説明

航空灯火管制卓

【課題】航空灯火の運用状況及び故障等の情報を管制官に提示するとともに、管制官からの指示に基づいて、航空灯火の点灯又は消灯を変更することにより、航空灯火が故障して点灯しない場合であっても、パイロットに指示を正しく伝える。
【解決手段】本発明は、空港内の誘導路及び滑走路a,bの路面に設置した航空灯火の運用状況を表示する表示部を備えた航空灯火管制卓107において、航空灯火105の異常を通知する異常通知手段と、誘導路H,J,K又は滑走路a,bに対する走行禁止、進入禁止、走行注意又は経路変更の指示の入力を受け付ける入力受付手段と、入力受付手段に指示が入力されると、表示部による表示内容を変更する表示内容変更手段と、入力受付手段に入力された指示に基づいて、航空灯火105の点灯又は消灯を変更する点灯消灯変更手段とを備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空港内の誘導路及び滑走路の路面に設置した航空灯火の運用状況を管制官に表示するとともに、管制官からの指示に基づいて航空灯火の点灯・点滅を制御する航空灯火管制卓に関する。
【背景技術】
【0002】
空港の誘導路及び滑走路に設置された航空灯火は、走行路の中心位置を示すなどして航空機の走行及び離発着を援助するために用いられている。また他の用途として、下記特許文献1では、航空灯火を点灯又は消灯することで航空機のパイロットに指示を与え、航空機を誘導する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平11-79099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したような航空灯火を用いた航空機の誘導に関する技術では、航空灯火が故障して点灯しない場合の航空機の誘導について考慮されていない。このため、航空灯火が故障して点灯しない場合には、パイロットに指示が正しく伝わらず、パイロットを混乱に招く恐れがあるという問題がある。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、航空灯火の運用状況及び故障等の情報を管制官に提示するとともに、管制官からの指示に基づいて、航空灯火の点灯又は消灯を変更することにより、航空灯火が故障して点灯しない場合であっても、パイロットに指示を正しく伝えることが可能な航空灯火管制卓を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0006】
すなわち、請求項1の発明は、空港内の誘導路及び滑走路の路面に設置した航空灯火の運用状況を表示する表示部を備えた航空灯火管制卓において、航空灯火の異常を通知する異常通知手段と、誘導路又は前記滑走路に対する走行禁止、進入禁止、走行注意又は経路変更の指示の入力を受け付ける入力受付手段と、入力受付手段に指示が入力されると、表示部による表示内容を変更する表示内容変更手段と、入力受付手段に入力された指示に基づいて、航空灯火の点灯又は消灯を変更する点灯消灯変更手段とを備えてなる。
【0007】
従って、請求項1の発明の航空灯火管制卓においては、以上のような手段を講じることにより、航空灯火に異常が発生した場合には、その旨を管制官に通知することができるとともに、管制官からの指示入力を受け付け、それに基づいて航空灯火の点灯又は消灯を変更することができる。
【0008】
その結果、航空灯火に異常が発生した場合であっても、別の航空灯火を点灯することなどによりパイロットに指示を正しく伝えることが可能となる。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1記載の航空灯火管制卓において、航空灯火の運用状況を表示部から表示する場合、異常が生じた航空灯火については、正常時に表示されていた表示色とは異なる表示色を用いて表示するか、又は点滅させることによって表示する異常表示手段を更に備えてなる。
【0010】
従って、請求項2の発明の航空灯火管制卓においては、以上のような手段を講じることにより、何れかの航空灯火に異常が生じた場合、管制官は、画面を見ることによって、どの航空灯火が異常であるかを容易に認識することが可能となる。
【0011】
更に、請求項3の発明は、請求項1記載の航空灯火管制卓において、入力受付手段は、航空灯火が故障した場合、路面を走行する走行体に対する走行禁止、進入禁止、および経路変更のうちの少なくとも何れかを含む指示の入力を受け付ける。
【0012】
従って、請求項3の発明の航空灯火管制卓においては、以上のような手段を講じることにより、何れかの航空灯火が故障した場合、それに伴って必要となる走行禁止、進入禁止、及び経路変更といった管制官からの指示を受け付けることができる。
【0013】
更にまた、請求項4の発明は、請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の航空灯火管制卓において、点灯消灯変更手段による航空灯火の点灯又は消灯の変更によって、路面を走行する走行体に対して経路を指示する。
【0014】
従って、請求項4の発明の航空灯火管制卓においては、以上のような手段を講じることにより、例えば、障害物の除去などで誘導路が通行禁止や進入禁止になるというような不測の事態が生じた場合であっても、誘導路などを走行する航空機のパイロットに通行禁止、進入禁止の指示を与えることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、航空灯火の運用状況及び故障等の情報を管制官に提示するとともに、管制官からの指示に基づいて、航空灯火の点灯又は消灯を変更することができる。
【0016】
これにより、航空灯火が故障して点灯しない場合であっても、パイロットに指示を正しく伝えることが可能となり、もって、パイロットを混乱に招くことを阻止する航空灯火管制卓を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係る航空灯火管制卓を含む航空灯火制御システムの全体を示すブロック図である。
【0019】
航空機位置検出装置100は、例えば空港面探知レーダなどであり、空港面を移動又は駐機する航空機の位置を検出する。離発着情報装置101は、航空機の出発、到着に関する情報を管理する。空港運用状況情報装置102は、空港の運用状況に関する情報を有する。移動経路設定装置103は、航空機位置検出装置100、離発着情報装置101、及び空港運用状況情報装置102から入力される情報に基づいて空港面における航空機の移動経路を設定する。航空灯火制御装置104は、移動経路設定装置103が設定した経路を管制官が承認した後に誘導路や滑走路に設置した中心線灯などの航空灯火105を点灯又は消灯させる制御信号を作成する。航空灯火監視装置106は、航空灯火105の全灯の動作状況を監視し、その動作状況を出力する。
【0020】
上述の構成により、移動経路設定装置103には、航空機位置検出装置100が検知した空港面を走行又は駐機する航空機の位置情報と、航空機の離発着情報装置101が有する各航空機の運行に関する情報、例えば航空機の便名、離発着の種別、離発着機の使用する滑走路番号、離発着時刻、駐機スポット番号などの情報と、空港運用状況情報装置102から空港の運用状況に関する情報、例えば風向きなどの気象情報などの情報とを入力する。それらの入力情報を基に移動経路設定装置103では、空港面における航空機の出発位置から目的地までの航空機の移動経路を、滑走路、誘導路を運行している他の複数の航空機の状況を考慮して設定する。設定した移動経路データは、管制官へ提示された後に管制官の承認を得て航空灯火制御装置104に出力されるようにしている。そして、航空灯火制御装置104では、出力された情報に基づいて、該当する走行路の航空灯火105を点灯又は消灯する制御信号を作成し、航空灯火105に送信する。この制御信号に基づいて航空灯火105を点灯・消灯し、パイロットに対して進行すべき経路の指示を与え、航空機を目的地に誘導する。
【0021】
また、航空灯火管制卓107は、航空機位置検出装置100、移動経路設定装置103、及び航空灯火監視装置106からの出力情報を基に航空機の位置、航空灯火の点灯・消灯状況及び航空灯火の動作状態を表示する。更に航空灯火管制卓107は、移動経路設定装置103の設定データと、航空灯火監視装置106の監視情報とを受け、設定データ通りに航空灯火105が点灯又は消灯しているかを判定し、もしも設定データと監視情報とが一致しない場合は、航空灯火制御装置104又は航空灯火105の故障と判定する。このように、故障と判定した場合には、該当する航空灯火105の表示色を緑色から黄色に変えて表示したり、又は点滅表示を行ない航空灯火105の故障を管制官に通知する。この場合、航空灯火管制卓107は、更に、この通知を受けた管制官による別の誘導経路への変更操作を受け付ける。そして、この受け付けた変更操作に係る変更操作情報を移動経路設定装置103に出力する。
【0022】
この場合、航空灯火管制卓107から出力された変更操作情報を考慮することによって、新たな移動経路データを設定し、この新たな移動経路データを、航空灯火制御装置104に出力する。そして、航空灯火制御装置104は、出力された変更操作情報に基づいて、該当する走行路の航空灯火105を点灯又は消灯する制御信号を作成し、航空灯火105を制御することによって、空港誘導路にある誘導路中心線灯を点灯させる。
【0023】
また、航空灯火管制卓107は、航空灯火制御装置104又は航空灯火105に故障が発生した場合に限らず、必要な場合には変更操作情報の入力を随時受け付けるようにしている。これによって、例えば、突然に障害物の除去などで誘導路が、通行禁止や進入禁止になったような不測の事態が生じた場合であっても、管制官は、通行禁止や進入禁止とする変更操作情報の入力を行なうことにより対処できるようにしている。そして、上述したように、航空灯火制御装置104が、移動経路設定装置103を経由してこの変更操作情報を取得し、取得した変更操作情報に基づいて制御信号を作成し、例えば該当箇所の航空灯火105の色を赤色に変更するなどして航空灯火105を制御することによって、航空機のパイロットに通行禁止、進入禁止の指示を与えることができる。なお、この場合、移動経路設定装置103は、以降の経路設定に、この変更操作情報を考慮する。これによって、通行禁止や進入禁止になった誘導路を除外して経路設定を行う。
【0024】
次に、図1に示す航空灯火管制卓107の具体的な表示内容の一例を説明する。
【0025】
図2は、誘導路、滑走路及び航空機を含む空港全体を表示する航空灯火管制卓107の画面の一例である。図中で、符号A及びBは誘導路を走行する航空機、符号110は航空機が乗客の乗降を行なうターミナル111を含むエプロンエリア、符号H−1、H−2、H−3、H−4、J−1、J−2、J−3、j−4,K−1、K−2、K−3、及びK−4は各誘導路につけられた番号、誘導路内の複数の丸印(○又は●)は誘導路中心線灯、滑走路内の複数の四角印(□)は滑走路中心線灯を示す。
【0026】
なお、航空灯火管制卓107に表示される誘導路中心線灯や滑走路中心線灯などの航空灯火の点灯・消灯の運用状況や航空機の移動状況は、図1の説明で述べた実際の空港面の航空灯火の制御や航空機移動を監視している航空機位置検出装置100や航空灯火制御装置104からの情報に基づいて表示している。したがって、実際の空港面の航空灯火105の点灯や消灯、及び航空機位置は、航空灯火管制卓107の表示と連動している。
【0027】
図2において、誘導路中心線灯のうち塗り潰された丸印(●)は点灯状態、それ以外の塗り潰されていない丸印(○)は消灯状態を示す。なお、実際の表示ではカラー表示とし、例えば点灯は緑色、消灯は黒色などで表示する。このように航空灯火を点灯又は消灯することで航空機Aのパイロットには離陸の為に滑走路aに、航空機Bのパイロットには乗客を降ろすためにエプロン110に進行すべき方向の指示を行ない、行先への誘導を行なう。その他、航空灯火を点滅して表示したり、色を変えて表示するなどして、パイロットに停止の指示や注意を喚起する。
【0028】
上述の航空灯火を用いて航空機のパイロットに指示を行ない誘導する場合、例えば誘導路K−1に設置された図中Pで示す誘導路中心線灯の3灯が、航空灯火制御装置104の故障などで点灯しない場合、航空機Bのパイロットは、点灯する誘導路中心線灯の指示に従い誘導路J−1を進行していくが、図中Pで示すポイントS以降の航空灯火が点灯していないため、そのまま直進すべきか、右折すべきか、又は停止するべきか判断できず混乱する。
【0029】
このような場合、航空灯火管制卓107が、移動経路設定装置103の設定データと、航空灯火監視装置106の監視情報とを受け、航空灯火105が設定データ通りに点灯又は消灯しているかを判定し、もしも設定データと監視情報とが一致しない場合には、航空灯火制御装置104又は航空灯火105の故障と判定する。
【0030】
そして、故障と判定した場合には、該当する航空灯火の画面上の表示を、例えば緑色から黄色に変えて表示したり、又は点滅表示を行なうことによって航空灯火105の故障を管制官に通知する。これに基づいて、管制官は、別の誘導経路へ変更するための変更操作の入力を航空灯火管制卓107に行う。航空灯火管制卓107は、このように変更操作の入力がなされると、この入力された変更操作に係る変更操作情報を移動経路設定装置103に出力する。
【0031】
この場合、移動経路設定装置103は、航空灯火管制卓107から出力された変更操作情報を航空灯火制御装置104に出力する。そして、航空灯火制御装置104が、出力された変更操作情報に基づいて、該当する走行路の航空灯火105を点灯又は消灯する制御信号を作成し、航空灯火105を制御することによって、空港誘導路にある誘導路中心線灯を点灯させる。
【0032】
これによって例えば、図3に示すように誘導路J−1、J−2及びK−2に位置する航空灯火を点灯させる変更操作を航空灯火管制卓107で行ない、その変更操作情報を移動経路設定装置103に出力することで、空港の誘導路にある誘導路中心線灯を点灯させて航空機Bのパイロットに経路指示を出してエプロン110へ誘導する。
【0033】
なお、航空灯火管制卓107における変更操作情報の入力手段として、例えば航空灯火管制卓107の表示画面がタッチパネル機能を有し、消灯から点灯に変更すべき誘導路中心線灯の航空灯火に対応する表示箇所に触れることで変更操作情報を入力することなどが考えられる。そして、この変更操作情報に伴い航空灯火管制卓107の表示も、変更を行なったことを明示するため、表示色を黒色から緑色に変更されるようにしてもよい。
【0034】
次に、以上のように構成した本発明の実施の形態に係る航空灯火管制卓を含む航空灯火制御システムの動作について図4のフローチャートを用いて説明する。
【0035】
まず、航空機位置検出装置100が検知した空港面を走行又は駐機する航空機の位置情報と、航空機の離発着情報装置101が有する例えば航空機の便名、離発着の種別、離発着機の使用する滑走路番号、離発着時刻、駐機スポット番号などの各航空機の運行に関する情報と、空港運用状況情報装置102からの例えば風向きなどの気象情報などの空港の運用状況に関する情報とが移動経路設定装置103に入力される。それらの入力情報を基に移動経路設定装置103では、空港面における航空機の出発位置から目的地までの航空機の移動経路が、滑走路、誘導路を運行している他の複数の航空機の状況を考慮して設定される(S1)。
【0036】
ステップS1で設定された移動経路データは、管制官へ提示された後に管制官の承認を得て航空灯火制御装置104に出力される。そして、航空灯火制御装置104では、この出力された情報に基づいて、該当する走行路の航空灯火105を点灯又は消灯する制御信号が作成され、航空灯火105へ送信される(S2)。
【0037】
この制御信号に基づいて航空灯火105が点灯・消灯される(S3)。これによって、パイロットに対して、航空機を目的地に誘導するために進行すべき経路の指示が与えられる。
【0038】
ステップS3で点灯・消灯制御された航空灯火105の全灯の動作状況は、航空灯火監視装置106によって監視され、その動作状況が航空灯火管制卓107に出力される(S4)。
【0039】
航空灯火管制卓107では、航空機位置検出装置100、移動経路設定装置103、及び航空灯火監視装置106からの出力情報を基に航空機の位置、航空灯火の点灯・消灯状況及び航空灯火の動作状態が表示される。更に航空灯火管制卓107では、移動経路設定装置103の設定データと、航空灯火監視装置106の監視情報とから、設定データ通りに航空灯火105が点灯又は消灯しているかが判定される。そして、もしも設定データと監視情報とが一致しない場合(S5:No)は、航空灯火制御装置104又は航空灯火105は故障しているものと判定される。
【0040】
このように、故障と判定された場合には、該当する航空灯火105の表示色を緑色から黄色に変えて表示されたり、又は点滅表示が行われ、航空灯火105の故障が管制官に通知される(S6)。
【0041】
この場合、航空灯火管制卓107は、更に、この通知を受けた管制官から別の誘導経路への変更操作情報を受け付ける。そして、これに応じて管制官から変更操作情報が航空灯火管制卓107に入力されると、この入力された変更操作情報は移動経路設定装置103に出力され、移動経路設定装置103において、変更操作情報に基づいて新たな移動経路データが設定される。そして、この新たな移動経路データが航空灯火制御装置104に出力され、航空灯火制御装置104において、出力された情報に基づいて、該当する走行路の航空灯火105を点灯又は消灯する制御信号が作成される。そして、航空灯火105が、この制御信号に基づいて制御されることによって、空港誘導路にある誘導路中心線灯が点灯されるようになる(S7)。
【0042】
一方、ステップS5において、設定データと監視情報とが一致する場合(S5:Yes)には、航空灯火制御装置104又は航空灯火105は正常に動作していると判定され、航空灯火管制卓107からは、航空機の位置、航空灯火の点灯・消灯状況及び航空灯火の動作状態が正しく表示される(S8)。
【0043】
上述したように、本発明の実施の形態に係る航空灯火管制卓107においては、上記のような作用により、航空灯火の運用状況及び故障等の情報を管制官に提示するとともに、管制官からの指示に基づいて、航空灯火の点灯又は消灯を変更することができる。これにより、航空灯火が故障して点灯しない場合であっても、パイロットに指示を正しく伝えることが可能となり、もって、パイロットを混乱に招くことを阻止することが可能となる。
【0044】
また、航空灯火管制卓107は、航空灯火制御装置104又は航空灯火105に故障が発生した場合に限らず、必要な場合には変更操作情報の入力を随時任意に行うことができる。例えば、突然に障害物の除去などで誘導路が、通行禁止や進入禁止になったような不測の事態が生じた場合であっても、管制官は、通行禁止や進入禁止とする変更操作情報の入力を行なうことにより柔軟に対処することができる。
【0045】
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。例えば、上記実施の形態では、本発明でいう航空灯火制御卓の例として、図1に示す航空灯火制御卓107として説明した。しかしながら、航空灯火制御卓107に加えて、航空灯火監視装置106及び移動経路設定装置103のうちの何れかを備えた構成も、移動経路設定装置103及び航空灯火制御装置104を備えた構成も、本発明でいう航空灯火制御卓に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態に係る航空灯火管制卓を含む航空灯火制御システムの全体を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態に係る航空灯火管制卓から表示される誘導路、滑走路及び航空機を含む空港全体の表示画面例(故障がない場合)。
【図3】本発明の実施の形態に係る航空灯火管制卓から表示される誘導路、滑走路及び航空機を含む空港全体の表示画面例(故障がある場合)。
【図4】本発明の実施の形態に係る航空灯火管制卓を含む航空灯火制御システムの動作例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0047】
A,B…航空機、a,b…滑走路、H,J,K…誘導路、S…ポイント、100…航空機位置検出装置、101…離発着情報装置、102…空港運用状況情報装置、103…移動経路設定装置、104…航空灯火制御装置、105…航空灯火、106…航空灯火監視装置、107…航空灯火管制卓、110…エプロン、111…ターミナル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空港内の誘導路及び滑走路の路面に設置した航空灯火の運用状況を表示する表示部を備えた航空灯火管制卓において、
前記航空灯火の異常を通知する異常通知手段と、
前記誘導路又は前記滑走路に対する走行禁止、進入禁止、走行注意又は経路変更の指示の入力を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段に指示が入力されると、前記表示部による表示内容を変更する表示内容変更手段と、
前記入力受付手段に入力された指示に基づいて、前記航空灯火の点灯又は消灯を変更する点灯消灯変更手段と
を備えた航空灯火管制卓。
【請求項2】
請求項1記載の航空灯火管制卓において、
前記航空灯火の運用状況を前記表示部から表示する場合、異常が生じた航空灯火については、正常時に表示されていた表示色とは異なる表示色を用いて表示するか、又は点滅させることによって表示する異常表示手段
を更に備えた航空灯火管制卓。
【請求項3】
請求項1記載の航空灯火管制卓において、
前記入力受付手段は、前記航空灯火が故障した場合、前記路面を走行する走行体に対する走行禁止、進入禁止、及び経路変更のうちの少なくとも何れかを含む指示の入力を受け付ける航空灯火管制卓。
【請求項4】
請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の航空灯火管制卓において、
前記点灯消灯変更手段による前記航空灯火の点灯又は消灯の変更によって、前記路面を走行する走行体に対して経路を指示するようにした航空灯火管制卓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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