説明

色素、光電変換素子及び光電気化学電池

【課題】光電変換効率が高く、かつ耐久性に優れた、色素、光電変換素子及び光電気化学電池を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)等で表されることを特徴とする色素。


具体例として例えば下記構造の化合物が例示される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)または一般式(1’)で表されることを特徴とする色素。
【化1】

【化2】

[一般式(1)および(1’)中、Aは380〜650nmの範囲で溶液における吸収極大を持つ発色団を表し、一般式(2−a)又は一般式(5)で表される色素から導かれる基である。Bは650〜1200nmの範囲で溶液における吸収極大を持つ発色団を有し、少なくとも一つの酸性基を有している色素から導かれる基である。lは1以上の整数を表し、Laは2価の連結基を表し置換基を有していても良い。oは0又は1を表す。]

Mz(LLm1(LLm2(X)m3・CI 一般式(2−a)
[ 一般式(2−a)において、Mzは金属原子を表し、LLは下記一般式(3−a)で表される2座又は3座の配位子であり、LLは下記一般式(4−a)で表される2座又は3座の配位子である。
Xはアシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基及びアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する1座又は2座の配位子、あるいはハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、1,3−ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミド又はチオ尿素からなる1座又は2座の配位子を表す。
m1は0〜3の整数を表し、m1が2以上のとき、LLは同じでも異なっていてもよい。m2は0〜3の整数を表し、m2が2のとき、LLは同じでも異なっていてもよい。ただし、m1とm2のうち少なくとも一方は1以上の整数である。
m3は0〜2の整数を表し、m3が2のとき、Xは同じでも異なっていてもよく、X同士が連結していてもよい。
CIは一般式(2−a)において、電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
【化3】

[ 一般式(3−a)において、R101及びR102はそれぞれ独立に、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基、ホスホリル基又はホスホニル基を表す。R103及びR104はそれぞれ独立に置換基を表し、R105及びR106はそれぞれ独立にアリール基又はヘテロ環基を表す。d1及びd2はそれぞれ0以上の整数を表す。
及びLはそれぞれ独立に、エテニレン基及び/又はエチニレン基からなる共役鎖を表す。
a1及びa2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、a1が2以上のときR101は同じでも異なっていてもよく、a2が2以上のときR102は同じでも異なっていてもよく、b1及びb2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表す。b1が2以上のときR103は同じでも異なっていてもよく、R103は互いに連結して環を形成してもよく、b2が2以上のときR104は同じでも異なっていてもよく、R104は互いに連結して環を形成してもよい。b1及びb2が共に1以上のとき、R103とR104が連結して環を形成してもよい。
d3は0又は1を表す。]
【化4】

[一般式(4−a)において、Za、Zb及びZcはそれぞれ独立に、5又は6員環を形成しうる非金属原子群を表し、それぞれ独立に酸性基を有していてもよい。cは0又は1を表す。
【化5】

[一般式(5)中、Xはベンゼン環と連結して含窒素環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。cは0または1〜4の整数を表す。e1は0又は1以上の整数を表す。fは0又は1を表す。R15、R16は水素原子、脂肪族基、芳香族基、又は炭素原子で結合する複素環基を表す。Dは、酸性基を有してもよい置換基を表し、Yは脂肪族基、芳香族基又はヘテロ環基を表す。]
【請求項2】
前記Bが下記一般式(6)〜一般式(11)で導かれる基であることを特徴とする請求項1記載の色素。
【化6】

[一般式(6)中、Mは金属を表す。R21〜R24はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、R21〜R24のうち少なくとも一つはA又はLaで結合している。
一般式(7)中、R25〜R32はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し、R25〜R32のうち少なくとも一つはA又はLaで結合している。Xは陰イオンを表す。
一般式(8)中、R35〜R50は独立に水素原子又は置換基を表し、隣り合う置換基と環を形成していてもよい。R35〜R50のうち少なくとも一つはA又はLaまたはこれらを含む基を表す。また、形成された環上でA又はLaと結合していてもよい。Mは二つの水素原子又は金属原子を表す。
一般式(9)中、Qは4価の芳香族基を示し、P、Pは色素残基を表す。R、R’はそれぞれ独立に脂肪族基、芳香族基、炭素原子で結合するヘテロ環基を表す。X、Xはそれぞれ独立に硫黄原子、酸素原子、又はCR5657を表す。ここでR56、R57は水素原子、脂肪族基、芳香族基、炭素原子で結合するヘテロ環基を表し、同じでも異なっていてもよい。Wは電荷を中和させるのに必要な場合の対イオンを表す。一般式(9)で表される基は、P又はP中の原子で、前記La又は前記Aと結合している。
一般式(10)中、R51、R52及びR54は水素原子、置換基を表し、また、R51、R52及びR54のうち少なくとも一つがAまたはLaで結合している。pは2以上の整数を表す。fは0または1以上の整数を表す。
一般式(11)中、P、Pは色素残基、R55は酸素原子又は置換基を有する炭素原子を表す。一般式(11)で表される基は、P又はP中の原子で、前記La又は前記Aと結合している。]
【請求項3】
前記Bが、一般式(6)、(7)、(9)、(10)又は(11)のいずれかで表されることを特徴とする請求項1又は2記載の色素。
【請求項4】
前記Bが一般式(8)で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載の色素。
【請求項5】
一般式(8)において、分子内に少なくとも1つ以上の下記一般式(8”)で表される構造を有している請求項4に記載の色素。
【化7】

(nは0または1を表す。なお、R35〜R50またはこれらが結合してなる環上で少なくとも一つのAまたはLaと結合している。XはS、NR’’’、0を表す。NR’’’は水素原子または置換基を表す。Aは芳香族基、または複素環基を表す。Mは二個の水素原子または酸化金属を含む金属原子を表す。)
【請求項6】
分子内に一般式(8”)で表される構造を6つ以上持つことを特徴とする請求項5に記載の色素。
【請求項7】
一般式(8”)中、Aが複素環基を表す請求項5または6に記載の色素。
【請求項8】
一般式(9)中のP及びPがそれぞれ独立に、下記一般式(9’a)又は(9’b)で表されることを特徴とする請求項2または3に記載の色素。
【化8】

[ 一般式(9’a)及び(9’b)において、V、VはA、Laとの結合位置/置換基、酸性基または酸性基を含む置換基を表す。
YはS、NR9a、またはCR10a11aを表す。R9aは水素原子、脂肪族基、芳香族基、又は炭素原子で結合するヘテロ環基を表す。R10a、R11aは、水素原子、脂肪族基、芳香族基、又は炭素原子で結合するヘテロ環基を表し、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。
Zは脂肪族基、芳香族基、又は炭素原子で結合するヘテロ環基を表し、置換基を有していてもよい。
aはそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、又はヘテロ環基を表し、置換基を有していてもよい。
Rcは酸素原子、又は2つの置換基を有する炭素原子であって2つの置換基のHammett則におけるσpの和が正である。]
【請求項9】
前記Rcが、下記一般式(9’c)又は(9’d)で表されることを特徴とする請求項8に記載の光電変換素子。
【化9】

【請求項10】
前記一般式(1)が、下記一般式(12)又は一般式(13)で表されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の色素。
【化10】

[一般式(12)、(13)中、Y’、Y’’、Y、Yは下記一般式(14)、(15)、(16)、(17)のいずれか又は、その組み合わせで表される。Xはベンゼン環と連結して含窒素環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。R15は水素原子、脂肪族基、芳香族基、又は炭素原子で結合する複素環基を表す。R56は酸性基を有する基を表す。R62〜R65は水素原子又は置換基を表す。e1は0又は1以上の整数を表す。e2、e3は0又は1以上の整数を表す。gは0又は1を表す。h、hは0又は1以上の整数を表す。h、hは0又は1〜3の整数を表す。h、hは0又は1〜4の整数を表す。Lbは下記一般式(18)又は(19)で表される。]
【化11】

[R57〜R61は水素原子、又は置換基を表し、置換基同士が環を形成してもよい。a4は0又は1〜4の整数を表す。]
【化12】

[式(18)中、XbはO、S、NR66を表す。R66は水素原子、置換基を表す。一般式(19)中hは0又は1以上の整数を表す。h、h11は0又は1以上の整数を表す。h10は1以上の整数を表す。]
【請求項11】
前記色素が、下記一般式(20)又は一般式(21)で表されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の色素。
【化13】

[Xはベンゼン環と連結して含窒素環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。R15は水素原子、脂肪族基、芳香族基、又は炭素原子で結合する複素環基を表す。Mは二つの水素原子、Li原子又は金属原子を表す。R6772、R74、R75は水素原子又は置換基を表す。R73は酸性基を有する基を表す。Y、YはCR7677、S、NR78を表す。R76〜R78は水素原子又は置換基を表す。hは1以上の整数を表す。]
【請求項12】
前記一般式(21)中、Lcが、一般式(19)(ただし、hは0〜2の整数を表す)又は下記一般式(22)で表されることを特徴とする請求項11記載の色素。
−Xc− 一般式(22)
(式中XcはO、S、NR79を表す。R79は水素原子、置換基を表す。)
【請求項13】
前記一般式(21)中、Lcが、一般式(19)(ただし、hが0である)を表すことを特徴とする請求項11又は12記載の色素。
【請求項14】
酸性基の結合する原子上に電子吸引性基を有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の色素。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の色素を用いることを特徴とする光電変換素子。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の色素と他の色素を組み合わせて用いることを特徴とする光電変換素子。
【請求項17】
前記他の色素が下記一般式(2−b)で表されることを特徴とする請求項16記載の光電変換素子。
Mz(LLm1(LLm2(X)m3・CI 一般式(2−b)
[ 一般式(2−b)において、Mzは金属原子を表し、LLは下記一般式(3−b)で表される2座又は3座の配位子であり、LLは下記一般式(4−b)で表される2座又は3座の配位子である。
Xはアシルオキシ基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アシル基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基及びアリールオキシ基からなる群から選ばれた基で配位する1座又は2座の配位子、あるいはハロゲン原子、カルボニル、ジアルキルケトン、1,3−ジケトン、カルボンアミド、チオカルボンアミド又はチオ尿素からなる1座又は2座の配位子を表す。
m1は0〜3の整数を表し、m1が2以上のとき、LLは同じでも異なっていてもよい。m2は0〜3の整数を表し、m2が2のとき、LLは同じでも異なっていてもよい。ただし、m1とm2のうち少なくとも一方は1以上の整数である。
m3は0〜3の整数を表し、m3が2のとき、Xは同じでも異なっていてもよく、X同士が連結していてもよい。
CIは一般式(2−b)において、電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。]
【化14】

[一般式(3−b)において、R及びRはそれぞれ独立に、カルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、ヒドロキサム酸基、ホスホリル基又はホスホニル基を表す。R及びRはそれぞれ独立に置換基を表し、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基、1つ以上のアリール基及び/又は1つ以上のヘテロ環基を表す。L及びLはそれぞれ独立にアリーレン、ヘテロアリーレン、エテニレン基及び/又はエチニレン基からなる共役鎖を表す。a1及びa2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、a1が2以上のときRは同じでも異なっていてもよく、aが2以上のときRは同じでも異なっていてもよく、b1及びb2はそれぞれ独立に0〜3の整数を表す。b1が2以上のときRは同じでも異なっていてもよく、Rは互いに連結して環を形成してもよく、b2が2以上のときRは同じでも異なっていてもよく、Rは互いに連結して環を形成してもよい。b1及びb2が共に1以上のとき、RとRが連結して環を形成してもよい。n1及びn2はそれぞれ独立に0〜5の整数を表し、n3は0又は1を表す。]
【化15】

[一般式(4−b)において、Za、Zb及びZcはそれぞれ独立に、5又は6員環を形成しうる非金属原子群を表す。cは0又は1を表す。]
【請求項18】
請求項15〜17のいずれか1項記載の光電変換素子を備えることを特徴とする光電気化学電池。

【図1】
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【公開番号】特開2012−51952(P2012−51952A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185228(P2010−185228)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】