説明

芯鞘型導電性糸およびそれを用いた導電性ブラシ

【課題】 放電等の効率が良く、かつ帯電ムラ等が従来よりも発生しにくい芯鞘型導電性糸を提供する。
【解決手段】 導電性の芯部である導電部2と、非導電性の鞘部である非導電層3とを備えた導電性糸1において、上記導電部2は、導電性糸1の横断面形状において、非導電層3の内側から外側に突き出す少なくとも2つの突起部2aを備えており、隣り合う突起部2aの頂点間の距離Wは、10μm以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機およびプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に用いられるブラシ体の導電性糸に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置において、導電性ブラシは、像担持体である感光体ドラム等を帯電させるための帯電ブラシ、感光体ドラムから転写体または記録材への画像の転写後に、感光体ドラムを除電するための除電ブラシ、および、転写後に感光体上に残った残留トナーを静電気によって吸着して除去するクリーニングブラシ等として用いられる。
【0003】
上記導電性ブラシは、導電性を有する導電性糸からなるブラシ毛を備えている。上記導電性糸に電荷が注入されると、上記導電性糸から電荷を放出して(放電して)感光体ドラムを帯電させる、または、電荷を受容することで帯電した感光体ドラム等を除電する。また、上記導電性糸に電荷を放出しない程度の小さな電荷量を注入することで、導電性糸表面に静電気力を生じさせ、トナーを吸着するものである。
【0004】
導電性ブラシに用いられる導電性糸には、重要な性能として、良好な電気的特性を有することが求められる。ここで、導電性糸が良好な電気的特性を有するとは、すなわち、導電性糸からの放電、除電、静電気力の発生等(以下、放電等とする)が、効率よくかつ均一に起こることを意味する。
【0005】
放電等が均一に起こるためには、導電性糸の抵抗値(電気抵抗値)が均一であることが重要である。導電性糸の抵抗値が不均一であったり、変動したりすると、放電等が、導電性糸の外表面で不均一に起きることとなる。すると、いわゆる放電が不均一に起きる放電ムラ、除電が不均一に起きる除電ムラ、静電気力が不均一に発生する静電気力ムラ等(以下、放電ムラ等とする)が起こる。放電ムラ等が起こると、感光体が均一に帯電されない帯電ムラ、感光体が均一に除電できない除電ムラ、または、残留トナーを除去しきれないトナー除去ムラ等の不具合(以下、帯電ムラ等とする)が起こる。
【0006】
導電性糸は、一般的に、非導電性の樹脂(母材)中に導電性を有する材料(導電材)が分散された導電部を備えており、導電性糸全体としての抵抗値は、半導体領域内に含まれるようになっている。
【0007】
これまでに、導電性糸の構成がいくつか提案されている。
【0008】
その中でも、導電性糸全体に導電性材料を分散したもの、すなわち、導電部自体が導電性糸となっているもの、および、導電性糸の表面(外周)が導電部となっているものを、以下、導電部露出型糸とする。
【0009】
導電部露出型糸は、導電材の含有率で抵抗値が定まるが、母材中の導電材の含有率が少し変化しただけで、導電性糸全体の抵抗値が大きく変化してしまう。さらに、母材中導電材の分散がわずかに不均一になっただけで、導電性糸表面における抵抗値が不均一になってしまうという問題があった。
【0010】
さらに、導電部露出型糸は、湿度の高い雰囲気中では空気中の水分を吸収し、その抵抗値が低くなることがある。こうして抵抗値が低くなると、導電部露出型糸の表面で、上記導電性物質の露出している部分と露出していない部分とでは、抵抗値がさらに大きく変化する。
【0011】
そこで、安定した抵抗値を有し、高湿度雰囲気においても抵抗値が変化しにくい導電性糸として、導電性である導電部と、非導電性である非導電部とを備えた複合型導電性糸が作られている。
【0012】
複合型導電性糸としては、導電部と非導電部とをサンドイッチ型等に複合したサンドイッチ型導電性糸、および、導電部を芯構造とし、その外側を鞘構造である非導電部で被覆した芯鞘型導電性糸が提案されている。
【0013】
芯鞘型導電性糸としては、例えば、図6に示す丸‐丸型導電性糸101がある。丸‐丸型導電性糸101は、横断面形状が丸型の導電部102を非導電層103で被覆し、横断面の外周を丸型とした導電性糸である。
【0014】
また、特許文献1には、図7に示す導電性糸201(芯鞘型導電性糸)が開示されている。この導電性糸201は、横断面が三つ葉形状をなす導電部202と、導電部202周囲を囲む非導電部203(非導電層)とを備え、導電部202の各葉先は、導電性糸201の表面に接近する接近部202aとなっている。特許文献1では、この接近部202から導電性糸201の表面までの距離Lを規定することで、導電性糸201の導電性および電気抵抗値の安定性の両方を確保している。
【特許文献1】特開2003−066669号公報(2003年3月5日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、上記従来の技術の複合型導電性糸には、以下のような問題がある。
【0016】
サンドイッチ型導電性糸では、導電性糸表面に導電部と非導電部とが混在するので、導電性糸表面の抵抗値が不均一となる。
【0017】
また、芯鞘型導電性糸では、導電部の導電材含有率を可能な限り高めることで、導電部を低抵抗とし、それによって芯鞘型導電性糸の表面における抵抗値を比較的安定にすることができる。さらに、芯鞘型導電性糸では、非導電部の厚さによって導電性糸の表面における電気抵抗を制御することができるということも、抵抗値が安定する理由となっている。
【0018】
しかし、以下に述べるように、丸‐丸型導電性糸101には、その表面を低抵抗化しにくいという問題点がある。既に述べたように、複合型導電性糸の導電部は、樹脂にカーボン等の導電材が分散されて作られている。このことから、導電部の面積を大きくすると、紡糸および延伸工程で糸切れを起こしやすく、安定に製造することができなくなる。そこで、安定に導電性糸を製造するため、および、強度等の機械的特性の安定な糸構造を製造するために、導電部と非導電部との断面積比は、1:10〜1:5であることが好ましいとされている。しかし、この比率で丸‐丸型導電性糸101を製造すると、非導電部の厚みが大きくなり、表面における抵抗値が高くなってしまう。
【0019】
また、丸‐丸型導電性糸101においては、導電部102の断面が丸型であるため、電荷の集中する部分がなく、放電等の効率が悪い。従って、丸‐丸型導電性糸101の電気抵抗値が高くなった場合、電荷を迅速に放出することができないために、所望の帯電機能および除電機能等を維持できなくなり、その結果、記録材上の画像に不具合が生じる等の恐れがある。
【0020】
さらに、図6のように導電部102が偏心すると、導電性糸101の、非導電層103の薄い部分、すなわち導電部102が導電性糸101の表面に近い部分(以下、放電部104とする)から局所的な放電等が起こりやすくなる結果、放電ムラ等が大きくなるという問題がある。
【0021】
一方、図7に示す導電性糸201においては、接近部202aの先端付近では、非導電部203が薄くなっているため、電荷が集中しやすい。従って、丸‐丸型導電性糸101と比較すると放電効率がよい。また、導電性糸201では、図7中のLで示した大きさの非導電部203があることによって、導電性糸201の抵抗値を制御することができる。
【0022】
しかしながら、本発明者等は、導電性糸201にも以下のような問題点があることを新たに見出した。
【0023】
導電性糸201では、表面の抵抗値は接近部202a付近では低くなり、それ以外の部分では高くなっている。つまり、導電性糸201の表面では、接近部202a付近とそれ以外の部分とで、抵抗値が不均一となっている。従って、このような従来の導電性糸では、放電等が不均一となり、その結果放電ムラ等が起きてしまうという問題点がある。
【0024】
以上のように、従来の導電性糸は、その表面の抵抗値の均一性において、未だ充分とは言えず、改良の余地がある。
【0025】
本発明は上記従来の問題に鑑みたものであり、その目的は、従来よりも電気的特性の改善された芯鞘型導電性糸を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明に係る芯鞘型導電性糸は、上記課題を解決するために、導電性の芯部である導電部と、非導電性の鞘部である非導電層とを備えた芯鞘型導電性糸であり、上記導電部は、上記芯鞘型導電性糸の横断面形状において、鞘部の内側から外側に突き出す少なくとも2つの凸部を備えており、隣り合う上記凸部の頂点間の距離が、10μm以下であることを特徴とする。
【0027】
上記構成によると、上記凸部が芯鞘型導電性糸の表面に向かって突き出しているために、上記凸部の先端と上記芯鞘型導電性糸の表面との間で電流が流れやすくなるので、上述した丸‐丸型導電性糸と比べて、放電等の効率が良い。
【0028】
また、現在、粉砕法によって製造される粉砕トナーの平均粒径は、約8〜14μmである。その中でも平均粒径約10〜12μmのトナー、特に約10μmの粉砕トナーが最もよく用いられる。従って、上記構成によると、隣り合う上記凸部間の距離は、粉砕トナーの平均粒径以下となる。従って、例えば、上記芯鞘型導電性糸をクリーニングブラシに用いた場合、静電気力は、上記芯鞘型導電性糸表面に、従来よりも狭い間隔(距離)で発生する。すると、感光体ドラム上のトナーは、上記芯鞘型導電性糸の表面のどの部分に接するかによらず、静電気力の影響を受けやすい、つまり、上記芯鞘型導電性糸に吸着されやすい。よって、トナー除去ムラの少ないクリーニングブラシを提供することができる。
【0029】
上記芯鞘型導電性糸を帯電ブラシに用いた場合にも、同様に、上記芯鞘型導電性糸表面において電荷を放出する部分の間隔が狭くなるため、帯電ムラが起こりにくい。除電ブラシまたは転写ブラシ等に用いた場合も、同様に、除電または転写のムラを低減できる。
【0030】
なお、上記凸部の頂点とは、上記各凸部において、上記芯鞘型導電性糸の表面との距離が最も小さい部分を指すものとする。
【0031】
また、上記頂点間の距離は、8μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがさらに好ましい。
【0032】
近年、トナーに対する小粒径化の要求が高まり、重合法によって製造された重合トナーが用いられるようになってきた。重合法は、粉砕法よりもトナー粒径を小さくすることが可能であり、重合トナーの粒径は、現在約5〜8μmである。上記構成によると、上記凸部の頂点間の距離が、重合トナーの粒径以下であるため、上記粉砕トナーのみならず重合トナーをも含む、より多様なトナーに対して、帯電ムラ等を低減することができる。
【0033】
また、上記頂点間の距離は、1μm以上であることが好ましい。
【0034】
導電部の横断面形状において、上記凸部と、その他の部分、すなわち凹部との凹凸の差が大きいほど、凸部を先鋭に形成することができるため、凸部における放電等の効率は高くなる。つまり、言い換えると、上記凹凸の差が小さくなると、上述した丸‐丸型導電性糸の導電部の形状に近づいてしまい、放電等の効率は悪くなってしまう。上記頂点間の距離が小さいと、放電等の起こる間隔(距離)も狭くなり、より帯電ムラ等が起こりにくくなるものの、1μm未満になると上記凹凸の差を十分大きくすることは困難となるので、放電等の効率の面から適さない。
【0035】
したがって、上記頂点間の距離を1μm以上とすれば、上記凹凸の差を十分大きくすることができ、放電等の効率を高くすることができる。
【0036】
また、上記凸部の頂点間の各距離は、一定であることが好ましい。
【0037】
上記構成によると、上記芯鞘型導電性糸は、その表面における放電等の間隔が一定になるので、例えば、上記芯鞘型導電性糸を帯電ブラシに用いた場合、感光体ドラムがより均一に帯電される。同様に、上記芯鞘型導電性糸は、トナー除去、および除電等においても、ムラを低減することができる。
【0038】
また、上記各凸部の頂点と上記芯鞘型導電性糸の表面との間の距離は、上記凸部の頂点間の距離以下であることが好ましい。
【0039】
既に述べたように、上記導電部の凹凸の差が大きいほうが、凸部を先鋭に形成することができるので、電荷が集中しやすく、放電等の効率が高くなる。上記各凸部の頂点と上記芯鞘型導電性糸の表面との間の距離が上記凸部の頂点間の距離以上に大きくなると、上記凹凸の差が小さくなってしまい、放電等の効率が悪くなる。
【0040】
したがって、各凸部の頂点と上記芯鞘型導電性糸の表面との間の距離を、上記凸部の頂点間の距離以下とすることによって、上記凸部を十分に先鋭に形成することができ、放電等の効率を高くすることができる。
【0041】
また、本発明に係る導電性糸では、上記凸部の各頂点を結ぶ外周形状は多角形状をなし、多角形の辺数が5以上であることが好ましい。
【0042】
上記構成によると、上記芯鞘型導電性糸は、上記突起部を備えるため、放電等の効率がよい。
【0043】
また、上記構成によると、上記芯鞘型導電性糸の表面において、放電等の起こる部分の数が5以上と多くなる。従って、上記芯鞘型導電性糸を用いた導電性ブラシは、帯電ムラ等が起こりにくい。
【0044】
例えば、クリーニングブラシに用いた場合は、感光体ドラム上のトナーは、上記芯鞘型導電性糸の表面のどの部分に接するかによらず、静電気力の影響を受けやすい、つまり、上記芯鞘型導電性糸に吸着されやすい。よって、トナー除去ムラの少ないクリーニングブラシを提供することができる。
【0045】
上記芯鞘型導電性糸を帯電ブラシまたは除電ブラシに用いた場合にも、同様に、上記芯鞘型導電性糸表面において電荷を放出または受容する部分が多くなるため、帯電ムラが起こりにくい。
【0046】
本発明に係る導電性ブラシは、上記課題を解決するために、上記芯鞘型導電性糸を用いて形成されていることを特徴とする。
【0047】
上記構成によると、上記導電性ブラシは、放電ムラ等の低減された芯鞘型導電性糸を用いて形成されているので、帯電ムラ等が起こりにくい。
【0048】
従って、上記導電性ブラシを、例えば帯電ブラシとして用いた場合には、良好な画質を得ることができる。また、クリーニングブラシとして用いた場合には、効率よく感光体ドラム上の残留トナーを除去することができ、かつトナー除去ムラも起こりにくい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明する。
【0050】
図4は、本実施形態に係る電子写真方式の画像形成装置における画像形成部60の内部構造を模式的に示す正面図である。
【0051】
なお、画像形成装置は、スキャナにて読み込まれた画像や、画像形成装置に外部から接続された機器(例えばパーソナルコンピュータなどの画像処理装置)からのデータを画像として記録出力するものである。
【0052】
画像形成部20は、図4に示す矢印方向に回転する感光体ドラム21を備えている。さらに、画像形成部20においては、感光体ドラム21を一様に帯電させる帯電装置22、外部機器やスキャナから入力したデータに基づいて、帯電した感光体ドラム21に光像を走査することで静電潜像を形成する光走査装置23、静電潜像をトナーによって顕像化する、つまりトナー画像を形成する現像装置24、トナー画像を用紙30(記録材)に転写する転写用放電装置25、用紙30を感光体ドラム21に運ぶ転写ベルト26、および、転写後の感光体ドラム21上に残った残留トナーを除去するクリーニング装置27が、感光体ドラム21の回転方向に沿って順に設置されている。
【0053】
本実施の形態のクリーニング装置27は、クリーニングブラシとして導電性ブラシを備えており、この導電性ブラシは、感光体ドラム21に対して摺動回転する回転型ブラシ40である。
【0054】
図5に、本実施形態の導電性ブラシである回転型ブラシ40の構造概略図を示す。
【0055】
図5に示すように、回転型ブラシ40は、回転軸41および長尺状のブラシ体42を備えている。回転軸41はアルミニウム等の金属からなり、その横断面形状は丸型である。長尺状のブラシ体42は、その片面が起毛した、いわゆるベロア生地である。本実施の形態におけるブラシ体42は、基布43の片面に、ブラシ毛である導電性糸1(芯鞘型導電性糸)を植毛してなるベロア静電植毛材である。基布43は、ポリエステルまたはポリアミド等の合成樹脂からなる絶縁糸で作られており、導電性糸1が植毛されていない側には、導電性のバックコートが施されている。バックコート材としては、SBR(スチレンブタジエンラバー)にカーボンを分散したものが用いられる。回転ブラシ40において、ブラシ体42は、導電性糸1側の面を外側に向けて、回転軸41にらせん状に巻きつけられている。
【0056】
また、導電性ブラシとしては、上記のような回転型ブラシに限らず、金属からなる平板と、上記平板に貼り付けられたブラシ体42からなる固定式ブラシであっても良い。この場合、ブラシ体42は、上記平板上に対して、ブラシ毛である導電性糸1が垂直方向に立つように貼り付けられる。
【0057】
また、ブラシ体は、上記のような合成樹脂からなるブラシ体に限らず、パイル織物であってもよい。このパイル織物は、縦糸および横糸からなる基布に、パイル糸がパイル織りによって織り込まれたものである。このパイル糸は、隣接するパイル糸同士が互いを支えあうように、密に織り込まれることで、上記基布上に起毛される。また、このパイル糸は、複数の導電性糸1が撚糸加工されたものであり、この複数の導電性糸1の先端は、パイル織物上で穂状に広がることで、ブラシ毛となる。
【0058】
後述するように、回転型ブラシ40によって感光体ドラム21の残留トナーを除去する場合、回転型ブラシ40の導電性糸1に、残留トナーとは逆の極性の電荷が注入される。例えば、トナーが−極性に帯電している場合、導電性糸1には+極性の電荷が注入されるものとする。
【0059】
次に、本発明に係る導電性糸1とその利用について説明するが、その前に、従来の導電性糸問題点について述べる。
【0060】
まず、従来の丸‐丸型導電性糸の問題点について、図6に基づいて説明する。丸‐丸型導電性糸101では、導電部102の断面が丸型であるため、電荷の集中する部分がなく、放電等の効率が悪い。従って、丸‐丸型導電性糸101の電気抵抗値が高くなった場合、電荷を迅速に放出することができないために、所望の帯電機能および除電機能等を維持できなくなり、その結果、記録材上の画像に不具合が生じる等の恐れがある。
【0061】
さらに、図6のように導電部102が偏心すると、放電部104から局所的な放電等が起こりやすくなるので、放電ムラ等が大きくなる。
【0062】
丸‐丸型導電性糸の放電ムラ等について、導電性糸101をクリーニングブラシに用いた場合のトナー除去ムラを例として説明する。導電性糸101には、トナーと逆の極性の電荷が注入される。このとき、既に述べたように、注入される電荷量は、導電性糸101の外部には放電されないが、放電部104に静電気力(図6中に矢印で示す)を生じる程度の大きさとする。この静電気力によって、放電部104またはその近傍にあるトナー180aは、導電性糸101に吸着され、除去される。
【0063】
しかし、トナー180bのように、たとえ導電性糸101に接していても、接した場所が放電部104から離れた部分であるトナー180bは、上記静電気力の影響を受けにくいため、導電性糸101に吸着されない。その結果、トナー180bは除去されずに残り、トナー除去ムラが起こる。
【0064】
一方、図7に示す導電性糸201は、横断面が三つ葉形状をなす導電部202を備えており、導電部202の各葉先は、導電性糸201の表面に接近する接近部202aとなっている。このような導電性糸201では、接近部202aの先端において放電等が起こるので、放電効率はよい。
【0065】
しかし、本発明者等は、導電性糸201からの放電等は、接近部202aに近い表面部分、すなわち放電部204のみで起こる局所的なものであるため、このような導電性糸を用いた場合、放電ムラ等が大きくなることを見出した。
【0066】
つまり、導電性糸201をクリーニングブラシに用いた場合、導電性糸201表面に発生する静電気力(図7中に矢印で示す)は、放電部204のみで起こる局所的なものであり、かつ接近部202aの間隔は規定されていないため、図6で説明したと同様のトナーの除去ムラが起こりうる。
【0067】
つまり、放電部204近傍のトナー180aは、放電部204に生じた静電気力によって、導電性糸201に吸着される。しかし、例えば、2つの放電部204の中間部分に接したトナー180bは、上記静電気力の影響を受けにくいため、除去されずに残ってしまう。
【0068】
以上のように、上記従来の導電性糸は、クリーニングブラシに用いた場合、導電性糸表面における静電気力の発生にムラが生じるため、トナー除去ムラが起こりうる。同様に、帯電ブラシ等に用いた場合にも、例えば回転する感光体ドラムの表面に対して、導電性糸の放電等が起きやすい部位と起きにくい部位との接触が入り混じるため、帯電ムラ等が起こりうる。
【0069】
このような問題点を解決するために、本発明の導電性糸は、例えば図1に示すような構造を有する。
【0070】
図1に、本実施形態に係る導電性糸1の横断面図を示す。
【0071】
図1に示すように、導電性糸1は、内部に芯部である導電部2を備え、導電部2の外側に鞘部である非導電層3を備えている。言い換えると、導電性糸1は、導電部2を非導電層3で被覆した構造になっている。また、導電性糸1の横断面形状の外周は略円形になっている
導電部2の横断面形状は、非導電層3の内側から外側に突き出す複数の突起部2a(凸部)を備えた形状になっている。つまり、導電部2の外周は、多葉形状または多針形状に形成されている。そのような形状の一例として、突起部2aは、導電性糸1の中心から導電性糸1の表面に向かって、放射状に伸びており、先端側ほど幅が狭い先細り形状になっている。つまり、本実施形態の導電性糸1の横断面形状において、突起部2aは略二等辺三角形であり、この二等辺三角形の頂点を導電性糸1の断面の外周に向けた構造となっている。
【0072】
また、隣り合う突起部2aの頂点間の間隔(距離)Wは、10μm以下に設定されている。一方、現在、一般的に用いられる粉砕トナーの平均粒径は、約10〜12μmである。特に、平均粒径が約10μmの粉砕トナーが最もよく用いられている。つまり、導電性糸1における突起部2aの頂点の間隔Wは、粉砕トナーの平均粒径以下であるといえる。このことによって、後述するように、帯電ムラ等が低減される。
【0073】
また、突起部2aの頂点と導電性糸1の表面との間は、非導電層3が薄くなっているため、電流が流れやすくなっており、この部分の導電性糸1表面からは電荷を放出ないし受容しやすい。このように電荷を放出ないし受容しやすい、つまり放電しやすい部分を、放電部4とする。
【0074】
次に、図2に基づいて、導電性糸1の利用について説明する。
【0075】
図2は、導電性糸1によるトナー除去の原理を模式的に表した図面である。トナーを除去するときは、導電性糸1に、トナーと逆の極性の電荷、すなわち、本実施の形態では+極性の電荷が注入される。このとき注入される電荷量は、既に述べたように、導電性糸1の外部に放出されないが、放電部4に、静電気力(図2中に矢印で示す)を生じる程度の大きさであるとする。
【0076】
上記の構成において、図2に示すように、感光体ドラム21の表面に残留したトナーの内、放電部4に接するトナー80aは、放電部4に生じた静電気力によって導電性糸1に吸着され、感光体ドラム21から除去される。また、導電性糸1においては、上述したように、突起部2aの頂点の間隔Wが10μm以下、つまり粉砕トナーの平均粒径以下であるため、導電性糸1表面の、放電部4以外の部分に接するトナー80bも、吸着することができる。つまり、導電性糸1表面の静電気力を帯びた部分の間隔が従来よりも狭いため、トナーは、導電性糸1のどの部分に接しても、放電部4から静電気力の影響を受けやすく、吸着されやすくなっている。
【0077】
また、導電性糸1において、突起部2aの頂点の間隔Wは、8μm以下が好ましく、5μm以下であることがさらに好ましい。
【0078】
近年、画像の高画質化の要求が高まる中、トナーも小粒径化が進んでいる。その例が、重合法で作られた重合トナーである。重合法によると、粉砕法よりもトナー粒径を小さくすることが可能であり、現在製造されている重合トナーの粒径は、約5〜8μmである。従って、突起部2aの頂点の間隔Wが8μm以下、または5μm以下の導電性糸1を用いることで、重合トナーのように粒径の小さなトナーも、トナー除去ムラを起こすことなく除去できる。つまり、本発明の導電性糸1を用いることによって、より多様なトナーに対してトナー除去ムラの起こりにくいクリーニングブラシを提供することができる。
【0079】
現在、画像形成装置のブラシに用いられる一般的な導電性糸の直径は、20〜30μmである。従って、上述した従来の導電性糸201における接近部202aの頂点間の間隔は、17〜26μmとなり、現在市販されている粉砕トナーの平均粒径10μmよりもかなり大きくなっている。つまり、導電性糸201表面の放電部204の間隔がトナーの粒径よりもかなり大きいため、放電ムラ等が大きい。従って、既に述べたように、クリーニングブラシに用いた場合、放電部204の近傍に接するトナーしか除去されず、トナー除去ムラが大きくなるという問題があった。
【0080】
また、導電性糸201のような三つ葉形状の導電部202を備えた導電性糸で、導電性糸の半径を10μm以下に形成することは、現在の技術では非常に困難である。従って、導電性糸201の構成で、本発明の導電性糸1のように、放電等の間隔を10μm以下にすることは、極めて困難である。しかし、本発明の導電性糸1においては、上述のような構成を有するために、導電性糸の半径を小さくするという困難な工程を伴うことなく、放電ムラ等の低減された導電性糸および導電性ブラシを提供することができる。
【0081】
また、突起部2aの頂点の間隔Wは、1μm以上であることが好ましい。
【0082】
これは、突起部2aの頂点の間隔Wが小さくなるにつれ、突起部2aと突起部2a間の谷部との高低差(図1中にHで示す)が小さくなる傾向にあるためである。突起部2aは、先鋭に形成されている方が、その先端に電荷が集中しやすく、放電等の効率がよいという利点がある。ところが、上記高低差Hが小さくなると、突起部2aを先鋭に形成することが困難となる。つまり、導電部2の外周は円に近くなる。すると、突起部2aに電荷が集中しにくく、放電等の効率が悪くなるという不具合が起こる。特に、突起部2aの頂点の間隔Wが1μm未満であると、現在の放電等の効率が悪いため、画像形成装置の各導電性ブラシに用いるには適さない。
【0083】
また、導電性糸1においては、突起部2aの頂点の間隔Wは、導電部2の外周全体にわたって一定、つまり正多角形の一辺に対応していることが、より好ましい。
【0084】
突起部2aの頂点の間隔Wが一定であると、放電部4の間隔も一定になる。このため、例えば、導電性糸1を帯電装置22の帯電ブラシに用いた場合、多数の導電性糸1同士の放電特性の差をより小さくできるため、感光体ドラム21がより均一に帯電され、良好な画質を得ることができる。
【0085】
また、突起部2aと導電性糸1表面との間隔(距離)Gは、突起部2aの頂点の間隔Wよりも小さいことが好ましい(図1)。
【0086】
突起部2aと導電性糸1表面との間隔Gが大きいと、上記突起部2aの頂点は導電性糸1のより内側に後退することになる。すると、上記高低差Hを大きく確保することが困難になる。既に述べたように、上記高低差Hが小さくなると、放電等の効率が悪くなるという不具合が起こる。つまり、突起部2aと導電性糸1表面との間隔Gは所定値以上に大きくならないことが好ましい。この観点で、突起部2aと導電性糸1表面との間隔Gを、突起部2aの頂点の間隔Wよりも小さく設定すると(G<Wと設定すると)、導電性糸1は放電等の効率がよく、導電性ブラシに好適に用いることができる。
【0087】
また、Gの値を小さく設定するほど、突起部2aの先端付近における導電性糸1表面の抵抗値は小さくなり、放電等の効率が高まる。この観点から、Gの値は5μm以下であることが好ましい。また、導電性糸1表面における抵抗値を安定させるためには、非道電層3が、導電部2を導電性糸1表面に露出させることなく覆うように形成されていることが好ましい。従って、Gの値は0よりも大きく設定されていることが好ましい。特に、導電部2を露出させずに、安定な抵抗値を有する導電性糸1を提供するためには、Gの値は0.5μm以上であることが好ましい。
【0088】
また、本発明の導電性糸1を用いた導電性ブラシは、上述したようなクリーニング装置27のクリーニングブラシに限らず、上記帯電装置22における帯電ブラシ、転写用放電装置25における転写ブラシ、または感光体ドラム21の除電ブラシ(図示せず)等に用いた場合にも、良好な帯電特性、転写特性、および除電特性等を得ることができる。なお、上述した各々のブラシが接触する対象となるものを被接触体と称する。つまり、上記帯電ブラシ、除電ブラシ、およびクリーニングブラシでは感光体ドラムが、上記転写ブラシでは転写ベルト26が、被接触体となる。
【0089】
帯電ブラシに用いた場合は、導電性糸1に、放電部4から電荷を放出する程度の大きさの電荷を注入する。すると、導電性糸1の表面から、従来よりも狭い放電部4間の間隔で放出された電荷によって感光体ドラム21が帯電されるため、従来よりも均一に帯電され、帯電ムラが低減される。また、除電ブラシに用いた場合も、同様に、感光体ドラム21を均一に除電することができ、除電ムラが低減される。また、転写ブラシに用いた場合も、導電性糸1から、従来よりも狭い放電部4間の間隔で放出された電荷によって感光体ドラム21上のトナー像が用紙30に転写されるため、従来よりも均一に転写される。
【0090】
本実施の形態に係る導電性ブラシにおいては、導電糸1の密度F(導電糸数/inch)、および、導電糸1の太さD(デシテックス)が、D×F≧250で表されることが好ましい。つまり、導電性糸1の太さDが小さくなる(導電性糸1が細くなる)ほど、導電性ブラシ上のブラシ毛(導電性糸1)の密度Fの下限は大きくなり、導電性糸1の太さDが大きくなる(導電性糸1が太くなる)ほど、ブラシ毛(導電性糸1)の密度の下限は小さくなる。
【0091】
上記構成によると、導電性ブラシを被接触体に接触させたとき、ブラシ毛(導電性糸1)がほぼ均一に上記被接触体に当たるので、放電ムラ等が起こりにくくなる。
【0092】
導電性糸1は、例えば、導電部2および非導電部3に対応する形状のノズルを使用した溶融紡糸法により得られる。導電性糸1の材料としては、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、またはビニロン等が好ましいが、溶融紡糸による導電性糸1の作製が可能な樹脂であればよく、特に限定されるものではない。つまり、良好な摺動性と耐磨耗性とを有し、かつ適度な耐熱性を有する合成樹脂であればよい。
【0093】
導電部2の材料は、このような合成樹脂に、さらに導電性材料を練り込んだものである。この導電性材料としては、カーボンおよびニッケル等の金属、並びに、酸化錫等の金属酸化物の粉が用いられる。
【0094】
なお、本発明の芯鞘型導電性糸の実施の形態としては、図1に示すような、突起部2aが略二等辺三角形である構成に限らず、他の構成であっても良い。つまり、突起部は、非導電層の内側から外側に向かって伸びており、かつその頂点の間隔が5μm以下であればよく、その形状は特に限定されない。本発明の導電性糸の構成について、変形例を図3(a)〜(c)に挙げて説明する。なお、図1の導電性糸1で説明した部材と同様の機能を有する部材については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0095】
本発明に係る芯鞘型導電性糸は、図3(a)に示す導電性糸51(芯鞘型導電性糸)のように、突起部2aの形状が略直線状ないし長尺状であり、その突起部2aが、非導電層3の内側から外側に向かって放射状に伸びていてもよい。
【0096】
また、突起部2aは、非導電層の内側から外側に向かって、導電性糸51のように直線的に伸びていてもよく、図3(b)に示す導電性糸52(芯鞘型導電性糸)のように、曲線的に伸びていてもよい。さらに、図3(c)に示す導電性糸53(芯鞘型導電性糸)のように、各々の突起部の伸びる方向(図中一点鎖線)は、導電性糸の中心を通らなくてもよい。
【0097】
また、本発明に係る芯鞘型導電性糸は、突起部(凸部)の各頂点を結ぶ外周形状が多角形状をなし、多角形の辺数が5以上であることが好ましい。
【0098】
上記構成によると、上記芯鞘型導電性糸は、上記突起部を備えていることから、放電等の効率がよい。従って、導電性ブラシに用いた場合、迅速に、効率よく帯電等を行うことができる。
【0099】
また、上記構成によると、上記芯鞘型導電性糸の表面上における放電等の起こる部分が多くなる。従って、上記芯鞘型導電性糸を導電性ブラシに用いた場合、帯電ムラ等が起こりにくいという効果を得られる。例えば、上記導電性ブラシを帯電ブラシとして用いると、良好な画質を得ることができる。また、上記導電性ブラシをクリーニングブラシとして用いた場合にも、効率よくトナーを除去することができる。
【0100】
本発明に係る芯鞘型導電性糸は、導電部の外側を、非導電層で被覆した芯鞘型導電性糸であり、上記導電部は、上記芯鞘型導電性糸の横断面形状において、鞘部の内側から外側に突き出す複数の突起部(凸部)を備えており、上記突起部の頂点間の間隔は、[1/印字分解能]以下であることが好ましい。
【0101】
例えば、印字分解能が1200dpiであるとき、上記突起部の間隔は、約20μmとなる。
【0102】
上記構成によると、例えば、上記芯鞘型導電性糸を帯電ブラシに用いた場合、感光体ドラム上を印字分解能以下の間隔で帯電することができる。従って、帯電ムラは低減され、良好な画質を得ることができる。
【0103】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示す範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示す範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明の芯鞘型導電性糸は、電子写真方式の画像形成装置における帯電ブラシ、およびクリーニングブラシ等の導電性ブラシに好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明に係る導電性糸の一実施形態を示す横断面図である。
【図2】本発明に係る導電性糸によるトナー除去の原理を模式的に示す図面である。
【図3】(a)〜(c)は、本発明に係る導電性糸の他の実施形態を示す横断面図である。
【図4】本発明の導電性糸を用いて構成した各種導電性ブラシを備えた画像形成装置の画像形成部の構成を模式的に示す正面図である。
【図5】本発明の導電性糸を用いて構成した回転型ブラシの構造を示す図面である。
【図6】従来の丸−丸型導電性糸によるトナー除去の原理を模式的に示す横断面図である。
【図7】従来の導電性糸の別構成例を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0106】
1 導電性糸(芯鞘型導電性糸)
2 導電部(芯部)
2a 突起部(凸部)
3 非導電層(鞘部)
40 回転型ブラシ(導電性ブラシ)
41 回転軸
42 ブラシ体
43 基布
W 隣り合う突起部の頂点間の間隔(隣り合う凸部の頂点間の距離)
G 突起部の頂点と導電性糸の表面との間隔(凸部の頂点と芯鞘型導電性糸の表面との間の距離)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性の芯部である導電部と、非導電性の鞘部である非導電層とを備えた芯鞘型導電性糸であり、
上記導電部は、上記芯鞘型導電性糸の横断面形状において、鞘部の内側から外側に突き出す少なくとも2つの凸部を備えており、
隣り合う上記凸部の頂点間の距離が、10μm以下であることを特徴とする芯鞘型導電性糸。
【請求項2】
上記凸部の頂点間の距離が、5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の芯鞘型導電性糸。
【請求項3】
上記凸部の頂点間の距離が、1μm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の芯鞘型導電性糸。
【請求項4】
上記凸部の頂点間の各距離は、一定であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の芯鞘型導電性糸。
【請求項5】
上記各凸部の頂点と上記芯鞘型導電性糸の表面との間の距離は、上記凸部の頂点間の距離以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の芯鞘型導電性糸。
【請求項6】
上記凸部の各頂点を結ぶ外周形状が多角形状をなし、多角形の辺数が5以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の芯鞘型導電性糸。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の芯鞘型導電性糸を用いて形成されていることを特徴とする導電性ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−152513(P2006−152513A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−348999(P2004−348999)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【出願人】(390026147)東英産業株式会社 (38)
【Fターム(参考)】