説明

色素増感型太陽電池用電極基板、色素増感型太陽電池用光電極および対向電極、ならびに色素増感型太陽電池

【課題】 透明板の片面に透明導電膜が積層されている色素増感型太陽電池用電極基板として、透明導電膜の抵抗値を効果的に低減することができる上、電解質に対する耐食性および耐久性に優れているものを、安価で提供する。
【解決手段】 本発明の色素増感型太陽電池用電極基板21は、透明板21Aの片面および透明導電膜21Bの表面のうち少なくともいずれか一方に、Alを所定パターンに真空蒸着してなる集電回路21Cが設けられ、集電回路21Cの表面が酸化被膜21Dで覆われている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色素増感型太陽電池に関し、より詳細には、該太陽電池の光電極や対向電極に用いられる電極基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クリーンで非枯渇性の太陽エネルギーを利用する太陽電池の本格的な実用化に向けて、研究開発が盛んに行われている。
【0003】
太陽電池は、使用する半導体材料によって、シリコン系、化合物半導体系、有機半導体系、色素増感型(金属酸化物半導体系)などに分類される。これらのうち最も実用化が進んでいるのはシリコン系太陽電池であるが、価格が高いという問題があり、未だ広く普及するには至っていない。
【0004】
色素増感型太陽電池は、1991年にローザンヌ工科大学(スイス)のGraetzel教授らによって発表されたいわゆる「グレッツェル・セル」の開発を契機に、世界的に脚光を浴びるようになった(特許文献1参照)。このグレッツェル・セルは、ナノポーラスなチタニア半導体膜にルテニウム金属錯体色素を固定した光電極と、白金層を有する対向電極との間に、電解液を封止してなるものであって、大がかりな製造設備を必要とせず、高い光電変換効率を確保しつつコストの大幅な低減化を実現できる可能性があることから、多数の研究機関や企業が研究開発に取り組んでいる。
【0005】
色素増感型太陽電池において、光電極を構成するチタニア(TiO)などの金属酸化物半導体膜は、ガラス板等の透明板上にFTO(フッ素ドープ酸化スズ)やITO(インジウムドープ酸化スズ)等よりなる透明導電膜を積層してなる電極基板の上に形成される。ところが、FTOやITOは電気抵抗値が大きいため、単位面積当たりの出力電流密度が低い。よって、電極基板の抵抗を小さくすることができれば、光電変換効率が向上し、セルの大型化にもつながる。
【0006】
電極基板の抵抗を低減する手段としては、透明導電膜の表面に銀ペーストや銅テープによって集電回路を形成する方法が知られている。しかしながら、これらの方法は、材料コストが高くつく上、集電回路を形成する工程が複雑であるため、製造コストのアップにつながるという問題がある。
【0007】
また、上記以外の手段として、ITO等の透明導電膜の表面にフォトマスクを施しておいてから、Au、Al、Cr等の導電性金属材料をスパッタすることにより集電用電極(集電回路)を形成した後、フォトマスクを溶解除去する方法が開示されている(特許文献2参照)。
上記の方法にあっても、集電回路を形成する工程が複雑であり、それによって製造コストの増大を招くおそれがある。
また、上記の透明導電膜の表面に形成された集電回路は、ナノポーラスなチタニア半導体膜を通して、電解質に晒されることになるが、電解質にはヨウ素溶液等が用いられるため、集電回路を構成するAuやAl等の金属が腐食して、集電機能が損なわれ、そのままでは実用に供することができないという問題があった。
【特許文献1】特開平1−220380号公報
【特許文献2】特開2005−11609号公報
【発明の開示】
【0008】
本発明の目的は、透明板の片面に透明導電膜が積層されている色素増感型太陽電池用電極基板として、透明導電膜の抵抗値を効果的に低減することができる上、電解質に対する耐食性および耐久性に優れているものを、より低価格で提供することにある。
【0009】
本発明による第1の色素増感型太陽電池用電極基板は、透明板の片面および透明導電膜の表面のうち少なくともいずれか一方に、Alを所定パターンに真空蒸着してなる集電回路が設けられ、集電回路の表面が酸化被膜で覆われていることを特徴とするものである。
上記第1の電極基板にあっては、透明板の片面および/または透明導電膜の表面に、Alを所定パターンに真空蒸着しかつその表面を酸化被膜で覆うことによって集電回路が形成されているので、それによって透明導電膜の抵抗値が効果的に低減されるにもかかわわず、従来技術と比べて材料費が安く製造工程も単純であるから、製造コストを下げることが可能となる。しかも、第1の電極基板の場合、集電回路を構成するAl蒸着膜が酸化被膜で覆われているため、電解質に対する耐腐食性に優れており、耐久性も向上する。
【0010】
また、本発明による第2の色素増感型太陽電池用電極基板は、透明板の片面および透明導電膜の表面のうち少なくともいずれか一方に、Alを所定パターンに真空蒸着してなる集電回路が設けられ、集電回路の表面が、Ti、Ni、Nb、Ta、W、SUSおよびITOのうちいずれか1つの膜で覆われていることを特徴とするものである。
上記第2の電極基板にあっても、透明板の片面および/または透明導電膜の表面に設けられた集電回路によって、透明導電膜の抵抗値が効果的に低減される上、製造コストも下げられる。また、第2の電極基板の場合、集電回路を構成するAl蒸着膜が、Ti、Ni、Nb、Ta、W、SUSおよびITOのうちいずれか1つの膜で覆われているため、電解質に対する耐腐食性に優れており、耐久性も向上する。
【0011】
次に、本発明による第3の色素増感型太陽電池用電極基板は、透明板の片面および透明導電膜の表面のうち少なくともいずれか一方に、Nb、Ta、W、Ti、Ni、SUSのうちいずれか1つを所定パターンに真空蒸着してなる集電回路が設けられていることを特徴とするものである。
上記第3の電極基板にあっては、透明板の片面および/または透明導電膜の表面に、耐腐食性に優れたNb、Ta、W、Ti、Ni、SUSのうちいずれか1つを所定パターンに真空蒸着することによって集電回路が形成されているので、同回路によって透明導電膜の抵抗値が効果的に低減されるにもかかわわず、従来技術と比べて材料費が安く製造工程も単純であるから、製造コストを下げることが可能となり、しかも、電解質に対する耐腐食性および耐久性も向上するから、十分に実用に供することが可能である。
【0012】
本発明による第1〜第3の色素増感型太陽電池用電極基板において、集電回路の厚さが1〜30μmであるのが好ましい。
集電回路の厚さが1μmを下回ると、十分な面抵抗の低減という本来の目的が薄れてしまう。一方、集電回路の厚さが10μmを超えると、TiO等の金属酸化物半導体膜で被覆することができず、対向電極とショートし易くなってしまう。集電回路の厚さは、より好ましくは、5〜10μmとなされる。
【0013】
本発明による第1〜第3の色素増感型太陽電池用電極基板において、集電回路の幅が0.01〜5mmであるのが好ましい。
集電回路の幅が0.01mmを下回ると、面抵抗低減効果が小さくなる。一方、集電回路の厚さが5mmを超えると、遮光比率が高くなり、光電変換効率を損なうおそれがある。なお、集電回路の幅は、装置上の制約により、通常0.05〜1mmとなされる。
【0014】
また、本発明による第1〜第3の色素増感型太陽電池用電極基板において、集電回路のパターンが、平行線型、平行線どうしの間に横線が非連続状に配されたあみだくじ型、および渦巻き線型のうちいずれか1つである場合がある。
上記各パターンの場合、金属マスクを用いて、1回のAl真空蒸着工程により集電回路を形成することが可能であるので、その分だけコストを抑えることができる。
【0015】
次に、本発明による色素増感型太陽電池用光電極は、上述した本発明による第1〜第3のうちいずれか1つの電極基板と、該電極基板における透明導電膜の表面に積層された金属酸化物半導体膜と、金属酸化物半導体膜に保持された増感色素とを備えてなるものである。
上記の光電極によれば、電極基板に設けられた集電回路によって、透明導電膜の抵抗値が効果的に低減され、製造コストを抑えることができる上、電解質に対する耐腐食性および耐久性にも優れている。
【0016】
本発明による色素増感型太陽電池用対向電極は、上述した本発明による第1〜第3のうちいずれか1つの電極基板を備えてなるものである。
上記の対向電極によれば、電極基板に設けられた集電回路によって、透明導電膜の抵抗値が効果的に低減され、製造コストを抑えることができる上、電解質に対する耐腐食性および耐久性にも優れている。
【0017】
また、本発明には、上述した本発明による光電極と、対向電極と、両電極間に介在された電解質層とを備えてなる色素増感型太陽電池が含まれる。対向電極は、好ましくは、上述した本発明による対向電極によって構成される。
上記の太陽電池によれば、透明導電膜の抵抗値が集電回路によって低減されているため、光電変換効率が向上し、セルの大型化も可能となる。また、上記の太陽電池によれば、電解質層に対する集電回路の耐腐食性が向上しているため、耐久性および安定性も向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施形態を、図1〜図6を参照して説明する。なお、以下の説明において、「上下」は図1〜図3の上下をいうものとし、光は上方から当てられるものとする。
【0019】
図1は、本発明による色素増感型太陽電池の実施形態を示す部分断面図である。図示の太陽電池(1)は、光電極(2)と、光電極(2)の下方に所定間隔をおいて配置された対向電極(3)と、両電極(2)(3)間に介在された電解質層(4)とを備えてなる。
【0020】
光電極(2)は、透明板(21A)の下面に透明導電膜(21B)が積層されてなる電極基板(21)と、透明導電膜(21B)の下面(表面)に積層された金属酸化物半導体膜(22)と、金属酸化物半導体膜(22)に保持された増感色素(23)とを備えている。電極基板(21)における透明導電膜(21B)の下面には、Alを所定パターンに真空蒸着してなる集電回路(21C)が設けられている。
【0021】
対向電極(3)は、透明板(31A)の下面に透明導電膜(31B)が積層されてなる電極基板(31)と、透明導電膜(31B)の上面(表面)に積層された還元膜(32)とを備えている。
【0022】
透明板(21A)(31A)としては、通常、ガラス板が用いられるが、PETフィルム等の透明プラスチックフィルムを用いてもよい。
【0023】
透明導電膜(21B)(31B)の材料としては、ITO、FTO等が挙げられる。
【0024】
金属酸化物半導体膜(22)は、チタニア(TiO)の他、ZnO、SnO、ZrOやこれらの酸化物間の複合系などによって形成される。これら金属酸化物半導体の成膜手段としては、例えば、スピンコート法、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、スキージ法などの湿式プロセスによって塗布した後、450℃程度で焼結する方法や、スパッタリング法、CVD法、蒸着法等の乾式プロセスによるものなどが挙げられる。
【0025】
増感色素(23)としては、通常、ルテニウム系色素が用いられ、ナノサイズのチタニア等よりなる金属酸化物半導体膜(22)の空孔に担持される。
【0026】
対向電極(3)の還元膜(32)は、通常、白金(Pt)を蒸着させることによって形成されるが、白金に代えてカーボン、ロジウム、ルテニウム等を用いてもよい。なお、対向電極(3)の還元膜(32)は、例えば太陽電池(1)全体を透明に形成するような場合には、形成しないこともある。
【0027】
電解質層(4)は、光電極(2)と対向電極(3)との間に設けられたスペースに、ヨウ素溶液等よりなる電解質を封止することによって形成されている。
【0028】
図示は省略したが、両電極(2)(3)は、これらの間に電解質を介在させた状態で、周縁部同士がシール剤等によって接合されることにより一体化されている。そして、両電極(2)(3)における透明導電膜(21B)(31B)の一端に、リード線が接続される。
【0029】
図2は、図1の太陽電池(1)における光電極(2)の電極基板(21)を拡大して示す部分断面図である。同図に示すように、透明導電膜(21B)上に形成された集電回路(21C)の表面は、酸化被膜(21D)によって覆われている。酸化被膜(21D)は、Al蒸着膜(21C)の表面を、熱処理することによって、または電気的もしくは化学的に酸化させることによって形成される。熱処理の場合、通常、大気中、300〜600℃で、0.2〜12時間実施するのが好ましい。電気的方法としては、アルマイト処理や陽極酸化処理が挙げられる。化学的方法としては、加水分解による水和酸化物の形成といったものが挙げられる。これらの方法のうち、特に熱処理は、特別な設備を必要とせず、製造コストを抑えられる点で有利である。集電回路(21C)の厚さは、1〜30μmとなされている。
【0030】
また、酸化被膜(21D)に代え、Ti、Ni、Nb、Ta、W、SUSおよびITOのうちいずれか1つの膜によって、集電回路(21C)の表面を被覆するようにしてもよい。これらの膜は、集電回路(21C)を構成するAl蒸着膜の表面に、Ti、Ni、Nb、Ta、W、SUSまたはITOを真空蒸着させることによって形成されるが、ITOの場合は、更に焼結処理が必要となる。
【0031】
図3は、電極基板(21)の他の実施形態を示す部分断面図である。この電極基板(21)では、透明板(21A)の下面に、Alを所定パターンに真空蒸着してなる集電回路(21C)が設けられ、集電回路(21C)の表面が酸化被膜(21D)で覆われている。この実施形態の場合、有利には、透明導電膜(21B)がITO膜によって形成される。ITO膜を形成する際の焼結処理と同時に集電回路(21C)の表面に酸化被膜(211)が形成されるため、工数を減らすことが可能だからである。
【0032】
なお、図示を省略したが、透明板(21A)の下面と透明導電膜(21B)の下面の双方に、集電回路(21C)を形成するようにしてもよい。
また、対向電極(3)の電極基板(31)に、上述した光電極(2)の電極基板(21)の集電回路(21C)と同様の集電回路を形成するようにしてもよい。この場合、集電回路は、電極基板(31)における透明板(31A)の上面および透明導電膜(31B)の上面(表面)のうち少なくともいずれか一方に形成される。
【0033】
図4は、電極基板(21)に形成される集電回路(21C)のパターンを示す底面図である。図4の集電回路(21C)は、6本の縦線(211)が平行に並んだ平行線型のパターンを有しており、透明導電膜(21B)のほぼ全面に広がっている。各縦線(211)の幅は、0.01〜5mmである。
【0034】
図5は、集電回路(21C)の別のパターンを示す電極基板(21)の底面図である。図5において、集電回路(21C)は、平行な6本の縦線(211)どうしの間に横線(212)が非連続状に配された「あみだくじ」型のパターンを有している。
【0035】
図6は、集電回路(21C)の更に別のパターンを示す電極基板(21)の底面図である。図6の集電回路(21C)は、透明導電膜(21B)の外周部から中心部に向かって渦巻を描くように折れ線(213)が連続した渦巻き線型のパターンを有している。
【0036】
図4〜図6に示すようなパターンを有する集電回路(21C)を透明導電膜(21B)の表面に形成する場合、例えば、蒸着室内において、形成すべき集電回路(21C)のパターンに応じた金属マスクを透明導電膜(21B)の下面に重ねておいてから、金属マスクで覆われていない透明導電膜(21B)の下面部分にAlを真空蒸着させ、その後、金属マスクを取り外せばよい。なお、集電回路(21C)のパターンは、図4〜図6に示すものには限定されず、例えば、工程数は多くなるが格子状等としてもよい。
【実施例】
【0037】
(実施例1)
膜厚約2400ÅのITO膜付きガラス板(三容真空工業製、80mm×90mm)を用意し、同ガラス板のITO膜表面に、Alを真空蒸着させた後、Al蒸着膜表面を酸化処理して、平行線型のパターン(図4参照)を有する集電回路を形成することにより、電極基板を作製した。なお、集電回路は、幅0.2mm、ピッチ10mmとした。また、Al蒸着膜の酸化処理は、大気中、300℃で3時間加熱することにより実施した。
(実施例2)
集電回路のピッチを5mmとした点を除いて、実施例1と同じ要領で、電極基板を作製した。
(実施例3)
集電回路のパターンを、幅0.2mm、ピッチ10mmのあみだくじ型(図5参照)とした点を除いて、実施例1と同じ要領で、電極基板を作製した。
(実施例4)
集電回路のパターンを、幅0.2mm、ピッチ10mmの渦巻き線型(図6参照)とした点を除いて、実施例1と同じ要領で、電極基板を作製した。
(比較例1)
実施例1で使用したのと同じITO膜付きガラス板であって、ITO膜表面にAl蒸着膜(集電回路)を形成していないものを、電極基板とした。
【0038】
上記実施例1〜4および比較例1の電極基板それぞれについて、テスターにより対角100mmL間の表面抵抗を測定した。結果は、以下の表1に示す通りである。
【0039】
【表1】

【0040】
表1から明らかなように、表面酸化処理されたAl蒸着膜よりなる集電回路を有する実施例1〜4では、このような集電回路を有しない比較例1と比べて、表面抵抗が約38〜47%減少した。
【0041】
(実施例5)
膜厚9500ÅのFTO膜付きガラス板(旭硝子製、80mm×80mm)を用意し、同ガラス板のFTO膜表面に、Alを真空蒸着させた後、Al蒸着膜表面を酸化処理して、平行線型のパターン(図4参照)を有する集電回路を形成することにより、電極基板を作製した。なお、集電回路は、幅0.2mm、ピッチ10mmとした。また、Al蒸着膜の酸化処理は、大気中、300℃で3時間加熱することにより実施した。
(実施例6)
集電回路のピッチを5mmとした点を除いて、実施例5と同じ要領で、電極基板を作製した。
(実施例7)
集電回路のパターンを、幅0.2mm、ピッチ10mmのあみだくじ型(図5参照)とした点を除いて、実施例5と同じ要領で、電極基板を作製した。
(実施例8)
集電回路のパターンを、幅0.2mm、ピッチ10mmの渦巻き線型(図6参照)とした点を除いて、実施例5と同じ要領で、電極基板を作製した。
(比較例2)
実施例5で使用したのと同じFTO膜付きガラス板であって、FTO膜表面にAl蒸着膜(集電回路)を形成していないものを、電極基板とした。
【0042】
上記実施例5〜8および比較例2の電極基板それぞれについて、テスターにより対角100mmL間の表面抵抗を測定した。結果は、以下の表2に示す通りである。
【0043】
【表2】

【0044】
表2から明らかなように、表面酸化処理されたAl蒸着膜よりなる集電回路を有する実施例5〜8では、このような集電回路を有しない比較例2と比べて、表面抵抗が約32〜42%減少した。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態を示すものであって、色素増感型太陽電池の部分断面図である。
【図2】図1の太陽電池における光電極の電極基板を拡大して示す部分断面図である。
【図3】電極基板の他の実施形態を示す部分断面図である。
【図4】集電回路のパターンを示す電極基板の底面図である。
【図5】集電回路の他のパターンを示す電極基板の底面図である。
【図6】集電回路のさらに別のパターンを示す電極基板の底面図である。
【符号の説明】
【0046】
(1):色素増感型太陽電池
(2):光電極
(21):電極基板
(21A):透明板
(21B):透明導電膜
(21C):集電回路
(21D):酸化被膜
(22):金属酸化物半導体層
(23):増感色素
(3):対向電極
(31):電極基板
(31A):透明板
(31B):透明導電膜
(32):還元層
(4):電解質層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明板の片面に透明導電膜が積層されている色素増感型太陽電池用電極基板において、前記透明板の片面および前記透明導電膜の表面のうち少なくともいずれか一方に、Alを所定パターンに真空蒸着してなる集電回路が設けられ、前記集電回路の表面が、酸化被膜で覆われていることを特徴とする、色素増感型太陽電池用電極基板。
【請求項2】
透明板の片面に透明導電膜が積層されている色素増感型太陽電池用電極基板において、前記透明板の片面および前記透明導電膜の表面のうち少なくともいずれか一方に、Alを所定パターンに真空蒸着してなる集電回路が設けられ、前記集電回路の表面が、Ti、Ni、Nb、Ta、W、SUSおよびITOのうちいずれか1つの膜で覆われていることを特徴とする、色素増感型太陽電池用電極基板。
【請求項3】
透明板の片面に透明導電膜が積層されている色素増感型太陽電池用電極基板において、前記透明板の片面および前記透明導電膜の表面のうち少なくともいずれか一方に、Nb、Ta、W、Ti、Ni、SUSのうちいずれか1つを所定パターンに真空蒸着してなる集電回路が設けられていることを特徴とする、色素増感型太陽電池用電極基板。
【請求項4】
前記集電回路の厚さが1〜30μmである、請求項1〜3のいずれか1つに記載の色素増感型太陽電池用電極基板。
【請求項5】
前記集電回路の幅が0.01〜5mmである、請求項1〜4のいずれか1つに記載の色素増感型太陽電池用電極基板。
【請求項6】
前記集電回路のパターンが、平行線型、平行な複数の縦線どうしの間に横線が非連続状に配されたあみだくじ型、および渦巻き線型のうちいずれか1つである、請求項1〜5のいずれか1つに記載の色素増感型太陽電池用電極基板。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の電極基板と、該電極基板における透明導電膜の表面に積層された金属酸化物半導体膜と、金属酸化物半導体膜に保持された増感色素とを備えてなる、色素増感型太陽電池用光電極。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の電極基板を備えてなる、色素増感型太陽電池用対向電極。
【請求項9】
請求項7記載の光電極と、対向電極と、両電極間に介在された電解質層とを備えてなる、色素増感型太陽電池。
【請求項10】
対向電極が、請求項8記載の対向電極よりなる、請求項9記載の色素増感型太陽電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−286434(P2006−286434A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−105785(P2005−105785)
【出願日】平成17年4月1日(2005.4.1)
【出願人】(591194399)関西パイプ工業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】