説明

舗装ブロックの製造方法とその装置

【課題】複数色が不規則に混じったブロックを安定して量産する。
【解決手段】表層モルタルA、B、Cを表層モルタルホッパーの上から定量ずつ順次に供給して積層した後、表層モルタルホッパーの下端排出口から積層したモルタルを取り出して基層コンクリートが層成された型枠7に移送供給して製造する舗装ブロックの製造方法において、表層モルタルを表層モルタルホッパーに供給するに際し、上記各表層モルタルを1サイクル当りのモルタル消費量に対して1/3から4倍の量ずつ、かつ表層モルタルホッパーの移送方向に対して直交する幅寸法に対して0.1〜1の長さで供給するとともに、上記表層モルタルホッパーの一端から他端に連続して供給し、さらに他端から折り返して上記一端に連続して供給し、これを連続的に繰り返して積層する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表層部で複数色が不規則に混じった舗装用ブロックの製造方法およびその製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
舗装ブロックを使用して路面デザインを行う場合、様々な色やテクスチャー、形状のブロックを組み合わせたデザインが行われている。その中では、より自然で落ち着きのあるブロック色の要求がある。具体的な方法として、ブロック1個の表層部で、複数色(現実的には2〜3色)が不規則に混じった舗装ブロックとすればこの要求に応えることが可能である。しかしながら、このようなブロックを量産行程の中で連続的に製造しようとすると、サイクルを重ねるにつれて複数色の混じり合いが進行し、一定のイメージの混じり具合に保つことが出来なかった。
【0003】
そこで従来技術では、特許文献1の図7にあるように、ブロックの左右で違う色になるようにホッパーを仕切り、各区画にA色とB色を交互に投入する方法がとられていた。その結果、移動ホッパーに供給され、型枠間を往復する間にそれぞれの色の境界部分では混じり合いが起きるものの、給材方向に対して直角方向の混じり合いはある程度以上は進行しないため、ブロック1個の中でA色、B色の部分と両者が混じった部分とがあるブロックを一日の連続成型を行っても安定して成型できることになり、もっぱらこの方法で製造されていた。
【0004】
しかし、この方法で得られるブロックは左右にA色とB色の部分があり、中間に両者の混じった部分があるという仕上がりに限定されてしまい、自然なイメージを演出する上で限界があった。
【0005】
また別の方法として、特許文献2に示す方法がある。目的は同じく、落ち着き感のあるやわらかい風合いの着色ブロックの施工構造を実現するものであり、第1種ブロックと第2種ブロックの似通った色のブロックを用意し、それらをランダムに配置する。
【0006】
この場合は、個々のブロックの色は単一色となっている。そのため、第1種ブロックと第2種ブロックを別々に製造しなければならず、また施工する際はこれらのブロックをランダムに配置しなければならないため、それぞれに手間が掛かっていた。
【特許文献1】特開2003−321801号公報
【特許文献2】特開平10−168887号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点を解消し、1個のブロック表層の中で複数色が不規則の混じったブロックを安定して量産することができる舗装用ブロックの製造方法およびその製造装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、互いに異なる色に着色された表層モルタルを、舗装ブロック成形機の表層モルタルホッパーの上から定量ずつ順次に供給して積層した後、表層モルタルホッパーに下端排出口から積層したモルタルを取り出して基層コンクリートが積層された型枠に移送供給して製造する舗装ブロックの製造方法において、上記表層モルタルを表層モルタルホッパーに供給するに際し、上記各表層モルタルを1サイクル当たりのモルタル消費量に対して1/3から4倍の量ずつ、かつ表層モルタルホッパーの移送方向に対して直行する幅寸法に対して0.1〜1の長さで供給することを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1において、表層モルタルの表層モルタルホッパーへの供給は、表層モルタルホッパーの一端から他端に連続して供給し、さらに他端から折り返して上記一端に連続して供給し、これを連続して繰り返して積層することを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、表層用移動ホッパーの残量を1サイクル当りの表層モルタルの消費量の5サイクル分以上とすることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、表層モルタルを使用しない、一層打ちブロックに関するもので、互いに異なる色に着色された着色コンクリートをコンクリートホッパーの上から定量ずつ順次に供給して積層した後、コンクリートホッパーの下端排出口から積層したコンクリートを取り出して型枠に移送供給して製造する舗装ブロックの製造方法において、上記表層コンクリートをコンクリートホッパーに供給するに際し、各着色コンクリートを1サイクル当りのコンクリート消費量に対して1/8から2倍の量ずつ、かつコンクリートホッパーの移送方向に対して直交する幅寸法に対して0.1〜1の長さでコンクリートホッパーに供給することを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項4において、表層モルタルの表層モルタルホッパーコンクリートへの供給は、上記表層モルタルホッパーコンクリートの一端から他端に連続して供給し、さらに他端から折り返して上記一端に連続して供給し、これを連続的に繰り返して積層することを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、互いに異なる色に着色された表層モルタル又は着色コンクリートを定量ずつ順次にホッパーに連続供給する定量供給装置と、上記ホッパーの下端開口部から落下した表層モルタル又は着色コンクリートを受けて型枠に供給する移動ホッパーとを備え、上記定量供給装置を、上記ホッパー上で水平方向に往復移動させるとともに、往復移動中に上記表層モルタル又は着色コンクリートを連続的に供給させることを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明は、請求項6において、定量供給装置は各色ごとの一時貯留ホッパー、順次定量引き出し装置、ホッパー上で水平方向に往復移動可能な移送装置から構成されることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は二層打ち舗装ブロックの断面図で、この舗装ブロックは、基層コンクリート1と表層モルタル2の2層構造となっており、表層モルタル2の厚さは通常約5〜10mmで、基層コンクリート1の厚さはブロック全体の厚さによって異なり、全体の厚さが60mmの場合は約50〜55mmで、ブロック全体の厚さが80mmの場合は約70〜75mmとなっている。
【0016】
図2は舗装ブロックの製造装置(成形機)を示すもので、別々に混練された基層コンクリート1と表層モルタル2をそれぞれ基層コンクリートホッパー3と表層モルタルホッパー4に受け、その後ホッパーゲート10を開いてそれぞれの移動ホッパー6、5に供給する。
【0017】
1サイクルの成型工程は、まず移動ホッパー5が型枠7上まで移動して基層コンクリートを型枠7に供給した後、プレス8で一旦基層コンクリート1を沈め、その後移動ホッパー6が型枠7上まで移動して表層モルタルを型枠7に供給し、再度プレス8を下げながら振動を与えて締め固めを行い、その後直ちに脱型を行うことで終了する。移動ホッパー5、6の残量が少なくなるとホッパー3、4から随時コンクリート又は表層モルタルを補給する。
【0018】
ところで、移動ホッパー6に供給されるモルタルの量は通常20〜40サイクル分以上に相当するため、一旦移動ホッパー6に入ったモルタルは20〜40回以上も型枠7との間を移動することになる。この移動ホッパー6の動きにより、移動ホッパー6内のモルタルは前後に揺すられることにより混じり合いを起こす。さらに詳細に見ると、移動ホッパー6内の中で底に近い部分のモルタルは型枠7と直接接するために混じり合いが促進され、移動ホッパー6内のモルタルでは特に底に近いほど混じり合いが進むことになる。先に述べたとおり、表層モルタルの厚さは5〜10mmと薄く、次のサイクルではこの部分のモルタルが主に消費されることになる。そのため、サイクルを重ねるにつれてモルタルの混じり合いが進行してしまい、一日の連続成型の中で、安定して、同じ混じり具合のブロックを製造できなかった。
【0019】
すなわち、上記製造装置の表層モルタルホッパー4には図3(a)に示されるように、例えば3色のモルタルA、B、Cを積層した場合、ホッパーゲート10を開けて移動ホッパー6にモルタルA、B、Cを供給するとき、同図(b)に示されるように、積層されたモルタルA、B、Cはホッパー4から落ちることによりある程度の固まりで混じり合いを生じる。さらに、同図(c)のように、表層用移動ホッパー6が型枠7上まで前進すると、その前進移動に伴いさらに混じり合いが進行する。しかし、移動ホッパー6の底以外ではさほどの混じり合いの進行はないが、型枠7と接する底の部分の混じり合いが大きく、成形後の舗装ブロックの表面は複数色(2〜3色)が不規則に混じった状態になる。移動ホッパー6は同図(d)のように、表層モルタルホッパー4下に復帰移動して1サイクルの表層モルタルの供給は終了となる。ところで、復帰時の移動によってもモルタルの混じり合いは起きるが、先ほど同様に底の部分で起きる。底の部分で混じり合ったモルタルは次のサイクルで消費され、成形後の舗装ブロック表面に2〜3色が不規則に混じり合った状態を作り出す。
【0020】
以上のように、表層モルタルホッパー4内の積層状態が重要であり、この積層状態が適切であれば、移動ホッパー6の動きによって適切な混じり具合を移動ホッパー6の底の部分に作り出し、それを次のサイクルで消費することを繰り返して行うことができることになる。ただし、移動ホッパー6内のモルタルの残量が少なくなると、移動の動きによって混じり合いが著しくなる。発明者らはこの点についても検討を行った。
【0021】
まず、適切な積層状態を得るには、積層する各色の量は、1サイクルあたり消費される表層モルタルの量との関係で論ずることができる。舗装ブロックの表層の厚さはおおよそ5〜10mmであり、成型面積が0.6m2の成形機であれば1サイクル当たり3〜6リットル、7〜14kg、平均的には4.5リットル、10kgの表層モルタルを消費する。これに対して積層する各色の量は1/3から4倍までが望ましく、好ましくは1/2から3倍が最適であった。
【0022】
積層する一色の量が少なすぎると移動ホッパー6の往復運動によって各色が混じり過ぎ、遠目には単色のように見えてしまい、色の深みがなくなってしまう。逆に多すぎると混じり合いが少なくなり、元の単色のブロックが多くなり、落ち着きのあるイメージの演出が出来なくなる。
【0023】
積層する各色の望ましい量に幅があるが、10センチ角のように小さい舗装ブロックの中で複数色を不規則に混じらせたい場合や、複数色が混じり合いを強くし、落ち着いた印象を作りたい場合などには各色の量を小さくし、逆に30センチ角などの大きい舗装ブロックの場合や、ある程度単色ブロックの含まれる変化に富んだイメージを作りたい場合は、各色の量を多くすればよい。
【0024】
また、複数色は常に同量でなければならない訳ではなく、3色の内1色だけを少なくして変化を出したい場合は、上記の範囲内で積層すればよい。
【0025】
次に、先に決定された量のモルタルを表層モルタルホッパー4の幅の0.1〜1の幅に、好ましくは0.2〜0.8の幅に積層するのが最適であった。なお、ここでいう表層モルタルホッパー4の幅とは、図4に示すように、表層モルタルホッパー4の下端の幅で、この表層モルタルホッパー4の移送方向(矢印の方向)に対して直角方向の幅寸法wをいう。表層モルタルホッパー4の幅に対して1以上の長さに積層することは1層の厚さが薄くなることになり、混じり過ぎになる危険が生じる。一方、0.1以下の短い範囲に積層することは、混じり合いが生じにくくなり、元の単色ブロックが多くできてしまうことになる。
【0026】
図5は上記表層モルタルホッパー4内に3色の表層モルタルA、B、Cを積層した場合の例を模式的に示したもので、下層より、A色を表層モルタルホッパー4の幅の0.6倍の長さに供給し、続いてB色をホッパーの端まで供給した後、折り返して合計で同様の長さに供給したものである。さらにC色を同様の長さに供給し、以下それを繰り返す。なお、色の識別を示すA、B、Cの次の数値は積層の順序を示している。
【0027】
次に、表層移動ホッパー6内の適切な残量についてであるが、前述したとおり、残量が少なくなると移動ホッパー6の移動の動きによるモルタルの動きが大きくなり、混じり過ぎが起きてしまう。通常移動ホッパー6には20〜40サイクル分の表層モルタルが入れられるが、残量を5サイクル分以上とすることが望ましい。また好ましくは10サイクル分以上とすることが望ましい。残量が5サイクルを割らないうちに上記表層モルタルホッパー4に表層モルタルを補充供給する。
【0028】
そして、以上の条件を満たせば、複数色が混じり過ぎることがなく、さらに単一色のブロックを作ることなく、安定的に製造することが可能となる。
【0029】
上述のように、発明者らは試作実験を繰り返すことにより、安定して生産できる最適条件を見出した。すなわち、成形機の表層モルタルホッパー4に複数色を層状に積層することが実現の第一歩であり、さらに積層する各色の量と、表層モルタルホッパー4の幅に対して積層する各色の幅が色の混じり具合を決定することを見出した。また、上記の効果を確実にするために、移動ホッパー6内の表層モルタルの量を一定量以上に保つことが重要であることを見出したのである。
【0030】
次に、表層モルタルホッパー4内に3色の表層モルタルA、B、Cを図5のように積層するためには次のようにすればよい。
【0031】
まず図6に示されるように、アイリッヒ型などのモルタルミキサー11によって常法により着色された3色のモルタルA、B、Cを順次色別に混練し、練り混ぜた各表層モルタルA、B、Cを一時貯留ホッパー12、13、14に貯留しておく。練り混ぜたモルタルをモルタルミキサー11から一時貯留ホッパー12、13、14に移送するにはベルトコンベア9を使用し、色ごとにベルトコンベア9の首を振り、それぞれの一時貯留ホッパーに投入すればよい。なお、ミキサー11から一時貯留ホッパー12、13、14までの輸送にはベルトコンベアのほか、シュート、バケットなどの通常使われる設備を使用してもよい。
【0032】
さらに、一時貯留ホッパー12、13、14内の表層モルタルは、定量引き出し装置15により、1色の表層モルタルを所定量引き出してベルトコンベア16上に一定の厚さで一定の長さに積み込む。次に別の表層モルタルB、Cも同様にし、それを順次繰り返す。ベルトコンベア16上に一定の厚さで積み込むには邪魔板17を設け、一定の厚さになるようにするのが好ましい。定量引き出し装置15とベルトコンベア16の動きを自動制御するのが望ましい。なお、定量引き出し装置15は、一時貯留ホッパー12、13、14の下方に取り付けた計量装置や、引き出し量をタイマーなどで制御できるようにしたベルコンや振動フィーダーによって構成すればよい。
【0033】
次に、ベルトコンベア16上の表層モルタルA、B、Cを定量積層装置18によって成形機の表層モルタルホッパー4に積層する。この場合、定量積層装置18としてトラバースベルトコンベアを使用すればよい。すなわち、ベルトコンベア16上に積まれたモルタルA、B、Cを、表層モルタルホッパー4の幅方向にトラバース機能を持つトラバースベルトコンベア18に移し替え、トラバースベルトコンベア18を上記表層モルタルホッパー4上で水平方向に往復移動させるとともに、往復移動中に上記表層モルタルA、B、Cを連続的に供給させることにより表層モルタルホッパー4の幅方向に所定の長さに積層する。
【0034】
以上は表層モルタルA、B、Cを使用した二層打ち舗装ブロックの場合であるが、舗装ブロックには基層コンクリートだけで製造する一層打ちブロックもある。本発明はこの一層打ちブロックにも適用できる。この場合、図2の製造装置のうち表層モルタルホッパー4とその移動ホッパー6を除き、基層コンクリートホッパー3に着色コンクリートを供給すればよい。
【0035】
一層打ちブロックでは複数色のコンクリートを別々に混練し、成形装置のコンクリート用ホッパーに積層して製造する。一層打ちブロックはコンクリートだけで全層が構成されることから、一サイクル当たりに消費されるコンクリートの量は二層打ちの表層モルタルの量とは異なる。すなわち、先ほどと同様に成型面積が0.6m2の成形機であればブロック厚さ6cmでは36リットル、ブロック厚さが8cmでは48リットルのコンクリートを1サイクル当たりで消費する。また、移動ホッパー6内のコンクリートの量は通常3サイクル分程度の100から150リットルであり、消費されるまでに移動ホッパー6が移動する回数は復動すなわち1サイクルで2回往復移動したにしても合計6回程度であり、表層モルタルに比べて消費されるまでの移動回数が少ない。さらに、ブロック表面となるコンクリートは移動ホッパー内の底の部分のものではなく、比較的混じり合いの少ない中層部分のものである。そのため、二層打ちの場合と同様に、1サイクルで消費されるコンクリートの量に対して1/3から5倍までの量とすると混じり合いが少なすぎ、単色のブロックが多くできることになる。そこで、実験を繰り返した結果、コンクリート用ホッパーに積層する各色のコンクリートの量は、1サイクルで消費されるコンクリートの量に対して1/8から2倍までの量とすることが望ましい。また、好ましくは1/8から1倍までがよい。
【0036】
一方、コンクリートホッパーの幅に対し0.1〜1の幅に、好ましくは0.2〜0.8の幅に積層することがよい。
【0037】
一層打ちブロックの場合は、基層コンクリートホッパーの残量について特に考慮する必要はない。その理由は、基層用移動ホッパー6に供給されるコンクリートの量は通常5サイクル分以下であり、この程度のサイクル数であれば移動ホッパー6の動きによる混じり過ぎることはない。
【0038】
以上のようにすることによって、一層打ちブロックであっても、複数色が不規則に混じり合ったブロックを安定して製造することが出来る。
なお、上記コンクリートホッパーに着色コンクリートを積層する場合も、図6の場合と同様にすればよい。」
以上の製造方法又は製造装置によれば、従来不可能であった、舗装ブロック1個のブロック表面の中で複数色が不規則の混じったブロックを安定して量産することができることになる。
なお、上述および後述の表層モルタルには、透水性モルタルや5ミリ以下の種石の入った化粧モルタルも含まれるものとする。
【実施例1】
【0039】
(1)ブロックの形状寸法
200×150mm 厚さ60mm 図7(a)のとおり
(2)成型方法
表層モルタルを使用した二層打ち
(3)型枠への配置
図8の通り
(4)1サイクル当たりの成形面積
図8より0.48m2
(5)1サイクル当たりの表層モルタル消費量
2.4から4.8リットル 平均3.6リットル、約9kg
(6)表層モルタルの配合
【表1】


(7)各表層の練り混ぜ量
各々40リットルずつ
(8)各表層モルタルの積層量と積層方法
色No.順に各々9kg(表層モルタルの消費量の1.0相当)ずつ、表層モルタルホッパー4の幅78cmに対して約0.6倍の47cmの長さに、往復しながら積層した。
(9)成型方法
上記のように表層モルタル各色を表層モルタルホッパー4に積層し、基層コンクリートをホッパーに受け入れて、通常の成型方法で成型した。成型は約3時間連続して行った。その間、表層移動ホッパー内の表層モルタルは残量が少なくなったら5サイクルに1回、ホッパーゲートを開けて表層移動ホッパーにモルタルを供給した。また、表層モルタルホッパーの残量が少なくなったら同様の方法で表層モルタルホッパーに積層して供給した。
(10)結果
約3時間の連続製造を行ったが、1サイクルの中でできるブロックの混じり具合はほぼ一定で、混じり過ぎたブロックばかりになったり、単色ブロックが多くなることもなかった。下表に示すとおり、また、個々のブロックには単色のブロックも見られたが、80%以上のブロックはブロック1個の中で3色がほぼ均等に分散した状態のブロックが得られた。
【表2】


【0040】
なお、混じり具合の分類の代表例を図10(a)〜(c)に示した。同図(a)は、ほぼ元の色1色だけでブロック表面が構成されている例である。同図(b)は3色がほぼ均等に分散している例である。同図(c)は3色が混じり過ぎた例である。
【実施例2】
【0041】
ブロックの形状寸法
200×150mm 厚さ60mm 図7(a)のとおり
成型方法
表層モルタルを使用した二層打ち
型枠への配置
図8の通り
1サイクル当たりの成形面積
図8より0.48m2
1サイクル当たりの表層モルタル消費量
2.4から4.8リットル 平均3.6リットル、約9kg
(6)表層モルタルの配合
【表3】



(7)各表層の練り混ぜ量
各々40リットルずつ
(8)各表層モルタルの積層量と積層方法
色No.順に1および2を20kg(表層モルタルの消費量の2.2倍相当)、3を10kg(表層モルタル消費量の1.1倍相当)ずつ、表層モルタルホッパーの幅78cmに対して約0.6倍の47cmの長さに、往復しながら積層した。
(9)成型方法
上記のように表層モルタル各色を表層モルタルホッパーに積層し、基層コンクリートをホッパーに受け入れて、通常の成型方法で成型した。成型は約3時間連続して行った。その間、表層モルタルは残量が少なくなったら同様の方法で表層モルタルホッパーに積層して供給した。
(10)結果
約3時間の連続製造を行ったが、1サイクルの中でできるブロックの混じり具合は実施例−1に比べて大柄になったものの、ほぼ一定していた。また、単色に近いブロックが多くなったが施工したイメージは実施例―1よりも変化に富んでいた。
個々の色の混じり具合の分析結果を下表に示したが、単色に近いブロックが20%と増えたが、それらのブロックには他の色を一部に含んでいた。また、No.1および2の色が均等で、No.3の色がそれらのおよそ半分の量で分散した状態のブロックが75%であった。
【表4】


【実施例3】
【0042】
ブロックの形状寸法
100×150mm 厚さ60mm 図7(b)のとおり
成型方法
表層モルタルを使用した二層打ち
型枠への配置
図9の通り
1サイクル当たりの成形面積
図9より0.63m2
1サイクル当たりの表層モルタル消費量
3.2から6.3リットル 平均4.8リットル、約11kg
表層モルタルの配合
【表5】



各表層の練り混ぜ量
各々40リットルずつ
各表層モルタルの積層量と積層方法
色No.順に46kg(表層モルタルの消費量の4.2倍相当)ずつ、表層モルタルホッパーの幅78cmに対して約0.6倍の47cmの長さに、往復しながら積層した。
成型方法
上記のように表層モルタル各色を表層モルタルホッパーに積層し、基層コンクリートをホッパーに受け入れて、通常の成型方法で成型した。成型は約3時間連続して行った。その間、表層モルタルは残量が少なくなったら同様の方法で表層ホッパーに積層して供給した。
(10)結果
約1時間の連続製造を行ったが、下表の分析結果の通り、単色のブロックが多くなり、均等に分散したフロックは半数以下であった。この原因は1サイクル当たりのモルタル消費量に対して積層量が4.2倍と大きすぎたことによる。
【表6】


【実施例4】
【0043】
ブロックの形状寸法
200×150mm 厚さ60mm 図7(a)のとおり
成型方法
表層モルタルを使用した二層打ち
型枠への配置
図8の通り
1サイクル当たりの成形面積
図8より0.48m2
1サイクル当たりの表層モルタル消費量
2.4から4.8リットル 平均3.6リットル、約9kg
表層モルタルの配合
【表7】



各表層の練り混ぜ量
各々40リットルずつ
各表層モルタルの積層量と積層方法
色No.順に各々5kg(表層モルタルの消費量の0.55倍相当)ずつ、表層モルタルホッパーの幅78cmに対して約1.5倍の117cmの長さに、往復しながら積層した。
成型方法
上記のように表層モルタル各色を表層モルタルホッパーに積層し、基層コンクリートをホッパーに受け入れて、通常の成型方法で成型した。成型は約3時間連続して行った。その間、表層移動ホッパー内の表層モルタルは残量が少なくなったら5サイクルに1回、ホッパーゲートを開けて表層移動ホッパーにモルタルを供給した。また、表層モルタルホッパーの残量が少なくなったら同様の方法で表層モルタルホッパーに積層して供給した。
(10)結果
約2時間の連続製造を行ったが、時間経過とともに混じりすぎのブロックが増えた。また、全体的に見ると、下表の分析結果の通り、混じりすぎのブロックが60%を超えた。
【表8】


【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る舗装ブロックの断面図である。
【図2】舗装ブロックの製造装置の概略図である。
【図3】(a)(b)(c)(d)はホッパーから型枠に移動させる間における積層モルタルの混じり具合を示す説明図である。
【図4】表層モルタルホッパーの斜視図である。
【図5】表層モルタルホッパー内の積層状況の断面図である。
【図6】表層モルタルをホッパー内に積層させるまでの装置の概略図である。
【図7】(a)(b)は実施例の舗装ブロックの斜視図である。
【図8】型枠への配置状態を示す平面図である。
【図9】型枠への配置状態を示す平面図である。
【図10】(a)(b)(c)は舗装ブロックの仕上がり状態を示す図面代用写真である。
【符号の説明】
【0045】
4 表層モルタルホッパー
5 移動ホッパー
7 型枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる色に着色された表層モルタルを、舗装ブロック成形機の表層モルタルホッパーの上から定量ずつ順次に供給して積層した後、表層モルタルホッパーに下端排出口から積層したモルタルを取り出して基層コンクリートが積層された型枠に移送供給して製造する舗装ブロックの製造方法において、
上記表層モルタルを表層モルタルホッパーに供給するに際し、上記各表層モルタルを1サイクル当たりのモルタル消費量に対して1/3から4倍の量ずつ、かつ表層モルタルホッパーの移送方向に対して直行する幅寸法に対して0.1〜1の長さで供給することを特徴とする舗装ブロックの製造方法。
【請求項2】
請求項1において、表層モルタルの表層モルタルホッパーへの供給は、表層モルタルホッパーの一端から他端に連続して供給し、さらに他端から折り返して上記一端に連続して供給し、これを連続して繰り返して積層することを特徴とする舗装ブロックの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、表層用移動ホッパーの残量を1サイクル当りの表層モルタルの消費量の5サイクル分以上とすることを特徴とする舗装ブロックの製造方法。
【請求項4】
互いに異なる色に着色された着色コンクリートをコンクリートホッパーの上から定量ずつ順次に供給して積層した後、コンクリートホッパーの下端排出口から積層したコンクリートを取り出して型枠に移送供給して製造する舗装ブロックの製造方法において、
上記表層コンクリートをコンクリートホッパーに供給するに際し、各着色コンクリートを1サイクル当りのコンクリート消費量に対して1/8から2倍の量ずつ、かつコンクリートホッパーの移送方向に対して直交する幅寸法に対して0.1〜1の長さでコンクリートホッパーに供給することを特徴とする舗装ブロックの製造方法。
【請求項5】
請求項4において、表層コンクリートの表層モルタルホッパーへの供給は、上記表層コンクリートホッパーの一端から他端に連続して供給し、さらに他端から折り返して上記一端に連続して供給し、これを連続的に繰り返して積層することを特徴とする舗装ブロックの製造方法。
【請求項6】
互いに異なる色に着色された表層モルタル又は着色コンクリートを定量ずつ順次にホッパーに連続供給する定量供給装置と、上記ホッパーの下端開口部から落下した表層モルタル又は着色コンクリートを受けて型枠に供給する移動ホッパーとを備え、上記定量供給装置を、上記ホッパー上で水平方向に往復移動させるとともに、往復移動中に上記表層モルタル又は着色コンクリートを連続的に供給させることを特徴とする舗装ブロックの製造装置。
【請求項7】
請求項6において、定量供給装置は各色ごとの一時貯留ホッパー、順次定量引き出し装置、ホッパー上で水平方向に往復移動可能な移送装置から構成されることを特徴とする舗装ブロックの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−62331(P2007−62331A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−255024(P2005−255024)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願人】(594033260)エスビック株式会社 (9)
【Fターム(参考)】