説明

色分離光学系装置

【課題】入射光束がランダム偏光である場合でも光量損失を少なく抑えて色分離することができ、かつ構成簡易で小型化が可能な色分離光学系装置を得る。
【解決手段】色分離光学系装置10は、第1および第2の複屈折板11,13と、特定波長偏光変換板12と、カラーフィルタ14とからなる。第1の複屈折板11は光束4を常光線4aと異常光線4bとに分岐し2つの光束41,42を出射する。特定波長偏光変換板12は、2つの光束41,42の各緑色光成分の振動方向をマゼンタ光成分の振動方向に対して略90度回転させ2つの光束51,52を出射する。第2の複屈折板13は、2つの光束51,52を各一対の常光線51a,52aおよび異常光線51b,52bに分岐し、マゼンタ光成分からなる第1および第3の光束61,63、および緑色光成分からなる第2の光束をカラーフィルタ14に向けてそれぞれ出射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー画像原稿等からの光束を色分離し、色分離させた各色光をマルチラインセンサ等の撮像手段に結像させる色分離光学系装置に関し、特に、スキャナやファクシミリ等の画像読取装置に搭載するのに好適な色分離光学系装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー用の画像読取装置に搭載される色分離光学系装置としては、従来、種々のタイプのものが提案されている。例えば、下記特許文献1には、所定面に色分離膜が形成された断面五角形状のプリズムと、このプリズムの所定面と対向して配置される色分離性の反射板とを組み合わせてなる色分離光学系装置が提案されている。また、下記特許文献2には、偏光板と、位相差が所定の値に設定された2つの位相板と、2つの複屈折板を共通光軸上に配置してなる色分離光学系装置が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特許第3061439号公報
【特許文献2】特開平10−123464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたものは、光路の折り返し位置や各光路長の調整等が難しい複雑な構造を有しており、また小型化し難いという問題がある。
【0005】
また、上記特許文献2に記載されたものは、色分離する光束を偏光板により直線偏光に変換する必要があるので、特に、偏光板に入射する光束がランダム偏光(非偏光)である場合には、偏光板での光量損失が大きくなるという問題がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、入射光束がランダム偏光である場合でも光量損失を少なく抑えて色分離することができ、かつ構成簡易で小型化が可能な色分離光学系装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため本発明の色分離光学系装置では、2つの複屈折板の間に、直線偏光状態で入射した光束内の所定の波長帯域成分の振動方向を略90度回転させる機能を有する特定波長偏光変換板を配置するようにしている。
【0008】
すなわち、本発明に係る色分離光学系装置は、
入射光束を常光線と異常光線との2つの光束に分岐して出射する第1の複屈折板と、
この第1の複屈折板から出射された前記2つの光束を、該各光束における3原色光成分のうちのいずれかの色光成分からなる第1色光成分の振動方向が、同じ光束のその余の色光成分からなる補色光成分の振動方向に対して略90度回転した状態となるように、かつ該2つの光束それぞれの前記第1色光成分の振動方向同士および前記補色光成分の振動方向同士が互いに略直交する状態となるように、それぞれ変換して出射する特定波長偏光変換板と、
この特定波長偏光変換板から出射された前記2つの光束の前記第1色光成分と前記補色光成分とを互いに分岐するとともに、該2つの光束のうちの一方の前記補色光成分からなる光束を第1の光束として、該2つの光束の各々の前記第1色光成分同士を互いに合波してなる光束を第2の光束として、該2つの光束のうちの他方の前記補色光成分からなる光束を第3の光束として、それぞれ出射する第2の複屈折板と、
この第2の複屈折板から出射された前記第1の光束から、前記補色光成分に含まれる、前記3原色光成分から前記第1色光成分を除いた他の2つの色光成分のうちの一方を選択分離するとともに、前記第3の光束から前記他の2つの色光成分のうちの他方を選択分離して出射するカラーフィルタと、を備えてなることを特徴とする。
【0009】
前記特定波長偏光変換板は、前記第1色光成分の振動方向は前記2つの光束が該特定波長偏光変換板に入射したときの状態から略90度回転させ、前記補色光成分の振動方向は入射したときの状態を維持するように構成することができる。
【0010】
本発明に係る色分離光学系装置は、前記入射光束がランダム偏光である場合に好適である。また、前記第1および第2の複屈折板は、ニオブ酸リチウムで構成することが好ましい。
【0011】
なお、本明細書において「振動方向」とは「電場の振動方向」を意味する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の色分離光学系装置によれば、2つの複屈折板の間に特定波長偏光変換板を配置したことにより、入射光束がランダム偏光の場合でも色分離することが可能であり、また偏光板を用いていないので、色分離の際の光量損失も少なく抑えることが可能である。
【0013】
また、色分離の光学系が、2つの複屈折板と1つの特定波長偏光変換板との組み合わせにより構成されているので、装置全体を構成簡易かつ小型なものとすることが可能である。また、これにより、画像読取装置等への搭載作業を容易ならしめるとともに、搭載スペースも縮小することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る色分離光学系装置10を概略的に示す図であり、図2はこの色分離光学系装置10を搭載してなるカラースキャナ装置の概略構成図である。また、図3は図2に示された撮像手段20の概略構成図である。なお、図1に示す直角座標は左手系であり、そのZ軸の方向が図2に示す光軸Lの方向と一致し、Y軸の方向が図1に示す副走査方向Kと一致する。また、図1〜図3に示す撮像手段20は、色分離光学系装置10の必須の構成要件ではない。
【0015】
図2に示すように色分離光学系装置10は、プラテンガラス1の裏面側にセットされたカラー画像原稿1A上の情報を読み取るカラースキャナ装置(画像読取装置)に搭載されている。このカラースキャナ装置は、可視光波長帯域の略全域のスペクトル成分を含む白色光束を光源2からカラー画像原稿1A上に照射し、このカラー画像原稿1Aから反射されたカラー画像情報を担持したランダム偏光(非偏光)の光束4をスリット板3のスリットおよび結像レンズ5を介して、色分離光学系装置10に入射せしめるように構成されている。
【0016】
この色分離光学系装置10は、第1の複屈折板11、特定波長偏光変換板12、第2の複屈折板13、およびカラーフィルタ14を、結像レンズ5側よりこの並び順で光軸L上に備えてなる。第1の複屈折板11、特定波長偏光変換板12および第2の複屈折板13はそれぞれ平行平板状に形成されており、各々の面が互いに平行かつ光軸Lに対して垂直となるように配設されている。また、色分離光学系装置10は、結像レンズ5から出射された光束4を3つの光束に分岐するとともに、分岐された各光束を撮像手段20の赤色光用、緑色光用および青色光用の各ラインセンサ20A、20B、20C(図3参照)の受光素子上に結像させるようになっている。カラー画像の1ライン分の情報が1回の主走査により読み取られ、この後図2中の副走査方向Kにカラー画像原稿1Aとスリット3が相対的に移動されつつ上記撮像手段20による画像読取操作が継続して行なわれることにより、カラー画像原稿1Aの全画像領域についての読取操作が行なわれる。なお、図3において左右方向に延びる各ラインセンサ20A、20B、20Cは、これらが図示されていない図2においては、紙面に垂直な方向にそれぞれ延びている。
【0017】
図1に示す第1の複屈折板11および第2の複屈折板13は、同じ一軸性結晶を用いて同じ厚みに構成されている。第1の複屈折板11の光学軸OA(図中両矢線で示す)は、その前面11aおよび背面11bに直角な面内に位置し、かつ前面11aおよび背面11bに対して斜交するように設定されている。また、第2の複屈折板13の光学軸OA(図中両矢線で示す)は、第1の複屈折板11の光学軸OAと平行となるように設定されている。
【0018】
なお、上記一軸性結晶としては、方解石や水晶等を用いることも可能であるが、色分離光学系装置10をコンパクトに構成するという観点から、特にニオブ酸リチウム(LiNbO)を用いることが好ましい。
【0019】
上記光束4は、上記第1の複屈折板11の前面11aに垂直に入射し、この第1の複屈折板11において、常光線4aと異常光線4bとに分岐される。すなわち、光束4を、振動面(「電場の振動面」を意味する。以下同様)が紙面に対し垂直となる成分と、振動面が紙面に対し平行となる成分とに分けると、紙面に対し垂直となる成分は、上記光学軸OAと垂直となるので直進する常光線4aとなり、振動面が紙面に対し平行となる成分は、上記光学軸OAと垂直な成分と平行な成分との両方を含むので屈折して進む異常光線4bとなる。そして、これら常光線4aおよび異常光線4bは、各々の光路が互いに離間し、かつ各々の振動面が互いに直交する直線偏光状態の2つの光束41,42として、第1の複屈折板11の背面11bからそれぞれ互いに略平行に出射される。なお、分散の影響は無視し得るものとする。
【0020】
第1の複屈折板11の背面11bから出射された2つの光束41,42は、特定波長偏光変換板12の前面12aにそれぞれ垂直に入射する。この特定波長偏光変換板12は、直線偏光状態の白色光束が入射すると、その所定の波長帯域成分の振動方向は、入射したときの状態から略90度回転させ、その余の波長帯域成分の振動方向は、入射したときの状態を維持するように構成されている。この特定波長偏光変換板12としては、前掲の特許文献2に記載されているような位相板を用いることも可能であるが、特にColor Link社製のColor Select(米国登録商標)を用いることが好適である。図4に上記Color Selectを用いた場合の特定波長偏光変換板12の特性の第1の例を示す。なお、図4では、可視光波長帯域内の各波長成分について、振動方向が略90度回転せしめられる割合を示すグラフを実線で、振動方向が維持される割合を示すグラフを破線でそれぞれ示している。このことは、図5〜図7においても同様とする。
【0021】
図4に示す例では、特定波長偏光変換板12に入射した直線偏光状態の白色光束のうち、半値が略500nm〜590nmの波長帯域に属する緑色光成分(第1色光成分)については、その振動方向が入射したときの状態から略90度回転せしめられ、その余の波長帯域に属するマゼンタ光成分(補色光成分)については、その振動方向が入射したときの状態を維持されて出射されるようになっている。
【0022】
このため、特定波長偏光変換板12に入射した上記2つの光束41,42は、その緑色光成分の振動方向がマゼンタ光成分の振動方向に対して略90度回転した状態となるように、かつ該2つの光束41,42それぞれの緑色光成分の振動方向同士およびマゼンタ光成分の振動方向同士が互いに略直交する状態となるようにそれぞれ変換され、互いに平行な2つの光束51,52として特定波長偏光変換板12の背面12bから出射される。
【0023】
上記特定波長偏光変換板12から出射された2つの光束51,52は、上記第2の複屈折板13の前面13aにそれぞれ垂直に入射する。この2つの光束51,52は、振動面が紙面に対し垂直となる成分と、振動面が紙面に対し平行となる成分とを共に含むので、この第2の複屈折板13において、直進する常光線51a,52aと、屈折して進む異常光線51b,52bとにそれぞれ分岐される。
【0024】
光束51の常光線51aおよび光束52の異常光線52bは共にマゼンタ光成分からなり、常光線51aは第1の光束61として、異常光線52bは第3の光束63として第2の複屈折板13の背面13bからそれぞれ出射される。一方、光束51の異常光線51bと光束52の常光線52aとは共に緑色光成分からなり、互いに合波され第2の光束62として第2の複屈折板13の背面13bから出射される。なお、ここでも分散の影響は無視し得るものとする。
【0025】
上記第2の複屈折板13から出射された第1、第2および第3の光束61,62,63は、上記カラーフィルタ14の赤色光用、緑色光用および青色光用の各波長選択透過フィルタ14A,14Bおよび14Cにそれぞれ入射する。
【0026】
マゼンタ光成分からなる第1および第3の光束61,63は、赤色光用の波長選択透過フィルタ14Aおよび青色光用の波長選択透過フィルタ14Cにおいて、それぞれ赤色光成分および青色光成分のみが選択的に透過され、上記撮像手段20の赤色光用および青色光用の各ラインセンサ16A、16Cの受光素子に入射して結像される。
【0027】
一方、緑色光成分からなる第2の光束は、緑色光用の波長選択透過フィルタ14Bを略100%透過して撮像手段20の緑色光用のラインセンサ16Bの受光素子に入射して結像される。なお、第2の光束が緑色光成分からなる本実施形態の場合、緑色光用の波長選択透過フィルタ14Bは特に設けなくてもよい。
【0028】
また、3色ラインセンサとして製造、販売されているものの中には、赤色光用、緑色光用および青色光用の各ラインセンサの各受光素子の前面側に、入射した光束から赤色光成分、緑色光成分および青色光成分をそれぞれ選択透過する各色光用の波長選択フィルタを予め備えているものが知られている。このような3色ラインセンサを上記撮像手段20として用いた場合には、3色ラインセンサが備えている各色光用の波長選択フィルタを本発明におけるカラーフィルタとして用いることが可能である。
【0029】
上述したように本実施形態による色分離光学系装置10によれば、入射光束がランダム偏光の場合でも3原色光成分の各色光成分に色分離させ、分離させた各色光成分を同時に撮像手段20の各色光用の受光素子に入射させることが可能である。また偏光板を用いていないので、色分離の際の光量損失も少なく抑えることが可能である。特に緑色光成分については、光量損失がほとんど無い。
【0030】
また、構成簡易で小型であるため、画像読取装置等への搭載作業を容易ならしめるとともに、搭載スペースも縮小することができる。なお、特に第1および第2の複屈折板11,13としてニオブ酸リチウムを用いた場合は、水晶を用いた場合に比べ、各板厚を6分の1以下程度に抑えることが可能となる。
【0031】
以上、本発明に係る実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、種々に態様を変更することが可能である。
【0032】
例えば、上記特定波長偏光変換板12の特性は、種々に変更することが可能である。図5〜図7は、特定波長偏光変換板12の特性の第2〜第4の例をそれぞれ示している。
【0033】
図5に示す例では、特定波長偏光変換板12に入射した直線偏光状態の白色光束のうち、半値が略580nm以上の波長帯域に属する赤色光成分については、その振動方向が入射したときの状態から略90度回転せしめられ、その余の波長帯域に属するシアン光成分については、その振動方向が入射したときの状態を維持されて出射されるようになっている。
【0034】
また、図6に示す例では、特定波長偏光変換板12に入射した直線偏光状態の白色光束のうち、半値が略520nm以下の波長帯域に属する青色光成分については、その振動方向が入射したときの状態から略90度回転せしめられ、その余の波長帯域に属する黄色光成分については、その振動方向が入射したときの状態を維持されて出射されるようになっている。
【0035】
また、図7に示す例では、特定波長偏光変換板12に入射した直線偏光状態の白色光束のうち、半値が略530nm以上の波長帯域に属する赤みの強い黄色光成分(所定の波長帯域成分)については、その振動方向が入射したときの状態から略90度回転せしめられ、その余の波長帯域に属する成分については、その振動方向が入射したときの状態を維持されて出射されるようになっている。
【0036】
なお、特定波長偏光変換板12の特性を図5または図6に示すものに変更する場合には、上記カラーフィルタ14の各波長選択透過フィルタ14A,14B,14Cを適宜変更する必要がある。例えば、図5に示す特性を持たせた場合、上記第1、第2および第3の光束61,62,63は、それぞれシアン光成分、赤色光成分およびシアン光成分からなるので、波長選択透過フィルタ14A,14B,14Cは、それぞれ青色光成分透過用、赤色光成分透過用および緑色光成分透過用(青色光成分透過用と緑色光成分透過用とを互いに入れ替えることも可)とする必要がある。
【0037】
このように、上記特定波長偏光変換板12の特性を変えることにより、上記第1、第2および第3の光束61,62,63の各波長帯域を変更することが可能となるが、これらの態様においては、第2の光束62の光量が第1および第3の光束61,63の光量に比べて大きいという点で共通している。そこで、上記撮像手段20において最も感度の低い色光成分(例えば、青色光成分)が第2の光束62となるようにすれば、撮像手段20の感度特性の欠点を補うことが可能となる。
【0038】
また、上記実施形態では、本発明の色分離光学系装置をカラースキャナ装置に搭載した例を示しているが、本発明の色分離光学系装置は狭義のカラースキャナにのみに適用されるものではなく、被投光物体の光走査を行なって該被投光物体の画像情報を読み取る手段を有する種々の画像読取装置に適応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係る色分離光学系装置を示す概略図
【図2】色分離光学系装置を搭載したカラースキャナ装置の概略図
【図3】撮像手段の正面図
【図4】特定波長偏光変換板の特性の第1の例を示すグラフ
【図5】特定波長偏光変換板の特性の第2の例を示すグラフ
【図6】特定波長偏光変換板の特性の第3の例を示すグラフ
【図7】特定波長偏光変換板の特性の第4の例を示すグラフ
【符号の説明】
【0040】
1 プラテンガラス
1A カラー画像原稿
2 光源
3 スリット板
4,41,42,51,52 光束
4a,51a,52a 常光線
4b,51b,52b 異常光線
5 結像レンズ
10 色分離光学系装置
11 第1の複屈折板
11a,12a,13a 前面
11b,12b,13b 背面
12 特定波長偏光変換板
13 第2の複屈折板
14 カラーセンサ
14A,14B,14C 波長選択透過フィルタ
20 撮像手段
20A,20B,20C ラインセンサ
61 第1の光束
62 第2の光束
63 第3の光束
OA,OA 光学軸
K 副走査方向
L 光軸


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光束を常光線と異常光線との2つの光束に分岐して出射する第1の複屈折板と、
この第1の複屈折板から出射された前記2つの光束を、該各光束における3原色光成分のうちのいずれかの色光成分からなる第1色光成分の振動方向が、同じ光束のその余の色光成分からなる補色光成分の振動方向に対して略90度回転した状態となるように、かつ該2つの光束それぞれの前記第1色光成分の振動方向同士および前記補色光成分の振動方向同士が互いに略直交する状態となるように、それぞれ変換して出射する特定波長偏光変換板と、
この特定波長偏光変換板から出射された前記2つの光束それぞれの前記第1色光成分と前記補色光成分とを互いに分岐するとともに、該2つの光束のうちの一方の前記補色光成分からなる光束を第1の光束として、該2つの光束の各々の前記第1色光成分同士を互いに合波してなる光束を第2の光束として、該2つの光束のうちの他方の前記補色光成分からなる光束を第3の光束として、それぞれ出射する第2の複屈折板と、
この第2の複屈折板から出射された前記第1の光束から、前記補色光成分に含まれる、前記3原色光成分から前記第1色光成分を除いた他の2つの色光成分のうちの一方を選択分離するとともに、前記第3の光束から前記他の2つの色光成分のうちの他方を選択分離して出射するカラーフィルタと、
を備えてなることを特徴とする色分離光学系装置。
【請求項2】
前記特定波長偏光変換板が、前記第1色光成分の振動方向は前記2つの光束が該特定波長偏光変換板に入射したときの状態から略90度回転させ、前記補色光成分の振動方向は入射したときの状態を維持するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の色分離光学系装置。
【請求項3】
前記入射光束がランダム偏光であることを特徴とする請求項1または2記載の色分離光学系装置。
【請求項4】
前記第1および第2の複屈折板は、ニオブ酸リチウムで構成されたものであることを特徴とする請求項1〜3までのうちいずれか1項記載の色分離光学系装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−243277(P2006−243277A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−57777(P2005−57777)
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【出願人】(000005430)フジノン株式会社 (2,231)
【Fターム(参考)】