自律ロボットのドッキング方法
ロボット装置を基地局とドッキングさせるための方法は、オンボードバッテリにおいて低エネルギー準位を検出するステップと、前記ロボットを、前記ステーションによって放射された2つの赤外線ビームの間に検出された重複に対して方向を合わせるステップと、前記ロボットおよび前記基地局における充電端子の間の接触を検出するステップと、オンボードバッテリに充電するステップと、掃除機かけなどのロボットのタスクを再開するステップとを含む。前記ロボットと前記基地局との間の不注意による接触を防止するために回避信号を放射するためのシステム、および前記ロボット装置を前記基地局と正確にドッキングさせるために帰還信号を放射するためのシステムも開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してロボットシステムに関し、より具体的には、自律ロボットのための自動ドッキングおよびエネルギー管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動ロボットおよびロボット装置は現在ますます普及してきており、日常的である、時間がかかる、または危険であると従来見なされているタスクを行うために使用されている。プログラミング技術が向上するにつれて、ロボットの燃料供給、検査、修理などのタスクに関して、人間との相互作用を最小限しか要求しないロボット装置に対する需要も高まっている。目指されるのは、一度設定されれば、人間の助けも介入も必要とせずに、自律的に作動するロボットである。
【0003】
ロボット装置ならびに関連する制御機器、ナビゲーションシステム、およびこの方向に進展するその他の関連システムの開発が進みつつある。例えば、特許文献1はRobot Obstacle Detection Systemを開示しており、この開示は参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。さらなるロボット制御装置およびナビゲーションシステムが、米国特許出願番号10/167,851、10/056,804、10/696,456、10/661,835、および10/320,729に開示されており、これらの開示は参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0004】
概して、自律ロボット装置は、基地局またはドッキングステーションにおいて充電されるオンボード電源装置(通常はバッテリ)を含む。それら(例えば、無線信号、推測航法、超音波ビーム、無線信号に連結された赤外線ビームなど)を発見しそれらとドッキングするロボットによって使用される充電ステーションおよび方法の種類は、有効性および用途の両方において大幅に異なる。ロボットが作動する面の下にワイヤを埋めるのが普通だが、ビルの床内部や路面下にガイドワイヤを取り付けるには費用がかかるため、明らかに用途が限られる。面上に取り付けた場合、ガイドワイヤはロボット自体またはその他の交通により損傷することがある。さらに、ワイヤは、基地局が移転した場合に移動する必要がある。したがって、ビームを放出する基地局またはロボット装置を引き付けるビーコンがより望ましい。しかしながら、そのような装置はやはり操作上の制限を示す。
【0005】
放出された信号を利用する基地局は、やはり多くの場合、ロボットと基地局との間の適切な結合、したがって安全で効果的な充電を確実にするために追加の安全装置を要求する。充電中にロボットが転位するのを防止するためのメカニカルロック装置、または、ロボットをステーションに接触するよう方向付けるための隆起した誘導面のようなその他のコンポーネントを要求する向きもある。そのようなコンポーネントは、基地局のサイズを増大することができる一方で、消費者市場向けの自動ロボットに対する審美的な、重要な考慮を低下させる。また基地局サイズの増大は、一般に、家庭内での目立たない配置をより難しくし、掃除のできる床面積を少なくする。さらに、現在の基地局は概して、動作中に自身がロボットと接触することを防止する能力を欠いており、ステーションまたはロボットいずれかへの損傷の可能性、もしくは基地局の転位の可能性を増大させる。そのような意図しない衝突が起こった場合、基地局を再配置するため、または損傷したコンポーネントを修復するため、人間の介入を必要とすることがある。
【0006】
現在のところ、人間の相互作用から真に独立した自動ロボットを作成するために、これらの制限が障害となっている。したがって、基地局の位置に関わりなく確実に適切な結合ができるロボットおよび基地局が必要である。さらに、ステーションとロボットとの間の衝突をなくすことよって、基地局の不注意による転位を防止できるシステムが望ましい。
【特許文献1】米国特許第6,594,844号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一側面において、本発明は、少なくとも1つのエネルギー蓄積ユニットと信号検出器とを備えるロボット装置におけるエネルギー管理のための方法に関する。前記方法は、前記ロボット装置と結合するための基地局であって、第1の信号エミッタおよび第2の信号エミッタを含む複数の信号エミッタを備える基地局を提供するステップと、前記エネルギー蓄積ユニットに蓄積されているエネルギーの量であって、少なくとも高エネルギー準位および低エネルギー準位によって特徴づけられる量を決定するステップと、前記ロボット装置によって、少なくとも部分的に前記蓄積されているエネルギーの量に基づいて所定のタスクを行うステップとを含む。前述の側面の様々な実施形態において、前記蓄積されているエネルギーの量または前記装置のタスク期間を決定するために、電量分析または期間の設定が使用される。
【0008】
前述の側面のその他の実施形態において、前記所定のタスクを行うステップは、前記蓄積されているエネルギーの量が前記高エネルギー準位を上回る場合に発生し、前記所定のタスクが前記信号検出器による基地局回避信号の受信に応じて前記基地局から離れる前記ロボット装置の動作を含む。さらに他の実施形態は、前記信号検出器による基地局帰還信号の受信に応じて前記ロボット装置を前記基地局へ戻すステップおよび/または前記蓄積されているエネルギーの量が前記高エネルギー準位を下回る場合に前記ロボット装置を前記基地局へ戻すステップを含む。前述の側面のその他の実施形態において、前記ロボット装置を前記基地局へ戻すステップが、前記蓄積されているエネルギーの量が前記低エネルギー準位を下回る場合に発生し、前記所定のタスクが前記ロボット装置により使用されるエネルギーの削減を含む。様々な実施形態には、効果的に前記基地局の位置を特定するために前記ロボット装置の移動特性を変更するステップと、接触時に前記装置に充電するステップ、および/または前記所定のまたは異なるタスクを再開するステップとがさらに含まれる。
【0009】
別の側面において、本発明は、ロボット装置を、第1の信号エミッタおよび第2の信号エミッタを含む複数の信号エミッタを備える基地局とドッキングさせるための方法に関する。前記方法は、前記ロボット装置を(i)前記第1の信号エミッタにより伝送された第1の信号、および(ii)前記第2の信号エミッタにより伝送された第2の信号に対して方向を合わせるステップと、前記ロボット装置が前記基地局に近づく際に前記第1および第2の信号に対する前記ロボット装置の方向を維持するステップとを含む。前述の側面の方法のある実施形態は、前記第1の信号と前記第2の信号との間の重複を前記ロボット装置により検出するステップと、前記ロボット装置により、少なくとも部分的に前記信号重複によって定義された経路を辿るステップと、前記ロボット装置を前記基地局とドッキングさせるステップとを含む。その他の関連する実施形態は、少なくとも部分的に前記信号重複によって定義された前記経路を辿るステップに前記ロボット装置の速度を低減するステップを含む。
【0010】
また前述の側面の方法の様々な実施形態は、前記ロボット装置を前記基地局とドッキングさせるステップ中に、前記基地局上の充電端子との接触を前記ロボット装置によって検出するステップと、前記ロボット装置の動作を停止させるステップとを含む。いくつかの実施形態において、前記ロボット装置の動作を停止させるため、追加でまたは代替として、1つ以上のオンボード触覚センサの接点を使用することができる。その他の実施形態は、前記ロボット装置を完全に充電するステップおよび/または前記ロボット装置を複数の充電レベルまで充電するステップを含む。ある実施形態は、充電完了時に所定のタスクまたは新しいタスクの再開を可能にする。
【0011】
本発明の別の側面において、本発明は、ロボット装置の外部端子と接触させるための充電端子と、第1の信号エミッタおよび第2の信号エミッタとを含む基地局を含む自律システムに関する。上記側面のある実施形態は、基地局回避信号を伝送する前記第1の信号エミッタと、基地局帰還信号を伝送する前記第2の信号エミッタを提供する。その他の実施形態において、前記帰還信号は一対の信号であり、当該信号は同じであっても異なっていてもよい。前記一対の信号は、一対のエミッタによって伝送されてよい。いくつかの実施形態において、前記信号は重複されてよく、また光信号であってもよい。
【0012】
上記側面のある実施形態は、所定のタスクを行うためのロボット装置をさらに含み、前記ロボット装置が、前記充電端子と接触するための外部端子を持つ少なくとも1つのエネルギー蓄積ユニットと、少なくとも1つの信号検出器とをさらに含む。ある実施形態において、前記少なくとも1つの信号検出器が、少なくとも1つの光信号を検出するよう適合される。前記ロボット装置は、ある実施形態において、複数のエミッタにより生成された信号を区別する能力を有する。
【0013】
本発明のさらに他の側面は、少なくとも1つのエネルギー蓄積ユニット信号検出器とを有するロボット装置と、前記ロボット装置を結合するための基地局であって、第1の信号エミッタおよび第2の信号エミッタを含む複数の信号エミッタを備える基地局と、前記エネルギー蓄積ユニットに蓄積されているエネルギーの量を決定するためのプロセッサとを含むエネルギー管理装置に関する。前述の側面のある実施形態は、前記蓄積されているエネルギーの量または前記装置のタスク期間を決定するために、電量分析または期間の設定を使用する。さらに他の実施形態において、前記第1の信号エミッタは回避信号を伝送し、それによって前記基地局から離れる前記ロボット装置の動作を制限し、または第2の信号エミッタは帰還信号を伝送し、それによって前記ロボット装置の動作を前記基地局の方向へ向けさせる。
【0014】
本発明のその他の側面は、信号検出器を有するロボット装置と、第1の信号エミッタと第2の信号エミッタを有する基地局とを含む、帰還システムに関する。前述の側面のある実施形態は、前記第1の信号エミッタおよび前記第2の信号エミッタにより伝送された信号を重複させる。さらに他の実施形態は、前記基地局上の充電端子と、前記ロボット装置上の充電端子とをさらに含む。
【0015】
本発明のさらなる側面は、第1の信号エミッタから外側へ投影される第1の信号を伝送する前記第1の信号エミッタと、第2の信号エミッタから外側へ投影される第2の信号を伝送する前記第2の信号エミッタとを、前記第1の信号と前記第2の信号とが重複するように含む、基地局のための帰還システムに関する。別の側面は、第1の装置および第2の装置のうち少なくとも1つの動作を制限するための回避システムであって、信号を放射する第1の装置と、前記信号を受信する第2の装置とを含み、それによって前記第1の装置および前記第2の装置のうち少なくとも1つの動作を制限する回避システムに関する。
【0016】
本発明のさらに別の側面は、基板およびバックストップを含む基地局であって、前記基板の上側に置かれた電気接点と、前記バックストップ上に置かれた第1の信号エミッタであって、前記第1の信号エミッタによって伝送された信号が、前記ロボット装置が前記基地局の所定の距離内で移動するのを制限する第1の信号エミッタと、第2の信号エミッタおよび第3の信号エミッタであって、前記第2の信号エミッタおよび前記第3の信号エミッタによって伝送された複数の信号が前記ロボット装置の少なくとも1つの電気接点を前記基地局の前記少なくとも1つの電気接点と接触させるよう誘導する第2の信号エミッタおよび第3の信号エミッタとを含むロボット装置のための基地局に関する。
【0017】
本発明の別の側面は、装置のバッテリに充電する方法であって、充電器の充電端子に低エネルギーを提供するステップと、前記充電器に関連するパラメータにおける所定の変更およびその所定の規模のうち少なくとも1つを監視することによって前記装置の存在を検出するステップと、前記バッテリに充電するために前記充電端子へのエネルギーを増加させるステップとを有する方法に関する。上記側面の方法の一実施形態は、前記装置における充電のレベルを測定するステップと、前記充電のレベルが所定の閾値を下回った場合に前記装置における充電を許可するステップとをさらに含む。
【0018】
本発明のさらに別の側面は、モバイル機器に充電するためのシステムであって、第1の充電端子を備える固定充電器と、前記充電器に関連するパラメータにおける所定の変更およびその所定の規模のうち少なくとも1つを監視することによって前記装置の存在を検出するための回路と、バッテリおよび第1の充電端子と結合するよう適合される第2の充電端子を有するモバイル機器とを有するシステムに関する。上記側面の様々な実施形態は、前記回路が前記バッテリにおいて充電のレベルを測定し、前記第1の充電端子に供給される電力レベルを制御するシステムを含む。さらに他の実施形態は、前記回路が、前記第2の充電端子に結合される場合、前記第1の充電端子全体にわたる所定の電圧の計測時に、前記第1の充電端子に供給される前記電力パワーを増加させるシステムを含む。
【0019】
図面中において、類似の参照文字は概して異なる図にわたる同一部分を指す。図面は、必ずしも拡大縮小するためのものではなく、むしろ概して本発明の原理を図示することに強調が置かれている。以下の説明において、本発明の様々な実施形態を以下の図面を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の一実施形態による基地局10の概略斜視図である。基地局10は、実質的に水平な基板12および実質的に垂直なバックストップ14の両方を含む。基地局10は、望ましいコンポーネントおよびシステムのための十分な空間さえあれば、以下に示す様々な形状およびサイズのいずれであってもよい。基板12は、基地局10が置かれている地面に対して略平行であるが、バックストップ14に対してわずかな上向き角度を有することがある。基板12の上昇の角度を最小化することにより、ロボット装置(図2A・2B)はステーション10と容易にドッキングすることができる。電気充電接点16は基板12の上面に位置し、それらがロボット装置の下面上の対応する接点(図2B)に接触できるようになっている。接点16またはロボット上の接点は、固定またはコンプライアントのいずれであってもよい。描写した実施形態において、2つの接点16(プラス1つ、マイナス1つ)は、ロボット40が基地局10にドッキングする際に完成回路を適切に検出するために利用される。この回路認識配列については以下で詳しく説明する。しかしながら、その他の実施形態において、単一の接点16または2つを超える接点が利用されることがある。追加の接点は、ロボット接点が損傷したり、汚れたり、または遮られたりした場合に冗長を提供するであろう。これにより、そのようなことの発生後であっても、ロボットはドッキングおよび自身への適切な充電が可能となるであろう。その他の実施形態は、バッテリに充電するための2つの接点16ならびに装置間でデータおよび情報を伝送するための追加の接点を利用する。
【0021】
接点16は、ロボット上の対応する接点と、確実および繰り返し可能なように接触するようなサイズおよび配置となっている。接点16は例えば、ロボット接点と確実に接触するために、特大であってもよいし、および/または例えばドーム形状で基板12の上方に伸びていてもよい。あるいは接点16は、より高い上昇角度の基板12への埋め込み型であってもよく、または平面であって実質的に上昇のない基板12の上方へ突出していてもよい。用途によって、基板12の上昇角度は0°から20°以上まで変化することがある。図1に描写した実施形態も、ロボットのフロントキャスター(図2B)に係合する大きさの2つの接点16の間にある基板12に凹部26を含む。凹部26は、充電接点16の構造と共に、基地局10およびロボットの両方にある充電接点間の適切な配列および登録を確実にする。あるいは、凹部26は、ロボットのフロントキャスター上の対応する1つ以上の接点と結合するように配置された1つ以上の接点16を含んでもよい。
【0022】
バックストップ14は、基地局10の多くのコンポーネントのための場所を提供する。特に、描写した実施形態において、バックストップ14は、トップ信号エミッタ18、フロント信号エミッタ20、いくつかのインジケータLED22、およびACプラグコンセント24を含む。トップ信号エミッタ18は、掃除機かけなどのタスクを行っている間に、概してロボットが不注意によって基地局10へ直接接触する状態になることを防止するため、基地局10付近の広範囲において回避信号(図3)などの第1の信号を生成する。トップ信号エミッタ18は回避信号を伝送するために概して放物面反射鏡を利用する。そのような実施形態において、回避信号は、その中心の周りに放物線を回転させることによって形状が定められたレンズに向けられた単一のLEDによって放射される。この放物面反射鏡はしたがって、多数のエミッタを必要とせずに回避信号60を360°パターンで投影する。同様の構造を、単一のLEDの場所に単一のレシーバが使用されているロボットにおける検出において用いることができる。
【0023】
トップ信号エミッタ18の位置は変わることがあるが、エミッタ18をバックストップ14の上端に置くことで、基地局10周囲の連続した360°のフィールドを通じて回避信号を伝送する。あるいは、角、壁上、または壁近傍へ取り付けるように設計された基地局は、実質的に遮るもののない側のみに沿って回避信号を投影することができる。フロント信号エミッタ20は、充電のために基地局10とドッキングしている間、または使用していない期間にロボット装置が自身の方向を合わせることができるよう、帰還信号(図4A〜4C)などの1つ以上の追加信号を投影する。当然ながら、基地局10に適切に置かれている場合、信号エミッタは、エミッタ18、20両方の機能を行うために使用されてよい。回避信号および帰還ビームの両方について、以下でさらに詳しく説明する。
【0024】
図2Aおよび2Bは、基地局10と結合するよう適合された自律ロボット40などのロボット装置の概略斜視図である。以下の自律ロボット40についての説明において、「前方/前部」という用語の使用は、概してロボット40の動きの主要な方向のことをいい、前後部軸という用語(図2A中の参照文字「FA」を参照)は、(前後部軸FAの矢印により示される)動きの順方向を定義し、これはロボット40の前後部軸直径と一致する。
【0025】
描写されている実施形態において、ロボット40のハウジングインフラストラクチャ42は、シャーシ44、カバー46、および置換可能なバンパー48を含む。シャーシ44は、とりわけロボット装置40を操作する様々なサブシステムの要素を取り付ける、または統合するための複数の成形ウェル、陥凹、および構造部材を含む単一要素としてプラスチックなどの材料から鋳造されてよい。そのようなサブシステムは、マイクロプロセッサ、電源サブシステム(様々なサブシステムおよびコンポーネントのための1つ以上の電源を含む)、動力サブシステム、センササブシステム、およびタスク固有のコンポーネントサブシステムを含んでよい。カバー46は、構造においてシャーシ44と相補的であり、シャーシ44に取り付けられた要素およびコンポーネントの保護とそれらへのアクセスを提供する、プラスチックなどの材料から鋳造されてよい。シャーシ44およびカバー46は、任意の適合する手段(例えば、ネジ)によって取り外し可能なように組み合わせて統合されており、シャーシ44およびカバー46は共に、前後部軸FAに沿って略対称である略円筒型構造を有する最小高さの構造包装材料を形成する。
【0026】
置換可能なバンパー48は、略弓形構造を有し、そこから外側に延長するため、シャーシ44の前方部分に移動可能な結合で取り付けられている(「通常動作位置」)。置換可能なバンパー48の取り付け構造は、バンパー48が静止している物体または所定質量の障害物に遭遇すると必ず(通常動作位置から)シャーシ44の方向に置き換えられ、その静止している物体と接触するかまたは障害が終了すると、通常動作位置に戻る(そのようなバンパー48の任意の置換に応じて、ロボット40に静止している物体または障害物を避けさせ、そのタスクルーチンを継続させる「バウンス」モードを遂行する、制御シーケンスの動作による)。
【0027】
ロボット装置40に取り付けられているのは、一対の検出器50、52である。ロボット装置40のこの実施形態において、検出器50、52は基地局10上のエミッタ18、20から投影された信号を受信する。その他の実施形態において、単一の検出器が基地局10上のエミッタ18、20両方から信号を受信するか、または2つを超える検出器を使用してもよい。ある実施形態において、検出器50、52は、全方位レンズと共にフォトダイオード、ならびに関連する増幅および検出回路を含む標準赤外線(「IR」)検出器モジュールであってよく、全方位とは実質的に単一の平面をいう。IR検出器モジュールは、East Dynamic Corporation製のタイプ(p/n IRM−8601S)であってよい。しかしながら、基地局10上のエミッタ18、20がロボット40上の検出器50、52と一致するよう適合されている限り、変調およびピーク検出波長にかかわらず、いずれの検出器を使用してもよい。別の実施形態において、電子増幅要素の有無にかかわらずIRフォトトランジスタを使用してよく、マイクロプロセッサのアナログ入力に直接的に接続してもよい。その後、ロボット40におけるIR光線の強度を計測するために信号処理を使用してもよく、これによってロボット40とIR光源との間の距離の概算が提供される。あるいは、無線周波数、磁場、および超音波センサ、ならびに変換機を用いてもよい。図2Aおよび2Bに示すように、少なくとも1つの検出器50がロボット40の最高部および軸FA上の矢印で示されるような主な移動方向によって定義されるようにロボット40の前方方向に取り付けられる。
【0028】
検出器50は影を回避するためにロボット40の最高部に取り付けられているが、ある用途においては、操作上の困難を防止しロボット40が障害物の下を通ることができるようにするため、ロボット40および/または検出器50の高さを最小化することが望ましい。ある実施形態において、検出器50は、ロボット40が固体の張り出した物体の下を走行する際に、検出器50がロボット40の本体に向けて倒壊することができるように、バネ式であってよい。
【0029】
当業者は、代替の実施形態において、複数の検出器が使用され得ることを認識するであろう。そのような実施形態は、複数の側面取り付けセンサまたは検出器を含むかもしれない。各センサは、すべてのセンサの集合的な視野が、単一の先端取り付けセンサに対応するような方式で方向付けられてよい。単一の全方位検出器は、最適性能のためにロボットの最高部に取り付けられており、複数の側面取り付け検出器を組み込むことによって、ロボットの外形を低くすることが可能である。
【0030】
ロボット装置40の着陸装置は、概して数字54で示されている。着陸装置54には、そのような位置において基地局10の電気接点16の位置と一致するよう構成される、1つ以上の充電接点が存在する。それらを映し出すロボット装置における充電接点は、それらの位置または方向にかかわらず、概して基地局10に存在する。ある実施形態において、充電接点は、接触時により広いコンプライアンスを可能にするため、基地局10またはロボット40のいずれかにおいてもっと大きくてもよい。また、ロボット40の動的およびタスク固有のコンポーネントは、着陸装置54内にある。動的コンポーネントは、当該技術分野においてよく知られているロボット40のコストまたは意図する用途に基づき、要望どおりに、モーター、ホイール、ドライブシャフト、またはトラックのいかなる組み合わせを含んでもよい。動的コンポーネントは、少なくとも1つのキャスター56を含んでよく、この実施形態において、当該キャスターはロボット40を駆動し、基板12上の凹部26と結合する。ロボット装置40が適しているタスクは事実上無限であるため、それらのタスクを行うコンポーネントもまた無限である。例えば、ロボット装置40は、床のワックスがけおよび研磨、床のこすり洗い、再氷化(一般にZamboni(登録商標)のブランド名で製造される設備によって行われる)、掃き掃除および掃除機かけ、未仕上げの床のサンディングおよび着色/塗装用途、解氷および除雪、ガラス切削などのために使用されてもよい。そのようなタスクのためのコンポーネントはいくつでも要求されてよく、それぞれ必要に応じてロボット装置40に組み込まれる。容易にする目的で、この用途については例証的な所定のタスクとして掃除機かけを説明する。しかし、本明細書において開示されているエネルギー管理および自動ドッキング機能は、様々なロボットシステムにわたる広い用途を有することが明らかであろう。
【0031】
ロボット装置40は、作業領域に効果的に掃除機をかけるため、様々な行動モードを使用する。行動モードは、同時に操作され得る制御システムの層である。マイクロプロセッサは、センサシステムからの入力に基づいて、あるシナリオに関する1つ以上の主要な行動モードを識別し遂行するための優先的なアービトレーションスキームを実行するために作動している。マイクロプロセッサは、回避、帰還、およびドッキング操縦を基地局10と協調させるためにも作動している。
【0032】
概して、上述のロボット装置40に関する行動モードは、(1)カバレッジ行動モード、(2)逃避行動モード、および(3)安全行動モードとして特徴付けられる。カバレッジ行動モードは、主としてロボット装置40にその動作を効率的および効果的な方式で行わせることができるように設計されており、一方、逃避および安全行動モードは、センサシステムからの信号が、ロボット装置40の通常動作が損なわれた(例えば、障害物が見つかった)、または損なわれる可能性がある(例えば、急斜面が検出された)ことを示している場合に遂行される、優先行動モードである。
【0033】
ロボット装置40の代表的および事例的なカバレッジ行動モード(掃除機かけの場合)は、(1)スポットカバレッジパターン;(2)障害物追跡(または端クリーニング)カバレッジパターンおよび(3)ルームカバレッジパターンを含む。スポットカバレッジパターンは、ロボット装置40に、定義された作業領域内の限られた領域、例えば交通量の多い領域を掃除させる。ある実施形態において、スポットカバレッジパターンは、旋回アルゴリズム(ただし、多角形など、その他の種類の自己制限領域アルゴリズムを使用してもよい)を用いて遂行される。旋回アルゴリズムは、ロボット装置40の内外への旋回動作を引き起こすものであり、移動した時間または距離に応じてその旋回半径を変更する(したがって、ロボット装置40の旋回移動パターンを増加/減少させる)ため、マイクロプロセッサから動力システムへの制御信号により遂行される。
【0034】
ロボット装置40は、所定または任意の期間、所定または任意の距離を(例えば、最大旋回距離)、および/または特定のイベントの発生、例えば1つ以上の障害物検出システムの起動(遷移状態と総称される)まで、スポットカバレッジパターンにて操作される。遷移状態が発生すると、ロボット装置40は、例えば直線行動モード(ロボット装置40の一実施形態において、直線行動モードは、優先順位の低い、プリセット速度訳0.306m/秒でロボットをほぼ直線で進ませるデフォルト行動である)または直線行動モードと組み合わせたバウンス行動モードなどの異なる行動モードを遂行またはそれに遷移することができる。バウンス行動モードは、ロボット装置40が静止している物体または障害物を避け、そのタスクルーチンを継続できるようにする基本的機能である。回避は、障害物が検出されなくなる(例えば、バンパー48がもはや圧縮されなくなる)まで一連の旋回を実行することにより実現する。
【0035】
ロボット装置40が障害物に遭遇したために遷移状態が起こった場合、ロボット装置40は異なる行動モードへ遷移する代わりに別の措置を講じることができる。ロボット装置40は、障害物を回避または逃避し、旋回アルゴリズムの制御の下に操作を再開する(すなわち、同じ方向での旋回を継続する)ために、一時的に行動モードを遂行することができる。あるいは、ロボット装置40は、障害物を回避または逃避し、旋回アルゴリズムの制御の下に操作を再開する(ただし、逆方向の反射型旋回で)ために、一時的に行動モードを遂行することができる。
【0036】
障害物追跡カバレッジパターンは、ロボット装置40に、例えば壁によって境界された部屋などの作業領域の周辺、および/または定義された作業領域内の障害物(例えば、家具)の周辺を掃除させる。好ましくは、ロボット装置40は、ロボット装置40が障害物の周辺に隣接して移動し、同時にそれに沿って掃除するよう、壁や家具などの障害物に対するその位置を引き続き維持するために、障害物追跡システムを利用する。障害物追跡行動パターンを遂行するには、障害物追跡システムの異なる実施形態が使用できる。
【0037】
ある実施形態において、障害物追跡システムは、障害物の存在または不在を検出するために作動される。代替の実施形態において、障害物追跡システムは、障害物を検出し、その後、障害物とロボット装置40との間に所定の距離を保つために作動される。第1の実施形態において、マイクロプロセッサは、障害物追跡システムからの信号を受けて、障害物に対するその位置を維持するための小さな時計回りまたは反時計回りの旋回を遂行するために作動している。ロボット装置40は、ロボット装置40が障害物検出から非検出へ(反射から非反射へ)遷移した場合に小さな時計回りの旋回を遂行するか、または、ロボット装置40が非検出から検出へ(非反射から反射へ)遷移した場合に小さな反時計回りの旋回を遂行する。障害物からの所定の距離を保つため、同様の旋回行動がロボット装置40によって遂行される。
【0038】
ロボット装置40は、所定または任意の期間、所定または任意の距離を(例えば、最大または最小距離)、および/または特定のイベントの発生、例えば1つ以上の障害物検出システムが所定の回数起動される(遷移状態と総称される)まで、障害物追跡行動モードにて操作される。ある実施形態において、マイクロプロセッサはロボット装置40に、障害物追跡行動モードにおける障害物検出システムの起動時に整列行動モードを遂行させ、ロボット40は、ロボット装置40を障害物と整列させるため、最小角度の反時計回りの旋回を遂行実装するであろう。
【0039】
ルームカバレッジパターンは、壁、階段、障害物、またはその他の仕切り(例えば、ロボット装置40が他の境界されていない区域を通るのを防止する仮想壁ユニット)によって境界された、定義された作業領域を掃除するため、ロボット装置40によって使用され得る。ルームカバレッジパターンのある実施形態は、直線行動モードと組み合わせたランダムバウンスモードを含む。はじめに、ロボット装置40は、障害物に遭遇するまで直線行動モードの制御の下で移動する(同じ回転速度で同じ方向にホイール操作を行う)。障害物は、壁との物理的接触または基地局回避信号の検出によって示され得る。1つ以上の障害物検出システムの起動時、マイクロプロセッサは、起動された障害物検出システムに基づいて新しい方向の許容可能範囲を演算するために作動している。マイクロプロセッサは、新しい機首方位を許容可能範囲から選択し、新しい機首方位を最小の動作で実現するために、時計回りまたは反時計回りの旋回を遂行する。いくつかの実施形態において、新しい旋回機首方位に続いて、ロボット40の掃除効率を上げるために前進してもよい。新しい機首方位は、無作為に、またはガウス分布のような何らかの統計的選択スキームに基づいて選択してよい。ルームカバレッジ行動モードのその他の実施形態において、マイクロプロセシングユニットは、センサシステムからの入力なしに、無作為または所定の時間に機首方位を変更するようプログラムされてもよい。
【0040】
ロボット装置40は、所定または任意の期間、所定または任意の距離を(例えば、最大または最小距離)、および/または特定のイベントの発生、例えば1つ以上の障害物検出システムが所定の回数起動される(遷移状態と総称される)まで、ルームカバレッジ行動モードにて操作される。
【0041】
ロボット装置40のある実施形態は、旋回行動モード、端行動モード、ホイールドロップ行動モード、および減速行動モードという4つの逃避行動モードを含む。当業者は、ロボット装置40によってその他の行動モードが利用され得ることを十分に理解するであろう。これらの行動モードのうち1つ以上が、例えば、タスクコンポーネントの1つにおける電流発生(ある種の妨害を示す)、所定の期間圧縮された位置にある前方バンパー48、またはホイールドロップイベントの検出に応じて遂行され得る。
【0042】
旋回行動モードにおいて、ロボット装置40は、高速度(例えば、通常旋回速度の2倍)から始めて低速度(通常旋回速度の半分)へ低下させ、すなわち、それぞれ小パニック旋回と大パニック旋回であるが、無作為な方向に配置される。低パニック旋回は、好ましくは45°から90°の範囲、大パニック旋回は好ましくは90°から270°の範囲である。旋回行動モードは、ロボット装置40が、表面の障害(たとえば、カーペットの高い地点)に引っ掛かること、その他の障害物(例えば、突出部)の下で動きがとれなくなること、または密閉区域に閉じ込められることを防止する。
【0043】
端行動モードにおいて、ロボット装置40は、障害物検出ユニットのいずれも起動することなく、または端行動モードの開始からロボット装置40が所定の度数で旋回するまで、所定の度数で旋回した障害ユニットの端を辿る。端行動モードによって、ロボット装置40は、密閉区域から逃れるために可能性のある最小の開口部を通って移動することができる。
【0044】
ホイールドロップ行動モードにおいて、マイクロプロセッサは、ホイールドライブアセンブリの方向を一時的に反対に向けた後、停止させる。起動したホイールドロップセンサが所定時間内に動作を停止すると、マイクロプロセッサはホイールドロップセンサの起動前に実行された行動モードを再度遂行する。
【0045】
例えばホイールドロップセンサまたは傾斜面検出器の起動など、ある一定のイベントを受けて、所定の距離ロボット装置40を減速した後に通常動作速度に戻すために、減速行動モードが遂行される。
【0046】
例えば一連のタスクコンポーネントまたは電気モーターを一時的にオフにさせるホイール失速、もしくは、所定時間より長く起動されたホイールドロップセンサまたは傾斜面検出センサなどの安全状態がセンササブシステムによって検出された場合、ロボット装置40は概してオフ状態になる。また、警報音が発生することがある。
【0047】
ロボット装置40の典型的な行動モードについての上述の説明は、ロボット装置40によって遂行されうる動作モードの種類の代表的なものを意図している。当業者は、上述の行動モードがその他の組み合わせで遂行されてもよく、またその他のモードが特定の用途において望ましい結果を実現すると定義され得ることを十分に理解するであろう。
【0048】
ナビゲーション制御システムは、ロボット装置40により自律的に遂行されるランダム運動を含む運動アルゴリズムに、確定コンポーネントを(ロボット装置40の動作を制御する制御信号の形で)追加することにより、その掃除効率を高めるためにロボット装置40と組み合わせて有利に使用することができる。ナビゲーション制御システムは、ナビゲーション制御アルゴリズムの指示の下に動作する。ナビゲーション制御アルゴリズムは、所定のトリガーイベントの定義を含む。
【0049】
大まかに説明すると、ナビゲーション制御システムは、ナビゲーション制御アルゴリズムの指示の下、ロボット装置40の運動活動を監視する。一実施形態において、監視された運動活動は、以下でさらに詳しく説明するように、ロボット装置40の「位置履歴」という語で定義される。別の実施形態において、監視された運動活動は、ロボット装置40の「瞬間位置」という語で定義される。
【0050】
所定のトリガーイベントは、ロボット40の運動活動における特定の出来事または状態である。所定のトリガーイベントを認識すると、ナビゲーション制御システムは制御信号を生成しそれをロボット装置40へ伝えるために動作する。制御信号を受けてロボット装置40は、制御信号により命じられた行為、すなわち規定行為を遂行または実行するために動作する。この規定行為は、ロボット装置40の運動活動の確定コンポーネントを意味する。
【0051】
掃除機をかける間に、ロボット装置40は静止している基地局10へ定期的に接近するであろう。基地局10に接触すると、基地局を損傷したり、ドッキングが不可能な場所に基地局を移動したりする可能性がある。したがって、回避機能性が望ましい。不注意による接触を回避するため、基地局10は、図3に描写するように回避信号60を生成することができる。回避信号60は、バックストップ14の上端にあるエミッタ18から伝送されているのが示されている。基地局10から回避信号60までの半径範囲は、事前定義の出荷時設定、ユーザ設定、またはその他の事項に応じて変わることがある。回避信号60は、ロボット40との意図しない接触から基地局10を保護するために十分な距離を想定することが最低限必要である。回避信号60の範囲は、用途に応じて、基地局10の外周から、基地局10から数フィートのところまで広がることができる。
【0052】
複数の単一固定ビームまたは信号などその他の信号も考えられるが、ここでは回避信号60は全方位(すなわち、単一面)赤外線ビームとして描写されている。しかしながら、固定ビームを使用する場合、十分な数であればロボット装置40がそれらに遭遇する機会を増加させるため、基地局10の周囲に適正なカバレッジを提供する場合がある。ロボット装置40の検出器50がエミッタ18から回避信号60を受信すると、ロボット装置40は基地局10を回避するために、要求どおりにその進路を変更することができる。あるいは、ロボット装置40が(充電またはその他のドッキング目的のために)積極的または消極的に基地局10を探している場合、図4Aおよび4Bを参照して以下で説明するように、帰還信号に遭遇する機会を増加させるようなやり方で基地局10の周囲を回ることなどによってその進路を基地局10に向かうように変更することができる。
【0053】
ある実施形態において、Waitrony p/n IE−320Hなどの平行IRエミッタが使用される。太陽光ならびにその他のIR源からの潜在的な妨害により、リモートコントロール、情報携帯端末およびその他のIR通信装置など大部分のIR装置は変調され得る信号を放射する。ここでは、エミッタ18、20は38kHzでビームを変調する。本発明の実施形態において、例えば500Hzなど通常のIRビットストリームとは異なる周波数でさらに変調することでその他のIR設備との衝突を防止する。概して、回避信号60は、帰還信号62、64としてコードされる。ロボット40が同時に複数の信号を受信した場合でも、ロボット装置40が各信号の存在を検出できるよう、バイナリコードに加えてビット符号化方法が選択される。
【0054】
回避信号60の計測可能なレベルのIR放射線が検出器50に当たると必ず、ロボットのIR回避行動が誘発される。一実施形態において、この行動は、IR信号が検出可能なレベルを下回るまでロボット40を左に回転させる。その後ロボット40は前の運動を再開する。左に回転することは、慣例により、ロボットが次の操作中すべての物体を右側に留めようとするため、あるシステムにおいて望ましい。ロボットの回避行動は、回避信号60の検出において左に回転する場合、その他の行動と整合する。一実施形態において、検出器50は傾斜検出器として作用する。ロボット40がIR強度のより高い領域に遭遇した場合、ロボット40は同じ場所で回転する。検出器50はロボット40の前部に取り付けられており、ロボット40は後方へ移動しないため、検出器50は常にロボット40のその他の部分より前にIR強度の増大を「確認」する。したがって、同じ場所で回転することにより、検出器50は強度の低下した範囲へ移動する。ロボット40が次に前方へ移動する際には、必然的に回避信号60から離れたIR強度の低下した範囲へ移動する。
【0055】
その他の実施形態において、基地局10は、異なる電力レベルの複数のコードされたエミッタまたは時分割多重化のシステムを使用してその電力レベルを変えるエミッタを含む。これらは、室内の離れた場所からロボット40を基地局10の方向へ操縦する、集中コードされたシグナルリングを作成する。したがって、ロボット40は、基地局10の場所の特定を容易にしたり、ドッキングしたり、いくつの部屋が既に掃除済みであるかを判断したりすること等により、常に基地局10の存在に気づくであろう。あるいは、ロボット40はIRエネルギーの傾斜を計測するためにIR領域のいたるところでその運動を使用する。傾斜の表示がマイナスである(すなわち、検出されたエネルギーが運動とともに低下している)場合、ロボット40は(IR源から離れて)直進する。傾斜の表示がプラスである(エネルギーが増加している)場合、ロボット40は旋回する。ネットエフェクトは、回避信号60の源から逃避するロボット40で「傾斜降下アルゴリズム」を遂行することである。この傾斜方法を、放射された信号の源を探すために使用してもよい。様々な電力レベルの集中リングは、生信号強度の測定のための手段がなくともこの可能性を促進する。
【0056】
回避行動100の制御論理の一実施形態の流れ図を図6Aに示す。ロボット40は、検出器50によって検出された信号110が回避信号60であるか否かを判断する。回避信号60が検出されると、ロボット40は旋回方向120を選ぶ。次いでロボット40は選択した先回方向で旋回し始め、回避信号60が検出されなくなる130まで続ける。回避信号60が検出されなくなると、ロボット40は、20°などの追加量140の旋回を継続するか、または当該ロボットは0°から135°の間で無作為に旋回してもよい。
【0057】
流れ図のステップ120において、図6Bに示す流れ図に図示されている方向選択アルゴリズム120aが使用される。ロボットの制御論理は、ビームとの間のロボットの不連続な相互作用を把握する。ロボット40は、まずカウンタを1つインクリメントする(122)。奇数番号の相互作用において、ロボット40は新しい旋回方向124、126を無作為に選び、偶数番号の相互作用において、ロボット40は最も最近の旋回方向を再度使用する。選択的に、ロボット40はどちらの方向へ旋回するか無作為に選んでよい。十分な距離に移動するまで、当該方向へ旋回し続ける。
【0058】
その他の実施形態において、ロボット40は常に単一方向に旋回するか、無作為に方向を選ぶことができる。ロボット40が常に単一方向に旋回する場合、ビームから背を向ける、室内の別の障害物にぶつかる、ビームのほうへ引き返す、ビームを再度確認する、再度ぶつかる等々により、当該ロボットがループ内において引っ掛かることがある。さらに、ロボット40が単一方向に旋回するだけの場合、結果として床の一定領域の掃除機かけに失敗することがある。したがって、ロボットのタスクが部屋中むらなく作業を完了することである場合には、単一の旋回方向は最適でないことがある。方向がまったく無作為に選ばれた場合、ロボット40は、ビームに遭遇するたび頻繁に前後へ旋回することができる。
【0059】
図6Aを再度参照すると、ステップ140の実施形態において、ロボット40は、回避信号60が失われた地点からさらに20°旋回している。旋回の弧は、特定のロボット40および用途に合わせて様々であってよい。追加の旋回により、ロボット40が回避信号60に遭遇した直後に再遭遇することを防止するのを助ける。様々な用途のために、追加の動作(線状または旋回)の量は、所定の距離、角度または回数であってよく、選択的にランダム成分を含んでよい。さらに他の実施形態において、ロボットの回避行動は、回避信号60が検出されなくなるまで、または上述のように、ロボットの方向を反対に向けることを含んでよく、当該ロボットは回避信号60を失った後、0°から135°の間で無作為に旋回してよい。
【0060】
図4A〜4Cは、帰還信号62、64を使用して基地局10を探す様々な段階のロボット装置40を描写している。ロボット装置40は、バッテリに充電する必要性を検出した場合、または部屋の掃除機かけを完了した場合に、基地局10を探すことができる。上述のように、ロボット装置40が回避信号60(およびその結果として基地局10)を検出すると、帰還信号62、64を検出するため要求に応じて移動することができる。上述の回避信号60と同様に、帰還信号62、64の投影範囲および方向は、要望どおりに変えてよい。しかしながら、より長い信号であればロボット40が基地局10を効率的に発見する機会を増加させることができることに留意すべきである。より長い信号は、ロボット装置40が特定の大きな部屋に配備されており、基地局10の位置を無作為に特定するのでは過度に時間がかかる場合にも有効であり得る。帰還信号62、64の範囲は、用途に応じて基板12の約6インチ上から基板12の数フィート上まで考えられる。当然ながら、帰還信号62、64の角度幅も用途に応じて変えてよいが、5°から60°超の範囲の角度幅が考えられる。上述したような傾斜行動は、ロボットが基地局を探し出すのを支援するためにも使用できる。
【0061】
ナビゲーションビーコンとしての動作に加えて、帰還信号62、64は(および回避信号60さえも)、プログラムデータ、フェイルセーフおよび診断情報、ドッキング制御データおよび情報、保守および制御シーケンスなどを含む情報を伝送するために使用してもよい。そのような実施形態において、これらの信号は、基地局10からの一定の信号と接触した際に一定の措置を講じるロボット40とは対照的に、制御情報、ロボットの反応のディクテーティングを提供することができる。その場合、ロボット40は、送信された信号によって指示されるように動作し、基地局10のスレーブとして以上の機能を果たす。
【0062】
ロボット40は、総機械的ガイダンス機能を必要とせずに、基地局10とのドッキングを正確かつ繰り返し可能なように行う。2つの帰還信号62、64は、ロボット装置により、例えば赤信号62と緑信号64として区別できる。IRビームは概して信号を発生させるために使用され、それ自体は不可視である。色の区別は例示目的のためだけに与えられ、どの信号が特定の側を向いているかをロボット装置40が識別する限り、いかなる「色」(すなわち、信号ビットパターン)を使用してもよい。あるいは、信号62、64は、異なる波長を使用して、または異なる搬送周波数(例えば、380kHzに対し38kHz等)を使用して区別されることもできる。
【0063】
したがって、ロボット装置40がドッキングを希望または必要とする場合、検出器50が基地局10から伝送する赤信号62を受信すれば、赤信号62をロボットの右側に留めるために移動し、基地局10から伝送する緑信号64を検出すれば、緑信号をロボットの左側に留めるために移動する。2つの信号が重複する場合(「黄」区域66)、ロボット40は基地局10が近隣にあり、ドッキングが可能であることを知る。そのようなシステムは、ロボット40の適切な方向および接近ならびにドッキングの成功を確認するため、黄区域66を実行可能な限り細くするよう最適化してもよい。あるいは、赤信号62および緑信号64を、ドッキングされるまでロボット60が追跡するであろう単一の信号で置換してもよい。
【0064】
図4A〜4Cは、2つの信号を利用するドッキング手順を様々な段階において描写している。図4Aにおいて、検出器50は緑または左の信号64領域にあり、したがってロボット装置40は、当該緑信号64をロボット40の左側に留める目的で、方向MRの右側へ移動するであろう(実際は、ロボット40は緑信号64を検出器50の左側に留めるために移動する)。同様に、図4Bにおいて、検出器50は赤または右の信号62領域にあり、したがってロボット40は、当該赤信号64を検出器50の右側に留める目的で、方向MLの左側へ移動するであろう。最後に、図4Cにおいて、検出器50は黄区域66に遭遇している。この時点で、ロボット装置40は直接基地局10へ向かう方向MFへ移動するであろう。基地局10へ接近する間、ロボット装置40はその接近速度を減速および/または掃除機かけを中断、もしくはドッキングに問題がないことを確認するためにその他の機能を行うことができる。これらの動作は、ロボット40が回避信号60を検出し、したがって基地局10が近くにあることを認識した場合、または、例えばエミッタ62、64からの信号の変更時など、その他何らかの所定の時間に生じることがある。
【0065】
ロボット40が基地局10と正しくドッキングしたことを確認するためには様々な方法が考えられる。例えば、ロボット40は、バンパー48が窪むまで、基地局10に接触したロボット40に信号を送りながら、(黄区域66内の)基地局10の方向に移動し続けることができる。別の実施形態は、ロボット40が終了地点に到達した際に充電接点に接触するよう調整された地点で黄区域66が終了するように、帰還信号62、64を重複させる。その他の実施形態は、その電気的接点が基地局10上の電気的接点に触れた際に、単にロボット40を停止させる。これは、ロボット40が、接点16を掃除し接続部の電気的インテグリティを向上させるワイピング作用を提供しながら接点16上を移動していることを保証するであろう。ロボットのバンパー48を窪ませるために必要な力に抵抗する必要はないため、これにより基地局10をさらに軽くすることも可能である。図5は、基地局10と完全にドッキングしたロボット装置40を示す。当然ながら、この手順でも検出器52または両検出器の組み合わせを利用してよい。
【0066】
本発明のこの実施形態では回避および帰還両方のためのIR信号を説明しているが、本発明のシステムおよび方法では目的を達成するためにその他の信号を使用してもよい。しかしながら、その他の種類の波動は不利な点を有する場合がある。例えば、電波に方向を持たせるのはより困難かつ高価であり、可視光線は多くの源からの妨害を被り、ユーザの気を散らす場合がある。音波が使用される可能性もあるが、音を完全に方向付けることは同様に困難であり、そのような波動はより散乱および反射しやすい傾向にある。
【0067】
図7は、掃除機かけ中のロボット装置40の制御シーケンス200を示す概略図を描写している。概して、制御シーケンス200は計測したロボット装置40のエネルギー準位に基づく3つのサブシーケンスを含む。それらは概して高エネルギー準位210、中エネルギー準位220、および低エネルギー準位230として参照される。高エネルギー準位サブシーケンス210において、ロボット装置40は、基地局212を回避しながら、(上述のような様々な行動モードを利用して)その所定のタスク、この場合は掃除機かけを行う。基地局212を回避する際、ロボット装置40はその回避行動を行い、正常に作動し続ける。このプロセスは、ロボット装置40がそのエネルギー準位214を継続的に監視している間、継続する。電源のエネルギー準位214を監視するためには、電量分析(すなわち、電源に出入りする電流を常に計測すること)または単に電源における残存電圧を計測することなど、様々な方法が利用できる。ロボット装置40のその他の実施形態は、ロボット装置40が困難なエネルギー準位サブシーケンスに入る前にどのくらいの間作動できるかを測定するため、単にメモリに格納されているタイマーおよびルックアップテーブルを用いることができる。さらに他の実施形態は、どのエネルギー準位サブシーケンスで作動しているかを判断することなく、単にロボット40に充電前に所定の期間作動させることができる。ロボット40が液体またはガス燃料で作動する場合、当該技術分野において現在知られている装置でこの準位を計測することもできる。
【0068】
残存エネルギーが所定の高準位を下回ると、ロボット40は中エネルギー準位シーケンス220に入る。ロボット40は、上述のステップ214に示した方法を用いて、掃除機かけおよび自身のエネルギー準位224の監視を継続する。しかしながら、中エネルギー準位220において、ロボット40は基地局10を「消極的に探す」(222)。基地局10を消極的に探す(222)間、ロボット装置40はその移動特性を変更せず、むしろ、ロボット40が最終的に基地局10とドッキングするまでそれぞれ追跡できる回避信号60または帰還信号62、64を偶然に検出するまで、その通常行動モードと同程度で継続する。すなわち、通常のように基地局10を回避するよりむしろロボットが消極的に探している(222)間に回避信号60を検出した場合、当該ロボットは、帰還信号62または64を検出し、その結果ドッキングが可能になるまで、その移動特性を変更する。
【0069】
あるいは、ロボット40はエネルギー準位224を所定の低準位より下に登録するまで、この中エネルギー準位サブシーケンス220で作動し続ける。この時点で、ロボット40は、動作および移動特性における変更によって特徴付けられる低準位サブシーケンス230に入る。エネルギーを変換するために、ロボット40は、基地局10を「積極的に探す」(232)ために可能な限り多くのエネルギーを変換できるようにするよう考慮して、すべての付随的システムおよび掃除機かけなどの動作への動力供給を中断してもよい。積極的に探している(232)間、基地局10を発見する機会を増加させるため、ロボット40は自身の移動特性を変更することができる。これにより、旋回移動を利用するものなどの行動モードを中断することができるため、壁追跡などのより計画的なモードを支持して、基地局の位置を特定する機会をより多く作る必要性はない。このように計画的に探すことは、回避信号60または期間信号62、64のいずれかを検出することによってロボット40が基地局10の存在を検出するまで継続するであろう。明らかに、追加のサブシーケンスは残存エネルギーが臨界レベルに到達した場合に警報を発する音、または基地局10を再配置するのを支援するために前回の基地局10への接触からロボット40が行った再構成に組み込まれることができる。
【0070】
ロボット40は、割り当てられたタスク(例えば、部屋の掃除機かけ)を完了したと判断したという理由でドッキングしてもよい。ロボット40は、部屋の大きさ、総走行時間、総移動距離、汚れ感知などに関する考慮を含む様々な要因に基づいてこの判断を下すことができる。あるいは、ロボットは、基地局10および/または基準点として壁および大きな物体を使用するルームマッピングプログラムを採用してもよい。そのタスクを完了したと判断すると、ロボット40は、迅速に基地局10を発見するために自身の移動特性を変更する。
【0071】
ロボット40は、基地局10に接触すると自律的に充電する。基地局10内の回路はロボット40の存在を検出し、次いで充電電圧をその接点16に切り替える。その後ロボット40が充電電圧の存在を検出し、その内部トランジスタ電力スイッチをオンにしてバッテリに電流を流す。一実施形態において、基地局10は定電流タイプの切り替え充電器を含む。最大電流は、短絡回路条件下であっても、約1.25アンペアに限定される。最大無負荷端子電圧は、約22Vdcに限定される。この定電流充電回路は、基地局10上の接点16およびロボット40の着陸装置54上の接点により提供される伝記的接続を介してロボット40内のバッテリに充電するために使用される。この充電シーケンスの一実施形態を以下に説明する。
【0072】
概して、ロボット40は基地局10から離れているが、充電接点16は、短絡回路電流最大1mAに限定された、5ボルトを提示するであろう。この低電圧/定電流「感知」状態は、接点16において利用可能なエネルギー量を制限し、したがって人間、動物、導電性物体により接触されるイベントにおけるそれらの安全を提供する。ロボット40の着陸装置54上の接点は、基地局10上の接点に接触した際、基地局10内の抵抗とともにインピーダンス分圧器を作成する正確な負荷抵抗を提示する。常に接点16の電圧を監視しているマイクロプロセッサは、この低電圧を認識する。この分圧器は、知られている耐用範囲で特定の電圧を作り出す。電圧が特定の範囲内になったとマイクロプロセッサが判断すると、ロボット40が存在することを検出する。その後マイクロプロセッサは(ロボットの内部バッテリに充電できる)より高い電圧/電流の充電に充電接点16へ供給するトランジスタスイッチをオンにする。あるいは、ロボット40および/または基地局10は、IRビームによって信号を送信することにより充電回路のインテグリティを検証することができ、それによってロボット40が実際にドッキングされたことを確認する。
【0073】
図8は、充電器回路概略の実施形態を描写している。基地局により5ボルトが提示された場合、抵抗分割器R101およびR116の仕事は、J25が初期の低電圧状態と接触している場合にQ48およびQ5を近づけないことである。この分割器は、R224およびQ48のベース‐エミッタ間ダイオード電圧降下と平行して、既知のインピーダンスであるR101およびR116も提供する。このTheveninのインピーダンスはドッキングステーションと直列であり、したがって分圧器を形成する。ドッキングステーション内のウィンドウコンパレータは、分割器によって作り出された特定の電圧を探す。基地局がこのインピーダンスはロボットのようである(その他何らかの導電体ではない)と判断すると、ロボットに最大限可能な22ボルト、1.25アンペアの充電電圧を供給する。
【0074】
この高電圧の開始において、R101およびR224の分割器はQ48およびQ5をそれぞれオンにするための必要条件を満たすようになっている。バッテリの劣化により実際に動作不能だった場合にロボットプロセッサがアクティブになれるようにして、オンボードロボット電子機器だけに電流が流れるようにするのは、このトランジスタの組み合わせである。
【0075】
動作可能になると、ロボットプロセッサは、R113およびD15を介して基地局電圧の存在を検出し、駆動している場合は、その駆動モーターをオフにすることができる。充電接点において安定すると、内部ロボットバッテリを計測し、電流をバッテリに流す場合に、いつ、どのような種類の充電制御回路が必要とされるかを判断することがロボットの仕事になる。例えば、バッテリが12ボルトの場合、電流がFET U9を通って継続的にバッテリへ流れるようにするために、プロセッサ制御を介してQ45およびQ47をオンにすることは許容可能である。
【0076】
しかしながら、バッテリ電圧が5ボルト未満であると見なされる場合、概してバッテリへ継続的に最大限の電流を流すことは望ましくないであろう。この状況が懸念される理由は、DOC内の電源は定電流充電器であり、当該充電器が1.25Aをバッテリに流すためにその出力電圧をバッテリ電圧よりわずかに高く調整するであろうという事実にある。場合によっては、これはバッテリ電圧自体よりも数ミリボルト高いかもしれず、バッテリが例えば3ボルトなどの低電圧である場合には、出力電圧を、オンボード基地局およびロボット電子機器一式を操作するために必要な5ボルトより下回るように降下させるであろう。
【0077】
この場合、ロボットプロセッサはその後、ロボットおよび基地局両方のエネルギー蓄積コンデンサが充電パルスを通じてそれぞれの電子機器を適切に動かし続けるために十分な充電を維持するよう、Q47に付随する充電器制御ラインにパルス幅変調を供給する。その後エネルギー蓄積コンデンサは、パルス幅変調充電サイクルのオフタイムに補給され、次の充電パルスを持続するための準備が整う。このシナリオは、継続的な充電が供給電圧を臨界レベルまで下げることができなくなる時点までバッテリが充電され、充電制御が静的レベルになることができるまで継続する。
【0078】
この実施形態におけるこのパルス幅変調プロセスはソフトウェア制御に依存しているため、基地局およびロボットの両方内にあるプロセッサの調子を監視することが重要である。充電の必要条件として次に示すのは、充電器のために、この信号ラインにおける静的な高または低状態がバッテリへの電流フローを無効にするように、Q45を介して「監視機構」が組み込まれていることである。いかなる電流を流すためにも、この制御ラインを継続的にパルスで修正し、その結果、静的放電または充電プロファイルの酷使から起こるその他のバッテリ関連のイベントによってプロセッサがラッチアップするほとんどの場合をなくすことは、ロボットプロセッサの必要条件である。当然ながら、その他の制御および関連するフェイルセーフスキームを利用してもよい。
【0079】
上述の充電シーケンスは、充電接点16が露出して電圧を加えられていても、特定の安全機能を提供する。5ボルトの検知電圧が存在する場合(すなわち、ロボット40がドッキングされていない場合)に、接点16にわたって特定の電圧降下を作り出すためには特定の抵抗が必要であり、低い検知電流は無害なため、偶然の接触による感電の危険性はない。また、検知電流が所定の範囲に入っていないため、基地局10は決して高い電圧/電流レベルへの切り替えを行わないであろう。ロボット40が存在すると基地局10が判断しない場合、当該基地局は充電電圧/電流を供給する。この充電電流は、最大約22ボルト/1.25アンペアに制限される。充電中に不注意による接触が発生したとしても、―ロボットシャーシ44は接点16を効果的にブロックするので、起こる可能性は低い―供給された電圧は比較的低いので、深刻な感電の危険をもたらさないであろう。
【0080】
基地局10が最低1分に1回から最大1秒に10回以上、定期的にロボット40を点検することによって、別のレベルの安全性が提供される。したがって、ロボット40が基地局10から(動物または人間いずれかによって)除去された場合に、充電電流は直ちに停止される可能性がある。接点16がドッキングしたロボット40と短絡している場合(意図的あるいは偶発的に、例えば、ロボット40が充電接点16上で瓦礫類を引きずる場合)にも同じ状況が当てはまる。
【0081】
この充電シーケンスのさらなる安全機能は、意図的な短絡または酸化による接点16の過熱を防止する。このタスクを行うため、温度測定サブルーチンが装備されているマイクロプロセッサに加えて、熱ブレーカーまたは類似の装置を用いることができる。しかしながら、ブレーカーは、マイクロプロセッサまたはソフトウェアの故障が発生した場合に接触温度を制御するという利点を提供する。また、基地局10の回路はシステム故障が発生した場合に温度測定サブルーチンまたはブレーカーをリセットするためにタイマーを組みこんでもよい。これらの安全制御は上述の「監視機構」に組み込んでもよい。
【0082】
基地局10とドッキングしている間に、ロボット40はその他の保守または診断チェックを行うこともできる。ある実施形態において、ロボット40は様々な要因に基づいてその電源を完全に再充電するか、部分的にのみ充電することができる。例えばロボット40が、ルートトラッキングサブルーチンを使用して、部屋のごく一部にまだ掃除機かけが必要であると判断すると、部屋の掃除を完了するために戻る前に最小限の充電だけを行うことができる。しかしながら、ロボット40が部屋を掃除しに戻る前に満充電を要求した場合、その選択も利用可能である。ロボット40がドッキングより前に部屋の掃除機かけを完了した場合、当該ロボットはドッキングし、完全に再充電し、次の掃除サイクルを始めるための信号(内部または外部いずれか)を待って待機することができる。この待機モード中、ロボット40はそのエネルギー準位を計測し続けてもよく、エネルギー準位が所定量を下回った際には充電シーケンスを開始してもよい。あるいは、ロボット40は、そのエネルギー準位をピーク付近に保つため、恒常的またはほぼ恒常的なトリクル充電を維持してよい。ドッキング位置にある間、診断機能、内部機構の掃除、ネットワークとの通信、またはデータ操作などのその他の行動も行われてよい。
【0083】
本明細書では、本発明の典型的な、および好適な実施形態であると考えられるものを説明したが、本明細書の教示から当業者には本発明のその他の変更が明らかになるであろう。本明細書で開示されている特定の製造方法および形状は典型的な性質であり、限定的であると見なされるべきものではない。したがって、本発明の精神と範囲内である限り、そのような変形はすべて添付の特許請求の範囲において保護されることが望ましい。よって、特許状により保護されることが望ましいのは、以下の特許請求の範囲において定義され、差別化されているとおりの発明である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、本発明の一実施形態による、基地局の概略斜視図である。
【図2】図2Aは、本発明の一実施形態による、ロボット装置の概略斜視図である。図2Bは、図2Aのロボット装置の概略側面図である。
【図3】図3は、基地局によって伝送されロボット装置によって検出された、本発明の一実施形態による回避信号を描写した、ロボット装置および基地局の代表の概略斜視図である。
【図4】図4A〜4Cは、基地局により伝送されロボット装置により検出された本発明の一実施形態による帰還信号の代表の概略斜視図である。
【図5】図5は、ドッキングまたは結合場所におけるロボット装置および基地局の概略斜視図である。
【図6A】図6Aは、本発明の一実施形態による回避アルゴリズムの流れ図である。
【図6B】図6Bは、本発明の一実施形態による回避アルゴリズムの流れ図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態によるエネルギー管理アルゴリズムの流れ図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態による、充電器回路概略の実施形態を描写している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してロボットシステムに関し、より具体的には、自律ロボットのための自動ドッキングおよびエネルギー管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動ロボットおよびロボット装置は現在ますます普及してきており、日常的である、時間がかかる、または危険であると従来見なされているタスクを行うために使用されている。プログラミング技術が向上するにつれて、ロボットの燃料供給、検査、修理などのタスクに関して、人間との相互作用を最小限しか要求しないロボット装置に対する需要も高まっている。目指されるのは、一度設定されれば、人間の助けも介入も必要とせずに、自律的に作動するロボットである。
【0003】
ロボット装置ならびに関連する制御機器、ナビゲーションシステム、およびこの方向に進展するその他の関連システムの開発が進みつつある。例えば、特許文献1はRobot Obstacle Detection Systemを開示しており、この開示は参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。さらなるロボット制御装置およびナビゲーションシステムが、米国特許出願番号10/167,851、10/056,804、10/696,456、10/661,835、および10/320,729に開示されており、これらの開示は参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0004】
概して、自律ロボット装置は、基地局またはドッキングステーションにおいて充電されるオンボード電源装置(通常はバッテリ)を含む。それら(例えば、無線信号、推測航法、超音波ビーム、無線信号に連結された赤外線ビームなど)を発見しそれらとドッキングするロボットによって使用される充電ステーションおよび方法の種類は、有効性および用途の両方において大幅に異なる。ロボットが作動する面の下にワイヤを埋めるのが普通だが、ビルの床内部や路面下にガイドワイヤを取り付けるには費用がかかるため、明らかに用途が限られる。面上に取り付けた場合、ガイドワイヤはロボット自体またはその他の交通により損傷することがある。さらに、ワイヤは、基地局が移転した場合に移動する必要がある。したがって、ビームを放出する基地局またはロボット装置を引き付けるビーコンがより望ましい。しかしながら、そのような装置はやはり操作上の制限を示す。
【0005】
放出された信号を利用する基地局は、やはり多くの場合、ロボットと基地局との間の適切な結合、したがって安全で効果的な充電を確実にするために追加の安全装置を要求する。充電中にロボットが転位するのを防止するためのメカニカルロック装置、または、ロボットをステーションに接触するよう方向付けるための隆起した誘導面のようなその他のコンポーネントを要求する向きもある。そのようなコンポーネントは、基地局のサイズを増大することができる一方で、消費者市場向けの自動ロボットに対する審美的な、重要な考慮を低下させる。また基地局サイズの増大は、一般に、家庭内での目立たない配置をより難しくし、掃除のできる床面積を少なくする。さらに、現在の基地局は概して、動作中に自身がロボットと接触することを防止する能力を欠いており、ステーションまたはロボットいずれかへの損傷の可能性、もしくは基地局の転位の可能性を増大させる。そのような意図しない衝突が起こった場合、基地局を再配置するため、または損傷したコンポーネントを修復するため、人間の介入を必要とすることがある。
【0006】
現在のところ、人間の相互作用から真に独立した自動ロボットを作成するために、これらの制限が障害となっている。したがって、基地局の位置に関わりなく確実に適切な結合ができるロボットおよび基地局が必要である。さらに、ステーションとロボットとの間の衝突をなくすことよって、基地局の不注意による転位を防止できるシステムが望ましい。
【特許文献1】米国特許第6,594,844号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一側面において、本発明は、少なくとも1つのエネルギー蓄積ユニットと信号検出器とを備えるロボット装置におけるエネルギー管理のための方法に関する。前記方法は、前記ロボット装置と結合するための基地局であって、第1の信号エミッタおよび第2の信号エミッタを含む複数の信号エミッタを備える基地局を提供するステップと、前記エネルギー蓄積ユニットに蓄積されているエネルギーの量であって、少なくとも高エネルギー準位および低エネルギー準位によって特徴づけられる量を決定するステップと、前記ロボット装置によって、少なくとも部分的に前記蓄積されているエネルギーの量に基づいて所定のタスクを行うステップとを含む。前述の側面の様々な実施形態において、前記蓄積されているエネルギーの量または前記装置のタスク期間を決定するために、電量分析または期間の設定が使用される。
【0008】
前述の側面のその他の実施形態において、前記所定のタスクを行うステップは、前記蓄積されているエネルギーの量が前記高エネルギー準位を上回る場合に発生し、前記所定のタスクが前記信号検出器による基地局回避信号の受信に応じて前記基地局から離れる前記ロボット装置の動作を含む。さらに他の実施形態は、前記信号検出器による基地局帰還信号の受信に応じて前記ロボット装置を前記基地局へ戻すステップおよび/または前記蓄積されているエネルギーの量が前記高エネルギー準位を下回る場合に前記ロボット装置を前記基地局へ戻すステップを含む。前述の側面のその他の実施形態において、前記ロボット装置を前記基地局へ戻すステップが、前記蓄積されているエネルギーの量が前記低エネルギー準位を下回る場合に発生し、前記所定のタスクが前記ロボット装置により使用されるエネルギーの削減を含む。様々な実施形態には、効果的に前記基地局の位置を特定するために前記ロボット装置の移動特性を変更するステップと、接触時に前記装置に充電するステップ、および/または前記所定のまたは異なるタスクを再開するステップとがさらに含まれる。
【0009】
別の側面において、本発明は、ロボット装置を、第1の信号エミッタおよび第2の信号エミッタを含む複数の信号エミッタを備える基地局とドッキングさせるための方法に関する。前記方法は、前記ロボット装置を(i)前記第1の信号エミッタにより伝送された第1の信号、および(ii)前記第2の信号エミッタにより伝送された第2の信号に対して方向を合わせるステップと、前記ロボット装置が前記基地局に近づく際に前記第1および第2の信号に対する前記ロボット装置の方向を維持するステップとを含む。前述の側面の方法のある実施形態は、前記第1の信号と前記第2の信号との間の重複を前記ロボット装置により検出するステップと、前記ロボット装置により、少なくとも部分的に前記信号重複によって定義された経路を辿るステップと、前記ロボット装置を前記基地局とドッキングさせるステップとを含む。その他の関連する実施形態は、少なくとも部分的に前記信号重複によって定義された前記経路を辿るステップに前記ロボット装置の速度を低減するステップを含む。
【0010】
また前述の側面の方法の様々な実施形態は、前記ロボット装置を前記基地局とドッキングさせるステップ中に、前記基地局上の充電端子との接触を前記ロボット装置によって検出するステップと、前記ロボット装置の動作を停止させるステップとを含む。いくつかの実施形態において、前記ロボット装置の動作を停止させるため、追加でまたは代替として、1つ以上のオンボード触覚センサの接点を使用することができる。その他の実施形態は、前記ロボット装置を完全に充電するステップおよび/または前記ロボット装置を複数の充電レベルまで充電するステップを含む。ある実施形態は、充電完了時に所定のタスクまたは新しいタスクの再開を可能にする。
【0011】
本発明の別の側面において、本発明は、ロボット装置の外部端子と接触させるための充電端子と、第1の信号エミッタおよび第2の信号エミッタとを含む基地局を含む自律システムに関する。上記側面のある実施形態は、基地局回避信号を伝送する前記第1の信号エミッタと、基地局帰還信号を伝送する前記第2の信号エミッタを提供する。その他の実施形態において、前記帰還信号は一対の信号であり、当該信号は同じであっても異なっていてもよい。前記一対の信号は、一対のエミッタによって伝送されてよい。いくつかの実施形態において、前記信号は重複されてよく、また光信号であってもよい。
【0012】
上記側面のある実施形態は、所定のタスクを行うためのロボット装置をさらに含み、前記ロボット装置が、前記充電端子と接触するための外部端子を持つ少なくとも1つのエネルギー蓄積ユニットと、少なくとも1つの信号検出器とをさらに含む。ある実施形態において、前記少なくとも1つの信号検出器が、少なくとも1つの光信号を検出するよう適合される。前記ロボット装置は、ある実施形態において、複数のエミッタにより生成された信号を区別する能力を有する。
【0013】
本発明のさらに他の側面は、少なくとも1つのエネルギー蓄積ユニット信号検出器とを有するロボット装置と、前記ロボット装置を結合するための基地局であって、第1の信号エミッタおよび第2の信号エミッタを含む複数の信号エミッタを備える基地局と、前記エネルギー蓄積ユニットに蓄積されているエネルギーの量を決定するためのプロセッサとを含むエネルギー管理装置に関する。前述の側面のある実施形態は、前記蓄積されているエネルギーの量または前記装置のタスク期間を決定するために、電量分析または期間の設定を使用する。さらに他の実施形態において、前記第1の信号エミッタは回避信号を伝送し、それによって前記基地局から離れる前記ロボット装置の動作を制限し、または第2の信号エミッタは帰還信号を伝送し、それによって前記ロボット装置の動作を前記基地局の方向へ向けさせる。
【0014】
本発明のその他の側面は、信号検出器を有するロボット装置と、第1の信号エミッタと第2の信号エミッタを有する基地局とを含む、帰還システムに関する。前述の側面のある実施形態は、前記第1の信号エミッタおよび前記第2の信号エミッタにより伝送された信号を重複させる。さらに他の実施形態は、前記基地局上の充電端子と、前記ロボット装置上の充電端子とをさらに含む。
【0015】
本発明のさらなる側面は、第1の信号エミッタから外側へ投影される第1の信号を伝送する前記第1の信号エミッタと、第2の信号エミッタから外側へ投影される第2の信号を伝送する前記第2の信号エミッタとを、前記第1の信号と前記第2の信号とが重複するように含む、基地局のための帰還システムに関する。別の側面は、第1の装置および第2の装置のうち少なくとも1つの動作を制限するための回避システムであって、信号を放射する第1の装置と、前記信号を受信する第2の装置とを含み、それによって前記第1の装置および前記第2の装置のうち少なくとも1つの動作を制限する回避システムに関する。
【0016】
本発明のさらに別の側面は、基板およびバックストップを含む基地局であって、前記基板の上側に置かれた電気接点と、前記バックストップ上に置かれた第1の信号エミッタであって、前記第1の信号エミッタによって伝送された信号が、前記ロボット装置が前記基地局の所定の距離内で移動するのを制限する第1の信号エミッタと、第2の信号エミッタおよび第3の信号エミッタであって、前記第2の信号エミッタおよび前記第3の信号エミッタによって伝送された複数の信号が前記ロボット装置の少なくとも1つの電気接点を前記基地局の前記少なくとも1つの電気接点と接触させるよう誘導する第2の信号エミッタおよび第3の信号エミッタとを含むロボット装置のための基地局に関する。
【0017】
本発明の別の側面は、装置のバッテリに充電する方法であって、充電器の充電端子に低エネルギーを提供するステップと、前記充電器に関連するパラメータにおける所定の変更およびその所定の規模のうち少なくとも1つを監視することによって前記装置の存在を検出するステップと、前記バッテリに充電するために前記充電端子へのエネルギーを増加させるステップとを有する方法に関する。上記側面の方法の一実施形態は、前記装置における充電のレベルを測定するステップと、前記充電のレベルが所定の閾値を下回った場合に前記装置における充電を許可するステップとをさらに含む。
【0018】
本発明のさらに別の側面は、モバイル機器に充電するためのシステムであって、第1の充電端子を備える固定充電器と、前記充電器に関連するパラメータにおける所定の変更およびその所定の規模のうち少なくとも1つを監視することによって前記装置の存在を検出するための回路と、バッテリおよび第1の充電端子と結合するよう適合される第2の充電端子を有するモバイル機器とを有するシステムに関する。上記側面の様々な実施形態は、前記回路が前記バッテリにおいて充電のレベルを測定し、前記第1の充電端子に供給される電力レベルを制御するシステムを含む。さらに他の実施形態は、前記回路が、前記第2の充電端子に結合される場合、前記第1の充電端子全体にわたる所定の電圧の計測時に、前記第1の充電端子に供給される前記電力パワーを増加させるシステムを含む。
【0019】
図面中において、類似の参照文字は概して異なる図にわたる同一部分を指す。図面は、必ずしも拡大縮小するためのものではなく、むしろ概して本発明の原理を図示することに強調が置かれている。以下の説明において、本発明の様々な実施形態を以下の図面を参照して説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の一実施形態による基地局10の概略斜視図である。基地局10は、実質的に水平な基板12および実質的に垂直なバックストップ14の両方を含む。基地局10は、望ましいコンポーネントおよびシステムのための十分な空間さえあれば、以下に示す様々な形状およびサイズのいずれであってもよい。基板12は、基地局10が置かれている地面に対して略平行であるが、バックストップ14に対してわずかな上向き角度を有することがある。基板12の上昇の角度を最小化することにより、ロボット装置(図2A・2B)はステーション10と容易にドッキングすることができる。電気充電接点16は基板12の上面に位置し、それらがロボット装置の下面上の対応する接点(図2B)に接触できるようになっている。接点16またはロボット上の接点は、固定またはコンプライアントのいずれであってもよい。描写した実施形態において、2つの接点16(プラス1つ、マイナス1つ)は、ロボット40が基地局10にドッキングする際に完成回路を適切に検出するために利用される。この回路認識配列については以下で詳しく説明する。しかしながら、その他の実施形態において、単一の接点16または2つを超える接点が利用されることがある。追加の接点は、ロボット接点が損傷したり、汚れたり、または遮られたりした場合に冗長を提供するであろう。これにより、そのようなことの発生後であっても、ロボットはドッキングおよび自身への適切な充電が可能となるであろう。その他の実施形態は、バッテリに充電するための2つの接点16ならびに装置間でデータおよび情報を伝送するための追加の接点を利用する。
【0021】
接点16は、ロボット上の対応する接点と、確実および繰り返し可能なように接触するようなサイズおよび配置となっている。接点16は例えば、ロボット接点と確実に接触するために、特大であってもよいし、および/または例えばドーム形状で基板12の上方に伸びていてもよい。あるいは接点16は、より高い上昇角度の基板12への埋め込み型であってもよく、または平面であって実質的に上昇のない基板12の上方へ突出していてもよい。用途によって、基板12の上昇角度は0°から20°以上まで変化することがある。図1に描写した実施形態も、ロボットのフロントキャスター(図2B)に係合する大きさの2つの接点16の間にある基板12に凹部26を含む。凹部26は、充電接点16の構造と共に、基地局10およびロボットの両方にある充電接点間の適切な配列および登録を確実にする。あるいは、凹部26は、ロボットのフロントキャスター上の対応する1つ以上の接点と結合するように配置された1つ以上の接点16を含んでもよい。
【0022】
バックストップ14は、基地局10の多くのコンポーネントのための場所を提供する。特に、描写した実施形態において、バックストップ14は、トップ信号エミッタ18、フロント信号エミッタ20、いくつかのインジケータLED22、およびACプラグコンセント24を含む。トップ信号エミッタ18は、掃除機かけなどのタスクを行っている間に、概してロボットが不注意によって基地局10へ直接接触する状態になることを防止するため、基地局10付近の広範囲において回避信号(図3)などの第1の信号を生成する。トップ信号エミッタ18は回避信号を伝送するために概して放物面反射鏡を利用する。そのような実施形態において、回避信号は、その中心の周りに放物線を回転させることによって形状が定められたレンズに向けられた単一のLEDによって放射される。この放物面反射鏡はしたがって、多数のエミッタを必要とせずに回避信号60を360°パターンで投影する。同様の構造を、単一のLEDの場所に単一のレシーバが使用されているロボットにおける検出において用いることができる。
【0023】
トップ信号エミッタ18の位置は変わることがあるが、エミッタ18をバックストップ14の上端に置くことで、基地局10周囲の連続した360°のフィールドを通じて回避信号を伝送する。あるいは、角、壁上、または壁近傍へ取り付けるように設計された基地局は、実質的に遮るもののない側のみに沿って回避信号を投影することができる。フロント信号エミッタ20は、充電のために基地局10とドッキングしている間、または使用していない期間にロボット装置が自身の方向を合わせることができるよう、帰還信号(図4A〜4C)などの1つ以上の追加信号を投影する。当然ながら、基地局10に適切に置かれている場合、信号エミッタは、エミッタ18、20両方の機能を行うために使用されてよい。回避信号および帰還ビームの両方について、以下でさらに詳しく説明する。
【0024】
図2Aおよび2Bは、基地局10と結合するよう適合された自律ロボット40などのロボット装置の概略斜視図である。以下の自律ロボット40についての説明において、「前方/前部」という用語の使用は、概してロボット40の動きの主要な方向のことをいい、前後部軸という用語(図2A中の参照文字「FA」を参照)は、(前後部軸FAの矢印により示される)動きの順方向を定義し、これはロボット40の前後部軸直径と一致する。
【0025】
描写されている実施形態において、ロボット40のハウジングインフラストラクチャ42は、シャーシ44、カバー46、および置換可能なバンパー48を含む。シャーシ44は、とりわけロボット装置40を操作する様々なサブシステムの要素を取り付ける、または統合するための複数の成形ウェル、陥凹、および構造部材を含む単一要素としてプラスチックなどの材料から鋳造されてよい。そのようなサブシステムは、マイクロプロセッサ、電源サブシステム(様々なサブシステムおよびコンポーネントのための1つ以上の電源を含む)、動力サブシステム、センササブシステム、およびタスク固有のコンポーネントサブシステムを含んでよい。カバー46は、構造においてシャーシ44と相補的であり、シャーシ44に取り付けられた要素およびコンポーネントの保護とそれらへのアクセスを提供する、プラスチックなどの材料から鋳造されてよい。シャーシ44およびカバー46は、任意の適合する手段(例えば、ネジ)によって取り外し可能なように組み合わせて統合されており、シャーシ44およびカバー46は共に、前後部軸FAに沿って略対称である略円筒型構造を有する最小高さの構造包装材料を形成する。
【0026】
置換可能なバンパー48は、略弓形構造を有し、そこから外側に延長するため、シャーシ44の前方部分に移動可能な結合で取り付けられている(「通常動作位置」)。置換可能なバンパー48の取り付け構造は、バンパー48が静止している物体または所定質量の障害物に遭遇すると必ず(通常動作位置から)シャーシ44の方向に置き換えられ、その静止している物体と接触するかまたは障害が終了すると、通常動作位置に戻る(そのようなバンパー48の任意の置換に応じて、ロボット40に静止している物体または障害物を避けさせ、そのタスクルーチンを継続させる「バウンス」モードを遂行する、制御シーケンスの動作による)。
【0027】
ロボット装置40に取り付けられているのは、一対の検出器50、52である。ロボット装置40のこの実施形態において、検出器50、52は基地局10上のエミッタ18、20から投影された信号を受信する。その他の実施形態において、単一の検出器が基地局10上のエミッタ18、20両方から信号を受信するか、または2つを超える検出器を使用してもよい。ある実施形態において、検出器50、52は、全方位レンズと共にフォトダイオード、ならびに関連する増幅および検出回路を含む標準赤外線(「IR」)検出器モジュールであってよく、全方位とは実質的に単一の平面をいう。IR検出器モジュールは、East Dynamic Corporation製のタイプ(p/n IRM−8601S)であってよい。しかしながら、基地局10上のエミッタ18、20がロボット40上の検出器50、52と一致するよう適合されている限り、変調およびピーク検出波長にかかわらず、いずれの検出器を使用してもよい。別の実施形態において、電子増幅要素の有無にかかわらずIRフォトトランジスタを使用してよく、マイクロプロセッサのアナログ入力に直接的に接続してもよい。その後、ロボット40におけるIR光線の強度を計測するために信号処理を使用してもよく、これによってロボット40とIR光源との間の距離の概算が提供される。あるいは、無線周波数、磁場、および超音波センサ、ならびに変換機を用いてもよい。図2Aおよび2Bに示すように、少なくとも1つの検出器50がロボット40の最高部および軸FA上の矢印で示されるような主な移動方向によって定義されるようにロボット40の前方方向に取り付けられる。
【0028】
検出器50は影を回避するためにロボット40の最高部に取り付けられているが、ある用途においては、操作上の困難を防止しロボット40が障害物の下を通ることができるようにするため、ロボット40および/または検出器50の高さを最小化することが望ましい。ある実施形態において、検出器50は、ロボット40が固体の張り出した物体の下を走行する際に、検出器50がロボット40の本体に向けて倒壊することができるように、バネ式であってよい。
【0029】
当業者は、代替の実施形態において、複数の検出器が使用され得ることを認識するであろう。そのような実施形態は、複数の側面取り付けセンサまたは検出器を含むかもしれない。各センサは、すべてのセンサの集合的な視野が、単一の先端取り付けセンサに対応するような方式で方向付けられてよい。単一の全方位検出器は、最適性能のためにロボットの最高部に取り付けられており、複数の側面取り付け検出器を組み込むことによって、ロボットの外形を低くすることが可能である。
【0030】
ロボット装置40の着陸装置は、概して数字54で示されている。着陸装置54には、そのような位置において基地局10の電気接点16の位置と一致するよう構成される、1つ以上の充電接点が存在する。それらを映し出すロボット装置における充電接点は、それらの位置または方向にかかわらず、概して基地局10に存在する。ある実施形態において、充電接点は、接触時により広いコンプライアンスを可能にするため、基地局10またはロボット40のいずれかにおいてもっと大きくてもよい。また、ロボット40の動的およびタスク固有のコンポーネントは、着陸装置54内にある。動的コンポーネントは、当該技術分野においてよく知られているロボット40のコストまたは意図する用途に基づき、要望どおりに、モーター、ホイール、ドライブシャフト、またはトラックのいかなる組み合わせを含んでもよい。動的コンポーネントは、少なくとも1つのキャスター56を含んでよく、この実施形態において、当該キャスターはロボット40を駆動し、基板12上の凹部26と結合する。ロボット装置40が適しているタスクは事実上無限であるため、それらのタスクを行うコンポーネントもまた無限である。例えば、ロボット装置40は、床のワックスがけおよび研磨、床のこすり洗い、再氷化(一般にZamboni(登録商標)のブランド名で製造される設備によって行われる)、掃き掃除および掃除機かけ、未仕上げの床のサンディングおよび着色/塗装用途、解氷および除雪、ガラス切削などのために使用されてもよい。そのようなタスクのためのコンポーネントはいくつでも要求されてよく、それぞれ必要に応じてロボット装置40に組み込まれる。容易にする目的で、この用途については例証的な所定のタスクとして掃除機かけを説明する。しかし、本明細書において開示されているエネルギー管理および自動ドッキング機能は、様々なロボットシステムにわたる広い用途を有することが明らかであろう。
【0031】
ロボット装置40は、作業領域に効果的に掃除機をかけるため、様々な行動モードを使用する。行動モードは、同時に操作され得る制御システムの層である。マイクロプロセッサは、センサシステムからの入力に基づいて、あるシナリオに関する1つ以上の主要な行動モードを識別し遂行するための優先的なアービトレーションスキームを実行するために作動している。マイクロプロセッサは、回避、帰還、およびドッキング操縦を基地局10と協調させるためにも作動している。
【0032】
概して、上述のロボット装置40に関する行動モードは、(1)カバレッジ行動モード、(2)逃避行動モード、および(3)安全行動モードとして特徴付けられる。カバレッジ行動モードは、主としてロボット装置40にその動作を効率的および効果的な方式で行わせることができるように設計されており、一方、逃避および安全行動モードは、センサシステムからの信号が、ロボット装置40の通常動作が損なわれた(例えば、障害物が見つかった)、または損なわれる可能性がある(例えば、急斜面が検出された)ことを示している場合に遂行される、優先行動モードである。
【0033】
ロボット装置40の代表的および事例的なカバレッジ行動モード(掃除機かけの場合)は、(1)スポットカバレッジパターン;(2)障害物追跡(または端クリーニング)カバレッジパターンおよび(3)ルームカバレッジパターンを含む。スポットカバレッジパターンは、ロボット装置40に、定義された作業領域内の限られた領域、例えば交通量の多い領域を掃除させる。ある実施形態において、スポットカバレッジパターンは、旋回アルゴリズム(ただし、多角形など、その他の種類の自己制限領域アルゴリズムを使用してもよい)を用いて遂行される。旋回アルゴリズムは、ロボット装置40の内外への旋回動作を引き起こすものであり、移動した時間または距離に応じてその旋回半径を変更する(したがって、ロボット装置40の旋回移動パターンを増加/減少させる)ため、マイクロプロセッサから動力システムへの制御信号により遂行される。
【0034】
ロボット装置40は、所定または任意の期間、所定または任意の距離を(例えば、最大旋回距離)、および/または特定のイベントの発生、例えば1つ以上の障害物検出システムの起動(遷移状態と総称される)まで、スポットカバレッジパターンにて操作される。遷移状態が発生すると、ロボット装置40は、例えば直線行動モード(ロボット装置40の一実施形態において、直線行動モードは、優先順位の低い、プリセット速度訳0.306m/秒でロボットをほぼ直線で進ませるデフォルト行動である)または直線行動モードと組み合わせたバウンス行動モードなどの異なる行動モードを遂行またはそれに遷移することができる。バウンス行動モードは、ロボット装置40が静止している物体または障害物を避け、そのタスクルーチンを継続できるようにする基本的機能である。回避は、障害物が検出されなくなる(例えば、バンパー48がもはや圧縮されなくなる)まで一連の旋回を実行することにより実現する。
【0035】
ロボット装置40が障害物に遭遇したために遷移状態が起こった場合、ロボット装置40は異なる行動モードへ遷移する代わりに別の措置を講じることができる。ロボット装置40は、障害物を回避または逃避し、旋回アルゴリズムの制御の下に操作を再開する(すなわち、同じ方向での旋回を継続する)ために、一時的に行動モードを遂行することができる。あるいは、ロボット装置40は、障害物を回避または逃避し、旋回アルゴリズムの制御の下に操作を再開する(ただし、逆方向の反射型旋回で)ために、一時的に行動モードを遂行することができる。
【0036】
障害物追跡カバレッジパターンは、ロボット装置40に、例えば壁によって境界された部屋などの作業領域の周辺、および/または定義された作業領域内の障害物(例えば、家具)の周辺を掃除させる。好ましくは、ロボット装置40は、ロボット装置40が障害物の周辺に隣接して移動し、同時にそれに沿って掃除するよう、壁や家具などの障害物に対するその位置を引き続き維持するために、障害物追跡システムを利用する。障害物追跡行動パターンを遂行するには、障害物追跡システムの異なる実施形態が使用できる。
【0037】
ある実施形態において、障害物追跡システムは、障害物の存在または不在を検出するために作動される。代替の実施形態において、障害物追跡システムは、障害物を検出し、その後、障害物とロボット装置40との間に所定の距離を保つために作動される。第1の実施形態において、マイクロプロセッサは、障害物追跡システムからの信号を受けて、障害物に対するその位置を維持するための小さな時計回りまたは反時計回りの旋回を遂行するために作動している。ロボット装置40は、ロボット装置40が障害物検出から非検出へ(反射から非反射へ)遷移した場合に小さな時計回りの旋回を遂行するか、または、ロボット装置40が非検出から検出へ(非反射から反射へ)遷移した場合に小さな反時計回りの旋回を遂行する。障害物からの所定の距離を保つため、同様の旋回行動がロボット装置40によって遂行される。
【0038】
ロボット装置40は、所定または任意の期間、所定または任意の距離を(例えば、最大または最小距離)、および/または特定のイベントの発生、例えば1つ以上の障害物検出システムが所定の回数起動される(遷移状態と総称される)まで、障害物追跡行動モードにて操作される。ある実施形態において、マイクロプロセッサはロボット装置40に、障害物追跡行動モードにおける障害物検出システムの起動時に整列行動モードを遂行させ、ロボット40は、ロボット装置40を障害物と整列させるため、最小角度の反時計回りの旋回を遂行実装するであろう。
【0039】
ルームカバレッジパターンは、壁、階段、障害物、またはその他の仕切り(例えば、ロボット装置40が他の境界されていない区域を通るのを防止する仮想壁ユニット)によって境界された、定義された作業領域を掃除するため、ロボット装置40によって使用され得る。ルームカバレッジパターンのある実施形態は、直線行動モードと組み合わせたランダムバウンスモードを含む。はじめに、ロボット装置40は、障害物に遭遇するまで直線行動モードの制御の下で移動する(同じ回転速度で同じ方向にホイール操作を行う)。障害物は、壁との物理的接触または基地局回避信号の検出によって示され得る。1つ以上の障害物検出システムの起動時、マイクロプロセッサは、起動された障害物検出システムに基づいて新しい方向の許容可能範囲を演算するために作動している。マイクロプロセッサは、新しい機首方位を許容可能範囲から選択し、新しい機首方位を最小の動作で実現するために、時計回りまたは反時計回りの旋回を遂行する。いくつかの実施形態において、新しい旋回機首方位に続いて、ロボット40の掃除効率を上げるために前進してもよい。新しい機首方位は、無作為に、またはガウス分布のような何らかの統計的選択スキームに基づいて選択してよい。ルームカバレッジ行動モードのその他の実施形態において、マイクロプロセシングユニットは、センサシステムからの入力なしに、無作為または所定の時間に機首方位を変更するようプログラムされてもよい。
【0040】
ロボット装置40は、所定または任意の期間、所定または任意の距離を(例えば、最大または最小距離)、および/または特定のイベントの発生、例えば1つ以上の障害物検出システムが所定の回数起動される(遷移状態と総称される)まで、ルームカバレッジ行動モードにて操作される。
【0041】
ロボット装置40のある実施形態は、旋回行動モード、端行動モード、ホイールドロップ行動モード、および減速行動モードという4つの逃避行動モードを含む。当業者は、ロボット装置40によってその他の行動モードが利用され得ることを十分に理解するであろう。これらの行動モードのうち1つ以上が、例えば、タスクコンポーネントの1つにおける電流発生(ある種の妨害を示す)、所定の期間圧縮された位置にある前方バンパー48、またはホイールドロップイベントの検出に応じて遂行され得る。
【0042】
旋回行動モードにおいて、ロボット装置40は、高速度(例えば、通常旋回速度の2倍)から始めて低速度(通常旋回速度の半分)へ低下させ、すなわち、それぞれ小パニック旋回と大パニック旋回であるが、無作為な方向に配置される。低パニック旋回は、好ましくは45°から90°の範囲、大パニック旋回は好ましくは90°から270°の範囲である。旋回行動モードは、ロボット装置40が、表面の障害(たとえば、カーペットの高い地点)に引っ掛かること、その他の障害物(例えば、突出部)の下で動きがとれなくなること、または密閉区域に閉じ込められることを防止する。
【0043】
端行動モードにおいて、ロボット装置40は、障害物検出ユニットのいずれも起動することなく、または端行動モードの開始からロボット装置40が所定の度数で旋回するまで、所定の度数で旋回した障害ユニットの端を辿る。端行動モードによって、ロボット装置40は、密閉区域から逃れるために可能性のある最小の開口部を通って移動することができる。
【0044】
ホイールドロップ行動モードにおいて、マイクロプロセッサは、ホイールドライブアセンブリの方向を一時的に反対に向けた後、停止させる。起動したホイールドロップセンサが所定時間内に動作を停止すると、マイクロプロセッサはホイールドロップセンサの起動前に実行された行動モードを再度遂行する。
【0045】
例えばホイールドロップセンサまたは傾斜面検出器の起動など、ある一定のイベントを受けて、所定の距離ロボット装置40を減速した後に通常動作速度に戻すために、減速行動モードが遂行される。
【0046】
例えば一連のタスクコンポーネントまたは電気モーターを一時的にオフにさせるホイール失速、もしくは、所定時間より長く起動されたホイールドロップセンサまたは傾斜面検出センサなどの安全状態がセンササブシステムによって検出された場合、ロボット装置40は概してオフ状態になる。また、警報音が発生することがある。
【0047】
ロボット装置40の典型的な行動モードについての上述の説明は、ロボット装置40によって遂行されうる動作モードの種類の代表的なものを意図している。当業者は、上述の行動モードがその他の組み合わせで遂行されてもよく、またその他のモードが特定の用途において望ましい結果を実現すると定義され得ることを十分に理解するであろう。
【0048】
ナビゲーション制御システムは、ロボット装置40により自律的に遂行されるランダム運動を含む運動アルゴリズムに、確定コンポーネントを(ロボット装置40の動作を制御する制御信号の形で)追加することにより、その掃除効率を高めるためにロボット装置40と組み合わせて有利に使用することができる。ナビゲーション制御システムは、ナビゲーション制御アルゴリズムの指示の下に動作する。ナビゲーション制御アルゴリズムは、所定のトリガーイベントの定義を含む。
【0049】
大まかに説明すると、ナビゲーション制御システムは、ナビゲーション制御アルゴリズムの指示の下、ロボット装置40の運動活動を監視する。一実施形態において、監視された運動活動は、以下でさらに詳しく説明するように、ロボット装置40の「位置履歴」という語で定義される。別の実施形態において、監視された運動活動は、ロボット装置40の「瞬間位置」という語で定義される。
【0050】
所定のトリガーイベントは、ロボット40の運動活動における特定の出来事または状態である。所定のトリガーイベントを認識すると、ナビゲーション制御システムは制御信号を生成しそれをロボット装置40へ伝えるために動作する。制御信号を受けてロボット装置40は、制御信号により命じられた行為、すなわち規定行為を遂行または実行するために動作する。この規定行為は、ロボット装置40の運動活動の確定コンポーネントを意味する。
【0051】
掃除機をかける間に、ロボット装置40は静止している基地局10へ定期的に接近するであろう。基地局10に接触すると、基地局を損傷したり、ドッキングが不可能な場所に基地局を移動したりする可能性がある。したがって、回避機能性が望ましい。不注意による接触を回避するため、基地局10は、図3に描写するように回避信号60を生成することができる。回避信号60は、バックストップ14の上端にあるエミッタ18から伝送されているのが示されている。基地局10から回避信号60までの半径範囲は、事前定義の出荷時設定、ユーザ設定、またはその他の事項に応じて変わることがある。回避信号60は、ロボット40との意図しない接触から基地局10を保護するために十分な距離を想定することが最低限必要である。回避信号60の範囲は、用途に応じて、基地局10の外周から、基地局10から数フィートのところまで広がることができる。
【0052】
複数の単一固定ビームまたは信号などその他の信号も考えられるが、ここでは回避信号60は全方位(すなわち、単一面)赤外線ビームとして描写されている。しかしながら、固定ビームを使用する場合、十分な数であればロボット装置40がそれらに遭遇する機会を増加させるため、基地局10の周囲に適正なカバレッジを提供する場合がある。ロボット装置40の検出器50がエミッタ18から回避信号60を受信すると、ロボット装置40は基地局10を回避するために、要求どおりにその進路を変更することができる。あるいは、ロボット装置40が(充電またはその他のドッキング目的のために)積極的または消極的に基地局10を探している場合、図4Aおよび4Bを参照して以下で説明するように、帰還信号に遭遇する機会を増加させるようなやり方で基地局10の周囲を回ることなどによってその進路を基地局10に向かうように変更することができる。
【0053】
ある実施形態において、Waitrony p/n IE−320Hなどの平行IRエミッタが使用される。太陽光ならびにその他のIR源からの潜在的な妨害により、リモートコントロール、情報携帯端末およびその他のIR通信装置など大部分のIR装置は変調され得る信号を放射する。ここでは、エミッタ18、20は38kHzでビームを変調する。本発明の実施形態において、例えば500Hzなど通常のIRビットストリームとは異なる周波数でさらに変調することでその他のIR設備との衝突を防止する。概して、回避信号60は、帰還信号62、64としてコードされる。ロボット40が同時に複数の信号を受信した場合でも、ロボット装置40が各信号の存在を検出できるよう、バイナリコードに加えてビット符号化方法が選択される。
【0054】
回避信号60の計測可能なレベルのIR放射線が検出器50に当たると必ず、ロボットのIR回避行動が誘発される。一実施形態において、この行動は、IR信号が検出可能なレベルを下回るまでロボット40を左に回転させる。その後ロボット40は前の運動を再開する。左に回転することは、慣例により、ロボットが次の操作中すべての物体を右側に留めようとするため、あるシステムにおいて望ましい。ロボットの回避行動は、回避信号60の検出において左に回転する場合、その他の行動と整合する。一実施形態において、検出器50は傾斜検出器として作用する。ロボット40がIR強度のより高い領域に遭遇した場合、ロボット40は同じ場所で回転する。検出器50はロボット40の前部に取り付けられており、ロボット40は後方へ移動しないため、検出器50は常にロボット40のその他の部分より前にIR強度の増大を「確認」する。したがって、同じ場所で回転することにより、検出器50は強度の低下した範囲へ移動する。ロボット40が次に前方へ移動する際には、必然的に回避信号60から離れたIR強度の低下した範囲へ移動する。
【0055】
その他の実施形態において、基地局10は、異なる電力レベルの複数のコードされたエミッタまたは時分割多重化のシステムを使用してその電力レベルを変えるエミッタを含む。これらは、室内の離れた場所からロボット40を基地局10の方向へ操縦する、集中コードされたシグナルリングを作成する。したがって、ロボット40は、基地局10の場所の特定を容易にしたり、ドッキングしたり、いくつの部屋が既に掃除済みであるかを判断したりすること等により、常に基地局10の存在に気づくであろう。あるいは、ロボット40はIRエネルギーの傾斜を計測するためにIR領域のいたるところでその運動を使用する。傾斜の表示がマイナスである(すなわち、検出されたエネルギーが運動とともに低下している)場合、ロボット40は(IR源から離れて)直進する。傾斜の表示がプラスである(エネルギーが増加している)場合、ロボット40は旋回する。ネットエフェクトは、回避信号60の源から逃避するロボット40で「傾斜降下アルゴリズム」を遂行することである。この傾斜方法を、放射された信号の源を探すために使用してもよい。様々な電力レベルの集中リングは、生信号強度の測定のための手段がなくともこの可能性を促進する。
【0056】
回避行動100の制御論理の一実施形態の流れ図を図6Aに示す。ロボット40は、検出器50によって検出された信号110が回避信号60であるか否かを判断する。回避信号60が検出されると、ロボット40は旋回方向120を選ぶ。次いでロボット40は選択した先回方向で旋回し始め、回避信号60が検出されなくなる130まで続ける。回避信号60が検出されなくなると、ロボット40は、20°などの追加量140の旋回を継続するか、または当該ロボットは0°から135°の間で無作為に旋回してもよい。
【0057】
流れ図のステップ120において、図6Bに示す流れ図に図示されている方向選択アルゴリズム120aが使用される。ロボットの制御論理は、ビームとの間のロボットの不連続な相互作用を把握する。ロボット40は、まずカウンタを1つインクリメントする(122)。奇数番号の相互作用において、ロボット40は新しい旋回方向124、126を無作為に選び、偶数番号の相互作用において、ロボット40は最も最近の旋回方向を再度使用する。選択的に、ロボット40はどちらの方向へ旋回するか無作為に選んでよい。十分な距離に移動するまで、当該方向へ旋回し続ける。
【0058】
その他の実施形態において、ロボット40は常に単一方向に旋回するか、無作為に方向を選ぶことができる。ロボット40が常に単一方向に旋回する場合、ビームから背を向ける、室内の別の障害物にぶつかる、ビームのほうへ引き返す、ビームを再度確認する、再度ぶつかる等々により、当該ロボットがループ内において引っ掛かることがある。さらに、ロボット40が単一方向に旋回するだけの場合、結果として床の一定領域の掃除機かけに失敗することがある。したがって、ロボットのタスクが部屋中むらなく作業を完了することである場合には、単一の旋回方向は最適でないことがある。方向がまったく無作為に選ばれた場合、ロボット40は、ビームに遭遇するたび頻繁に前後へ旋回することができる。
【0059】
図6Aを再度参照すると、ステップ140の実施形態において、ロボット40は、回避信号60が失われた地点からさらに20°旋回している。旋回の弧は、特定のロボット40および用途に合わせて様々であってよい。追加の旋回により、ロボット40が回避信号60に遭遇した直後に再遭遇することを防止するのを助ける。様々な用途のために、追加の動作(線状または旋回)の量は、所定の距離、角度または回数であってよく、選択的にランダム成分を含んでよい。さらに他の実施形態において、ロボットの回避行動は、回避信号60が検出されなくなるまで、または上述のように、ロボットの方向を反対に向けることを含んでよく、当該ロボットは回避信号60を失った後、0°から135°の間で無作為に旋回してよい。
【0060】
図4A〜4Cは、帰還信号62、64を使用して基地局10を探す様々な段階のロボット装置40を描写している。ロボット装置40は、バッテリに充電する必要性を検出した場合、または部屋の掃除機かけを完了した場合に、基地局10を探すことができる。上述のように、ロボット装置40が回避信号60(およびその結果として基地局10)を検出すると、帰還信号62、64を検出するため要求に応じて移動することができる。上述の回避信号60と同様に、帰還信号62、64の投影範囲および方向は、要望どおりに変えてよい。しかしながら、より長い信号であればロボット40が基地局10を効率的に発見する機会を増加させることができることに留意すべきである。より長い信号は、ロボット装置40が特定の大きな部屋に配備されており、基地局10の位置を無作為に特定するのでは過度に時間がかかる場合にも有効であり得る。帰還信号62、64の範囲は、用途に応じて基板12の約6インチ上から基板12の数フィート上まで考えられる。当然ながら、帰還信号62、64の角度幅も用途に応じて変えてよいが、5°から60°超の範囲の角度幅が考えられる。上述したような傾斜行動は、ロボットが基地局を探し出すのを支援するためにも使用できる。
【0061】
ナビゲーションビーコンとしての動作に加えて、帰還信号62、64は(および回避信号60さえも)、プログラムデータ、フェイルセーフおよび診断情報、ドッキング制御データおよび情報、保守および制御シーケンスなどを含む情報を伝送するために使用してもよい。そのような実施形態において、これらの信号は、基地局10からの一定の信号と接触した際に一定の措置を講じるロボット40とは対照的に、制御情報、ロボットの反応のディクテーティングを提供することができる。その場合、ロボット40は、送信された信号によって指示されるように動作し、基地局10のスレーブとして以上の機能を果たす。
【0062】
ロボット40は、総機械的ガイダンス機能を必要とせずに、基地局10とのドッキングを正確かつ繰り返し可能なように行う。2つの帰還信号62、64は、ロボット装置により、例えば赤信号62と緑信号64として区別できる。IRビームは概して信号を発生させるために使用され、それ自体は不可視である。色の区別は例示目的のためだけに与えられ、どの信号が特定の側を向いているかをロボット装置40が識別する限り、いかなる「色」(すなわち、信号ビットパターン)を使用してもよい。あるいは、信号62、64は、異なる波長を使用して、または異なる搬送周波数(例えば、380kHzに対し38kHz等)を使用して区別されることもできる。
【0063】
したがって、ロボット装置40がドッキングを希望または必要とする場合、検出器50が基地局10から伝送する赤信号62を受信すれば、赤信号62をロボットの右側に留めるために移動し、基地局10から伝送する緑信号64を検出すれば、緑信号をロボットの左側に留めるために移動する。2つの信号が重複する場合(「黄」区域66)、ロボット40は基地局10が近隣にあり、ドッキングが可能であることを知る。そのようなシステムは、ロボット40の適切な方向および接近ならびにドッキングの成功を確認するため、黄区域66を実行可能な限り細くするよう最適化してもよい。あるいは、赤信号62および緑信号64を、ドッキングされるまでロボット60が追跡するであろう単一の信号で置換してもよい。
【0064】
図4A〜4Cは、2つの信号を利用するドッキング手順を様々な段階において描写している。図4Aにおいて、検出器50は緑または左の信号64領域にあり、したがってロボット装置40は、当該緑信号64をロボット40の左側に留める目的で、方向MRの右側へ移動するであろう(実際は、ロボット40は緑信号64を検出器50の左側に留めるために移動する)。同様に、図4Bにおいて、検出器50は赤または右の信号62領域にあり、したがってロボット40は、当該赤信号64を検出器50の右側に留める目的で、方向MLの左側へ移動するであろう。最後に、図4Cにおいて、検出器50は黄区域66に遭遇している。この時点で、ロボット装置40は直接基地局10へ向かう方向MFへ移動するであろう。基地局10へ接近する間、ロボット装置40はその接近速度を減速および/または掃除機かけを中断、もしくはドッキングに問題がないことを確認するためにその他の機能を行うことができる。これらの動作は、ロボット40が回避信号60を検出し、したがって基地局10が近くにあることを認識した場合、または、例えばエミッタ62、64からの信号の変更時など、その他何らかの所定の時間に生じることがある。
【0065】
ロボット40が基地局10と正しくドッキングしたことを確認するためには様々な方法が考えられる。例えば、ロボット40は、バンパー48が窪むまで、基地局10に接触したロボット40に信号を送りながら、(黄区域66内の)基地局10の方向に移動し続けることができる。別の実施形態は、ロボット40が終了地点に到達した際に充電接点に接触するよう調整された地点で黄区域66が終了するように、帰還信号62、64を重複させる。その他の実施形態は、その電気的接点が基地局10上の電気的接点に触れた際に、単にロボット40を停止させる。これは、ロボット40が、接点16を掃除し接続部の電気的インテグリティを向上させるワイピング作用を提供しながら接点16上を移動していることを保証するであろう。ロボットのバンパー48を窪ませるために必要な力に抵抗する必要はないため、これにより基地局10をさらに軽くすることも可能である。図5は、基地局10と完全にドッキングしたロボット装置40を示す。当然ながら、この手順でも検出器52または両検出器の組み合わせを利用してよい。
【0066】
本発明のこの実施形態では回避および帰還両方のためのIR信号を説明しているが、本発明のシステムおよび方法では目的を達成するためにその他の信号を使用してもよい。しかしながら、その他の種類の波動は不利な点を有する場合がある。例えば、電波に方向を持たせるのはより困難かつ高価であり、可視光線は多くの源からの妨害を被り、ユーザの気を散らす場合がある。音波が使用される可能性もあるが、音を完全に方向付けることは同様に困難であり、そのような波動はより散乱および反射しやすい傾向にある。
【0067】
図7は、掃除機かけ中のロボット装置40の制御シーケンス200を示す概略図を描写している。概して、制御シーケンス200は計測したロボット装置40のエネルギー準位に基づく3つのサブシーケンスを含む。それらは概して高エネルギー準位210、中エネルギー準位220、および低エネルギー準位230として参照される。高エネルギー準位サブシーケンス210において、ロボット装置40は、基地局212を回避しながら、(上述のような様々な行動モードを利用して)その所定のタスク、この場合は掃除機かけを行う。基地局212を回避する際、ロボット装置40はその回避行動を行い、正常に作動し続ける。このプロセスは、ロボット装置40がそのエネルギー準位214を継続的に監視している間、継続する。電源のエネルギー準位214を監視するためには、電量分析(すなわち、電源に出入りする電流を常に計測すること)または単に電源における残存電圧を計測することなど、様々な方法が利用できる。ロボット装置40のその他の実施形態は、ロボット装置40が困難なエネルギー準位サブシーケンスに入る前にどのくらいの間作動できるかを測定するため、単にメモリに格納されているタイマーおよびルックアップテーブルを用いることができる。さらに他の実施形態は、どのエネルギー準位サブシーケンスで作動しているかを判断することなく、単にロボット40に充電前に所定の期間作動させることができる。ロボット40が液体またはガス燃料で作動する場合、当該技術分野において現在知られている装置でこの準位を計測することもできる。
【0068】
残存エネルギーが所定の高準位を下回ると、ロボット40は中エネルギー準位シーケンス220に入る。ロボット40は、上述のステップ214に示した方法を用いて、掃除機かけおよび自身のエネルギー準位224の監視を継続する。しかしながら、中エネルギー準位220において、ロボット40は基地局10を「消極的に探す」(222)。基地局10を消極的に探す(222)間、ロボット装置40はその移動特性を変更せず、むしろ、ロボット40が最終的に基地局10とドッキングするまでそれぞれ追跡できる回避信号60または帰還信号62、64を偶然に検出するまで、その通常行動モードと同程度で継続する。すなわち、通常のように基地局10を回避するよりむしろロボットが消極的に探している(222)間に回避信号60を検出した場合、当該ロボットは、帰還信号62または64を検出し、その結果ドッキングが可能になるまで、その移動特性を変更する。
【0069】
あるいは、ロボット40はエネルギー準位224を所定の低準位より下に登録するまで、この中エネルギー準位サブシーケンス220で作動し続ける。この時点で、ロボット40は、動作および移動特性における変更によって特徴付けられる低準位サブシーケンス230に入る。エネルギーを変換するために、ロボット40は、基地局10を「積極的に探す」(232)ために可能な限り多くのエネルギーを変換できるようにするよう考慮して、すべての付随的システムおよび掃除機かけなどの動作への動力供給を中断してもよい。積極的に探している(232)間、基地局10を発見する機会を増加させるため、ロボット40は自身の移動特性を変更することができる。これにより、旋回移動を利用するものなどの行動モードを中断することができるため、壁追跡などのより計画的なモードを支持して、基地局の位置を特定する機会をより多く作る必要性はない。このように計画的に探すことは、回避信号60または期間信号62、64のいずれかを検出することによってロボット40が基地局10の存在を検出するまで継続するであろう。明らかに、追加のサブシーケンスは残存エネルギーが臨界レベルに到達した場合に警報を発する音、または基地局10を再配置するのを支援するために前回の基地局10への接触からロボット40が行った再構成に組み込まれることができる。
【0070】
ロボット40は、割り当てられたタスク(例えば、部屋の掃除機かけ)を完了したと判断したという理由でドッキングしてもよい。ロボット40は、部屋の大きさ、総走行時間、総移動距離、汚れ感知などに関する考慮を含む様々な要因に基づいてこの判断を下すことができる。あるいは、ロボットは、基地局10および/または基準点として壁および大きな物体を使用するルームマッピングプログラムを採用してもよい。そのタスクを完了したと判断すると、ロボット40は、迅速に基地局10を発見するために自身の移動特性を変更する。
【0071】
ロボット40は、基地局10に接触すると自律的に充電する。基地局10内の回路はロボット40の存在を検出し、次いで充電電圧をその接点16に切り替える。その後ロボット40が充電電圧の存在を検出し、その内部トランジスタ電力スイッチをオンにしてバッテリに電流を流す。一実施形態において、基地局10は定電流タイプの切り替え充電器を含む。最大電流は、短絡回路条件下であっても、約1.25アンペアに限定される。最大無負荷端子電圧は、約22Vdcに限定される。この定電流充電回路は、基地局10上の接点16およびロボット40の着陸装置54上の接点により提供される伝記的接続を介してロボット40内のバッテリに充電するために使用される。この充電シーケンスの一実施形態を以下に説明する。
【0072】
概して、ロボット40は基地局10から離れているが、充電接点16は、短絡回路電流最大1mAに限定された、5ボルトを提示するであろう。この低電圧/定電流「感知」状態は、接点16において利用可能なエネルギー量を制限し、したがって人間、動物、導電性物体により接触されるイベントにおけるそれらの安全を提供する。ロボット40の着陸装置54上の接点は、基地局10上の接点に接触した際、基地局10内の抵抗とともにインピーダンス分圧器を作成する正確な負荷抵抗を提示する。常に接点16の電圧を監視しているマイクロプロセッサは、この低電圧を認識する。この分圧器は、知られている耐用範囲で特定の電圧を作り出す。電圧が特定の範囲内になったとマイクロプロセッサが判断すると、ロボット40が存在することを検出する。その後マイクロプロセッサは(ロボットの内部バッテリに充電できる)より高い電圧/電流の充電に充電接点16へ供給するトランジスタスイッチをオンにする。あるいは、ロボット40および/または基地局10は、IRビームによって信号を送信することにより充電回路のインテグリティを検証することができ、それによってロボット40が実際にドッキングされたことを確認する。
【0073】
図8は、充電器回路概略の実施形態を描写している。基地局により5ボルトが提示された場合、抵抗分割器R101およびR116の仕事は、J25が初期の低電圧状態と接触している場合にQ48およびQ5を近づけないことである。この分割器は、R224およびQ48のベース‐エミッタ間ダイオード電圧降下と平行して、既知のインピーダンスであるR101およびR116も提供する。このTheveninのインピーダンスはドッキングステーションと直列であり、したがって分圧器を形成する。ドッキングステーション内のウィンドウコンパレータは、分割器によって作り出された特定の電圧を探す。基地局がこのインピーダンスはロボットのようである(その他何らかの導電体ではない)と判断すると、ロボットに最大限可能な22ボルト、1.25アンペアの充電電圧を供給する。
【0074】
この高電圧の開始において、R101およびR224の分割器はQ48およびQ5をそれぞれオンにするための必要条件を満たすようになっている。バッテリの劣化により実際に動作不能だった場合にロボットプロセッサがアクティブになれるようにして、オンボードロボット電子機器だけに電流が流れるようにするのは、このトランジスタの組み合わせである。
【0075】
動作可能になると、ロボットプロセッサは、R113およびD15を介して基地局電圧の存在を検出し、駆動している場合は、その駆動モーターをオフにすることができる。充電接点において安定すると、内部ロボットバッテリを計測し、電流をバッテリに流す場合に、いつ、どのような種類の充電制御回路が必要とされるかを判断することがロボットの仕事になる。例えば、バッテリが12ボルトの場合、電流がFET U9を通って継続的にバッテリへ流れるようにするために、プロセッサ制御を介してQ45およびQ47をオンにすることは許容可能である。
【0076】
しかしながら、バッテリ電圧が5ボルト未満であると見なされる場合、概してバッテリへ継続的に最大限の電流を流すことは望ましくないであろう。この状況が懸念される理由は、DOC内の電源は定電流充電器であり、当該充電器が1.25Aをバッテリに流すためにその出力電圧をバッテリ電圧よりわずかに高く調整するであろうという事実にある。場合によっては、これはバッテリ電圧自体よりも数ミリボルト高いかもしれず、バッテリが例えば3ボルトなどの低電圧である場合には、出力電圧を、オンボード基地局およびロボット電子機器一式を操作するために必要な5ボルトより下回るように降下させるであろう。
【0077】
この場合、ロボットプロセッサはその後、ロボットおよび基地局両方のエネルギー蓄積コンデンサが充電パルスを通じてそれぞれの電子機器を適切に動かし続けるために十分な充電を維持するよう、Q47に付随する充電器制御ラインにパルス幅変調を供給する。その後エネルギー蓄積コンデンサは、パルス幅変調充電サイクルのオフタイムに補給され、次の充電パルスを持続するための準備が整う。このシナリオは、継続的な充電が供給電圧を臨界レベルまで下げることができなくなる時点までバッテリが充電され、充電制御が静的レベルになることができるまで継続する。
【0078】
この実施形態におけるこのパルス幅変調プロセスはソフトウェア制御に依存しているため、基地局およびロボットの両方内にあるプロセッサの調子を監視することが重要である。充電の必要条件として次に示すのは、充電器のために、この信号ラインにおける静的な高または低状態がバッテリへの電流フローを無効にするように、Q45を介して「監視機構」が組み込まれていることである。いかなる電流を流すためにも、この制御ラインを継続的にパルスで修正し、その結果、静的放電または充電プロファイルの酷使から起こるその他のバッテリ関連のイベントによってプロセッサがラッチアップするほとんどの場合をなくすことは、ロボットプロセッサの必要条件である。当然ながら、その他の制御および関連するフェイルセーフスキームを利用してもよい。
【0079】
上述の充電シーケンスは、充電接点16が露出して電圧を加えられていても、特定の安全機能を提供する。5ボルトの検知電圧が存在する場合(すなわち、ロボット40がドッキングされていない場合)に、接点16にわたって特定の電圧降下を作り出すためには特定の抵抗が必要であり、低い検知電流は無害なため、偶然の接触による感電の危険性はない。また、検知電流が所定の範囲に入っていないため、基地局10は決して高い電圧/電流レベルへの切り替えを行わないであろう。ロボット40が存在すると基地局10が判断しない場合、当該基地局は充電電圧/電流を供給する。この充電電流は、最大約22ボルト/1.25アンペアに制限される。充電中に不注意による接触が発生したとしても、―ロボットシャーシ44は接点16を効果的にブロックするので、起こる可能性は低い―供給された電圧は比較的低いので、深刻な感電の危険をもたらさないであろう。
【0080】
基地局10が最低1分に1回から最大1秒に10回以上、定期的にロボット40を点検することによって、別のレベルの安全性が提供される。したがって、ロボット40が基地局10から(動物または人間いずれかによって)除去された場合に、充電電流は直ちに停止される可能性がある。接点16がドッキングしたロボット40と短絡している場合(意図的あるいは偶発的に、例えば、ロボット40が充電接点16上で瓦礫類を引きずる場合)にも同じ状況が当てはまる。
【0081】
この充電シーケンスのさらなる安全機能は、意図的な短絡または酸化による接点16の過熱を防止する。このタスクを行うため、温度測定サブルーチンが装備されているマイクロプロセッサに加えて、熱ブレーカーまたは類似の装置を用いることができる。しかしながら、ブレーカーは、マイクロプロセッサまたはソフトウェアの故障が発生した場合に接触温度を制御するという利点を提供する。また、基地局10の回路はシステム故障が発生した場合に温度測定サブルーチンまたはブレーカーをリセットするためにタイマーを組みこんでもよい。これらの安全制御は上述の「監視機構」に組み込んでもよい。
【0082】
基地局10とドッキングしている間に、ロボット40はその他の保守または診断チェックを行うこともできる。ある実施形態において、ロボット40は様々な要因に基づいてその電源を完全に再充電するか、部分的にのみ充電することができる。例えばロボット40が、ルートトラッキングサブルーチンを使用して、部屋のごく一部にまだ掃除機かけが必要であると判断すると、部屋の掃除を完了するために戻る前に最小限の充電だけを行うことができる。しかしながら、ロボット40が部屋を掃除しに戻る前に満充電を要求した場合、その選択も利用可能である。ロボット40がドッキングより前に部屋の掃除機かけを完了した場合、当該ロボットはドッキングし、完全に再充電し、次の掃除サイクルを始めるための信号(内部または外部いずれか)を待って待機することができる。この待機モード中、ロボット40はそのエネルギー準位を計測し続けてもよく、エネルギー準位が所定量を下回った際には充電シーケンスを開始してもよい。あるいは、ロボット40は、そのエネルギー準位をピーク付近に保つため、恒常的またはほぼ恒常的なトリクル充電を維持してよい。ドッキング位置にある間、診断機能、内部機構の掃除、ネットワークとの通信、またはデータ操作などのその他の行動も行われてよい。
【0083】
本明細書では、本発明の典型的な、および好適な実施形態であると考えられるものを説明したが、本明細書の教示から当業者には本発明のその他の変更が明らかになるであろう。本明細書で開示されている特定の製造方法および形状は典型的な性質であり、限定的であると見なされるべきものではない。したがって、本発明の精神と範囲内である限り、そのような変形はすべて添付の特許請求の範囲において保護されることが望ましい。よって、特許状により保護されることが望ましいのは、以下の特許請求の範囲において定義され、差別化されているとおりの発明である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は、本発明の一実施形態による、基地局の概略斜視図である。
【図2】図2Aは、本発明の一実施形態による、ロボット装置の概略斜視図である。図2Bは、図2Aのロボット装置の概略側面図である。
【図3】図3は、基地局によって伝送されロボット装置によって検出された、本発明の一実施形態による回避信号を描写した、ロボット装置および基地局の代表の概略斜視図である。
【図4】図4A〜4Cは、基地局により伝送されロボット装置により検出された本発明の一実施形態による帰還信号の代表の概略斜視図である。
【図5】図5は、ドッキングまたは結合場所におけるロボット装置および基地局の概略斜視図である。
【図6A】図6Aは、本発明の一実施形態による回避アルゴリズムの流れ図である。
【図6B】図6Bは、本発明の一実施形態による回避アルゴリズムの流れ図である。
【図7】図7は、本発明の一実施形態によるエネルギー管理アルゴリズムの流れ図である。
【図8】図8は、本発明の一実施形態による、充電器回路概略の実施形態を描写している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのエネルギー蓄積ユニットと信号検出器とを備えるロボット装置におけるエネルギー管理のための方法であって、
該ロボット装置と結合するための基地局を提供するステップであって、該基地局は、第1の信号エミッタおよび第2の信号エミッタを含む複数の信号エミッタを備える、ステップと、
該エネルギー蓄積ユニットに蓄積されているエネルギーの量を決定するステップであって、該量は、少なくとも、高エネルギー準位および低エネルギー準位によって特徴づけられる、ステップと、
該ロボット装置によって、少なくとも部分的に該蓄積されているエネルギーの量に基づいて所定のタスクを行うステップと、
を包含する、方法。
【請求項2】
前記蓄積されているエネルギーの量を決定するステップが、電量分析を使用するステップを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記蓄積されているエネルギーの量を決定するステップが、期間を設定するステップを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記所定のタスクを行うステップが、前記蓄積されているエネルギーの量が前記高エネルギー準位を上回る場合に発生し、該所定のタスクが、前記信号検出器による基地局回避信号の受信に応答して、前記基地局から離れる前記ロボット装置の動作を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記信号検出器による基地局帰還信号の受信に応答して、前記ロボット装置を前記基地局へ戻すステップをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ロボット装置を前記基地局へ戻すステップが、前記蓄積されているエネルギーの量が前記高エネルギー準位を下回る場合に発生する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ロボット装置を前記基地局へ戻すステップが、前記蓄積されているエネルギーの量が前記低エネルギー準位を下回る場合に発生し、前記所定のタスクが前記ロボット装置により使用されるエネルギーの削減を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記所定のタスクが、前記ロボット装置の移動特性を変更することをさらに包含する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ロボット装置に充電するステップをさらに包含する、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記所定のタスクを再開するステップをさらに包含する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1の信号エミッタおよび第2の信号エミッタを含む複数の信号エミッタを備える基地局と、ロボット装置をドッキングさせるための方法であって、
該ロボット装置を(i)該第1の信号エミッタにより伝送された第1の信号、および(ii)該第2の信号エミッタにより伝送された第2の信号に対して方向を合わせるステップと、
該ロボット装置が該基地局に近づく際に該第1および第2の信号に対する該ロボット装置の方向を維持するステップと
を包含する、方法。
【請求項12】
前記第1の信号と前記第2の信号との間の重複を前記ロボット装置により検出するステップと、
該ロボット装置により、少なくとも部分的に該信号重複によって定義された経路を辿るステップと、
該ロボット装置を前記基地局とドッキングさせるステップと
をさらに包含する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも部分的に前記信号重複によって定義された前記経路を辿るステップが、前記ロボット装置の速度を低減するステップを包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ロボット装置を前記基地局とドッキングさせるステップが、
該基地局上の充電端子との接触を該ロボット装置によって検出するステップと、
該ロボット装置の動作を停止させるステップと
を包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ロボット装置に充電するステップをさらに包含する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ロボット装置に充電するステップが複数の充電レベルを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ロボット装置の外部端子と接触させるための充電端子と、
第1の信号エミッタおよび第2の信号エミッタと
を備える基地局を備える自律システム。
【請求項18】
前記第1の信号エミッタが基地局回避信号を伝送する、請求項17に記載の自律システム。
【請求項19】
前記第2の信号エミッタが基地局帰還信号を伝送する、請求項17に記載の自律システム。
【請求項20】
前記帰還信号が一対の信号を含む、請求項19に記載の自律システム。
【請求項21】
前記一対の信号が第1の信号と第2の異なる信号を含む、請求項20に記載の自律システム。
【請求項22】
前記第1の信号と前記第2の信号が重複する、請求項21に記載の自律システム。
【請求項23】
前記第1の信号エミッタおよび前記第2の信号エミッタが、少なくとも1つの光信号を伝送する、請求項17に記載の自律システム。
【請求項24】
所定のタスクを行うためのロボット装置をさらに含む請求項17に記載の自律システムであって、
該ロボット装置が、
前記充電端子と接触するための外部端子を持つ少なくとも1つのエネルギー蓄積ユニットと、
少なくとも1つの信号検出器と
を備える、自律システム。
【請求項25】
前記少なくとも1つの信号検出器が、少なくとも1つの光信号を検出するよう適合される、請求項24に記載の自律システム。
【請求項26】
装置のバッテリに充電する方法であって、
充電器の充電端子に低エネルギーを提供するステップと、
該充電器に関連するパラメータにおける所定の変更およびその所定の大きさのうち少なくとも1つを監視することによって該装置の存在を検出するステップと、
該バッテリに充電するために該充電端子へのエネルギーを増加させるステップと
を包含する、方法。
【請求項27】
前記装置における充電のレベルを測定するステップと、
該充電のレベルが所定の閾値に満たない場合に、該装置において前記バッテリの充電を可能にするステップと
をさらに包含する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
モバイル機器に充電するためのシステムであって、
複数の第1の充電端子を備える固定充電器と、
該充電器に関連するパラメータにおける所定の変更およびその所定の大きさのうち少なくとも1つを監視することによって該装置の存在を検出するための回路と、
モバイル機器であって、
バッテリと、
第1の充電端子と結合するよう適合される、複数の第2の充電端子と
を備える、モバイル機器と、
を備える、システム。
【請求項29】
前記回路が、前記バッテリにおいて充電のレベルを決定し、前記第1の充電端子に供給される電力レベルを制御する、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記回路が、前記第2の充電端子に結合される場合、前記第1の充電端子全体にわたる所定の電圧の計測時に、該第1の充電端子に供給される前記電力パワーを増加させる、請求項29に記載のシステム。
【請求項1】
少なくとも1つのエネルギー蓄積ユニットと信号検出器とを備えるロボット装置におけるエネルギー管理のための方法であって、
該ロボット装置と結合するための基地局を提供するステップであって、該基地局は、第1の信号エミッタおよび第2の信号エミッタを含む複数の信号エミッタを備える、ステップと、
該エネルギー蓄積ユニットに蓄積されているエネルギーの量を決定するステップであって、該量は、少なくとも、高エネルギー準位および低エネルギー準位によって特徴づけられる、ステップと、
該ロボット装置によって、少なくとも部分的に該蓄積されているエネルギーの量に基づいて所定のタスクを行うステップと、
を包含する、方法。
【請求項2】
前記蓄積されているエネルギーの量を決定するステップが、電量分析を使用するステップを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記蓄積されているエネルギーの量を決定するステップが、期間を設定するステップを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記所定のタスクを行うステップが、前記蓄積されているエネルギーの量が前記高エネルギー準位を上回る場合に発生し、該所定のタスクが、前記信号検出器による基地局回避信号の受信に応答して、前記基地局から離れる前記ロボット装置の動作を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記信号検出器による基地局帰還信号の受信に応答して、前記ロボット装置を前記基地局へ戻すステップをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ロボット装置を前記基地局へ戻すステップが、前記蓄積されているエネルギーの量が前記高エネルギー準位を下回る場合に発生する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ロボット装置を前記基地局へ戻すステップが、前記蓄積されているエネルギーの量が前記低エネルギー準位を下回る場合に発生し、前記所定のタスクが前記ロボット装置により使用されるエネルギーの削減を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記所定のタスクが、前記ロボット装置の移動特性を変更することをさらに包含する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ロボット装置に充電するステップをさらに包含する、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記所定のタスクを再開するステップをさらに包含する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
第1の信号エミッタおよび第2の信号エミッタを含む複数の信号エミッタを備える基地局と、ロボット装置をドッキングさせるための方法であって、
該ロボット装置を(i)該第1の信号エミッタにより伝送された第1の信号、および(ii)該第2の信号エミッタにより伝送された第2の信号に対して方向を合わせるステップと、
該ロボット装置が該基地局に近づく際に該第1および第2の信号に対する該ロボット装置の方向を維持するステップと
を包含する、方法。
【請求項12】
前記第1の信号と前記第2の信号との間の重複を前記ロボット装置により検出するステップと、
該ロボット装置により、少なくとも部分的に該信号重複によって定義された経路を辿るステップと、
該ロボット装置を前記基地局とドッキングさせるステップと
をさらに包含する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも部分的に前記信号重複によって定義された前記経路を辿るステップが、前記ロボット装置の速度を低減するステップを包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ロボット装置を前記基地局とドッキングさせるステップが、
該基地局上の充電端子との接触を該ロボット装置によって検出するステップと、
該ロボット装置の動作を停止させるステップと
を包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ロボット装置に充電するステップをさらに包含する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ロボット装置に充電するステップが複数の充電レベルを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ロボット装置の外部端子と接触させるための充電端子と、
第1の信号エミッタおよび第2の信号エミッタと
を備える基地局を備える自律システム。
【請求項18】
前記第1の信号エミッタが基地局回避信号を伝送する、請求項17に記載の自律システム。
【請求項19】
前記第2の信号エミッタが基地局帰還信号を伝送する、請求項17に記載の自律システム。
【請求項20】
前記帰還信号が一対の信号を含む、請求項19に記載の自律システム。
【請求項21】
前記一対の信号が第1の信号と第2の異なる信号を含む、請求項20に記載の自律システム。
【請求項22】
前記第1の信号と前記第2の信号が重複する、請求項21に記載の自律システム。
【請求項23】
前記第1の信号エミッタおよび前記第2の信号エミッタが、少なくとも1つの光信号を伝送する、請求項17に記載の自律システム。
【請求項24】
所定のタスクを行うためのロボット装置をさらに含む請求項17に記載の自律システムであって、
該ロボット装置が、
前記充電端子と接触するための外部端子を持つ少なくとも1つのエネルギー蓄積ユニットと、
少なくとも1つの信号検出器と
を備える、自律システム。
【請求項25】
前記少なくとも1つの信号検出器が、少なくとも1つの光信号を検出するよう適合される、請求項24に記載の自律システム。
【請求項26】
装置のバッテリに充電する方法であって、
充電器の充電端子に低エネルギーを提供するステップと、
該充電器に関連するパラメータにおける所定の変更およびその所定の大きさのうち少なくとも1つを監視することによって該装置の存在を検出するステップと、
該バッテリに充電するために該充電端子へのエネルギーを増加させるステップと
を包含する、方法。
【請求項27】
前記装置における充電のレベルを測定するステップと、
該充電のレベルが所定の閾値に満たない場合に、該装置において前記バッテリの充電を可能にするステップと
をさらに包含する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
モバイル機器に充電するためのシステムであって、
複数の第1の充電端子を備える固定充電器と、
該充電器に関連するパラメータにおける所定の変更およびその所定の大きさのうち少なくとも1つを監視することによって該装置の存在を検出するための回路と、
モバイル機器であって、
バッテリと、
第1の充電端子と結合するよう適合される、複数の第2の充電端子と
を備える、モバイル機器と、
を備える、システム。
【請求項29】
前記回路が、前記バッテリにおいて充電のレベルを決定し、前記第1の充電端子に供給される電力レベルを制御する、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記回路が、前記第2の充電端子に結合される場合、前記第1の充電端子全体にわたる所定の電圧の計測時に、該第1の充電端子に供給される前記電力パワーを増加させる、請求項29に記載のシステム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2007−520012(P2007−520012A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551013(P2006−551013)
【出願日】平成16年1月21日(2004.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/001504
【国際公開番号】WO2005/081074
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(506244515)アイロボット コーポレーション (9)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年1月21日(2004.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2004/001504
【国際公開番号】WO2005/081074
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(506244515)アイロボット コーポレーション (9)
【Fターム(参考)】
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