説明

色彩選別機

【課題】タンクに過剰に供給される粒状物を昇降機に返送する場合でも、装置の外観を損なわず、作業者の安全性を確保できる色彩選別機を提供する。
【解決手段】被選別物を複数のタンクに搬送する昇降機を該タンクに対応させて複数備える昇降部と、少なくとも一つのタンクに収容された被選別物を移送する移送手段と、該移送手段の端部から落下する被選別物を検出し、該検出結果に基づいて被選別物を良品と不良品とに選別する選別部と、を備えてなる色彩選別機において、前記昇降部は複数の昇降機をハウジング内に収納して構成されており、前記少なくとも一つのタンクは、前記ハウジング内に設けられるリターン通路を介して過剰に供給される被選別物を前記昇降機に返送することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀粒や樹脂ペレット等の粒状物を色彩により選別する色彩選別機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、米や小麦等の穀粒、樹脂ペレット、コーヒー豆、その他の粒状物からなる原料を色彩により良品と不良品に選別したり、原料に混入する異物等を色彩により選別除去したりする色彩選別機が知られている(特許文献1参照。)。
【0003】
図11は特許文献1に記載された穀粒選別機の全体構成図、図12は図11の穀粒選別機の外観斜視図をそれぞれ示すものである。
特許文献1に記載された穀粒選別機は、穀粒を昇降機102によって一次タンク114に搬送して収容し、前記一次タンク114に収容された穀粒又は穀粒群を所定の移動経路に供給し、前記移動経路に対応して設けられた判定手段152,154によって前記穀粒が不良品であるか否か又は前記穀粒群に不良品が含まれるか否かを一次判定し、前記判定手段152.154よりも下流側の前記移動経路に対応して設けられた選別手段166,168によって前記穀粒又は穀粒群を一次選別するものである。また、当該穀粒選別機は、前記一次選別によって選別された不良品又は不良品が含まれる穀粒又は穀粒群を二次タンク116に搬送して収容し、前記二次タンク116に収容された穀粒又は穀粒群を再び所定の移動経路に供給し、前記判定手段152,154によって前記穀粒が不良品であるか否か又は前記穀粒群に不良品が含まれるか否かを二次判定し、前記選別手段166,168によって前記穀粒又は穀粒群を二次選別するものである。
そして、特許文献1に記載された穀粒選別機は、前記二次タンク116の側面にオーバーフロー樋100が設けられ、当該二次タンク116に供給され収容される穀粒が所定量を超えると当該穀粒はオーバーフロー樋100を自然流下しパイプ110を介して前記昇降機102に返送されるものである。
【0004】
ところで、特許文献1に記載された前記オーバーフロー樋100及びパイプ110は、図11及び図12に示すとおり穀粒選別機の外部に剥き出し状態に設置されている。この剥き出し状態に設置されたオーバーフロー樋100やパイプ110は装置の外観を損なうものである。また、これらオーバーフロー樋100やパイプ110は作業者の穀粒供給等の作業の邪魔になり安全性を損なうものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−47697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、タンクに過剰に供給される粒状物を昇降機に返送する場合でも、装置の外観を損なわず、作業者の安全性を確保できる色彩選別機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、被選別物を複数のタンクに搬送する昇降機を該タンクに対応させて複数備える昇降部と、少なくとも一つのタンクに収容された被選別物を移送する移送手段と、該移送手段の端部から落下する被選別物を検出し、該検出結果に基づいて被選別物を良品と不良品とに選別する選別部と、を備えてなる色彩選別機において、前記昇降部は複数の昇降機をハウジング内に収納して構成され、前記少なくとも一つのタンクは、前記ハウジング内に設けられるリターン通路を介して過剰に供給される被選別物を前記昇降機に返送することを特徴とするものである。
【0008】
本発明の色彩選別機は、昇降部が、被選別物を第1タンクに搬送する第1昇降機と、被選別物を第2タンクに搬送する第2昇降機とを備え、選別部が、第1タンクから移送される被選別物を選別する一次選別部と、前記一次選別部において不良品に選別され第2タンクから移送される被選別物をさらに選別する二次選別部とを備えるものであり、第1タンクが、過剰に供給される被選別物を前記リターン通路を介して前記第1昇降機に返送するものであることが好ましい。
【0009】
本発明の色彩選別機は、昇降部が、被選別物を第1タンクに搬送する第1昇降機と、被選別物を第2タンクに搬送する第2昇降機とを備え、選別部が、第1タンクから移送される被選別物を選別する一次選別部と、前記一次選別部において不良品に選別され第2タンクから移送される被選別物をさらに選別する二次選別部とを備えるものであり、第2タンクが、過剰に供給される被選別物を前記リターン通路を介して前記第1昇降機又は前記第2昇降機に返送するものであることが好ましい。
【0010】
本発明の色彩選別機は、第1昇降機が、選別機に投入される被選別物と前記二次選別部において良品に選別される被選別物とを前記第1タンクに搬送するものであることが好ましい。
【0011】
本発明の色彩選別機は、昇降部が、一次選別部において良品に選別される被選別物を第3タンクに搬送する第3昇降機をさらに備え、第3タンクに搬送される被選別物が選別機本体の側方に延出する精品排出樋から機外に排出されることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、被選別物をタンクに搬送する昇降機を備える昇降部と、該タンクに収容された被選別物を移送する移送手段と、該移送手段の端部から落下する被選別物を検出し、該検出結果に基づいて被選別物を良品と不良品とに選別する選別部と、を備えてなる色彩選別機において、前記昇降部は昇降機をハウジング内に収納して構成されており、前記タンクは、前記ハウジング内に設けられるリターン通路を介して過剰に供給される被選別物を前記昇降機に返送することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の色彩選別機は、少なくとも一つのタンクが、過剰に供給される被選別物を、複数の昇降機を収納するハウジング内に設けられるリターン通路を介して昇降機に返送するものであるから、リターン通路が選別機の外部に露出することがなく装置の外観を損なわず、また、作業者の安全性も確保することができる。
【0014】
また、本発明の色彩選別機は、タンクが、過剰に供給される被選別物を昇降機を収納するハウジング内に設けられるリターン通路を介して前記昇降機に返送するものであるから、リターン通路が選別機の外部に露出することがなく装置の外観を損なわず、また、作業者の安全性も確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態における色彩選別機の正面右上からの全体斜視図。
【図2】図1の色彩選別機の左側面図。
【図3】図1の色彩選別機の背面左上からの全体斜視図。
【図4】図3のA−A断面における内部構造の説明図。
【図5】図3のB−B断面における内部構造の説明図。
【図6】図1の色彩選別機における内部構造の概略説明図。
【図7】図1の色彩選別機を構成する振動コンベアのトラフの説明図。
【図8】タンクに過剰に供給された被選別物のリターン通路の説明図。
【図9】図8におけるC−C断面図。
【図10】タンクに過剰に供給された被選別物のリターン通路の説明図。
【図11】従来の穀粒選別機の全体構成図。
【図12】従来の穀粒選別機の外観斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態における色彩選別機の正面右上からの全体斜視図を示すものである。図2は、前記色彩選別機の左側面図を示すものである。図3は、前記色彩選別機の背面左上からの全体斜視図を示すものである。図4は図3におけるA−A断面を、図5は図3におけるB−B断面を、それぞれ示すものである。図6は、前記色彩選別機の正面方向からの内部構造の概略説明図を示すものである。図7は、前記色彩選別機を構成する振動コンベアのトラフの説明図を示すものである。
【0017】
本発明の実施の形態における色彩選別機は、穀粒、樹脂ペレット、コーヒー豆、その他の粒状物を原料として良品と不良品、或いは原料に混入する異物を色彩により選別することができるものである。
【0018】
本発明の実施の形態における色彩選別機は、背面側に位置し原料を揚粒する昇降部1と、昇降部1の前側に位置し原料を選別する光学選別部2と、色彩選別機の下方に位置し選別後の原料を昇降部1に返還する振動コンベア3を備えるものである。
【0019】
昇降部1は、第1バケットコンベア11と、該第1バケットコンベア11の一側方に隣接して配置される第2バケットコンベア12と、第1バケットコンベア11の他側方に隣接して配置される第3バケットコンベア13から構成されている。各バケットコンベア11〜13は、色彩選別機の正面視幅方向に並設した状態で配置されており、図1乃至図5に示すようハウジング内にコンパクトに収納されている。
【0020】
第1バケットコンベア11は、昇降部1の背後に設けられた投入ホッパ14に投入される原料を揚粒し、当該原料を後述する光学選別部2における一次選別部20の上方に位置する第1貯留タンク15に貯留するためのものである。また、第1バケットコンベア11は、後述する光選別部2の二次選別部21において良品とされた原料(以下、「二次良品」という。)を揚粒し、当該二次良品を前記第1貯留タンク15に貯留するためのものである。
【0021】
第2バケットコンベア12は、光学選別部2の一次選別部20において良品とされた原料(以下、「一次良品」という。)を揚粒し、当該原料を精品タンク16aに送るためのものである。精品タンク16aの下方には、色彩選別機外に連通する精品排出樋16bが設けられ、前記精品タンク16aに送られた一次良品は該精品排出樋16bから機外に排出される。
【0022】
第3バケットコンベア13は、前記一次選別部20において不良品とされた原料(以下、「一次不良品」という。)を揚粒し、当該原料を後述する光学選別部2における二次選別部21の上方に位置する第2貯留タンク17に貯留するためのものである。
【0023】
本実施の形態における色彩選別機の昇降部1は、各バケットコンベア11〜13を隣接して配置するものであるため、各駆動軸を共通軸とすることで、同一駆動源により同時駆動することができるものである。
【0024】
ここで、図1乃至図5に示すように、前記投入ホッパ14は、色彩選別機の低所であって昇降部1の背後に設けられ、色彩選別機の後方から原料を投入可能に構成されている。そして、当該投入ホッパ14は、色彩選別機の正面視における幅方向寸法の範囲内に設けられるものである。
【0025】
また、図2及び図6に示すように、前記精品排出樋16bは、色彩選別機の高所であって左側面から機外に向けて延出するよう設けられるものである。
【0026】
光学選別部2は、図4乃至図6に示すように、光学検出部22とエジェクター23を備えるものであり、色彩選別機の正面視幅方向位置により一次選別部20と二次選別部21に分けられるものである。
【0027】
そして、図6に示すように、一次選別部20は、第1貯留タンク15から供給される原料の選別を行うものであり、二次選別部21は、第2貯留タンク17から供給される原料の選別を行うものである。
【0028】
図4乃至図6に示すように、各貯留タンク15,17に貯留される原料は、それぞれ第1及び第2ロータリーバルブ18,19を介して一定流量で供給され、それぞれ傾斜配置される第1及び第2シュート24,25上を流下し、各シュート24,25下端から放出された後、光学検出部22により検出される。その結果、一次良品は一次選別部20の下方に対応して設けられた第1排出樋26から、一次不良品はエジェクター23からのエアーに弾かれて一次選別部20の下方に対応して設けられた第2排出樋27から、それぞれ後述する振動コンベア3のトラフ30上に排出される。また、二次良品も二次選別部21の下方に対応して設けられた第3排出樋28から振動コンベア3のトラフ30上に排出される。二次選別部21において不良品とされた原料(以下、「二次不良品」という。)は、当該二次選別部21の下方に対応して設けられた第4排出樋29から直接色彩選別機外に排出される。
【0029】
本実施の形態の光学選別部2における光学検出部22及びエジェクター23は、色彩選別機の幅方向にライン状に落下する複数の原料を検出し、適宜原料をエアーにより弾くことができるものであればよい。
【0030】
本実施の形態において、光学検出部22は、CCDラインセンサー等からなるセンサー、蛍光灯等からなる光源、背景手段としてのバックグラウンドを備える公知のものを用いることができる。図4及び図5に示すように、本実施の形態における光学検出部22は、シュート24,25を前後に挟んだ状態で一対配置される。各光学検出部22は、CCDラインセンサー等からなるセンサー221、ミラー222、光源223、バックグラウンドを備えるものである。そして、各光学検出部22は、前記シュート24,25下端から落下する原料を検出位置において撮像し、該撮像信号に基づいて原料の良品と不良品、或いは原料に混入する異物を判断するものである。エジェクタ−23はエアーにより原料を弾くものにかえて、ソレノイド等を駆動手段とする板バネ等を用いてもよい。なお、図4,5において、センサー221、ミラー222、光源223は、前側の光学検出部22にのみ符号を付すものであるが、図示のとおり後側の光学検出部も同様の構成を備えるものである。
【0031】
振動コンベア3は、光学選別部2の下方に配置されるものであり、図7に示すように、光学選別部2によって選別された原料を、一次良品、一次不良品、二次良品に分別して受けることができるトラフ30を備えるものである。
該トラフ30は、前記第1乃至第3排出樋26〜28から排出される原料の位置に対応して、第1樋31、第2樋32、第3樋33が形成されるものであり、光学選別部2で選別された原料をそれぞれ目的とするバケットコンベア11〜13に供給することができるよう構成されている。
【0032】
次に、本発明の実施の形態における色彩選別機の作用を説明する。
原料は、色彩選別機の低所であって昇降部1の背後に設けられる投入ホッパ14に投入されると、第1バケットコンベア11により揚粒され、第1貯留タンク15に貯留された後、第1ロータリーバルブ18を介して一定流量で第1シュート24に供給される。
そして、第1シュート24上を落下する原料は、光学選別部2の一次選別部20において光学検出部22により検出され、一次良品は第1排出樋26から振動コンベア3のトラフ30の第1樋31上に落下し、一次不良品はエジェクター23により弾かれて第2排出樋27から振動コンベア3のトラフ30の第2樋32上に落下する。
【0033】
第1樋31上に落下した一次良品は、振動コンベア3の作用により昇降部1の第2バケットコンベア12に搬送され揚粒されて精品タンク16aに送られた後、色彩選別機の高所であって左側面から外部に延出して設けられる精品排出樋16bから色彩選別機外に排出される。
【0034】
一方、第2樋32上に落下した一次不良品は、昇降部1の第3バケットコンベア13に搬送され揚粒されて、第2貯留タンク17に貯留された後、第2ロータリーバルブ19を介して一定流量で第2シュート25に供給される。第2シュート25上を落下する一次不良品は、光学選別部2の二次選別部21において光学検出部22により検出され、二次良品は第3排出樋28から振動コンベア3のトラフ30の第3樋33上に落下し、二次不良品はエジェクター23により弾かれて第4排出樋29から直接色彩選別機外に排出される。
【0035】
第3樋33上に落下した二次良品は、振動コンベア3の作用により昇降部1の第1バケットコンベア11に搬送され、投入ホッパ14に投入される原料とともに揚粒されて、第1貯留タンク15に貯留される。そして、光学選別部2の一次選別部20において再度選別される。
【0036】
ところで、本実施の形態における色彩選別機は、第1及び第2貯留タンク15,17に過剰に供給された原料を、前記各バケットコンベア11〜13を収納するハウジング内に形成されたリターン通路を介して前記投入ホッパ14に返送する構成を備えるものである。
【0037】
図4及び図5に示すように、第2貯留タンク17には、昇降部1側の上部に開口42が形成され、当該開口42の外側には下方に向けて第1返送樋44が設けられている。該第1返送樋44は、前記ハウジングの前側カバー51前面に設けられる第2返送樋54に接続され、該第2返送樋54は前側カバー51に形成される開口56を介して当該前側カバー51の背面、即ちハウジング内側に設けられる第3返送樋58に連絡されている。第3返送樋58はハウジングの外側カバー52に形成される開口60を介して当該外側カバー52の外面、即ち投入ホッパ14の上部に位置して設けられる第4返送樋61に連絡されている。
【0038】
本実施の形態の色彩選別機は、上記第2貯留タンク17に供給される原料が所定量を超えたときは、当該原料は前記開口42からオーバーフローし、第1乃至第4返送樋44,54,58,61及び各開口42,56、60から構成されるリターン通路を介して投入ホッパ14に返送されるものである。
【0039】
図8乃至図10は、上記リターン通路の構成をさらに詳細に示すものであり、図8は色彩選別機本体から貯留タンク部40を取り外した状態を、図9は、図8の貯留タンク部40のC−C断面図をそれぞれ示すものである。また、図10は色彩選別機本体の昇降部1におけるハウジング内の様子を示すものである。
【0040】
図9に示すように、第1貯留タンク15及び第2貯留タンク17の上方には、それぞれ開口41,42が形成されている。そして、図8に示すように、該開口41,42は、各タンク15,17の外側に設けられる第1返送樋43,44を介して昇降部1のハウジングの前側カバー51に設けられる第2返送樋53,54に連通し、図10に示すように前記前側カバー51の背面側、即ちハウジング内に設けられる第3返送樋57,58と連通する。
【0041】
ここで、図10は、説明のため昇降部1における各バケットコンベア11〜13を一部省略するものであるが、前記第3返送樋57,58は、前側カバー51の後面と、各バケットコンベア11〜13を配置する領域を仕切る仕切板63,64とに取り付けられて、リターン通路の一部を構成するものである。
【0042】
本実施の形態における色彩選別機は、上記のとおり第1及び第2貯留タンク15,17に過剰に供給された原料を、投入ホッパ14に返送するリターン通路を備えるものであるが、当該リターン通路が昇降部1における各バケットコンベア11〜13を収納するハウジング内に形成されるものであり、当該リターン通路が外部に露出するものでないため外観上好ましく、また作業者の作業の邪魔になることがなく安全性を確保する上においても好ましい。
【0043】
上記本発明の実施の形態では、第1貯留タンク15、第2貯留タンク17ともに、過剰に供給される原料をリターン通路を介して投入ホッパ14に返送するものであったが、第2貯留タンク17に過剰に供給される原料は、第3バケットコンベア13の下部に返送するものであってもよい。
第2貯留タンク17に供給される原料を投入ホッパ14に返送すると、再度一次選別を行うことなり効率が低下するが、第3バケットコンベア13の下部に返送するものとすれば、作業効率を低下させることがない。
【0044】
上記本発明の実施の形態では、昇降部1として3台のバケットコンベアを隣接配置したものを用いたが、例えば、バケットコンベアを2台とするなど、隣接配置するバケットコンベアの数は適宜変更可能である。また、バケットコンベアは、同等の機能を有する他の昇降手段と変更することも可能である。
【0045】
上記本発明の実施の形態では、色彩選別機は一次選別部20が一つのみ設けられるものであったが、一次選別部20が複数設けられるものであってもよい。
【0046】
本発明の実施の形態における色彩選別機は、複数台のバケットコンベアを隣接配置することで昇降部1をコンパクトに構成したものであり、かつ当該昇降部1を光選別部2の背後に配置することで正面視の幅が限定されるものであるから、設置スペースを小さくでき装置を小型化することが可能なものである。また、本発明の実施の形態における色彩選別機は、選別後の原料を昇降部1に供給するための振動コンベア3を光学選別部2の下方に配置したものであるから、振動コンベア3を配置するための新たなスペースを必要としないものである。
【0047】
本発明の色彩選別機は、上記実施の形態に限らず、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、その構成を適宜変更できることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の色彩選別機は、少なくとも一つのタンクが、過剰に供給される被選別物を、複数の昇降機を収納するハウジング内に設けられるリターン通路を介して昇降機に返送するものであるから、リターン通路が選別機の外部に露出することがないため外観上好ましく、また作業者の安全性も確保でき非常に有用なものである。
【符号の説明】
【0049】
1 昇降部
2 光学選別部
3 振動コンベア
11 第1バケットコンベア
12 第2バケットコンベア
13 第3バケットコンベア
14 投入ホッパ
15 第1貯留タンク
16a 精品タンク
16b 精品排出樋
17 第2貯留タンク
18 第1ロータリーバルブ
19 第2ロータリーバルブ
20 一次選別部
21 二次選別部
22 光学検出部
221 センサー
222 ミラー
223 光源
23 エジェクタ
24 第1シュート
25 第2シュート
26 第1排出樋
27 第2排出樋
28 第3排出樋
29 第4排出樋
30 振動コンベアのトラフ
31 第1樋
32 第2樋
33 第3樋
40 貯留タンク部
41,42 開口
43,44 第1返送樋
51 バウジングの前側カバー
52 ハウジングの外側カバー
53,54 第2返送樋
56 開口
57,58 第3返送樋
59,60 開口
61 第4返送樋
63,64 仕切板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被選別物を複数のタンクに搬送する昇降機を該タンクに対応させて複数備える昇降部と、少なくとも一つのタンクに収容された被選別物を移送する移送手段と、該移送手段の端部から落下する被選別物を検出し、該検出結果に基づいて被選別物を良品と不良品とに選別する選別部と、を備えてなる色彩選別機において、
前記昇降部は複数の昇降機をハウジング内に収納して構成されており、前記少なくとも一つのタンクは、前記ハウジング内に設けられるリターン通路を介して過剰に供給される被選別物を前記昇降機に返送することを特徴とする色彩選別機。
【請求項2】
前記昇降部は、被選別物を第1タンクに搬送する第1昇降機と、被選別物を第2タンクに搬送する第2昇降機とを備え、前記選別部は、第1タンクから移送される被選別物を選別する一次選別部と、前記一次選別部において不良品に選別され第2タンクから移送される被選別物をさらに選別する二次選別部とを備えるものであり、前記第1タンクは、過剰に供給される被選別物を前記リターン通路を介して前記第1昇降機に返送することを特徴とする請求項1記載の色彩選別機。
【請求項3】
前記昇降部は、被選別物を第1タンクに搬送する第1昇降機と、被選別物を第2タンクに搬送する第2昇降機とを備え、前記選別部は、第1タンクから移送される被選別物を選別する一次選別部と、前記一次選別部において不良品に選別され第2タンクから移送される被選別物をさらに選別する二次選別部を備えるものであり、前記第2タンクは、過剰に供給される被選別物を前記リターン通路を介して前記第1昇降機又は前記第2昇降機に返送することを特徴とする請求項1又は2記載の色彩選別機。
【請求項4】
前記第1昇降機は、選別機に投入される被選別物と前記二次選別部において良品に選別される被選別物とを前記第1タンクに搬送するものである請求項2又は3記載の色彩選別機。
【請求項5】
前記昇降部は、一次選別部において良品に選別される被選別物を第3タンクに搬送する第3昇降機をさらに備え、該第3タンクに搬送される被選別物は選別機本体の側方に延出する精品排出樋から機外に排出されるものである請求項2乃至4の何れか一項記載の色彩選別機。
【請求項6】
被選別物をタンクに搬送する昇降機を備える昇降部と、該タンクに収容された被選別物を移送する移送手段と、該移送手段の端部から落下する被選別物を検出し、該検出結果に基づいて被選別物を良品と不良品とに選別する選別部と、を備えてなる色彩選別機において、
前記昇降部は昇降機をハウジング内に収納して構成されており、前記タンクは、前記ハウジング内に設けられるリターン通路を介して過剰に供給される被選別物を前記昇降機に返送することを特徴とする色彩選別機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−115765(P2011−115765A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278069(P2009−278069)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(000001812)株式会社サタケ (223)
【Fターム(参考)】