説明

自律ストレージ装置、自律ストレージシステム、ネットワーク負荷分散プログラム及びネットワーク負荷分散方法

【課題】 自律ストレージシステムにおいて、負荷分散時に、コンテンツをアクセスする際のスループットの低下を防止し、コンテンツの容量の偏りを発生させない自律ストレージ装置を提供する。
【解決手段】 自律ストレージ装置2は、負荷状態を検出する負荷状態検出手段261aと、この検出された負荷状態に基づいて、コンテンツ記憶手段30に記憶されているプライマリコンテンツ30aの役割をバックアップコンテンツ30bに変更する、あるいは、バックアップコンテンツ30bの役割をプライマリコンテンツ30aに変更する役割変更手段263とを備え、ネットワークを介して、自律ストレージ装置2間で、コンテンツの役割を変更させることで、負荷分散を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク上でコンテンツ(データ)を分散して記憶する際に、ネットワーク又は装置にかかる負荷を分散させることが可能な自律ストレージ装置、自律ストレージシステム、ネットワーク負荷分散プログラム及びネットワーク負荷分散方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータで利用するコンテンツのデータ量は増加し続けており、それに伴いコンテンツを記憶するハードディスク等の記憶装置(ストレージ)の容量も増大している。しかし、記憶装置は故障する可能性があるため、記憶装置の故障によるコンテンツの損失は、記憶装置の容量の増大に伴い大きくなっている。そこで、最近では、記憶装置の信頼性、安全性、可用性及び拡張性を向上させる技術として、自律ストレージシステムが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
この自律ストレージシステムは、ネットワークに接続された複数の自律ストレージ装置が、ネットワークを介して、当該装置の負荷情報、故障情報等を交換し、予め定めた自律分散管理ルールに基づいて、他の自律ストレージ装置と協調しながら、コンテンツの複製や移動を行うものである。これによって、自律ストレージシステムでは、コンテンツを記憶する際の負荷分散や故障回復のほか、自律ストレージ装置の拡張や除去を行うことができる。
【0004】
ここで、図6を参照して、従来の自律ストレージシステムにおけるコンテンツの格納方法について説明する。図6は、従来の自律ストレージシステムにコンテンツを分散して記憶した状態の一例を示す模式図であって、自律ストレージシステムを構成する自律ストレージ装置(実際には自律ストレージ装置内のコンテンツ記憶手段)に、コンテンツが記憶された状態を示している。ここでは、一例として、自律ストレージ装置の数を4台、コンテンツの数を16個として説明を行う。
【0005】
図6に示した自律ストレージシステム1Bを構成する各自律ストレージ装置(2B1〜2B4)には、論理的な隣接関係を一意に特定する識別情報(識別子)が設定されており、論理的に1番目の自律ストレージ装置を2B1、2番目の自律ストレージ装置を2B2、3番目の自律ストレージ装置を2B3、4番目(1番最後)の自律ストレージ装置を2B4としている。また、コンテンツには、論理的な大小関係を持つ一意に特定される識別情報(例えば、ファイル名、番号等)が設定されており、論理的に最も小さい識別情報を持つコンテンツをC1、2番目に小さい識別情報を持つコンテンツをC2、以下同様に、16番目に小さい(最も大きい)識別情報を持つコンテンツをC16としている。
【0006】
また、自律ストレージシステム1Bは、各自律ストレージ装置2Bのコンテンツ記憶手段を、プライマリ領域Pとバックアップ領域Bとに区分し、原コンテンツをプライマリ領域Pに、原コンテンツのバックアップをバックアップ領域Bにそれぞれ記憶する。以下、プライマリ領域Pに記憶されるコンテンツをプライマリコンテンツ、バックアップ領域Bに記憶されるコンテンツをバックアップコンテンツという。
【0007】
すなわち、自律ストレージシステム1Bは、識別情報が最も小さいコンテンツグループ(C1〜C4)を自律ストレージ装置2B1のプライマリ領域P1に、2番目に識別情報が小さいコンテンツグループ(C5〜C8)を自律ストレージ装置2B2のプライマリ領域P2に、3番目に識別情報が小さいコンテンツグループ(C9〜C12)を自律ストレージ装置2B3のプライマリ領域P3に、4番目に識別情報が小さい(最も識別情報が大きい)コンテンツグループ(C13〜C16)を自律ストレージ装置2B4のプライマリ領域P4にそれぞれ記憶する。
【0008】
また、自律ストレージシステム1Bは、論理的に隣接した各自律ストレージ装置2Bのコンテンツ記憶手段のバックアップ領域Bにバックアップコンテンツを記憶する。すなわち、自律ストレージ装置2B1のプライマリコンテンツ(C1〜C4)に対応するバックアップコンテンツC´1〜C´4を自律ストレージ装置2B2のバックアップ領域B2に記憶する。同様に、プライマリコンテンツ(C5〜C8)に対応するバックアップコンテンツ(C´5〜C´8)をバックアップ領域B3に、プライマリコンテンツ(C9〜C12)に対応するバックアップコンテンツ(C´9〜C´12)をバックアップ領域B4にそれぞれ記憶する。なお、プライマリコンテンツ(C13〜C16)に対応するバックアップコンテンツ(C´13〜C´16)は、論理的に1番目となる自律ストレージ装置2B1のバックアップ領域B1に記憶する。
【0009】
このように、自律ストレージシステム1Bは、コンテンツを各自律ストレージ装置2Bに分散することで負荷分散を行うとともに、バックアップコンテンツを論理的に隣接した自律ストレージ装置2Bに鎖状に配置(この配置をチェインドデクラスタリングと呼ぶ)して記憶することで、障害が発生しコンテンツが失われた場合でもコンテンツを復旧させることができる。
また、自律ストレージシステム1Bは、運用時に、負荷が大きくなった自律ストレージ装置2Bに記憶されるコンテンツを、他の自律ストレージ装置2Bに移動させることで、負荷の分散を行っている。
【0010】
ここで、図7を参照(適宜図6参照)して、従来の自律ストレージシステムにおける運用時の負荷分散の動作について説明する。図7は、従来の自律ストレージシステムにおける負荷分散の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、自律ストレージ装置2B4の動作については省略する。
【0011】
まず、自律ストレージシステム1Bの各自律ストレージ装置2Bは、負荷状態を検出し、当該自律ストレージ装置2Bが過負荷状態であるかどうかを判定する(ステップS11、ステップS11´、ステップS11")。ここでは、自律ストレージ装置2B2が、最も負荷が大きく過負荷状態になっているものとする。
【0012】
このとき、自律ストレージ装置2B2が、他の自律ストレージ装置2Bに移動させたいコンテンツを決定し(ステップS12)、当該コンテンツが現在操作中(アクセス中)であるかどうかを判定し(ステップS13)、操作が終了するまで待機する(ステップS13でYes)。なお、ここでは、移動対象となるコンテンツが、プライマリコンテンツC5及びバックアップコンテンツC´5であるとする。
そして、ステップS13において操作が終了した段階(ステップS13でNo)で、自律ストレージ装置2B2は、プライマリコンテンツC5へのアクセスを禁止(ロック)する(ステップS14)。
【0013】
さらに、自律ストレージ装置2B2は、自律ストレージ装置2B3に対して、バックアップコンテンツC´5へのアクセスを禁止する旨の指示を送信し、自律ストレージ装置2B3において、バックアップコンテンツC´5へのアクセスを禁止する(ステップS15)。
そして、バックアップコンテンツC´5へのアクセスが禁止された段階で、自律ストレージ装置2B2は、プライマリコンテンツC5の複製を自律ストレージ装置2B1に送信(コピー)する(ステップS16)。
【0014】
そして、自律ストレージ装置2B1が、自律ストレージ装置2B2から受信したプライマリコンテンツC5の複製をプライマリ領域P1にアクセス禁止(ロック)状態で記憶し(ステップS17)、完了通知を自律ストレージ装置2B2に通知する。
【0015】
さらに、自律ストレージ装置2B2は、プライマリコンテンツC5を、アクセス禁止状態でバックアップ領域B2にバックアップコンテンツC´5として移動し、記憶する(ステップS18)。そして、自律ストレージ装置2B2は、自律ストレージ装置2B3に対して、バックアップ領域B3に記憶されているバックアップコンテンツC´5を削除する旨を指示する。
【0016】
そして、自律ストレージ装置2B3が、バックアップ領域B3に記憶されているバックアップコンテンツC´5を削除し(ステップS19)、削除完了を自律ストレージ装置2B2に通知する。
また、自律ストレージ装置2B2は、自律ストレージ装置2B2内のバックアップ領域B2に移動させたバックアップコンテンツC´5のアクセス禁止を解除し(ステップS20)、自律ストレージ装置2B1に対して、プライマリコンテンツC5のアクセス禁止の解除を指示する。
そして、自律ストレージ装置2B1が、プライマリコンテンツC5のアクセス禁止を解除し(ステップS21)、アクセス禁止を解除した旨を自律ストレージ装置2B2に通知する。
そして、自律ストレージ装置2B2が、自律ストレージ装置2B1から、プライマリコンテンツC5のアクセス禁止解除を通知された段階で、負荷分散の動作が終了する。
【0017】
このように、自律ストレージシステム1Bが動作することで、図6に示したコンテンツの記憶状態は、図8に示した状態となる。図8は、従来の自律ストレージシステムにおける負荷分散動作後のコンテンツの記憶状態を示す模式図である。
この図8に示すように、負荷の大きかった自律ストレージ装置2B2から、プライマリコンテンツの数が少なくなることで、自律ストレージ装置2B2に対するアクセスが減ることになり、負荷が分散されることになる。また、この場合でも、チェインドデクラスタリングが維持された状態となっており、障害時の復旧を行うことは可能である。
【非特許文献1】伊藤大輔,「自律ディスク上の分散ディレクトリの負荷均衡機構を用いたクラスタ再構成」、第13回データ工学ワークショップ論文集、DEWS2002 C3−3、電子情報通信学会データ工学研究専門委員会(2002)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかし、前記した従来の技術では、負荷分散を行う際に、自律ストレージ装置間でコンテンツ(プライマリコンテンツ)の複製を転送する必要があるため、ネットワークに対して負荷がかかり、クライアントコンピュータ等が、自律ストレージシステムに対してコンテンツのアクセスを行う際のスループットを低下させてしまうという問題がある。
また、従来の技術では、負荷分散を行う際に、自律ストレージ装置内でコンテンツの移動(プライマリコンテンツからバックアップコンテンツへの移動)を行う必要があるため、前記同様、スループットを低下させてしまうという問題がある。
【0019】
さらに、従来の技術では、負荷分散を行う際に、コンテンツの移動を行うため、各自律ストレージ装置に記憶されているコンテンツの数が変わってしまう。例えば、図8に示したように、自律ストレージ装置2B1のコンテンツの数は8個(C1〜C4、C´13〜C´16)から、9個(C1〜C5、C´13〜C´16)に増え、自律ストレージ装置2B3のコンテンツの数は8個(C9〜C12、C´5〜C´8)から、7個(C9〜C12、C´6〜C´8)に減ってしまう。
このように、各自律ストレージ装置のコンテンツの数が変わってしまうため、各自律ストレージ装置に記憶されるデータ量に偏りが生じ、ある自律ストレージ装置のデータ量が最大容量に達した段階でコンテンツの記憶が制限されるため、自律ストレージシステム全体としての記憶容量が減ってしまうという問題がある。
【0020】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、自律ストレージシステムにおいて、負荷分散時に、コンテンツにアクセスする際のスループットの低下を防止し、それぞれの自律ストレージ装置に蓄積しているコンテンツの容量に偏りを発生させない自律ストレージ装置、自律ストレージシステム、ネットワーク負荷分散プログラム及びネットワーク負荷分散方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、前記目的を達成するために創案されたものであり、まず、請求項1に記載の自律ストレージ装置は、ネットワークに複数接続されて、コンテンツを、原コンテンツ及びバックアップコンテンツとして分散して記憶する自律ストレージ装置において、コンテンツ記憶手段と、役割情報記憶手段と、関連付け情報記憶手段と、負荷状態検出手段と、役割変更手段と、コンテンツ操作制御手段とを備える構成とした。
【0022】
かかる構成によれば、自律ストレージ装置は、コンテンツ記憶手段に原コンテンツ(プライマリコンテンツ)と、ネットワークに接続された他の自律ストレージ装置に記憶される原コンテンツのバックアップコンテンツとを記憶する。このとき、自律ストレージ装置は、コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツ毎に、当該コンテンツが原コンテンツであるか又はバックアップコンテンツであるかを示す役割情報を役割情報記憶手段に記憶する。このように、自律ストレージ装置は、各コンテンツを原コンテンツとして使用するか、バックアップコンテンツとして使用するかを役割情報に対応付けて管理するため、この役割情報を変更するだけで、その役割を変更することができる。なお、コンテンツ記憶手段には、配列順序を示す識別情報に対応付けて、昇順又は降順にコンテンツが管理されていることが望ましい。
【0023】
さらに、自律ストレージ装置は、関連付け情報記憶手段に、コンテンツ記憶手段に記憶されるコンテンツ毎に、当該コンテンツと他の自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶されるコンテンツとにおける、原コンテンツとバックアップコンテンツとの関連付けを示す関連付け情報を記憶する。これによって、自律ストレージ装置間にまたがって、原コンテンツとバックアップコンテンツとを記憶する場合に、原コンテンツに対応するバックアップコンテンツの位置、あるいは、バックアップコンテンツに対応する原コンテンツの位置を素早く検索することができる。
【0024】
そして、自律ストレージ装置は、負荷状態検出手段によって、コンテンツに対する単位時間あたりのアクセス数等により、当該自律ストレージ装置及び他の自律ストレージ装置の負荷状態を検出し、その負荷状態を各自律ストレージ装置間で交換することで、どの自律ストレージ装置で負荷が大きくなっているかを認識する。そして、自律ストレージ装置は、役割変更手段によって、負荷状態検出手段で検出された負荷状態で、最も負荷が大きい自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツと、当該コンテンツと関連付け情報で関連付けられているコンテンツとの役割を変更して、役割情報を更新する。すなわち、負荷が大きい自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶されている原コンテンツをバックアップコンテンツに役割を変更し、その原コンテンツに関連付けられているコンテンツを原コンテンツ(プライマリコンテンツ)とする。
【0025】
そして、自律ストレージ装置は、コンテンツ操作制御手段によって、役割情報記憶手段に記憶されている役割情報に基づいて、原コンテンツへの操作(例えば、読み出し、書き込み等)を行う。これによって、負荷が大きかった自律ストレージ装置の負荷が軽減され、他の自律ストレージ装置に負荷が分散されることになる。
【0026】
また、請求項2に記載の自律ストレージ装置は、請求項1に記載の自律ストレージ装置において、前記コンテンツ記憶手段が、配列順序を示す識別情報に対応付けられた前記原コンテンツと、他の自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶され、前記配列順序の前又は後に連続する原コンテンツに対応するバックアップコンテンツとを記憶することを特徴とする。
【0027】
かかる構成によれば、自律ストレージ装置は、コンテンツ記憶手段に、配列順序を示す識別情報に対応付けられた原コンテンツと、他の自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶され、前記配列順序の前又は後に連続する原コンテンツに対応するバックアップコンテンツとを記憶する。これによって、自律ストレージ装置毎に連続して、重なり合うようにバックアップコンテンツを持ち合うことになる。なお、自律ストレージ装置は、原コンテンツとバックアップコンテンツとを、役割情報に基づいて識別するため、原コンテンツとバックアップコンテンツとを、コンテンツ記憶手段において領域を区別することなく記憶し、役割情報のみを変更することで、原コンテンツとバックアップコンテンツとの役割が変更されることになる。
【0028】
さらに、請求項3に記載の自律ストレージ装置は、請求項2に記載の自律ストレージ装置において、前記負荷状態検出手段で検出された負荷状態が過負荷状態である場合に、前記役割変更手段が、前記コンテンツ記憶手段に記憶されている原コンテンツ、又は前記最先又は最後の原コンテンツに前記配列順序で連続する原コンテンツ群を、バックアップコンテンツに、その役割を変更し、対応するバックアップコンテンツ群を、原コンテンツに、その役割を変更することを特徴とする。
【0029】
かかる構成によれば、自律ストレージ装置は、当該自律ストレージ装置が過負荷である場合に、役割変更手段によって、コンテンツ記憶手段に記憶されている原コンテンツの中で、配列順序で最先又は最後の原コンテンツをバックアップコンテンツに変更する。これに伴って、原コンテンツのバックアップコンテンツを記憶していた論理的に隣接する自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶されているバックアップコンテンツの役割を原コンテンツ(プライマリコンテンツ)とすることで、論理的に連続する自律ストレージ装置で、原コンテンツの配列順序が保持されたままとなる。なお、原コンテンツの役割をバックアップコンテンツに変更する際には、原コンテンツに配列順序で連続する複数の原コンテンツ(原コンテンツ群)の役割を一括してバックアップコンテンツに変更し、その原コンテンツ群に対応するバックアップコンテンツ(バックアップコンテンツ群)を原コンテンツに一括して変更することとしてもよい。
【0030】
また、請求項4に記載の自律ストレージシステムは、コンテンツを、原コンテンツ及びバックアップコンテンツとして分散して記憶する自律ストレージシステムであって、ネットワークに接続された、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の複数の自律ストレージ装置を備え、前記複数の自律ストレージ装置の中で、過負荷状態である自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶されている原コンテンツと、当該原コンテンツに対応する他の自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶されているバックアップコンテンツとの役割を変更することを特徴とする。
【0031】
かかる構成によれば、自律ストレージシステムは、ネットワークに接続された自律ストレージ装置間で、負荷状態を認識し、過負荷状態となっている自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶されている原コンテンツの役割をバックアップコンテンツに変更し、当該原コンテンツに対応する他の自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶されているバックアップコンテンツの役割を原コンテンツに変更する。これによって、原コンテンツに対するアクセスによって発生する負荷が他の自律ストレージ装置に分散されることになる。
【0032】
さらに、請求項5に記載のネットワーク負荷分散プログラムは、コンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段を備え、ネットワークに複数接続されることで前記コンテンツを原コンテンツ及びバックアップコンテンツとして分散して記憶する自律ストレージ装置の負荷を分散させるために、当該自律ストレージ装置におけるコンピュータを、負荷状態検出手段、役割変更手段、コンテンツ操作制御手段として機能させることを特徴とする。
【0033】
かかる構成によれば、ネットワーク負荷分散プログラムは、負荷状態検出手段によって、コンテンツへのアクセスに基づいて、当該自律ストレージ装置及び他の自律ストレージ装置の負荷状態を検出する。これによって、どの自律ストレージ装置で負荷が大きくなっているかを認識する。そして、ネットワーク負荷分散プログラムは、役割変更手段によって、負荷状態検出手段で検出された負荷状態に基づいて、コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツと、他の自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツとの役割を変更して、役割情報を更新する。さらに、ネットワーク負荷分散プログラムは、コンテンツ操作制御手段によって、役割情報記憶手段に記憶された役割情報に基づいて、原コンテンツへの操作を行う。これによって、役割をバックアップコンテンツに変更された自律ストレージ装置の負荷が、役割を原コンテンツに変更された自律ストレージ装置に分散されることになる。
【0034】
また、請求項6に記載のネットワーク負荷分散方法は、コンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段を備えた自律ストレージ装置を、ネットワークに複数接続することで、前記コンテンツを原コンテンツ及びバックアップコンテンツとして分散して記憶する自律ストレージシステムにおいて、前記自律ストレージ装置間の負荷分散を行うネットワーク負荷分散方法であって、負荷状態検出ステップと、過負荷判定ステップと、アクセス禁止ステップと、役割変更ステップと、アクセス解除ステップとを含んでいることを特徴とする。
【0035】
この手順によれば、ネットワーク負荷分散方法は、負荷状態検出ステップで、各自律ストレージ装置の負荷状態を検出する。これによって、どの自律ストレージ装置で負荷が大きくなっているかを認識することができる。そこで、ネットワーク負荷分散方法は、過負荷判定ステップで、負荷状態と予め定めた閾値とに基づいて、どの自律ストレージ装置が過負荷であるかどうかを判定する。そして、ネットワーク負荷分散方法は、アクセス禁止ステップで、過負荷であると判定された自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶されている原コンテンツ、及び、その原コンテンツに対応する他の自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶されているバックアップコンテンツへのアクセスを禁止する。そして、ネットワーク負荷分散方法は、役割変更ステップで、アクセスが禁止された原コンテンツ及びバックアップコンテンツの役割を変更する。この役割変更後、アクセス解除ステップで、原コンテンツ及びバックアップコンテンツへのアクセスの禁止を解除する。これによって、役割をバックアップコンテンツに変更された自律ストレージ装置の負荷が、役割を原コンテンツに変更された自律ストレージ装置に分散されることになる。
【発明の効果】
【0036】
請求項1、請求項4、請求項5又は請求項6に記載の発明によれば、自律ストレージ装置に記憶されているコンテンツの役割を、原コンテンツからバックアップコンテンツに変更し、その原コンテンツに対応する他の自律ストレージ装置に記憶されているバックアップコンテンツの役割を原コンテンツに変更するだけで、負荷を分散させることができる。このとき、自律ストレージ装置は、コンテンツを他の自律ストレージ装置にコピーしたり、自律ストレージ装置内で移動させたり等の動作を行わないため、ネットワーク等に負荷を与えない。これによって、コンテンツに対するスループットの低下を防ぐことができる。また、本発明によれば、負荷分散時に、コンテンツの容量の偏りが発生しないため、各自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段の容量を最大限に利用することができる。
【0037】
請求項2に記載の発明によれば、原コンテンツを、論理的に連続する自律ストレージ装置に、ファイル名等の順番を示す配列順序通りに記憶するため、コンテンツの検索を容易に行うことができる。また、本発明によれば、原コンテンツとバックアップコンテンツとを、役割情報に基づいて識別しているため、その役割情報を変更するだけで、原コンテンツとバックアップコンテンツとの役割を変更することができる。これによって、自律ストレージ装置は、負荷分散時に、コンテンツの移動が伴わず、スループットの低下を防ぐことができる。
【0038】
請求項3に記載の発明によれば、負荷分散時に、配列順序で最先又は最後の原コンテンツをバックアップコンテンツに変更するため、論理的に連続する自律ストレージ装置において、原コンテンツがファイル名等の順番を示す配列順序通りに記憶された状態を保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下では、まず、本発明における負荷分散の手法を実現した自律ストレージシステムの動作概念について説明し、続けて、当該自律ストレージシステムを構成する自律ストレージ装置の構成及び詳細動作について順次説明していくこととする。
【0040】
[自律ストレージシステムの動作概念]
最初に、図1を参照して、負荷分散の手法を実現した自律ストレージシステムの動作概念について説明する。図1は、自律ストレージシステムの概略の構成を示す概略構成図である。図1に示すように、自律ストレージシステム1は、ネットワークNに接続された複数(ここでは一例として4台)の自律ストレージ装置2(21〜24)を備えている。この自律ストレージシステム1は、同一のネットワークNに接続されたクライアントコンピュータ5等からコンテンツの書き込み要求があったときに、各々の自律ストレージ装置2(21〜24)間でコンテンツを分散して記憶するものである。
【0041】
ここで自律ストレージ装置2は、システム管理手段20と、コンテンツ記憶手段30とを備え(詳細な構成については後記する)、システム管理手段20によって、他の自律ストレージ装置との間で協調することで、負荷を分散するようにコンテンツをコンテンツ記憶手段30に記憶するものである。
【0042】
この自律ストレージ装置2は、自身のコンテンツ記憶手段30にコンテンツの原コンテンツ(以下、プライマリコンテンツという)と、他の自律ストレージ装置に記憶されるコンテンツのバックアップコンテンツ(以下、バックアップコンテンツという)とを記憶している。ここで、自律ストレージ装置2は、互いに論理的に隣接した自律ストレージ装置2に、バックアップコンテンツを記憶する。なお、論理的に最後の自律ストレージ装置(ここでは、自律ストレージ装置24)に隣接する自律ストレージ装置は、論理的に1つ前の自律ストレージ装置(ここでは、自律ストレージ装置23)と、論理的に最初の自律ストレージ装置(ここでは、自律ストレージ装置21)とである。
【0043】
例えば、図1に示すように、自律ストレージ装置21のコンテンツ記憶手段301にプライマリコンテンツC1及びC2が記憶されているとすると、プライマリコンテンツC1のバックアップコンテンツC´1は、自律ストレージ装置21に論理的に隣接する自律ストレージ装置24に、また、プライマリコンテンツC2のバックアップコンテンツC´2は、自律ストレージ装置21に論理的に隣接する自律ストレージ装置22に、それぞれ記憶される。
以下、自律ストレージシステム1の動作概念における各自律ストレージ装置2のコンテンツの格納方法と、負荷分散方法について説明する。
【0044】
(コンテンツの格納方法)
まず、図3を参照して、本発明に係る複数の自律ストレージ装置からなる自律ストレージシステムにおけるコンテンツの格納方法について説明する。図3は、自律ストレージシステムにコンテンツを分散して記憶した状態の一例を示す模式図であって、自律ストレージシステム1を構成する自律ストレージ装置2(実際には自律ストレージ装置2のコンテンツ記憶手段30(図1参照))に、コンテンツが記憶された状態を示している。ここでは、一例として、自律ストレージ装置2の数を4台、コンテンツの数を16個として説明を行うが、本発明は、この数に限定されるものではない。
【0045】
図3に示すように、自律ストレージシステム1は、自律ストレージ装置2のコンテンツ記憶手段30(図1参照)を、従来のようにプライマリ領域とバックアップ領域とに区別するのではなく、同一の領域とし、コンテンツをプライマリコンテンツCnか、バックアップコンテンツC´nかを示す情報(役割情報)に対応付けて記憶する。
【0046】
なお、自律ストレージ装置2には、論理的な隣接関係を一意に特定する識別情報(識別子)が設定されており、論理的に1番目の自律ストレージ装置を21、2番目の自律ストレージ装置を22、3番目の自律ストレージ装置を23、4番目(最後)の自律ストレージ装置を24としている。また、コンテンツには、論理的な大小関係を持つ一意に特定される識別情報(例えば、ファイル名、番号等)が設定されており、論理的に最も小さい識別情報を持つコンテンツをC1、2番目に小さい識別情報を持つコンテンツをC2、以下同様に、16番目に小さい(最も大きい)識別情報を持つコンテンツをC16としている。
【0047】
ここで、自律ストレージ装置21には、プライマリコンテンツC1〜C4を記憶し、自律ストレージ装置22には、プライマリコンテンツC5〜C8を記憶し、自律ストレージ装置23には、プライマリコンテンツC9〜C12を記憶し、自律ストレージ装置24には、プライマリコンテンツC13〜C16を記憶している。
【0048】
また、自律ストレージ装置21には、論理的に隣接した自律ストレージ装置22及び24のプライマリコンテンツC5、C6、C15及びC16のバックアップとして、バックアップコンテンツC´5、C´6、C´15及びC´16を記憶している。同様に、自律ストレージ装置22には、バックアップコンテンツC´3、C´4、C´9及びC´10を、自律ストレージ装置23には、バックアップコンテンツC´7、C´8、C´13及びC´14を、自律ストレージ装置24には、バックアップコンテンツC´1、C´2、C´11及びC´12をそれぞれ記憶している。
このように、コンテンツを記憶することで、各自律ストレージ装置2は、チェインドデクラスタリングの構成となり、いずれかの自律ストレージ装置2に障害が発生し、コンテンツが失われた場合でも、コンテンツを復旧させることができる。
【0049】
(負荷分散方法)
次に、図4を参照(適宜図3参照)して、本発明に係る自律ストレージシステムにおける負荷分散方法について説明する。図4は、自律ストレージシステムで負荷分散を行う際の動作を説明するための説明図である。なお、図4は、図3に示したコンテンツの格納状態において、自律ストレージ装置22へのアクセスが集中し、自律ストレージ装置22の負荷が最も高い場合に、負荷を分散する仕組みを示している。
【0050】
本発明においては、負荷が大きい自律ストレージ装置2のプライマリコンテンツの役割を、プライマリからバックアップに変更し、当該プライマリコンテンツに対応するバックアップコンテンツの役割を、バックアップからプライマリに変更する。すなわち、負荷が最も大きい自律ストレージ装置22のプライマリコンテンツC5(図3)の役割を変更し、バックアップコンテンツC´5(図4)とし、自律ストレージ装置21のバックアップコンテンツC´5(図3)の役割を変更し、プライマリコンテンツC5(図4)とする。
これによって、図4に示すように、自律ストレージ装置21におけるアクセス可能なコンテンツは、C1〜C5の5つ、自律ストレージ装置22におけるアクセス可能なコンテンツは、C6〜C8の3つとなり、自律ストレージ装置22の負荷が自律ストレージ装置21に分散されたことになる。
【0051】
なお、このように、負荷分散を行う際の役割を変更するコンテンツは、負荷が大きい自律ストレージ装置2のプライマリコンテンツの中で、論理的に最も小さい識別情報(識別子)を持つコンテンツ(図3の自律ストレージ装置22におけるプライマリコンテンツC5)、又は論理的に最も大きい識別情報(識別子)を持つコンテンツ(図3の自律ストレージ装置22におけるプライマリコンテンツC8)のいずれかとする。
これによって、図4に示すように、プライマリコンテンツは、各自律ストレージ装置2にまたがって連続性(C1〜C16)が保たれることになり、容易にコンテンツを検索することが可能になる。
なお、ここでは、プライマリコンテンツの役割を、1つずつプライマリからバックアップに変更こととして説明したが、複数のプライマリコンテンツの役割を一括して、バックアップに変更することとしてもよい。
【0052】
[自律ストレージ装置の構成]
次に、図2を参照して、本発明に係る自律ストレージ装置の構成について説明する。図2は、自律ストレージ装置の構成を示したブロック構成図である。
図2に示すように、自律ストレージ装置2は、ネットワークNに接続され、他の自律ストレージ装置と協調して、コンテンツを分散して記憶するものである。ここでは、自律ストレージ装置2は、通信送受信手段10と、システム管理手段20と、コンテンツ記憶手段30と、インデックス情報記憶手段40とを備えている。
【0053】
通信送受信手段10は、ネットワークNを介して、クライアントコンピュータ(図示せず)や他の自律ストレージ装置(図示せず)と、データの送受信を行うものである。例えば、通信送受信手段10は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)の通信プロトコルによってデータの送受信を行う通信ボードである。
【0054】
システム管理手段20は、自律ストレージ装置2全体の制御を行うものである。例えば、システム管理手段20は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等を備えたコンピュータであって、プログラムを、以下に示す各手段として機能させることで、他の自律ストレージ装置と協調して、負荷分散を行うものである。ここでは、システム管理手段20は、コンテンツ格納手段21と、コンテンツ配信手段22と、コンテンツ削除手段23と、制御情報受信手段24と、制御情報送信手段25と、コンテンツ管理手段26とを備えている。
【0055】
コンテンツ格納手段21は、通信送受信手段10を介して、コンテンツを取得し、コンテンツ記憶手段30に記憶するもので、コンテンツ受信手段21aと、コンテンツ書き込み手段21bとを備えている。
【0056】
コンテンツ受信手段21aは、通信送受信手段10を介して取得したコンテンツを受信するものである。このコンテンツ受信手段21aは、コンテンツ管理手段26のコンテンツ操作制御手段262から通知されるコンテンツの送信元(例えば、クライアントコンピュータ、他の自律ストレージ装置等)から、通信送受信手段10を介してコンテンツを受信する。ここで受信したコンテンツは、コンテンツ書き込み手段21bに出力される。
【0057】
コンテンツ書き込み手段21bは、コンテンツ受信手段21aで受信したコンテンツを、コンテンツ記憶手段30のプライマリコンテンツ30a又はバックアップコンテンツ30bとして、コンテンツ記憶手段30に書き込むものである。このコンテンツ書き込み手段21bは、コンテンツ管理手段26のコンテンツ操作制御手段262から通知される位置情報(アドレス)に基づいて、コンテンツをコンテンツ記憶手段30に書き込む。なお、コンテンツ記憶手段30に書き込まれるコンテンツが、プライマリコンテンツ30aであるか、バックアップコンテンツ30bであるかは、コンテンツ管理手段26において管理されている。
【0058】
コンテンツ配信手段22は、コンテンツ記憶手段30に記憶されているコンテンツ(プライマリコンテンツ30a又はバックアップコンテンツ30b)を、通信送受信手段10を介して配信するもので、コンテンツ読み出し手段22aと、コンテンツ送信手段22bとを備えている。
【0059】
コンテンツ読み出し手段22aは、コンテンツ記憶手段30に記憶されているコンテンツ(プライマリコンテンツ30a又はバックアップコンテンツ30b)を読み出すものである。このコンテンツ読み出し手段22aは、コンテンツ管理手段26のコンテンツ操作制御手段262から通知される位置情報(アドレス)に基づいて、コンテンツをコンテンツ記憶手段30から読み出す。ここで読み出されたコンテンツは、コンテンツ送信手段22bに出力される。
【0060】
コンテンツ送信手段22bは、コンテンツ読み出し手段22aで読み出されたコンテンツを、通信送受信手段10を介して送信するものである。このコンテンツ送信手段22bは、コンテンツ管理手段26のコンテンツ操作制御手段262から通知されるコンテンツの送信先(例えば、クライアントコンピュータ、他の自律ストレージ装置等)に、通信送受信手段10を介してコンテンツを送信する。
【0061】
コンテンツ削除手段23は、コンテンツ記憶手段30に記憶されているコンテンツ(プライマリコンテンツ30a又はバックアップコンテンツ30b)を削除するものである。このコンテンツ削除手段23は、コンテンツ管理手段26のコンテンツ操作制御手段262から通知される位置情報(アドレス)に基づいて、指示されたコンテンツをコンテンツ記憶手段30から削除する。
【0062】
制御情報受信手段24は、通信送受信手段10を介して、クライアントコンピュータ、他の自律ストレージ装置等から、コンテンツ以外のデータである制御情報を受信するものである。ここで受信した制御情報は、コンテンツ管理手段26の制御情報解析手段261に出力される。
【0063】
ここで、制御情報とは、自律ストレージ装置2が、他の自律ストレージ装置と協調して動作するための情報である。例えば、コンテンツを格納する旨を示すコンテンツ格納指示、コンテンツを配信する旨を示すコンテンツ配信指示、コンテンツを削除する旨を示すコンテンツ削除指示、負荷状態の通知を指示する負荷状態通知指示、コンテンツに対するアクセスの禁止やその解除を示すアクセス制御指示、コンテンツの役割を変更する旨を示す役割変更指示等、あるいはこれらの指示に対する応答等である。
【0064】
制御情報送信手段25は、コンテンツ管理手段26から出力される制御情報を、通信送受信手段10を介して、クライアントコンピュータ、他の自律ストレージ装置等に送信するものである。
【0065】
コンテンツ管理手段26は、制御情報受信手段24で受信した制御情報に基づいて、コンテンツの管理を行うものである。なお、コンテンツ管理手段26は、当該自律ストレージ装置2の負荷状態が大きくなった場合に、コンテンツの役割をプライマリコンテンツからバックアップコンテンツに変更するものでもある。
ここでは、コンテンツ管理手段26は、制御情報解析手段261と、コンテンツ操作制御手段262と、役割変更手段263とを備えている。
【0066】
制御情報解析手段261は、制御情報受信手段24で受信した制御情報を解析して、その制御情報に対応する処理を実行するものである。例えば、制御情報として、コンテンツ格納指示、コンテンツ配信指示、コンテンツ削除指示が指示された場合は、制御情報解析手段261は、その旨をコンテンツ操作制御手段262に出力する。また、制御情報として、役割変更指示が指示された場合は、その旨を役割変更手段263に出力する。
さらに、ここでは、制御情報解析手段261は、負荷状態検出手段261aと、アクセス制御手段261bとを備えている。
【0067】
負荷状態検出手段261aは、当該自律ストレージ装置2の負荷状態、及び他の自律ストレージ装置の負荷状態を検出するものである。例えば、負荷状態検出手段261aは、単位時間あたりのコンテンツへのアクセス数等に基づいて、自身の負荷状態を検出する。また、負荷状態検出手段261aは、制御情報として他の自律ストレージ装置から、他の自律ストレージ装置の負荷状態を取得する。これによって、負荷状態検出手段261aは、ネットワークNに接続されているすべての自律ストレージ装置2の負荷状態を把握することができる。
そして、ここでは、最も負荷状態の値が大きく、予め定めた閾値よりも大きい自律ストレージ装置が、主導的にコンテンツの役割を変更するものとする。
【0068】
アクセス制御手段261bは、コンテンツ記憶手段30に記憶されているコンテンツへのアクセス(読み出し、書き込み)を禁止(ロック)、又はその解除を行うものである。このアクセス制御手段261bは、コンテンツの役割を変更する場合、その変更対象となるコンテンツ(プライマリコンテンツ30a又はバックアップコンテンツ30b)へのアクセスを禁止する。また、アクセス制御手段261bは、コンテンツの役割の更新後、コンテンツへのアクセスの禁止を解除する。
【0069】
コンテンツ操作制御手段262は、制御情報解析手段261から出力される各種指示に基づいて、コンテンツの操作を行うものである。このコンテンツ操作制御手段262は、制御情報解析手段261からコンテンツ格納指示を指示された場合、コンテンツ格納手段21に対して、コンテンツの送信元と、コンテンツ記憶手段30に記憶する位置情報(アドレス)とを通知することで、コンテンツの格納(記憶)を行う。また、コンテンツ操作制御手段262は、制御情報解析手段261からコンテンツ配信指示を指示された場合、コンテンツ配信手段22に対して、コンテンツの送信先と、コンテンツ記憶手段30の位置情報(アドレス)とを通知することで、コンテンツの配信を行う。さらに、コンテンツ操作制御手段262は、制御情報解析手段261からコンテンツ削除指示を指示された場合、コンテンツ削除手段23に対して、コンテンツ記憶手段30の位置情報(アドレス)を通知することでコンテンツの削除を行う。
【0070】
なお、コンテンツ操作制御手段262は、コンテンツ(プライマリコンテンツ30a又はバックアップコンテンツ30b)をコンテンツ記憶手段30に記憶する場合、インデックス情報記憶手段40の識別情報40a、関連付け情報40b、役割情報40c及び位置情報40dを更新する。この各種情報の内容については後記する。
【0071】
役割変更手段263は、制御情報解析手段261から、コンテンツの役割を変更する旨の指示を通知されることで、コンテンツ記憶手段30に記憶されているコンテンツと、このコンテンツに関連付けられている他の自律ストレージ装置のコンテンツとの役割を変更するものである。そして、役割変更手段263は、インデックス情報記憶手段40の役割情報40cを更新する。
【0072】
すなわち、役割変更手段263は、制御情報解析手段261から、コンテンツの役割を変更する旨の指示を通知されると、当該コンテンツがプライマリコンテンツ30aである場合は、そのコンテンツをバックアップコンテンツ30bに変更するとともに、関連付け情報40bによって、そのコンテンツの関連付けられている他の自律ストレージ装置のコンテンツを、バックアップコンテンツからプライマリコンテンツに変更する旨の指示を関連付け情報40bで関連付けされている自律ストレージ装置2に送信する。
また、逆に、当該コンテンツがバックアップコンテンツ30bである場合は、そのコンテンツをプライマリコンテンツ30aに変更する。
【0073】
コンテンツ記憶手段30は、原コンテンツであるプライマリコンテンツ30aと、他の自律ストレージ装置に記憶される原コンテンツのバックアップであるバックアップコンテンツ30bとを記憶するもので、ハードディスク等の一般的な記憶装置である。このコンテンツ記憶手段30には、プライマリコンテンツ30aと、バックアップコンテンツ30bとを記憶する領域を区分することなくコンテンツが記憶される。ここで、コンテンツがプライマリコンテンツ30aであるか、バックアップコンテンツ30bであるかは、インデックス情報記憶手段40に記憶されている識別情報40aで特定されるコンテンツに対応する役割情報40cによって区別される。
【0074】
なお、自律ストレージ装置2は、図3に示したように、コンテンツの配列順序となる識別情報40aが、各自律ストレージ装置で連続するようにプライマリコンテンツ30aをコンテンツ記憶手段30に記憶する。例えば、識別情報としてファイル名を用いる場合、アルファベット順、五十音順等でコンテンツの配列順序が定まることになる。また、自律ストレージ装置2は、コンテンツ記憶手段30に記憶されているプライマリコンテンツ(原コンテンツ)の配列順序で少なくとも前又は後に連続する、他の自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段30に記憶されているコンテンツ(プライマリコンテンツ)のバックアップをバックアップコンテンツ30bとして記憶する。
【0075】
インデックス情報記憶手段(役割情報記憶手段、関連付け情報記憶手段)40は、コンテンツ記憶手段30に記憶されているコンテンツ(プライマリコンテンツ30a又はバックアップコンテンツ30b)を特定するための情報であるインデックス情報を記憶するもので、ハードディスク等の一般的な記憶装置である。このインデックス情報記憶手段40には、インデックス情報として、識別情報40a、関連付け情報40b、役割情報40c及び位置情報40dを記憶する。
【0076】
ここで、識別情報40aは、コンテンツを一意に特定するための情報であって、例えば、ファイル名、番号等である。また、関連付け情報40bは、当該自律ストレージ装置2に記憶されるコンテンツと、他の自律ストレージ装置に記憶されるコンテンツとを関連付ける情報であって、当該自律ストレージ装置2に記憶されているコンテンツがプライマリコンテンツである場合は、バックアップコンテンツの位置、当該自律ストレージ装置2に記憶されているコンテンツがバックアップコンテンツである場合は、プライマリコンテンツの位置を示す情報である。また、役割情報40cは、当該コンテンツがプライマリコンテンツか、バックアップコンテンツかの役割を示す情報である。さらに、位置情報40dは、コンテンツ(プライマリコンテンツ30a又はバックアップコンテンツ30b)のコンテンツ記憶手段30上のアドレスを示す。
【0077】
このように自律ストレージ装置2を構成することで、当該自律ストレージ装置2における負荷が大きくなったときは、他の自律ストレージ装置と協調することで、当該自律ストレージ装置2に記憶されているコンテンツの役割を、プライマリコンテンツからバックアップコンテンツに変更することができる。これによって、コンテンツのコピーや、移動を伴うことなく、負荷分散を行うことが可能になる。
【0078】
また、この負荷分散によっては、コンテンツの数が変化しないので、各自律ストレージ装置2に記憶されるコンテンツのデータ量に偏りが発生しない。これによって、複数の自律ストレージ装置2からなる自律ストレージシステム1(図1参照)全体として、各コンテンツ記憶手段30の容量を最大限に利用することが可能になる。
【0079】
なお、自律ストレージ装置2のシステム管理手段20は、一般的なコンピュータにプログラムを実行させ、コンピュータ内の演算装置や記憶装置を動作させることにより実現することができる。ここで実現されるネットワークを介して負荷を分散するプログラム(ネットワーク負荷分散プログラム)は、通信回線を介して配布することも可能であるし、CD−ROM等の記録媒体に書き込んで配布することも可能である。
【0080】
[自律ストレージ装置の動作]
次に、図5を参照(適宜図2参照)して、自律ストレージ装置の動作について説明する。ここでは、本発明に係る自律ストレージ装置が、他の自律ストレージ装置と協調して、ネットワークを介して、負荷を分散する動作について説明する。図5は、本発明に係る自律ストレージ装置含む自律ストレージシステムにおける負荷分散動作を示すフローチャートである。なお、図5においては、自律ストレージ装置22に負荷が集中しているものとし、自律ストレージ装置22に記憶されているコンテンツの役割をプライマリコンテンツからバックアップコンテンツに変更し、当該コンテンツのバックアップを記憶している自律ストレージ装置21のバックアップコンテンツをプライマリコンテンツに変更する動作を示している。
【0081】
(負荷状態検出・過負荷判定ステップ)
まず、自律ストレージ装置22は、コンテンツ管理手段26の負荷状態検出手段261aによって、単位時間あたりのコンテンツへのアクセス数から、当該自律ストレージ装置22における負荷状態を検出し、予め定めた閾値に基づいて、当該自律ストレージ装置22の負荷状態が過負荷であるかどうかを判定する(ステップS1)。
このとき、他の自律ストレージ装置(ここでは、自律ストレージ装置21においても、同様に負荷状態が検出・判定され(ステップS1´)、各自律ストレージ装置間で、相互に負荷状態を確認する。そして、自律ストレージ装置22は、当該自律ストレージ装置22の負荷状態が過負荷である場合に、ステップS2以降の動作を実行する。
【0082】
(操作終了待ちステップ)
自律ストレージ装置22は、役割変更手段263によって、役割変更を行うコンテンツを決定する(ステップS2)。ここで、役割変更手段263は、コンテンツ記憶手段30に記憶されているプライマリコンテンツ30aにおいて、コンテンツの配列順序となる識別情報40aが最先又は最後となるプライマリコンテンツ30aの中で、当該コンテンツに対応するバックアップコンテンツを記憶している自律ストレージ装置の負荷が小さい方を、役割を変更するコンテンツとして決定する。なお、ここでは、コンテンツとして、プライマリコンテンツC5(バックアップコンテンツC´5)が決定されたものとする。
そして、自律ストレージ装置22は、当該コンテンツが現在操作中(アクセス中)であるかどうかを判定し(ステップS3)、操作が終了するまで待機する(ステップS3でYes)。
【0083】
(アクセス禁止ステップ)
さらに、ステップS3において操作が終了した段階(ステップS3でNo)で、自律ストレージ装置21は、アクセス制御手段261bによって、プライマリコンテンツC5へのアクセスを禁止(ロック)する(ステップS4)。
さらに、自律ストレージ装置22は、アクセス制御手段261bによって、自律ストレージ装置22に対して、バックアップコンテンツC´5へのアクセスを禁止する旨の指示を送信し、自律ストレージ装置21において、バックアップコンテンツC´5へのアクセスを禁止する(ステップS5)。
【0084】
(役割変更ステップ)
そして、バックアップコンテンツC´5へのアクセスが禁止された段階で、自律ストレージ装置22は、役割変更手段263によって、プライマリコンテンツC5の役割を、バックアップに変更し、バックアップコンテンツC´5とする(ステップS6)。そして、役割変更手段263が、自律ストレージ装置21に対して、バックアップコンテンツC´5の役割を変更する旨の指示を送信し、自律ストレージ装置21において、バックアップコンテンツC´5の役割を、プライマリに変更し、プライマリコンテンツC5とする(ステップS7)。
【0085】
(アクセス解除ステップ)
また、自律ストレージ装置22は、ステップS6及びステップS7におけるコンテンツの役割変更後、アクセス制御手段261bによって、バックアップコンテンツC´5へのアクセスの禁止を解除し(ステップS8)、自律ストレージ装置21に対して、プライマリコンテンツC5へのアクセスの禁止を解除する旨の指示を送信する。
そして、自律ストレージ装置21において、プライマリコンテンツC5へのアクセスの禁止が解除される(ステップS9)。
【0086】
以上の動作によって、自律ストレージ装置2は、他の自律ストレージ装置と協調し、負荷が大きい自律ストレージ装置のプライマリコンテンツをバックアップコンテンツに変更することができる。これによって、負荷が他の自律ストレージ装置に分散されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明に係る自律ストレージシステムの概略の構成を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る自律ストレージ装置の構成を示すブロック構成図である。
【図3】本発明に係る自律ストレージシステムにコンテンツを分散して記憶した状態の一例を示す模式図である。
【図4】本発明に係る自律ストレージシステムで負荷分散を行う際の動作を説明するための説明図である。
【図5】本発明に係る自律ストレージシステムにおける負荷分散の動作を示すフローチャートである。
【図6】従来の自律ストレージシステムにコンテンツを分散して記憶した状態の一例を示す模式図である。
【図7】従来の自律ストレージシステムにおける負荷分散の動作を示すフローチャートである。
【図8】従来の自律ストレージシステムにおける負荷分散動作後のコンテンツの記憶状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0088】
1 自律ストレージシステム
2 自律ストレージ装置
10 通信送受信手段
20 システム管理手段
21 コンテンツ格納手段
22 コンテンツ配信手段
23 コンテンツ削除手段
24 制御情報受信手段
25 制御情報送信手段
26 コンテンツ管理手段
261 制御情報解析手段
261a 負荷状態検出手段
261b アクセス制御手段
262 コンテンツ操作制御手段
263 役割変更手段
30 コンテンツ記憶手段
40 インデックス情報記憶手段(役割情報記憶手段、関連付け情報記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに複数接続されて、コンテンツを、原コンテンツ及びバックアップコンテンツとして分散して記憶する自律ストレージ装置において、
当該自律ストレージ装置に記憶される原コンテンツと、前記ネットワークに接続された他の自律ストレージ装置に記憶される原コンテンツに対するバックアップコンテンツとを記憶するコンテンツ記憶手段と、
このコンテンツ記憶手段に記憶されるコンテンツ毎に、当該コンテンツが原コンテンツであるか又はバックアップコンテンツであるかを示す役割情報を記憶する役割情報記憶手段と、
前記コンテンツ記憶手段に記憶されるコンテンツ毎に、当該コンテンツと前記他の自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶されるコンテンツとにおける、原コンテンツとバックアップコンテンツとの関連付けを示す関連付け情報を記憶する関連付け情報記憶手段と、
前記コンテンツへのアクセスに基づいて、当該自律ストレージ装置及び前記他の自律ストレージ装置の負荷状態を検出する負荷状態検出手段と、
この負荷状態検出手段で検出された負荷状態に基づいて、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツと、当該コンテンツと前記関連付け情報で関連付けられているコンテンツとの役割を変更して、前記役割情報を更新する役割変更手段と、
前記役割情報記憶手段に記憶されている役割情報に基づいて、前記原コンテンツへの操作を行うコンテンツ操作制御手段と、
を備えていることを特徴とする自律ストレージ装置。
【請求項2】
前記コンテンツ記憶手段は、配列順序を示す識別情報に対応付けられた前記原コンテンツと、他の自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶され、前記配列順序の前又は後に連続する原コンテンツに対応するバックアップコンテンツとを記憶することを特徴とする請求項1に記載の自律ストレージ装置。
【請求項3】
前記負荷状態検出手段で検出された負荷状態が過負荷状態である場合に、前記役割変更手段が、前記コンテンツ記憶手段に記憶されている原コンテンツの中で、前記配列順序で最先又は最後の原コンテンツ、又は前記最先又は最後の原コンテンツに前記配列順序で連続する原コンテンツ群を、バックアップコンテンツに、その役割を変更し、対応するバックアップコンテンツ群を、原コンテンツに、その役割を変更することを特徴とする請求項2に記載の自律ストレージ装置。
【請求項4】
コンテンツを、原コンテンツ及びバックアップコンテンツとして分散して記憶する自律ストレージシステムであって、
ネットワークに接続された、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の複数の自律ストレージ装置を備え、
前記複数の自律ストレージ装置の中で、過負荷状態である自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶されている原コンテンツと、当該原コンテンツに対応する他の自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶されているバックアップコンテンツとの役割を変更することを特徴とする自律ストレージシステム。
【請求項5】
コンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段を備え、ネットワークに複数接続されることで前記コンテンツを原コンテンツ及びバックアップコンテンツとして分散して記憶する自律ストレージ装置の負荷を分散させるために、当該自律ストレージ装置におけるコンピュータを、
前記ネットワークにおける前記コンテンツへのアクセスに基づいて、当該自律ストレージ装置及び他の自律ストレージ装置の負荷状態を検出する負荷状態検出手段、
この負荷状態検出手段で検出された負荷状態に基づいて、当該自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツと、前記他の自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツとの、原コンテンツ又はバックアップコンテンツとしての役割を示す役割情報を変更して、役割情報記憶手段に記憶する役割変更手段、
前記役割情報記憶手段に記憶された役割情報に基づいて、前記原コンテンツへの操作を行うコンテンツ操作制御手段、
として機能させることを特徴とするネットワーク負荷分散プログラム。
【請求項6】
コンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段を備えた自律ストレージ装置を、ネットワークに複数接続することで、前記コンテンツを原コンテンツ及びバックアップコンテンツとして分散して記憶する自律ストレージシステムにおいて、前記自律ストレージ装置間の負荷分散を行うネットワーク負荷分散方法であって、
前記ネットワークにおける前記コンテンツへのアクセスに基づいて、前記自律ストレージ装置の負荷状態を検出する負荷状態検出ステップと、
この負荷状態検出ステップで検出された負荷状態と、予め定めた閾値とに基づいて、前記自律ストレージ装置が過負荷であるかどうかを判定する過負荷判定ステップと、
この過負荷判定ステップで過負荷であると判定された自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶されている原コンテンツ、及び、その原コンテンツに対応する他の自律ストレージ装置のコンテンツ記憶手段に記憶されているバックアップコンテンツへのアクセスを禁止するアクセス禁止ステップと、
このアクセス禁止ステップでアクセスが禁止された原コンテンツ及びバックアップコンテンツの役割を変更する役割変更ステップと、
この役割変更ステップで役割を変更した原コンテンツ及びバックアップコンテンツへのアクセスの禁止を解除するアクセス解除ステップと、
を含んでいることを特徴とするネットワーク負荷分散方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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