説明

臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法

【課題】本発明は、炭素数の少ないアルキル基が選択的に臭素化された臭素化ジアルキルケトン化合物、特に臭素化メチルアルキルケトン化合物を、容易にかつ高収率で得ることができる該化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る下記式(3)で表わされる臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法は、
式(1)


〔式中、R1は、置換基を有していてもよい炭素数1から6の直鎖状もしくは分岐状のア
ルキル基、または
式(2) −R2COOR3 ・・・(2)
(式中、R2は炭素数1から6のアルキレン基であり、R3は水素または炭素数1から6のアルキル基である。)で表わされる基である。〕
で表わされるジアルキルケトン化合物を、メタノール溶媒中、酸の存在下に臭素と反応させることを特徴とする。


(式中、R1は、式(1)と同様である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬、農薬、写真薬などの工業薬品の中間原料として有用な、臭素化ジアルキルケトン化合物、特に臭素化メチルアルキルケトン化合物の製造方法に関する。更に詳しくは、非対称ジアルキルケトン化合物のアルキル基を選択的に臭素化することの可能な臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法に関する。この製造方法により得られる臭素化ジアルキルケトン化合物は、医薬や農薬等の生理活性物質、工業薬品などの工業用中間原料として有用な化合物である。
【背景技術】
【0002】
一般に、非対称なジアルキルケトン化合物を臭素化すると、炭素が多い方のアルキル基の炭素が選択的に臭素化される。しかし、反応条件を選択することにより炭素が少ない方のアルキル基の炭素が選択的に臭素化される場合がある。
【0003】
そのような例として、非対称なジアルキルケトン化合物であるレブリン酸をメタノールに溶解し、臭素を滴下し、さらに還流して反応させることにより、5−ブロモレブリン酸メチルが得られることが記載されている(特許文献1)。しかし、この方法では、還流工程が必要であり製造工程が煩雑となるばかりか、目的物の収率が低い(54.7%)という問題があった。
【0004】
また、メチル基と炭素数2以上のアルキル基とを有するジアルキルケトン化合物を、メタノール中で臭素を用いて臭素化し、炭素数の少ないメチル基が選択的に臭素化されることが示されている(非特許文献1)。この方法では、反応を室温で行うことができるものの、反応時間は21時間必要であり、反応時間が非常に長いという問題があった。さらに、この方法では、目的物の収率が低い(49%程度)という問題も依然として有していた。
【特許文献1】特開昭59−164797号公報
【非特許文献1】シンセティック・コミュニケーションズ 1994年24巻18号2557−62頁(Synthetic Communications(1994)、24(18)、2557−62)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、炭素数の少ないアルキル基が選択的に臭素化された臭素化ジアルキルケトン化合物を、容易にかつ高収率で得ることができる該化合物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は鋭意検討した結果、酸の存在下に反応を行うことにより課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、例えば、以下の事項からなる。
【0007】
1.式(1)
【0008】
【化1】

【0009】
〔式中、R1は、置換基を有していてもよい炭素数1から6の直鎖状もしくは分岐状のア
ルキル基、または
式(2) −R2COOR3 ・・・(2)
(式中、R2は炭素数1から6のアルキレン基であり、R3は水素または炭素数1から6のアルキル基である。)で表わされる基である。〕
で表わされるジアルキルケトン化合物を、メタノール溶媒中、酸の存在下に臭素と反応させることを特徴とする式(3)で表わされる臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法;
【0010】
【化2】

【0011】
(式中、R1は、式(1)と同様である。)。
2.式(1)のジアルキルケトン化合物が、式(4)
【0012】
【化3】

【0013】
(式中、R4は置換基を有していてもよい炭素数1から6の直鎖状もしくは分岐状のアル
キル基である。)で表わされる化合物である1に記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。
【0014】
3.置換基が、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基よりなる群から選ばれる少なくとも1種である1または2に記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。
4.式(4)で示されるジアルキルケトン化合物がレブリン酸メチルである2に記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。
【0015】
5.酸が、鉱酸または有機酸もしくは鉱酸と有機酸との混合物である1〜4のいずれかに記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。
6.酸が、塩酸、臭化水素、硝酸、硫酸、リン酸、安息香酸、ベンゼンジカルボン酸、パラトルエンスルホン酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ラク酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、トリフルオロ酢酸及びトリフルオロメタンスルホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である5に記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。
【0016】
7.酸が、臭化水素、または臭化水素と酢酸との混合物である5に記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。
【0017】
8.酸の添加量が、ジアルキルケトン化合物1モルに対して0.001モル〜0.3モル量である1〜7のいずれかに記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。
9.反応温度が20℃〜40℃である1に記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。
【0018】
10.ジアルキルケトン化合物と酸とメタノールとの混合液に、臭素を溶解したメタノール溶液を添加して、ジアルキルケトン化合物を臭素と反応させる1に記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。
【0019】
11.メタノール溶液が、臭素を該臭素の質量に対して0.1倍〜100倍量のメタノールで溶解した溶液である10に記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。
【発明の効果】
【0020】
本発明の製造方法によれば、室温で、かつ短い反応時間であっても、炭素数の少ないアルキル基が選択的に臭素化された臭素化ジアルキルケトン化合物を高収率で得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
本発明に係る臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法は、ジアルキルケトン化合物を、メタノール溶媒中、酸の存在下に臭素と反応させる方法である。このような方法であれば、室温で、かつ短い反応時間であっても、炭素数の少ないアルキル基側が選択的に臭素化された臭素化ジアルキルケトン化合物を高収率で得ることができる。
【0022】
まず、これら各成分について説明する。
本発明に用いるジアルキルケトン化合物は、式(1)
【0023】
【化4】

【0024】
で表わされる非対象のジアルキルケトン化合物である。
式(1)中のR1は、置換基を有していてもよい炭素数1から6の直鎖状もしくは分岐
状のアルキル基、または
式(2) −R2COOR3 ・・・(2)
(式中、R2は炭素数1から6のアルキレン基であり、R3は水素または炭素数1から6のアルキル基である。)で表わされる基を示す。
【0025】
1の置換基としては、ニトロ基、シアノ基、およびフッ素、塩素または臭素等のハロ
ゲン基が挙げられる。
1としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、メトキシカルボニルメチル基、1−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、1−メトキシカルボニルプロピル基、2−メトキシカルボニルプロピル基、3−メトキシカルボニルプロピル基、2−メトキシカルボニル−1−メチルエチル基、2−メトキシカルボニル−2−メチルエチル基、1−メトキシカルボニル−1,1−ジメチルメチル基、1−メトキシカルボニルブチル基、2−メトキシカルボニルブチル基、3−メトキシカルボニルブチル基、4−メトキシカルボニルブチル基、3−メトキシカルボニル−1−メチルプロピル基、3−メトキシ
カルボニル−2−メチルプロピル基、3−メトキシカルボニル−3−メチルプロピル基、2−メトキシカルボニル−1,2−ジメチルエチル基、2−メトキシカルボニル−1−エチルエチル基、2−メトキシカルボニル−2−エチルエチル基、エトキシカルボニルメチル基、1−エトキシカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、1−エトキシカルボニルプロピル基、2−エトキシカルボニルプロピル基、3−エトキシカルボニルプロピル基、2−エトキシカルボニル−1−メチルエチル基、2−エトキシカルボニル−2−メチルエチル基、1−エトキシカルボニル−1,1−ジメチルメチル基、1−エトキシカルボニルブチル基、2−エトキシカルボニルブチル基、3−エトキシカルボニルブチル基、4−エトキシカルボニルブチル基、3−エトキシカルボニル−1−メチルプロピル基、3−エトキシカルボニル−2−メチルプロピル基、3−エトキシカルボニル−3−メチルプロピル基、2−エトキシカルボニル−1,2−ジメチルエチル基、2−エトキシカルボニル−1−エチルエチル基、2−エトキシカルボニル−2−エチルエチル基、ブトキシカルボニルメチル基、1−ブトキシカルボニルエチル基、2−ブトキシカルボニルエチル基、1−ブトキシカルボニルプロピル基、2−ブトキシカルボニルプロピル基、3−ブトキシカルボニルプロピル基、2−ブトキシカルボニル−1−メチルエチル基、2−ブトキシカルボニル−2−メチルエチル基、1−ブトキシカルボニル−1,1−ジメチルメチル基、1−ブトキシカルボニルブチル基、2−ブトキシカルボニルブチル基、3−ブトキシカルボニルブチル基、4−ブトキシカルボニルブチル基、3−ブトキシカルボニル−1−メチルプロピル基、3−ブトキシカルボニル−2−メチルプロピル基、3−ブトキシカルボニル−3−メチルプロピル基、2−ブトキシカルボニル−1,2−ジメチルエチル基、2−ブトキシカルボニル−1−エチルエチル基、2−ブトキシカルボニル−2−エチルエチル基、イソブトキシカルボニルメチル基、1−イソブトキシカルボニルエチル基、2−イソブトキシカルボニルエチル基、1−イソブトキシカルボニルプロピル基、2−イソブトキシカルボニルプロピル基、3−イソブトキシカルボニルプロピル基、2−イソブトキシカルボニル−1−メチルエチル基、2−イソブトキシカルボニル−2−メチルエチル基、1−イソブトキシカルボニル−1,1−ジメチルメチル基、1−イソブトキシカルボニルブチル基、2−イソブトキシカルボニルブチル基、3−イソブトキシカルボニルブチル基、4−イソブトキシカルボニルブチル基、3−イソブトキシカルボニル−1−メチルプロピル基、3−イソブトキシカルボニル−2−メチルプロピル基、3−イソブトキシカルボニル−3−メチルプロピル基、2−イソブトキシカルボニル−1,2−ジメチルエチル基、2−イソブトキシカルボニル−1−エチルエチル基、2−イソブトキシカルボニル−2−エチルエチル基、ヒドロキシカルボニルメチル基、1−ヒドロキシカルボニルエチル基、2−ヒドロキシカルボニルエチル基、1−ヒドロキシカルボニルプロピル基、2−ヒドロキシカルボニルプロピル基、3−ヒドロキシカルボニルプロピル基、2−ヒドロキシカルボニル−1−メチルエチル基、2−ヒドロキシカルボニル−2−メチルエチル基、1−ヒドロキシカルボニル−1,1−ジメチルメチル基、1−ヒドロキシカルボニルブチル基、2−ヒドロキシカルボニルブチル基、3−ヒドロキシカルボニルブチル基、4−ヒドロキシカルボニルブチル基、3−ヒドロキシカルボニル−1−メチルプロピル基、3−ヒドロキシカルボニル−2−メチルプロピル基、3−ヒドロキシカルボニル−3−メチルプロピル基、2−ヒドロキシカルボニル−1,2−ジメチルエチル基、2−ヒドロキシカルボニル−1−エチルエチル基、2−ヒドロキシカルボニル−2−エチルエチル基、ニトロメチル基、1−ニトロメチル基、2−ニトロエチル基、1−ニトロプロピル基、2−ニトロプロピル基、3−ニトロプロピル基、2−ニトロ−1−メチルエチル基、2−ニトロ−2−メチルエチル基、1−ニトロ−1,1−ジメチルメチル基、1−ニトロブチル基、2−ニトロブチル基、3−ニトロブチル基、4−ニトロブチル基、3−ニトロ−1−メチルプロピル基、3−ニトロ−2−メチルプロピル基、3−ニトロ−3−メチルプロピル基、2−ニトロ−1,2−ジメチルエチル基、2−ニトロ−1−エチルエチル基、2−ニトロ−2−エチルエチル基、シアノメチル基、1−シアノメチル基、2−シアノエチル基、1−シアノプロピル基、2−シアノプロピル基、3−シアノプロピル基、2−シアノ−1−メチルエチル基、2−シアノ−2−メチルエチル基、1−シアノ−1,1−ジメチルメ
チル基、1−シアノブチル基、2−シアノブチル基、3−シアノブチル基、4−シアノブチル基、3−シアノ−1−メチルプロピル基、3−シアノ−2−メチルプロピル基、3−シアノ−3−メチルプロピル基、2−シアノ−1,2−ジメチルエチル基、2−シアノ−1−エチルエチル基、2−シアノ−2−エチルエチル基、フルオロメチル基、1−フルオロメチル基、2−フルオロエチル基、1−フルオロプロピル基、2−フルオロプロピル基、3−フルオロプロピル基、2−フルオロ−1−メチルエチル基、2−フルオロ−2−メチルエチル基、1−フルオロ−1,1−ジメチルメチル基、1−フルオロブチル基、2−フルオロブチル基、3−フルオロブチル基、4−フルオロブチル基、3−フルオロ−1−メチルプロピル基、3−フルオロ−2−メチルプロピル基、3−フルオロ−3−メチルプロピル基、2−フルオロ−1,2−ジメチルエチル基、2−フルオロ−1−エチルエチル基、2−フルオロ−2−エチルエチル基、クロロメチル基、1−クロロメチル基、2−クロロエチル基、1−クロロプロピル基、2−クロロプロピル基、3−クロロプロピル基、2−クロロ−1−メチルエチル基、2−クロロ−2−メチルエチル基、1−クロロ−1,1−ジメチルメチル基、1−クロロブチル基、2−クロロブチル基、3−クロロブチル基、4−クロロブチル基、3−クロロ−1−メチルプロピル基、3−クロロ−2−メチルプロピル基、3−クロロ−3−メチルプロピル基、2−クロロ−1,2−ジメチルエチル基、2−クロロ−1−エチルエチル基、2−クロロ−2−エチルエチル基、ブロモメチル基、1−ブロモメチル基、2−ブロモエチル基、1−ブロモプロピル基、2−ブロモプロピル基、3−ブロモプロピル基、2−ブロモ−1−メチルエチル基、2−ブロモ−2−メチルエチル基、1−ブロモ−1,1−ジメチルメチル基、1−ブロモブチル基、2−ブロモブチル基、3−ブロモブチル基、4−ブロモブチル基、3−ブロモ−1−メチルプロピル基、3−ブロモ−2−メチルプロピル基、3−ブロモ−3−メチルプロピル基、2−ブロモ−1,2−ジメチルエチル基、2−ブロモ−1−エチルエチル基、2−ブロモ−2−エチルエチル基、ブロモメチル基、1−ブロモメチル基、2−ブロモエチル基、1−ブロモプロピル基、2−ブロモプロピル基、3−ブロモプロピル基、2−ブロモ−1−メチルエチル基、2−ブロモ−2−メチルエチル基、1−ブロモ−1,1−ジメチルメチル基、1−ブロモブチル基、2−ブロモブチル基、3−ブロモブチル基、4−ブロモブチル基、3−ブロモ−1−メチルプロピル基、3−ブロモ−2−メチルプロピル基、3−ブロモ−3−メチルプロピル基、2−ブロモ−1,2−ジメチルエチル基、2−ブロモ−1−エチルエチル基、2−ブロモ−2−エチルエチル基などが挙げられる。
【0026】
ジアルキルケトン化合物の具体例としては、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルペンチルケトン、メチル−2−メチルブチルケトン、メチル−3−メチルブチルケトン、レブリン酸メチル、5−オキソヘキサン酸メチル、4−オキソ−2−メチルペンタン酸メチル、6−オキソヘプタン酸メチル、5−オキソ−2−メチルヘキサン酸メチル、5−オキソ−3−メチルヘキサン酸メチル、4−オキソ−2−エチルペンタン酸メチル、7−オキソオクタン酸メチル、6−オキソ−2−メチルヘプタン酸メチル、6−オキソ−3−メチルヘプタン酸メチル、6−オキソ−4−メチルヘプタン酸メチル、5−オキソ−2−エチルヘキサン酸メチル、5−オキソ−3−エチルヘキサン酸メチル、4−オキソ−2−プロピルペンタン酸メチル、レブリン酸エチル、5−オキソヘキサン酸エチル、4−オキソ−2−メチルペンタン酸エチル、6−オキソヘプタン酸エチル、5−オキソ−2−メチルヘキサン酸エチル、5−オキソ−3−メチルヘキサン酸エチル、4−オキソ−2−エチルペンタン酸エチル、7−オキソオクタン酸エチル、6−オキソ−2−メチルヘプタン酸エチル、6−オキソ−3−メチルヘプタン酸エチル、6−オキソ−4−メチルヘプタン酸エチル、5−オキソ−2−エチルヘキサン酸エチル、5−オキソ−3−エチルヘキサン酸エチル、4−オキソ−2−プロピルペンタン酸エチル、レブリン酸ブチル、5−オキソヘキサン酸ブチル、4−オキソ−2−メチルペンタン酸ブチル、6−オキソヘプタン酸ブチル、5−オキソ−2−メチルヘキサン酸ブチル、5−オキソ−3−メチルヘキサン酸ブチル、4−オキソ−2−エチルペンタン酸ブチル、7−オキソオクタン酸ブチル、6−オキソ−2−メチルヘプタン酸ブチ
ル、6−オキソ−3−メチルヘプタン酸ブチル、6−オキソ−4−メチルヘプタン酸ブチル、5−オキソ−2−エチルヘキサン酸ブチル、5−オキソ−3−エチルヘキサン酸ブチル、4−オキソ−2−プロピルペンタン酸ブチル、レブリン酸、5−オキソヘキサン酸、4−オキソ−2−メチルペンタン酸、6−オキソヘプタン酸、5−オキソ−2−メチルヘキサン酸、5−オキソ−3−メチルヘキサン酸、4−オキソ−2−エチルペンタン酸、7−オキソオクタン酸、6−オキソ−2−メチルヘプタン酸、6−オキソ−3−メチルヘプタン酸、6−オキソ−4−メチルヘプタン酸、5−オキソ−2−エチルヘキサン酸、5−オキソ−3−エチルヘキサン酸、4−オキソ−2−プロピルペンタン酸、4−ニトロ−2−ブタノン、5−ニトロ−2−ペンタノン、4−ニトロ−4−メチルブタノン、6−ニトロ−2−ヘキサノン、5−ニトロ−4−メチル−2−ペンタノン、5−ニトロ−3−メチル−2−ペンタノン、4−ニトロ−4−エチルブタノン、7−ニトロ−2−ヘプタノン、6−ニトロ−4−メチル−2−ヘキサノン、6−ニトロ−5−メチル−2−ヘキサノン、6−ニトロ−6−メチル−2−ヘキサノン、5−ニトロ−4,5−ジメチル−2−ペンタノン、5−ニトロ−4−エチル−2−ペンタノン、5−ニトロ−5−エチル−2−ペンタノン、4−ニトロ−4−プロピル−2−ブタノン、4−ニトロ−4−イソプロピル−2−ブタノン、4−フルオロ−2−ブタノン、5−フルオロ−2−ペンタノン、4−フルオロ−4−メチルブタノン、6−フルオロ−2−ヘキサノン、5−フルオロ−4−メチル−2−ペンタノン、5−フルオロ−3−メチル−2−ペンタノン、4−フルオロ−4−エチルブタノン、7−フルオロ−2−ヘプタノン、6−フルオロ−4−メチル−2−ヘキサノン、6−フルオロ−5−メチル−2−ヘキサノン、6−フルオロ−6−メチル−2−ヘキサノン、5−フルオロ−4,5−ジメチル−2−ペンタノン、5−フルオロ−4−エチル−2−ペンタノン、5−フルオロ−5−エチル−2−ペンタノン、4−フルオロ−4−プロピル−2−ブタノン、4−フルオロ−4−イソプロピル−2−ブタノン、4−クロロ−2−ブタノン、5−クロロ−2−ペンタノン、4−クロロ−4−メチルブタノン、6−クロロ−2−ヘキサノン、5−クロロ−4−メチル−2−ペンタノン、5−クロロ−3−メチル−2−ペンタノン、4−クロロ−4−エチルブタノン、7−クロロ−2−ヘプタノン、6−クロロ−4−メチル−2−ヘキサノン、6−クロロ−5−メチル−2−ヘキサノン、6−クロロ−6−メチル−2−ヘキサノン、5−クロロ−4,5−ジメチル−2−ペンタノン、5−クロロ−4−エチル−2−ペンタノン、5−クロロ−5−エチル−2−ペンタノン、4−クロロ−4−プロピル−2−ブタノン、4−クロロ−4−イソプロピル−2−ブタノン、4−ブロモ−2−ブタノン、5−ブロモ−2−ペンタノン、4−ブロモ−4−メチルブタノン、6−ブロモ−2−ヘキサノン、5−ブロモ−4−メチル−2−ペンタノン、5−ブロモ−3−メチル−2−ペンタノン、4−ブロモ−4−エチルブタノン、7−ブロモ−2−ヘプタノン、6−ブロモ−4−メチル−2−ヘキサノン、6−ブロモ−5−メチル−2−ヘキサノン、6−ブロモ−6−メチル−2−ヘキサノン、5−ブロモ−4,5−ジメチル−2−ペンタノン、5−ブロモ−4−エチル−2−ペンタノン、5−ブロモ−5−エチル−2−ペンタノン、4−ブロモ−4−プロピル−2−ブタノン、4−ブロモ−4−イソプロピル−2−ブタノン、4−オキソペンタンニトリル、5−オキソヘキサンニトリル、2−メチル−5−オキソペンタンニトリル、6−オキソヘプタンニトリル、5−オキソ−2−メチルヘキサンニトリル、5−オキソ−3−メチルヘキサンニトリル、4−オキソ−2−エチルペンタンニトリル、7−オキソオクタンニトリル、6−オキソ−2−メチルヘプタンニトリル、6−オキソ−3−メチルヘプタンニトリル、6−オキソ−4−メチルヘプタンニトリル、5−オキソ−2,3−ジメチルヘキサンニトリル、5−オキソ−2−エチルヘキサンニトリル、5−オキソ−3−エチルヘキサンニトリル、4−オキソ−2−プロピルペンタンニトリル、4−オキソ−2−イソプロピルペンタンニトリルなどが挙げられる。
【0027】
好ましいジアルキルケトン化合物としては、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、レブリン酸メチル、5−オキソヘキサン酸メチル、4−オキソ−2−メチルペンタン酸メチル、レブリン酸エチル、5−オキソヘキサン酸エチル、
4−オキソ−2−メチルペンタン酸エチル、レブリン酸ブチル、5−オキソヘキサン酸ブチル、4−オキソ−2−メチルペンタン酸ブチル、6−オキソヘプタン酸ブチル、レブリン酸、5−オキソヘキサン酸、4−オキソ−2−メチルペンタン酸、6−オキソヘプタン酸、4−ニトロ−2−ブタノン、5−ニトロ−2−ペンタノン,4−ニトロ−4−メチルブタノン、4−フルオロ−2−ブタノン、4−クロロ−2−ブタノン、4−ブロモ−2−ブタノン、4−オキソペンタンニトリル、5−オキソヘプタンニトリル、2−メチル−5−オキソペンタンニトリルなどが挙げられる。
【0028】
さらに、本発明においては、このようなジアルキルケトン化合物のうちでも、式(4)
【0029】
【化5】

【0030】
(式中、R4は置換基を有していてもよい炭素数1から6の直鎖状もしくは分岐状のアル
キル基である。)で表わされるジアルキルケトン化合物を用いることが好ましく、レブリン酸メチル、レブリン酸エチル、レブリン酸ブチルがさらに好ましく、レブリン酸メチルが特に好ましい。このようなジアルキルケトン化合物を用いることにより、炭素数の少ないアルキル基側が選択的に臭素化された臭素化ジアルキルケトン化合物を、高収率で得ることができる。
【0031】
ジアルキルケトン化合物を臭素化する際に用いる酸としては、鉱酸または有機酸、もしくは鉱酸と有機酸との混合物が挙げられる。鉱酸の具体例としては、塩酸、臭化水素、硝酸、硫酸、リン酸などが挙げられる。また、有機酸の具体例としてはパラトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸等のカルボン酸が挙げられる。これらの酸を用いることにより、ジアルキルケトン化合物の臭素化反応を室温で行うことができるとともに、かつ短い反応時間で臭素化ジアルキルケトン化合物を高収率で得ることができる。
【0032】
これらの酸の中でも臭化水素、または臭化水素と酢酸との混合物が好ましい。臭化水素は、臭素化の過程で発生する酸であり、回収して使用することが可能で生産コストを下げられるので好ましく、また、臭化水素と酢酸との混合物は気体の臭化水素を液体として使用でき取り扱いが容易であるので好ましい。
【0033】
ジアルキルケトン化合物の臭素化は、メタノール溶媒中、酸の存在下に臭素と反応させることができれば特に限定されないが、具体的には以下のようにして行われる。
まず、窒素またはアルゴンなどの不活性ガスで置換した反応容器内に、ジアルキルケトン化合物、メタノールおよび酸を仕込み、室温で攪拌し混合する。これらの原料の添加順序および攪拌条件は特に限定されない。
【0034】
酸の添加量は、ジアルキルケトン化合物1モルに対して、好ましくは0.001モル〜0.3モル、さらに好ましくは0.005モル〜0.2モル、特に好ましくは0.01モル〜0.1モルとなる量が望ましい。酸の添加量が0.001倍モル未満では、酸の効果が現れない恐れがあるので好ましくない。一方、0.3モルを超えて加えてもさらなる効果は期待できない。
【0035】
溶媒としてのメタノールの使用量には特に制限はないが、ジアルキルケトン化合物1モ
ルに対して好ましくは1モル〜300モル、さらに好ましくは5モル〜200モル、特に好ましくは10モル〜100モルとなる量が望ましい。メタノールの使用量が1モル未満では、反応の位置選択性が低下する恐れがあるので好ましくない。一方、300モルを超えると反応速度が遅くなり、生産性が低下する恐れがあるので好ましくない。
【0036】
上記のような条件で原料を攪拌混合した後、この混合液に臭素を添加してジアルキルケトン化合物と臭素を反応させる。
臭素の添加方法は特に限定されず、一度に添加してもよく、間欠的に滴下しても、連続的に滴下してもよいが、反応性の面から連続的に滴下することが望ましい。また、臭素をそのまま用いてもよいが、臭素は毒性および腐食性が強いため安全性の観点から、さらに滴下した臭素の拡散を向上させる観点から臭素をメタノール溶液として用いることが好ましい。このメタノール溶液における、メタノールの使用量は、臭素の質量に対して好ましくは0.1倍〜100倍、さらに好ましくは0.5倍〜50倍であり、特に好ましくは1倍〜10倍となる量が望ましい。メタノールの使用量が100倍を超えると反応時間が長くなる恐れがあるので好ましくない。
【0037】
臭素は、ジアルキルケトン化合物1モルに対して、好ましくは1.0モル〜1.5モル、さらに好ましくは1.0モル〜1.3モル、特に好ましくは1.0モル〜1.2モルとなる量で用いられることが望ましい。臭素の使用量が1.0モル未満では未反応物の生成が増える恐れがあり好ましくない。一方、1.5モルを超えると3,5−ジブロモレブリン酸メチル等のジブロモ体が生成する恐れがあるので好ましくない。
【0038】
本発明のジアルキルケトン化合物の臭素化は、酸の存在下に行われるため、室温でも充分な反応速度が得られる。したがって、反応温度は特に限定されないが、好ましくは0℃〜45℃、さらに好ましくは20℃〜40℃であることが望ましい。反応温度が0℃未満では、反応速度が遅くなり生産性が悪くなる恐れがあり好ましくない。一方、45℃を超えると反応の位置選択性が低下するおそれがあるので好ましくない。なお、この反応温度には、臭素を添加している際の温度も含まれる。
【0039】
ジアルキルケトン化合物と臭素との反応は、反応液から臭素の色の消失が確認されるまで行われ、色が消失した後さらに攪拌を継続し、完全に反応を終了させてもよい。本発明の製造方法によれば、臭素の滴下終了後1〜2時間程度と短時間で臭素化ジアルキルケトン化合物を得ることができる。
【0040】
反応終了後は、通常の精製操作を行うことにより、目的とする式(3)で表される臭素化ジアルキルケトン化合物を高純度で得ることができる。
【0041】
【化6】

【0042】
(式中、R1は、式(1)と同様である。)
本発明の製造方法により得られる臭素化ジアルキルケトン化合物は、医薬や農薬等の生理活性物質、工業薬品などの工業用中間原料として好適に用いることができる。
[実施例]
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
【0043】
なお、実施例で使用した分析機器および原料は以下のとおりである。
<分析機器>
・ガスクロマトグラフ分析(以下、「GC分析」と略す)
分析機器:HP社製 HP6850
カラム:J&W社製 DB−1 30m×0.32mm×1μm
インテグレーター:HP3396
検出器:FID
・核磁気共鳴スペクトル分析(以下、「NMR分析」と略す)
機器:日本電子社製 JNM―AL400
溶媒:CDCl3
・ガスクロマトグラフ質量分析(以下、「GCMS分析」と略す)
機器:HEWLETT PACKARD社製 HP6890SERIES
・キャピラリー分取ガスクロマトグラフ(以下、「分取GC」と略す)
機器1:キャピラリーガスクロマトグラフユニット
Agilent社製 GC6890
機器2:分取ユニット GERSTEL社製 Preparative
Fraction Collector
<原料>
・メタノール(純正化学(株)社製 純度99.8%以上)
・レブリン酸メチル(東京化成工業(株)社製 純度99.0%以上)
・25%臭化水素・酢酸溶液(和光純薬(株)製 純度99.0%以上)
・臭素(和光純薬(株)製 純度99%以上)
・トルエン(和光純薬(株)製 99.5%以上)
・トリフルオロメタンスルホン酸(シグマアルドリッチ(株)製 純度98%以上)
[実施例1]
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流冷却器を備えた100mlの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、メタノール11.6g(0.35モル)、レブリン酸メチル0.65g(5ミリモル)、及び、25%臭化水素・酢酸溶液0.1g(臭化水素0.3ミリモル、酢酸1.25ミリモル)を仕込み、室温で攪拌した。
【0044】
次いで、臭素0.96g(6ミリモル)をメタノール3.84gに溶かした溶液を、滴下ロートから8分間かけて滴下した。内部温度は28℃で一定であった。滴下終了後、1時間30分で反応液から臭素の色が消え透明になったので反応を終了した。
【0045】
次に、反応系内から少量のサンプルを採取し、GC分析、GCMS分析を行った。分析の結果、面積百分率で5−ブロモレブリン酸メチル74%、3−ブロモレブリン酸メチル20%及び未反応のレブリン酸メチル1%であり、5−ブロモレブリン酸メチルの収率は75%であった。
【0046】
さらに、反応液にトルエン100mlを加えて混合した後、純水100ml、飽和重曹水100ml、純水100ml、飽和食塩水100mlの順に洗浄した。洗浄後、無水硫酸ナトリウム5gを加え、一晩放置し脱水した後、無水硫酸ナトリウムを濾過し、ロータリーエバポレーターを用いて40℃で溶媒を留去した。得られた混合液より、分取GCを用いて5−ブロモレブリン酸メチルを単離し、NMR分析を行った。その分析結果として1H−NMRチャートを図1に、13C−NMRチャートを図2示す。
【0047】
1H−NMR(CDCl3):δ2.64(t,2H,−COCH2−),2.95(t
,2H,−COCH2−),3.67(s、3H,−OCH3),3.94(s、2H,−CH2Br)
13C−NMR(CDCl3):δ28.155, 34.045, 34.466,
51.979, 172.669, 200.486
[実施例2]
臭素0.8g(5ミリモル)をメタノール3.2gに溶かした溶液を13分間かけて滴下した以外は実施例1と同様の条件で臭素化反応を行った。内部温度は28℃で一定であった。滴下終了後、1時間30分で反応液から臭素の色が消え透明になったので反応を終了した。
【0048】
次に、反応系内から少量のサンプルを採取し、GC分析を行った。その結果、面積百分率で5−ブロモレブリン酸メチル62%、3−ブロモレブリン酸メチル20%及び未反応のレブリン酸メチル16%であり、5−ブロモレブリン酸メチルの収率は74%であった。
[実施例3]
臭素0.88g(5.5ミリモル)をメタノール3.52gに溶かした溶液を用いた以外は実施例1と同様にして臭素化反応を行った。内部温度は28℃で一定であった。滴下終了後、2時間で反応液から臭素の色が消え透明になったので反応を終了した。
【0049】
次に、反応系内から少量のサンプルを採取し、GC分析を行った。その結果、面積百分率で5−ブロモレブリン酸メチル58%、3−ブロモレブリン酸メチル23%及び未反応のレブリン酸メチル16%であり、5−ブロモレブリン酸メチルの収率は69%であった。
[実施例4]
25%臭化水素・酢酸溶液に代えてトリフルオロメタンスルホン酸0.1g(0.7ミリモル)を用いた以外は実施例2と同様に臭素化反応を行った。そのときの内部温度は30℃で一定であった。滴下終了後、1時間で反応液から臭素の色が消え透明になったので反応を終了した。
【0050】
次に、反応系内から少量のサンプルを採取し、GC分析を行った。分析の結果、面積百分率で5−ブロモレブリン酸メチル68%、3−ブロモレブリン酸メチル20%及び未反応のレブリン酸メチル7%であり、5−ブロモレブリン酸メチルの収率は73%であった。[比較例1]
酸の添加を行わなかった以外は実施例1と同様にして臭素化を行った。内部温度は28℃で一定であった。滴下終了後、4時間で反応液から臭素の色が消え透明になったので反応を終了した。次に、反応系内から少量のサンプルを採取し、GC分析を行った。分析の結果、面積百分率で5−ブロモレブリン酸メチル65%、3−ブロモレブリン酸メチル21%及び未反応のレブリン酸メチル7%であり、5−ブロモレブリン酸メチルの収率は69%であった。
[比較例2]
酸の添加を行わず、かつメタノール還流下の温度(65℃)で反応を行った以外は実施例1と同様にして臭素化を行った。滴下終了後、30分で反応液から臭素の色が消え透明になったので反応を終了した。次に、反応系内から少量のサンプルを採取し、GC分析を行った。分析の結果、面積百分率で5−ブロモレブリン酸メチル44%、3−ブロモレブリン酸メチル41%及び未反応のレブリン酸メチル3%であり、5−ブロモレブリン酸メチルの収率は45%であった。
[比較例3]
メタノールに代えてエタノールを用いた以外は実施例1と同様にして臭素化を行った。内部温度は30℃で一定であった。滴下終了後、30分で反応液から臭素の色が消え透明になったので反応を終了した。その時点で、反応系内から少量のサンプルを採取し、GC分析を行った。分析の結果、面積百分率で5−ブロモレブリン酸メチル40%、3−ブロモレブリン酸メチル20%及び原料のレブリン酸メチル13%であり、5−ブロモレブリ
ン酸メチルの収率は46%であった。
[比較例4]
メタノールに代えて塩化メチレンを用いた以外は実施例1と同様にして臭素化を行った。内部温度は30℃で一定であった。滴下終了直後、反応液から臭素の色が消え透明になったので反応を終了した。次に、反応系内から少量のサンプルを採取し、GC分析を行った。分析の結果、面積百分率で原料のレブリン酸メチル3%、5−ブロモレブリン酸メチル4%、3−ブロモレブリン酸メチル74%であった。また5位選択率は5%であった。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、実施例で得られた5−ブロモレブリン酸メチルの1H−NMRチャートである。
【図2】図2は、実施例で得られた5−ブロモレブリン酸メチルの13C−NMRチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)
【化1】

〔式中、R1は、置換基を有していてもよい炭素数1から6の直鎖状もしくは分岐状のア
ルキル基、または
式(2) −R2COOR3 ・・・(2)
(式中、R2は炭素数1から6のアルキレン基であり、R3は水素または炭素数1から6のアルキル基である。)で表わされる基である。〕
で表わされるジアルキルケトン化合物を、メタノール溶媒中、酸の存在下に臭素と反応させることを特徴とする式(3)で表わされる臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法;
【化2】

(式中、R1は、式(1)と同様である。)。
【請求項2】
式(1)のジアルキルケトン化合物が、式(4)
【化3】

(式中、R4は置換基を有していてもよい炭素数1から6の直鎖状もしくは分岐状のアル
キル基である。)で表わされる化合物である請求項1記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。
【請求項3】
置換基が、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または請求項2記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。
【請求項4】
式(4)で示されるジアルキルケトン化合物がレブリン酸メチルである請求項2記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。
【請求項5】
酸が、鉱酸または有機酸もしくは鉱酸と有機酸との混合物である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。
【請求項6】
酸が、塩酸、臭化水素、硝酸、硫酸、リン酸、安息香酸、ベンゼンジカルボン酸、パラトルエンスルホン酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ラク酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、トリフルオロ酢酸及びトリフルオロメタンスルホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項5記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。
【請求項7】
酸が、臭化水素、または臭化水素と酢酸との混合物である請求項5記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。
【請求項8】
酸の添加量が、ジアルキルケトン化合物1モルに対して0.001モル〜0.3モル量である請求項1〜請求項7のいずれかに記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。
【請求項9】
反応温度が20℃〜40℃である請求項1記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。
【請求項10】
ジアルキルケトン化合物と酸とメタノールとの混合液に、臭素を溶解したメタノール溶液を添加して、ジアルキルケトン化合物を臭素と反応させる請求項1記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。
【請求項11】
メタノール溶液が、臭素を該臭素の質量に対して0.1倍〜100倍量のメタノールで溶解した溶液である請求項10記載の臭素化ジアルキルケトン化合物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−188501(P2006−188501A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−353454(P2005−353454)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】