説明

自動面取り装置

【課題】軸状の切削工具を回転させその切削工具周面の刃部でワークを切削する切削機を使用し、ワークを保持回転手段で保持して回転させると共に、ワークの回転軸に対して前記切削工具の回転軸を傾けてワークの被面取り部に前記刃部を斜めに接触させ、面取りするようにした自動面取り装置において面取り寸法にばらつきが生じにくい装置を提供する。
【解決手段】上記自動面取り装置1において、前記切削機5をワークWの回転軸Yと直交する面内で移動可能なように保持する切削機保持手段4と、前記切削機5をワークW側に向けて付勢する付勢手段6とを備え、前記付勢手段6による付勢によって切削工具5bをワークWに接触させると共にワークWの回転により切削工具5bを切削機5ごとカムフォロア的に移動させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属や合成樹脂の機械部品などのワークの角部を切削工具で切削して面取りをする自動面取り装置に関する。なお、本発明の「面取り」の概念には「バリ取り」の概念を含み、また、「切削」の概念には「研削」の概念を含む。
【背景技術】
【0002】
図7(a),(b)に示したように、軸状の切削工具100を回転させ、その切削工具100周面の刃部101でワークWを切削する切削機102を使用し、ワークWを保持回転手段103で保持して回転させると共に、ワークWの回転軸Yに対して前記切削工具100の回転軸Zを傾けてワークWの被面取り部に前記刃部101を斜めに接触させ、そうしてワークWの被面取り部を面取りするようにした自動面取り装置が、例えば特許文献1に記載されている。
【0003】
この自動面取り装置は、固定的な切削機保持部104に前記切削機102を揺動軸105で揺動自在に支持させ、さらに前記切削工具100がワークW側に向かうように切削機102をバネ等で付勢し、その付勢力で切削工具100がワークWの被面取り部に押し付けられるようにしたものである。
【特許文献1】実用新案登録第2584129号公報
【0004】
なお、特許文献1の自動面取り装置は、ワークWの側方に切削機102を配置して切削工具100をワークWにもたせ掛けるようにした程度の簡単な構造であるため、図7(b)想像線に示したように逆さにしてワークWの下方も面取りでき、従って一個のワークWの異なる箇所を複数台で同時に面取りできる優位性がある。
ちなみに、倣い方式の他の自動面取り装置は、大掛かりな機構で切削機を移動させるものであって、ワークの上方に広いスペースを必要とするため、保持回転手段103があるワークの下方に対して切削機が配置できないから、一個のワークに対して二台以上の切削機を使うことが困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の自動面取り装置は、揺動自在な切削機102の切削工具100をワークWに押し付けて面取りする構造であるため、面取り寸法にばらつきが生じやすい。また、ワークWの形状に従って切削機102が傾動するため、図7(a)と図7(b)の比較から明らかなように、切削工具100の刃部101とワークWの接触ポイントが変化する。このことは、起伏の大きなワークWに対して刃部101の長い切削工具100が必要であることを意味する。従って、対応可能なワークWの形状が切削工具100の刃部101の長さで決まってしまう問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載したように、軸状の切削工具を回転させその切削工具周面の刃部でワークを切削する切削機を使用し、ワークを保持回転手段で保持して回転させると共に、ワークの回転軸に対して前記切削工具の回転軸を傾けてワークの被面取り部に前記刃部を斜めに接触させ、面取りするようにした自動面取り装置において、
前記切削機をワークの回転軸と直交する面内で移動可能なように保持する切削機保持手段と、
前記切削機をワーク側に向けて付勢する付勢手段と、を備え、
前記付勢手段による付勢によって切削工具をワークに接触させると共にワークの回転により切削工具を切削機ごとカムフォロア的に移動させるようにした自動面取り装置を提供する。
【0007】
また、請求項2に記載したように、軸状の切削工具を回転させその切削工具周面の刃部でワークを切削する切削機を使用し、ワークを保持回転手段で保持して回転させると共に、ワークの回転軸に対して前記切削工具の回転軸を傾けてワークの被面取り部に前記刃部を斜めに接触させ、面取りするようにした自動面取り装置において、
前記切削機をワークの回転軸と直交する面内で移動可能なように保持する切削機保持手段と、
先端をワークに向かわせて前記切削機保持手段又は切削機の胴部に固着した接触子と、
前記切削機をワーク側に向けて付勢する付勢手段と、を備え、
前記付勢手段による付勢によって切削工具と接触子とをワークに接触させ、さらにワークの回転により接触子を切削機ごとカムフォロア的に移動させるようにした自動面取り装置を提供する。
【0008】
また、請求項3に記載したように、前記切削機保持手段は、ワークの回転軸と平行な揺動中心軸を有する揺動支持部材と、該揺動支持部材から突設され前記揺動中心軸を中心に揺動可能な作動腕と、前記切削機を保持するために前記作動腕の自由端側に設けた切削機保持部と、を備えてなる請求項1又は2に記載の自動面取り装置を提供する。
【0009】
また、請求項4に記載したように、前記切削機保持手段の揺動支持部材をワークの回転軸と直交する面内で移動可能に構成し、該揺動支持部材のワークに対する位置を調節可能にした請求項3記載の自動面取り装置を提供する。
【0010】
また、請求項5に記載したように、前記切削機保持手段の揺動支持部材に、作動腕全体を上下動させるための昇降手段を設けてなる請求項3又は4に記載の自動面取り装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の自動面取り装置は、切削機が、ワークの回転軸と直交する面内で移動可能なように切削機保持手段で保持され且つ切削機が付勢手段によりワーク側に向けて付勢されているため、ワークに接触する切削工具(又は接触子)がワークの回転力を受け、あたかもカムに接して従動するカムフォロアのごとく、切削機自体がワークの形状をなぞるように動きつつ切削工具がワークの縁を面取りする。このとき切削機は、切削機保持手段で保持されたまま切削工具の回転軸の傾きを変えることなく、ワークの回転軸と直交する面内で動く、つまり上下方向の動きがない状態で動くため、面取り寸法のばらつきが生じにくい。また、切削工具の回転軸の傾きを保ったままワークの形状に沿って切削機自体が移動するため、切削工具の刃部の長さとは無関係に様々な形状のワークに幅広く対応できる。
【0012】
また、請求項3に記載の自動面取り装置は、揺動中心軸を中心とする揺動運動、すなわち抵抗の小さい回り対偶を使って切削機を移動させるようにしたため、切削機の重量等に拘わらず切削機を軽い力で動かすことができる。従って、切削機をワーク側に付勢する付勢手段の負担が軽くなり、また、ワークの形状を倣う切削機の応答性も向上する。
【0013】
また、請求項4に記載の自動面取り装置は、揺動支持部材のワークに対する位置を調節可能にしたため、ワークの形状に応じて切削工具を最適なポジションに設定することができる。
【0014】
また、請求項5に記載の自動面取り装置は、昇降手段により作動腕全体を上下動させ得るようにしたため、厚さの異なるワークに対する上下方向の調整が簡単に行え、なおかつ、例えばリング状のワークに対して、外周を面取りするポジションから内周を面取りするポジションへの移行が、比較的簡単に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。なお、図1は自動面取り装置の斜視図、図2−1は自動面取り装置の正面図、図2−2はワークが若干回転した状態を示す自動面取り装置の正面図、図3は自動面取り装置の横断平面図である。
【0016】
自動面取り装置1は、固定的な装置基台2と、その装置基台2に設置したワークW用の保持回転手段3と、同じく装置基台2に設置した切削機保持手段4と、その切削機保持手段4で保持される切削機5と、前記切削機保持手段4に作用して切削機5をワークW側に向けて付勢する付勢手段6と、から概略構成される。
【0017】
[保持回転手段3]
前記ワークW用の保持回転手段3は、装置基台2の上面に対し垂直である回転軸線Xを中心として回転可能なチャック部材3aと、そのチャック部材3aを低速で回転させるモータ等の駆動手段(図示せず)と、で構成される。チャック部材3aは、前記回転軸線Xに向けて摺動可能な三本の可動爪3bにより、その中心にワークWを固定するものであり、従ってチャック部材3aで保持されたワークWの回転軸Yと、チャック部材3aの回転軸線Xとは一致する。
【0018】
[切削機保持手段4]
前記切削機保持手段4は、前記ワークWの回転軸Yと平行な縦の揺動中心軸4aを有する揺動支持部材4bと、該揺動支持部材4bの揺動中心軸4aの途中に取付ブロック4cを介して水平方向に突設された作動腕4dと、前記切削機5を保持するため作動腕4dの自由端側に設けた切削機保持部4eと、からなる。
【0019】
前記揺動支持部材4bは、装置基台2上に第1のボルト4fで固定した下座板4gと、その下座板4gの上に第2のボルト4hで固定した上座板4iと、その上座板4iの上面に立設した縦材4jと、その縦材4jの上端に横向きに突設した軸受板4kと、前記上座板4iと軸受板4kの間に立設した回転自在な揺動中心軸4aと、で構成される。揺動支持部材4bの下座板4gは、装置基台2上を該下座板4gに設けた長孔4m分だけ直線摺動可能であり、また、上座板4iは、下座板4g上を該下座板4gに設けた長孔4n分だけ直線摺動可能である。この上座板4iと前記下座板4gとは、互いに直交する方向に摺動可能な設定であり、よってそれらを台座とする揺動支持部材4bは、ワークWの前記回転軸Yと直交する面内たる装置基台2上で長孔4m,4nの範囲を上限として自由な方向に移動できる。
【0020】
[切削機5]
前記切削機5は、モータ(図示せず)を内蔵した胴部5aと、その胴部5aの先端に装着した軸状の切削工具5bと、からなり、胴部5aのモータで切削工具5bを回転させ、該切削工具5bの周面の刃部5cでワークWを切削する公知のものである。
【0021】
切削機5は、胴部5aの中間に設けた角形ブロック形態のアタッチメント5dを介して前記作動腕4dの先の切削機保持部4eに連結されている。この切削機保持部4eは短い丸棒形態であって、作動腕4dの端のカップリング4pに回転可能な状態に嵌め込まれており、これにより切削機5は、作動腕4dの中心軸を中心として傾動可能である。なお、作動腕4dのカップリング4pの周面には、切削機保持部4eの回転を止める止めネジ4qが設けられており、この止めネジ4qを締め外しすることによって、切削機5を任意の角度に傾けて固定することができる。
【0022】
[付勢手段6]
切削機5をワークW側に向けて付勢する付勢手段6は、前記揺動支持部材4bの揺動中心軸4aの上端に連結されるもので、軸受板4kの上面に固定したホイール6aと、そのホイール6a内に内蔵した渦巻きバネ(図示せず)と、を備え、渦巻きバネの渦の中心に前記揺動中心軸4aの上端を連結すると共に、渦巻きバネの渦の外端にホイール6aの内壁を連結してなる。従って揺動中心軸4aは、外からの回転力を受けたとき渦巻きバネを巻き込みつつ回転し、その回転力から開放されたとき渦巻きバネの復元弾性で逆向きに回転する。
なお、実施形態のホイール6aは、単純に軸受板4kに固定したものとして説明したが、好ましくは、軸受板4kに対してホイール6aを回転可能にすると共に前記カップリング4pの止めネジ4qのごとき角度調節手段を設けてホイールの角度を調節可能にするとよい。そうすることにより、揺動中心軸4aに作用する付勢力が任意に調節できる。
【0023】
[使用方法]
先ず、作動腕4dのカップリング4pにある止めネジ4qを緩め、切削機保持部4eを回転させて切削機5の傾きを設定し、前記止めネジ4qを締めて切削機5の角度を固定する。なお、この切削機5の傾きが面取り角に相当する。
次に、保持回転手段3に金属製又は合成樹脂製のワークWをセットし、三本の可動爪3bでワークWを固定する。
次に、揺動支持部材4bの揺動中心軸4aに対し、取付ブロック4cの位置を上下に移動させ、切削工具5bの刃部5cが前記ワークWの面取り位置に当たるよう切削機5の高さを決める。
次に、下座板4gと上座板4iのボルト4m,4nを緩めて切削機保持手段4の揺動支持部材4bを装置基台2上で移動させ、ワークWの回転軸Yに切削工具5bの傾いた回転軸Zが向かい且つ切削工具5bが最もワークWに接近した状態でなお付勢手段6の付勢力が作用するように位置を決める。
これで自動面取り装置1の初期設定とワークWのセットが完了する。なお、上記手順は、任意に入れ替え可能である。
【0024】
上記の状態で、自動面取り装置1の切削機5と保持回転手段3を作動させると、保持回転手段3の回転でワークWが低速にて回転(ワークWの周面が揺動支持部材4bの揺動中心軸4aから離れる方向に移動する回転方向)し、一方、付勢手段6による付勢で切削工具5bがワークWと接触し、その結果、切削工具5bがワークWとの接触を保ちつつカムフォロア的に移動してワークWの被面取り部の輪郭をなぞり、その際、刃部5cで面取りする。このとき切削機5は、揺動中心軸4aを中心とし且つワークWの回転軸Yと直交する面内で揺動するため、ワークWの被面取り部に対する刃部5cの角度と上下位置がほぼ一定で変わらないから、面取りした角度がほぼ一定になる。
【0025】
上記のままワークWが一回転すると面取りが完了するから、切削機5と保持回転手段3を停止させ、保持回転手段3のワークWを付け替えて、上記操作を繰り返す。もちろん同形状のワークWを連続して面取りする場合には、前記の初期設定は省略できる。
【0026】
[他の実施形態]
図4は他の実施形態を示す自動面取り装置の正面図、図5(a),(b)はワークと接触子の関係を示す拡大平面図である。本実施形態は、図示したように、切削機5の胴部5aにワークWと接触する接触子7を設けたことを特徴とする。この接触子7は、棒材の先端両側面に、先に向かって縮幅する形状のテーパ面7aを形成したものであり、前記切削工具5bの真下、つまり棒材の中心軸を含む垂直面が、切削工具5bの回転軸Zを含む垂直面と一致する位置に取り付けられている。なお、本実施形態では、接触子7を切削機5の胴部5aに固着したが、切削機保持部4eに接触子7を固着するようにしてもよい。
【0027】
前記接触子7は、図5(a),(b)に示したように、先端がワークWの周面に擦れてカムフォロア的に移動し、或いは図示したワークWのように起伏が激しいものではテーパ面7aがワークWの周面に擦れてカムフォロア的に移動して切削機5を移動させ、その際、ワークWの被面取り部に接する切削工具5bでワークWを面取りする。
【0028】
本実施形態は、切削機5による面取り寸法が、接触子7の接触によって規定(制御)され、ワークWの回転軸Y方向にほぼ一定になるから、例えばワークWが柔らかい合成樹脂のような場合でも過切削のおそれがない。ちなみに、先の実施形態では、ワークWが柔らかい合成樹脂で、しかも付勢手段6による付勢力が強すぎる、というような条件が重なった場合に、切削工具5bによる過切削の可能性が生じ得る。従って、この点において本実施形態は、先の実施形態より面取り寸法の精度が高められる優位性がある。もちろん先の実施形態でも、従来技術たる特許文献1に記載の自動面取り装置との比較では、面取り寸法の精度は高く、また、柔らかい合成樹脂のワークWにも対応可能な点で優れている。
【0029】
図6は、さらに別の実施形態を示す自動面取り装置の斜視図であり、前記切削機保持手段4の揺動支持部材4bに、作動腕4d全体を上下動させるための昇降手段8を設けたものである。具体的には、図6に示したように、揺動中心軸4aを角軸にして付勢手段6のホイール6aを貫通させ、一方、揺動中心軸4aの下端と上座板4iの間に流体圧シリンダ8aを設置し、流体圧シリンダ8aのロッド8bを伸縮させることにより揺動中心軸4aを昇降させ、もって揺動中心軸4aと一緒に作動腕4d全体を上下動させるようにしたものである。これにより例えばリング状のワークに対して、外周を面取りするポジションから内周を面取りするポジションへの移行が、比較的簡単に行える。なお、前記昇降手段8は、図示した流体圧シリンダ8aに限定されず、ラックギヤとピニオンギヤを組み合わせたり、ねじ式のものにするなど、どのような方式であってもよい。
【0030】
以上、本発明を実施の形態について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では、切削機5を揺動中心軸4aを中心に揺動させるようにしたが、切削機5を装置基台2上で直線方向に摺動させるようにしてもよい。
また、実施形態では、保持回転手段3の回転軸線X(=ワークWの回転軸Y)を装置基台2の上面に対し垂直方向のものとして、すなわち鉛直方向のものとして説明したが、回転軸線X(回転軸Y)は鉛直方向に限定されない。
【0031】
また、実施形態では、切削機保持部4eと切削機5とを相対運動のない状態に結合させたが、切削機保持部4eに対し切削機5を、切削工具5b側が上昇する跳ね上げ方向に揺動可能に形成すると共に、切削機5をバネ等の保護付勢手段で反跳ね上げ方向に付勢するようにしてもよい。その際、保護付勢手段の付勢力を、通常の面取り時に切削機5に作用する跳ね上げ方向の力(前記付勢手段6の付勢力と、ワークWの回転力と、切削工具5bの傾きと、の総合作用により、切削機5に作用する上向きの力)より大きく設定しておく。そうすることにより、通常の面取り時に切削機5が跳ね上がるおそれがなく、一方、切削工具5bに異常な跳ね上げ方向の力が作用した場合には切削工具5b側が上向きに揺動して逃げるため、切削工具5bが破損しない。このように切削機5と切削機保持部4eと保護付勢手段の組合せは、切削工具5bの保護手段として有効に機能する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】自動面取り装置の斜視図である。
【図2−1】自動面取り装置の正面図である。
【図2−2】ワークが若干回転した状態を示す自動面取り装置の正面図である。
【図3】自動面取り装置の横断平面図である。
【図4】他の実施形態を示す自動面取り装置の正面図である。
【図5】(a),(b)はワークと接触子の関係を示す拡大平面図である。
【図6】さらに別の実施形態を示す自動面取り装置の斜視図である。
【図7】(a),(b)は従来の自動面取り装置を示す要部正面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 …自動面取り装置
3 …保持回転手段
4 …切削機保持手段
4a…揺動中心軸
4b…揺動支持部材
4d…作動腕
4e…切削機保持部
5 …切削機
5a…胴部
5b…切削工具
5c…刃部
6 …付勢手段
7 …接触子
8 …昇降手段
W …ワーク
Y …ワークの回転軸
Z …切削工具の回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸状の切削工具を回転させその切削工具周面の刃部でワークを切削する切削機を使用し、ワークを保持回転手段で保持して回転させると共に、ワークの回転軸に対して前記切削工具の回転軸を傾けてワークの被面取り部に前記刃部を斜めに接触させ、面取りするようにした自動面取り装置において、
前記切削機をワークの回転軸と直交する面内で移動可能なように保持する切削機保持手段と、
前記切削機をワーク側に向けて付勢する付勢手段と、を備え、
前記付勢手段による付勢によって切削工具をワークに接触させると共にワークの回転により切削工具を切削機ごとカムフォロア的に移動させるようにしたものであることを特徴とする自動面取り装置。
【請求項2】
軸状の切削工具を回転させその切削工具周面の刃部でワークを切削する切削機を使用し、ワークを保持回転手段で保持して回転させると共に、ワークの回転軸に対して前記切削工具の回転軸を傾けてワークの被面取り部に前記刃部を斜めに接触させ、面取りするようにした自動面取り装置において、
前記切削機をワークの回転軸と直交する面内で移動可能なように保持する切削機保持手段と、
先端をワークに向かわせて前記切削機保持手段又は切削機の胴部に固着した接触子と、
前記切削機をワーク側に向けて付勢する付勢手段と、を備え、
前記付勢手段による付勢によって切削工具と接触子とをワークに接触させ、さらにワークの回転により接触子を切削機ごとカムフォロア的に移動させるようにしたものであることを特徴とする自動面取り装置。
【請求項3】
前記切削機保持手段は、
ワークの回転軸と平行な揺動中心軸を有する揺動支持部材と、
該揺動支持部材から突設され前記揺動中心軸を中心に揺動可能な作動腕と、
前記切削機を保持するために前記作動腕の自由端側に設けた切削機保持部と、
を備えてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動面取り装置。
【請求項4】
前記切削機保持手段の揺動支持部材をワークの回転軸と直交する面内で移動可能に構成し、該揺動支持部材のワークに対する位置を調節可能にした請求項3記載の自動面取り装置。
【請求項5】
前記切削機保持手段の揺動支持部材に、作動腕全体を上下動させるための昇降手段を設けてなることを特徴とする請求項3又は4に記載の自動面取り装置。

【図1】
image rotate

【図2−1】
image rotate

【図2−2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−28824(P2009−28824A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−193835(P2007−193835)
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(392010511)株式会社甲山製作所 (5)
【Fターム(参考)】