説明

艶付与化粧料

【課題】艶を付与する効果に優れ、且つ透明粘性油剤を開発し、それを含有する事で皮膚や毛髪に対して、マイルドな洗浄成分で容易に洗い落とせる艶付与化粧料(口紅、リップグロス等の口唇化粧料や、マスカラ、アイシャドー等のアイメーク化粧料、ヘアワックスやヘアセットジェル等の毛髪化粧料)を提供する。
【解決手段】グリセリン及び/又は水酸基価から算出した平均重合度nが2〜10のポリグリセリンである成分(1)、
水添ロジンである成分(2)、及び20℃で液状の炭素数8〜22の脂肪酸、一種または二種以上である成分(3)について、
上記成分(2)と成分(3)のモル比が1.0:0.8〜2.0であり、且つ、
成分(1)の1.0モルに対して、成分(2)と成分(3)の合計モル数が、(n+2)×0.65〜0.90モルでエステル化反応した透明粘性油剤を1〜70重量%を含有する艶付与化粧料を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、艶付与化粧料に関するものである。更に詳しくは、光沢度の高い透明粘性油剤を配合した艶付与化粧料(口紅、リップグロス等の口唇化粧料や、マスカラ、アイシャドー等のアイメーク化粧料、ヘアワックスやヘアセットジェル等の毛髪化粧料)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、口紅やリップグロス等の口唇化粧料や、マスカラ、アイシャドー等のアイメーク化粧料、ヘアワックスやヘアセットジェル等の毛髪化粧料等、これら艶付与化粧料には艶を付与する目的で、水添ポリイソブテンや高重合度のシリコーン油等の鉱物由来の透明粘性油剤が使用されている。これらの油剤は光沢度が良好で、また、皮膚等への塗布時に艶を良好に見せる為、一定の厚みを出すべく、粘性の高い油剤が主に使用されている。
【0003】
これら油剤は、皮膚や毛髪への密着性に優れ、艶を付与する点では良好であるが、洗顔や洗髪時に洗い落としにくい欠点を有する油剤であり、その皮膚や毛髪への残留性が高く、皮膚や頭皮への負担が懸念される油剤であった。また、それを洗い落とすべく洗浄性の高いクレンジング化粧料やシャンプーを使用した場合は、その高い洗浄性による皮膚刺激が懸念される等、これら透明粘性油剤を配合した艶付与化粧料については、この様な問題があった。更には、水添ポリイソブテンや、高重合度のシリコーン油等は、鉱物由来であり植物由来原料を望む化粧品分野においては、敬遠したい原料であるが、代替出来る原料が殆ど開発されていないのが現状であった。
【0004】
特許文献1に、艶を付与する目的で特定のエステル油剤を含有する皮膚外用剤が報告されている。このものは、艶を付与する効果に優れているが、水添ポリイソブテンを配合した艶付与化粧料と同様、洗顔や洗髪時において、洗い落としにくい欠点を有する皮膚外用剤であった。
【0005】
以上の事から、艶付与化粧料(口紅、リップグロス等の口唇化粧料や、マスカラ、アイシャドー等のアイメーク化粧料、ヘアワックスやヘアセットジェル等の毛髪化粧料)において、洗顔や洗髪時において、容易に洗い落とせる透明粘性油剤を開発し、それを含有する艶付与化粧料の開発が求められていた。
【0006】
【特許文献1】特公平7−98730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、上記問題点を解決した艶付与化粧料を提供する事である。即ち、艶を付与する効果に優れ、且つ脂肪酸石鹸等の、皮膚に対してマイルドな洗浄成分より成る洗顔料や、脱脂力が緩やかなマイルドなシャンプー等においても容易に洗い落とせる透明粘性油剤を開発し、それを含有する事で、脂肪酸石鹸等の皮膚に対して、マイルドな洗浄成分より成る洗顔料や、脱脂力が緩やかなマイルドなシャンプー等においても容易に洗い落とせる艶付与化粧料(口紅、リップグロス等の口唇化粧料や、マスカラ、アイシャドー等のアイメーク化粧料、ヘアワックスやヘアセットジェル等の毛髪化粧料)を提供する事である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、グリセリン及び/又は特定のポリグリセリンと水添ロジン及び20℃で液状の脂肪酸を、特定の条件下でエステル化反応し得られる透明粘性油剤が、1.5を超える高屈折率を有し、光沢性が良好な特性を有すると共に、皮膚への密着性に優れ、塗布時において一定の厚みを出すべく、適度な粘性(25℃での粘度が3万mPa・S程度)であり、更には、油剤中に水を取り込む所謂、抱水性が優れる為、水との親和性が良好である事から、脂肪酸石鹸等の、皮膚に対してマイルドな洗浄成分により成る洗顔料や、脱脂力が緩やかなマイルドなシャンプー等において容易に洗い落とせる油剤である事を見出し、その透明粘性油剤を含有する艶付与化粧料が、上記課題を解決し得る事を見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、
グリセリン及び/又は水酸基価から算出した平均重合度nが2〜10のポリグリセリンである成分(1)、
水添ロジンである成分(2)、及び20℃で液状の炭素数8〜22の脂肪酸、一種または二種以上である成分(3)について、
上記成分(2)と成分(3)のモル比が1.0:0.8〜2.0であり、且つ
成分(1)の1.0モルに対して、成分(2)と成分(3)の合計モル数が、(n+2)×0.65〜0.90モルでエステル化反応した透明粘性油剤を1〜70重量%を含有する艶付与化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の艶付与化粧料は、1.5を超える高屈折率を有し、光沢性が良好であり、皮膚への密着性に優れ、塗布時において一定の厚みを出すべく、適度な粘性(25℃での粘度が3万mPa・S程度)であり、更には、抱水性が優れ、マイルドな洗浄成分により成る洗浄料においても、容易に洗い落とせる油剤を含有する為、皮膚や頭皮への負担の無い、艶付与化粧料を得る事が出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
【0012】
成分(1)であるグリセリン及び/又は水酸基価から算出した平均重合度が2〜10のポリグリセリンについては、特に限定はなく、通常化粧品原料に用いられるグリセリンを用いる事が出来る。また、ポリグリセリンについては、グリセリンを原料とし、脱水縮合反応し得たポリグリセリン、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ノナグリセリン、デカグリセリンが挙げられ、これらの一種又は二種以上が用いられる。平均重合度が10を超えるとエステル化反応が困難となり、得られるエステル化反応生成物(油剤)の外観が褐色を帯びたり、異臭が発生し、それを配合した化粧料の外観や臭気が悪くなる為、好ましくない。
【0013】
ここで言うポリグリセリンの平均重合度とは、水酸基価から算出したものであり、以下の(i)式により算出する。また、(i)式中の水酸基価は「基準油脂物性試験法」(日本油化学協会制定)に準拠し測定する。具体的には、試料1gを無水酢酸・ピリジン溶液によりアセチル化する時、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウム(KOH)のmg数で表され、以下の(ii)式で求められる。
【0014】
平均重合度=(112.2×103−18×水酸基価)/
(74×水酸基価−56.1×103) (i)
水酸基価=(a−b)×28.05/試料の採取量(g) (ii)
a:空試験による0.5N水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:本試験による0.5N水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
【0015】
成分(2)である水添ロジンとしては、特に限定はなく、市販されている水添ロジンを用いる。不均化ロジンを用いると、外観が褐色を帯び、それを配合した化粧料の外観が悪くなる為、好ましくない。
【0016】
成分(3)である20℃で液状の炭素数8〜22の脂肪酸としては、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸等の分枝脂肪酸や、オレイン酸、エルカ酸等の不飽和脂肪酸、リシノレイン酸等の水酸基を有するヒドロキシ脂肪酸等が挙げられ、これらの一種または二種以上が用いられる。
【0017】
上記以外の脂肪酸を用いた場合、即ち20℃で固体状を呈する脂肪酸を用いた場合には、得られるエステル化反応生成物(油剤)は固形状となり、それを配合した化粧料の低温安定性において、そのエステル化反応生成物が結晶化する等の問題が発生し好ましくない。また、その外観も透明には成らず、透明な外観が求められる化粧料には不向きである。更には、ハンドリング性が悪くなり、化粧料を製造するにおいて好ましくないものとなる。
【0018】
上記、成分(2)と成分(3)のモル比は1.0:0.8〜2.0、好ましくは1.0〜1.8である。その範囲外の場合、例えば成分(3)のモル比が、0.8未満の場合(反応する水添ロジンの量が増量)は、得られるエステル化反応生成物(油剤)は、油剤との相溶性が悪くなり、化粧料の原料としては好ましくない。また、逆に成分(3)のモル比が、2.0を超える場合(反応する水添ロジンの量が減量)は、得られるエステル化反応生成物(油剤)の屈折率が1.5未満となり、本発明の目的である1.5を超える高屈折率のエステル化反応生成物(油剤)を得る事が出来ず、本発明の目的を達成する事が出来ない。
【0019】
上記の条件を満たし、且つ成分(1)の1.0モルに対して、成分(2)と成分(3)の合計モル数が、(n+2)×0.65〜0.90モル、好ましくは0.70〜0.80である。その範囲外の場合、例えば、(n+2)×0.65モル未満の場合は、得られるエステル化反応生成物(油剤)の屈折率が1.5未満となり、本発明の目的である1.5を超える高屈折率のエステル化反応生成物(油剤)を得る事が出来ず、本発明の目的を達成する事が出来ない、また、逆に(n+2)×0.90モルを超えると、抱水性が悪くなり、それを配合する化粧料は、本発明の目的である、マイルドな洗浄成分により成る洗浄料において、容易に洗い落とせる事が出来なくなる為、好ましくない。
【0020】
本発明に使用する透明粘性油剤を得るエステル化反応は、酸価1.0以下までエステル化反応を行うのが良い。酸価1.0を超えたところで反応を終了すると、得られるエステル中に未反応の水添ロジンや脂肪酸が多く残り過ぎ、皮膚等の安全性面が懸念されるものとなる。また、エステル化反応生成物(油剤)の臭気も悪くなる。
【0021】
ここで言う酸価とは、試料(ポリグリセリン脂肪酸エステル)1g中に含まれている遊離脂肪酸(未反応脂肪酸)を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数であり、「基準油脂物性試験法」(日本油化学協会制定)に準拠し測定する。以下の式により算出する。
酸価=(5.611×A×F)/B
A:0.1モル/L水酸化カリウム標準液使用量(ml)
F:0.1モル/L水酸化カリウム標準液のファクター
B:試料採取量(g)
【0022】
本発明の艶付与化粧料に含有する透明粘性油剤は、上記の各成分を、上記条件を満たす様に仕込み、水酸化ナトリウム等のアルカリ触媒を加えた後、常圧もしくは減圧下において、常法に従ってエステル化反応を行う方法で製造することが出来る。
【0023】
本発明の艶付与化粧料である、口紅、リップグロス等の口唇化粧料や、マスカラ、アイシャドー等のアイメーク化粧料、ヘアワックスやヘアセットジェル等の毛髪化粧料は、上記透明粘性油剤と他の化粧品用油剤等を混合し加熱溶解させ、通常の乳化や攪拌混合することにより調製される。
【0024】
また、本発明の艶付与化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲で通常化粧品に配合される成分を配合する事ができる。
【0025】
例えば、流動パラフィン、流動イソパラフィン、ワセリン、スクワラン、パラフィン、プリスタン、α−オレフィンオリゴマー、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレン等の炭化水素類、アボガド油、アマニン油、アルモンド油、オリブ油、カカオ脂、カロット油、キューカンバー油、ククイナッツ油、グレープシード油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シア脂、ダイズ油、茶油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、ハトムギ油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ヘーゼルナッツ油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、綿実油、モクロウ、ヤシ油、ラッカセイ油、ローズヒップ油、ツバキ油、サザンカ油、ナタネ油、ハトムギ油、ホホバ油、水添ホホバ油、ヤシ硬化油、チョウジ油、ラベンダー油、ローズマリー油、テレビン油、ユーカリ油等の植物油脂類、オレンジラフィー油、牛脂、馬油、タートル油、ミンク油、卵黄油、ラノリン等の動物油類、ミツロウ、鯨ロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、モンタンロウ、ライスワックス、ラノリンワックス、セラック、固形パラフィン、セレシン、オゾケライト、エチレン・プロピレンコポリマー、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のワックス類、イボタロウ、モクロウ等のロウ類、アラキドン酸、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、エルカ酸、オレイン酸、ステアリン酸、セバシン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸、カプリン酸、カプリル酸、ヒドロキシステアリン酸、サフラワー油脂肪酸、コメヌカ脂肪酸、トール油脂肪酸、ヤシ脂肪酸等の脂肪酸類、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、オクチルアルコール、デシルアルコール、アラキルアルコール、ヘキシルデカノール、キミルアルコール、β−グルカン、コレステロール、シトステロール、ジヒドロコレステロール、ステアリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール、フィトステロール、ヘキシルデカノール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、ラノリンアルコール、ミリスチルアルコール等の高級アルコール類、アボカド油脂肪酸エチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジヘプチルウンデシル、酢酸ラノリン、安息香酸アルキル、イソステアリルグリセリル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸バチル、イソステアリン酸フィトステリル、オクタン酸アルキル、エチレングリコール脂肪酸エステル、エルカ酸オクチルドデシル、オクタン酸ペンタエリスリット、オクタン酸セチル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸セテアリル、オクタン酸ステアリル、オクタン酸イソステアリル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、ジオレイン酸エチレングリコール、トリオレイン酸グリセリル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、カプリン酸セチル、カプリル酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、エチルヘキサン酸セチル、エルカ酸オクチルドデシル、エチルヘキサン酸セトステアリル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジグリセリンイソパルミチン酸エステルセバシン酸縮合物、ジステアリン酸グリコール、(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリルリチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ステアリン酸ヘキシルデシル、ステアリン酸コレステリル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸バチル、ステアリン酸ブチル、セチルイソオクタネート、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、ダイマー酸ジイソプロピル、炭酸ジアルキル、ヒドロキシ脂肪酸コレステリル、イソステアリン酸ペンタエリスリチル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、ノナイソステアリン酸デカグリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリオクタノイン、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸トリデシル、ジペラルゴン酸プロピレングリコール、ペラルゴン酸オクチル、イソペラルゴン酸オクチル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸ラウリル、乳酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソセチル、イソパルミチン酸オクチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソステアリル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸コレステリル、リノール酸トコフェロール、リシノール酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ポリプロピレングリコールオリゴエステル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、ヘプタン酸ステアリル等のエステル油類、エリスリトール、グリセリン、キシリトール、ジグリセリン、ジプロピレングリコール、ソルビット、トレハロース、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリセリン、ポリプロピレン、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリグリセリン、マルチトール、マンニトール等の多価アルコール類、ヒアルロン酸ナトリウム、アセチルヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム等のムコ多糖類、アラビアガム、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、エチルセルロース、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、カラギーナン、カラヤガム、カルボキシメチルセルローススナトリウム、カンテン、キサンタンガム、グアーガム、クインスシードガム、合成ケイ酸ナトリウム・マグネシウム、(ビニルピロリドン/VA)コポリマー、ジェランガム、シクロデキストリン、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、セルロース誘導体、タマリンドガム、デキストリン脂肪酸エステル、デンプン類、デンプンリン酸Na、トラガントガム、ヒドロキシエチルセルロース、ペクチン、ポリアクリル酸アミド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ローカストビーンガム、ロジン酸ペンタエリスリット、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸ブチル共重合体、クロトン酸・酢酸ビニル・ネオデカン酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン・スチレン共重合体、アクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アルキル、アクリル酸アミド・スチレン共重合体、アクリル酸・アクリル酸アミド・アクリル酸エチル共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン液、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、メタクリロイルエチルジメチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体等の増粘・被膜形成剤類、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーンオイル等のシリコーン油類、トリメチルシロキシケイ酸、架橋型メチルポリシロキサン等のシリコーン被膜形成剤、アミノプロピルジメチコン、アルキルメチコン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ステアロキシメチコン/ジメチコン)コポリマー、(ジメチルシロキサン/メチルセチルオキシシロキサン)コポリマー、シメチコン、ステアリルジメチコン、セチルジメチコンシリコン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジフェニルジメチコン、フェニルトリメチコン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレンアルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン等のシリコーン誘導体類、フッ素変性オルガノポリシロキサン、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、脂肪酸石鹸、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、N−アシルタウリン塩等のアニオン性界面活性剤類、酢酸ベタイン型両性活性剤、イミダゾリン型両性活性剤、アルキルアミドプロピルベタイン型両性活性剤、アルキルヒドロキシスルホベタイン型両性活性剤、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン型両性活性剤、アルキルジメチルアミンオキサイド等の両性活性剤類、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレン水素添加ステロール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、アルキルポリグリコシド、アルキルアルカノールアミド等の非イオン性界面活性剤、アルキルアンモニウム塩、アミドアミン等のカチオン性界面活性剤、水素添加大豆リン脂質、水酸化大豆リン脂質等のレシチン誘導体類、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、
魚鱗箔等の光揮性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉末、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、でんぷん、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体、アルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素、酸化チタン被覆ガラス末等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末のラメ剤、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エデト酸塩、ヒドロキシエタンジホフホン酸塩、ポリリン酸塩、グルコン酸等のキレート剤類、安息香酸塩、感光素、パラベン類、フェノキシエタノール、サリチル酸、ソルビン酸、イソプロピルメチルフェノール等の防腐剤類、アルブチン、エラグ酸、コウジ酸、アスコルビン酸塩誘導体等の美白剤、ビタミン類、紫外線吸収剤類、アミノ酸類、グリチルリチン酸誘導体類、植物エキス類、香料、精油、pH調整剤等を挙げる事が出来る。
【実施例】
【0026】
以下、実施例及び比較例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0027】
<合成実施例1>
水添ロジン538.0gと2−エチルヘキサン酸187.8g、グリセリン100.0 gを反応容器に入れ、窒素気流下において250℃、9時間の条件下で反応を行い、透明粘性油剤(エステル化反応生成物)720.0gを得た(成分(2)と成分(3)のモル比1:1.5、成分(1)に対する成分(2)と成分(3)の合計モル数は、(n+2)×0.90)。このものの酸価は0.50であり、屈折率(25℃)は1.504であった。
【0028】
<合成実施例2>
水添ロジン141.5gとオレイン酸84.6g、イソステアリン酸85.2g、デカグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度が約10のポリグリセリン)100.0gを反応容器に入れ、0.12gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において250℃、16時間の条件下で反応を行い、透明粘性油剤(エステル化反応生成物)372.0gを得た(成分(2)と成分(3)のモル比1:1.4、成分(1)に対する成分(2)と成分(3)の合計モル数は、(n+2)×0.65)。このものの酸価は0.50であり、屈折率(25℃)は1.501であった。
【0029】
<合成実施例3>
水添ロジン133.3gとイソパルミチン酸206.9g、ヘキサグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度が約6のポリグリセリン)100.0gを反応容器に入れ、窒素気流下において250℃、15時間の条件下で反応を行い、透明粘性油剤(エステル化反応生成物)397.0.0gを得た(成分(2)と成分(3)のモル比1:2.0、成分(1)に対する成分(2)と成分(3)の合計モル数は、(n+2)×0.70)。このものの酸価は0.50であり、屈折率(25℃)は1.503であった。
【0030】
<合成実施例4>
水添ロジン225.2gとイソノナン酸118.6g、テトラグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度が約4のポリグリセリン)100.0gを反応容器に入れ、窒素気流下において250℃、13時間の条件下で反応を行い、透明粘性油剤(エステル化反応生成物)401.0gを得た(成分(2)と成分(3)のモル比1:1.1、成分(1)に対する成分(2)と成分(3)の合計モル数は、(n+2)×0.75)。このものの酸価は0.50であり、屈折率(25℃)は1.503であった。
【0031】
<合成実施例5>
水添ロジン284.0gとイソステアリン酸268.8g、ジグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度が約2のポリグリセリン)100.0gを反応容器に入れ、窒素気流下において250℃、7時間の条件下で反応を行い、透明粘性油剤(エステル化反応生成物)590.0gを得た(成分(2)と成分(3)のモル比1:1.1、成分(1)に対する成分(2)と成分(3)の合計モル数は、(n+2)×0.75)。このものの酸価は0.50であり、屈折率(25℃)は1.505であった。
【0032】
<合成比較例1>
水添ロジン191.2gとイソステアリン酸164.6g、ドデカグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度が約12のポリグリセリン)100.0gを反応容器に入れ、0.13gの水酸化ナトリウムを加えた後、窒素気流下において250℃、21時間の条件下で反応を行い、エステル化反応生成物416.0gを得た(成分(2)と成分(3)のモル比1:1.0、成分(1)の代わりにドデカグリセリンを使用。ドデカグリセリンに対する成分(2)と成分(3)の合計モル数は、(n+2)×0.75)。このものの酸価は0.50であり、屈折率(25℃)は1.498であった。
【0033】
<合成比較例2>
水添ロジン298.2gとステアリン酸256.6g、ジグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度が約2のポリグリセリン)100.0gを反応容器に入れ、窒素気流下において250℃、8時間の条件下で反応を行い、エステル化反応生成物591.0gを得た(成分(3)の代わりにステアリン酸を使用。成分(2)とステアリン酸のモル比1:1.0、成分(1)に対する成分(2)とステアリン酸の合計モル数は、(n+2)×0.75)。このものの酸価は0.50であり、屈折率(25℃)は1.504であった。
【0034】
<合成比較例3>
水添ロジン227.2gとイソステアリン酸215.1g、ジグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度が約2のポリグリセリン)100.0gを反応容器に入れ、窒素気流下において250℃、5時間の条件下で反応を行い、エステル化反応生成物490.0gを得た(成分(2)と成分(3)のモル比1:1.1、成分(1)に対する成分(2)と成分(3)の合計モル数は、(n+2)×0.60)。このものの酸価は0.50であり、屈折率(25℃)は1.488であった。
【0035】
<合成比較例4>
水添ロジン597.9gとイソステアリン酸169.8g、ジグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度が約2のポリグリセリン)100.0gを反応容器に入れ、窒素気流下において250℃、17時間の条件下で反応を行い、エステル化反応生成物783.0gを得た(成分(2)と成分(3)のモル比1:0.33、成分(1)に対する成分(2)と成分(3)の合計モル数は、(n+2)×1.00)。このものの酸価は0.50であり、屈折率(25℃)は1.494であった。
【0036】
<合成比較例5>
水添ロジン152.6gとイソステアリン酸275.7g、テトラグリセリン(水酸基価から算出した平均重合度が約4のポリグリセリン)100.0gを反応容器に入れ、窒素気流下において250℃、12時間の条件下で反応を行い、エステル化反応生成物477.0gを得た(成分(2)と成分(3)のモル比1:2.1、成分(1)に対する成分(2)と成分(3)の合計モル数は、(n+2)×0.75)。このものの酸価は0.50であり、屈折率(25℃)は1.485であった。
【0037】
(実施例1〜2、比較例1〜2)
(処 方) リップグロス
(重量%)
合成実施例1の透明粘性油剤(実施例1)、又は
合成実施例2の透明粘性油剤(実施例2)、又は
合成比較例2のエステル化反応生成物(比較例1)、又は
市販の透明粘性油(水添ポリイソブテン)(比較例2) 10.00
流動パラフィン(SUS(37.8℃)350) 50.00
重質流動イソパラフィン(4000mPa・s) 30.00
ワセリン 8.50
赤色104号 1.00
黄色4号 0.50
【0038】
上記処方の全成分を80℃にて加温して均一溶解し脱泡後、容器に流し込み急冷してリップグロスを得た。そのリップグロスを50℃及び0℃の恒温槽内に1ヶ月間放置し、下記に示す評価基準で評価した。これらの結果を表1に示す。
○:外観変化なし。
×:分離、結晶物の発生等、外観変化有り。
【0039】
実施例1〜2、比較例1〜2で得たリップグロスについて、健常女性パネラー20名にその外観評価、及び唇に対し0.03gを塗布させた後の艶、脂肪酸石鹸より成る洗顔料において洗顔した後の状態について官能評価を行った。評価項目毎に、1:非常に悪い、2:悪い、3:やや悪い、4:良好、5:非常に良好、の評価基準で評価し、20名の平均点を算出した。その結果を、以下の基準に基づき表1に示す。
◎:4.5点以上
○:4.0点以上4.5点未満
△:3.0点以上4.0点未満
×:3.0点未満
【0040】
(実施例3〜4、比較例3〜4)
(処 方) マスカラ
(重量%)
A相
合成実施例3の透明粘性油剤(実施例3)、又は
合成実施例4の透明粘性油剤(実施例4)、又は
合成比較例1のエステル化反応生成物(比較例3)、又は
合成比較例3のエステル化反応生成物(比較例4) 20.00
固形パラフィン 5.00
軽質イソパラフィン 20.00
セスキオレイン酸ソルビタン 5.00
B相
酸化鉄(黒) 10.00
精製水 10.00
ポリアクリル酸エステルエマルション 30.00
【0041】
A相、B相を70〜80℃にて加熱溶解する。B相をホモミキサーで攪拌し、その攪拌下にA相を徐々に加えて乳化し、その後30℃まで冷却しマスカラを得た。そのマスカラを50℃及び0℃の恒温槽内に1ヶ月間放置し、下記に示す評価基準で評価した。これらの結果を表1に示す。
○:外観変化なし。
×:分離、結晶物の発生等、外観変化有り。
【0042】
実施例3〜4、比較例3〜4で得たマスカラについて、健常女性パネラー20名にその臭気を評価、及び睫毛に対し0.03gを塗布させた後の艶、脂肪酸石鹸より成る洗顔料において洗顔した後の状態について官能評価を行った。評価項目毎に、1:非常に悪い、2:悪い、3:やや悪い、4:良好、5:非常に良好、の評価基準で評価し、20名の平均点を算出した。その結果を、以下の基準に基づき表1に示す。
◎:4.5点以上
○:4.0点以上4.5点未満
△:3.0点以上4.0点未満
×:3.0点未満
【0043】
(実施例5、比較例5〜7)
(処 方) ヘアワックス
A相 (重量%)
合成実施例5の透明粘性油剤(実施例5)、又は
合成比較例4のエステル化反応生成物(比較例5)、又は
合成比較例5のエステル化反応生成物(比較例6)、又は
市販の透明粘性油(高重合メチルポリシロキサン)(比較例7)5.00
ホホバ油 9.50
スクワラン 20.00
自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 2.00
B相
ジグリセリン 5.00
モノミリスチン酸デカグリセリル 2.00
2%カルボキシビニルポリマー水溶液 5.00
10%水酸化カリウム水溶液 0.50
精製水 51.00
【0044】
A相及びB相を80℃にて溶解し、B相にA相を徐々に添加していき乳化した。乳化後、35℃まで冷却してヘアワックスを得た。
【0045】
実施例5、比較例5〜7で得たヘアワックスについて、健常女性パネラー20名にその臭気を評価、及び頭髪に対し2.00gを塗布させた後の艶、アミノ酸洗浄剤より成るマイルドシャンプーにおいて洗髪した後の状態について官能評価を行った。評価項目毎に、1:非常に悪い、2:悪い、3:やや悪い、4:良好、5:非常に良好、の評価基準で評価し、20名の平均点を算出した。その結果を、以下の基準に基づき表1に示す。
◎:4.5点以上
○:4.0点以上4.5点未満
△:3.0点以上4.0点未満
×:3.0点未満
【0046】
【表1】

【0047】
表1に示した通り、実施例1〜5の艶付与化粧料(リップグロス、マスカラ、ヘアワックス)は、温度安定性及び臭気や外観が良好で、艶付与効果に優れると共に、脂肪酸石鹸等の皮膚に対して、マイルドな洗浄成分より成る洗顔料や、脱脂力が緩やかなマイルドなシャンプー等においても容易に洗い落とせる艶付与化粧料であった。これに対し、比較例1〜7のエステル化反応生成物及び市販の透明粘性油を配合した化粧料は、何れかの評価項目において、不十分であった。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の艶付与化粧料は、1.5を超える高屈折率を有し、光沢性が良好であり、皮膚への密着性に優れ、塗布時において一定の厚みを出すべく、適度な粘性(25℃での粘度が3万mPa・S程度)であり、更には、抱水性が優れ、マイルドな洗浄成分により成る洗浄料においても、容易に洗い落とせる油剤を含有する為、皮膚や頭皮への負担の無い、口紅、リップグロス等の口唇化粧料や、マスカラ、アイシャドー等のアイメーク化粧料、ヘアワックスやヘアセットジェル等の毛髪化粧料に利用が可能なものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリセリン及び/又は水酸基価から算出した平均重合度nが2〜10のポリグリセリンである成分(1)、
水添ロジンである成分(2)、及び20℃で液状の炭素数8〜22の脂肪酸、一種または二種以上である成分(3)について、
上記成分(2)と成分(3)のモル比が1.0:0.8〜2.0であり、且つ、
成分(1)の1.0モルに対して、成分(2)と成分(3)の合計モル数が、(n+2)×0.65〜0.90モルでエステル化反応した透明粘性油剤を1〜70重量%を含有する艶付与化粧料。


【公開番号】特開2009−274990(P2009−274990A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−128111(P2008−128111)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(390028897)阪本薬品工業株式会社 (140)
【Fターム(参考)】