説明

花火とその花火を発射する鳥獣撃退装置

【課題】有害鳥獣に対して離れた所から威嚇する花火を提供する。
【解決手段】花火1は、内部に火薬等が詰め込まれている円筒体2であり、下部に点火線3が備えてある。又、この花火1は、安定して飛ぶために、周囲に同角度の4箇所に、ボール紙等で製作の先端が傾斜状の誘導翼4が円筒体2の外周でスライド可能に取りつけてあると共に、これらの誘導翼4の外周には、ボール紙等で製作の包み体5が巻きつけてある。この包み体5が設けてあるのは、ホッパーに収納したとき、互いに重なり合わずに、1本毎、底部の排出口から排出できるためである。尚、前記誘導翼の数は、4個に限定されなし。そして、前記点火線3に点火した後に、飛翔するときには、前記誘導翼4及び包み体5が下方向(点火線3方法)にスライドして、安定して飛翔する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、有害鳥獣に対して離れた所から威嚇する花火とその花火を発射する鳥獣撃退装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鳥獣撃退装置として特許公報1があり、この公報には、硬質の円筒形状のものを砲身として、先端を挿入兼発射口、一本の途中開口部を点火口とし、手元を握り部分としたロケット花火等の発射装置が開示してある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-97564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公報に開示の撃退装置は、手に持って花火等を発射させるものであり、人が鳥獣を見つけた後に行うものである。そのため、鳥獣を見つけることが問題であるし、手間暇がかかり、効率よく撃退する装置の出現が望まれている。
そこで、本願発明は、鳥獣が出没する場所に発射する花火とその花火を自動で発射して威嚇することができる鳥獣撃退装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の花火は、内部に火薬等が詰め込まれている円筒体あって、円筒体の周囲に誘導翼をスライド可能に取りつけ、且つ、これらの誘導翼の外周には包み体が巻きつけてある。そして、花火が飛んでいる姿態は、誘導翼が下方にスライドした姿態であるので、花火は安定して飛ぶことができる。
又、請求項2の鳥獣撃退装置は、請求項1に記載の花火をホッパーに収納し、そのホッパーの底部の排出口に対応して、花火を収納可能な溝を形成の回転体が設けてある。そして、その回転体を回転して発射台に花火を搬送し、花火に点火して砲身を介して花火を発射する。
又、請求項3の鳥獣撃退装置は、砲身を所定の仰角又は所定方向に、花火を発射する。
又、請求項4の鳥獣撃退装置は、花火に点火後に、点火具を前記花火の噴射炎に触れないように点火具を移動させる。
【発明の効果】
【0006】
本願の花火は、安定して飛翔することができるし、鳥獣撃退装置は目的に向かって花火を発射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】(A)はホッパーに収納状態の花火であり、(B)は飛んでいる姿態の花火の図である。
【図2】鳥獣撃退装置の正面断面図である。
【図3】図2の右側面断面図である。
【図4】砲身を所定の仰角にして花火を発射する状態図である。
【図5】(A)(B)は図3の点火具における平面図であり、点火具の作動を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明について、図面を参照して説明する。図1(A)はホッパーに収納状態の花火1であり、図1(B)は飛んでいる姿態の花火1である。又、図2は鳥獣撃退装置の正面断面図であり、図3は右側面断面図である。また、図4は砲身11を所定の仰角にして花火を発射する状態図であり、図5(A)(B)は図3の点火具22の平面図であり、点火具の移動を示す。
【0009】
花火1は、内部に火薬等が詰め込まれている円筒体2であり、下部に点火線3が備えてある。又、この花火1は、安定して飛ぶために、周囲に同角度の4箇所に、ボール紙等で製作の先端が傾斜状の誘導翼4が円筒体2の外周でスライド可能に取りつけてあると共に、これらの誘導翼4の外周には、ボール紙等で製作の包み体5が巻きつけてある。
この包み体5が設けてあるのは、後述するホッパー10に収納したとき、互いに重なり合わずに、1本毎、底部の排出口から排出できるためである。尚、前記誘導翼の数は、4個に限定されなし。
そして、前記点火線3に点火した後に、飛翔するときには、前記誘導翼4及び包み体5が下方向(点火線3方法)にスライドして、図1(B)に姿態となり、安定して飛翔する。
【0010】
この鳥獣撃退装置50は砲身11を備えていて、その砲身11は所定の仰角となり、且つ、花火1を所定の方向に向けて発射することができる。
また、この鳥獣撃退装置50にはカバー(図示略)が取り付けてあり、そのカバーには鳥獣の姿を検出するレーザー式検出装置(図示略)や、音声方向を検出する音声検出装置(図示略)が備え付けてある。
そして、前記レーザー式検出装置や音声検出器で鳥獣を検出したときには、花火を発射する準備をする。
【0011】
鳥獣撃退装置50に配設の回転板12は、図示略の回転駆動装置により回転し、前記レーザー式検出装置や音声検出器で鳥獣を検出した方向に、砲身11を向ける制御をする。
また、この回転板12には枠体13が立設してあり、この枠体13には後記で詳述する支持軸29が設けてあり、砲身11の仰角の設定をする。
ホッパー10は平面視、四角状であり、前記花火1を積層可能な大きさである。又、そのホッパー10の底部には、1本の花火1を排出可能な大きさの排出口が設けてあり、その排出口に対応して、その下部には、1本の花火1を受け入れるU字状の溝部18を形成の回転体15が、回動軸17を介して設置してあり、回転モータ16の駆動によって、ギア16a、16bを介して回転する。
【0012】
尚、前記溝部18に収納された花火1は、回転体15の回転により、真下の発射台20に搬送される。
また、この発射台20の左部には、砲身11が設けてあり、反対の右部には、前記花火1の点火線3に着火する点火具(例えば、ライター)22が回動板27に載置してあり(図5参照)、図示略の電池を電源として、スイッチにより点火具を熱する。尚、前記点火具は熱式であるが炎式であってもよい。
【0013】
又、点火具22は、着火するときには点火線3に対向した位置であり(図5(A))、花火1の点火線3に着火したら、回動モータ24を介して前記回動板27を90°時計方向に回動して、花火1の真後ろから移動して、火花1の噴射炎が点火具22に触れないようにしてあり、点火具22の掃除をする頻度の減少を図っている。
【0014】
また、この鳥獣撃退装置50は、図3に示すように、溝部18に収納された花火1を、回転体15の回転により発射台20に搬送されるが、花火1を発射するときには、図4に示すように砲身11を所定の仰角にセットする。
そのため、前記枠体13には支持軸29が設けてあり、前記回転体15、ホッパー10、砲身11等が仰角モータ28によって回動し、砲身11を水平から所定の仰角にする(図2、図4)。そして、前記発射台20の花火1は、点火具22側に滑り落ちて、点火具22により点火線3に着火可能になる。
【0015】
次に、前記構成の鳥獣撃退装置の操作の一例について説明すると、この鳥獣撃退装置50は、鳥獣が来る箇所に設置する。
そして、レーザー式検出装置や音声検出器で鳥獣を監視していて、鳥獣を検出したときには、花火1を発射する準備をする。
具体的には、先ず、回転板12を、花火を発射する方向、即ち、鳥獣が出現した方向に、図示略の回転駆動装置により回転して砲身11を向ける。
又、ホッパー10に収納の花火1を排出口から、溝18に受け入れて、回転体15を回転させて発射台20まで搬送する(図3)。そして、仰角モータ28によって砲身11を所定の仰角になるまで回動すると、花火1は点火具22側に滑り落ちる(図4)。
そして、点火具22を熱するために、図示略の電池のスイッチをいれ、この点火具22により点火線3に着火すると、回動モータ24を介して前記回動板27を90°時計方向に回動して(図5(B))、花火1の噴射炎が点火具22に触れないようにして、花火1を発射台20から砲身11を通って発射する。
【0016】
次に、同じ方向に、花火1を発射させるためには、砲身11の仰角は同じであり、溝18に受け入れた次の花火1を、回転体15を回転して発射台20まで搬送すると、花火1は点火具22に滑り落ち、点火具22による点火により、花火1が発射される。
以上の工程を繰り返すことによって、花火1は、次々と発射されるし、花火1の発射する方向を変更するときには、回転板12を回転することによってなしえる。
尚、前記の工程は一例に過ぎず、常時、砲身11を仰角に設定した状態で、花火1を回転体15により発射台20に搬送した後に、点火して発射するという工程であってもよく、設置場所等を考慮して選定できる。
【符号の説明】
【0017】
1 花火
2 円筒体
3 点火線
4 誘導翼
5 包み体
10 ホッパー
11 砲身
12 回転板
15 回転体
16 回転モータ
18 溝部
20 発射台
22 点火具
27 回動板
28 仰角モータ
29 支持軸


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に火薬等が詰め込まれている円筒体の花火であって、円筒筒の周囲に誘導翼をでスライド可能に取りつけ、且つ、これらの誘導翼の外周には包み体が巻きつけてあることを特徴とする花火。
【請求項2】
請求項1の花火をホッパーに収納し、
そのホッパーの底部の排出口に対応して、花火を収納可能な溝を形成の回転体を設け、
その回転体を回転して発射台に搬送し、前記花火を点火して砲身を介して花火を発射する鳥獣撃退装置。
【請求項3】
砲身を所定の仰角又は所定方向で、花火を発射する請求項2の鳥獣撃退装置。
【請求項4】
花火に点火後に、点火具を前記花火の噴射炎に触れないように点火具を移動させる請求項2又は請求項3の鳥獣撃退装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−13367(P2012−13367A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151809(P2010−151809)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(510184575)有限会社三笠エンジニアリング (1)
【Fターム(参考)】