説明

自動閉鎖装置

【課題】管理者が扉の場所まで行かなくても、該扉の開閉状態を確認できるようにする。
【解決手段】火災受信機1から信号線Lを介して接続されると共に、前記火災受信機1からの起動信号を受信すると、ソレノイド7の可動片の移動によって平常時は開放する扉を閉鎖する自動閉鎖装置3において、平常時は、前記火災受信機1の起動信号によりオンして前記火災受信機1に作動応答信号を返信させる第1スイッチ5と、前記扉が閉鎖されるとオンし、前記扉が開放されるとオフする第2スイッチ11と、を有し、前記扉が手動により閉鎖されて、第2スイッチ11がオンしたときに前記火災受信機1の起動信号を受信すると、前記火災受信機1に応答信号を返信する応答回路9と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ラッチ式解錠装置等に用いられる自動閉鎖装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
火災報知設備には、扉等のラッチ式解錠装置(自動閉鎖装置)が設けられているが、この解錠装置は、火災受信機から信号線を介して接続されている。そして、前記火災受信機からの起動信号を受信すると、ソレノイドの可動片の移動によって、平常時開の扉を閉鎖するようになっている(例えば、特許文献1、参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−042214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来例の自動閉鎖装置は、設置物件の防火管理上等の理由により扉が手動で閉鎖されていると、火災受信機等からの起動信号を受けても応答信号を返信できなかった。そのため、上記事情により扉が手動で閉鎖されている時は、管理者が前記扉の場所まで行き、その開閉状態を直接目視確認する必要があった。
【0005】
この発明は、上記事情に鑑み、管理者が扉の場所まで行かなくても、該扉の開閉状態を確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、火災受信機から信号線を介して接続されると共に、前記火災受信機からの起動信号を受信すると、ソレノイドの可動片の移動によって平常時開の扉を閉鎖する自動閉鎖装置において、平常時は、前記火災受信機の起動信号によりオンして前記火災受信機に作動応答信号を返信させる第1スイッチと、前記扉が閉鎖されるとオンし、前記扉が開放されるとオフする第2スイッチと、を有し、前記扉が手動により閉鎖されて、第2スイッチがオンしたときに前記火災受信機の起動信号を受信すると、前記火災受信機に作動応答信号を返信する応答回路と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この発明は、前記扉が手動により閉鎖されているときに、前記第1スイッチがオフで、第2スイッチがオンしたとき、前記火災受信機の起動信号を受信するまでは、前記応答回路は前記火災受信機に作動応答信号を返信しないことを特徴とする。この発明の前記ソレノイドは、保持型ソレノイドであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明は、平常時は、前記火災受信機の起動信号によりオンして前記火災受信機に作動応答信号を返信させる第1スイッチと、前記扉が閉鎖されるとオンし、前記扉が開放されるとオフする第2スイッチと、を有し、前記扉が手動により閉鎖されて、第2スイッチがオンしたときに前記火災受信機の起動信号を受信すると、前記火災受信機に応答信号を返信する応答回路と、を備えているので、扉の手動閉錠時には、前記応答回路を介して火災受信機に応答信号が送信される。そのため、管理者が扉の場所まで行かなくても、開閉状態を確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態の作動を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
火災報知設備の平常時開の防火扉(図示省略)の自動閉鎖装置3は、信号線Lを介して火災受信機1に接続されている。前記自動閉鎖装置3は、第1スイッチ5と、前記信号線Lと前記第1スイッチ5を介して接続され、少なくともコイル13と応答回路9とが内蔵されたソレノイド7と、第2スイッチ11と、を備えている。
【0011】
前記第1スイッチ5は、防火扉が開放状態において、火災受信機1の起動信号でオン制御され、オンになると作動応答信号が火災受信機1に返信される。前記ソレノイド7は、汎用されている保持型ソレノイドであり、永久磁石と、ボビンに電線を巻付けしたコイル部と、前記ボビンの軸部を前記コイル部の電流により往復移動する可動片と、有底筒状をなし、前記永久磁石と前記コイル部と前記可動片を収容するケースと、を備えている(図示省略)。この保持型ソレノイド7は、前記火災受信機1からの起動信号を受信すると、コイル部のコイル13に給電(印加)され、可動片が摺動する。そして、防火扉は、扉保持機構が解除された後に閉鎖状態となる。前記第1スイッチ5は、防災扉を閉鎖させるための火災受信機1の通電による起動信号が出力されたときのみオンとなる。
【0012】
前記応答回路9は、各スイッチを介して前記火災受信機1に接続されている。この応答回路9は、前記扉が手動により閉鎖されているとき、前記火災受信機1の起動信号を受信すると、前記火災受信機1に作動応答信号を返信する。前記第2スイッチ11は、前記応答回路9と前記火災受信機1に接続されており、前記扉が閉鎖されるとオンし、又、前記扉が開放されるとオフとなる。
【0013】
次に、図2における本実施形態の防火扉の作動を説明する。
「平常時」
平常時、防火扉は、開放状態であり、自動閉鎖装置3の前記第1スイッチ5はオフ、第2スイッチ11はオフ、である(ステップS1)。
【0014】
「火災時」
火災を検出した火災感知器(図示省略)から、火災受信機1に火災信号が送出されると、該火災受信機1は、自動閉鎖装置3に起動信号を送出する(ステップS2)とともに、防災扉が閉鎖中か否か(第2スイッチ11がオンか否か)を判断する(ステップS3)。
【0015】
前記ステップS3が、「YES」(扉閉鎖中=第2スイッチ11、オン)の場合は、応答回路9から作動応答信号が前記火災受信機1に返信される(ステップS4)。そのため、前記火災受信機1の表示部に、「扉閉鎖中」である旨の表示がなされるので、該防火扉の設置されている場所まで行かなくても、該防火扉の開閉状態を確認することができる。なお、この時、第1スイッチ5はオフ状態を維持している。
【0016】
ステップS3が「NO」(扉開放中=第2スイッチ11、オフ)の場合は、コイル13に通電されて磁界が発生し、ソレノイド7の可動片が摺動して解錠されるので、前記防火扉は閉扉状態となる(ステップS5)。
【0017】
この時、前記第1スイッチ5及び第2スイッチ11はオンになる(ステップS6)とともに、第1スイッチ5のオンにより作動応答信号が火災受信機1に返信される(ステップS7)。
【0018】
次に、防火扉が防火管理上等の理由により手動で閉鎖されたときの作動を説明する。
「手動閉鎖時」
防火扉が手動で閉鎖された時は、通常時から火災時までと異なり、第1スイッチ5がオンしなくなり、第1スイッチ5のオンによる作動応答信号が火災受信機1に返信されることはない。なお、第2スイッチ11は、オンである。
【0019】
このとき、自動閉鎖装置3は、火災受信機1からの起動信号を受信すると、火災受信機1に作動応答信号を返信する。よって、防火扉が手動で閉鎖されたときも、火災受信機1で作動応答信号を確認できる。
【符号の説明】
【0020】
1 火災受信機
3 自動閉鎖装置
5 第1スイッチ
7 ソレノイド
9 応答回路
11 第2スイッチ
13 コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災受信機から信号線を介して接続されると共に、前記火災受信機からの起動信号を受信すると、ソレノイドの可動片の移動によって平常時開の扉を閉鎖する自動閉鎖装置において、
平常時は、前記火災受信機の起動信号によりオンして前記火災受信機に作動応答信号を返信させる第1スイッチと、前記扉が閉鎖されるとオンし、前記扉が開放されるとオフする第2スイッチと、を有し、
前記扉が手動により閉鎖されて、第2スイッチがオンしたときに前記火災受信機の起動信号を受信すると、前記火災受信機に作動応答信号を返信する応答回路と、
を備えたことを特徴とする自動閉鎖装置。
【請求項2】
前記扉が手動により閉鎖されているときに、前記第1スイッチがオフで、第2スイッチがオンしたとき、前記火災受信機の起動信号を受信するまでは、前記応答回路は前記火災受信機に作動応答信号を返信しないことを特徴とする請求項1記載の自動閉鎖装置。
【請求項3】
前記ソレノイドは、保持型ソレノイドであることを特徴とする請求項1、又は、2記載の自動閉鎖装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−208444(P2011−208444A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78089(P2010−78089)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000233826)能美防災株式会社 (918)
【Fターム(参考)】