説明

舗装構造

【課題】舗装内で保持された雨水等を有効活用して路面温度を低下させる舗装構造を提供する。
【解決手段】透水性領域および雨水を保水する保水性領域からなる表層2と、表層2の透水性領域および保水性領域の下方にこれらに跨って形成された、浸透する水分を一時的に保水しかつその水分を平面方向に拡散する保水拡散層4と、保水拡散層4の下方であって、路床の上方に設けた路盤5とで舗装構造1を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路、公園、駐車場等に適用することができる舗装構造に関するものであり、より詳細には、透水性領域と保水性領域を所定の間隔・規模で構成することにより、特に夏季における舗装路面の温度上昇を効果的に抑制することができる舗装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の都市部における夏季の気温上昇は著しく、ヒートアイランド現象と呼ばれている。このようなヒートアイランド現象の原因は、オフィスビルや自動車などから排出される人工排熱のほか、都市開発に伴う緑地の減少、舗装による土中水分の蒸発量の減少、
舗装におけるアスファルトやコンクリートの熱吸収率の増加などにあると言われている。
【0003】
下記特許文献1には、路床上に敷設された舗装部材と、舗装表面に敷設される透水性舗装材、あるいは浸透機能を有する保水性舗装材と、透水性舗装材、あるいは保水性舗装材と舗装部材との間に敷設された保水部材とからなる舗装システムが開示されている。このような舗装システムにおいては、湿潤した保水部材の蒸発による気化熱の発生により、舗装路面の温度を低減させることができるという効果が開示されている。
また、下記特許文献2には、上から順に表層、路盤、路床とで構成される道路舗装構造において、前記表層を、開粒度アスファルトによって所定の厚さに作られた舗装層の空隙内に水を保水する保水性セメントミルクを充填して保水性表層とし、当該保水性表層となる表層に、透水性舗装領域を備えるようにするともに、当該路盤を、水を保水する無数の小さな孔を備えた骨材を使用して前記表層よりも厚い保水性路盤層とする道路舗装構造が開示されている。これにより、保水性表層から蒸発する気化熱によって路面温度を低下させると共に、当該保水性表層の保水がゼロとなっても、保水性路盤層が保水している水によって路面温度を長時間に亘って下げ続けることができるという効果が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−030019
【特許文献2】特開2008−156944
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1の発明は、保水部材の上方に透水性舗装材を敷設しているため、湿潤した保水部材の蒸発による気化熱の発生を透水性舗装材が妨げ、舗装路面の温度を十分に低減させることができないという問題があった。
【0006】
また、上記特許文献2の発明は、保水性表層及び厚い保水性路盤層によって大量の保水をできる利点があり、保水された水分の蒸発による気化熱の発生により、長い日数にわたって路面温度を低減させることができるというものである。
しかし、保水性路盤層を構成する、水を保水する無数の小さな孔を備えた骨材としては、レンガ、スラグなどを使用しており、一時的な保水性を有するが、その保水性は十分ではなく、長い日数にわたって路面温度を低減させることができるとの効果には限界があると考えられる。
【0007】
従って、本発明の目的は、舗装内で保持された雨水等を有効活用して路面温度を低下させる舗装構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための請求項1に係る発明として、透水性領域および雨水を保水する保水性領域からなる表層と、
前記表層の透水性領域および保水性領域の下方にこれらに跨って形成された、浸透する水分を一時的に保水しかつその水分を平面方向に拡散する保水拡散層と、
当該保水拡散層の下方であって、路床の上方に設けた路盤と、
を有することを特徴とする舗装構造が提供される。
【0009】
(作用効果)
請求項1記載の発明によれば、保水性領域上への降雨水等は表層の保水性領域によって保持される。その後の路面温度の上昇限及び湿度の下降限となると、保水性領域の上部で保持された雨水等が蒸発し、その気化熱により路面の温度が低減する。これによって、ヒートアイランド現象の一つの解決手段となる。
さらに、保水性領域の上部での蒸発に伴って、保水性領域で上方への毛細管現象が生じるため、保水性領域の中部および下部で保持された雨水等が上部まで引き上げられ、路面から蒸発する。そのため、表層の保水性領域で保持された雨水等を路面から蒸発させることができ、長い時間、路面温度を低減させることができる。
また、表層の透水性領域に降った雨水等は、地盤中への浸透が行なわれ、舗装面での排水及び都市の洪水対策に寄与する。
下方に浸透する降雨の一部は、保水拡散層に達し、その保水拡散層に保持される。保水拡散層では、水分をその層の展開方向(水平方向)に拡散する。また、保水性領域からの蒸発によって、保水性領域の水分が減少すると、生成した水分の勾配によって、保水性領域側への水分の拡散が促進され、舗装表面及び保水性領域の上部での蒸発に伴って、保水性領域で上方への毛細管現象が生じ、保水性領域の中部および下部で保持された雨水等が上部まで引き上げられ、その水分を補充するように拡散するので、長い時間、路面表面からの蒸発が確保され、路面温度を低減させることができる。
【0010】
上記課題を解決するための請求項2に係る発明として、前記保水拡散層と前記路盤との間に、不透水性の遮水性のシートを設けた請求項1記載の舗装構造が提供される。
【0011】
(作用効果)
遮水性のシートの作用により、道路の勾配に従って、上流から下流へ水が移動しやすくなり、下流にある路面の温度の上昇をより抑えることができる。
【0012】
上記課題を解決するための請求項3に係る発明として、舗装構造が道路の舗装構造であって、前記表層の保水性領域は、道路の路肩側に設けられる請求項1または2記載の舗装構造が提供される。
【0013】
(作用効果)
前記請求項3記載の発明によれば、車や人などが通行する道路の内側に降った雨水等は、表層の透水性領域を通って速やかに下方へ排水されるため、路面に水溜りなどが生じず、車や人などが快適に通行できるという効果がある。
また、車や人などの通行が少ない路肩に設けた表層の保水性領域で雨水等を保持し、保持した雨水等を蒸発することで、降水量が少ない日が続く夏季においても、路面温度の上昇を抑えることができる。
一般に、道路の幅方向内側は路面の高さが高く、路肩側は路面の高さが低い。従って、道路の幅方向内側に降った雨水等は、表層の透水性領域を通過して下方に流れるほか、道路の幅方向内側から路肩側へも流れる。路肩側へ流れた雨水等は、路肩に設けた保水性領域で保水されるため、保水性領域で多くの雨水等を保水することができる。
【0014】
上記課題を解決するための請求項4に係る発明として、前記表層の保水性領域は、透水性コンクリートを敷きならし、締固めして形成した表層の空隙に保水性充填剤を充填して形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の舗装構造が提供される。
【0015】
(作用効果)
前記請求項4記載の発明によれば、空隙の一部に保水性充填剤を充填することで毛細管現象が生じ、表層の保水性領域の中部および下部で保持された雨水等や、保水拡散層で保持された雨水等が、表層の保水性領域の上部まで移動して路面から蒸発し、降水量が少ない日が続く夏季においても、路面温度の上昇を抑えることができる。
【0016】
上記課題を解決するための請求項5に係る発明として、路床の上方に路盤を設け、浸透する水分を一時的に保水しかつその水分を平面方向に拡散する保水拡散層を前記路盤の上方に設け、透水性領域および雨水を保水する保水性領域からなる表層を前記保水拡散層の上方に設け、前記保水拡散層は、前記表層の透水性領域および保水性領域の下方にこれらに跨って形成されることを特徴とする舗装方法が提供される。
【0017】
(作用効果)
請求項1と同様の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の舗装構造によれば、舗装内で保持された雨水等を有効活用して路面温度を低下させる舗装構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例1にかかる保水構造1の断面図である。
【図2】実施例2にかかる保水構造1の断面図である。
【図3】道路に勾配がある場合の実施例1の保水構造1の断面図である。
【図4】車道および歩道における保水性領域aの配置例を表した平面図である。
【図5】図4のX−X’の位置の断面図である。
【図6】広場における保水性領域aの配置例を表した平面図である。
【図7】本発明における実験場全体の平面図である。
【図8】本発明における実験場のY−Y’の位置の断面図である。
【図9】実験場に設けた各Areaの断面図である。
【図10】実験場に設けたArea3−2について、詳細を示した平面図である。
【図11】実験における日射量の変化を表したグラフである。
【図12】実験における気温の変化を表したグラフである。
【図13】Area1−2の路面温度の変化を表したグラフである。
【図14】Area2−2の路面温度の変化を表したグラフである。
【図15】Area3−2の路面温度の変化を表したグラフである。
【図16】Area−4の路面温度の変化を表したグラフである。
【図17】Area−5の路面温度の変化を表したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の舗装構造の好ましい実施形態について、図1〜図6を参照しながら説明する。
【0021】
図1は、実施例1にかかる本発明の舗装構造1の断面図である。路床(図示しない)の上面に路盤5があり、路盤5の上面に保水拡散層4があり、保水拡散層4の上面に表層2がある。
表層2は、透水性コンクリートを敷きならし、締固めして形成した層である。複数の骨材6の間には、空隙7がある。
一方、表層2の一部には保水性領域aが設けられている。当該保水性領域aは、前記複数の骨材6の間に、保水性充填剤8を充填してできた領域である。また、下記説明において、保水性充填剤8を充填していない領域を透水性領域bという。
【0022】
なお、本発明における「表層」とは、舗装の最上部のことである。より詳しくは、車両の摩擦に抵抗し、下層に雨水が浸透するのを防ぎ、支持力を増加し、平たん性を保持するため路盤または基層上につくられる層のことである。
本発明における「路盤」とは、舗装の表層または基層と路床との間にある部分のことである。普通、上層路盤と下層路盤に分けられる。
本発明における「路床」とは、舗装の下、すなわち路盤の下の部分をいう。盛土区間では盛土の最上層、少なくとも1mの厚さの部分、切土区間では自然状態の地盤面より少なくとも深さ1mまでの部分をいう。
【0023】
本発明における「保水拡散層」とは、雨水等を保水し、拡散する機能を有する層である。例えば、樹脂発泡体(ポリウレタンフォーム等)、海綿、繊維構造体(不織布など)からなる。
【0024】
樹脂発泡体としては、樹脂を発泡させて連続気孔としたものであればいずれでも良い。例えば、ゴム系、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系等の合成樹脂系の発泡体を挙げることができる。
【0025】
また、繊維構造体は、繊維または線材からなり、内部に空隙部を有するものを指す。例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル、ポリ塩化ビニリデン、モダクリル等からなる合成繊維や線材を主材とする不織布(シート状、板状など)、パルプ、綿、麻等の天然繊維や、レーヨン、アセテート等の再生・半合成繊維を主材とする不織布(シート状、板状など)を挙げることができる。また、フェルトや織布でも良い。また、複数の繊維を絡み合わせたものでも良い。また、椰子の繊維など比較的太い繊維やリボン状の木材薄板などを編んだり絡み合わせたりしたものでも良い。また、へちま繊維体など植物由来の繊維体も含む。また、ポリプロピレン等の合成樹脂や金属などからなる線材を、三次元網目構造に成形した構造体をも含む。
【0026】
また、本発明における保水性充填剤8は、セメントとフライアッシュとから構成される。
【0027】
セメントは、骨材6と同一材料を選択するのが好ましい。骨材6は、4〜7号の砕石からなり、透水性のコンクリートが好適である。
【0028】
本発明にかかる舗装構造1に降った雨水等は、表層2の透水性領域bの空隙7を通過し、当該領域の下面にある保水拡散層4によって保水される。そして、表層2の透水性領域bの下面にある保水拡散層4で保水された雨水等は、表層2の保水性領域aの下面にある保水拡散層4まで浸透する。
一方、舗装構造1に降った雨水等は、表層2の保水性領域aの保水性充填剤8によっても保水される。しかし、保水性領域aは浸透性が弱いので、保水性領域aに降った雨水等の大部分は路面3上に溢れ、溢れた雨水等は当該保水性領域aの周囲にある透水性領域bを通過して保水拡散層4によって保水される。
上記保水拡散層4で保水した雨水等は、その水分をその層の展開方向(水平方向)に拡散する。
保水拡散層4で保水しきれない雨水等は路盤5へ移動するが、路盤5は表層2の保水性領域aや保水拡散層4ほど保水性能が高くないため、雨水等の大部分は路盤5を通ってさらに下方にある路床へと移動する。
【0029】
その後、気温が上昇すると保水していた雨水等が路面3から蒸発し、発生した気化熱により路面3の温度を低下させる。
具体的には、まず、表層2の保水性領域aにある保水性充填剤8で保水されていた雨水等が蒸発する。その際、表層2の上部で保水されていた雨水等から順に蒸発が始まる。表層2の中部および下部で保水されていた雨水等は、毛細管現象によって表層2の上部まで上昇し、路面3から蒸発する。
また、表層2の保水性領域aの下面にある保水拡散層4で保水されていた雨水等については、表層2の保水性領域aの保水性充填剤8と保水拡散層4との接面を通じて、毛細管現象によって表層2の上部まで上昇し、路面3から蒸発する。
そして、保水性領域aからの蒸発によって、保水性領域aの水分が減少すると、保水性領域aの下面にある保水拡散層4から水分が引き上げられるため、透水性領域bの下面にある保水拡散層4と保水性領域aの下面にある保水拡散層4の間に水分勾配が生じる。この水分勾配を無くすべく、透水性領域bの下面にある保水拡散層4から保水性領域aの下面にある保水拡散層4へ向けて水分の拡散が促進される。
そして、表層2の透水性領域bの下面にある保水拡散層4で保水されていた雨水等は、表層2の保水性領域aの下面にある保水拡散層4へと移動し、表層2の保水性領域aの保水性充填剤8と保水拡散層4との接面を通じて、毛細管現象によって表層2の上部まで上昇し、路面3から蒸発する。
【0030】
上記のような舗装構造により、路面3に降った雨水や散水は、透水性領域bを通って保水拡散層4へと速やかに浸透するため、路面3上から雨水等を速やかに排水することができる。そして、保水拡散層4に浸透した水分は展開方向(水平方向)に拡散される。
また、その後の路面温度の上昇限及び湿度の下降限となると、保水性領域aから蒸散が生じ、当該蒸散は保水拡散層4に保水されている雨水等がある限り続くため、長い間路面温度を低下させることができる。
言い換えるならば、表層2の保水性領域aの保水性・蒸散性と透水性領域bの透水性が保水拡散層4によってリンクされるため、排水性と保水性と蒸散性を兼ね備えた舗装構造を提供することができる。
【0031】
図2は、実施例2にかかる舗装構造1の断面図である。図1とは異なり、表層2の透水性領域bにある骨材6の表面が保水性充填剤8でコーティングされている点が異なる。このようにすることにより、表層2の透水性領域bでも、保水することができるという効果がある。
また、前記のように骨材6の表面を保水性充填剤8でコーティングしても、複数の骨材6の間には空隙7が生じるため、依然として透水性が損なわれないという効果もある。
【0032】
図3は、実施例3にかかる舗装構造1の断面図である。図1や図2とは異なり、保水拡散層4と路盤5の間に遮水シート9を有している点に特徴がある。実施例1や実施例2の舗装構造1では、保水拡散層4で保水しきれない雨水等は路盤5へ移動するが、実施例3の舗装構造1では、遮水シート9の作用により、路盤5へは雨水等が移動しないという違いがある。
【0033】
実施例3の舗装構造1は、図3のように道路に傾斜を設けた場合に特に効果がある。以下、図3を参照しながら詳述する。
【0034】
図3には、図面の左側に位置する道路の高さが高く、右側に位置する道路の高さが低い道路を例示している。本発明の説明においては、左側から右側へ向かって順に、上流c、中流d、下流eとする。また、図3においては、表層2の保水性領域aと透水性領域bが混合している部分の断面図を示しているが、表層2の保水性領域aの部分の断面や、透水性領域b部分の断面でも、以下に述べる効果と同じような効果を得ることができる。
【0035】
図3の舗装構造1に雨水等が降ると、前記のように、まず表層2の保水性領域aに充填した保水性充填剤8によって雨水等が保水される。しかし、保水性領域aは浸透性が弱いので、保水性領域aに降った雨水等の大部分は路面3上を流れ、当該保水性領域aの周囲にある透水性領域bを透過して保水拡散層4によって保水される。そして、保水拡散層4によっても保水しきれない雨水等は、遮水シート9の上面に溜まることになる。
そして、遮水シート9の上面に留まった雨水等は、遮水シート9の傾斜に従い、上流cや中流dから下流eへ向かって流れることになる。
従って、下流eにある遮水シート9の上面には雨水等が溜まりやすいが、上流cや中流dにある遮水シート9の上面に雨水等が溜まることは少ない。
【0036】
前記のように表層2の保水性領域aや保水拡散層4で保水されたり、遮水シート9の上面に溜まっている雨水等は、気温の上昇とともに路面から蒸発することになるが、上流cよりも下流eのほうが、保水量や溜まっている水分量が多いため、蒸発量も多くなり、上流cよりも下流eにある路面温度のほうが低くなる。
従って、上流cに位置する路面よりも下流eに位置する路面の温度を低くしたい場合には、遮水層9を設けることが有効である。
【0037】
なお、保水拡散層4で保水した雨水等は、重力に従い、主に保水拡散層4の下流e側に向かって拡散する。しかし、保水拡散層4は、道路の勾配が緩やかな場合であれば、雨水等の一部を重力に逆らって上流c側へ拡散させる性能もある。
従って、道路の勾配が緩やかで、雨量が少ない場合には、遮水シート9の上面に雨水が溜まって下流e側へ流れることはなく、保水拡散層4で保水された雨水等の一部は、下流e側へ拡散するとともに、上流c側へも拡散するため、上流c、中流d、下流eそれぞれにある保水拡散層4の保水量のばらつきを抑えることができ、その結果、上流c、中流d、下流eの路面の温度差のばらつきを抑えることができる。
【0038】
次に、道路における表層2の保水性領域aと透水性領域bの配置例を図4に示す。また、図4のX−X’の位置の断面図を図5に示す。
図4は車道fと歩道gとそれらの間にある路肩10からなる道路である。車道fは両側2車線の道路であり、車道の中央に中央線CLが設けられている。また車道fの幅方向両側にはそれぞれ歩道gが設けられており、車道fと歩道gの間には路肩10が設けられている。
【0039】
図4のような道路の場合、車道fの路肩側以外の部分は車両の走行が多いため、透水性領域bを設ける。そのようにすることで、雨水等を速やかに下方の保水拡散層4や路盤5へ排水し、路面3上に水溜り等が発生するのを防ぐことができ、車両が快適に走行できるようになる。
また、図5に示したように、一般に車道には、車道fの幅方向内側は路面3の高さが高く、路肩側は路面3の高さが低くなるように緩やかな勾配が設けられている。従って、車道fの幅方向内側に設けられた透水性領域bに降った雨水等は、前記のように下方の保水拡散層4や路盤5へ排水されるとともに、路面3の表面を伝って、車道fの路肩側へ流れることになる。そのため、この点でも、路面3上に水溜り等が発生するのを防ぐことができ、車両が快適に走行できるようになる。
【0040】
また、図4に示したように、車両の走行が少ない車道fの路肩側に保水性領域aを設けることで、当該領域aで保水することができ、保水した雨水等の蒸発により、路面温度の低下を図ることができる。特に、前述のように、透水性領域bに降った雨水等は、路面3の表面を伝って、車道fの路肩側にある保水性領域aへ集まるため、保水性領域aでの保水量が多くなり、効果的に路面温度の低下を図ることができる。
また、前記保水性領域aからの蒸散は、保水拡散層4に保水されている雨水等がある限り続くため、長い間路面温度を低下させることができる。
言い換えるならば、表層2の保水性領域aの保水性・蒸散性と透水性領域bの透水性が保水拡散層4によってリンクされるため、排水性と保水性と蒸散性を兼ね備えた舗装構造を提供することができる。
【0041】
また、歩道の場合も同様に考えることができる。つまり、人などの通行が少ない歩道gの両端に保水性領域aを設けることで、路面温度の低下を図ることができる。また、歩道gの両端以外の部分は人などの通行が多いため、透水性領域bとすることで、雨水等を速やかに排水して水溜り等の発生を防ぎ、快適に通行できるようにする。
【0042】
なお、図4とは車線や歩道の数が異なる場合についても、同様に考えることができる。つまり、車両や人などが通行する箇所は透水性領域bとすることで、雨水等を速やかに排水し、雨水等が通行の妨げにならないようにする。また、車両や人が通行しない箇所には保水性領域aを設けることで、雨水等を保水し、その後の気温の上昇に伴って路面3から雨水等を蒸発させ、路面温度の低下を図る。
また、一般に車道や歩道においては、車両や人などが通行する路面の面積が、通行しない路面の面積よりも大きいため、保水性領域aの路面の面積は、透水性領域bの路面の面積よりも小さくなる。
【0043】
次に、本発明の舗装構造1を広場に利用した場合について、その例を図6に示す。図6においては、複数の正方形の透水性領域bが格子状に規則正しく設けられ、その境界に保水性領域aが直線状にかつ平行に規則正しく設けられている。
保水性領域aには保水性充填剤8が充填されているため、保水性領域aと透水性領域bの色が異なる。従って、格子模様のように見え、視覚を通じて美観を生じさせることができる。
また、保水性領域aと透水性領域bの位置関係を任意に変えることで、絵、図形、記号、文字などを表すこともでき、視覚を通じて美観を生じさせることができる。特に、保水性充填剤8に顔料を添加することで、色彩の幅が広がり、美観を向上させることができる。
【0044】
本発明に関する実験の内容について、図7〜17を参照しながら説明する。
図7は実験場の平面図である。Area1−1は、縦4m、横4mの正方形の形状をしている。Area1−1の右横隣にはArea1−2があり、Area1−2の右横隣には、Area1−3がある。Area1−2およびArea1−3のそれぞれについても、縦4m、横4mの正方形の形状をしている。
Area1−1の下隣には、Area2−1があり、Area2−1も縦4m、横4mの正方形の形状をしている。Area2−1の右横隣にはArea2−2があり、Area2−2の右横隣には、Area2−3がある。Area2−2およびArea2−3のそれぞれについても、縦4m、横4mの正方形の形状をしている。
Area2−1の下隣には、Area3−1があり、Area3−1も縦4m、横4mの正方形の形状をしている。Area3−1の右横隣にはArea3−2があり、Area3−2の右横隣には、Area3−3がある。Area3−2およびArea3−3のそれぞれについても、縦4m、横4mの正方形の形状をしている。
【0045】
Area1−2の上隣にはArea―4があり、縦1m、横13mの長方形の形状をしている。Area1−1の左横隣にはArea−5があり、縦14m、横1mの長方形の形状をしている。
なお、前記実験場の周辺は何もなく、雲以外の要因によって日陰ができることはない。
【0046】
図8は、図7のY−Y’の箇所の断面図である。図7および図8の道路には、1/100の勾配が設けられている。言い換えると、図7のArea1−1の左端より左側にある路面3の高さが最も高く、図7のArea1−3の右端の路面3の高さが最も低くなっており、Area1−1からArea1−3に向かって緩やかな勾配が設けられている。Area1−1内においても路面3の高さに違いがあり、図7のArea1−1の左端の高さが最も高く、右端の高さが最も低くなるように、左端から右端へ向かって緩やかな勾配が設けられている。Area1−2、Area1−3内においても、路面3の高さに違いがあり、Area1−1と同様の勾配が設けられている。
【0047】
図8は、図7のY−Y’の箇所の断面を現したもの、つまり、Area1−1、Area1−2、Area1−3の断面を現したものであるが、Area2−1、Area2−2、Area2−3についても、Area1−1、Area1−2、Area1−3と同様の勾配が設けられている。前述の説明において、Area2−1がArea1−1に相当し、Area2−2がArea1−2に相当し、Area2−3がArea1−3に相当する。
また、Area3−1、Area3−2、Area3−3についても、Area1−1、Area1−2、Area1−3と同様の勾配が設けられている。前述の説明において、Area3−1がArea1−1に相当し、Area3−2がArea1−2に相当し、Area3−3がArea1−3に相当する。
【0048】
以下の説明においては、路面の高さが高い部分を上流といい、路面の高さが低い部分を下流といい、上流と下流の中間領域を中流という。
例えば、実験場全体で考えると、Area−5およびArea1−1、Area2−1、Area3−1は路面の高さが高いため上流といい、Area1−3、Area2−3、Area3−3は路面の高さが低いため下流といい、Area1−2、Area2−2、Area3−2は前記上流と下流の中間領域に位置するため中流という。
なお、前記のとおり、例えばArea1−1内でも路面の高低差がある。そのため、図7のArea1−1の左側は、Area1−1内では路面の高さが高い方に分類されるため、上流側といい、図7のArea1−1の右側は、Area1−1内では路面の高さが低い方に分類されるため、下流側という。
【0049】
次に、Area1−1〜Area3−3の舗装構造について図2および図9を参照しながら説明する。
Area1−1、Area1−2、Area1−3の舗装は、図9の(A)のような構造をしている。具体的には、路盤5の上面に遮水性シート9が設けられ、遮水性シート9の上面に保水拡散層4が設けられ、保水拡散層4の上面に表層2が設けられている。当該表層2は、透水性領域bである。当該表層2は、空隙率が20%以上の透水性コンクリートである骨材6と、当該骨材6の表面をコーティングするように覆う保水性補填剤8と、複数の骨材6および保水性補填剤8の間にできた空隙7からなる。
【0050】
上記実験で使用した保水性補填剤8は、保水性セメントミルクである。実験で使用した保水性セメントミルクの組成は、下記表1の通りである。
本実験においては、上記のような組成の保水性セメントミルクを使用したが、本発明における保水性セメントミルクは、実験に使用した組成の保水性セメントミルクに限定されない。
【0051】
【表1】

PRパウダー(品名:(株)佐藤渡辺)は、半たわみ性舗装用混合セメントであり(荷姿:25kgの超速硬タイプを主に使用する。なお、混合水量は混合した保水ミルクの流下速度で決定する。その速度はPフロートにて8.5〜9.0sec範囲を標準とする。
【0052】
Area1−1、Area1−2、Area1−3における保水性セメントミルクの散布量は10.5L/m2である。また、透水性能は、空隙率18%以上であり、透水係数1×10-2cm/s以上である。
【0053】
次に、Area2−1、Area2−2、Area2−3の舗装は、図9の(B)のような構造をしている。具体的には、路盤5の上面に表層2が設けられている。当該表層2は、透水性領域bである。当該表層2は、空隙率が20%以上の透水性コンクリートである骨材6と、当該骨材6の表面をコーティングするように覆う保水性補填剤8と、複数の骨材6および保水性補填剤8の間にできた空隙7からなる。保水性補填剤8には、前述の保水性セメントミルクを使用している。
Area2−1、Area2−2、Area2−3における保水性セメントミルクの散布量は、他のAreaと比べて少し多く、12.5L/m2である。空隙率16%以上であり、透水係数1×10-2cm/s以上である。
【0054】
次に、Area3−1、Area3−3の舗装は、図9の(C)のような構造をしている。具体的には、路盤5の上面に保水拡散層4が設けられ、保水拡散層4の上面に表層2が設けられている。当該表層2は、透水性領域bである。表層2は、空隙率が20%以上の透水性コンクリートからなる骨材6と、当該骨材6の表面をコーティングするように覆う保水性補填剤8と、複数の骨材6および保水性補填剤8の間にできた空隙7からなる。保水性補填剤8には、前述の保水性セメントミルクを使用している。
Area3−1、Area3−3における保水性セメントミルクの散布量は10.5L/m2である。また、透水性能は、空隙率18%以上であり、透水係数1×10-2cm/s以上である。
【0055】
次に、Area3−2の舗装は、図2のような構造をしている。具体的には、路盤5の上面に保水拡散層4が設けられ、保水拡散層4の上面に表層2が設けられている。当該表層2は、保水性領域aと、透水性領域bからなる。前記透水性領域bは、空隙率が20%以上の透水性コンクリートからなる骨材6と、当該骨材6の表面をコーティングするように覆う保水性補填剤8と、複数の骨材6および保水性補填剤8の間にできた空隙7からなる。保水性領域aは、空隙率が20%以上の透水性コンクリートからなる骨材6と、当該複数の骨材6の間を埋めるように保水性補填剤8が設けられ、空隙7がない点が前記と透水層2と異なる。保水性補填剤8には、前述の保水性セメントミルクを使用している。
Area3−2の透水性領域bにおける保水性セメントミルクの散布量は10.5L/m2である。また、透水性能は、空隙率18%以上であり、透水係数1×10-2cm/s以上である。
Area3−2の保水性領域aにおける保水性セメントミルクの散布量は25L/m2である。また、透水性能は、空隙率8%以上であり、透水係数1×10-4cm/s以上である。
【0056】
次に、Area3−2の保水性領域aと透水性領域bの配置について、図10を参照しながら説明する。
Area3−2内を縦横等間隔に分割し、Area3−2内に9つの正方形からなる区域を設けた。Area3−2内の四隅にある正方形の区域および中央にある区域をArea3−2(X)とし、その他の区域をArea3−2(Y)とした。Area3−2(X)には保水性領域aを設け、Area3−2(Y)には透水性領域bを設けた。
【0057】
次に、図7に示したArea−4、Area−5の舗装構造について説明する。
Area−4は、路盤5の上面に、空隙率が20%以上の透水性コンクリートからなる骨材6を積層した層を設けたものである。また、Area−5は、路盤5の上面に、アスファルトからなる骨材6を積層した層を設けたものである。
【0058】
次に、測定項目について説明する。
本実験においては、2010年8月23日、24日、26日の計3日間、前記実験場における路面温度、気温、相対湿度、水平面全天日射量、風向・風速、降水量の各項目について測定を行った。また、下記表2に示すように、所定の日時に所定の水量を所定のAreaに散布し、散布後の路面の温度変化を計測した。
【0059】
【表2】

前記各Areaの路面温度の測定には熱電対を用いた。具体的には、各Areaのほぼ中央の舗装面に表面用熱電対を貼付後、同色のセメントペーストを薄く塗って行った。
気温、相対湿度、水平面全天日射量、風向・風速、降水量の各項目については、米国Cambell社製気象観測システム(データロガ:CR10X)により測定した。
なお、上記測定はすべて10分間隔の自動記録とした。
【0060】
図11〜図17を参照しながら、測定結果について説明する。
図11は、水平面全天日射量の時間毎の変化を表したグラフである。計測した3日間とも、5時半頃の日の出とともに日射量が次第に増え、12時頃には800W/m2を越えてピークになり、その後次第に減少して18時頃の日没には再び0W/m2となっている。
【0061】
図12は、気温の時間毎の変化を表したグラフである。計測した3日間とも、最低気温24度、最高気温34度程度である。日の出とともに温度が次第に上昇し、9時〜17時の間は30度を越え、日没後は気温が低くなっている。
なお、2010年8月23日、24日、26日の計3日間とも、降水量は0であった。
【0062】
図13はArea1−2の路面温度の時間毎の変化、図14はArea2−2の路面温度の時間毎の変化、図15はArea3−2の路面温度の時間毎の変化、図16はArea−4の路面温度の時間毎の変化、図17はArea−5の路面温度の時間毎の変化をそれぞれ表したものである。
【0063】
散水を行ったか否かで、路面温度の変化の仕方が大きく異なるが、まず、散水を行っていない8月23日について説明する。
Areaとも午後1時頃に路面温度のピークを迎えている。その中でも、Area−5が最も高く、64度前後まで達している。次に、Area−4の温度が高く、58度前後まで達している。次に、Area1−2とArea2−2がほぼ同じ53度前後であり、最も低い温度だったのは、Area3−2の50度である。
この結果から、Area−5に見られる通常のアスファルト舗装よりも、Area1−2、Area2−2、Area3−2、Area−4のように、空隙率が20%以上の透水性コンクリートからなる骨材6の表面を保水性セメントミルクでコーティングすることで、路面温度を大幅に下げることができていることが分かる。
また、Area1−2やArea2−2に見られるように、路盤5の上方に保水性領域aを有さない舗装構造よりも、Area3−2にように、保水性領域aを有する舗装構造のほうが、路面温度が低くなるということが分かる。
【0064】
次に、1mm/m2の散水を行った8月26日の結果について説明する。
Area−5では、散水を行った直後に路面温度が急激に低下しており、具体的には10度以上低下していることが分かる。しかし、その後路面温度が急激に上昇に転じ、散水から3時間も経過すると、散水を行っていない23日と同じ程度の温度まで回復していることが分かる。これは、路盤5の上方に、散水した水分を保持する層がないためと考えられる。
Area−4では、散水を行った直後に路面温度が急激に低下しており、具体的には10度以上低下していることが分かる。しかし、その後路面温度が急激に上昇に転じ、散水から3.5時間も経過すると、散水を行っていない23日と同じ程度の温度まで回復していることが分かる。これは、路盤5の上方に散水した水分を保持する層があるが、保持力が小さいためであると考えられる。
Area1−2、Area2−2、Area3−2においては、散水を行った後に路面温度が急激に低下していることが分かる。この低下度合いは、Area−4およびArea−5よりも小さい。その後路面温度が上昇に転じ、散水から4時間も経過すると、散水を行っていない23日と同じ程度の温度まで回復していることが分かる。これは、路盤5の上方に散水した水分を保持する層があり、保持力がある程度あるためと考えられる。
【0065】
8月26日の散水量は1mm/m2と少ない量であった。そのため、散水後、散水を行っていない23日の路面温度と同じ程度の温度まで路面温度が上昇するのにかかる時間について、Area1−2、Area2−2、Area3−2、Area−4、Area−5の間に顕著な違いが出なかった。
しかし、散水した直後は各Areaとも路面温度が40度前半程度の温度まで下がるが、散水後の最高路面温度に違いが出ている。
具体的には、Area−5では最高で60度を越える温度にまで路面温度が上昇している。また、Area―4では最高で約55度まで路面温度が上昇し、Area1−2とArea2−2では最高で約52度まで路面温度が上昇している。しかし、Area3−2では、最高でも約45度までしか路面温度が上昇していない。
これは、Area3−2の保水構造1の保水能力が高いことに起因していると考えられる。
【0066】
次に、5mm/m2の散水を行った8月24日の結果について説明する。
Area−5では、散水を行った直後に路面温度が急激に低下しており、具体的には10度以上低下していることが分かる。しかし、その後路面温度が急激に上昇に転じ、散水から4時間も経過すると、散水を行っていない23日と同じ程度の温度まで上昇していることが分かる。これは、路盤5の上方に散水した水分を保持する層がないため、低い路面温度を維持できないと考えられる。
Area1−2では、散水を行った直後に路面温度が急激に低下し、約50度から約40度に低下している。その後、路面温度が上昇に転じ、散水から約3時間経つと散水前とほぼ同じ温度の50度になっている。しかし、散水を行っていない23日と同じ程度の温度になるのは、散水から約11時間後の22時頃である。これは、路盤5の上方に散水した水分を保持する層があるため、低い路面温度を長時間維持できていると考えられる。
Area3−2では、散水を行った直後に路面温度が緩やかに低下し、約1時間かけて約46度から約40度に低下している。その後、路面温度が緩やかに上昇し、散水から約4時間経つと散水前の46度とほぼ同じになっている。しかし、散水を行っていない23日と同じ程度の温度にまで上昇するのは、散水から約12時間後の22時30分頃である。これは、路盤5の上方に散水した水分を保持する層があるため、低い路面温度を長時間維持できていると考えられる。
また、Area1−2とArea3−2を比較すると、Area3−2は不織布の上面に保水性領域aがあり、その保水性領域でも保水するため、Area1−2よりも相対的に低い温度で路面温度が推移している。
【符号の説明】
【0067】
1:舗装構造、2:表層、3:路面、4:保水拡散層、5:路盤、6:骨材、7:空隙、8:保水性補填剤、9:遮水性シート、10:路肩、11:広場
a:保水性領域、b:透水性領域、c:上流、d:中流、e:下流、f:車道、g:歩道、CL:中央線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透水性領域および雨水を保水する保水性領域からなる表層と、
前記表層の透水性領域および保水性領域の下方にこれらに跨って形成された、浸透する水分を一時的に保水しかつその水分を平面方向に拡散する保水拡散層と、
当該保水拡散層の下方であって、路床の上方に設けた路盤と、
を有することを特徴とする舗装構造。
【請求項2】
前記保水拡散層と前記路盤との間に、不透水性の遮水性のシートを設けた請求項1記載の舗装構造。
【請求項3】
舗装構造が道路の舗装構造であって、前記表層の保水性領域は、道路の路肩側に設けられる請求項1または2記載の舗装構造。
【請求項4】
前記表層の保水性領域は、透水性コンクリートを敷きならし、締固めして形成した表層の空隙に保水性充填剤を充填して形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の舗装構造。
【請求項5】
路床の上方に路盤を設け、
浸透する水分を一時的に保水しかつその水分を平面方向に拡散する保水拡散層を前記路盤の上方に設け、
透水性領域および雨水を保水する保水性領域からなる表層を前記保水拡散層の上方に設け、
前記保水拡散層は、前記表層の透水性領域および保水性領域の下方にこれらに跨って形成されることを特徴とする舗装方法。

【図5】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−207433(P2012−207433A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73297(P2011−73297)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000172813)佐藤工業株式会社 (73)
【出願人】(592090315)株式会社佐藤渡辺 (10)
【Fターム(参考)】