航法援助装置
【課題】部分拡大表示部の表示内容からも捕捉・追尾中の物標に関する情報を読み取れるようにし、また部分拡大表示部上での操作によっても捕捉・追尾対象とする物標またはターゲットマークを指定可能とする。
【解決手段】選択された物標またはターゲットについてターゲットマークMt1を通常倍率表示部Dnに表示するとともにターゲットマークMt2を部分拡大表示部Deに表示する。また、部分拡大表示部Deに複数の物標やターゲットマークが表示されている際、その部分拡大表示部De内で所望の物標またはターゲットマークを選択することによって選択物標を切り替える。
【解決手段】選択された物標またはターゲットについてターゲットマークMt1を通常倍率表示部Dnに表示するとともにターゲットマークMt2を部分拡大表示部Deに表示する。また、部分拡大表示部Deに複数の物標やターゲットマークが表示されている際、その部分拡大表示部De内で所望の物標またはターゲットマークを選択することによって選択物標を切り替える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、探知領域内に存在する物標を探知するレーダ装置や、自船・他船の位置を表示するプロッタ装置等において、特に所定範囲を拡大表示する航法援助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、レーダによる探知データを表示する際に通常の表示倍率より拡大して表示する拡大表示モードを備えたレーダ装置が特許文献1〜3に開示されている。
【0003】
特許文献1のレーダ装置は、拡大モードが指定されると、画像が所定倍率で拡大されるとともに、指定された位置が表示画面の中心と一致するように画像全体がシフトされて表示されるように構成されている。そのことによって、指定された位置を中心とした周辺の物標の様子を詳細に把握できるようにしている。
【0004】
特許文献2のレーダ装置は探知画像データを記憶する画像メモリ内の拡大すべき領域および拡大結果を表示すべき領域を指定することによって、目標物標を部分的に拡大して表示するものであり、探知レンジおよび画面上の自船位置を変更することなく目標物標の拡大画像をリアルタイムに表示する構成が示されている。
【0005】
特許文献3のレーダ装置は、物標の位置を捕捉・追尾する捕捉追尾手段と、捕捉・追尾中の物標のうち所定の物標を指定する物標指定手段と、指定された物標の位置を含む領域を拡大表示する手段を備えたものであり、予め注目すべき物標として捕捉・追尾されている複数の物標の中から所定の物標を選択することによって、その物標および周辺の監視を容易に行えるようにしたものである。
【0006】
図1は特許文献3のレーダ装置の表示画面の表示例である。図1(A)に示す状態は、ARPA(Automatic Radar Plotting Aids,自動衝突予防援助装置)機能により捕捉・追尾されている物標のうち、どの物標の付近を拡大するかを指定する状態である。ここで、Aはレーダ探知領域全体の表示部、Tはそのレーダ探知領域中に表示されている1つのターゲットである。図1(B)は物標番号10の指定を行った後の表示例である。ここで、Zは拡大表示部である。また、Cは拡大表示を行うべき拡大領域を示す円形のマークである。拡大表示部Zには物標番号10の物標のエコーが拡大表示されている。
【特許文献1】特開平5−188134号公報
【特許文献2】特開2002−296341号公報
【特許文献3】特開2002−311127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが特許文献1〜3に示されている従来のレーダ装置においては、拡大表示部に表示されるのはエコー画像のみであって、ARPAやAIS(Automatic Identification System,船舶自動識別装置)等によるターゲットマークについては拡大表示部に表示されなかった。また、例えば捕捉・追尾すべき物標を指定する際に通常の倍率で表示されている表示領域でしか選択することができなかった。そのため拡大表示の対象とするターゲットを変更するためには拡大表示モードを一旦オフにする必要があった。
【0008】
上記課題はレーダ装置に限らず、自船の航跡を表示するプロッタ装置等において、他船の位置を表示するような場合にも同様に生じる問題である。
【0009】
この発明の目的は、部分拡大表示部の表示内容からも捕捉・追尾中の物標に関する情報を読み取れるようにし、また部分拡大表示部上での操作によっても捕捉・追尾対象とする物標を指定可能とした航法援助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するためにこの発明は次のように構成する。
(1)自船および他船の位置を含む範囲の画像を表示画面に表示する画像表示手段と、他船に関する情報をターゲットマークとして前記表示画面に表示するターゲットマーク表示手段と、を備えた航法援助装置において、
前記画像表示手段は、前記表示画面に前記範囲内の画像を通常倍率で表示する通常倍率表示手段と、前記表示画面内の所定位置に前記範囲内の画像を拡大倍率で表示する部分拡大表示手段とから構成し、
前記ターゲットマーク表示手段は、前記通常倍率表示手段によって表示される範囲内の対応位置に前記ターゲットマークを表示する第1のターゲットマーク表示手段と、前記部分拡大表示手段によって表示される表示範囲内の対応位置に前記ターゲットマークを表示する第2のターゲットマーク表示手段と、から構成する。
【0011】
(2)自船および他船の位置を含む範囲の画像を表示画面に表示する画像表示手段と、該画像表示手段によって前記表示画面上に表示されている他船を指定する指定手段と、該指定手段により指定された他船を捕捉・追尾する捕捉・追尾手段と、を備えた航法援助装置において、
前記画像表示手段は、前記表示画面に前記範囲内の画像を通常倍率で表示する通常倍率表示手段と、前記表示画面内の所定位置に前記範囲内の画像を拡大倍率で表示する部分拡大表示手段とから構成し、
前記指定手段は、前記通常倍率表示手段によって表示される他船の選択によって他船を指定する通常倍率表示部指定手段と、前記部分拡大表示手段によって表示される他船の選択によって他船を指定する部分拡大表示部指定手段と、から構成する。
【0012】
(3)探知領域内に存在する物標を探知する物標探知手段を備え、
前記画像表示手段は前記物標探知手段により探知された前記探知領域内の物標の探知データを表示画面に表示する手段を含むものとする。例えばレーダによって探知された物標のエコーを表示する。
【0013】
(4)前記ターゲットマーク表示手段は、前記物標探知手段により探知された物標の自船に対する相対位置変化から求めた物標に関する情報をターゲットマークとして前記表示画面に表示するものとする。例えばARPAユニットを設けて、レーダによって探知された物標の自船に対する相対位置変化を基に物標の移動速度・移動方向等を求め、これをターゲットマークとして表示するように構成する。
【0014】
(5)前記ターゲットマーク表示手段は、他船から送信される船舶自動識別用信号を受信して得た他船に関する情報をターゲットマークとして前記表示画面に表示するものとする。例えば他船に搭載されているAISから送信される他船の船舶識別用信号を受信して、その他船に関する位置、針路、船首方位、船速等の情報をターゲットマークとして表示する。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば次のような効果を奏する。
(1)請求項1に係る発明によれば、通常倍率表示手段によって表示画面に自船および他船の位置を含む範囲の画像が通常倍率で表示され、部分拡大表示手段によって前記範囲の画像が所定の拡大倍率で表示画面内の所定位置に表示される。そして、第1のターゲットマーク表示手段によって、通常倍率表示手段により表示される範囲内の対応位置にターゲットマークが重ねて表示され、第2のターゲットマーク表示手段によって、部分拡大表示手段により表示される表示範囲内の対応位置にターゲットマークが重ねて表示される。このことにより、部分拡大表示部内の物標についても、その物標に関する位置、船首方位、船速等の情報がターゲットマークで表示されるので、通常倍率表示部での表示内容との比較が容易となり、表示画面の表示内容の把握が容易となる。
【0016】
(2)請求項2に係る発明によれば、通常倍率表示手段によって表示画面に自船および他船の位置を含む範囲の画像が通常倍率で表示され、部分拡大表示手段によって前記範囲の画像が所定の拡大倍率で表示画面内の所定位置に表示される。そして、通常倍率表示部指定手段によって、通常倍率表示手段により表示されている他船が選択され、部分拡大表示部指定手段によって、部分拡大表示手段により表示されている他船が選択されるので、通常倍率で表示されている他船の指定だけでなく部分拡大表示されている他船についても所望の他船の指定を行うことができ、新たな他船の捕捉・追尾を開始することができる。
【0017】
(3)請求項3に係る発明によれば、探知領域内に存在する物標が物標探知手段により探知され、その探知データが画像表示手段によって表示画面に表示されるので、例えばレーダ方式によって探知した物標の画像を表示する装置に適用できる。
【0018】
(4)請求項4に係る発明によれば、前記物標探知手段により探知された物標の自船に対する相対位置変化から物標に関する情報が求められ、その情報に応じたターゲットマークがターゲットマーク表示手段によって表示画面に表示されるので、前記レーダ方式によって探知されて追尾されている物標をターゲットマークによって容易に読み取ることができる。例えば前記ARPAユニットにより求められた物標の移動速度・移動方向等が、通常倍率表示手段によって表示される範囲内または部分拡大表示手段によって表示される表示範囲内にターゲットマークで表示されるので、物標の位置および運動を容易に読み取れるようになる。
【0019】
(5)請求項5に係る発明によれば、他船から送信される例えばAIS等による船舶自動識別用信号を受信して得た他船に関する情報が、通常倍率表示手段によって表示される範囲内または部分拡大表示手段によって表示される表示範囲内にターゲットマークとして表示されるので、他船の位置および運動を容易に読み取れるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
《第1の実施形態》
この発明の第1の実施形態であるレーダ装置について各図を参照して説明する。
図2はこの発明の第1の実施形態に係るレーダ装置の表示画面の表示例を示す図である。表示画面は幾つかの表示領域(表示部)を有している。おもな表示部は通常倍率表示部Dn、部分拡大表示部De、マークデータ表示部Dc、およびターゲットデータ表示部Dtである。
【0021】
通常倍率表示部Dnには他船のターゲットマークMt1等を表示している。部分拡大表示部Deは通常倍率表示部Dnに部分的に重なるように表示する。この例では、通常倍率表示部Dnにおいて拡大表示範囲マークMdで示す範囲を拡大表示している。部分拡大表示部De内のターゲットマークMt2は通常倍率表示部Dn内のターゲットマークMt1と同じターゲット(他船)のマークである。
【0022】
図2では物標のエコー画像の図示を省略しているが、ターゲットマークMt1,Mt2は物標のエコー画像に重ねて表示することになる。
【0023】
部分拡大表示部Deには通常倍率表示部Dn内で指定した拡大表示範囲マークMdで示される範囲を2倍(面積で4倍)に表示する。但しターゲットマークについては通常倍率表示部Dn内でのターゲットマークと同じ大きさで表示する。このことにより、大きなターゲットマークでエコー画像が隠れる、といった不都合を無くすことができる。
【0024】
図2に示した例では部分拡大表示部Deを表示画面の左寄りに配置したが、例えばターゲットマークMt1が通常倍率表示部Dnの左側に存在する場合には、部分拡大表示部Deを表示画面の右側に配置して、部分拡大表示部Deが通常倍率表示部Dnにおける物標のエコーおよびターゲットマークの表示を遮らないように表示制御する。
【0025】
マークデータ表示部Dcには、自船の位置・船速に関する値、十字カーソルの位置、および目的値等を表示する。
【0026】
ターゲットデータ表示部Dtには、選択されたターゲットに関するデータを表示する。例えばベクトル基準が真(TRUE)であること、MMSI番号(AISターゲットに対して一意に割り当てられる識別番号)、船名(NAME)等々である。
【0027】
図3はターゲットマークの表示例を示している。ここで図3(A)は、追尾を行っていないか追尾不能であって船首方位や針路が不明である物標(休止化ターゲット)のターゲットマークである。
【0028】
図3(B)は、追尾中の物標(活性化ターゲット)のターゲットマークであり、三角形マークの先端から延びる実線の直線によって船首方位、破線の直線によって針路をそれぞれ表している。またこれらの破線の直線の長さによって、所定時間後の移動距離を表している。
【0029】
追尾中の物標に関しては各物標ごとにAISの前記MMSI番号および後述するARPAユニットにより付与された識別番号を関連づけて、AISによる情報とARPAによる情報を併せて保持している。
【0030】
図3(C)は追尾中で且つ拡大表示するターゲットとして選択中の物標のターゲットマークであり、図3(B)に示した状態に更に四角形に取り囲むようなマークMtsを付加したものである。図2に示したターゲットマークMt1,Mt2はこの選択中のターゲットマークである。
【0031】
このように、図2に示した通常倍率表示部Dnおよび部分拡大表示部Deのいずれにも選択中のターゲットマークMt1,Mt2を表示することによって、両者が対応関係にあることを容易に把握できるようになる。
【0032】
図4は、図2に示した通常倍率表示部DnにおけるターゲットマークMt1および拡大表示範囲マークMdの表示位置の遷移について示している。ターゲットマークMt1で示される物標は選択中の物標であるので、その相対位置の移動に伴ってターゲットマークMt1の表示位置が通常倍率表示部Dn上で移動する。これに伴い、この拡大表示範囲マークMdの中央にターゲットマークMt1が表示される関係で、拡大表示範囲マークMdも移動する。
一方、このような選択物標の移動によっても、図2に示した部分拡大表示部De内の表示は、選択中の物標のターゲットマークMt2が常にその中央に表示されることになる。
【0033】
図5はレーダ装置全体の構成をブロック化して表した図である。図5において空中線部1は、レーダアンテナと送受信部とを備えている。ADコンバータ2は、空中線部1からの送信トリガ信号に同期して、距離クロックのタイミングでビデオ信号をサンプリングするとともにディジタルデータに変換する。1次メモリ3は、1スイープ分のデータを蓄積する。描画アドレス発生回路4は、空中線部1からアンテナの方位信号および船首線信号を入力して、1次メモリ3の内容を極座標から直交座標へ変換するとともに通常倍率表示部用表示メモリ5へ書き込むためのアドレス信号を発生する。セレクタ16は上記表示メモリ5に対するアドレス信号の切り替えを行う。
【0034】
ARPAユニット8は、空中線部1から方位信号、船首線信号、トリガ信号、ビデオ信号をそれぞれ入力し、またジャイロコンパスなどから、船首方位である方位基準信号を入力して、レーダエコーから物標の位置を抽出、捕捉、追尾する。
【0035】
CPU9は、前記ジャイロコンパスなどから方位基準信号を入力し、表示画面の上方をどの基準方位にして表示するかの表示モードに応じて制御を行う。すなわち、表示アドレス発生回路15の制御によって各表示メモリ5,6,13,21に対する読み出しアドレスを制御する。これにより表示モードに応じて、北、船首方位、針路方位のいずれかが上向きに表示されるように制御する。
【0036】
またCPU9は、ARPAユニット8によって捕捉・追尾されている物標の位置データを基に、その捕捉・追尾中の物標を示すマーク(ターゲットマークMt1)を表示するためのデータを、セレクタ18を介して通常倍率表示部用マーク表示メモリ13に書き込む。セレクタ18は通常倍率表示部用マーク表示メモリ13に対するアドレス信号の切り替えを行う。
【0037】
またCPU9は、部分拡大表示部用マーク表示メモリ21へ描画する際の描画アドレスを、セレクタ20を介して与えるとともに部分拡大表示部用マーク表示メモリ21へ捕捉・追尾中の物標を示すマーク(ターゲットマークMt2)を描画する。セレクタ20は部分拡大表示部用マーク表示メモリ21に対するアドレス信号の切り替えを行う。
【0038】
またCPU9は、トラックボールやタッチパネルなどの操作子10の操作を読み取り、十字カーソルの移動や各種モードの切り替えなどを行う。
【0039】
さらにCPU9は、AIS受信機からAIS受信信号を読み取り、そのターゲットの位置に応じて、通常倍率表示部用マーク表示メモリ13および部分拡大表示部用マーク表示メモリ21へターゲットマークを書き込む。
【0040】
部分拡大表示部用マーク表示メモリ21は部分拡大表示部へのターゲットマークの表示データを保持する。
【0041】
読み出しアドレス発生回路14は表示メモリ5に書き込まれている表示データのうち拡大すべき領域のアドレスを順次発生する。部分拡大表示部描画アドレス発生回路7は、読み出しアドレス発生回路14によってアドレス指定された通常倍率表示部用表示メモリ5のデータを部分拡大表示部用表示メモリ6のどの位置に書き込むかのアドレスを発生する。この読み出しアドレス発生回路14と部分拡大表示部描画アドレス発生回路7のアドレス発生によって、通常倍率表示部用表示メモリ5内の所定領域を部分拡大表示部用表示メモリ6へ拡大コピーする。セレクタ17は部分拡大表示部用表示メモリ6に対するアドレス信号の切り替えを行う。
【0042】
表示アドレス発生回路15は、セレクタ16を介して、通常倍率表示部用表示メモリ5に対して表示読出しアドレス信号を発生し、セレクタ17を介して部分拡大表示部用表示メモリ6に対して表示読み出しアドレス信号を発生し、セレクタ18を介して通常倍率表示部用マーク表示メモリ13に対して表示読み出しアドレス信号を発生し、同様に、セレクタ20を介して部分拡大表示部用マーク表示メモリ21に対する表示読出しアドレス信号を発生する。
【0043】
ビデオ合成回路11は、通常倍率表示部用表示メモリ5、部分拡大表示部用表示メモリ6、通常倍率表示部用マーク表示メモリ13、および部分拡大表示部用マーク表示メモリ21からそれぞれ読み出されたデータを合成して、表示器12へ表示信号として出力する。表示器12は、この表示信号を基に1つの画面表示を行う。
【0044】
図6〜図8は図5に示したCPU9の主要な処理内容を示すフローチャートである。
図6は操作子10の入力処理に関するフローチャートである。まず操作子10の入力を読み取る(S11)。ズームモードが(相対モード、真モード、およびターゲットモードのいずれか)が選択されたなら、その状態を記憶する(S12→S13)。これら各モードについては後に説明する。
【0045】
操作子10の操作によって十字カーソルが移動表示されて、その十字カーソルの位置を指定する操作がなされたなら、後述する位置指定処理を行う(S14→S15)。
【0046】
ズームオン/オフの選択操作がなされたなら、部分拡大表示部(図2に示したDe)の表示オン/オフの切り替えを行う(S16→S17)。
【0047】
なお、その他の操作であれば、その操作に応じた処理を行う(S18)。
【0048】
図7は、図6に示したステップS15の位置指定処理についてのフローチャートである。まず真モードであり、且つ十字カーソルが部分拡大表示部内にある時、その十字カーソルの位置に応じた(緯度,経度)を算出し、それを記憶する(S21→S22→S23)。また、十字カーソルが通常倍率表示部内にある時、その十字カーソルの位置に応じた(緯度,経度)を算出し、それを記憶する(S22→S24)。そして、その位置を中心とする所定範囲を部分拡大表示部に表示する(S25)。
【0049】
また相対モードであり、且つ十字カーソルが部分拡大表示部内にある時、その十字カーソルの位置を自船に対する相対位置(自船からの方位および距離)として算出し、それを記憶する(S26→S27→S28)。また、十字カーソルが通常倍率表示部内にある時、その十字カーソルの位置を自船に対する相対位置として算出し、それを記憶する(S27→S29)。そして、その相対位置を中心とする所定範囲を部分拡大表示部に表示する(S30)。
【0050】
さらに、ターゲットモードであり、且つ十字カーソルが部分拡大表示部内にある時、その十字カーソルで指定された該当の物標(エコー)またはターゲット(ターゲットマークで表示されているターゲット)の位置およびターゲットIDを記憶する(S31→S32)。また、十字カーソルが通常倍率表示部内にある時、その十字カーソルで指定された該当の物標(エコー)または上記ターゲットの位置およびターゲットIDを記憶する(S31→S33)。そして、その物標の位置を中心とする所定範囲を部分拡大表示部に表示する(S34)。
【0051】
なお、ARPAユニット8によって未だ捕捉・追尾されていない物標や、AIS受信機がAIS信号を受信していない他船については該当のターゲットマークが表示されていないので、その物標を上記十字カーソルで指定した場合は、その物標を捕捉・追尾させる指示をARPAユニット8へ与え、ARPAユニット8によって新たに付与されたターゲットIDを受け取り、それを記憶する。
その後、指定された位置の物標を選択中の物標として設定する(S35)。
【0052】
図8はターゲットマークの表示に関するフローチャートである。まず、図5に示したARPAユニット8から物標情報を読み取る(S41)。また外部のAIS受信機からAIS受信信号を入力する(S42)。そして、通常倍率表示部Dnに対して表示可能なターゲットマークを表示する(S43)。また、部分拡大表示部Deに対して表示可能なターゲットマークを表示する(S44)。このようにして最新の物標情報を基にしてターゲットマークを表示する。このステップS43,S44が請求項4,5に係るターゲットマーク表示手段に対応する。
【0053】
以上のようにして、部分拡大表示部内の物標についても、その物標に関する位置、船首方位、船速等の情報がターゲットマークで表示されるので、通常倍率表示部での表示内容との比較が容易となり、表示画面の表示内容の把握が容易となる。また、通常倍率で表示されている物標の指定だけでなく部分拡大表示されている物標またはターゲットマークについても所望の物標の指定を行うことができ、新たな物標の捕捉・追尾を開始することができる。
【0054】
《第2の実施形態》
この発明の第2の実施形態であるプロッタ装置について各図を参照して説明する。
図9はこの発明の第2の実施形態に係るプロッタ装置(航跡表示装置)の表示画面の表示例を示す図である。表示画面は幾つかの表示領域(表示部)を有している。おもな表示部は通常倍率表示部Dnおよび部分拡大表示部Deである。
【0055】
通常倍率表示部Dnには、海図(海岸線)CL、自船マークMs、目的地マークMp1,Mp2、他船のターゲットマークMt3等を表示している。部分拡大表示部Deは通常倍率表示部Dnに部分的に重なるように表示する。この例では、通常倍率表示部Dnにおいて拡大表示範囲マークMdで示す範囲を拡大表示している。部分拡大表示部De内のターゲットマークMt4は通常倍率表示部Dn内のターゲットマークMt3と同じターゲット(他船)のマークである。この例では部分拡大表示部De内に目的地マークMp1,Mp2間を結ぶ直線の航路Tも表示している。
【0056】
図10はプロッタ装置全体の構成をブロック化して表した図である。図10において、
GPS受信機21は自船位置を測位し、AIS受信機22は他船から送信されるAIS信号を受信する。CPU24は、GPS受信機21から自船の位置情報を読み取り、AIS受信機から他船の位置などの情報を読み取る。また、CPU24はトラックボールやタッチパネルなどの操作子23の操作を読み取り、十字カーソルの移動や各種モードの切り替えなどを行う。
【0057】
表示メモリ25は表示器27の表示画面に表示する表示データを保持するメモリである。CPU24は表示内容に応じた表示データを表示メモリ25に書き込む。
【0058】
ビデオ回路26は表示メモリ25の内容に応じた表示信号を生成して表示器27へ出力する。これにより、表示器27は表示メモリ25に書き込まれた表示データに応じた画像を表示する。
【0059】
図11は図10に示したCPU24の主要な処理内容を示すフローチャートであり、航跡などの表示に関するフローチャートである。まず、自船の位置をGPS受信機21から読み取り、表示縮尺率や表示モード(ノースアップモード、ヘッドアップモード、コースアップモード等)に応じて表示データを作成し、それを表示メモリ25に書き込む。この表示データには、海岸線や緯度経度線などの海図、自船マーク、目的地マーク、航跡を含んでいる。
【0060】
その他の処理である操作子入力処理は図6に示したものと同様である。また、位置指定処理は図7に示したものと同様である。さらに。ターゲットマーク表示に関する処理は図8に示したものと同様である。但し、第1の実施形態の場合と異なり、この第2の実施形態に係るプロッタ装置はARPAユニットを備えていないので、AIS受信機22から受け取った信号を基に、CPU24の処理によって他船の追尾を行う。そのため、図7に示したターゲットモードにおける位置指定処理では、位置指定された該当のターゲットについてターゲットIDを付与し、そのターゲットを中心とする部分拡大表示部を表示する。
【0061】
なお、ARPA機能を備えるレーダとプロッタをLAN等で接続された複合機では、プロッタ上にARPAの情報を表示するようにしてもよい。
【0062】
以上のようにして、部分拡大表示部内の他船についても、その他船に関する位置、船首方位、船速等の情報がターゲットマークで表示されるので、通常倍率表示部での表示内容との比較が容易となり、表示画面の表示内容の把握が容易となる。また、通常倍率で表示されているターゲットマークの指定だけでなく部分拡大表示されているターゲットマークについても所望の物標の指定を行うことができ、新たな物標の捕捉・追尾を開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】特許文献3に示されているレーダ装置の表示画面の表示例を示す図である。
【図2】この発明の第1の実施形態に係るレーダ装置の表示画面の表示例を示す図である。
【図3】ターゲットマークの表示例を示す図である。
【図4】通常倍率表示部におけるターゲットマークの表示位置遷移の例を示す図である。
【図5】同レーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図6】CPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】CPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】CPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図9】この発明の第2の実施形態に係るプロッタ装置の表示画面の表示例を示す図である。
【図10】同プロッタ装置の構成を示すブロック図である。
【図11】同プロッタ装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
Dn−通常倍率表示部
De−部分拡大表示部
Dc−マークデータ表示部
Dt−ターゲットデータ表示部
Md−拡大表示範囲マーク
Mt−ターゲットマーク
【技術分野】
【0001】
この発明は、探知領域内に存在する物標を探知するレーダ装置や、自船・他船の位置を表示するプロッタ装置等において、特に所定範囲を拡大表示する航法援助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、レーダによる探知データを表示する際に通常の表示倍率より拡大して表示する拡大表示モードを備えたレーダ装置が特許文献1〜3に開示されている。
【0003】
特許文献1のレーダ装置は、拡大モードが指定されると、画像が所定倍率で拡大されるとともに、指定された位置が表示画面の中心と一致するように画像全体がシフトされて表示されるように構成されている。そのことによって、指定された位置を中心とした周辺の物標の様子を詳細に把握できるようにしている。
【0004】
特許文献2のレーダ装置は探知画像データを記憶する画像メモリ内の拡大すべき領域および拡大結果を表示すべき領域を指定することによって、目標物標を部分的に拡大して表示するものであり、探知レンジおよび画面上の自船位置を変更することなく目標物標の拡大画像をリアルタイムに表示する構成が示されている。
【0005】
特許文献3のレーダ装置は、物標の位置を捕捉・追尾する捕捉追尾手段と、捕捉・追尾中の物標のうち所定の物標を指定する物標指定手段と、指定された物標の位置を含む領域を拡大表示する手段を備えたものであり、予め注目すべき物標として捕捉・追尾されている複数の物標の中から所定の物標を選択することによって、その物標および周辺の監視を容易に行えるようにしたものである。
【0006】
図1は特許文献3のレーダ装置の表示画面の表示例である。図1(A)に示す状態は、ARPA(Automatic Radar Plotting Aids,自動衝突予防援助装置)機能により捕捉・追尾されている物標のうち、どの物標の付近を拡大するかを指定する状態である。ここで、Aはレーダ探知領域全体の表示部、Tはそのレーダ探知領域中に表示されている1つのターゲットである。図1(B)は物標番号10の指定を行った後の表示例である。ここで、Zは拡大表示部である。また、Cは拡大表示を行うべき拡大領域を示す円形のマークである。拡大表示部Zには物標番号10の物標のエコーが拡大表示されている。
【特許文献1】特開平5−188134号公報
【特許文献2】特開2002−296341号公報
【特許文献3】特開2002−311127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが特許文献1〜3に示されている従来のレーダ装置においては、拡大表示部に表示されるのはエコー画像のみであって、ARPAやAIS(Automatic Identification System,船舶自動識別装置)等によるターゲットマークについては拡大表示部に表示されなかった。また、例えば捕捉・追尾すべき物標を指定する際に通常の倍率で表示されている表示領域でしか選択することができなかった。そのため拡大表示の対象とするターゲットを変更するためには拡大表示モードを一旦オフにする必要があった。
【0008】
上記課題はレーダ装置に限らず、自船の航跡を表示するプロッタ装置等において、他船の位置を表示するような場合にも同様に生じる問題である。
【0009】
この発明の目的は、部分拡大表示部の表示内容からも捕捉・追尾中の物標に関する情報を読み取れるようにし、また部分拡大表示部上での操作によっても捕捉・追尾対象とする物標を指定可能とした航法援助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するためにこの発明は次のように構成する。
(1)自船および他船の位置を含む範囲の画像を表示画面に表示する画像表示手段と、他船に関する情報をターゲットマークとして前記表示画面に表示するターゲットマーク表示手段と、を備えた航法援助装置において、
前記画像表示手段は、前記表示画面に前記範囲内の画像を通常倍率で表示する通常倍率表示手段と、前記表示画面内の所定位置に前記範囲内の画像を拡大倍率で表示する部分拡大表示手段とから構成し、
前記ターゲットマーク表示手段は、前記通常倍率表示手段によって表示される範囲内の対応位置に前記ターゲットマークを表示する第1のターゲットマーク表示手段と、前記部分拡大表示手段によって表示される表示範囲内の対応位置に前記ターゲットマークを表示する第2のターゲットマーク表示手段と、から構成する。
【0011】
(2)自船および他船の位置を含む範囲の画像を表示画面に表示する画像表示手段と、該画像表示手段によって前記表示画面上に表示されている他船を指定する指定手段と、該指定手段により指定された他船を捕捉・追尾する捕捉・追尾手段と、を備えた航法援助装置において、
前記画像表示手段は、前記表示画面に前記範囲内の画像を通常倍率で表示する通常倍率表示手段と、前記表示画面内の所定位置に前記範囲内の画像を拡大倍率で表示する部分拡大表示手段とから構成し、
前記指定手段は、前記通常倍率表示手段によって表示される他船の選択によって他船を指定する通常倍率表示部指定手段と、前記部分拡大表示手段によって表示される他船の選択によって他船を指定する部分拡大表示部指定手段と、から構成する。
【0012】
(3)探知領域内に存在する物標を探知する物標探知手段を備え、
前記画像表示手段は前記物標探知手段により探知された前記探知領域内の物標の探知データを表示画面に表示する手段を含むものとする。例えばレーダによって探知された物標のエコーを表示する。
【0013】
(4)前記ターゲットマーク表示手段は、前記物標探知手段により探知された物標の自船に対する相対位置変化から求めた物標に関する情報をターゲットマークとして前記表示画面に表示するものとする。例えばARPAユニットを設けて、レーダによって探知された物標の自船に対する相対位置変化を基に物標の移動速度・移動方向等を求め、これをターゲットマークとして表示するように構成する。
【0014】
(5)前記ターゲットマーク表示手段は、他船から送信される船舶自動識別用信号を受信して得た他船に関する情報をターゲットマークとして前記表示画面に表示するものとする。例えば他船に搭載されているAISから送信される他船の船舶識別用信号を受信して、その他船に関する位置、針路、船首方位、船速等の情報をターゲットマークとして表示する。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば次のような効果を奏する。
(1)請求項1に係る発明によれば、通常倍率表示手段によって表示画面に自船および他船の位置を含む範囲の画像が通常倍率で表示され、部分拡大表示手段によって前記範囲の画像が所定の拡大倍率で表示画面内の所定位置に表示される。そして、第1のターゲットマーク表示手段によって、通常倍率表示手段により表示される範囲内の対応位置にターゲットマークが重ねて表示され、第2のターゲットマーク表示手段によって、部分拡大表示手段により表示される表示範囲内の対応位置にターゲットマークが重ねて表示される。このことにより、部分拡大表示部内の物標についても、その物標に関する位置、船首方位、船速等の情報がターゲットマークで表示されるので、通常倍率表示部での表示内容との比較が容易となり、表示画面の表示内容の把握が容易となる。
【0016】
(2)請求項2に係る発明によれば、通常倍率表示手段によって表示画面に自船および他船の位置を含む範囲の画像が通常倍率で表示され、部分拡大表示手段によって前記範囲の画像が所定の拡大倍率で表示画面内の所定位置に表示される。そして、通常倍率表示部指定手段によって、通常倍率表示手段により表示されている他船が選択され、部分拡大表示部指定手段によって、部分拡大表示手段により表示されている他船が選択されるので、通常倍率で表示されている他船の指定だけでなく部分拡大表示されている他船についても所望の他船の指定を行うことができ、新たな他船の捕捉・追尾を開始することができる。
【0017】
(3)請求項3に係る発明によれば、探知領域内に存在する物標が物標探知手段により探知され、その探知データが画像表示手段によって表示画面に表示されるので、例えばレーダ方式によって探知した物標の画像を表示する装置に適用できる。
【0018】
(4)請求項4に係る発明によれば、前記物標探知手段により探知された物標の自船に対する相対位置変化から物標に関する情報が求められ、その情報に応じたターゲットマークがターゲットマーク表示手段によって表示画面に表示されるので、前記レーダ方式によって探知されて追尾されている物標をターゲットマークによって容易に読み取ることができる。例えば前記ARPAユニットにより求められた物標の移動速度・移動方向等が、通常倍率表示手段によって表示される範囲内または部分拡大表示手段によって表示される表示範囲内にターゲットマークで表示されるので、物標の位置および運動を容易に読み取れるようになる。
【0019】
(5)請求項5に係る発明によれば、他船から送信される例えばAIS等による船舶自動識別用信号を受信して得た他船に関する情報が、通常倍率表示手段によって表示される範囲内または部分拡大表示手段によって表示される表示範囲内にターゲットマークとして表示されるので、他船の位置および運動を容易に読み取れるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
《第1の実施形態》
この発明の第1の実施形態であるレーダ装置について各図を参照して説明する。
図2はこの発明の第1の実施形態に係るレーダ装置の表示画面の表示例を示す図である。表示画面は幾つかの表示領域(表示部)を有している。おもな表示部は通常倍率表示部Dn、部分拡大表示部De、マークデータ表示部Dc、およびターゲットデータ表示部Dtである。
【0021】
通常倍率表示部Dnには他船のターゲットマークMt1等を表示している。部分拡大表示部Deは通常倍率表示部Dnに部分的に重なるように表示する。この例では、通常倍率表示部Dnにおいて拡大表示範囲マークMdで示す範囲を拡大表示している。部分拡大表示部De内のターゲットマークMt2は通常倍率表示部Dn内のターゲットマークMt1と同じターゲット(他船)のマークである。
【0022】
図2では物標のエコー画像の図示を省略しているが、ターゲットマークMt1,Mt2は物標のエコー画像に重ねて表示することになる。
【0023】
部分拡大表示部Deには通常倍率表示部Dn内で指定した拡大表示範囲マークMdで示される範囲を2倍(面積で4倍)に表示する。但しターゲットマークについては通常倍率表示部Dn内でのターゲットマークと同じ大きさで表示する。このことにより、大きなターゲットマークでエコー画像が隠れる、といった不都合を無くすことができる。
【0024】
図2に示した例では部分拡大表示部Deを表示画面の左寄りに配置したが、例えばターゲットマークMt1が通常倍率表示部Dnの左側に存在する場合には、部分拡大表示部Deを表示画面の右側に配置して、部分拡大表示部Deが通常倍率表示部Dnにおける物標のエコーおよびターゲットマークの表示を遮らないように表示制御する。
【0025】
マークデータ表示部Dcには、自船の位置・船速に関する値、十字カーソルの位置、および目的値等を表示する。
【0026】
ターゲットデータ表示部Dtには、選択されたターゲットに関するデータを表示する。例えばベクトル基準が真(TRUE)であること、MMSI番号(AISターゲットに対して一意に割り当てられる識別番号)、船名(NAME)等々である。
【0027】
図3はターゲットマークの表示例を示している。ここで図3(A)は、追尾を行っていないか追尾不能であって船首方位や針路が不明である物標(休止化ターゲット)のターゲットマークである。
【0028】
図3(B)は、追尾中の物標(活性化ターゲット)のターゲットマークであり、三角形マークの先端から延びる実線の直線によって船首方位、破線の直線によって針路をそれぞれ表している。またこれらの破線の直線の長さによって、所定時間後の移動距離を表している。
【0029】
追尾中の物標に関しては各物標ごとにAISの前記MMSI番号および後述するARPAユニットにより付与された識別番号を関連づけて、AISによる情報とARPAによる情報を併せて保持している。
【0030】
図3(C)は追尾中で且つ拡大表示するターゲットとして選択中の物標のターゲットマークであり、図3(B)に示した状態に更に四角形に取り囲むようなマークMtsを付加したものである。図2に示したターゲットマークMt1,Mt2はこの選択中のターゲットマークである。
【0031】
このように、図2に示した通常倍率表示部Dnおよび部分拡大表示部Deのいずれにも選択中のターゲットマークMt1,Mt2を表示することによって、両者が対応関係にあることを容易に把握できるようになる。
【0032】
図4は、図2に示した通常倍率表示部DnにおけるターゲットマークMt1および拡大表示範囲マークMdの表示位置の遷移について示している。ターゲットマークMt1で示される物標は選択中の物標であるので、その相対位置の移動に伴ってターゲットマークMt1の表示位置が通常倍率表示部Dn上で移動する。これに伴い、この拡大表示範囲マークMdの中央にターゲットマークMt1が表示される関係で、拡大表示範囲マークMdも移動する。
一方、このような選択物標の移動によっても、図2に示した部分拡大表示部De内の表示は、選択中の物標のターゲットマークMt2が常にその中央に表示されることになる。
【0033】
図5はレーダ装置全体の構成をブロック化して表した図である。図5において空中線部1は、レーダアンテナと送受信部とを備えている。ADコンバータ2は、空中線部1からの送信トリガ信号に同期して、距離クロックのタイミングでビデオ信号をサンプリングするとともにディジタルデータに変換する。1次メモリ3は、1スイープ分のデータを蓄積する。描画アドレス発生回路4は、空中線部1からアンテナの方位信号および船首線信号を入力して、1次メモリ3の内容を極座標から直交座標へ変換するとともに通常倍率表示部用表示メモリ5へ書き込むためのアドレス信号を発生する。セレクタ16は上記表示メモリ5に対するアドレス信号の切り替えを行う。
【0034】
ARPAユニット8は、空中線部1から方位信号、船首線信号、トリガ信号、ビデオ信号をそれぞれ入力し、またジャイロコンパスなどから、船首方位である方位基準信号を入力して、レーダエコーから物標の位置を抽出、捕捉、追尾する。
【0035】
CPU9は、前記ジャイロコンパスなどから方位基準信号を入力し、表示画面の上方をどの基準方位にして表示するかの表示モードに応じて制御を行う。すなわち、表示アドレス発生回路15の制御によって各表示メモリ5,6,13,21に対する読み出しアドレスを制御する。これにより表示モードに応じて、北、船首方位、針路方位のいずれかが上向きに表示されるように制御する。
【0036】
またCPU9は、ARPAユニット8によって捕捉・追尾されている物標の位置データを基に、その捕捉・追尾中の物標を示すマーク(ターゲットマークMt1)を表示するためのデータを、セレクタ18を介して通常倍率表示部用マーク表示メモリ13に書き込む。セレクタ18は通常倍率表示部用マーク表示メモリ13に対するアドレス信号の切り替えを行う。
【0037】
またCPU9は、部分拡大表示部用マーク表示メモリ21へ描画する際の描画アドレスを、セレクタ20を介して与えるとともに部分拡大表示部用マーク表示メモリ21へ捕捉・追尾中の物標を示すマーク(ターゲットマークMt2)を描画する。セレクタ20は部分拡大表示部用マーク表示メモリ21に対するアドレス信号の切り替えを行う。
【0038】
またCPU9は、トラックボールやタッチパネルなどの操作子10の操作を読み取り、十字カーソルの移動や各種モードの切り替えなどを行う。
【0039】
さらにCPU9は、AIS受信機からAIS受信信号を読み取り、そのターゲットの位置に応じて、通常倍率表示部用マーク表示メモリ13および部分拡大表示部用マーク表示メモリ21へターゲットマークを書き込む。
【0040】
部分拡大表示部用マーク表示メモリ21は部分拡大表示部へのターゲットマークの表示データを保持する。
【0041】
読み出しアドレス発生回路14は表示メモリ5に書き込まれている表示データのうち拡大すべき領域のアドレスを順次発生する。部分拡大表示部描画アドレス発生回路7は、読み出しアドレス発生回路14によってアドレス指定された通常倍率表示部用表示メモリ5のデータを部分拡大表示部用表示メモリ6のどの位置に書き込むかのアドレスを発生する。この読み出しアドレス発生回路14と部分拡大表示部描画アドレス発生回路7のアドレス発生によって、通常倍率表示部用表示メモリ5内の所定領域を部分拡大表示部用表示メモリ6へ拡大コピーする。セレクタ17は部分拡大表示部用表示メモリ6に対するアドレス信号の切り替えを行う。
【0042】
表示アドレス発生回路15は、セレクタ16を介して、通常倍率表示部用表示メモリ5に対して表示読出しアドレス信号を発生し、セレクタ17を介して部分拡大表示部用表示メモリ6に対して表示読み出しアドレス信号を発生し、セレクタ18を介して通常倍率表示部用マーク表示メモリ13に対して表示読み出しアドレス信号を発生し、同様に、セレクタ20を介して部分拡大表示部用マーク表示メモリ21に対する表示読出しアドレス信号を発生する。
【0043】
ビデオ合成回路11は、通常倍率表示部用表示メモリ5、部分拡大表示部用表示メモリ6、通常倍率表示部用マーク表示メモリ13、および部分拡大表示部用マーク表示メモリ21からそれぞれ読み出されたデータを合成して、表示器12へ表示信号として出力する。表示器12は、この表示信号を基に1つの画面表示を行う。
【0044】
図6〜図8は図5に示したCPU9の主要な処理内容を示すフローチャートである。
図6は操作子10の入力処理に関するフローチャートである。まず操作子10の入力を読み取る(S11)。ズームモードが(相対モード、真モード、およびターゲットモードのいずれか)が選択されたなら、その状態を記憶する(S12→S13)。これら各モードについては後に説明する。
【0045】
操作子10の操作によって十字カーソルが移動表示されて、その十字カーソルの位置を指定する操作がなされたなら、後述する位置指定処理を行う(S14→S15)。
【0046】
ズームオン/オフの選択操作がなされたなら、部分拡大表示部(図2に示したDe)の表示オン/オフの切り替えを行う(S16→S17)。
【0047】
なお、その他の操作であれば、その操作に応じた処理を行う(S18)。
【0048】
図7は、図6に示したステップS15の位置指定処理についてのフローチャートである。まず真モードであり、且つ十字カーソルが部分拡大表示部内にある時、その十字カーソルの位置に応じた(緯度,経度)を算出し、それを記憶する(S21→S22→S23)。また、十字カーソルが通常倍率表示部内にある時、その十字カーソルの位置に応じた(緯度,経度)を算出し、それを記憶する(S22→S24)。そして、その位置を中心とする所定範囲を部分拡大表示部に表示する(S25)。
【0049】
また相対モードであり、且つ十字カーソルが部分拡大表示部内にある時、その十字カーソルの位置を自船に対する相対位置(自船からの方位および距離)として算出し、それを記憶する(S26→S27→S28)。また、十字カーソルが通常倍率表示部内にある時、その十字カーソルの位置を自船に対する相対位置として算出し、それを記憶する(S27→S29)。そして、その相対位置を中心とする所定範囲を部分拡大表示部に表示する(S30)。
【0050】
さらに、ターゲットモードであり、且つ十字カーソルが部分拡大表示部内にある時、その十字カーソルで指定された該当の物標(エコー)またはターゲット(ターゲットマークで表示されているターゲット)の位置およびターゲットIDを記憶する(S31→S32)。また、十字カーソルが通常倍率表示部内にある時、その十字カーソルで指定された該当の物標(エコー)または上記ターゲットの位置およびターゲットIDを記憶する(S31→S33)。そして、その物標の位置を中心とする所定範囲を部分拡大表示部に表示する(S34)。
【0051】
なお、ARPAユニット8によって未だ捕捉・追尾されていない物標や、AIS受信機がAIS信号を受信していない他船については該当のターゲットマークが表示されていないので、その物標を上記十字カーソルで指定した場合は、その物標を捕捉・追尾させる指示をARPAユニット8へ与え、ARPAユニット8によって新たに付与されたターゲットIDを受け取り、それを記憶する。
その後、指定された位置の物標を選択中の物標として設定する(S35)。
【0052】
図8はターゲットマークの表示に関するフローチャートである。まず、図5に示したARPAユニット8から物標情報を読み取る(S41)。また外部のAIS受信機からAIS受信信号を入力する(S42)。そして、通常倍率表示部Dnに対して表示可能なターゲットマークを表示する(S43)。また、部分拡大表示部Deに対して表示可能なターゲットマークを表示する(S44)。このようにして最新の物標情報を基にしてターゲットマークを表示する。このステップS43,S44が請求項4,5に係るターゲットマーク表示手段に対応する。
【0053】
以上のようにして、部分拡大表示部内の物標についても、その物標に関する位置、船首方位、船速等の情報がターゲットマークで表示されるので、通常倍率表示部での表示内容との比較が容易となり、表示画面の表示内容の把握が容易となる。また、通常倍率で表示されている物標の指定だけでなく部分拡大表示されている物標またはターゲットマークについても所望の物標の指定を行うことができ、新たな物標の捕捉・追尾を開始することができる。
【0054】
《第2の実施形態》
この発明の第2の実施形態であるプロッタ装置について各図を参照して説明する。
図9はこの発明の第2の実施形態に係るプロッタ装置(航跡表示装置)の表示画面の表示例を示す図である。表示画面は幾つかの表示領域(表示部)を有している。おもな表示部は通常倍率表示部Dnおよび部分拡大表示部Deである。
【0055】
通常倍率表示部Dnには、海図(海岸線)CL、自船マークMs、目的地マークMp1,Mp2、他船のターゲットマークMt3等を表示している。部分拡大表示部Deは通常倍率表示部Dnに部分的に重なるように表示する。この例では、通常倍率表示部Dnにおいて拡大表示範囲マークMdで示す範囲を拡大表示している。部分拡大表示部De内のターゲットマークMt4は通常倍率表示部Dn内のターゲットマークMt3と同じターゲット(他船)のマークである。この例では部分拡大表示部De内に目的地マークMp1,Mp2間を結ぶ直線の航路Tも表示している。
【0056】
図10はプロッタ装置全体の構成をブロック化して表した図である。図10において、
GPS受信機21は自船位置を測位し、AIS受信機22は他船から送信されるAIS信号を受信する。CPU24は、GPS受信機21から自船の位置情報を読み取り、AIS受信機から他船の位置などの情報を読み取る。また、CPU24はトラックボールやタッチパネルなどの操作子23の操作を読み取り、十字カーソルの移動や各種モードの切り替えなどを行う。
【0057】
表示メモリ25は表示器27の表示画面に表示する表示データを保持するメモリである。CPU24は表示内容に応じた表示データを表示メモリ25に書き込む。
【0058】
ビデオ回路26は表示メモリ25の内容に応じた表示信号を生成して表示器27へ出力する。これにより、表示器27は表示メモリ25に書き込まれた表示データに応じた画像を表示する。
【0059】
図11は図10に示したCPU24の主要な処理内容を示すフローチャートであり、航跡などの表示に関するフローチャートである。まず、自船の位置をGPS受信機21から読み取り、表示縮尺率や表示モード(ノースアップモード、ヘッドアップモード、コースアップモード等)に応じて表示データを作成し、それを表示メモリ25に書き込む。この表示データには、海岸線や緯度経度線などの海図、自船マーク、目的地マーク、航跡を含んでいる。
【0060】
その他の処理である操作子入力処理は図6に示したものと同様である。また、位置指定処理は図7に示したものと同様である。さらに。ターゲットマーク表示に関する処理は図8に示したものと同様である。但し、第1の実施形態の場合と異なり、この第2の実施形態に係るプロッタ装置はARPAユニットを備えていないので、AIS受信機22から受け取った信号を基に、CPU24の処理によって他船の追尾を行う。そのため、図7に示したターゲットモードにおける位置指定処理では、位置指定された該当のターゲットについてターゲットIDを付与し、そのターゲットを中心とする部分拡大表示部を表示する。
【0061】
なお、ARPA機能を備えるレーダとプロッタをLAN等で接続された複合機では、プロッタ上にARPAの情報を表示するようにしてもよい。
【0062】
以上のようにして、部分拡大表示部内の他船についても、その他船に関する位置、船首方位、船速等の情報がターゲットマークで表示されるので、通常倍率表示部での表示内容との比較が容易となり、表示画面の表示内容の把握が容易となる。また、通常倍率で表示されているターゲットマークの指定だけでなく部分拡大表示されているターゲットマークについても所望の物標の指定を行うことができ、新たな物標の捕捉・追尾を開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】特許文献3に示されているレーダ装置の表示画面の表示例を示す図である。
【図2】この発明の第1の実施形態に係るレーダ装置の表示画面の表示例を示す図である。
【図3】ターゲットマークの表示例を示す図である。
【図4】通常倍率表示部におけるターゲットマークの表示位置遷移の例を示す図である。
【図5】同レーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図6】CPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】CPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】CPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図9】この発明の第2の実施形態に係るプロッタ装置の表示画面の表示例を示す図である。
【図10】同プロッタ装置の構成を示すブロック図である。
【図11】同プロッタ装置のCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
Dn−通常倍率表示部
De−部分拡大表示部
Dc−マークデータ表示部
Dt−ターゲットデータ表示部
Md−拡大表示範囲マーク
Mt−ターゲットマーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自船および他船の位置を含む範囲の画像を表示画面に表示する画像表示手段と、他船に関する情報をターゲットマークとして前記表示画面に表示するターゲットマーク表示手段と、を備えた航法援助装置において、
前記画像表示手段は、前記表示画面に前記範囲内の画像を通常倍率で表示する通常倍率表示手段と、前記表示画面内の所定位置に前記範囲内の画像を拡大倍率で表示する部分拡大表示手段とから構成し、
前記ターゲットマーク表示手段は、前記通常倍率表示手段によって表示される範囲内の対応位置に前記ターゲットマークを表示する第1のターゲットマーク表示手段と、前記部分拡大表示手段によって表示される表示範囲内の対応位置に前記ターゲットマークを表示する第2のターゲットマーク表示手段と、から構成したことを特徴とする航法援助装置。
【請求項2】
自船および他船の位置を含む範囲の画像を表示画面に表示する画像表示手段と、該画像表示手段によって前記表示画面上に表示されている他船を指定する指定手段と、該指定手段により指定された他船を捕捉・追尾する捕捉・追尾手段と、を備えた航法援助装置において、
前記画像表示手段は、前記表示画面に前記範囲内の画像を通常倍率で表示する通常倍率表示手段と、前記表示画面内の所定位置に前記範囲内の画像を拡大倍率で表示する部分拡大表示手段とから構成し、
前記指定手段は、前記通常倍率表示手段によって表示される他船の選択によって他船を指定する通常倍率表示部指定手段と、前記部分拡大表示手段によって表示される他船の選択によって他船を指定する部分拡大表示部指定手段と、から構成したことを特徴とする航法援助装置。
【請求項3】
探知領域内に存在する物標を探知する物標探知手段を備え、
前記画像表示手段は前記物標探知手段により探知された前記探知領域内の物標の探知データを表示画面に表示する手段を含むものである請求項1または2に記載の航法援助装置。
【請求項4】
前記ターゲットマーク表示手段は、前記物標探知手段により探知された物標の、自船に対する相対位置変化から求めた、物標に関する情報をターゲットマークとして前記表示画面に表示するものである請求項3に記載の航法援助装置。
【請求項5】
前記ターゲットマーク表示手段は、他船から送信される船舶自動識別用信号を受信して得た他船に関する情報をターゲットマークとして前記表示画面に表示するものである請求項1〜3にいずれかに記載の航法援助装置。
【請求項1】
自船および他船の位置を含む範囲の画像を表示画面に表示する画像表示手段と、他船に関する情報をターゲットマークとして前記表示画面に表示するターゲットマーク表示手段と、を備えた航法援助装置において、
前記画像表示手段は、前記表示画面に前記範囲内の画像を通常倍率で表示する通常倍率表示手段と、前記表示画面内の所定位置に前記範囲内の画像を拡大倍率で表示する部分拡大表示手段とから構成し、
前記ターゲットマーク表示手段は、前記通常倍率表示手段によって表示される範囲内の対応位置に前記ターゲットマークを表示する第1のターゲットマーク表示手段と、前記部分拡大表示手段によって表示される表示範囲内の対応位置に前記ターゲットマークを表示する第2のターゲットマーク表示手段と、から構成したことを特徴とする航法援助装置。
【請求項2】
自船および他船の位置を含む範囲の画像を表示画面に表示する画像表示手段と、該画像表示手段によって前記表示画面上に表示されている他船を指定する指定手段と、該指定手段により指定された他船を捕捉・追尾する捕捉・追尾手段と、を備えた航法援助装置において、
前記画像表示手段は、前記表示画面に前記範囲内の画像を通常倍率で表示する通常倍率表示手段と、前記表示画面内の所定位置に前記範囲内の画像を拡大倍率で表示する部分拡大表示手段とから構成し、
前記指定手段は、前記通常倍率表示手段によって表示される他船の選択によって他船を指定する通常倍率表示部指定手段と、前記部分拡大表示手段によって表示される他船の選択によって他船を指定する部分拡大表示部指定手段と、から構成したことを特徴とする航法援助装置。
【請求項3】
探知領域内に存在する物標を探知する物標探知手段を備え、
前記画像表示手段は前記物標探知手段により探知された前記探知領域内の物標の探知データを表示画面に表示する手段を含むものである請求項1または2に記載の航法援助装置。
【請求項4】
前記ターゲットマーク表示手段は、前記物標探知手段により探知された物標の、自船に対する相対位置変化から求めた、物標に関する情報をターゲットマークとして前記表示画面に表示するものである請求項3に記載の航法援助装置。
【請求項5】
前記ターゲットマーク表示手段は、他船から送信される船舶自動識別用信号を受信して得た他船に関する情報をターゲットマークとして前記表示画面に表示するものである請求項1〜3にいずれかに記載の航法援助装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−281504(P2008−281504A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−127564(P2007−127564)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【Fターム(参考)】
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