運転者が該車輪取付体に形成された足出し孔より外に出して座ることができる運転席を有するほぼ半円形状のケース体と、このケース体の左右の車輪取付体にベアリングを介して回転可能に取付けられた左右の車輪と、この左右の車輪を回転駆動させる前記ケース体に取付けられた駆動装置と、前記ケース体の下部寄りの中央部に前後方向に位置調整可能に取付けられた両端部にローラが取付けられた位置制御装置と、前記運転席に座った運転者が操作できるように前記ケース体内に取付けられた前記左右の車輪の回転速度を制御することができるハンドルと、前記ケース体の上部開口部を覆う少なくとも前面が透明な半円弧形状のカバー体とからなることを特徴とする自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−284948(P2008−284948A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−130312(P2007−130312)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(591246023)
【出願人】(506066629)
【Fターム(参考)】