説明

自発光型表示装置及びこれに用いる反射防止用フィルタ

【課題】外光反射を抑制できる自発光型表示装置及びこれに用いる反射防止用フィルタを得、表示コントラストを向上させ、低消費電力化を図る。
【解決手段】表示板面21aから表示光が出射される自発光器23を備えた自発光型表示装置において、表示板21の表示光出射方向に偏光層25と第1の偏光変換層27とを順次配設する。また、自発光型表示装置は、第1の偏光変換層27が、無偏光の光をP偏光又はS偏光のいずれか一方に変換し、表示板21と偏光層25との間に、無偏光の光をP偏光又はS偏光のいずれか他方に変換する第2の偏光変換層を配設してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示板面から表示光が出射される自発光器を備えた自発光型表示装置及びこれに用いる反射防止用フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プラズマディスプレイ(PDP)や有機ELなどの自発光型表示装置の画質が向上し、モニタや家庭向けTV用途として広く利用されるようになってきた。PDPは、放電空間を挟んで対向する一対の基板を基体とする構造の表示パネルである。表示面側となる前面側のガラス基板には、複数の対をなす行電極や保護層等が形成されている。行電極は、幅の広いITO等の帯状の透明導電膜からなる透明電極とその導電性を補う幅の狭い金属層からなる金属電極(バス電極)とから構成されている。
【0003】
一方、放電空間を介して対向配置される背面側の基板には、行電極と直交する方向に配列され、各交差部にて画素セルを形成する列電極、列電極間に帯状に設けられ放電空間を区画する隔壁、列電極及び隔壁の側面を放電空間に対して被覆するように帯状に設けられた蛍光体層が形成されている。放電空間内には、希ガスが注入封入されている。
【0004】
このように構成された面放電型のPDPを表示するに際しては、先ず、列電極と対をなす一方の行電極との間の選択的放電によるアドレス操作によって点灯セル(壁電荷が形成されたセル)及び消灯セル(壁電荷が形成されなかったセル)が選択される。アドレス操作の後、全ラインに一斉に、対をなす行電極に対して交互に放電維持パルスを印加することにより、点灯セルにおいて放電維持パルスが印加される毎に面放電が生じる。この面放電で生じた紫外線によって蛍光体層を励起し、可視光を発光させている。
【0005】
ところで、この種の自発光型表示装置では、明室環境下において、金属電極の表面、蛍光体層の表面又は隔壁の表面などで外光が反射してコントラストが低下し、視認性が劣化することが問題となっている。このような問題を解消するために、特許文献1には、例えば透過率が50%強の暗色ガラス等の半透明材料をフィルタとして用いる技術が開示されている。また、特許文献2には、放電空間を介して対向配置された前面側及び背面側の基板を備えたプラズマディスプレイパネルにおいて、前面側の基板の外表面又は内表面に、円偏光フィルタ層を設けることで、低コストで表示のコントラストを高め、表示の視認性向上を図った技術が開示されている。
【特許文献1】特開2000−164145号公報
【特許文献2】特開平11−242933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、透過率が略50%の暗色ガラス等の半透明材料をフィルタとして用いる所謂ニュートラルグレーのフィルター(「NDフィルター」とも称す)1は、図9に示すように、100%の外光L100がNDフィルター1により減光されて略50%となった透過光L50となり、自発光型表示装置3の表示板面3aで反射されて内部反射光L50となり、再びNDフィルター1を透過して出射される際に、さらにその半分となる略25%の外光反射光L25が発生する。このため、コントラスト低減効果としては十分なものとは言えなかった。また、NDフィルター1を設けることで自発光型表示装置3の内部発光による表示光D100も、NDフィルター1を透過することで略50%の表示光D50に半減されることとなった。一方、円偏光フィルタ層を設けた自発光型表示装置では、反射光をカットする仕組みであるため、反射表面の散乱特性や外光の入射角度などに応じて反射を十分に抑えることが困難であった。このような事情から従来の自発光型表示装置では、外光反射を十分に抑制できず、その結果、表示コントラストが低下し、これを補うために消費電力も増大する傾向にあった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、外光反射を十分に抑制することのできる自発光型表示装置及びこれに用いる反射防止用フィルタを提供し、もって、表示コントラストを向上させ、低消費電力化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 表示板面から表示光を出射する自発光器を備えた自発光型表示装置であって、前記表示板の表示光出射方向に、偏光層と、P偏光又はS偏光のいずれか一方に揃える第1の偏光変換層とが順次配設されたことを特徴とする自発光型表示装置。
【0008】
この自発光型表示装置によれば、自発光器の表示板面に向かう外光は、第1の偏光変換層を通過することで、無偏光の光(P偏光及びP偏光を含むという意味で「偏光P,S」と記す)からP偏光又はS偏光のいずれか一方(例えば偏光S,S)に偏光される。次いで、P偏光又はS偏光のいずれか一方に変換された光(偏光S,S)は、P偏光又はS偏光のいずれか一方(偏光S)を透過させない偏光層に入射することで表示板面への照射が阻止される。つまり、外光(偏光P,S)は、第1の偏光変換層により偏光方向が特定の方向に揃った直線偏光光に変換されて、光の偏光方向に吸収軸を持つ偏光層により吸収される。したがって、外光が自発光器の表示板面に反射されて発生する外部光反射が生じなくなる。なお、自発光器の表示板面から出射される内部発光光である表示光(偏光P,S)は、P偏光又はS偏光のいずれか他方(偏光P)のみが偏光層を通過し、次いで第1の偏光変換層を通過することで、内部発光光の略半分の表示光(偏光P,S)となって出射される。
【0009】
(2) 前記第1の偏光変換層が、無偏光光をP偏光又はS偏光のいずれか一方に変換するものであり、前記表示板と前記偏光層との間に、無偏光光をP偏光又はS偏光のいずれか他方に変換する第2の偏光変換層が配設されたことを特徴とする(1)記載の自発光型表示装置。
【0010】
この自発光型表示装置によれば、自発光器の表示板面に向かう外光は、第1の偏光変換層を通過することで、無偏光の光(偏光P,S)からP偏光又はS偏光のいずれか一方(例えば偏光S,S)に偏光される。次いで、P偏光又はS偏光のいずれか一方(偏光S,S)に変換された光は、P偏光又はS偏光のいずれか一方(偏光S)を透過させない偏光層に入射することで表示板面への照射が阻止される。つまり、外光(偏光P,S)は、第1の偏光変換層により偏光方向が特定の方向に揃った直線偏光光に変換されて、光の偏光方向に吸収軸を持つ偏光層により吸収される。したがって、外光が自発光器の表示板面に反射されて発生する外部光反射が生じなくなる。また、自発光器の表示板面から出射される内部発光光である表示光(偏光P,S)は、第2の偏光変換層を通過することで、無偏光の光(偏光P,S)からP偏光又はS偏光のいずれか他方(偏光P,P)に偏光される。次いで、P偏光又はS偏光のいずれか他方に変換された光(偏光P,P)は、P偏光又はS偏光のいずれか一方(偏光S)を透過させない偏光層に入射することで、阻止されずに透過可能となり、第1の偏光変換層を通過する。P偏光又はS偏光のいずれか他方に変換された光(偏光P,P)は、第1の偏光変換層を通過することでPS偏光となり、半減することなく表示光として出射される。
【0011】
(3) 前記表示板の表示光出射方向に前記表示板に対して略平行な透明前面板が配設され、前記透明前面板の前記表示板側の面に前記偏光層が配設されるとともに、前記表示側とは反対側の面に前記第1の偏光変換層が配設されたことを特徴とする(1)記載の自発光型表示装置。
【0012】
この自発光型表示装置によれば、自発光器の表示側に別体の透明前面板が配設される自発光型表示装置において、当該透明前面板の両面に、偏光層と第1の偏光変換層とが形成される。偏光層と第1の偏光変換層との積層順は、自発光器の表示板面から偏光層、第1の偏光変換層の順となり、(1)項に記載される構成の積層順と同様となる。したがって、外光の反射防止作用・表示光の出射作用は、(1)項記載と同様となる。これに加え、偏光層、第1の偏光変換層を備えた透明前面板が、自発光器と別体で製作可能となることで、上記作用・効果を有する自発光型表示装置の製造工程を柔軟かつ簡素にすることが可能となる。
【0013】
(4) 前記表示板の表示光出射方向に前記表示板に対して略平行な透明前面板が配設され、前記表示板面に前記偏光層が配設されるともに、前記透明前面板の表示板側の面に前記第1の偏光変換層が配設されたことを特徴とする(1)記載の自発光型表示装置。
【0014】
この自発光型表示装置によれば、自発光器の表示側に別体の透明前面板が配設される自発光型表示装置において、表示板面に偏光層、透明前面板の表示板側の面に第1の偏光変換層が形成される。偏光層と第1の偏光変換層との積層順は、自発光器の表示板面から偏光層、第1の偏光変換層の順となり、(1)項に記載される構成の積層順と同様となる。したがって、外光の反射防止作用・表示光の出射作用は、(1)項記載と同様となる。これに加え、第1の偏光変換層を備えた透明前面板が、自発光器と別体で製作可能となることで、上記作用・効果を有する自発光型表示装置の製造工程を柔軟かつ簡素にすることが可能となる。また、透明前面板の表示光出射面には偏光変換層等の作用層が形成されなくなるので、透明前面板の自発光器防護用パネルとしての使用が可能となる。
【0015】
(5) 前記表示板の表示光出射方向に前記表示板に対して略平行な透明前面板が配設され、前記表示板面に前記第2の偏光変換層が配設されるとともに、前記透明前面板の表示板側の面に前記偏光層が配設され、かつ前記表示板側とは反対側の面に前記第1の偏光変換層が配設されたことを特徴とする(2)記載の自発光型表示装置。
【0016】
この自発光型表示装置によれば、自発光器の表示側に別体の透明前面板が配設される自発光型表示装置において、当該透明前面板の両面に、偏光層と第1の偏光変換層とが形成され、自発光器の表示板面に第2の偏光変換層が形成される。第2の偏光変換層、偏光層、及び第1の偏光変換層との積層順は、自発光器の表示板面から第2の偏光変換層、偏光層、第1の偏光変換層の順となり、(2)項に記載される構成の積層順と同様となる。したがって、外光の反射防止作用・表示光の出射作用は、(2)項記載と同様となる。これに加え、偏光層、第1の偏光変換層を備えた透明前面板が、自発光器と別体で製作可能となることで、上記作用・効果を有する自発光型表示装置の製造工程を柔軟かつ簡素にすることが可能となる。
【0017】
(6) 前記表示板面に、表示光出射方向に向かって前記偏光層と前記第1の偏光変換層とが順次積層されたことを特徴とする(1)記載の自発光型表示装置。
【0018】
この自発光型表示装置によれば、自発光器の表示板面に偏光層と第1の偏光変換層とが直接積層形成される。偏光層と第1の偏光変換層との積層順は、自発光器の表示板面から偏光層、第1の偏光変換層の順となり、(1)項に記載される構成の積層順と同様となる。したがって、外光の反射防止作用・表示光の出射作用は、(1)項記載と同様となる。これに加え、表示側に別体の透明前面板を配設せずに、偏光層、第1の偏光変換層を備えることでき、上記作用・効果を有する自発光型表示装置を簡素に構成することが可能となる。
【0019】
(7) 前記第1の偏光変換層の表示光出射側に、波長依存性の吸収特性を有する染料含有層の設けられた反射防止フィルムが積層されたことを特徴とする(1)項〜(6)項のいずれか1項記載の自発光型表示装置。
【0020】
この自発光型表示装置によれば、特定の波長領域に最大吸収波長を有する可視光吸収染料を含む染料含有層が塗布層として設けられることで、自発光型表示装置に入射する外光が、先ず反射防止フィルムに入射することとなり、当該反射防止フィルムを透過しない場合に比べて外光が軽減された状態で、さらに上記構成の反射防止用フィルタへ入射して上記同様の作用・効果によって外部光反射が生じなくなる。これにより、外光反射の十分な抑制が可能となり、自発光型表示装置の表示コントラストが一層有効に改善される。
【0021】
(8) 前記自発光器がプラズマディスプレイであることを特徴とする(1)項〜(7)項のいずれか1項記載の自発光型表示装置。
【0022】
この自発光型表示装置によれば、表示板面の下層に設けられたセル空間にHe−Xe又はHe−Kr等の混合ガスが封入され、セル空間に対向して設けられた陽極と陰極との交点で放電が行われ、それによって発生した電子線の照射により各セル空間の蛍光体が励起発光され、表示板面から出射される。この表示板面に対する外光の反射が上記作用・効果によって阻止されるとともに、表示板面からの励起発光が上記作用・効果によって少なくとも偏光層、第1の偏光変換層を透過して表示光として出射される。
【0023】
(9) 前記自発光器が有機ELパネルであることを特徴とする(1)項〜(7)項のいずれか1項記載の自発光型表示装置。
【0024】
この自発光型表示装置によれば、表示板面の下層に発光層と、この発光層を挟持する陰極と陽極とが設けられ、両電極間に電圧が印加されることにより、発光層が励起されて発光し、その発光光が表示板面から出射される。この表示板面に対する外光の反射が上記作用・効果によって阻止されるとともに、表示板面からの発光光が上記作用・効果によって少なくとも偏光層、第1の偏光変換層を透過して表示光として出射される。
【0025】
(10) 表示板面から表示光を出射する自発光器を備えた自発光型表示装置における前記表示板の表示光出射方向に、前記表示板に対して略平行に配設される反射防止用フィルタであって、前記表示板に対して略平行に配設された透明基板に、偏光層と偏光変換層とがこの順で表示光出射方向に順次配設されたことを特徴とする反射防止用フィルタ。
【0026】
この反射防止用フィルタによれば、自発光器の表示板面に向かう外光は、第1の偏光変換層を通過することで、無偏光の光(偏光P,S)からP偏光又はS偏光のいずれか一方に偏光される。次いで、P偏光又はS偏光のいずれか一方を透過させない偏光層に入射することで表示板面への照射が阻止される。したがって、外光が、自発光器の表示板面に反射される外部光反射が生じなくなる。これにより、外光反射を十分に抑制することができ、その結果、自発光型表示装置の表示コントラストを向上させ、低消費電力化を達成させることができる。
【0027】
(11) 前記偏光変換層上に、特定の波長領域を吸収する染料含有層の設けられた反射防止フィルムが積層されたことを特徴とする(10)記載の反射防止用フィルタ。
【0028】
この反射防止用フィルタによれば、特定の波長領域に最大吸収波長を有する可視光吸収染料を含む染料含有層が塗布層として設けられることで、自発光型表示装置に入射する外光が、先ず反射防止フィルムに入射することとなり、当該反射防止フィルムを透過しない場合に比べて外光が軽減された状態で、さらに上記構成の反射防止用フィルタへ入射して上記同様の作用・効果によって外部光反射が生じなくなる。これにより、外光反射のより十分な抑制が可能となり、自発光型表示装置の表示コントラストが一層有効に改善される。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る自発光型表示装置によれば、表示板面から表示光が出射される自発光器を備え、表示板の表示光出射方向に、偏光層と第1の偏光変換層とを順次配設したので、自発光器の表示板面に向かう外光は、第1の偏光変換層を通過することで、無偏光の光(偏光P,S)からP偏光又はS偏光のいずれか一方に偏光され、次いで、P偏光又はS偏光のいずれか一方を透過させない偏光層に入射することで表示板面への照射が阻止される。これにより、外部光反射が生じなくなり、外光反射を十分に抑制することができ、その結果、表示コントラストを向上させ、低消費電力化を達成することができる。
【0030】
本発明に係る反射防止用フィルタによれば、自発光型表示装置の表示板と略平行に配設され、表示板と略平行な透明基板の表示板側の面に偏光層が配設されるとともに、その反対面に偏光変換層が配設されてなるので、自発光型表示装置の表示板面に対面配置することで、自発光器の表示板面に向かう外光は、第1の偏光変換層を通過することで、無偏光の光(偏光P,S)からP偏光又はS偏光のいずれか一方に偏光され、次いで、P偏光又はS偏光のいずれか一方を透過させない偏光層に入射することで表示板面への照射が阻止される。これにより、外部光反射が生じなくなり、外光反射を十分に抑制することができ、その結果、自発光型表示装置の表示コントラストを向上させ、低消費電力化を達成させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明に係る自発光型表示装置及びこれに用いる反射防止用フィルタの好適な実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る自発光型表示装置の基本構成を表す概念図、図2は図1に示した第1の偏光変換層の作用を表す拡大断面図である。
本実施の形態による自発光型表示装置の基本構成は、図1に示すように、表示板面21aから表示光が出射される自発光器23を備えた自発光型表示装置において、表示板21の表示光出射方向に偏光層25と第1の偏光変換層27とが順次配設されている。
【0032】
第1の偏光変換層27は、図2に一構成例を示すように。直角プリズムの一方の斜面に誘電体多層膜をコートすることで偏光分離面29を形成して、外光である無偏光の光(偏光P,S)に対し、P偏光とS偏光を分離可能としている。また、無偏光の光(偏光P,S)の透過側には延伸高分子フィルムからなる1/2波長板31が配設され、内面に屈折異方性を発現させる。
【0033】
この自発光型表示装置では、自発光器23の表示板面21aに向かう外光は、第1の偏光変換層27を通過することで、無偏光の光(偏光P,S)からP偏光又はS偏光のいずれか一方(例えば偏光S,S)に偏光される。次いで、P偏光又はS偏光のいずれか一方に変換された光(偏光S,S)は、P偏光又はS偏光のいずれか一方(偏光S)を透過させない偏光層25に入射することで表示板面21aへの照射が阻止される。
【0034】
つまり、外光(偏光P,S)は、第1の偏光変換層27により偏光方向が特定の方向に揃った直線偏光光に変換されて、光の偏光方向に吸収軸を持つ偏光層25により吸収される。したがって、外光が、自発光器23の表示板面21aに反射される外部光反射が生じなくなる。また、自発光器23の表示板面21aから出射される内部発光光である表示光(偏光P,S)は、P偏光又はS偏光のいずれか他方(偏光P)のみが偏光層25を通過し、略半分の透過光となり、次いで第1の偏光変換層27を通過することで、内部発光光の略半分の表示光(偏光P,S)となって出射される。
【0035】
また、本発明に係る自発光型表示装置は、図1に示した基本構成の変形例として、図3に示すように、第1の偏光変換層27が、無偏光のランダム偏光(偏光P,S)をP偏光又はS偏光のいずれか一方(例えば偏光S,S)に変換し、表示板21と偏光層25との間に、無偏光のランダム偏光(偏光P,S)をP偏光又はS偏光のいずれか他方(偏光P,P)に変換する第2の偏光変換層33が配設されるものであってもよい。
【0036】
このような第2の偏光変換層33を追加した構成では、図3に示すように、自発光器23の表示板面21aに向かう外光は、第1の偏光変換層27を通過することで、無偏光の光(偏光P,S)からP偏光又はS偏光のいずれか一方(例えば偏光S,S)に偏光される。次いで、P偏光又はS偏光のいずれか一方(偏光S,S)に変換された光は、P偏光又はS偏光のいずれか一方(偏光S)を透過させない偏光層に入射することで表示板面への照射が阻止される。つまり、外光(偏光P,S)は、第1の偏光変換層27により偏光方向が特定の方向に揃った直線偏光光に変換されて、光の偏光方向に吸収軸を持つ偏光層25により吸収される。したがって、外光が、自発光器23の表示板面21aに反射される外部光反射が生じなくなる。
【0037】
また、自発光器23の表示板面21aから出射される内部発光光である表示光(偏光PS)は、第2の偏光変換層33を通過することで、無偏光の光(ランダム偏光PS)からP偏光又はS偏光のいずれか他方(偏光PP)に偏光される。次いで、P偏光又はS偏光のいずれか他方に変換された光(偏光PP)は、P偏光又はS偏光のいずれか一方(偏光S)を透過させない偏光層25に入射することで、阻止されずに透過可能となり、第1の偏光変換層27を通過する。P偏光又はS偏光のいずれか他方に変換された光(偏光PP)は、第1の偏光変換層27を通過することでPS偏光となり、光量が半減することなく表示光として出射されることとなる。
【0038】
次に、図1に示した基本構成に基づく自発光型表示装置のより具体的な構成例を図4、図5(a)に基づき説明する。
この実施の形態による自発光型表示装置100では、上記の自発光器23としてプラズマディスプレイ23Pが用いられる。プラズマディスプレイ23Pの外側は、光が放射される表示板21と、この表示板21の背後に配置される背面ガラス基板35とからなる。表示板21の背面ガラス基板35に対面する面には、ニッケルやアルミペースト等が厚膜印刷されて形成された陰極37が設けられている。背面ガラス基板35の内面には、陽極39がニッケルやアルミペースト等により厚膜印刷で形成され、この陽極39上には、発光素子を構成する多数の蛍光体41が形成されている。これら蛍光体41は厚膜印刷により塗布されており、各蛍光体41の中央には放電陽極用の穴が設けられている。また、各陽極39の間には、厚膜印刷で数回重ね印刷することにより、200μm程度の厚膜の隔壁43が形成されている。
【0039】
この表示板21と背面ガラス基板35は、陰極37と陽極39とが直交し、陰極37が各蛍光体41の穴を通して露出している陽極39上と重なるように合わせられ、周囲が密封されている。また、隔壁43によって作られる陰極37と陰極37との間の空間には、He−Xe又はHe−Kr等の混合ガスが封入されている。そして、陽極39に電圧が掛けられると、陽極39と陰極37との交点で放電し、電子線の照射により各蛍光体41が励起発光する。
【0040】
この自発光型表示装置100では、図4、図5(a)に示すように、表示板21の表示光出射方向に、表示板21に対して略平行な透明前面板45が配設され、この透明前面板45の表示板側の面に偏光層25が配設されるとともに、その反対面に第1の偏光変換層27が配設されている。このように、プラズマディスプレイ23Pの表示側に別体の透明前面板45が配設される自発光型表示装置100において、透明前面板45の両面に、偏光層25と第1の偏光変換層27とが形成される。
【0041】
偏光層25と第1の偏光変換層27との積層順は、プラズマディスプレイ23Pの表示板面21aから偏光層25、第1の偏光変換層27の順となり、図1に示した基本構成の積層順と同様となる。したがって、外光の反射防止作用・表示光の出射作用は、図1に示した基本構成と同様となる。これに加え、偏光層25、第1の偏光変換層27を備えた透明前面板45が、プラズマディスプレイ23Pと別体で製作可能となることで、上記作用・効果を有する自発光型表示装置100の製造工程を柔軟かつ簡素にすることが可能となる。
【0042】
このように、透明前面板45を備える自発光型表示装置100では、透明前面板45の表裏面に、偏光層25、第1の偏光変換層27を設けることで、この積層透明前面板45を、単独の反射防止用フィルタ51として構成してもよい。このような別体となった反射防止用フィルタ51は、表示板面21aから表示光が出射されるプラズマディスプレイ23Pの表示光出射方向に、表示板21と略平行に配設される。偏光層25と第1の偏光変換層27との形成位置は、図4に示す例に限られず、表示光出射方向に向かって偏光層25と第1の偏光変換層27とが順次積層されていればよい。つまり、図示例のように、透明前面板45の表裏に偏光層25と第1の偏光変換層27とが形成されてもよく、透明前面板45の表裏のいずれか一方に、一体に積層された偏光層25及び第1の偏光変換層27が配設されてもよい。
【0043】
この反射防止用フィルタ51によっても、プラズマディスプレイ23Pの表示板面21aに向かう外光は、第1の偏光変換層27を通過することで、無偏光の光(無偏光光)からP偏光又はS偏光のいずれか一方に偏光される。次いで、透明前面板45を透過した後、P偏光又はS偏光のいずれか一方を透過させない偏光層25に入射することで表示板面21aへの照射が阻止される。したがって、外光が、プラズマディスプレイ23Pの表示板面21aに反射される外部光反射が生じなくなる。これにより、外光反射を十分に抑制することができ、その結果、自発光型表示装置100の表示コントラストを向上させ、無駄に表示光の光量を増大させる必要もないため、低消費電力化を達成させることができる。
【0044】
自発光型表示装置100において、偏光層25、第1の偏光変換層27等の配設位置は、種々のバリエーションがある。すなわち、図4、図5(a)に示した構成以外に、図5(b)に示すように、表示板面21aに偏光層25が配設されるとともに、透明前面板45の表示板側の面に第1の偏光変換層27が配設されてもよい。この配置においても、プラズマディスプレイ23Pの表示側に別体の透明前面板45が配設される自発光型表示装置において、第1の偏光変換層27を備えた透明前面板45が、プラズマディスプレイ23Pと別体で製作可能となることで、上記作用・効果を有する自発光型表示装置の製造工程を柔軟かつ簡素にすることが可能となる。また、透明前面板45の表示光出射面には第1の偏光変換層27等の作用層が形成されなくなるので、透明前面板45の取り扱い性を向上できる。
【0045】
また、図5(c)に示すように、表示板面21aに第2の偏光変換層33が配設されるとともに、透明前面板45の表示板側の面に偏光層25が配設され、かつその反対面に第1の偏光変換層27が配設されてもよい。この配置では、第2の偏光変換層33、偏光層25、第1の偏光変換層27との積層順は、図3に示した構成の積層順と同様となる。したがって、外光の反射防止作用・表示光の出射作用は、同図の構成における記載と同様となる。これに加え、偏光層25、第1の偏光変換層27を備えた透明前面板45が、プラズマディスプレイ23Pと別体で製作可能となることで、この場合においても、上記作用・効果を有する自発光型表示装置の製造工程を柔軟かつ簡素にすることが可能となる。
【0046】
さらに、図6に示すように、透明前面板45が用いられない自発光型表示装置においては、表示板面21aに、表示光出射方向に向かって偏光層25と第1の偏光変換層27とを順次直接積層することができる。この構成では、表示側に別体の透明前面板45を配設せずに、偏光層25、第1の偏光変換層27を備えることができ、上記作用・効果を有する自発光型表示装置を簡素に構成することが可能となる。
【0047】
また、図7に示すように、自発光型表示装置100、或いは反射防止用フィルタ51は、第1の偏光変換層27の表示光出射側に、波長依存性の吸収特性を有する、即ち、特定波長領域に最大吸収波長を有する染料含有層の設けられた反射防止フィルム61が積層されるものであってもよい。この場合、自発光型表示装置100に入射する外光が、先ず反射防止フィルム61に入射することとなり、当該反射防止フィルム61を透過しない場合に比べて外光が軽減された状態で、さらに上記構成の反射防止用フィルタ51へ入射して上記同様の作用・効果によって外部光反射が生じなくなる。これにより、外光反射の十分な抑制が可能となり、自発光型表示装置100の表示コントラストが一層有効に改善される。
【0048】
ここで、上記の反射防止フィルム61の層構成について説明する。
反射防止フィルム61の基本的な構成は、染料含有層を透明支持体と低屈折率層との間に設けてなる。透明支持体と低屈折率層は、以下の関係を満足する屈折率を有する。
低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率
他の態様は、透明支持体、染料含有層、高屈折率層、そして低屈折率層の順序の層構成を有する。透明支持体、高屈折率層及び低屈折率層は、以下の関係を満足する屈折率を有する。
低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率<高屈折率層の屈折率
さらに他の態様は、透明支持体、染料含有層、中屈折率層、高屈折率層、そして低屈折率層の順序の層構成を有する。透明支持体、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層は、以下の関係を満足する屈折率を有する。
低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率<中屈折率層の屈折率<高屈折率層の屈折率。
【0049】
また、反射防止フィルム61は、染料含有層を低屈折率層とは反対側の透明支持体の面に設けてもよい。この態様では、染料含有層、透明支持体、そして低屈折率層の順序の層構成を有する。透明支持体と低屈折率層は、以下の関係を満足する屈折率を有する。
低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率
さらに他の態様は、染料含有層、透明支持体、高屈折率層、そして低屈折率層の順序の層構成を有する。透明支持体、高屈折率層及び低屈折率層は、以下の関係を満足する屈折率を有する。
低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率<高屈折率層の屈折率
また他の態様は、染料含有層、透明支持体、中屈折率層、高屈折率層、そして低屈折率層の順序の層構成を有する。透明支持体、中屈折率層、高屈折率層及び低屈折率層は、以下の関係を満足する屈折率を有する。
低屈折率層の屈折率<透明支持体の屈折率<中屈折率層の屈折率<高屈折率層の屈折率
このような反射防止フィルム61が、例えば特開2000−43175号に開示されている。
【0050】
上記の自発光型表示装置100によれば、表示板面21aから表示光が出射されるプラズマディスプレイ23Pを備え、表示板21の表示光出射方向に、偏光層25と第1の偏光変換層27とを順次配設したので、プラズマディスプレイ23Pの表示板面21aに向かう外光は、第1の偏光変換層27を通過することで、無偏光の光からP偏光又はS偏光のいずれか一方に偏光され、次いで、P偏光又はS偏光のいずれか一方を透過させない偏光層に入射することで表示板面21aへの照射が阻止される。これにより、外部光反射が生じなくなり、外光反射を十分に抑制することができ、その結果、表示コントラストを向上させ、低消費電力化を達成することができる。
【0051】
また、上記の反射防止用フィルタ51によれば、表示板21と略平行に配設され、表示板21と略平行な透明前面板45の表示板側の面に偏光層25が配設されるとともに、その反対面に第1の偏光変換層27が配設されてなるので、自発光型表示装置100の表示板面に対面配置することで、プラズマディスプレイ23Pの表示板面21aに向かう外光は、第1の偏光変換層27を通過することで、無偏光の光からP偏光又はS偏光のいずれか一方に偏光され、次いで、P偏光又はS偏光のいずれか一方を透過させない偏光層25に入射することで表示板面21aへの照射が阻止される。これにより、外部光反射が生じなくなり、外光反射を十分に抑制することができ、上位機同様の効果が得られる。
【0052】
次に、本発明に係る自発光型表示装置の他の実施の形態を説明する。
図8は自発光器に有機ELパネルが用いられた他の実施の形態に係る自発光型表示装置の断面図である。
この実施の形態による自発光型表示装置200は、自発光器23として有機ELパネル71を備えている。有機EL素子は、表示板21となる透明基板73を備えており、この透明基板73上には、陽極としての透明電極75、発光層を含む有機化合物層77、陰極としての金属電極79が順次積層されて積層体81が形成されている。この積層体81は例えばステンレス製缶等の封止部材83により覆われており、封止部材83の縁部と透明基板73とが接着剤により接着されて、乾燥窒素ガスで置換された封止部材83内に積層体81が封止されている。
【0053】
この有機ELパネル71の透明電極75と金属電極79との間に所定電流が注入されると、有機化合物層77に含まれる発光層が発光し、発光光が透明電極75及び透明基板73を透過して取り出される。
【0054】
透明電極75及び金属電極79は、有機EL素子をオン・オフ駆動する不図示の駆動回路に接続されている。駆動回路は、両電極間に電圧を印加する電源及びトランジスタやサイリスタで構成されたスイッチング素子を含んで構成されている。また、駆動回路に接続された制御回路は、有機EL素子に所定波形のパルス電圧を印加するように駆動回路を制御する。
【0055】
透明基板73は、発光光に対して透明な基板であり、ガラス基板、プラスチック基板等を用いることができる。また、透明基板73には、一般的な基板特性として、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通気性、低吸湿性等が要求される。
【0056】
透明電極75は、400nm〜700nmの可視光の波長領域において、少なくとも50%以上、好ましくは70%以上の光透過率を有するものが好ましい。透明電極75を構成するための材料としては、酸化錫、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウムなどの透明電極材料として公知の化合物の他、金や白金など仕事関数が大きい金属の薄膜を用いてもよい。また、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール又はこれらの誘導体などの有機化合物でもよい。透明導電膜については、沢田豊監修「透明導電膜の新展開」シーエムシー刊(1999年)に詳細に記載されており、本発明に適用することができる。また、透明電極12は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などにより、透明基板10上に形成することができる。
【0057】
有機化合物層77は、発光層のみからなる単層構造であってもよいし、発光層の外に、ホール注入層、ホール輸送層、電子注入層、電子輸送層等のその他の層を適宜有する積層構造であってもよい。有機化合物層77の具体的な構成(電極を含めて表示する)としては、陽極/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、などが挙げられる。また、発光層、ホール輸送層、ホール注入層、電子注入層を複数層設けてもよい。
【0058】
金属電極79は、仕事関数の低いLi、Kなどのアルカリ金属、Mg、Caなどのアルカリ土類金属、及びこれらの金属とAgやAlなどとの合金や混合物等の金属材料から形成されるのが好ましい。陰極における保存安定性と電子注入性とを両立させるために、上記材料で形成した電極を、仕事関数が大きく導電性の高いAg、Al、Auなどで更に被覆してもよい。なお、金属電極79も透明電極75と同様に、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法などの公知の方法で形成することができる。また、金属電極79を透明電極75と同様に透明導電膜で構成することもできる。
【0059】
そして、透明基板73の透明電極75が形成された面と反対側の面には、偏光層25が形成され、偏光層25にはさらに第1の偏光変換層27が積層されている。したがって、有機ELパネル71の透明基板73に向かう外光(偏光P,S)は、第1の偏光変換層27を通過することで、無偏光の光からP偏光又はS偏光のいずれか一方(例えば偏光S,S)に偏光される。次いで、P偏光又はS偏光のいずれか一方に変換された光(偏光S,S)は、P偏光又はS偏光のいずれか一方(偏光S)を透過させない偏光層25に入射することで透明基板73への照射が阻止される。
【0060】
また、透明基板73から出射される内部発光光である表示光(偏光P,S)は、P偏光又はS偏光のいずれか他方(偏光P)のみが偏光層25を通過し、次いで第1の偏光変換層27を通過することで、内部発光光の略半分の表示光(偏光P,S)となって出射されることとなる。
【0061】
この自発光型表示装置200によれば、透明基板73に対する外光の反射が上記作用・効果によって阻止されるとともに、透明基板73からの発光光が上記作用・効果によって偏光層25、第1の偏光変換層27を透過して表示光として出射され、有機ELパネル71の表示コントラストが有効に改善される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係る自発光型表示装置の基本構成を表す概念図である。
【図2】図1に示した第1の偏光変換層の作用を表す拡大断面図である。
【図3】図1に示した構成に第2の偏光変換層を追加した変形例を表す概念図である。
【図4】本発明に係る自発光型表示装置のより具体的な構成を表した要部拡大斜視図である。
【図5】偏光層と偏光変換層との配置例を(a)〜(c)に表した説明図である。
【図6】透明前面板が用いられない構成の変形例を表す断面図である。
【図7】反射防止用フィルタが設けられた反射防止用フィルタの断面図である。
【図8】自発光器に有機ELパネルが用いられた他の実施の形態に係る自発光型表示装置の断面図である。
【図9】従来の自発光型表示装置の外光反射防止作用を表す説明図である。
【符号の説明】
【0063】
21 表示板
21a 表示板面
23 自発光器
23P プラズマディスプレイ
25 偏光層
27 第1の偏光変換層
33 第2の偏光変換層
45 透明前面板
51 反射防止用フィルタ
61 反射防止フィルム
71 有機ELパネル
100,200 自発光型表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示板面から表示光を出射する自発光器を備えた自発光型表示装置であって、
前記表示板の表示光出射方向に、偏光層と、P偏光又はS偏光のいずれか一方に揃える第1の偏光変換層とが順次配設されたことを特徴とする自発光型表示装置。
【請求項2】
前記第1の偏光変換層が、無偏光光をP偏光又はS偏光のいずれか一方に変換するものであり、
前記表示板と前記偏光層との間に、無偏光光をP偏光又はS偏光のいずれか他方に変換する第2の偏光変換層が配設されたことを特徴とする請求項1記載の自発光型表示装置。
【請求項3】
前記表示板の表示光出射方向に前記表示板に対して略平行な透明前面板が配設され、
前記透明前面板の前記表示板側の面に前記偏光層が配設されるとともに、前記表示側とは反対側の面に前記第1の偏光変換層が配設されたことを特徴とする請求項1記載の自発光型表示装置。
【請求項4】
前記表示板の表示光出射方向に前記表示板に対して略平行な透明前面板が配設され、
前記表示板面に前記偏光層が配設されるともに、前記透明前面板の表示板側の面に前記第1の偏光変換層が配設されたことを特徴とする請求項1記載の自発光型表示装置。
【請求項5】
前記表示板の表示光出射方向に前記表示板に対して略平行な透明前面板が配設され、
前記表示板面に前記第2の偏光変換層が配設されるとともに、前記透明前面板の表示板側の面に前記偏光層が配設され、かつ前記表示板側とは反対側の面に前記第1の偏光変換層が配設されたことを特徴とする請求項2記載の自発光型表示装置。
【請求項6】
前記表示板面に、表示光出射方向に向かって前記偏光層と前記第1の偏光変換層とが順次積層されたことを特徴とする請求項1記載の自発光型表示装置。
【請求項7】
前記第1の偏光変換層の表示光出射側に、波長依存性の吸収特性を有する染料含有層の設けられた反射防止フィルムが積層されたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の自発光型表示装置。
【請求項8】
前記自発光器がプラズマディスプレイであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の自発光型表示装置。
【請求項9】
前記自発光器が有機ELパネルであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項記載の自発光型表示装置。
【請求項10】
表示板面から表示光を出射する自発光器を備えた自発光型表示装置における前記表示板の表示光出射方向に、前記表示板に対して略平行に配設される反射防止用フィルタであって、
前記表示板に対して略平行に配設された透明基板に、偏光層と偏光変換層とがこの順で表示光出射方向に順次配設されたことを特徴とする反射防止用フィルタ。
【請求項11】
前記偏光変換層上に、特定の波長領域を吸収する染料含有層の設けられた反射防止フィルムが積層されたことを特徴とする請求項10記載の反射防止用フィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−171830(P2007−171830A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−372644(P2005−372644)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】